独立行政法人国立大学財務・経営センター法
平成17年7月26日 改正
第1条
【目的】
この法律は、独立行政法人国立大学財務・経営センターの名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
第2条
【名称】
この法律及び
独立行政法人通則法(以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される
通則法第2条第1項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人国立大学財務・経営センターとする。
第3条
【センターの目的】
独立行政法人国立大学財務・経営センター(以下「センター」という。)は、国立大学法人(
国立大学法人法第2条第1項に規定する国立大学法人をいう。以下同じ。)、大学共同利用機関法人(
同条第3項に規定する大学共同利用機関法人をいう。以下同じ。)及び独立行政法人国立高等専門学校機構(以下「国立大学法人等」という。)の施設の整備等に必要な資金の貸付け及び交付並びに国立大学法人等の財務及び経営に関する調査及び研究、その職員の研修その他の業務を行うことにより、国立大学法人等の教育研究環境の整備充実並びに財務及び経営の改善を図り、もって国立大学、大学共同利用機関及び国立高等専門学校(以下「国立大学等」という。)における教育研究の振興に資することを目的とする。
第5条
【資本金】
1
センターの資本金は、
附則第8条第2項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2
政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、センターに追加して出資することができる。
3
センターは、
前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
第6条
【役員】
1
センターに、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
2
センターに、役員として、理事一人を置くことができる。
第7条
【理事の職務及び権限等】
1
理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐してセンターの業務を掌理する。
2
通則法第19条第2項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
3
前項ただし書の場合において、
通則法第19条第2項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
第9条
【理事長の任命】
文部科学大臣は、
通則法第20条第1項の規定により理事長を任命しようとするときは、文部科学省令で定めるところにより、国立大学等に関し広くかつ高い識見を有する者その他の文部科学省令で定める者の意見を聴くものとする。
第10条
【役員の欠格条項の特例】
1
通則法第22条の規定にかかわらず、教育公務員で政令で定めるものは、非常勤の理事又は監事となることができる。
第11条
【役員及び職員の秘密保持義務】
センターの役員及び職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
第12条
【役員及び職員の地位】
センターの役員及び職員は、
刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第13条
【業務の範囲】
センターは、
第3条の目的を達成するため、次の業務を行う。
①
国立大学法人等の財産の適切かつ有効な活用について国立大学法人等に対する協力及び専門的、技術的助言を行うこと。
②
国立大学法人及び大学共同利用機関法人に対し、文部科学大臣の定めるところにより、土地の取得、施設の設置若しくは整備又は設備の設置に必要な資金の貸付け(以下「施設費貸付事業」という。)を行うこと。
③
国立大学法人等に対し、文部科学大臣の定めるところにより、土地の取得、施設の設置若しくは整備又は設備の設置に必要な資金の交付(以下「施設費交付事業」という。)を行うこと。
④
国立大学法人等における奨学を目的とする寄附金で特定の国立大学法人等に係るもの以外のものの受入れ及び当該寄附金に相当する金額の配分に関する業務を行うこと。
⑤
高等教育に係る財政並びに国立大学法人等の財務及び経営に関する調査及び研究を行うこと。
⑥
国立大学法人等における財務及び経営の改善に関し、その職員の研修、情報提供その他の業務を行うこと。
第14条
【区分経理】
センターは、施設費貸付事業及び施設費交付事業に係る経理については、その他の経理と区分し、特別の勘定(以下「施設整備勘定」という。)を設けて整理しなければならない。
第15条
【利益及び損失の処理の特例等】
1
施設整備勘定以外の一般の勘定において、
通則法第29条第2項第1号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る
通則法第44条第1項又は
第2項の規定による整理を行った後、
同条第1項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち文部科学大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る
通則法第30条第1項の認可を受けた中期計画(
同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における
第13条第1号及び
第4号から
第6号までに掲げる業務並びにこれらに附帯する業務の財源に充てることができる。
2
文部科学大臣は、
前項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、文部科学省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならない。
3
センターは、
第1項に規定する積立金の額に相当する金額から
同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
5
センターは、施設整備勘定において、
通則法第44条第1項本文又は
第2項の規定による整理を行った後、
同条第1項本文の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額を、翌事業年度以降の施設費交付事業の財源に充てなければならない。
6
前各項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
第16条
【長期借入金及び独立行政法人国立大学財務・経営センター債券】
1
センターは、施設費貸付事業に必要な費用に充てるため、文部科学大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は独立行政法人国立大学財務・経営センター債券(以下「債券」という。)を発行することができる。
2
前項に規定するもののほか、センターは、長期借入金又は債券で政令で定めるものの償還に充てるため、文部科学大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は債券を発行することができる。ただし、その償還期間が政令で定める期間のものに限る。
3
文部科学大臣は、前二項の規定による認可をしようとするときは、あらかじめ、文部科学省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならない。
4
第1項又は
第2項の規定による債券の債権者は、センターの財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
5
前項の先取特権の順位は、
民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
6
センターは、文部科学大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。
8
前各項に定めるもののほか、
第1項又は
第2項の規定による長期借入金又は債券に関し必要な事項は、政令で定める。
第18条
【償還計画】
1
センターは、毎事業年度、長期借入金及び債券の償還計画を立てて、文部科学大臣の認可を受けなければならない。
2
文部科学大臣は、
前項の規定による認可をしようとするときは、あらかじめ、文部科学省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならない。
第19条
【補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の準用】
第20条
【財務大臣との協議】
文部科学大臣は、次の場合には、財務大臣に協議しなければならない。
第21条
【主務大臣等】
センターに係る通則法における主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ文部科学大臣、文部科学省及び文部科学省令とする。
第23条
第11条の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第24条
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をしたセンターの役員は、二十万円以下の過料に処する。
②
第15条第1項の規定により文部科学大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。
附則
第2条
(センターの成立)
1
センターは、通則法第十七条の規定にかかわらず、国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下「整備法」という。)第二条の規定の施行の時に成立する。
2
センターは、通則法第十六条の規定にかかわらず、センターの成立後遅滞なく、政令で定めるところにより、その設立の登記をしなければならない。
第3条
(職員の引継ぎ等)
センターの成立の際現に整備法第二条の規定による廃止前の国立学校設置法(附則第八条第一項第一号において「旧設置法」という。)第九条の五に規定する国立学校財務センター(以下「旧センター」という。)の職員である者は、別に辞令を発せられない限り、センターの成立の日において、センターの職員となるものとする。
第4条
前条の規定によりセンターの職員となった者に対する国家公務員法第八十二条第二項の規定の適用については、センターの職員を同項に規定する特別職国家公務員等と、前条の規定により国家公務員としての身分を失ったことを任命権者の要請に応じ同項に規定する特別職国家公務員等となるため退職したこととみなす。
第5条
1
附則第三条の規定により旧センターの職員がセンターの職員となる場合には、その者に対しては、国家公務員退職手当法に基づく退職手当は、支給しない。
2
センターは、前項の規定の適用を受けたセンターの職員の退職に際し、退職手当を支給しようとするときは、その者の国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員(同条第二項の規定により職員とみなされる者を含む。)としての引き続いた在職期間をセンターの職員としての在職期間とみなして取り扱うべきものとする。
3
センターの成立の日の前日に旧センターの職員として在職する者が、附則第三条の規定により引き続いてセンターの職員となり、かつ、引き続きセンターの職員として在職した後引き続いて国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員となった場合におけるその者の同法に基づいて支給する退職手当の算定の基礎となる勤続期間の計算については、その者のセンターの職員としての在職期間を同項に規定する職員としての引き続いた在職期間とみなす。ただし、その者がセンターを退職したことにより退職手当(これに相当する給付を含む。)の支給を受けているときは、この限りでない。
4
センターは、センターの成立の日の前日に旧センターの職員として在職し、附則第三条の規定により引き続いてセンターの職員となった者のうちセンターの成立の日から雇用保険法による失業等給付の受給資格を取得するまでの間にセンターを退職したものであって、その退職した日まで旧センターの職員として在職したものとしたならば国家公務員退職手当法第十条の規定による退職手当の支給を受けることができるものに対しては、同条の規定の例により算定した退職手当の額に相当する額を退職手当として支給するものとする。
第6条
附則第三条の規定によりセンターの職員となった者であって、センターの成立の日の前日において文部科学大臣又はその委任を受けた者から児童手当法第七条第一項(同法附則第六条第二項、第七条第四項又は第八条第四項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による認定を受けているものが、センターの成立の日において児童手当又は同法附則第六条第一項、第七条第一項若しくは第八条第一項の給付(以下この条において「特例給付等」という。)の支給要件に該当するときは、その者に対する児童手当又は特例給付等の支給に関しては、センターの成立の日において同法第七条第一項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)の認定があったものとみなす。この場合において、その認定があったものとみなされた児童手当又は特例給付等の支給は、同法第八条第二項(同法附則第六条第二項、第七条第四項又は第八条第四項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、センターの成立の日の前日の属する月の翌月から始める。
第7条
(センターの職員となる者の職員団体についての経過措置)
1
センターの成立の際現に存する国家公務員法第百八条の二第一項に規定する職員団体であって、その構成員の過半数が附則第三条の規定によりセンターに引き継がれる者であるものは、センターの成立の際労働組合法の適用を受ける労働組合となるものとする。この場合において、当該職員団体が法人であるときは、法人である労働組合となるものとする。
2
前項の規定により法人である労働組合となったものは、センターの成立の日から起算して六十日を経過する日までに、労働組合法第二条及び第五条第二項の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受け、かつ、その主たる事務所の所在地において登記しなければ、その日の経過により解散するものとする。
3
第一項の規定により労働組合となったものについては、センターの成立の日から起算して六十日を経過する日までは、労働組合法第二条ただし書(第一号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。
第8条
(権利義務の承継等)
1
センターの成立の際、第十三条及び附則第十一条第一項に規定する業務に関し、現に国が有する権利及び義務のうち、次に掲げるものその他政令で定めるものは、政令で定めるところにより、センターが承継する。
2
前項の規定によりセンターが国の有する権利及び義務を承継したときは、承継される権利に係る土地、建物その他の財産で政令で定めるものの価額の合計額に相当する金額は、政令で定めるところにより、政府からセンターに対し出資されたものとする。
3
前項の規定により政府から出資があったものとされる同項の財産の価額は、センターの成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
4
前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
第9条
センターの成立の際、旧特別会計法第十七条の規定に基づき文部科学大臣から旧センターの長に交付され、その経理を委任された金額に残余があるときは、その残余に相当する額は、センターの成立の日においてセンターに奨学を目的として寄附されたものとする。この場合において、当該寄附金の経理に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。
第10条
(国有財産の無償使用)
国は、センターの成立の際現に旧センターの職員の住居の用に供されている国有財産であって政令で定めるものを、政令で定めるところにより、センターの用に供するため、センターに無償で使用させることができる。
第11条
(センターの業務に関する特例等)
1
センターは、当分の間、第十三条に規定する業務のほか、次の業務を行うものとする。
2
センターは、当分の間、第十五条第五項に規定する積立金に相当する金額を、同項の規定にかかわらず、承継債務償還に充てることができる。
3
承継債務償還については、第十六条第二項に規定する長期借入金又は債券の発行による収入をもって充ててはならない。
4
センターが第一項に規定する業務を行う場合には、第十四条中「施設費貸付事業及び施設費交付事業」とあるのは「施設費貸付事業及び施設費交付事業並びに附則第十一条第一項に掲げる業務」と、第二十四条第一号中「第十三条」とあるのは「第十三条及び附則第十一条第一項」とする。
第12条
(不動産に関する登記)
センターが附則第八条第一項の規定により不動産に関する権利を承継した場合において、その権利につきなすべき登記の手続については、政令で特例を設けることができる。
第13条
(政令への委任)
附則第三条から前条までに定めるもののほか、センターの設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。