国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律
平成23年6月24日 改正
第1条
【趣旨】
この法律は、薬物犯罪による薬物犯罪収益等をはく奪すること等により、規制薬物に係る不正行為が行われる主要な要因を国際的な協力の下に除去することの重要性にかんがみ、並びに規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図り、及びこれに関する国際約束の適確な実施を確保するため、麻薬及び向精神薬取締法、大麻取締法、あへん法及び覚せい剤取締法に定めるもののほか、これらの法律その他の関係法律の特例その他必要な事項を定めるものとする。
第2条
【定義】
4
この法律において「薬物犯罪収益に由来する財産」とは、薬物犯罪収益の果実として得た財産、薬物犯罪収益の対価として得た財産、これらの財産の対価として得た財産その他薬物犯罪収益の保有又は処分に基づき得た財産をいう。
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参照条文
第3条
【上陸の手続の特例】
1
入国審査官は、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)第5条第1項第6号に掲げる者である疑いのある外国人から入管法第6条第2項の申請があった場合において、法務大臣から、薬物犯罪の捜査に関し、当該外国人を上陸させることが必要であるとの検察官からの通報又は司法警察職員(麻薬取締官、麻薬取締員、警察官又は海上保安官に限る。次項及び次条第1項において同じ。)からの要請があった旨並びに規制薬物の散逸及び当該外国人の逃走を防止するための十分な監視体制が確保されていると認められる旨の連絡を受けているときは、入管法第9条第1項の規定にかかわらず、入管法第5条第1項第6号以外の事項について入管法第7条第1項の審査をした上、当該外国人の旅券に入管法第9条第1項の上陸許可の証印をすることができる。
2
入国審査官は、入管法第5条第1項第6号に掲げる者である疑いのある外国人につき入管法第14条第1項、第15条第1項若しくは第2項又は第16条第1項の申請があった場合において、法務大臣から、薬物犯罪の捜査に関し、当該外国人を上陸させることが必要であるとの検察官からの通報又は司法警察職員からの要請があった旨並びに規制薬物の散逸及び当該外国人の逃走を防止するための十分な監視体制が確保されていると認められる旨の連絡を受けているときは、入管法第5条第1項第6号以外の事項について審査をした上、当該外国人の上陸を許可することができる。
3
入国審査官は、法務大臣から、第1項の規定による上陸許可の証印又は前項の規定による上陸の許可を受けている外国人について、引き続き本邦に在留させておくことが適当でないと認める旨の連絡を受けたときは、速やかに、当該外国人の本邦への上陸の時において当該外国人が入管法第5条第1項第6号に該当したか否かを審査しなければならない。
4
入国審査官は、前項の規定による審査により、同項に規定する外国人が入管法第5条第1項第6号に該当したと認めるときは、当該外国人についての第1項の規定による上陸許可の証印又は第2項の規定による上陸の許可を取り消すものとする。
第4条
【税関手続の特例】
1
2
前項(第1号を除く。)の規定は、関税法第76条第1項ただし書の規定による郵便物中にある信書以外の物の検査により、当該信書以外の物に規制薬物が隠匿されていることが判明した場合について準用する。この場合において、当該規制薬物については、同法第74条の規定は、適用しない。
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参照条文
第6条
【薬物犯罪収益等隠匿】
第7条
【薬物犯罪収益等収受】
第8条
【規制薬物としての物品の輸入等】
1
薬物犯罪(規制薬物の輸入又は輸出に係るものに限る。)を犯す意思をもって、規制薬物として交付を受け、又は取得した薬物その他の物品を輸入し、又は輸出した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第11条
【薬物犯罪収益等の没収】
1
第12条
【薬物犯罪収益等が混和した財産の没収等】
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(以下「組織的犯罪処罰法」という。)第14条及び第15条の規定は、前条の規定による没収について準用する。この場合において、組織的犯罪処罰法第14条中「前条第1項各号又は第4項各号」とあるのは、「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律第11条第1項各号又は第3項各号」と読み替えるものとする。
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参照条文
第13条
【追徴】
2
第11条第3項に規定する財産を没収することができないとき、又は当該財産の性質、その使用の状況、当該財産に関する犯人以外の者の権利の有無その他の事情からこれを没収することが相当でないと認められるときは、その価額を犯人から追徴することができる。
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参照条文
第16条
【第三者の財産の没収手続等】
2
薬物犯罪又は第6条若しくは第7条の罪(以下「薬物犯罪等」という。)に関し、この法律、麻薬及び向精神薬取締法その他の法令の規定により、地上権、抵当権その他の第三者の権利がその上に存在する財産を没収しようとする場合において、当該第三者が被告事件の手続への参加を許されていないときも、前項と同様とする。
3
組織的犯罪処罰法第18条第3項から第5項までの規定は、地上権、抵当権その他の第三者の権利がその上に存在する財産を没収する場合において、第12条において準用する組織的犯罪処罰法第15条第2項の規定により当該権利を存続させるべきときについて準用する。
第17条
【没収された債権等の処分等】
組織的犯罪処罰法第19条の規定は第11条の規定による没収について、組織的犯罪処罰法第20条の規定は権利の移転について登記又は登録を要する財産を没収する裁判に基づき権利の移転の登記又は登録を関係機関に嘱託する場合について準用する。この場合において、同条中「次章第1節」とあるのは、「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律第5章」と読み替えるものとする。
第19条
【没収保全命令】
1
裁判所は、薬物犯罪等に係る被告事件に関し、この法律、麻薬及び向精神薬取締法その他の法令の規定により没収することができる財産(以下「没収対象財産」という。)に当たると思料するに足りる相当な理由があり、かつ、当該財産を没収するため必要があると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、没収保全命令を発して、当該財産につき、その処分を禁止することができる。
2
裁判所は、地上権、抵当権その他の権利がその上に存在する財産について没収保全命令を発した場合又は発しようとする場合において、当該権利が没収により消滅すると思料するに足りる相当な理由がある場合であって当該財産を没収するため必要があると認めるとき、又は当該権利が仮装のものであると思料するに足りる相当の理由があると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、附帯保全命令を別に発して、当該権利の処分を禁止することができる。
第20条
【追徴保全命令】
1
裁判所は、薬物犯罪等に係る被告事件に関し、第13条の規定により追徴すべき場合に当たると思料するに足りる相当な理由がある場合において、追徴の裁判の執行をすることができなくなるおそれがあり、又はその執行をするのに著しい困難を生ずるおそれがあると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、追徴保全命令を発して、被告人に対し、その財産の処分を禁止することができる。
第21条
【共助の実施】
第22条の2
【要請国への共助の実施に係る財産等の譲与】
第21条に規定する没収又は追徴の確定裁判の執行の共助の要請をした外国から、当該共助の実施に係る財産又はその価額に相当する金銭の譲与の要請があったときは、その全部又は一部を譲与することができる。
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参照条文
附則
2
第六条及び第七条の規定は、この法律の施行前にした麻薬及び向精神薬取締法等の一部を改正する法律(以下この項において「法律第九十三号」という。)による改正前の麻薬及び向精神薬取締法、大麻取締法、あへん法又は覚せい剤取締法の罪に当たる行為(日本国外でした行為であって日本国内でしたとしたならばこれらの罪に当たるものを含む。)であって、この法律の施行後にしたとしたならば薬物犯罪に当たるもの(以下この項において「薬物犯罪行為」という。)により得た財産若しくは薬物犯罪行為の報酬として得た財産並びにこの法律の施行前にした法律第九十三号による改正前の麻薬及び向精神薬取締法第六十八条若しくは第六十九条の四、大麻取締法第二十四条の五、あへん法第五十四条の二又は覚せい剤取締法第四十一条の七(同法第四十一条の二第一項第五号及び第六号に係る部分を除く。)の罪に当たる行為(日本国外でした行為であって日本国内でしたとしたならばこれらの罪に当たるものを含む。)により提供された資金に関してこの法律の施行後にした行為に対しても、適用する。この場合においては、これらの財産及び資金は、薬物犯罪収益とみなす。
附則
平成9年6月20日
第2条
(大蔵大臣等がした処分等に関する経過措置)
1
この法律による改正前の担保附社債信託法、信託業法、農林中央金庫法、無尽業法、銀行等の事務の簡素化に関する法律、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、農業協同組合法、証券取引法、損害保険料率算出団体に関する法律、水産業協同組合法、中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律、船主相互保険組合法、証券投資信託法、信用金庫法、長期信用銀行法、貸付信託法、中小漁業融資保証法、信用保証協会法、労働金庫法、外国為替銀行法、自動車損害賠償保障法、農業信用保証保険法、金融機関の合併及び転換に関する法律、外国証券業者に関する法律、預金保険法、農村地域工業等導入促進法、農水産業協同組合貯金保険法、銀行法、貸金業の規制等に関する法律、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律、金融先物取引法、前払式証票の規制等に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律、特定債権等に係る事業の規制に関する法律、金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律、協同組織金融機関の優先出資に関する法律、不動産特定共同事業法、保険業法、金融機関の更生手続の特例等に関する法律、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律、日本銀行法又は銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律(以下「旧担保附社債信託法等」という。)の規定により大蔵大臣その他の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為は、この法律による改正後の担保附社債信託法、信託業法、農林中央金庫法、無尽業法、銀行等の事務の簡素化に関する法律、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、農業協同組合法、証券取引法、損害保険料率算出団体に関する法律、水産業協同組合法、中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律、船主相互保険組合法、証券投資信託法、信用金庫法、長期信用銀行法、貸付信託法、中小漁業融資保証法、信用保証協会法、労働金庫法、外国為替銀行法、自動車損害賠償保障法、農業信用保証保険法、金融機関の合併及び転換に関する法律、外国証券業者に関する法律、預金保険法、農村地域工業等導入促進法、農水産業協同組合貯金保険法、銀行法、貸金業の規制等に関する法律、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律、金融先物取引法、前払式証票の規制等に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律、特定債権等に係る事業の規制に関する法律、金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律、協同組織金融機関の優先出資に関する法律、不動産特定共同事業法、保険業法、金融機関の更生手続の特例等に関する法律、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律、日本銀行法又は銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律(以下「新担保附社債信託法等」という。)の相当規定に基づいて、内閣総理大臣その他の相当の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為とみなす。
附則
平成10年10月16日
第2条
(経過措置)
1
この法律による改正前の担保附社債信託法、信託業法、農林中央金庫法、無尽業法、銀行等の事務の簡素化に関する法律、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、農業協同組合法、証券取引法、損害保険料率算出団体に関する法律、水産業協同組合法、中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律、船主相互保険組合法、地方税法、証券投資信託及び証券投資法人に関する法律、信用金庫法、長期信用銀行法、貸付信託法、中小漁業融資保証法、信用保証協会法、労働金庫法、自動車損害賠償保障法、農業信用保証保険法、地震保険に関する法律、登録免許税法、金融機関の合併及び転換に関する法律、外国証券業者に関する法律、農村地域工業等導入促進法、農水産業協同組合貯金保険法、銀行法、貸金業の規制等に関する法律、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律、金融先物取引法、前払式証票の規制等に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律、特定債権等に係る事業の規制に関する法律、金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律、協同組織金融機関の優先出資に関する法律、不動産特定共同事業法、保険業法、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律、日本銀行法、銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律又は金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律(以下「旧担保附社債信託法等」という。)の規定により内閣総理大臣その他の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為は、この法律による改正後の担保附社債信託法、信託業法、農林中央金庫法、無尽業法、銀行等の事務の簡素化に関する法律、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、農業協同組合法、証券取引法、損害保険料率算出団体に関する法律、水産業協同組合法、中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律、船主相互保険組合法、地方税法、証券投資信託及び証券投資法人に関する法律、信用金庫法、長期信用銀行法、貸付信託法、中小漁業融資保証法、信用保証協会法、労働金庫法、自動車損害賠償保障法、農業信用保証保険法、地震保険に関する法律、登録免許税法、金融機関の合併及び転換に関する法律、外国証券業者に関する法律、農村地域工業等導入促進法、農水産業協同組合貯金保険法、銀行法、貸金業の規制等に関する法律、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律、金融先物取引法、前払式証票の規制等に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律、特定債権等に係る事業の規制に関する法律、金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律、協同組織金融機関の優先出資に関する法律、不動産特定共同事業法、保険業法、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律、日本銀行法、銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律又は金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律(以下「新担保附社債信託法等」という。)の相当規定に基づいて、金融再生委員会その他の相当の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為とみなす。