• 関税法

関税法

平成25年3月30日 改正
第1章
総則
第1節
通則
第1条
【趣旨】
この法律は、関税の確定、納付、徴収及び還付並びに貨物の輸出及び輸入についての税関手続の適正な処理を図るため必要な事項を定めるものとする。
参照条文
第2条
【定義】
この法律又はこの法律に基づく命令において、次の各号に掲げる用語は、当該各号に掲げる定義に従うものとする。
「輸入」とは、外国から本邦に到着した貨物(外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む。)又は輸出の許可を受けた貨物を本邦に(保税地域を経由するものについては、保税地域を経て本邦に)引き取ることをいう。
「輸出」とは、内国貨物を外国に向けて送り出すことをいう。
「外国貨物」とは、輸出の許可を受けた貨物及び外国から本邦に到着した貨物(外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む。)で輸入が許可される前のものをいう。
「内国貨物」とは、本邦にある貨物で外国貨物でないもの及び本邦の船舶により公海で採捕された水産物をいう。
④の2
「附帯税」とは、関税のうち延滞税、過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税をいう。
「外国貿易船」とは、外国貿易のため本邦と外国との間を往来する船舶をいう。
「外国貿易機」とは、外国貿易のため本邦と外国との間を往来する航空機をいう。
「沿海通航船」とは、本邦と外国との間を往来する船舶以外の船舶をいう。
「国内航空機」とは、本邦と外国との間を往来する航空機以外の航空機をいう。
「船用品」とは、燃料、飲食物その他の消耗品及び帆布、綱、じう器その他これらに類する貨物で、船舶において使用するものをいう。
「機用品」とは、航空機において使用する貨物で、船用品に準ずるものをいう。
「開港」とは、貨物の輸出及び輸入並びに外国貿易船の入港及び出港その他の事情を勘案して政令で定める港をいう。
「税関空港」とは、貨物の輸出及び輸入並びに外国貿易機の入港及び出港その他の事情を勘案して政令で定める空港をいう。
「不開港」とは、港、空港その他これらに代り使用される場所で、開港及び税関空港以外のものをいう。
前項第1号第3号及び第4号に規定する公海で採捕された水産物には、本邦の排他的経済水域の海域及び外国の排他的経済水域の海域で採捕された水産物を含むものとする。
外国貨物が輸入される前に本邦において使用され、又は消費される場合(保税地域においてこの法律により認められたところに従つて外国貨物が使用され、又は消費される場合その他政令で定める場合を除く。)には、その使用し、又は消費する者がその使用又は消費の時に当該貨物を輸入するものとみなす。
第2節
期間及び期限
第2条の2
【期間の計算及び期限の特例】
国税通則法第10条(期間の計算及び期限の特例)の規定は、この法律又は関税定率法その他の関税に関する法律の規定による期間の計算及び期限について準用する。
第2条の3
【災害による期限の延長】
特定災害(震災、風水害、火災その他政令で定める災害であつて、財務大臣が指定したものをいう。以下同じ。)により相当な損害を受けた地域として財務大臣が指定する地域(以下この条及び第102条の2(災害による手数料の還付、軽減又は免除)において「指定地域」という。)に当該特定災害が発生した時に住所又は居所を有していた当該特定災害の被災者に係るこの法律又は関税定率法その他の関税に関する法律に基づく申請、請求、届出その他書類の提出、納付又は徴収(以下この条において「申請等」という。)に関する期限で、当該特定災害が発生した日から財務大臣が当該特定災害による当該指定地域への影響の程度を勘案して別に定める日(以下この項及び第4項において「指定日」という。)までの間に到来するものについては、当該期限を指定日の翌日まで延長する。
前項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
税関長は、第1項に規定する指定地域に係る特定災害に起因するやむを得ない理由により、同項の規定により延長された申請等に関する期限までにその申請等をすることができないと認める者があるときは、政令で定めるところにより、その理由のやんだ日から二月以内に限り、その者に係る当該延長された期限を延長することができる。
税関長は、第1項に規定する指定地域に係る特定災害に起因するやむを得ない理由により、当該特定災害が発生した日以後に到来する申請等(同項に規定する被災者に係る申請等で指定日までにその期限の到来するものを除く。以下この項において同じ。)に関する期限までにその申請等をすることができないと認める者があるときは、政令で定めるところにより、その理由のやんだ日から二月以内に限り、その者に係る当該期限を延長することができる。
第3節
送達
第2条の4
【書類の送達等】
国税通則法第12条(書類の送達)及び第14条(公示送達)の規定は、この法律又は関税定率法その他の関税に関する法律の規定に基づいて税関長又は税関職員が発する書類の送達について準用する。この場合において、国税通則法第12条第1項ただし書及び第3項中「納税管理人」とあるのは、「関税法第95条第1項(税関事務管理人)に規定する税関事務管理人」と読み替えるものとする。
参照条文
第2章
関税の確定、納付、徴収及び還付
第1節
通則
第3条
【課税物件】
輸入貨物(信書を除く。)には、この法律及び関税定率法その他関税に関する法律により、関税を課する。ただし、条約中に関税について特別の規定があるときは、当該規定による。
第4条
【課税物件の確定の時期】
関税を課する場合の基礎となる貨物の性質及び数量は、当該貨物の輸入申告の時における現況による。ただし、次の各号に掲げるものについては、当該各号に定める時における現況による。
保税蔵置場又は総合保税地域に置かれた外国貨物(通常保税蔵置場又は総合保税地域に置かれる期間が長期にわたり、その間に欠減が生ずるものとして政令で定めるもの、総合保税地域において第62条の8第1項第2号又は第3号(総合保税地域の許可)に掲げる行為がされたもの、第34条(外国貨物の廃棄)の規定により税関に届け出て廃棄したもの並びに次号から第3号の2まで、第7号及び第8号に掲げるものを除く。) 第43条の3第1項(外国貨物を置くことの承認)又は第62条の10(外国貨物を置くこと等の承認)の規定により保税蔵置場又は総合保税地域に置くことが承認された時
保税工場又は総合保税地域における第56条第1項(保税工場の許可)に規定する保税作業による製品である外国貨物(第7号及び第8号に掲げるもの並びに政令で定めるものを除く。) 第61条の4において準用する第43条の3第1項又は第62条の10の規定により当該貨物の原料である外国貨物につき、保税工場若しくは総合保税地域に置くこと又は保税工場において当該保税作業に使用すること若しくは総合保税地域において第62条の8第1項第2号に掲げる行為をすることが承認された時
第61条第1項(保税工場外における保税作業)又は第62条の5(保税展示場外における使用の許可)(これらの規定を第62条の15において準用する場合を含む。)の規定により指定された場所にこれらの規定により指定された期間を経過した後置かれている外国貨物(前号次号第7号及び第8号に掲げるものを除く。) これらの規定による許可がされた時
③の2
保税展示場又は総合保税地域に入れられた外国貨物のうち、保税展示場又は総合保税地域における販売又は消費を目的とするもの、保税展示場において外国貨物に加工し、又はこれを原料として製造して得た製品(政令で定めるものを除く。)その他これらに類する貨物で政令で定めるもの(第34条の規定により税関に届け出て廃棄したもの並びに第2号第7号及び第8号に掲げるものを除く。) 第62条の3第1項(保税展示場に入れる外国貨物に係る手続)の規定による承認又は第62条の11(販売用貨物等を入れることの届出)の規定による届出がされた時
③の3
保税展示場に入れられた外国貨物で第62条の6第1項(許可の期間満了後保税展示場にある外国貨物についての関税の徴収)の規定により関税を徴収されるもの(第2号前号第7号及び第8号に掲げるものを除く。) 当該関税を徴収すべき事由が生じた時
保税地域にある外国貨物又は第30条第1項第2号(外国貨物を置く場所の制限)の規定により税関長の許可を受けた外国貨物で、亡失し、又は滅却されたもの(第1号第2号第3号の2次号第5号の2及び第8号に掲げるものを除く。) 亡失又は滅却の時
第23条第1項(船用品又は機用品の積込み等)の規定により積込みの承認を受けて保税地域から引き取られた船用品若しくは機用品で、その指定された積込みの期間内に船舶若しくは航空機に積み込まれないもの又は第63条第1項(保税運送)若しくは第64条第1項(難破貨物等の運送)の規定により運送の承認を受けて運送された外国貨物で、その指定された運送の期間内に運送先に到着しないもの(第1号第2号第3号の2第7号及び第8号に掲げるものを除く。) 積込み又は運送が承認された時(第23条第1項後段の規定により一括して積込みの承認を受けた場合にあつては当該承認に係る外国貨物が保税地域から引き取られた時とし、第63条第1項後段の規定により一括して運送の承認を受けた場合にあつては当該承認に係る外国貨物が発送された時)
⑤の2
第63条の2第1項(保税運送の特例)に規定する特定保税運送に係る外国貨物又は第63条の9第1項(郵便物の保税運送)の規定により届け出て運送された郵便物で、第65条第2項(運送の期間の経過による関税の徴収)又は第65条の2第1項(運送先に到着しない郵便物に係る関税の徴収)に規定する期間内に運送先に到着しないもの(第1号第2号第3号の2第7号及び第8号に掲げるものを除く。) 当該外国貨物又は第63条の9第1項の規定による運送に係る郵便物が発送された時
⑤の3
第67条の2第2項第2号(輸出申告又は輸入申告の手続)に該当して輸入申告がされた貨物であつて、輸入の許可を受けたもの(第1号第2号第3号の2第5号及び前号に掲げるものを除く。) 当該輸入の許可の時
第76条第3項(郵便物の輸出入の簡易手続)の規定による提示がされた郵便物(その課税標準となるべき価格が二十万円を超えるもの(寄贈物品であるものその他の政令で定めるものを除く。)並びに第1号第5号の2及び次号に掲げるものを除く。) 当該提示がされた時
収容され、若しくは留置された貨物、差押物件又は領置物件で、公売に付され、又は随意契約により売却されるもの 公売又は売却の時
輸入の許可を受けないで輸入された貨物又は第76条第3項の規定による提示がされないで輸入された郵便物(輸入申告があつたもの及び前号に掲げるものを除く。) 輸入の時
前項第2号に掲げる貨物を輸入する場合における関税の額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
第5条
【適用法令】
関税を課する場合(関税定率法第7条第10項(相殺関税)並びに第8条第9項第2号及び第18項(不当廉売関税)の規定により担保の提供を命ずる場合を含む。)に適用する法令は、輸入申告の日において適用される法令による。ただし、次の各号に掲げる貨物については、当該各号に定める日において適用される法令による。
前条第1項第3号及び第3号の3から第8号までに掲げる貨物(同項第3号及び第3号の3に掲げる貨物にあつては、同項第2号及び第3号の2に掲げる貨物を除かないものとし、同項第4号及び第5号に掲げる貨物にあつては、同項第1号第2号及び第3号の2に掲げる貨物を除かないものとする。) 当該各号に定める時の属する日
保税蔵置場若しくは総合保税地域に置かれた外国貨物又は保税工場若しくは総合保税地域における第56条第1項(保税工場の許可)に規定する保税作業による製品である外国貨物で、輸入申告がされた後輸入の許可(第73条第1項(輸入の許可前における貨物の引取り)の規定により税関長の承認を受けて引き取られる貨物については、その承認)がされる前に当該貨物に適用される法令の改正があつたもの(前条第1項第4号又は第7号に掲げる貨物を除く。) 当該許可又は承認の日
第6条
【納税義務者】
関税は、この法律又は関税定率法その他関税に関する法律に別段の規定がある場合を除く外、貨物を輸入する者が、これを納める義務がある。
第6条の2
【税額の確定の方式】
関税額の確定については、次の各号の区分に応じ、当該各号に掲げる方式が適用されるものとする。
次号に掲げる関税以外の関税 納付すべき税額又は当該税額がないことが納税義務者のする申告により確定することを原則とし、その申告がない場合又はその申告に係る税額の計算が関税に関する法律の規定に従つていなかつた場合その他当該税額が税関長の調査したところと異なる場合に限り、税関長の処分により確定する方式(以下「申告納税方式」という。)
次に掲げる関税 納付すべき税額が専ら税関長の処分により確定する方式(以下「賦課課税方式」という。)
本邦に入国する者がその入国の際に携帯して輸入し、又は政令で定めるところにより別送して輸入する貨物その他これに類する貨物で政令で定めるものに対する関税
郵便物(その課税標準となるべき価格が二十万円を超えるもの(寄贈物品であるものその他の政令で定めるものを除く。)及び第76条第3項(郵便物の輸出入の簡易手続)の政令で定める場合に係るものを除く。)に対する関税
関税定率法第7条第3項(相殺関税)若しくは第8条第2項(不当廉売関税)の規定により課する関税又は同条第16項の規定により変更され、若しくは継続される同条第1項の規定により課する関税(同条第15項に規定する調査期間内に輸入されたものに課するものに限る。第12条及び第14条において同じ。)
この法律又は関税定率法その他関税に関する法律の規定により一定の事実が生じた場合に直ちに徴収するものとされている関税
この法律及び関税定率法以外の関税に関する法律の規定により税額の確定が賦課課税方式によるものとされている関税
過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税
第12条第1項(延滞税)に規定する延滞税は、前項の規定にかかわらず、特別の手続を要しないで、同条の規定により納付すべき税額が確定するものとする。
第2節
申告納税方式による関税の確定
第7条
【申告】
申告納税方式が適用される貨物を輸入しようとする者は、税関長に対し、当該貨物に係る関税の納付に関する申告をしなければならない。
前項の申告は、政令で定めるところにより、第67条(輸出又は輸入の許可)の規定に基づく輸入申告書に、同条の規定により記載すべきこととされている当該貨物に係る課税標準その他の事項のほか、その税額その他必要な事項を記載して、これを税関長に提出することによつて行なうものとする。
税関は、納税義務者その他の関係者から第1項の申告について必要な輸入貨物に係る関税定率法別表(関税率表)の適用上の所属、税率、課税標準等の教示を求められたときは、その適切な教示に努めるものとする。
第7条の2
【申告の特例】
貨物を輸入しようとする者であつて、あらかじめいずれかの税関長の承認を受けた者(以下「特例輸入者」という。)又は当該貨物の輸入に係る通関手続(通関業法第2条第1号イ(1)(定義)に規定する通関手続をいう。以下同じ。)を認定通関業者(第79条の2(規則等に関する改善措置)に規定する認定通関業者をいう。第63条の2第1項第63条の7第1項第2号イ及び第67条の3第1項第2号において同じ。)に委託した者(以下「特例委託輸入者」という。)は、申告納税方式が適用される貨物について、前条第2項の規定にかかわらず、当該貨物に係る課税標準、税額その他必要な事項を記載した申告書(以下「特例申告書」という。)を税関長に提出することによつて、同条第1項の申告を行うことができる。
特例申告(特例申告書の提出によつて行う前条第1項の申告をいう。以下同じ。)を行う場合は、特例申告に係る貨物(以下「特例申告貨物」という。)で輸入の許可を受けたものについて、特例申告書を作成し、当該許可の日の属する月の翌月末日までに当該特例申告貨物の輸入地を所轄する税関長に提出しなければならない。
前項の規定により提出する特例申告書は、期限内特例申告書という。
第1項の規定は、関税暫定措置法別表第一の六に掲げる物品その他政令で定める貨物については、適用しない。
第1項の承認を受けようとする者は、その住所又は居所及び氏名又は名称その他必要な事項を記載した申請書を税関長に提出しなければならない。
特例申告書の記載事項その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
参照条文
第7条の3 第7条の4 第7条の5 第7条の9 第7条の10 第7条の11 第7条の12 第9条の2 第12条の4 第58条の2 沖縄の復帰に伴う国税関係法令の適用の特別措置等に関する政令第119条 関税暫定措置法第13条 関税暫定措置法施行令第6条の2 第9条 関税定率法第10条 関税定率法施行令第1条の6 第3条 第16条 関税法施行規則第1条の2 第1条の3 第8条 第9条の6 関税法施行令第4条 第4条の2 第4条の3 第4条の5 第4条の13 第4条の14 第4条の15 第83条 第92条 関税割当制度に関する政令第3条 揮発油税法第11条 第13条 経済連携協定に基づく関税割当制度に関する政令第2条 コンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律施行令第3条 第4条 酒税法第30条の3 第30条の6 消費税法第47条 消費税法施行令第71条 石油ガス税法第17条 第20条 第24条 石油ガス税法施行令第21条 石油石炭税法第14条 第18条 たばこ税法第18条 第22条 玉軸受等に対して課する報復関税に関する政令第2条 通関業法第2条 通関業法施行令第6条 電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律施行令第3条 輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第6条 輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律施行令第13条
第7条の3
【特例申告を選択したものとみなす場合】
輸入申告に併せて第7条第2項(申告)の規定による申告を行つていない特例輸入者又は特例委託輸入者は、当該輸入申告に係る貨物(前条第4項に規定する貨物を除く。)については、特例申告を行うことを選択したものとみなす。
第7条の4
【期限後特例申告】
期限内特例申告書を提出すべきであつた者(特例輸入者又は特例委託輸入者でその特例申告に係る特例申告書をその提出期限までに提出していない者をいい、その者の相続人又はその者が法人であつて合併により消滅した場合においては合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人を含む。)は、その提出期限後においても、第7条の16第2項(決定)の規定による決定があるまでは、その期限内特例申告書に記載すべきものとされている事項を記載した特例申告書を第7条の2第2項(申告の特例)の税関長に提出することができる。
前項の規定により提出する特例申告書は、期限後特例申告書という。
参照条文
第7条の5
【承認の要件】
税関長は、第7条の2第5項(申告の特例)の規定による申請書の提出があつた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、同条第1項の承認をしないことができる。
承認を受けようとする者が次のいずれかに該当するとき。
この法律その他の国税に関する法律の規定に違反して刑に処せられ、又はこの法律(他の関税に関する法律において準用する場合を含む。)若しくは国税犯則取締法の規定により通告処分を受け、それぞれ、その刑の執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなつた日又はその通告の旨を履行した日から三年を経過していない者であるとき。
イに規定する法律以外の法令の規定に違反して禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過していない者であるとき。
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定(同法第32条の3第7項(都道府県暴力追放運動推進センター)及び第32条の11第1項(報告及び立入り)の規定を除く。以下同じ。)に違反し、又は刑法第204条(傷害)、第206条(現場助勢)、第208条(暴行)、第208条の3第1項(凶器準備集合及び結集)、第222条(脅迫)若しくは第247条(背任)の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過していない者であるとき。
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号(定義)に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなつた日から五年を経過していない者(以下「暴力団員等」という。)であるとき。
その業務についてイからニまでに該当する者を役員とする法人であるとき、又はその者を代理人、使用人その他の従業者として使用する者であるとき。
暴力団員等によりその事業活動を支配されている者であるとき。
承認の申請の日前三年間において関税又は輸入貨物に係る消費税若しくは地方消費税について、第12条の4第1項若しくは第2項(重加算税)又は国税通則法第68条第1項若しくは第2項(重加算税)の規定による重加算税を課されたことがある者であるとき。
承認の申請の日前三年間において関税又は輸入貨物に係る内国消費税(輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第2条第1号(定義)に規定する内国消費税をいう。以下同じ。)若しくは地方消費税を滞納したことがある者であるとき。
第7条の12第1項第1号ハ、ニ若しくはヘ又は第2号(承認の取消し)の規定により第7条の2第1項の承認を取り消された日から三年を経過していない者であるとき。
承認を受けようとする者が、特例申告を電子情報処理組織(電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律第2条第1号(定義)に規定する電子情報処理組織をいう。以下同じ。)を使用して行うことその他特例申告貨物の輸入に関する業務を適正かつ確実に遂行することができる能力を有していないとき。
承認を受けようとする者が、特例申告貨物の輸入に関する業務について、その者(その者が法人である場合においては、その役員を含む。)又はその代理人、支配人その他の従業者がこの法律その他の法令の規定を遵守するための事項として財務省令で定める事項を規定した規則を定めていないとき。
第7条の6
【規則等に関する改善措置】
税関長は、特例輸入者がこの法律の規定に従つて特例申告を行わなかつたことその他の事由により、この法律の実施を確保するため必要があると認めるときは、前条第3号に規定する規則若しくは当該規則に定められた事項に係る業務の遂行の改善に必要な措置を講ずること又は同号に規定する規則を新たに定めることを求めることができる。
参照条文
第7条の7
削除
第7条の8
【担保の提供】
税関長は、関税、内国消費税及び地方消費税(以下この項及び第7条の11第2項において「関税等」という。)の保全のために必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、特例輸入者又は特例委託輸入者に対し、金額及び期間を指定して、関税等につき担保の提供を命ずることができる。
税関長は、必要があると認めるときは、前項の金額又は期間を変更することができる。
第7条の9
【帳簿の備付け等】
特例輸入者は、政令で定めるところにより、特例申告貨物の品名、数量及び価格その他の必要な事項を記載した帳簿を備え付け、かつ、当該帳簿及び当該特例申告貨物に係る取引に関して作成し又は受領した書類その他の書類で政令で定めるもの(第7条の11第2項及び第7条の12第1項第2号において「帳簿書類」という。)を保存しなければならない。
電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(以下「電子帳簿保存法」という。)第4条(国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等)、第5条(国税関係帳簿書類の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存等)、第6条第1項から第5項まで(電磁的記録による保存等の承認の申請等)、第7条第1項及び第2項(電磁的記録による保存等の承認に係る変更)、第8条から第10条まで(電磁的記録による保存等の承認の取消し・電子計算機出力マイクロフィルムによる保存等の承認に対する準用・行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の適用除外・電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)並びに第11条第3項第2号から第4号までを除く。)(他の国税に関する法律の規定の適用)の規定は、特例輸入者について準用する。この場合において、同法第4条第1項中「国税関係帳簿の全部又は一部」とあるのは「関税法第7条の9第1項(帳簿の備付け等)の規定により備付け及び保存をしなければならないこととされている帳簿(以下「関税関係帳簿」という。)」と、「納税地等の所轄税務署長(財務省令で定める場合にあっては、納税地等の所轄税関長。以下「所轄税務署長等」という。)」とあるのは「同法第7条の2第1項(申告の特例)の承認をした税関長(以下「承認税関長」という。)」と、同条第2項中「国税関係書類の全部」とあるのは「関税法第7条の9第1項の規定により保存をしなければならないこととされている書類(以下「関税関係書類」という。)の全部」と、同法第5条第1項中「国税関係帳簿の全部又は一部」とあるのは「関税関係帳簿」と、同条第3項中「国税関係帳簿書類の」とあるのは「関税関係帳簿書類(関税関係帳簿又は関税関係書類をいう。以下同じ。)の」と、同法第6条第1項中「国税関係帳簿の備付けを開始する日(当該国税関係帳簿が二以上ある場合において、その備付けを開始する日が異なるときは、最初に到来する備付けを開始する日。第5項第1号において同じ。)」とあるのは「関税関係帳簿の備付けを開始する日」と、「国税関係帳簿の種類、当該国税関係帳簿」とあるのは「関税関係帳簿」と、「国税関係帳簿の全部又は一部」とあるのは「関税関係帳簿」と、同法第9条中「代える日(当該国税関係帳簿が二以上ある場合において、その代える日が異なるときは、最初に到来する代える日。第5項第1号において同じ。)」とあるのは「代える日」と、「同条第6項中「第4条各項」とあるのは「前条各項」と、第7条第1項」とあるのは「第7条第1項」と、同法第10条中「所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者」とあるのは「特例輸入者」と、同法第11条第3項第1号中「所得税法第145条第1号(青色申告の承認申請の却下)(同法第166条(申告、納付及び還付)において準用する場合を含む。)」とあるのは「関税法第7条の12第1項第2号(承認の取消し)」と、「帳簿書類)」とあるのは「政令で定めるところ」と、「、第5条各項」とあるのは「若しくは第5条各項」と、「若しくは第10条(電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)」とあるのは「に規定する財務省令で定めるところ」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第7条の10
【申告の特例の適用を受ける必要がなくなつた旨の届出】
特例輸入者は、第7条の2第1項(申告の特例)の規定の適用を受ける必要がなくなつたときは、政令で定めるところにより、その旨を同項の承認をした税関長に届け出ることができる。
第7条の11
【承認の失効】
第7条の2第1項(申告の特例)の承認は、次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その効力を失う。
前条の規定による届出があつたとき。
特例輸入者が死亡した場合で、第7条の13(許可の承継についての規定の準用)において準用する第48条の2第2項(許可の承継)の規定による申請が同項に規定する期間内にされなかつたとき、又は同項の承認をしない旨の処分があつたとき。
特例輸入者が解散したとき。
特例輸入者が破産手続開始の決定を受けたとき。
税関長が承認を取り消したとき。
第7条の2第1項の承認が失効した場合において、当該承認を受けていた者又はその相続人(承認を受けていた法人が合併により消滅した場合においては、合併後存続する法人又は合併により設立された法人)は、その失効前に輸入の許可を受けた特例申告貨物に係る特例申告の義務、当該特例申告貨物について課されるべき又は納付すべき関税等の納付の義務並びに当該特例申告貨物に係る第7条の9第1項(帳簿の備付け等)の規定による帳簿の備付け及び記載並びに帳簿書類の保存の義務を免れることができない。
参照条文
第7条の12
【承認の取消し】
税関長は、次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、第7条の2第1項(申告の特例)の承認を取り消すことができる。
特例輸入者が次のいずれかに該当するとき。
関税又は輸入貨物に係る消費税若しくは地方消費税について、第12条の4第1項若しくは第2項(重加算税)又は国税通則法第68条第1項若しくは第2項(重加算税)の規定による重加算税を課されたとき。
関税又は輸入貨物に係る内国消費税若しくは地方消費税を滞納したとき。
特例申告書又は輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第6条第2項(引取りに係る課税物品についての申告、納税等の特例)に規定する特例納税申告書をその提出期限までに提出しなかつたとき。
第7条の8第1項(担保の提供)の規定による命令に従わなかつたとき。
第7条の5第1号イからへまで又は第2号(承認の要件)のいずれかに該当するとき。
第7条の6(規則等に関する改善措置)の規定による税関長の求めに応じなかつたとき。
第7条の9第1項(帳簿の備付け等)の規定による帳簿の備付け若しくは記載若しくは帳簿書類の保存が同項に規定する政令で定めるところに従つて行われていないとき、又は帳簿書類に不実の記載があるとき。
前項の規定による承認の取消しの手続その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第7条の13
【許可の承継についての規定の準用】
第48条の2第1項から第5項まで(許可の承継)の規定は、特例輸入者について準用する。この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。
第7条の14
【修正申告】
第7条第1項(申告)の申告をした者又は第7条の16第2項(決定)の規定による決定を受けた者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該各号の申告、更正又は決定について同条第1項又は第3項(更正)の規定による更正(以下この項及び次条において「更正」という。)があるまでは、政令で定めるところにより、当該申告、更正又は決定に係る課税標準又は納付すべき税額(以下「税額等」という。)を修正する申告(以下「修正申告」という。)をすることができる。
先にした納税申告(第7条第1項の申告又は修正申告をいう。以下同じ。)、更正又は第7条の16第2項の規定による決定により納付すべき税額に不足額があるとき。
先の納税申告、更正又は第7条の16第2項の規定による決定により納付すべき税額がないこととされた場合において、その納付すべき税額があるとき。
前項の場合において、納税申告に係る貨物の輸入の許可前にする修正申告は、先の納税申告に係る書面に記載した税額等を補正することにより行なうことができるものとする。
国税通則法第20条(修正申告の効力)の規定は、修正申告について準用する。
第7条の15
【更正の請求】
納税申告をした者は、当該申告に係る税額等の計算が関税に関する法律の規定に従つていなかつたこと又は当該計算に誤りがあつたことにより、当該申告により納付すべき税額(当該税額に関し更正があつた場合には、当該更正後の税額)が過大である場合には、当該申告に係る貨物の輸入の許可があるまで又は当該許可の日(特例申告貨物については、特例申告書の提出期限)から五年以内(第73条第1項(輸入の許可前における貨物の引取り)の規定により税関長の承認を受けた者に係る場合にあつては、当該承認の日の翌日から起算して五年を経過する日と輸入の許可の日とのいずれか遅い日までの間)に限り、政令で定めるところにより、税関長に対し、その申告に係る税額等(当該税額等に関し更正があつた場合には、当該更正後の税額等)につき更正をすべき旨の請求をすることができる。
税関長は、前項の規定による更正の請求(以下「更正の請求」という。)があつた場合には、その請求に係る税額等について調査し、更正をし、又は更正をすべき理由がない旨をその請求をした者に通知する。
第7条の16
【更正及び決定】
税関長は、納税申告があつた場合において、その申告に係る税額等の計算が関税に関する法律の規定に従つていなかつたとき、その他当該税額等がその調査したところと異なるときは、その調査により、当該申告に係る税額等を更正する。
税関長は、納税申告が必要とされている貨物についてその輸入の時(特例申告貨物については、特例申告書の提出期限)までに当該申告がないときは、その調査により、当該貨物に係る税額等を決定する。
税関長は、前二項又はこの項の規定による更正又は決定をした後、その更正又は決定をした税額等が過大又は過少であることを知つたときは、その調査により、当該更正又は決定に係る税額等を更正する。
第1項若しくは前項の規定による更正(以下「更正」という。)又は第2項の規定による決定は、税関長が当該更正又は決定に係る課税標準、当該更正又は決定により納付すべき税額その他政令で定める事項を記載した更正通知書又は決定通知書を送達して行なう。ただし、納税申告に係る貨物の輸入の許可前にする更正(当該貨物に係る関税の納付前にするもので税額等を減額するものに限る。)は、これらの手続に代えて、納税申告をした者に当該納税申告に係る書面に記載した税額等を是正させ、又はこれを是正してその旨を当該納税申告をした者に通知することによつてすることができる。
国税通則法第29条(更正等の効力)の規定は、更正又は第2項の規定による決定について準用する。
第7条の17
【輸入の許可前に引き取られた貨物に係る税額等の通知】
税関長は、第73条第1項(輸入の許可前における貨物の引取り)の規定により税関長の承認を受けて引き取られた貨物に係る税額等につきその納税申告に誤りがないと認めた場合には、当該申告に係る税額及びその税額を納付すべき旨(関税の納付を要しないときは、その旨)その他政令で定める事項を、書面により、当該引取りの承認を受けた者に通知する。
第3節
賦課課税方式による関税の確定
第8条
【賦課決定】
税関長は、賦課課税方式が適用される貨物について関税を賦課しようとするときは、その調査により、次の各号の区分に応じ、当該各号に掲げる事項を決定する。
第6条の2第1項第2号イ又はホ(賦課課税方式)に掲げる関税に係る場合
第67条(輸出又は輸入の許可)の輸入申告に係る課税標準が税関長の調査したところと同じであるとき。 納付すべき税額
輸入の時までに第67条の輸入申告がないとき、又は当該申告があつた場合において、当該申告に係る課税標準が税関長の調査したところと異なるとき。 課税標準及び納付すべき税額
第6条の2第1項第2号ロからニまでに掲げる関税に係る場合 課税標準及び納付すべき税額
税関長は、第6条の2第1項第2号ヘに掲げる過少申告加算税、無申告加算税又は重加算税を賦課しようとするときは、その調査により、当該過少申告加算税、無申告加算税又は重加算税の計算の基礎となる税額及び納付すべき税額を決定する。
税関長は、前二項又はこの項の規定による決定をした後、その決定をした課税標準(第1項第1号イに掲げる場合にあつては同号イの申告に係る課税標準とし、前項に規定する場合にあつては同項に規定する計算の基礎となる税額とする。以下この条において同じ。)又は納付すべき税額が過大又は過少であることを知つたときは、その調査により、当該決定に係る課税標準及び納付すべき税額を変更する決定をする。
前三項の規定による決定は、税関長がその決定に係る課税標準及び納付すべき税額その他政令で定める事項を記載した賦課決定通知書(第1項第1号イに掲げる場合にあつては、納税告知書)を送達して行う。ただし、当該決定が第6条の2第1項第2号イ(携帯品等に対する関税)に掲げる関税に係るものである場合その他政令で定める場合には、当該通知書又は告知書の送達に代えて、税関職員に口頭で当該決定の通知をさせることができる。
国税通則法第29条(更正等の効力)の規定は、第3項の規定による決定について準用する。
第4節
関税の納付及び徴収
第9条
【申告納税方式による関税等の納付】
納税申告をした者は、次項の規定に該当する場合を除き、その申告に係る書面又は更正通知書に記載された納付すべき税額に相当する関税を、当該申告に係る貨物を輸入する日までに国に納付しなければならない。
次の各号に掲げる税額に相当する関税の納税義務者は、その関税を当該各号に掲げる日又は期限までに国に納付しなければならない。
期限内特例申告書に記載された納付すべき税額 特例申告書の提出期限
期限後特例申告書に記載された納付すべき税額 当該期限後特例申告書を提出した日
第73条第1項(輸入の許可前における貨物の引取り)の規定により税関長の承認を受けて引き取られた貨物に係る関税につき、第7条の17(輸入の許可前に引き取られた貨物に係る税額等の通知)の書面に記載された申告に係る税額又は当該貨物の輸入の許可前にされた更正に係る更正通知書に記載された納付すべき税額(先の納税申告に係る税額のうち未納のものを含む。) これらの書類が発せられた日の翌日から起算して一月を経過する日
輸入の許可後にした修正申告に係る書面に記載された納付すべき税額 当該修正申告をした日
輸入の許可後にされた更正に係る更正通知書に記載された納付すべき税額 当該更正通知書が発せられた日の翌日から起算して一月を経過する日
決定通知書に記載された納付すべき税額 当該決定通知書が発せられた日の翌日から起算して一月を経過する日
第7条の16第2項(決定)の規定による決定がされた後にされた更正に係る更正通知書に記載された納付すべき税額 当該更正通知書が発せられた日の翌日から起算して一月を経過する日
過少申告加算税又は第12条の4第1項(重加算税)の規定により課される重加算税(以下この項において「過少申告重加算税」という。)に係る賦課決定通知書を受けた者は、当該通知書に記載された金額の過少申告加算税又は過少申告重加算税を当該通知書が発せられた日の翌日から起算して一月を経過する日と当該過少申告加算税又は過少申告重加算税の納付の起因となつた関税に係る貨物の輸入の許可の日とのいずれか遅い日までに納付しなければならない。
無申告加算税又は第12条の4第2項の規定により課される重加算税(以下この項において「無申告重加算税」という。)に係る賦課決定通知書を受けた者は、当該通知書に記載された金額の無申告加算税又は無申告重加算税を当該通知書が発せられた日の翌日から起算して一月を経過する日までに納付しなければならない。
第9条の2
【納期限の延長】
申告納税方式が適用される貨物を輸入しようとする者が、第7条第2項(申告)の規定による輸入申告書を提出した場合において、前条第1項の規定による関税を納付すべき期限(以下この項及び次項において「納期限」という。)に関し、その延長を受けたい旨の申請書を第7条第2項の税関長に提出し、かつ、当該輸入申告書に記載した関税額の全部又は一部に相当する額の担保を当該税関長に提供したときは、当該税関長は、前条第1項の規定にかかわらず、当該関税額が当該提供された担保の額を超えない範囲内において、その納期限を三月以内に限り延長することができる。
申告納税方式が適用される貨物(特例申告貨物を除く。)を輸入しようとする者が、その月(以下この項において「特定月」という。)において輸入しようとする貨物に課されるべき関税の納期限に関し、特定月の前月末日までにその延長を受けたい旨の申請書をその輸入の予定地を所轄する税関長に提出し、かつ、特定月において輸入しようとする貨物に係る関税額の合計額に相当する額の担保を当該税関長に提供したときは、当該税関長は、特定月においてその者が輸入する貨物に係る関税については、前条第1項の規定にかかわらず、特定月における関税額の累計額が当該提供された担保の額を超えない範囲内において、その納期限を特定月の末日の翌日から三月以内に限り延長することができる。
特例輸入者又は特例委託輸入者が、期限内特例申告書を提出した場合において、前条第2項第1号に掲げる税額に相当する関税を納付すべき期限に関し、特例申告書の提出期限までにその延長を受けたい旨の申請書を第7条の2第2項(申告の特例)の税関長に提出し、かつ、当該期限内特例申告書に記載した関税額の全部又は一部に相当する額の担保を当該税関長に提供したときは、当該税関長は、前条第2項の規定にかかわらず、当該関税額が当該提供された担保の額を超えない範囲内において、当該納付すべき期限を二月以内に限り延長することができる。
前三項の申請書の記載事項その他これらの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第9条の3
【納税の告知】
税関長は、賦課課税方式による関税で、次に掲げる関税以外のものを徴収しようとするときは、納税の告知をしなければならない。
第77条第3項(郵便物の関税の納付)の規定により納付される郵便物の関税
第85条第1項(公売代金等の充当)(第88条(留置貨物)において準用する場合を含む。)又は第134条第5項(領置物件等の公売代金等の充当)の規定により貨物の公売又は売却による代金をもつて充てる関税
過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税
前項の規定による納税の告知は、税関長が、政令で定めるところにより、納付すべき税額、納期限及び納付場所を記載した納税告知書を送達して行う。ただし、第8条第4項ただし書(口頭による賦課決定の通知)の規定に該当する場合には、当該告知書の送達に代えて、税関職員に口頭で当該告知をさせることができる。
第9条の4
【納付の手続】
関税(賦課課税方式が適用される郵便物に係る関税を除く。以下この条において同じ。)を納付しようとする者は、その税額に相当する金銭に納付書(納税告知書の送達を受けた場合には、納税告知書)を添えて、これを日本銀行(国税の収納を行う代理店を含む。)又はその関税の収納を行う税関職員に納付しなければならない。ただし、証券をもつてする歳入納付に関する法律の定めるところにより証券で納付すること又は財務省令で定めるところによりあらかじめ税関長に届け出た場合に財務省令で定める方法により納付することを妨げない。
第9条の5
【徴収の順位】
関税は、国税徴収法地方税法その他の法令の規定にかかわらず、当該関税を徴収すべき外国貨物について、他の公課及び債権に先だつて徴収する。
国税徴収の例により徴収する場合における関税及びその滞納処分費の徴収の順位は、それぞれ国税徴収法に規定する国税及びその滞納処分費と同順位とする。この場合においては、前項の規定の適用を妨げない。
第9条の6
【担保】
この法律又は関税定率法その他関税に関する法律の規定により提供する関税の担保の種類については、国税通則法第50条(担保の種類)の規定を準用する。
前項の担保の提供について必要な事項は、政令で定める。
第10条
【担保を提供した場合の充当又は徴収】
関税の担保として金銭を提供した納税義務者は、政令で定めるところにより、担保として提供した金銭をもつて関税の納付に充てることができる。
国税通則法第52条(担保の処分)の規定は、関税の担保が提供された場合において、納税義務者が第9条(申告納税方式による関税等の納付)の規定により関税を納付すべき期限(第9条の2第1項から第3項まで(納期限の延長)の規定により関税を納付すべき期限が延長された場合にあつては、当該延長された期限)又は第9条の3第2項(納税の告知)の納期限(延滞税については、その計算の基礎となる関税のこれらの納期限。第11条(関税の徴収)及び第12条第1項ただし書(延滞税の額の計算の特例)においてこれらの期限を「納期限」という。)までに関税を完納しないときについて準用する。
前条第1項において準用する国税通則法第50条第6号(担保の種類)の保証人は、国税徴収法第10章(罰則)の規定の適用については、納税者とみなす。
第10条の2
【徴収の引継ぎ】
税関長は、必要があると認めるときは、その徴収する関税について、他の税関長に徴収の引継ぎをすることができる。
前項の規定により徴収の引継ぎがあつたときは、その引継ぎを受けた税関長は、遅滞なく、その旨をその関税の納税義務者に通知するものとする。
第11条
【関税の徴収】
関税が納期限までに完納されない場合(当該関税につき担保の提供がある場合を除く。)及び国税通則法第38条第1項各号(繰上請求)に掲げる場合に該当し、納付すべき税額の確定した関税がその納期限までに完納されないと認められる場合又は特例申告貨物につき納付すべき関税(納付すべき税額が確定したものを除く。)でその確定後においては当該関税の徴収を確保することができないと認められるものがある場合における当該関税の徴収については、国税徴収の例による。
第4節の2
附帯税
第12条
【延滞税】
納税義務者が法定納期限までに関税(附帯税を除く。以下この条において同じ。)を完納しない場合又は第13条の2(過大な払戻し等に係る関税額の徴収)の規定により過大に払戻し若しくは還付を受けた関税額を徴収される場合には、当該納税義務者は、その未納又は徴収に係る関税額に対し、法定納期限(当該過大に払戻し又は還付を受けた関税については、その払戻し又は還付を受けた日)の翌日から当該関税額を納付する日までの日数に応じ、年七・三パーセントの割合を乗じて計算した金額に相当する延滞税を併せて納付しなければならない。ただし、納期限(当該過大に払戻し又は還付を受けた関税については、その納税告知に係る納期限)の翌日から二月を経過する日後の延滞税の額は、その未納に係る関税額に年十四・六パーセントの割合を乗じて計算した額とする。
前項の場合において、納税義務者がその未納又は徴収に係る関税額の一部を納付したときは、その納付の日の翌日以後の期間に係る延滞税の額の計算の基礎となる関税額は、同項の未納又は徴収に係る関税額からその一部納付に係る関税額を控除した額による。
延滞税の額の計算の基礎となる関税額が一万円未満である場合においては、第1項の規定を適用せず、当該関税額に一万円未満の端数がある場合においては、これを切り捨てて計算する。
延滞税の額が千円未満である場合においては、これを徴収せず、当該延滞税の額に百円未満の端数がある場合においては、これを切り捨てる。
第1項の場合において、その納税義務者が納付した税額が同項の未納又は徴収に係る関税額に達するまでは、その納付した税額は、当該関税額に充てられたものとする。
第1項の場合において、やむを得ない理由により税額等に誤りがあつたため同項の法定納期限後に同項の未納に係る関税額が確定し、かつ、その事情につき政令で定めるところにより税関長の確認があつたときは、その税額に係る延滞税については、当該法定納期限の翌日から当該関税につき修正申告をした日又は更正通知書若しくは賦課決定通知書が発せられた日までの日数に対応する部分の金額を免除する。
修正申告(偽りその他不正の行為により関税を免れ、又は関税の払戻し若しくは還付を受けた者が当該関税についての調査があつたことにより当該関税について更正があるべきことを予知してされた修正申告を除く。)又は更正(偽りその他不正の行為により関税を免れ、又は関税の払戻し若しくは還付を受けた者についてされた当該関税に係る更正を除く。)があつた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、当該修正申告又は更正により納付すべき関税額に係る延滞税については、第1項に規定する日数から当該各号に定める日数を控除して、同項の規定を適用する。
当該修正申告又は更正に係る関税について第7条第1項(申告)の規定による申告があつた場合(特例申告の場合にあつては、期限内特例申告書が提出された場合)において、第1項の法定納期限から一年を経過する日後に当該修正申告がされ、又は当該更正に係る更正通知書が発せられたとき。 その法定納期限から一年を経過する日の翌日から当該修正申告がされ、又は当該更正に係る更正通知書が発せられた日までの日数
当該修正申告又は更正に係る関税について期限後特例申告書が提出された場合において、その期限後特例申告書の提出があつた日の翌日から起算して一年を経過する日後に当該修正申告がされ、又は当該更正に係る更正通知書が発せられたとき。 その期限後特例申告書の提出があつた日の翌日から起算して一年を経過する日の翌日から当該修正申告がされ、又は当該更正に係る更正通知書が発せられた日までの日数
第1項において「法定納期限」とは、当該関税を課される貨物を輸入する日(輸入の許可を受ける貨物については、当該許可の日)とする。ただし、次の各号に掲げる関税については、当該各号に掲げる日(第3号又は第4号に掲げる関税につき当該各号の書類が二回以上にわたつて発せられた場合には、その最初に発せられた日)又は期限とする。
特例申告貨物につき納付すべき関税(第9条の2第3項(納期限の延長)の規定により納付すべき期限が延長された関税を除く。) 特例申告書の提出期限
第9条の2第1項から第3項までの規定により納付すべき期限が延長された関税 当該延長された期限
第73条第1項(輸入の許可前における貨物の引取り)の規定により税関長の承認を受けて引き取られた貨物につき納付すべき関税 当該関税に係る第7条の17(輸入の許可前に引き取られた貨物に係る税額等の通知)の書類若しくは更正通知書又は第9条の3(納税の告知)の規定による納税告知書が発せられた日
第77条第6項(郵便物の関税の納付等)の税関長の承認を受けて受け取られた郵便物につき納付すべき関税 当該関税に係る第9条の3の規定による納税告知書が発せられた日
関税定率法第7条第3項(相殺関税)若しくは第8条第2項(不当廉売関税)の規定により課する関税又は同条第16項の規定により変更され、若しくは継続される同条第1項の規定により課する関税 当該関税に係る納税告知書に記載された納期限
この法律又は関税定率法その他関税に関する法律の規定により一定の事実が生じた場合に直ちに徴収するものとされている関税 当該事実が生じた日
第2条の3第1項第3項又は第4項(災害による期限の延長)の規定により関税を納付すべき期限を延長した場合には、その関税に係る延滞税のうちその延長した期間に対応する部分の金額は、免除する。
第12条の2
【過少申告加算税】
第7条第1項(申告)の規定による申告(以下「当初申告」という。)があつた場合(期限後特例申告書が提出された場合にあつては、次条第1項ただし書又は第5項の規定の適用があるときに限る。)において、修正申告又は更正がされたときは、当該納税義務者に対し、当該修正申告又は更正に基づき第9条第1項又は第2項(申告納税方式による関税等の納付)の規定により納付すべき税額に百分の十の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税を課する。
前項の場合において、同項に規定する納付すべき税額(同項の修正申告又は更正前に当該修正申告又は更正に係る関税について修正申告又は更正がされたときは、その関税に係る累積増差税額を加算した金額)がその関税に係る当初申告に係る税額に相当する金額と五十万円とのいずれか多い金額を超えるときは、同項の過少申告加算税の額は、同項の規定にかかわらず、同項の規定により計算した金額に、当該超える部分に相当する税額(同項に規定する納付すべき税額が当該超える部分に相当する税額に満たないときは、当該納付すべき税額)に百分の五の割合を乗じて計算した金額を加算した金額とする。
前二項に規定する納付すべき税額の計算の基礎となつた事実のうちにその修正申告又は更正前の税額の計算の基礎とされていなかつたことについて正当な理由があると認められるものがある場合には、前二項に規定する納付すべき税額からその正当な理由があると認められる事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除して、前二項の規定を適用する。
第1項の規定は、修正申告がされた場合において、その修正申告が、その申告に係る関税についての調査があつたことにより当該関税について更正があるべきことを予知してされたものでないときは、適用しない。
前条第3項及び第4項(延滞税)の規定は、過少申告加算税について準用する。この場合において、同条第3項中「関税額」とあるのは「税額」と、「第1項」とあるのは「次条第1項及び第2項」と、同条第4項中「千円」とあるのは「五千円」と読み替えるものとする。
第2項に規定する累積増差税額とは、第1項の修正申告又は更正前にされたその関税についての修正申告(第4項の規定の適用を受けるものを除く。)又は更正に基づき第9条第1項又は第2項の規定により納付すべき税額の合計額(当該関税について、当該納付すべき税額を減少させる更正又は更正に係る不服申立て若しくは訴えについての決定、裁決若しくは判決による原処分の異動があつたときはこれらにより減少した部分の税額に相当する金額を控除した金額とし、第3項の規定の適用があつたときは同項の規定により控除すべきであつた金額を控除した金額とする。)をいう。
第12条の3
【無申告加算税】
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該納税義務者に対し、当該各号に規定する申告、決定又は更正に基づき第9条第2項(申告納税方式による関税の納付)の規定により納付すべき税額に百分の十五の割合を乗じて計算した金額に相当する無申告加算税を課する。ただし、当初申告が必要とされている貨物につきその輸入の時(特例申告にあつては、特例申告書の提出期限)までに当該申告がなかつたことについて正当な理由があると認められる場合は、この限りでない。
期限後特例申告書の提出又は第7条の16第2項(更正及び決定)の規定による決定がされた場合
期限後特例申告書の提出又は第7条の16第2項の規定による決定がされた後に修正申告又は更正がされた場合
前項の場合において、同項に規定する納付すべき税額(同項第2号の修正申告又は更正がされたときは、その関税に係る累積納付税額を加算した金額)が五十万円を超えるときは、同項の無申告加算税の額は、同項の規定にかかわらず、同項の規定により計算した金額に、当該超える部分に相当する税額(同項に規定する納付すべき税額が当該超える部分に相当する税額に満たないときは、当該納付すべき税額)に百分の五の割合を乗じて計算した金額を加算した金額とする。
前条第3項の規定は、第1項第2号の場合について準用する。
期限後特例申告書の提出又は第1項第2号の修正申告がされた場合において、その提出又は修正申告が、その申告に係る関税についての調査があつたことにより当該関税について更正又は決定があるべきことを予知してされたものでないときは、その申告に基づき第9条第2項の規定により納付すべき税額に係る第1項の無申告加算税の額は、同項及び第2項の規定にかかわらず、当該納付すべき税額に百分の五の割合を乗じて計算した金額とする。
第1項の規定は、前項の規定に該当する期限後特例申告書の提出があつた場合において、その提出が期限内特例申告書を提出する意思があつたと認められる場合として政令で定める場合に該当してされたものであり、かつ、当該期限後特例申告書の提出がその提出期限から二週間を経過する日までに行われたものであるときは、適用しない。
第12条第3項及び第4項(延滞税)の規定は、無申告加算税について準用する。この場合において、同条第3項中「関税額」とあるのは「税額」と、「第1項」とあるのは「第12条の3第1項本文」と、同条第4項中「千円」とあるのは「五千円」と読み替えるものとする。
第2項に規定する累積納付税額とは、第1項第2号の修正申告又は更正前にされたその関税についての次に掲げる納付すべき税額の合計額(当該関税について、当該納付すべき税額を減少させる更正又は更正に係る不服申立て若しくは訴えについての決定、裁決若しくは判決による原処分の異動があつたときはこれらにより減少した部分の税額に相当する金額を控除した金額とし、第3項において準用する前条第3項の規定の適用があつたときは同項の規定により控除すべきであつた金額を控除した金額とする。)をいう。
期限後特例申告書の提出又は第7条の16第2項の規定による決定に基づき第9条第2項の規定により納付すべき税額
修正申告又は更正に基づき第9条第2項の規定により納付すべき税額
第12条の4
【重加算税】
第12条の2第1項(過少申告加算税)の規定に該当する場合(同条第4項の規定の適用がある場合を除く。)において、納税義務者がその関税の課税標準等(第7条第2項(申告)に規定する輸入申告書に記載すべき事項又は第7条の2第1項(申告の特例)に規定する特例申告書に記載すべき事項をいう。以下この条において同じ。)又は納付すべき税額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき納税申告をしていたときは、当該納税義務者に対し、政令で定めるところにより、過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で隠ぺいし、又は仮装されていないものに基づくことが明らかであるものがあるときは、当該隠ぺいし、又は仮装されていない事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に係る過少申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額に百分の三十五の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する。
前条第1項の規定に該当する場合(同項ただし書又は同条第4項若しくは第5項の規定の適用がある場合を除く。)において、納税義務者がその関税の課税標準等又は納付すべき税額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき同条第1項各号のいずれかに該当することとなつたときは、当該納税義務者に対し、政令で定めるところにより、無申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で隠ぺいし、又は仮装されていないものに基づくことが明らかであるものがあるときは、当該隠ぺいし、又は仮装されていない事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に係る無申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額に百分の四十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する。
第12条第3項及び第4項(延滞税)の規定は、重加算税について準用する。この場合において、同条第3項中「関税額」とあるのは「税額」と、「第1項」とあるのは「第12条の4第1項及び第2項」と、同条第4項中「千円」とあるのは「五千円」と読み替えるものとする。
第5節
その他
第13条
【還付及び充当】
税関長は、関税(滞納処分費を含む。以下この条において同じ。)に過誤納金があるときは、遅滞なく、金銭で還付しなければならない。
前項の過誤納金を還付し、又は第7項の規定により還付すべき金額を充当する場合には、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める日の翌日から還付のため支払決定をする日又は充当をする日までの期間の日数に応じ、その金額に年七・三パーセントの割合を乗じて計算した金額(以下この条並びに附則第4項及び第5項において「還付加算金」という。)をその還付し、又は充当すべき金額に加算する。
更正若しくは第7条の16第2項(更正及び決定)の規定による決定又は賦課決定により納付すべき税額が確定した関税(当該関税に係る延滞税を含む。)に係る過納金(次号に掲げるものを除く。) 当該過納金に係る関税の納付があつた日(その日が当該関税(過少申告加算税又は前条第1項の規定により課される重加算税にあつては、その納付の起因となつた関税)の第12条第8項に規定する法定納期限前である場合には、当該法定納期限)
更正の請求に基づく更正(当該請求に対する処分に係る不服申立て又は訴えについての決定若しくは裁決又は判決を含む。)により納付すべき税額が減少した関税(当該関税に係る延滞税を含む。)に係る過納金 その更正の請求があつた日の翌日から起算して三月を経過する日と当該更正があつた日の翌日から起算して一月を経過する日とのいずれか早い日
前二号に掲げる過納金以外の関税に係る過誤納金 その過誤納となつた日として政令で定める日の翌日から起算して一月を経過する日
前項の場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、当該各号に定める期間を同項に規定する期間から控除しなければならない。
過誤納金の返還請求権につき民事執行法の規定による差押命令又は差押処分が発せられたとき。 その差押命令又は差押処分の送達を受けた日の翌日から七日を経過した日までの期間
過誤納金の返還請求権につき仮差押がされたとき。 その仮差押がされている期間
第2項の規定は、還付加算金の計算の基礎となる過誤納金の額が一万円未満である場合においては適用せず、当該過誤納金の額に一万円未満の端数がある場合においては、その端数を切り捨てる。
前三項の規定により計算した還付加算金の額が千円未満である場合においては、還付加算金は加算せず、還付加算金の額に百円未満の端数がある場合においては、その端数を切り捨てる。
二回以上に分けて納付した関税について過誤納を生じた場合における第2項の規定の適用については、過誤納金の額に相当する関税は、最後の納付の日に納付があつたものとし、当該過誤納金の額がその日の納付額をこえる場合においては、過誤納金の額に達するまで順次にさかのぼつてそれぞれの納付の日にその納付があつたものとする。
税関長は、第1項の過誤納金を還付すべき場合において、その還付を受けるべき者につき納付すべきこととなつた関税があるときは、政令で定めるところにより、その還付すべき金額をその関税に充当する。
第13条の2
【過大な払いもどし等に係る関税額の徴収】
税関長は、関税定率法第10条第2項(変質、損傷等の場合のもどし税)その他政令で定める関税に関する法律の規定による関税の払いもどし又は還付が、これを受ける者の申請に基づいて過大な額で行なわれた場合には、国税徴収の例により、その過大であつた部分の金額に相当する関税額を当該関税の払いもどし又は還付を受けた者から徴収する。
第13条の3
【関税の納付不足がある場合の補完的納税義務】
輸入の許可又は第73条第1項(輸入の許可前における貨物の引取り)の規定による税関長の承認を受けて引き取られた貨物について、納付された関税に不足額があつた場合において、当該許可若しくは承認の際当該貨物の輸入者とされた者の住所及び居所が明らかでなく、又はその者が当該貨物の輸入者でないことを申し立てた場合であつて、かつ、当該貨物の輸入に際してその通関業務を取り扱つた通関業者(通関業法第2条第3号(定義)に規定する通関業者をいう。以下同じ。)が、その通関業務の委託をした者を明らかにすることができなかつたときは、当該通関業者は、当該貨物の輸入者と連帯して当該関税を納める義務を負う。
第13条の4
【端数計算】
国税通則法第118条第1項及び第2項(国税の課税標準の端数計算)の規定は関税の課税標準の端数計算について、同法第119条第1項及び第3項(国税の確定金額の端数計算)の規定は関税の額の端数計算について、同法第120条第1項及び第2項(還付金等の端数計算)の規定は関税に係る払いもどし又は還付の額の端数計算について準用する。
第14条
【更正、決定等の期間制限】
関税についての更正、決定又は賦課決定は、これらに係る関税の法定納期限等から五年(第6条の2第1項第2号イ又はホ(税額の確定の方式)に規定する関税で課税標準の申告があつたものに係る賦課決定については、三年)を経過した日以後においては、することができない。
前項の規定により更正をすることができないこととなる日前六月以内にされた更正の請求に係る更正又は当該更正に伴つて行われることとなる過少申告加算税、無申告加算税若しくは重加算税についてする賦課決定は、同項の規定にかかわらず、当該更正の請求があつた日から六月を経過する日まで、することができる。
偽りその他不正の行為により関税を免れ、又は関税を納付すべき貨物について関税を納付しないで輸入した場合における当該貨物に係る関税についての更正、決定又は賦課決定は、前二項の規定にかかわらず、法定納期限等から七年を経過する日まで、することができる。
更正の請求をすることができる期限について第2条の2において準用する国税通則法第10条第2項(期間の計算及び期限の特例)の規定又は第2条の3(災害による期限の延長)の規定の適用がある場合において、これらの規定により更正の請求をすることができることとされる期間にされた更正の請求に係る更正又は当該更正に伴つて行われることとなる過少申告加算税、無申告加算税若しくは重加算税についてする賦課決定は、前三項の規定にかかわらず、当該更正の請求があつた日から六月を経過する日まで、することができる。
この条及び次条第1項において「法定納期限等」とは、当該関税(過少申告加算税、無申告加算税又は重加算税にあつては、その納付の起因となつた関税)を課される貨物を輸入する日(輸入の許可を受ける貨物については、当該許可の日)とする。ただし、次の各号に掲げる関税については、当該各号に定める日又は期限とする。
特例申告貨物につき納付すべき関税 特例申告書の提出期限
第73条第1項(輸入の許可前における貨物の引取り)の規定により税関長の承認を受けて引き取られた貨物につき納付すべき関税 当該承認の日
第77条第6項(郵便物の関税の納付等)の規定により税関長の承認を受けて受け取られた郵便物につき納付すべき関税 当該承認の日
関税定率法第7条第3項(相殺関税)若しくは第8条第2項(不当廉売関税)の規定により課する関税又は同条第16項の規定により変更され、若しくは継続される同条第1項の規定により課する関税 当該関税を課することができることとなつた日
この法律又は関税定率法その他関税に関する法律の規定により一定の事実が生じた場合に直ちに徴収するものとされている関税 当該事実が生じた日
第14条の2
【徴収権の消滅時効】
関税の徴収を目的とする国の権利(以下この条において「関税の徴収権」という。)は、その関税の法定納期限等(前条第2項又は第4項の規定による更正又は賦課決定により納付すべきものについては、当該更正があつた日とする。)から五年間行使しないことによつて、時効により消滅する。
国税通則法第72条第2項(国税の徴収権の消滅時効)及び第73条第3項第4号を除く。)(時効の中断及び停止)の規定は、関税の徴収権の時効について準用する。この場合において、同条第1項中「部分の国税」とあるのは「部分の関税」と、同項第1号中「国税」とあるのは「関税」と、「第35条第2項第2号(更正又は決定による納付)」とあるのは「関税法第9条第2項(申告納税方式による関税等の納付)」と、同項第2号中「重加算税(第68条第1項又は第2項(申告納税方式による国税の重加算税)の規定によるものに限る。)」とあるのは「重加算税」と、「これらの国税」とあるのは「これらの関税」と、「第35条第3項」とあるのは「関税法第9条第3項又は第4項」と、同条第3項各号列記以外の部分中「国税」とあるのは「関税」と、「又はその全部若しくは一部の税額の還付を受けた」とあるのは「又は関税を納付すべき貨物について関税を納付しないで輸入した場合における当該貨物に係る」と、「法定納期限」とあるのは「関税法第14条第5項(更正、決定等の期間制限)に規定する法定納期限等(同条第2項又は第4項の規定による更正又は賦課決定により納付すべきものについては、当該更正があつた日)」と、同項第1号中「納税申告書」とあるのは「納税申告(関税法第7条の14第1項第1号(修正申告)に規定する納税申告をいう。)に係る書面」と、「当該申告書」とあるのは「当該納税申告に係る書面」と、同項第2号中「更正決定等(加算税に係る賦課決定を除く。)」とあるのは「更正若しくは関税法第7条の16第2項(更正及び決定)の規定による決定又は賦課決定(過少申告加算税、無申告加算税又は重加算税に係る賦課決定を除く。以下この号において「更正決定等」という。)」と、同項第3号中「国税」とあるのは「関税」と、同条第4項中「延納、納税の猶予」とあるのは「延納」と、「部分の国税」とあるのは「部分の関税」と、「延滞税及び利子税」とあるのは「延滞税」と、同条第5項中「国税(附帯税、過怠税及び国税」とあるのは「関税(附帯税及び関税」と、「当該国税」とあるのは「当該関税」と、「国税に係る延滞税又は利子税についての国税」とあるのは「関税に係る延滞税についての関税」と読み替えるものとする。
関税の徴収権の時効については、この条に別段の定めがあるものを除き、民法の規定を準用する。
第14条の3
【還付請求権の時効】
関税の過誤納又は関税に関する法律の規定による関税の払戻し若しくは還付に係る国に対する請求権は、その請求をすることができる日から五年間行使しないことによつて、時効により消滅する。
国税通則法第72条第2項(国税の徴収権の消滅時効)及び前条第3項の規定は、前項の場合について準用する。
第14条の4
削除
第14条の5
【換価代金からの充当又は徴収の特例】
第85条第1項(公売代金等の充当)(第88条(留置貨物)において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)又は第134条第5項若しくは第6項(領置物件等の換価代金からの充当又は徴収)に規定する貨物又は物件につきこれらの規定により充て又は徴収する関税及びこれに不足額がある場合に第85条第1項又は第11条(国税徴収の例による徴収)の規定により充て又は徴収する関税の額は、当該貨物又は物件の公売又は売却による代金の額(公売又は売却の費用その他関税に先だつて徴収される費用がある場合には、これらの費用を控除した額)を限度とする。
第3章
船舶及び航空機
第15条
【入港手続】
開港に入港しようとする外国貿易船の船長は、通信設備の故障その他政令で定める場合を除き、政令で定めるところにより、あらかじめ、当該外国貿易船の名称及び国籍のほか、当該外国貿易船の積荷、旅客(当該外国貿易船に旅客が乗船する場合に限る。)及び乗組員に関する事項で政令で定めるものをその入港しようとする開港の所在地を所轄する税関に報告しなければならない。
外国貿易船が前項の報告をしないで開港に入港したときは、船長は、当該外国貿易船の入港後直ちに、同項の規定により報告すべき事項を記載した書面を税関に提出しなければならない。
外国貿易船が開港に入港したときは、船長は、入港の時から二十四時間(その時間が行政機関の休日(行政機関の休日に関する法律第1条第1項各号に掲げる日をいう。以下同じ。)に含まれる場合においては、その行政機関の休日に含まれる時間を除いて計算する。第18条第1項(入出港の簡易手続)において同じ。)以内に政令で定める事項を記載した入港届及び船用品目録を税関に提出するとともに、船舶国籍証書又はこれに代わる書類を税関職員に提示しなければならない。
税関長は、この法律の実施を確保するため必要があると認めるときは、船長に対し、前項の船用品目録に記載すべき事項を、その入港の前に報告することを求めることができる。この場合において、船長は、通信設備の故障その他政令で定める場合を除き、当該入港の前に当該報告をしなければならない。
前項の求めがあつた場合において、その入港の前に同項の報告をしなかつた船長は、当該入港の後直ちに第3項の船用品目録を税関に提出しなければならない。
第4項の報告をした船長は、第3項の規定にかかわらず、同項の船用品目録の提出を要しない。
税関空港に入港しようとする外国貿易機の機長は、通信設備の故障その他政令で定める場合を除き、政令で定めるところにより、あらかじめ、当該外国貿易機の登録記号及び国籍のほか、当該外国貿易機の積荷、旅客(当該外国貿易機に旅客が搭乗する場合に限る。)及び乗組員に関する事項で政令で定めるものをその入港しようとする税関空港の所在地を所轄する税関に報告しなければならない。
外国貿易機が前項の報告をしないで税関空港に入港したときは、機長は、当該外国貿易機の入港後直ちに、同項の規定により報告すべき事項を記載した書面を税関に提出しなければならない。
外国貿易機が税関空港に入港したときは、機長は、直ちに政令で定める事項を記載した入港届を税関に提出しなければならない。
10
税関長は、第69条の11(輸入してはならない貨物)その他のこの法律の規定の実施を確保するため必要があると認めるときは、税関空港に入港しようとする外国貿易機であつて旅客が搭乗するもの(航空法第100条第1項(許可)、第129条第1項(外国人国際航空運送事業)又は第130条の2(本邦内で発着する旅客等の運送)の許可を受けた者(以下「航空運送事業者」という。)が運航するものに限る。)の運航者その他財務省令で定める者に対し、当該外国貿易機の入港の前に、当該外国貿易機に係る予約者(航空券の予約をした者をいう。以下同じ。)、当該予約者に係る予約の内容、当該予約者の携帯品及び当該予約者が当該外国貿易機に搭乗するための手続に関する事項で政令で定めるものを報告することを求めることができる。
11
前項の規定により報告を求められた者は、政令で定めるところにより、当該報告をしなければならない。この場合において、当該者が、当該報告に代えて、税関長が電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を利用してその情報を閲覧することができる状態に置く措置であつて財務省令で定めるものを講じたときは、当該報告をしたものとみなす。
第15条の2
【積荷に関する事項の報告】
税関長は、前条第1項又は第7項の規定により積荷に関する事項の報告があつた場合において、この法律の実施を確保するためその内容を明瞭にする必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、その入港の前に、当該積荷の荷受人その他の政令で定める者に対し、報告を求めることができる。
前項の規定により報告を求められた者は、遅滞なく、当該報告をしなければならない。
第15条の3
【特殊船舶等の入港手続】
開港又は税関空港に入港しようとする特殊船舶等(本邦と外国との間を往来する船舶又は航空機で外国貿易船又は外国貿易機以外のもの(公用船、公用機その他の船舶又は航空機のうち政令で定めるものを除く。)をいう。以下同じ。)の船長又は機長は、通信設備の故障その他政令で定める場合を除き、政令で定めるところにより、あらかじめ、当該特殊船舶等の名称又は登録記号及び国籍のほか、当該特殊船舶等の旅客(当該特殊船舶等に旅客が乗船し、又は搭乗する場合に限る。)及び乗組員に関する事項で政令で定めるものをその入港しようとする開港又は税関空港の所在地を所轄する税関に報告しなければならない。
特殊船舶等が前項の報告をしないで開港又は税関空港に入港したときは、船長又は機長は、当該特殊船舶等の入港後直ちに、同項の規定により報告すべき事項を記載した書面を税関に提出しなければならない。
特殊船舶等が開港又は税関空港に入港したときは、船長又は機長は、直ちに政令で定める事項を記載した入港届を税関に提出しなければならない。
税関長は、第69条の11(輸入してはならない貨物)その他のこの法律の規定の実施を確保するため必要があると認めるときは、税関空港に入港しようとする特殊航空機(特殊船舶等のうち航空機であるものをいう。以下同じ。)であつて旅客が搭乗するもの(航空運送事業者が運航するものに限る。)の運航者その他財務省令で定める者に対し、当該特殊航空機の入港の前に、当該特殊航空機に係る予約者、当該予約者に係る予約の内容、当該予約者の携帯品及び当該予約者が当該特殊航空機に搭乗するための手続に関する事項で政令で定めるものを報告することを求めることができる。
前項の規定により報告を求められた者は、政令で定めるところにより、当該報告をしなければならない。この場合において、当該者が、当該報告に代えて、税関長が電磁的記録を利用してその情報を閲覧することができる状態に置く措置であつて財務省令で定めるものを講じたときは、当該報告をしたものとみなす。
第16条
【貨物の積卸し】
外国貿易船又は外国貿易機(以下「外国貿易船等」という。)に対する貨物の積卸しは、第15条第1項又は第7項(入港手続)の規定による積荷に関する事項についての報告がない場合(同条第2項若しくは第8項又は第18条第2項若しくは第4項(入出港の簡易手続)の規定による積荷に関する事項を記載した書面を提出した場合を除く。)には、してはならない。ただし、旅客及び乗組員の携帯品、郵便物(郵便物に該当しない信書を含む。第18条第19条第24条第2項及び第63条第1項において同じ。)並びに船用品及び機用品については、この限りでない。
船舶又は航空機に外国貨物の積卸をしようとする者は、政令で定めるところにより、積卸についての書類を税関職員に呈示しなければならない。外国貿易船等に内国貨物の積卸をしようとする者も、また同様とする。
第17条
【出港手続】
外国貿易船等が開港又は税関空港を出港しようとするときは、船長又は機長は、税関に政令で定める事項を記載した出港届を提出して税関長の許可を受けなければならない。この場合において、税関長は、この法律の実施を確保するため必要があると認めるときは、船長又は機長に対し、積荷、旅客(当該外国貿易船等に旅客が乗船し、又は搭乗する場合に限る。)及び乗組員に関する事項で政令で定めるものを記載した書面の提出を求めることができる。
前項の場合において、当該外国貿易船についてとん税法及び特別とん税法の規定により納付すべきとん税及び特別とん税の額があるときは、その額が納付された後でなければ、同項の許可をしないものとする。ただし、とん税法第9条第1項(担保)及び特別とん税法第7条第1項(担保)の規定による担保が提供された場合は、この限りでない。
第18条
【入出港の簡易手続】
外国貿易船が開港に入港する場合において、乗組員の携帯品、郵便物及び船用品以外の貨物の積卸しをしないで入港の時から二十四時間以内に出港するときその他政令で定めるとき(次項において「短期出港等の場合」という。)は、第15条第1項から第5項まで(入港手続)の規定は、適用しない。ただし、乗組員に関する事項については、船長は、政令で定める場合を除き、同条第1項の規定による報告又は同条第2項の規定による書面の提出をしなければならない。
前項の場合において、同項の外国貿易船の船長は、政令で定める事項を記載した入港届を出港の時までに税関に提出しなければならず、また、入港後、短期出港等の場合に該当しないこととなるときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、第15条第1項の規定により報告すべき事項(前項ただし書の規定により報告し、又は提出した書面に記載した事項を除く。)を記載した書面を税関に提出しなければならない。
外国貿易機が税関空港に入港する場合において、乗組員の携帯品、郵便物及び機用品以外の貨物の積卸しをしないで出港するときその他政令で定めるとき(次項において「短期出港等の場合」という。)は、第15条第7項から第9項まで及び前条の規定は、適用しない。ただし、乗組員に関する事項については、機長は、政令で定める場合を除き、第15条第7項の規定による報告又は同条第8項の規定による書面の提出をしなければならない。
前項の場合において、同項の外国貿易機の機長は、短期出港等の場合である旨を出港の時までに税関に届け出なければならず、また、入港後、短期出港等の場合に該当しないこととなるときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、第15条第7項の規定により報告すべき事項(前項ただし書の規定により報告し、又は提出した書面に記載した事項を除く。)を記載した書面を税関に提出しなければならない。
第18条の2
【特殊船舶等の入出港の簡易手続】
特殊船舶等のうち船舶であるもの(次項において「特殊船舶」という。)が開港に入港する場合において、旅客の携帯品の積卸しをしないで入港の時から二十四時間以内に出港するときその他政令で定めるとき(次項において「短期出港等の場合」という。)は、第15条の3(特殊船舶等の入港手続)の規定は、適用しない。ただし、乗組員に関する事項については、船長は、政令で定める場合を除き、同条第1項の規定による報告又は同条第2項の規定による書面の提出をしなければならない。
前項の場合において、同項の特殊船舶の船長は、政令で定める事項を記載した入港届を出港の時までに税関に提出しなければならず、また、入港後、短期出港等の場合に該当しないこととなるときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、第15条の3第1項の規定により報告すべき事項(前項ただし書の規定により報告し、又は提出した書面に記載した事項を除く。)を記載した書面を税関に提出しなければならない。
特殊航空機が税関空港に入港する場合において、旅客の携帯品の積卸しをしないで出港するときその他政令で定めるとき(次項において「短期出港等の場合」という。)は、第15条の3の規定は、適用しない。ただし、乗組員に関する事項については、機長は、政令で定める場合を除き、同条第1項の規定による報告又は同条第2項の規定による書面の提出をしなければならない。
前項の場合において、同項の特殊航空機の機長は、短期出港等の場合である旨を出港の時までに税関に届け出なければならず、また、入港後、短期出港等の場合に該当しないこととなるときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、第15条の3第1項の規定により報告すべき事項(前項ただし書の規定により報告し、又は提出した書面に記載した事項を除く。)を記載した書面を税関に提出しなければならない。
第19条
【開庁時間外の貨物の積卸し】
税関官署の開庁時間(税関官署において事務を取り扱う時間として当該税関官署における事務の種類その他の事情を勘案して税関長が定めて公示した時間をいう。第98条第1項において同じ。)以外の時間において、外国貿易船等その他外国貨物を積んでいる船舶若しくは航空機に貨物の積卸しをし、又は船舶若しくは航空機に外国貨物を積み込もうとするときは、あらかじめその旨を税関長に届け出なければならない。ただし、旅客及び乗組員の携帯品、郵便物並びに船用品及び機用品については、この限りでない。
第20条
【不開港への出入】
外国貿易船等の船長又は機長は、税関長の許可を受けた場合を除くほか、当該外国貿易船等を不開港に出入させてはならない。ただし、検疫のみを目的として検疫区域に出入する場合又は遭難その他やむを得ない事故がある場合は、この限りでない。
外国貿易船等が前項ただし書の事故により不開港に入港したときは、船長又は機長は、直ちにその事由を付してその旨を税関職員に(税関職員がいないときは警察官に)届け出なければならない。
税関長は、第69条の11(輸入してはならない貨物)その他のこの法律の規定の実施を確保するため必要があると認めるときは、不開港に入港しようとする外国貿易機であつて旅客が搭乗するもの(航空運送事業者が運航するものに限る。)の運航者その他財務省令で定める者に対し、当該外国貿易機の入港の前に、当該外国貿易機に係る予約者、当該予約者に係る予約の内容、当該予約者の携帯品及び当該予約者が当該外国貿易機に搭乗するための手続に関する事項で政令で定めるものを報告することを求めることができる。
前項の規定により報告を求められた者は、政令で定めるところにより、当該報告をしなければならない。この場合において、当該者が、当該報告に代えて、税関長が電磁的記録を利用してその情報を閲覧することができる状態に置く措置であつて財務省令で定めるものを講じたときは、当該報告をしたものとみなす。
第20条の2
【特殊船舶等の不開港への出入】
不開港に入港しようとする特殊船舶等の船長又は機長は、通信設備の故障その他政令で定める場合を除き、政令で定めるところにより、あらかじめ、当該特殊船舶等の名称又は登録記号及び国籍のほか、当該特殊船舶等の旅客(当該特殊船舶等に旅客が乗船し、又は搭乗する場合に限る。)及び乗組員に関する事項で政令で定めるものをその入港しようとする不開港の所在地を所轄する税関に報告しなければならない。
特殊船舶等が前項の報告をしないで不開港に入港したときは、船長又は機長は、当該特殊船舶等の入港後直ちに、同項の規定により報告すべき事項を記載した書面を税関に提出しなければならない。
特殊船舶等が不開港に入港したときは、船長又は機長は、直ちに政令で定める事項を記載した入港届を税関に提出しなければならない。
税関長は、第69条の11(輸入してはならない貨物)その他のこの法律の規定の実施を確保するため必要があると認めるときは、不開港に入港しようとする特殊航空機であつて旅客が搭乗するもの(航空運送事業者が運航するものに限る。)の運航者その他財務省令で定める者に対し、当該特殊航空機の入港の前に、当該特殊航空機に係る予約者、当該予約者に係る予約の内容、当該予約者の携帯品及び当該予約者が当該特殊航空機に搭乗するための手続に関する事項で政令で定めるものを報告することを求めることができる。
前項の規定により報告を求められた者は、政令で定めるところにより、当該報告をしなければならない。この場合において、当該者が、当該報告に代えて、税関長が電磁的記録を利用してその情報を閲覧することができる状態に置く措置であつて財務省令で定めるものを講じたときは、当該報告をしたものとみなす。
第21条
【外国貨物の仮陸揚】
外国貨物を仮に陸揚(取卸を含む。以下同じ。)しようとするときは、船長又は機長は、税関に(税関が設置されていない場所においては税関職員に、税関職員がいないときは警察官に)あらかじめその旨を届け出なければならない。但し、遭難その他やむを得ない事故に因りあらかじめ届け出ることができない場合においては、陸揚した後直ちにその旨を届け出なければならない。
第22条
【沿海通航船等の外国寄港の届出等】
沿海通航船又は国内航空機(以下「沿海通航船等」という。)が遭難その他やむを得ない事故に因り外国に寄港して本邦に帰つたときは、船長又は機長は、直ちにその旨を税関に届け出るとともに、外国においてその船用品又は機用品を積み込んだ場合においては、その目録を税関に提出しなければならない。
第23条
【船用品又は機用品の積込み等】
外国から本邦に到着した外国貨物である船用品又は機用品は、政令で定めるところにより、税関長に申告し、その承認を受けて、保税地域から本邦と外国との間を往来する船舶(これに準ずる遠洋漁業船その他の船舶で政令で定めるものを含む。)又は航空機に積み込む場合に限り、外国貨物のまま積み込むことができる。この場合において、税関長は、当該船用品又は機用品が取締り上支障がないものとして政令で定めるものである場合には、政令で定める期間の範囲内で税関長が指定する期間内に積み込まれる船用品又は機用品の積込みについて一括して承認することができる。
内国貨物である船用品又は機用品を本邦と外国との間を往来する船舶又は航空機に積み込もうとする者は、政令で定めるところにより、税関長に申告し、その承認を受けなければならない。ただし、遭難その他やむを得ない事故により不開港に入港し、その船用品又は機用品を積み込むことについて緊急な必要がある場合において、税関職員がいないときは、警察官にあらかじめその旨を届け出なければならない。
前二項の承認は、当該承認に係る船用品又は機用品の種類及び数量が船舶又は航空機の種類、トン数又は自重、航海又は航行の日数並びに旅客及び乗組員の数等を勘案して適当と認められるときは、これをしなければならない。
税関長は、第1項の承認をする場合においては、相当と認められる積込みの期間を指定しなければならない。この場合において、その指定後災害その他やむを得ない理由により必要があると認めるときは、税関長は、その指定した期間を延長することができる。
第1項の承認を受けた者は、当該承認に係る船用品又は機用品の積込みを終えたときは、政令で定めるところにより、直ちにその事実を証する書類を税関に提出しなければならない。ただし、同項後段の規定により一括して承認を受けた場合においては、当該承認に係る期間を当該承認をした税関長が政令で定めるところにより区分して指定した期間ごとに、当該期間内に積み込まれた船用品又は機用品に係る当該事実を証する書類を一括して提出することができる。
第1項の承認を受けた船用品又は機用品が第4項の規定により指定された期間内に当該承認に係る船舶又は航空機に積み込まれなかつたときは、当該承認を受けた者から、直ちにその関税を徴収する。ただし、当該船用品又は機用品が保税地域に入れられた場合、災害その他やむを得ない理由により亡失した場合又はあらかじめ税関長の承認を受けて滅却された場合は、この限りでない。
第24条
【船舶又は航空機と陸地との交通等】
本邦と外国との間を往来する船舶又は航空機と陸地との間の交通(次項の規定に該当するものを除く。)又は貨物の積卸は、税関長の許可を受けた場合を除く外、その指定した場所を経て行わなければならない。
本邦と外国との間を往来する船舶又は航空機への交通が貨物(その授受につきこの法律の規定により承認又は許可を受けた貨物及び郵便物を除く。)の授受を目的とするものであるときは、その交通は、政令で定めるところにより、税関長の許可を受け、かつ、その指定した場所を経て行わなければならない。
税関長は、前項の許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該許可をしないことができる。
その者がこの法律の規定に違反して刑に処せられ、又は通告処分を受け、その刑の執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなつた日又はその通告の旨を履行した日から三年を経ない場合
その者がこの法律以外の法令の規定に違反して禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経ない場合
その者が前二号のいずれかに該当する者又はこれを役員とする法人の代理人、使用人その他の従業者である場合
本邦と外国との間を往来する船舶又は航空機と沿海通航船等との間の交通は、税関長の許可を受けた場合を除く外、行つてはならない。
第25条
【船舶又は航空機の資格の変更】
外国貿易船等以外の船舶又は航空機を外国貿易船等として使用しようとするときは、船長又は機長は、あらかじめその旨を税関に届け出なければならない。外国貿易船等を外国貿易船等以外の船舶又は航空機として使用しようとするときも、また同様とする。
第26条
【船長又は機長の行為の代行】
第15条(入港手続)、第15条の3(特殊船舶等の入港手続)、第17条第1項(出港手続)、第18条(入出港の簡易手続)、第18条の2(特殊船舶等の入出港の簡易手続)、第20条(不開港への出入)、第20条の2(特殊船舶等の不開港への出入)、第21条(外国貨物の仮陸揚)又は前条の規定により船長又は機長が行うべき行為は、これらの条に規定する船舶又は航空機の所有者等(所有者若しくは管理者又はこれらの者若しくは船長若しくは機長の代理人をいう。)も行うことができる。
参照条文
第27条
【船長又は機長の職務代行者】
この章の規定で船長又は機長に適用されるものは、船長又は機長がその職務を行うことができない場合においては、船長又は機長に代つてその職務を行う者に適用する。
参照条文
第28条
【税関職員に対する便宜供与】
税関職員が職務を執行するため船舶又は航空機に乗り込む場合においては、船長又は機長は、税関職員に対し職務の執行に必要な場所の提供その他の便宜を与えなければならない。
第4章
保税地域
第1節
総則
第29条
【保税地域の種類】
保税地域は、指定保税地域、保税蔵置場、保税工場、保税展示場及び総合保税地域の五種とする。
参照条文
奄美群島の復帰に伴う国税関係法令の適用の暫定措置等に関する政令第39条 一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律第3条 沖縄の復帰に伴う国税関係法令の適用の特別措置等に関する政令第74条 沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律第80条 揮発油税法第2条 国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号等を踏まえ我が国が実施する貨物検査等に関する特別措置法第3条 国税通則法第9条の2 国税通則法施行令第23条 酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律第86条の5 酒税法第3条 消費税法第2条 消費税法施行令第17条 所得税法等の一部を改正する法律附則第百十九条の二の規定による経過措置を定める政令第14条 使用済自動車の再資源化等に関する法律施行規則第76条 石油ガス税法第2条 石油石炭税法第2条 石油の備蓄の確保等に関する法律施行規則第7条 租税特別措置法第2条 たばこ税法第2条 地方揮発油税法第2条 地方税法施行令第35条の13 阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律第2条 輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第2条 湾岸地域における平和回復活動を支援するため平成二年度において緊急に講ずべき財政上の措置に必要な財源の確保に係る臨時措置に関する法律第27条
第30条
【外国貨物を置く場所の制限】
外国貨物は、保税地域以外の場所に置くことができない。ただし、次に掲げるものについては、この限りでない。
難破貨物
保税地域に置くことが困難又は著しく不適当であると認め税関長が期間及び場所を指定して許可した貨物
特定郵便物(第76条第5項(郵便物の輸出入の簡易手続)の規定による通知に係る郵便物(輸入されるものに限る。)及び信書のみを内容とする郵便物をいう。第63条の9第1項において同じ。)、刑事訴訟法の規定により押収された物件その他政令で定める貨物
信書便物(民間事業者による信書の送達に関する法律第2条第3項(定義)に規定する信書便物をいう。第74条第78条の3並びに第122条第1項及び第2項において同じ。)のうち税関長が取締り上支障がないと認めるもの
第67条の3第1項(輸出申告の特例)の規定による輸出申告が行われ、税関長の輸出の許可を受けた貨物(以下「特例輸出貨物」という。)
前項の規定にかかわらず、第69条の11第1項第1号から第4号まで、第5号の2第6号及び第8号から第10号まで(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物(輸入の目的以外の目的で本邦に到着したものに限り、同項第9号に掲げる貨物にあつては、回路配置利用権のみを侵害するものを除く。)は、保税地域に置くことができない。
第31条
削除
第32条
【見本の一時持出】
保税地域にある外国貨物を見本として一時持ち出そうとする者は、税関長の許可を受けなければならない。
第34条
【外国貨物の廃棄】
保税地域にある外国貨物を廃棄しようとする者は、あらかじめその旨を税関に届け出なければならない。ただし、第45条第1項ただし書(許可を受けた者の関税の納付義務等)(第36条第41条の3第61条の4第62条の7及び第62条の15において準用する場合を含む。)の規定により滅却について承認を受けた場合は、この限りでない。
第34条の2
【記帳義務】
保税地域(保税工場及び保税展示場を除く。)において貨物を管理する者は、その管理する外国貨物(信書を除く。第43条の2第1項第43条の3第1項第61条の3第62条の7において準用する場合を含む。)、第62条の3第1項第62条の9第62条の10及び第80条第1項において同じ。)又は輸出しようとする貨物(信書を除く。)についての帳簿を設け、政令で定める事項を記載しなければならない。
第36条
【保税地域についての規定の準用等】
第32条(見本の一時持出し)、第34条(外国貨物の廃棄)及び第45条(保税蔵置場の許可を受けた者の関税の納付義務)の規定は、第30条第1項第2号(許可を受けて保税地域外に置く外国貨物)の規定により税関長が許可した貨物について準用する。この場合において、第32条及び第34条中「保税地域」とあり、並びに第45条中「保税蔵置場」とあるのは、「第30条第1項第2号の規定により税関長が指定した場所」と読み替えるものとする。
第30条第1項第2号(許可を受けて保税地域外に置く外国貨物)の規定により税関長が許可した貨物につき内容の点検又は改装、仕分けその他の手入れをしようとするときは、あらかじめその旨を税関に届け出なければならない。
第2節
指定保税地域
第37条
【指定保税地域の指定又は取消し】
指定保税地域とは、国、地方公共団体又は港湾施設若しくは空港施設の建設若しくは管理を行う法人であつて政令で定める者が所有し、又は管理する土地又は建設物その他の施設で、開港又は税関空港における税関手続の簡易、かつ、迅速な処理を図るため、外国貨物の積卸し若しくは運搬をし、又はこれを一時置くことができる場所として財務大臣が指定したものをいう。
財務大臣は、指定保税地域を利用して行われる外国貿易の減少その他の事由に因りその全部又は一部を存置する必要がないと認めるときは、これについて前項の指定を取り消すことができる。
財務大臣は、指定保税地域の指定をしようとするときは、あらかじめ当該指定をしようとする土地又は建設物その他の施設の所有者及び管理者に協議し、かつ、公聴会を開き、輸出入業者その他の当該指定について利害関係がある者に対して意見を述べる機会を与えなければならない。指定保税地域の指定の取消しをしようとするときも、また同様とする。
財務大臣は、指定保税地域の指定又は指定の取消をしたときは、直ちにその旨を公告しなければならない。
財務大臣は、政令で定めるところにより、第1項又は第2項の規定による指定又は取消しに係る権限の一部を税関長に委任することができる。
第38条
【指定保税地域の処分等】
指定保税地域の指定を受けた土地又は建設物その他の施設の所有者又は管理者は、次の各号に掲げる行為をしようとするときは、あらかじめ税関長に協議しなければならない。ただし、所有者又は管理者が、国及び地方公共団体以外の者である場合においては、税関長の承認を受けなければならない。
当該土地又は建設物その他の施設の譲渡、交換、貸付けその他の処分又はその用途の変更
当該土地の工事又は当該土地内における建設物その他の施設の新築
当該建設物その他の施設の改築、移転、撤去その他の工事
前項の場合において、税関長は、同項の協議又は承認の申請に係る行為が指定保税地域の利用を妨げず、且つ、この法律の実施を確保する上に支障がないと認めるときは、これについて同意し、又は承認しなければならない。
税関長は、指定保税地域において税関の事務を能率的に執行するため必要があると認めるときは、その所有者及び管理者の同意を得て、当該指定保税地域と当該指定保税地域以外の場所とを区別するため、当該指定保税地域にしよう壁その他これに類する施設を設けることができる。
指定保税地域の指定を受けた土地又は建設物その他の施設の所有者又は管理者(前条第1項(指定保税地域の指定)の政令で定める者から港湾施設の貸付けを受けた者を含む。)は、正当な事由がなければ、外国貨物又は輸出しようとする貨物の積卸若しくは運搬をし、又はこれを置くことを拒むことができない。
第39条
【入れることができる貨物】
税関長は、指定保税地域の目的を達成するため必要があると認めるときは、指定保税地域に入れることができる貨物の種類を定めることができる。
参照条文
第40条
【貨物の取扱い】
指定保税地域においては、外国貨物又は輸出しようとする貨物につき、第37条第1項(指定保税地域の指定)に規定する行為のほか、これらの貨物の内容の点検又は改装、仕分けその他の手入れをすることができる。
指定保税地域においては、前項に定めるもののほか、外国貨物又は輸出しようとする貨物につき、見本の展示、簡単な加工その他これらに類する行為で税関長の許可を受けたものを行うことができる。
税関長は、指定保税地域の利用を妨げず、かつ、この法律の実施を確保する上に支障がないと認めるときは、前項の許可をしなければならない。
第41条
【指定の取消し後における外国貨物】
指定保税地域の指定が取り消された場合において、その取消しの際、当該指定保税地域に外国貨物(特例輸出貨物を除く。第47条第3項第61条の4第62条の7及び第62条の15において準用する場合を含む。)及び第62条の6第1項において同じ。)があるときは、当該貨物については、税関長が指定する期間、その指定が取り消された場所を指定保税地域とみなす。
参照条文
第41条の2
【外国貨物の搬入停止等】
税関長は、指定保税地域において貨物を管理する者(その者が法人である場合はその役員を含む。以下この条において「貨物管理者」という。)又はその代理人、支配人その他の従業者が指定保税地域の業務についてこの法律の規定に違反したときは、期間を指定して、当該貨物管理者の管理に係る外国貨物又は輸出しようとする貨物を当該指定保税地域に入れることを停止させることができる。
税関長は、前項の規定により貨物を指定保税地域に入れることを停止させようとするときは、当該貨物管理者及び当該指定保税地域の土地又は建設物その他の施設の所有者又は管理者にあらかじめその旨を通知し、これらの者若しくはその代理人の出頭を求めて意見を聴取し、又はその他の方法により、釈明のための証拠を提出する機会を与えなければならない。
参照条文
第41条の3
【保税蔵置場についての規定の準用】
第45条(保税蔵置場の許可を受けた者の関税の納付義務)の規定は、指定保税地域にある外国貨物について準用する。この場合において、同条第1項及び第3項中「当該保税蔵置場の許可を受けた者」とあるのは、「当該外国貨物を管理する者」と読み替えるものとする。
第3節
保税蔵置場
第42条
【保税蔵置場の許可】
保税蔵置場とは、外国貨物の積卸し若しくは運搬をし、又はこれを置くことができる場所として、政令で定めるところにより、税関長が許可したものをいう。
前項の許可の期間は、十年をこえることができない。但し、政令で定めるところにより、十年以内の期間を定めてこれを更新することができる。
税関長は、第1項の許可又は前項但書の更新をしたときは、直ちにその旨を公告しなければならない。
第43条
【許可の要件】
税関長は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、前条第1項の許可をしないことができる。
前条第1項の許可を受けようとする者(以下この条において「申請者」という。)が保税地域の許可を取り消された者であつて、その取り消された日から三年を経過していない場合
申請者がこの法律の規定に違反して刑に処せられ、又は通告処分を受け、その刑の執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなつた日又はその通告の旨を履行した日から三年を経過していない場合
申請者がこの法律以外の法令の規定に違反して禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過していない場合
申請者が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法第204条(傷害)、第206条(現場助勢)、第208条(暴行)、第208条の3第1項(凶器準備集合及び結集)、第222条(脅迫)若しくは第247条(背任)の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過していない場合
申請者が暴力団員等である場合
申請者が前各号のいずれかに該当する者を役員とする法人である場合又はこれらの者を代理人、支配人その他の主要な従業者として使用する者である場合
申請者が暴力団員等によりその事業活動を支配されている者である場合
申請者の資力が薄弱であるためこの法律の規定により課される負担に耐えないと認められる場合その他保税蔵置場の業務を遂行するのに十分な能力がないと認められる場合
前条第1項の許可を受けようとする場所の位置又は設備が保税蔵置場として不適当であると認められる場合
前条第1項の許可を受けようとする場所について保税蔵置場としての利用の見込み又は価値が少ないと認められる場合
第43条の2
【外国貨物を置くことができる期間】
保税蔵置場に外国貨物を置くことができる期間は、当該貨物を最初に保税蔵置場に置くことが承認された日から二年とする。
税関長は、特別の事由があると認めるときは、申請により、必要な期間を指定して前項の期間を延長することができる。
第43条の3
【外国貨物を置くことの承認】
保税蔵置場に外国貨物を入れる者は、当該貨物をその入れた日から三月(やむを得ない理由により必要があると認めるときは、申請により、税関長が指定する期間)を超えて当該保税蔵置場に置こうとする場合には、政令で定めるところにより、その超えることとなる日前に税関長に申請し、その承認を受けなければならない。
前項の承認は、保税蔵置場に同項の期間を超えて外国貨物を置くことが他の法令の規定によりできない場合及び保税蔵置場の利用を妨げる場合を除くほか、しなければならない。
第67条の2(輸出申告又は輸入申告の手続)の規定は、第1項の承認の申請をする場合について準用する。
第43条の4
【外国貨物を置くことの承認等の際の検査】
税関長は、前条第1項の承認又は指定をする場合には、税関職員に同項の外国貨物につき必要な検査をさせるものとする。
第44条
【貨物の収容能力の増減等】
保税蔵置場の許可を受けた者は、当該保税蔵置場の貨物の収容能力を増加し、若しくは減少し、又はその改築、移転その他の工事をしようとするときは、あらかじめその旨を税関に届け出なければならない。
税関長は、前項の届出があつた場合において、その実施しようとする収容能力の増減又は工事について、その増減又は工事をした後の保税蔵置場と他の場所との区分が明確でなく、又は当該増減若しくは工事をした後の外国貨物の保管設備が不十分であるため、この法律の実施を確保するうえに支障があると認めるときは、当該届出をした者に対し、その届出に係る事項を実施する際必要な措置を講ずることを求めることができる。
第45条
【許可を受けた者の関税の納付義務等】
保税蔵置場にある外国貨物(輸出の許可を受けた貨物を除く。以下この項及び次項において同じ。)が亡失し、又は滅却されたときは、当該保税蔵置場の許可を受けた者から、直ちにその関税を徴収する。ただし、外国貨物が災害その他やむを得ない事情により亡失した場合又はあらかじめ税関長の承認を受けて滅却された場合は、この限りでない。
税関長は、保税蔵置場にある外国貨物が腐敗し、若しくは変質し、又は他の外国貨物を害するおそれがある等の事情によりこれを滅却することがやむを得ないと認めるときは、前項ただし書の承認をしなければならない。
保税蔵置場にある外国貨物が亡失した場合には、当該保税蔵置場の許可を受けた者は、直ちにその旨を税関長に届け出なければならない。
第46条
【休業又は廃業の届出】
保税蔵置場の許可を受けた者は、許可の期間内に当該保税蔵置場の業務を休止し、又は廃止しようとするときは、あらかじめその旨を税関長に届け出なければならない。
第47条
【許可の失効】
保税蔵置場の許可は、次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その効力を失う。
許可を受けた者が当該保税蔵置場の業務を廃止したとき。
許可を受けた者が死亡した場合で、第48条の2第2項(許可の承継)の規定による申請が同項に規定する期間内にされなかつたとき又は同項の承認をしない旨の処分があつたとき。
許可を受けた者が解散したとき。
許可を受けた者が破産手続開始の決定を受けたとき。
許可の期間が満了したとき。
税関長が許可を取り消したとき。
保税蔵置場の許可が失効したときは、税関長は、直ちにその旨を公告しなければならない。
保税蔵置場の許可が失効した場合において、その失効の際、当該保税蔵置場に外国貨物があるときは、当該貨物については、税関長が指定する期間、その許可が失効した場所を保税蔵置場とみなす。この場合において、当該許可を受けていた者又はその相続人(許可を受けていた者が合併により消滅した法人である場合においては合併後存続する法人又は合併により設立された法人、許可を受けていた者が分割(当該保税蔵置場の業務を承継させるものに限る。)をした法人である場合においては当該保税蔵置場の業務を承継した法人)は、外国貨物を出し終わるまでは、保税蔵置場についての義務を免れることができない。
第48条
【許可の取消し等】
税関長は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、期間を指定して外国貨物又は輸出しようとする貨物を保税蔵置場に入れることを停止させ、又は保税蔵置場の許可を取り消すことができる。
許可を受けた者(その者が法人である場合においては、その役員を含む。)又はその代理人、支配人その他の従業者が保税蔵置場の業務についてこの法律の規定に違反したとき。
許可を受けた者について第43条第2号から第10号まで(許可の要件)のいずれかに該当することとなつたとき。
税関長は、前項の処分をしようとするときは、当該処分に係る保税蔵置場の許可を受けた者にあらかじめその旨を通知し、その者若しくはその代理人の出頭を求めて意見を聴取し、又はその他の方法により、釈明のための証拠を提出する機会を与えなければならない。
第48条の2
【許可の承継】
保税蔵置場の許可を受けた者について相続があつたときは、その相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により当該許可に基づく地位を承継すべき相続人を選定したときは、その者)は、被相続人の当該許可に基づく地位を承継する。
前項の規定により保税蔵置場の許可に基づく地位を承継した者(次項において「承継人」という。)は、政令で定めるところにより、被相続人の死亡後六十日以内に、その承継について税関長に承認の申請をすることができる。
税関長は、承継人について第43条各号(許可の要件)のいずれかに該当する場合には、前項の承認をしないことができる。
保税蔵置場の許可を受けた者について合併又は分割(当該保税蔵置場の業務を承継させるものに限る。)があつた場合において、政令で定めるところによりあらかじめ税関長の承認を受けたときは、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により当該保税蔵置場の業務を承継した法人(次項において「合併後の法人等」という。)は、第47条第1項第1号又は第3号(許可の失効)の規定にかかわらず、当該合併により消滅した法人又は当該分割をした法人の当該許可に基づく地位を承継することができる。
税関長は、合併後の法人等について第43条各号(許可の要件)のいずれかに該当する場合には、前項の承認をしないことができる。
税関長は、第2項又は第4項の承認をしたときは、直ちにその旨を公告しなければならない。
第49条
【指定保税地域についての規定の準用】
第40条(指定保税地域における貨物の取扱い)の規定は、保税蔵置場について準用する。
第50条
【保税蔵置場の許可の特例】
第42条第1項(保税蔵置場の許可)の許可を受けている者であらかじめ税関長の承認を受けた者(以下この節において「承認取得者」という。)は、位置又は設備が財務省令で定める基準に適合する場所において同項に規定する行為(以下「外国貨物の蔵置等」という。)を行おうとする場合には、その場所を所轄する税関長に、その旨の届出をすることができる。
前項の届出に係る場所については、当該届出が受理された時において、第42条第1項の許可を受けたものとみなして、この法律の規定を適用する。この場合において、その許可を受けたものとみなされる場所に係る当該許可の期間は、同条第2項の規定にかかわらず、前項の承認が効力を有する期間と同一の期間とする。
第1項の承認を受けようとする者は、その住所又は居所及び氏名又は名称その他必要な事項を記載した申請書を、その住所又は居所の所在地を所轄する税関長に提出しなければならない。
第1項の承認は、八年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
第1項の届出の手続その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第51条
【承認の要件】
税関長は、前条第1項の承認をしようとするときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
承認を受けようとする者が次のいずれにも該当しないこと。
第54条第1項(承認の取消し等)の規定により前条第1項の承認を取り消された日から三年を経過していない者であること。
現に受けている第42条第1項(保税蔵置場の許可)の許可について、その許可の日(二以上の許可を受けている場合にあつては、これらのうち最初に受けた許可の日)から三年を経過していない者であること。
第43条第2号から第7号まで(許可の要件)に掲げる場合に該当している者であること。
承認を受けようとする者が、外国貨物の蔵置等に関する業務を電子情報処理組織を使用して行うことその他当該業務を適正かつ確実に遂行することができる能力を有していること。
承認を受けようとする者が、外国貨物の蔵置等に関する業務について、その者(その者が法人である場合においては、その役員を含む。)又はその代理人、支配人その他の従業者がこの法律その他の法令の規定を遵守するための事項として財務省令で定める事項を規定した規則を定めていること。
第52条
【規則等に関する改善措置】
税関長は、承認取得者がこの法律の規定に従つて外国貨物の蔵置等に関する業務を行わなかつたことその他の事由により、この法律の実施を確保するため必要があると認めるときは、前条第3号に規定する規則若しくは当該規則に定められた事項に係る業務の遂行の改善に必要な措置を講ずること又は同号に規定する規則を新たに定めることを求めることができる。
第52条の2
【保税蔵置場の許可の特例の適用を受ける必要がなくなつた旨の届出】
承認取得者は、第50条第1項(保税蔵置場の許可の特例)の規定の適用を受ける必要がなくなつたときは、政令で定めるところにより、その旨を同項の承認をした税関長に届け出ることができる。
第53条
【承認の失効】
第50条第1項(保税蔵置場の許可の特例)の承認は、次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その効力を失う。
前条の規定による届出があつたとき。
承認取得者に係る保税蔵置場の全部について、第42条第1項(保税蔵置場の許可)の許可が失効したとき。
承認取得者が死亡した場合で、第55条において準用する第48条の2第2項(許可の承継)の規定による申請が同項に規定する期間内にされなかつたとき、又は同項の承認をしない旨の処分があつたとき。
承認の期間が満了したとき。
税関長が承認を取り消したとき。
参照条文
第54条
【承認の取消し等】
税関長は、承認取得者が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、第50条第1項(保税蔵置場の許可の特例)の承認を取り消すことができる。
第51条第1号ハ(承認の要件)に該当することとなつたとき又は同条第2号に適合しないこととなつたとき。
第52条(規則等に関する改善措置)の規定による税関長の求めに応じなかつたとき。
税関長は、前項の規定により承認の取消しをしようとするときは、当該処分に係る承認取得者にあらかじめその旨を通知し、その者若しくはその代理人の出頭を求めて意見を聴取し、又はその他の方法により、釈明のための証拠を提出する機会を与えなければならない。
第1項の規定による承認の取消しの手続その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第55条
【許可の承継についての規定の準用】
第48条の2第1項から第5項まで(許可の承継)の規定は、承認取得者について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第4節
保税工場
第56条
【保税工場の許可】
保税工場とは、外国貨物についての加工若しくはこれを原料とする製造(混合を含む。)又は外国貨物に係る改装、仕分その他の手入(以下これらの加工若しくは製造又は改装、仕分その他の手入を「保税作業」という。)をすることができる場所として、政令で定めるところにより、税関長が許可したものをいう。
保税工場の許可を受けた者は、当該保税工場において使用する輸入貨物については、当該貨物を当該保税工場に入れた日から三月までの期間に限り、当該保税工場につき第42条第1項(保税蔵置場の許可)の許可を併せて受けているものとみなす。
保税工場の許可を受けた者は、当該保税工場の一部の場所につき第42条第1項の許可をあわせて受けることができる。
第57条
【外国貨物を置くことができる期間】
保税工場に保税作業において使用する外国貨物(当該貨物を使用した保税作業による製品を含む。)を置くことができる期間は、当該保税工場に当該貨物を保税作業のために置くこと又は当該保税工場において当該貨物を保税作業に使用することが承認された日から二年とする。
参照条文
第58条
【保税作業の届出】
保税工場において保税作業をしようとする者は、その開始及び終了の際、その旨を税関に届け出なければならない。ただし、税関長が取締り上支障がないと認めてその旨を通知した場合における保税作業の開始については、この限りでない。
第58条の2
【保税作業による製品に係る納税申告等の特例】
石油精製の保税作業その他同一の製造工程において二種類以上の製品が製造される保税作業として政令で定めるものを行う保税工場の許可を受けた者は、当該保税作業によつて製造された外国貨物のうち外国に向けて積み戻される外国貨物その他保税作業により製造されるべき外国貨物として政令で定めるもの以外の外国貨物(以下この条において「製造済外国貨物」という。)につき、当該保税作業が終了したときは、第7条第1項(申告)及び第67条(輸出又は輸入の許可)の規定にかかわらず、当該作業の終了後遅滞なく、税関長に対して納税申告をし、同条の規定による輸入の許可を受けなければならない。この場合において、その者が特例輸入者又は特例委託輸入者であるときは、製造済外国貨物(第7条の2第4項(申告の特例)に規定する貨物を除く。)について、特例申告を行うことを妨げない。
第59条
【内国貨物の使用等】
保税工場における保税作業(改装、仕分その他の手入を除く。)に外国貨物と内国貨物とを使用したときは、これによつてできた製品は、外国から本邦に到着した外国貨物とみなす。
政令で定めるところにより、税関長の承認を受けて、外国貨物と内国貨物とを混じて使用したときは、前項の規定にかかわらず、これによつてできた製品のうち当該外国貨物の数量に対応するものを外国から本邦に到着した外国貨物とみなす。
第60条
削除
第61条
【保税工場外における保税作業】
税関長は、貿易の振興に資し、かつ、この法律の実施を確保する上に支障がないと認めるときは、政令で定めるところにより、期間及び場所を指定し、保税工場にある外国貨物について保税作業をするため、これを当該保税工場以外の場所に出すことを許可することができる。
税関長は、前項の許可をする場合において、必要があると認めるときは、その許可に係る外国貨物の関税額に相当する担保を提供させることができる。
税関長は、第1項の許可を受けて保税工場から出される外国貨物について、当該貨物が出される際、税関職員に必要な検査をさせるものとする。
第1項の許可を受けて同項の規定により指定された場所に出されている外国貨物は、同項の規定により指定された期間が満了するまでは、その出された保税工場にあるものとみなす。
第1項の規定により指定された期間が経過した場合において、その指定された場所に同項の規定により許可を受けた外国貨物又はその製品があるときは、当該貨物がその指定された場所に出された保税工場の許可を受けた者から、直ちにその関税を徴収する。
第61条の2
【指定保税工場の簡易手続】
税関長が使用原料品の製造歩留まりが安定していることその他保税作業の性質その他の事情を勘案して取締り上支障がないと認めて、保税作業により製造される製品及びその原料品である外国貨物を特定して指定した保税工場については、第58条(保税作業の届出)の規定にかかわらず、当該製品を製造するための保税作業の開始及び終了の際の届出を要しない。
前項の指定を受けた者は、政令で定めるところにより、毎月(季節的な保税作業の場合等で税関長が一月をこえる期間を指定したときは、当該期間内とする。)使用し、又は製造した同項の税関長の特定した外国貨物である原料品及びその製品の数量その他政令で定める事項を記載した報告書を、その翌月十日(税関長が特別の期間を指定したときは、当該期間終了の日から十日を経過する日)までに(当該製品に係る保税作業を休止した場合には、その後遅滞なく)、税関に提出しなければならない。
第61条の3
【記帳義務】
保税工場の許可を受けた者は、当該保税工場にある外国貨物についての帳簿を設け、政令で定める事項を記載しなければならない。
第61条の4
【保税蔵置場についての規定の準用】
第42条第2項及び第3項(保税蔵置場の許可)、第43条(許可の要件)、第43条の2第2項(外国貨物を置くことができる期間)並びに第43条の3から第48条の2まで(外国貨物を置くことの承認・外国貨物を置くことの承認等の際の検査・貨物の収容能力の増減等・許可を受けた者の関税の納付義務等・休業又は廃業の届出・許可の失効・許可の取消し等・許可の承継)の規定は、保税工場について準用する。この場合において、第43条の3第1項中「三月(やむを得ない理由により必要があると認めるときは、申請により、税関長が指定する期間)」とあるのは「三月」と、「置こうとする場合」とあるのは「保税作業のため置こうとする場合又は当該貨物を当該保税工場に入れた日から三月以内に保税作業に使用しようとする場合」と、「こととなる日前に」とあるのは「こととなる日前又は保税作業に使用する日前に」と、第48条第1項中「保税蔵置場に入れることを停止させ」とあるのは「保税工場に入れ、若しくは保税工場において保税作業をすることを停止させ」と読み替えるものとする。
第61条の5
【保税工場の許可の特例】
第56条第1項(保税工場の許可)の許可を受けている者であらかじめ税関長の承認を受けた者は、位置又は設備が財務省令で定める基準に適合する場所において保税作業を行おうとする場合には、その場所を所轄する税関長に、その旨の届出をすることができる。
前項の届出に係る場所については、当該届出が受理された時において、第56条第1項の許可を受けたものとみなして、この法律及び関税定率法の規定を適用する。この場合において、その許可を受けたものとみなされる場所に係る当該許可の期間は、前条において準用する第42条第2項(保税蔵置場の許可)の規定にかかわらず、前項の承認が効力を有する期間と同一の期間とする。
第1項の承認を受けようとする者は、その住所又は居所及び氏名又は名称その他必要な事項を記載した申請書を、その住所又は居所の所在地を所轄する税関長に提出しなければならない。
第1項の承認は、八年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
第1項の届出の手続その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第62条
【保税蔵置場の許可の特例についての規定の準用】
第51条から第55条まで(承認の要件・規則等に関する改善措置・保税蔵置場の許可の特例の適用を受ける必要がなくなつた旨の届出・承認の失効・承認の取消し等・許可の承継についての規定の準用)の規定は、前条第1項の規定による承認について準用する。この場合において、第51条第1号ロ中「第42条第1項(保税蔵置場の許可)」とあるのは「第56条第1項(保税工場の許可)」と、同条第2号及び第3号並びに第52条中「外国貨物の蔵置等」とあるのは「保税作業」と、第53条第2号中「保税蔵置場」とあるのは「保税工場」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第5節
保税展示場
第62条の2
【保税展示場の許可】
保税展示場とは、政令で定める博覧会、見本市その他これらに類するもの(以下「博覧会等」という。)で、外国貨物を展示するものの会場に使用する場所として、政令で定めるところにより、税関長が許可したものをいう。
前項の許可の期間は、博覧会等の会期を勘案して税関長が必要と認める期間とする。
保税展示場においては、博覧会等の施設の建設、維持若しくは撤去又は博覧会等の運営のため、外国貨物で政令で定めるものにつき、次の各号に掲げる行為で政令で定めるものをすることができる。
積卸、運搬又は蔵置
内容の点検又は改装、仕分けその他の手入れ
展示又は使用
前三号に掲げる行為に類する行為
第62条の3
【保税展示場に入れる外国貨物に係る手続】
外国貨物を保税展示場に入れる者は、政令で定めるところにより、税関長に申告し、前条第3項の行為をすることにつき、その承認を受けなければならない。
税関長は、前項の承認をする場合には、税関職員に同項の外国貨物につき必要な検査をさせるものとする。
税関長は、第1項の申告があつた場合において、当該外国貨物が前条第3項の外国貨物に該当しないときは、第1項の承認をしないものとする。この場合においては、税関長は、当該申告をした者に対し当該承認ができない旨を通知するとともに、期間を定めて当該外国貨物の搬出その他の処置を求めるものとする。
保税展示場においては、当該保税展示場に入れられた外国貨物につき、第1項の承認を受けるまでの間(前項の通知に係る貨物については、同項の期間が経過するまでの間)、前条第3項第1号又は第2号に掲げる行為(同項に規定する政令で定めるものに限る。)をすることができる。
第62条の4
【販売用貨物等の蔵置場所の制限等】
税関長は、保税展示場に入れられた外国貨物のうち、販売され、使用され、若しくは消費される貨物又はこれらの見込みがある貨物につき、この法律の実施を確保するため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、保税展示場内で当該貨物を蔵置する場所を制限し、又は保税展示場に入れられた外国貨物で性質若しくは形状に変更が加えられるものにつき、その使用状況の報告を求めることができる。
保税展示場に入れられた外国貨物が保税展示場内で販売される場合(政令で定める場合を除く。)には、その販売を輸入とみなして、この法律の規定を適用する。この場合において、税関長は、必要があると認めるときは、あらかじめ、当該貨物で販売される見込みがあるものにつき、その関税の額に相当する金額の範囲内で担保の提供を求めることができる。
第62条の5
【保税展示場外における使用の許可】
税関長は、保税展示場に入れられた外国貨物で、保税展示場以外の場所において使用する必要があるもの(第32条(見本の一時持出し)の規定に該当するものを除く。)につき、この法律の実施を確保する上に支障がないと認めるときは、政令で定めるところにより、期間及び場所を指定し、保税展示場以外の場所で当該外国貨物を使用することを許可することができる。
第62条の6
【許可の期間満了後保税展示場にある外国貨物についての関税の徴収】
税関長は、保税展示場に入れられた外国貨物で、当該保税展示場の許可の期間の満了その他当該許可の失効の際、当該保税展示場にあるものについては、当該保税展示場の許可を受けた者に対し、期間を定めて当該外国貨物の搬出その他の処置を求めることができるものとし、当該期間内に当該処置がされないときは、その者から、直ちにその関税を徴収する。
前項の関税の徴収に係る規定は、同項の外国貨物の輸入が他の法令の規定によりできないことその他税関長がやむを得ない事情があると認める場合には、これらの事情が継続している期間、適用しない。
第62条の7
【保税蔵置場及び保税工場についての規定の準用】
第42条第3項(保税蔵置場の公告)、第43条(保税蔵置場の許可の要件)、第44条から第48条の2まで(保税蔵置場の貨物の収容能力の増減等・許可を受けた者の関税の納付義務・休業又は廃業の届出・許可の失効・許可の取消し等・許可の承継)、第59条第1項(内国貨物の使用等)、第61条第3項から第5項まで(保税工場外における保税作業)及び第61条の3(保税工場についての記帳義務)の規定は、保税展示場について準用する。
第6節
総合保税地域
第62条の8
【総合保税地域の許可】
総合保税地域とは、一団の土地及びその土地に存する建設物その他の施設(次項において「一団の土地等」という。)で、次に掲げる行為をすることができる場所として、政令で定めるところにより、税関長が許可したものをいう。
外国貨物の積卸し、運搬若しくは蔵置又は内容の点検若しくは改装、仕分その他の手入れ
外国貨物の加工又はこれを原料とする製造(混合を含む。)
外国貨物の展示又はこれに関連する使用(これらの行為のうち政令で定めるものに限る。)
税関長は、前項の許可をしようとするときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
当該一団の土地等が、その事業の内容その他の事項を勘案して政令で定める要件を満たす法人により所有され、又は管理されるものであること。
当該一団の土地等における貿易に関連する施設の集積の程度が高いこと。
当該一団の土地等において前項各号に掲げる行為が総合的に行われることが見込まれ、これにより相当程度輸入の円滑化その他の貿易の振興に資すると認められること。
当該一団の土地等の位置、設備その他の状況に照らし、この法律の実施を確保する上に支障がないと認められること。
当該一団の土地等を所有し、又は管理する法人(当該法人以外に当該一団の土地等において貨物を管理する者がある場合には、その者を含む。次号において同じ。)が第43条第1号から第7号まで(許可の要件)に掲げる場合に該当しないこと。
当該一団の土地等を所有し、又は管理する法人の資力その他の事情を勘案して、当該法人が総合保税地域の業務を遂行するのに十分な能力を有すると認められること。
第62条の9
【外国貨物を置くことができる期間】
総合保税地域に外国貨物を置くことができる期間は、当該総合保税地域に当該貨物を置くこと又は当該総合保税地域において当該貨物につき第62条の8第1項第2号若しくは第3号(総合保税地域の許可)に掲げる行為をすることが承認された日から二年とする。
第62条の10
【外国貨物を置くこと等の承認】
総合保税地域に外国貨物を入れる者は、当該貨物をその入れた日から三月を超えて当該総合保税地域に置こうとする場合又は当該貨物につきその入れた日から三月以内に当該総合保税地域において第62条の8第1項第2号若しくは第3号(総合保税地域の許可)に掲げる行為をしようとする場合には、政令で定めるところにより、その超えることとなる日前又は当該行為をする日前に税関長に申請し、その承認を受けなければならない。
第62条の11
【販売用貨物等を入れることの届出】
外国貨物のうち、総合保税地域において販売され、又は消費される貨物その他これらに類する貨物で政令で定めるものを当該総合保税地域に入れようとする者は、あらかじめ税関に届け出なければならない。
第62条の12
削除
第62条の13
【貨物の管理者の連帯納税義務】
総合保税地域の許可を受けた法人が第62条の15(総合保税地域)において準用する第45条第1項本文(保税蔵置場の許可を受けた者の関税の納付義務)又は第61条第5項(保税工場の許可を受けた者の関税の納付義務)の規定により外国貨物に係る関税を納める義務を負うこととなつた場合において、当該貨物が亡失し、若しくは滅却された時又は当該貨物が当該総合保税地域から出された時に当該総合保税地域において当該貨物を管理していた者が当該法人以外の者であるときは、当該管理していた者は、当該法人と連帯して当該関税を納める義務を負う。
第62条の14
【許可の取消し等】
税関長は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、貨物を管理する者及び期間を指定して外国貨物若しくは輸出しようとする貨物を総合保税地域に入れ、若しくは総合保税地域において第62条の8第1項第2号若しくは第3号(総合保税地域の許可)に掲げる行為をすることを停止させ、又は総合保税地域の許可を取り消すことができる。
総合保税地域の許可を受けた法人(当該法人以外に当該総合保税地域において貨物を管理する者がある場合には、その者を含む。)又はその役員若しくは代理人、支配人その他の従業者が総合保税地域の業務についてこの法律の規定に違反したとき。
総合保税地域について第62条の8第2項各号(総合保税地域の許可の基準)に掲げる基準のいずれかに適合しないこととなつたとき。
税関長は、前項の処分をしようとするときは、当該処分に係る貨物を管理する者又は許可を受けた法人にあらかじめその旨を通知し、その者若しくはその代理人の出頭を求めて意見を聴取し、又はその他の方法により、釈明のための証拠を提出する機会を与えなければならない。
第62条の15
【保税蔵置場、保税工場及び保税展示場についての規定の準用】
第42条第2項及び第3項(保税蔵置場の許可の期間及び公告)、第43条の2第2項(保税蔵置場に外国貨物を置くことができる期間の延長)、第43条の3第2項及び第3項(保税蔵置場に外国貨物を置くことの承認及びその申請)、第43条の4から第47条まで(保税蔵置場に外国貨物を置くことの承認等の際の検査・貨物の収容能力の増減等・許可を受けた者の関税の納付義務・休業又は廃業の届出・許可の失効)、第48条の2第4項から第6項まで(許可の承継)、第58条の2(保税作業による製品に係る納税申告等の特例)、第59条(内国貨物の使用等)、第61条(保税工場外における保税作業)、第61条の2第2項(指定保税工場についての報告義務)、第62条の4(販売用貨物等の蔵置場所の制限等)並びに第62条の5(保税展示場外における使用の許可)の規定は、総合保税地域について準用する。この場合において、第42条第2項中「前項」とあるのは「第62条の8第1項(総合保税地域の許可)」と、同条第3項中「第1項」とあるのは「第62条の8第1項(総合保税地域の許可)」と、「前項但書」とあるのは「第62条の15(総合保税地域)において準用する前項ただし書」と、第43条の2第2項中「前項」とあるのは「第62条の9(総合保税地域に外国貨物を置くことができる期間)」と、第43条の3第2項中「前項」とあるのは「第62条の10(総合保税地域に外国貨物を置くこと等の承認)」と、「同項」とあるのは「同条」と、同条第3項中「第1項」とあるのは「第62条の10(総合保税地域に外国貨物を置くこと等の承認)」と、第43条の4中「前条第1項」とあるのは「第62条の10(総合保税地域に外国貨物を置くこと等の承認)」と、「同項」とあるのは「同条」と、第47条第1項中「次の各号」とあるのは「第1号又は第3号から第6号まで」と、同条第3項中「当該許可を受けていた者」とあるのは「当該許可を受けていた者(当該許可を受けていた者以外に当該総合保税地域において貨物を管理していた者がある場合には、その者を含む。以下この項において同じ。)」と、第48条の2第4項中「第47条第1項第1号又は第3号」とあるのは「第62条の15(総合保税地域)において準用する第47条第1項第1号又は第3号」と、同条第5項中「第43条各号(許可の要件)のいずれかに該当する」とあるのは「第62条の8第2項各号(総合保税地域の許可)に掲げる基準に適合しない」と、同条第6項中「第2項又は第4項」とあるのは「第4項」と、第58条の2中「行う保税工場の許可を受けた者」とあるのは「総合保税地域において行う者」と、第61条第3項中「第1項」とあるのは「第62条の15(総合保税地域)において準用する第1項又は第62条の5(保税展示場外における使用の許可)」と、同条第4項及び第5項中「第1項」とあるのは「第62条の15(総合保税地域)において準用する第1項又は第62条の5(保税展示場外における使用の許可)」と、「同項の規定」とあるのは「これらの規定」と、第61条の2第2項中「前項の指定を受けた者」とあるのは「総合保税地域において保税作業(改装、仕分その他の手入れを除く。以下この項において同じ。)を行う者」と、「同項の税関長の特定した外国貨物」とあるのは「外国貨物」と、第62条の4第1項中「制限し、又は保税展示場に入れられた外国貨物で性質若しくは形状に変更が加えられるものにつき、その使用状況の報告を求める」とあるのは「制限する」と読み替えるものとする。
第5章
運送
第63条
【保税運送】
外国貨物(郵便物、特例輸出貨物及び政令で定めるその他の貨物を除く。第63条の9第1項及び第65条の3を除き、以下この章において同じ。)は、税関長に申告し、その承認を受けて、開港、税関空港、保税地域、税関官署及び第30条第1項第2号(外国貨物を置く場所の制限)の規定により税関長が指定した場所相互間(次条第1項及び第63条の9第1項において「特定区間」という。)に限り、外国貨物のまま運送することができる。この場合において、税関長は、運送の状況その他の事情を勘案して取締り上支障がないと認めるときは、政令で定める期間の範囲内で税関長が指定する期間内に発送される外国貨物の運送について一括して承認することができる。
税関長は、前項の承認をする場合において必要があると認めるときは、税関職員に同項の貨物の検査をさせ、また、関税額に相当する担保を提供させることができる。
第1項の運送に際しては、政令で定めるところにより、運送目録を税関に提示し、その確認を受けなければならない。ただし、同項後段の規定により一括して承認を受けた場合においては、当該承認に係る期間を当該承認をした税関長が政令で定めるところにより区分して指定した期間ごとに、当該期間内に発送された外国貨物に係る運送目録について一括して確認を受けることができる。
税関長は、第1項の承認をする場合においては、相当と認められる運送の期間を指定しなければならない。この場合において、その指定後災害その他やむを得ない事由が生じたため必要があると認めるときは、税関長は、その指定した期間を延長することができる。
第1項の規定により承認を受けた外国貨物が運送先に到着したときは、その承認を受けた者は、第3項の規定により確認を受けた運送目録を、直ちに到着地の税関に提示し、その確認を受けなければならない。ただし、第1項後段の規定により一括して承認を受けた場合においては、第3項及び前項の指定に係る期間を基礎として当該承認をした税関長が指定した期間ごとに、当該期間内に到着した外国貨物に係る運送目録について一括して確認を受けることができる。
第1項の規定により承認を受けた者は、政令で定めるところにより、前項の規定により確認を受けた運送目録をその承認をした税関長に提出しなければならない。
第63条の2
【保税運送の特例】
認定通関業者又は国際運送貨物取扱業者(第50条第1項(保税蔵置場の許可の特例)又は第61条の5第1項(保税工場の許可の特例)の承認を受けた者その他の国際運送貨物の運送又は管理に関する業務を行う者として政令で定める要件に該当する者をいう。第63条の4第1号ロ及び第63条の7第1項第2号ロにおいて同じ。)であつて、あらかじめいずれかの税関長の承認を受けた者(以下「特定保税運送者」という。)が特定区間であつて政令で定める区間において行う外国貨物の運送(以下「特定保税運送」という。)については、前条第1項の規定による承認を受けることを要しない。
特定保税運送に際しては、運送目録を税関に提示し、その確認を受けなければならない。
特定保税運送に係る外国貨物が運送先に到着したときは、特定保税運送者は、前項の確認を受けた運送目録を、遅滞なく到着地の税関に提示し、その確認を受けなければならない。
特定保税運送者は、前項の確認を受けた運送目録を第2項の確認をした税関の税関長に提出しなければならない。
第2項の運送目録の提示その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第63条の3
【承認の手続等】
前条第1項の承認を受けようとする者は、その住所又は居所及び氏名又は名称その他必要な事項を記載した申請書を税関長に提出しなければならない。
税関長は、前項の規定による申請書の提出があつた場合において、前条第1項の承認をしたときは、直ちにその旨を公告しなければならない。
第1項の申請書の提出その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第63条の4
【承認の要件】
税関長は、第63条の2第1項(保税運送の特例)の承認をしようとするときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
承認を受けようとする者が次のいずれにも該当しないこと。
この法律若しくは関税定率法その他関税に関する法律又はこれらの法律に基づく命令の規定に違反して刑に処せられ、又は通告処分を受け、その刑の執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなつた日又はその通告の旨を履行した日から三年を経過していない者であること。
政令で定める国際運送貨物取扱業者の区分に応じ、政令で定める法律又はその法律に基づく命令の規定に違反して刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から三年を経過していない者であること。
イ及びロに規定する法令以外の法令の規定に違反して禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過していない者であること。
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法第204条(傷害)、第206条(現場助勢)、第208条(暴行)、第208条の3第1項(凶器準備集合及び結集)、第222条(脅迫)若しくは第247条(背任)の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過していない者であること。
暴力団員等であること。
その業務についてイからホまでに該当する者を役員とする法人であること又はその者を代理人、使用人その他の従業者として使用する者であること。
暴力団員等によりその事業活動を支配されている者であること。
第63条の8第1項第1号ロ又は第2号(承認の取消し)の規定により第63条の2第1項の承認を取り消された日から三年を経過していない者であること。
承認を受けようとする者が、特定保税運送に関する業務を電子情報処理組織を使用して行うことその他当該業務を適正かつ確実に遂行することができる能力を有していること。
承認を受けようとする者が、特定保税運送に関する業務について、その者(その者が法人である場合においては、その役員を含む。)又はその代理人、支配人その他の従業者がこの法律その他の法令の規定を遵守するための事項として財務省令で定める事項を規定した規則を定めていること。
第63条の5
【規則等に関する改善措置】
税関長は、特定保税運送者がこの法律の規定に従つて特定保税運送を行わなかつたことその他の事由により、この法律の実施を確保するため必要があると認めるときは、前条第3号に規定する規則若しくは当該規則に定められた事項に係る業務の遂行の改善に必要な措置を講ずること又は同号に規定する規則を新たに定めることを求めることができる。
参照条文
第63条の6
【保税運送の特例の適用を受ける必要がなくなつた旨の届出】
特定保税運送者は、第63条の2第1項(保税運送の特例)の規定の適用を受ける必要がなくなつたときは、政令で定めるところにより、その旨を同項の承認をした税関長に届け出ることができる。
第63条の7
【承認の失効】
第63条の2第1項(保税運送の特例)の承認は、次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その効力を失う。
前条の規定による届出があつたとき。
次に掲げる者の区分に応じ、それぞれ次に定める場合に該当するとき。
認定通関業者(ロに掲げる者であるものを除く。) 第79条第1項(通関業者の認定)の認定が失効した場合
国際運送貨物取扱業者 第63条の2第1項に規定する要件を欠くに至つた場合
税関長が承認を取り消したとき。
第63条の2第1項の承認が失効したときは、税関長は、直ちにその旨を公告しなければならない。
第63条の2第1項の承認が失効した場合において、当該承認を受けていた者又はその相続人(承認を受けていた法人が合併により消滅した場合においては、合併後存続する法人又は合併により設立された法人)は、その失効前に発送された外国貨物についてこの法律その他の関税に関する法律の規定により課される義務を免れることができない。
第63条の8
【承認の取消し】
税関長は、次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、第63条の2第1項(保税運送の特例)の承認を取り消すことができる。
特定保税運送者が次のいずれかに該当するとき。
第63条の4第1号イからトまで(承認の要件)に該当することとなつたとき又は同条第2号に適合しないこととなつたとき。
第63条の5(規則等に関する改善措置)の規定による税関長の求めに応じなかつたとき。
特定保税運送に際し、第63条の2第2項若しくは第3項の規定による運送目録の提示をせず、若しくはこれらの規定による確認を受けず、又は同条第4項の規定による運送目録の提出をしなかつたとき。
前項の規定による承認の取消しの手続その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第63条の9
【郵便物の保税運送】
郵便物(特定郵便物を除く。)は、税関長に届け出て、特定区間に限り、外国貨物のまま運送することができる。
前項の運送に際しては、運送目録を税関に提示し、その確認を受けなければならない。
第1項の規定による届出に係る郵便物が運送先に到着したときは、その届出をした者は、前項の確認を受けた運送目録を、遅滞なく到着地の税関に提示し、その確認を受けなければならない。
第1項の規定による届出をした者は、前項の確認を受けた運送目録をその届出をした税関長に提出しなければならない。
第1項の届出の手続その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第64条
【難破貨物等の運送】
次に掲げる外国貨物は、第63条第1項前段(保税運送)の規定にかかわらず、そのある場所から開港、税関空港、保税地域又は税関官署に外国貨物のまま運送することができる。この場合においては、その運送をしようとする者は、税関長(税関が設置されていない場所においては税関職員)の承認を受けなければならない。ただし、税関が設置されていない場所から運送をすることについて緊急な必要がある場合において、税関職員がいないときは、警察官にあらかじめその旨を届け出なければならない。
難破貨物
運航の自由を失つた船舶又は航空機に積まれていた貨物
仮に陸揚げされた貨物
第63条第4項の規定は、前項の承認について準用する。
第1項の承認を受け、又は同項の届出をした外国貨物が運送先に到着したときは、その承認を受け、又は届出をした者は、当該承認又は届出を証する書類を、直ちに到着地の税関に提出しなければならない。
第65条
【運送の期間の経過による関税の徴収】
第63条第1項(保税運送)又は前条第1項の規定により運送の承認を受けて運送された外国貨物(輸出の許可を受けた貨物を除く。次項において同じ。)がその指定された運送の期間内に運送先に到着しないときは、運送の承認を受けた者から、直ちにその関税を徴収する。ただし、当該貨物が災害その他やむを得ない事情により亡失した場合又はあらかじめ税関長の承認を受けて滅却された場合は、この限りでない。
特定保税運送に係る外国貨物が発送の日の翌日から起算して七日以内に運送先に到着しないときは、特定保税運送者から、直ちにその関税を徴収する。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
第45条第2項(許可を受けた者の関税の納付義務等)の規定は、第1項ただし書(前項において準用する場合を含む。)の承認について準用する。
第63条第1項若しくは前条第1項の規定により運送の承認を受けて運送された外国貨物又は特定保税運送に係る外国貨物が運送先に到着する前に亡失した場合には、その運送の承認を受けた者又は特定保税運送者は、直ちにその旨を当該承認又は第63条の2第1項(保税運送の特例)の承認をした税関長に届け出なければならない。
第65条の2
【運送先に到着しない郵便物に係る関税の徴収】
第63条の9第1項(郵便物の保税運送)の規定により届け出て運送された郵便物(輸出されるものを除く。)が発送の日の翌日から起算して七日以内に運送先に到着しないときは、同項の規定による届出をした者から、直ちにその関税を徴収する。ただし、当該郵便物が災害その他やむを得ない事情により亡失した場合又はあらかじめ税関長の承認を受けて滅却された場合は、この限りでない。
第45条第2項(許可を受けた者の関税の納付義務等)の規定は、前項ただし書の承認について準用する。
第63条の9第1項の規定により届け出て運送された郵便物が運送先に到着する前に亡失した場合には、同項の規定による届出をした者は、直ちにその旨を当該届出をした税関長に届け出なければならない。
第65条の3
【保税運送ができない貨物】
第24条第1項(船舶又は航空機と陸地との交通等)、第63条第1項(保税運送)、第63条の2第1項(保税運送の特例)、第63条の9第1項(郵便物の保税運送)又は第64条第1項(難破貨物等の運送)の規定にかかわらず、第69条の11第1項第1号から第4号まで、第5号の2第6号及び第8号から第10号まで(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物(輸入の目的以外の目的で本邦に到着したものに限り、同項第9号に掲げる貨物にあつては、回路配置利用権のみを侵害するものを除く。)は、外国貨物のまま運送(積卸しを含む。第109条の2第1項及び第2項において同じ。)することができない。
参照条文
第66条
【内国貨物の運送】
内国貨物を外国貿易船等に積んで本邦内の場所相互間を運送しようとする者は、税関長に申告してその承認を受けなければならない。
前項の承認を受けた貨物が運送先に到着したときは、その承認を受けた者は、当該承認を証する書類を、直ちに到着地の税関に提出しなければならない。
第6章
通関
第1節
総則
第67条
【輸出又は輸入の許可】
貨物を輸出し、又は輸入しようとする者は、政令で定めるところにより、当該貨物の品名並びに数量及び価格(輸入貨物(特例申告貨物を除く。)については、課税標準となるべき数量及び価格)その他必要な事項を税関長に申告し、貨物につき必要な検査を経て、その許可を受けなければならない。
参照条文
第7条 第8条 第58条の2 第68条 第69条 第69条の3 第69条の12 第70条 第75条 第76条 第80条 第105条 第111条 奄美群島の復帰に伴う国税関係法令の適用の暫定措置等に関する政令第41条 沖縄の復帰に伴う運輸省令の適用の特別措置等に関する省令第39条 沖縄の復帰に伴う国税関係法令の適用の特別措置等に関する政令第90条 加工原料乳生産者補給金等暫定措置法第14条 関税定率法施行令第50条 第54条の9 関税法施行規則第1条の2 第2条の2 第2条の3 関税法施行令第29条の2 第29条の3 第50条 第51条の7 第58条 第59条 第59条の4 第59条の5 第59条の7 第66条の2 第66条の3 第87条 第92条 外国為替に関する省令第10条 揮発油税法施行令第17条 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律第4条 国税通則法施行令第23条 コンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律施行令第2条 砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律第5条 砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律施行令第5条 酒税法第45条 酒税法施行令第52条 出入国管理及び難民認定法施行規則第25条の3 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律施行令第8条 消費税法第30条 消費税法施行規則第5条 第27条 消費税法施行令第49条 昭和二十二年政令第二百六十八号(災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の施行に関する政令)第16条 使用済自動車の再資源化等に関する法律施行規則第76条 自動車損害賠償保障法施行規則第5条の2 石油ガス税法施行令第21条 石油石炭税法施行令第16条 第20条 税関関係手数料令第2条 第8条 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行規則第11条 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令第4条 租税特別措置法施行令第50条の2 たばこ税法第15条 たばこ税法施行令第8条 第17条 地方税法第144条の3 地方税法施行規則第8条の47 地方税法施行令第35条の13 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行規則第29条の4 通関業法第16条 通関業法施行令第7条 電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律施行令第3条 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律第6条 道路運送車両の保安基準第1条 道路交通に関する条約の実施に伴う道路運送車両法の特例等に関する法律第2条 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律第9条 第12条 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律施行令第13条 第14条 日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律施行令第7条 輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第3条 第4条 第6条 第11条 輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律施行令第13条 第17条 湾岸地域における平和回復活動を支援するため平成二年度において緊急に講ずべき財政上の措置に必要な財源の確保に係る臨時措置に関する法律第44条
第67条の2
【輸出申告又は輸入申告の手続】
輸出申告又は輸入申告は、輸出又は輸入の許可を受けるためにその申告に係る貨物を入れる保税地域等(保税地域又は第30条第1項第2号(外国貨物を置く場所の制限)の規定により税関長が指定した場所をいう。次項において同じ。)の所在地を所轄する税関長に対してしなければならない。
輸入申告は、その申告に係る貨物を保税地域等に入れた後にするものとする。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
当該貨物を保税地域等に入れないで申告をすることにつき、政令で定めるところにより、税関長の承認を受けた場合
当該貨物につき、特例輸入者又は特例委託輸入者が政令で定めるところにより輸入申告を行う場合
前項各号のいずれかに該当する場合における輸入申告は、当該貨物に係る第15条第1項若しくは第7項(入港手続)の規定による積荷に関する事項が税関に報告され、又は同条第2項若しくは第8項若しくは第18条第2項若しくは第4項(入出港の簡易手続)の規定による積荷に関する事項を記載した書面が税関に提出された後にするものとする。
第2節
輸出申告の特例
第67条の3
【輸出申告の特例】
次に掲げる者は、前条第1項の規定にかかわらず、その申告に係る貨物が置かれている場所又は当該貨物を外国貿易船等に積み込もうとする開港、税関空港若しくは不開港の所在地を所轄する税関長に対して輸出申告をすることができる。この場合において、第2号に掲げる者は、その申告に係る貨物が置かれている場所から当該貨物を外国貿易船等に積み込もうとする開港、税関空港又は不開港までの運送を特定保税運送者に委託しなければならない。
貨物を輸出しようとする者であつてあらかじめいずれかの税関長の承認を受けた者(以下この節において「特定輸出者」という。)
貨物を輸出しようとする者であつて当該貨物の輸出に係る通関手続を認定通関業者に委託した者(第6項次条第1項及び第67条の5において「特定委託輸出者」という。)
認定製造者(第67条の14(規則等に関する改善措置)に規定する認定製造者をいう。以下この号及び第4項において同じ。)が製造した貨物を当該認定製造者から取得して輸出しようとする特定製造貨物輸出者(第67条の13第2項(製造者の認定)に規定する特定製造貨物輸出者をいう。第4項次条第1項及び第67条の5において同じ。)
外国貿易船(これに準ずるものとして政令で定める船舶を含む。以下この項において同じ。)に積み込んだ状態で輸出申告をすることが必要な貨物を輸出しようとする者は、前条第1項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより税関長の承認を受けて、当該外国貿易船の係留場所を所轄する税関長に対して輸出申告をすることができる。
第1項の規定は、第70条第1項(証明又は確認)に規定する貨物のうち、政令で定める貨物に係る輸出申告については、適用しない。
特定製造貨物輸出者は、特定製造貨物輸出申告(第1項の規定により特定製造貨物輸出者が行う輸出申告をいう。以下この節において同じ。)に際しては、当該特定製造貨物輸出申告に係る貨物の品名、数量その他の政令で定める事項を記載した書面であつて認定製造者が作成したもの(第67条の13第3項第2号イ及び第67条の17第1項第3号において「貨物確認書」という。)を税関長に提出しなければならない。
第1項第1号の承認を受けようとする者は、同項の規定の適用を受けて輸出申告をしようとする貨物の品名その他必要な事項を記載した申請書を税関長に提出しなければならない。
特定輸出申告(第1項の規定により特定輸出者が行う輸出申告をいう。以下同じ。)、特定委託輸出申告(同項の規定により特定委託輸出者が行う輸出申告をいう。第79条の4第3項において同じ。)及び特定製造貨物輸出申告の申告事項その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第67条の4
【輸出の許可の取消し】
特定輸出者、特定委託輸出者又は特定製造貨物輸出者は、特例輸出貨物が輸出されないこととなつたことその他の事由により当該特例輸出貨物が輸出の許可を受けている必要がなくなつたときは、その許可をした税関長に対し、当該許可を取り消すべき旨の申請をすることができる。
税関長は、前項の規定による申請があつたとき、その他この法律の実施を確保するため必要があると認めるときは、特例輸出貨物が外国貿易船等に積み込まれるまでの間に当該特例輸出貨物に係る輸出の許可を取り消すことができる。
税関長は、前項の規定により輸出の許可を取り消す場合において必要があると認めるときは、税関職員に当該特例輸出貨物の検査をさせることができる。
参照条文
第67条の5
【特例輸出貨物の亡失等の届出】
第34条本文(外国貨物の廃棄)の規定は保税地域以外の場所にある特例輸出貨物を廃棄する場合について、第45条第3項(許可を受けた者の関税の納付義務等)の規定は保税地域以外の場所にある特例輸出貨物が亡失した場合について、それぞれ準用する。この場合において、第34条本文中「税関に」とあるのは「輸出の許可をした税関長に」と、第45条第3項中「当該保税蔵置場の許可を受けた者」とあるのは「当該特例輸出貨物に係る特定輸出者、特定委託輸出者又は特定製造貨物輸出者」と、「税関長」とあるのは「輸出の許可をした税関長」と読み替えるものとする。
第67条の6
【承認の要件】
税関長は、第67条の3第1項第1号(輸出申告の特例)の承認をしようとするときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
承認を受けようとする者が次のいずれにも該当しないこと。
この法律若しくは関税定率法その他関税に関する法律又はこれらの法律に基づく命令の規定に違反して刑に処せられ、又は通告処分を受け、その刑の執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなつた日又はその通告の旨を履行した日から三年を経過していない者であること。
第70条第1項又は第2項(証明又は確認)に規定する他の法令の規定のうち、輸出に関する規定に違反して刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過していない者(イに規定する者を除く。)であること。
イ及びロに規定する法令以外の法令の規定に違反して禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過していない者であること。
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法第204条(傷害)、第206条(現場助勢)、第208条(暴行)、第208条の3第1項(凶器準備集合及び結集)、第222条(脅迫)若しくは第247条(背任)の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過していない者であること。
暴力団員等であること。
その業務についてイからホまでに該当する者を役員とする法人であること又はその者を代理人、使用人その他の従業者として使用する者であること。
暴力団員等によりその事業活動を支配されている者であること。
第67条の11第1号又は第2号ロ(承認の取消し)の規定により第67条の3第1項第1号の承認を取り消された日から三年を経過していない者であること。
承認を受けようとする者が、特定輸出申告を電子情報処理組織を使用して行うことその他特定輸出申告に係る貨物の輸出に関する業務(当該貨物を輸出のために外国貿易船等に積み込むまでの間の当該貨物の管理に関する業務を含む。次号並びに第67条の13第1項及び第2項において同じ。)を適正かつ確実に遂行することができる能力を有していること。
承認を受けようとする者が、特定輸出申告に係る貨物の輸出に関する業務について、その者(その者が法人である場合においては、その役員を含む。)又はその代理人、支配人その他の従業者がこの法律その他の法令の規定を遵守するための事項として財務省令で定める事項を規定した規則を定めていること。
第67条の7
【規則等に関する改善措置】
税関長は、特定輸出者がこの法律の規定に従つて特定輸出申告を行わなかつたことその他の事由により、この法律の実施を確保するため必要があると認めるときは、前条第3号に規定する規則若しくは当該規則に定められた事項に係る業務の遂行の改善に必要な措置を講ずること又は同号に規定する規則を新たに定めることを求めることができる。
参照条文
第67条の8
【帳簿の備付け等】
特定輸出者は、政令で定めるところにより、特定輸出貨物(特定輸出申告が行われ、税関長の輸出の許可を受けた貨物をいう。第67条の10第2項及び第94条第2項において同じ。)の品名、数量及び価格その他の必要な事項を記載した帳簿を備え付け、かつ、当該帳簿及び当該特定輸出貨物に係る取引に関して作成し又は受領した書類その他の書類で政令で定めるもの(第67条の10第2項及び第67条の11第1号において「帳簿書類」という。)を保存しなければならない。
電子帳簿保存法第4条(国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等)、第5条(国税関係帳簿書類の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存等)、第6条第1項から第5項まで(電磁的記録による保存等の承認の申請等)、第7条第1項及び第2項(電磁的記録による保存等の承認に係る変更)、第8条から第10条まで(電磁的記録による保存等の承認の取消し・電子計算機出力マイクロフィルムによる保存等の承認に対する準用・行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の適用除外・電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)並びに第11条第3項第2号から第4号までを除く。)(他の国税に関する法律の規定の適用)の規定は、特定輸出者について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
読み替える電子帳簿保存法の規定読み替えられる字句読み替える字句
第4条第1項国税関係帳簿の全部又は一部関税法第67条の8第1項(帳簿の備付け等)の規定により備付け及び保存をしなければならないこととされている同項に規定する帳簿(以下「関税関係帳簿」という。)
納税地等の所轄税務署長(財務省令で定める場合にあっては、納税地等の所轄税関長。以下「所轄税務署長等」という。)同法第67条の3第1項第1号(輸出申告の特例)の承認をした税関長(以下「承認税関長」という。)
第4条第2項国税関係書類の全部関税法第67条の8第1項の規定により保存をしなければならないこととされている同項に規定する書類(以下「関税関係書類」という。)の全部
第5条第1項国税関係帳簿の全部又は一部関税関係帳簿
第5条第3項国税関係帳簿書類の関税関係帳簿書類(関税関係帳簿又は関税関係書類をいう。以下同じ。)の
第6条第1項国税関係帳簿の備付けを開始する日(当該国税関係帳簿が二以上ある場合において、その備付けを開始する日が異なるときは、最初に到来する備付けを開始する日。第5項第1号において同じ。)関税関係帳簿の備付けを開始する日
国税関係帳簿の種類、当該国税関係帳簿関税関係帳簿
国税関係帳簿の全部又は一部関税関係帳簿
第9条代える日(当該国税関係帳簿が二以上ある場合において、その代える日が異なるときは、最初に到来する代える日。第5項第1号において同じ。)代える日
同条第6項中「第4条各項」とあるのは「前条各項」と、第7条第1項第7条第1項
第10条所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者特定輸出者
第11条第3項第1号所得税法第145条第1号(青色申告の承認申請の却下)(同法第166条(申告、納付及び還付)において準用する場合を含む。)関税法第67条の11第1号(承認の取消し)
帳簿書類)政令で定めるところ
第5条各項若しくは第5条各項
若しくは第10条(電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)に規定する財務省令で定めるところ
第67条の9
【輸出申告の特例の適用を受ける必要がなくなつた旨の届出】
特定輸出者は、第67条の3第1項(輸出申告の特例)の規定の適用を受ける必要がなくなつたときは、政令で定めるところにより、その旨を同項第1号の承認をした税関長に届け出ることができる。
第67条の10
【承認の失効】
第67条の3第1項第1号(輸出申告の特例)の承認は、次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その効力を失う。
前条の規定による届出があつたとき。
特定輸出者が死亡した場合で、第67条の12において準用する第48条の2第2項(許可の承継)の規定による申請が同項に規定する期間内にされなかつたとき、又は同項の承認をしない旨の処分があつたとき。
特定輸出者が解散したとき。
特定輸出者が破産手続開始の決定を受けたとき。
税関長が承認を取り消したとき。
第67条の3第1項第1号の承認が失効した場合において、当該承認を受けていた者又はその相続人(承認を受けていた法人が合併により消滅した場合においては、合併後存続する法人又は合併により設立された法人)は、その失効前に輸出の許可を受けた特定輸出貨物に係る第67条の8第1項(帳簿の備付け等)の規定による帳簿の備付け及び記載並びに帳簿書類の保存の義務並びにこの法律その他の関税に関する法律の規定により課される当該特定輸出貨物に係るその他の義務を免れることができない。
参照条文
第67条の11
【承認の取消し】
税関長は、次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、第67条の3第1項第1号(輸出申告の特例)の承認を取り消すことができる。
第67条の8第1項(帳簿の備付け等)の規定による帳簿の備付け若しくは記載若しくは帳簿書類の保存が同項に規定する政令で定めるところに従つて行われていないとき、又は帳簿書類に不実の記載があるとき。
特定輸出者が次のいずれかに該当するとき。
第67条の6第1号又は第2号(承認の要件)に適合しないこととなつたとき。
第67条の7(規則等に関する改善措置)の規定による税関長の求めに応じなかつたとき。
第67条の12
【許可の承継についての規定の準用】
第48条の2第1項から第5項まで(許可の承継)の規定は、特定輸出者について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第67条の13
【製造者の認定】
貨物を製造する者は、申請により、自ら製造した貨物の輸出に関する業務が、自己、輸出者その他の者により適正かつ確実に行われるよう、当該業務の遂行を適正に管理することができるものと認められる旨の税関長の認定を受けることができる。
前項の認定を受けようとする者(以下この条において「申請者」という。)は、当該申請者及び特定製造貨物輸出者(当該申請者が製造する貨物を輸出しようとする者であつて、当該貨物の輸出に関する業務を当該申請者の管理の下に行う者をいう。以下この節において同じ。)の住所又は居所及び氏名又は名称その他必要な事項を記載した申請書を、当該申請者の住所又は居所の所在地を所轄する税関長に提出しなければならない。
税関長は、第1項の規定による認定の申請が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。
申請者が次のいずれにも該当しないこと。
この法律若しくは関税定率法その他関税に関する法律又はこれらの法律に基づく命令の規定に違反して刑に処せられ、又は通告処分を受け、その刑の執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなつた日又はその通告の旨を履行した日から三年を経過していない者であること。
第70条第1項又は第2項(証明又は確認)に規定する他の法令の規定のうち、輸出に関する規定に違反して刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過していない者(イに規定する者を除く。)であること。
イ及びロに規定する法令以外の法令の規定に違反して禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過していない者であること。
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法第204条(傷害)、第206条(現場助勢)、第208条(暴行)、第208条の3第1項(凶器準備集合及び結集)、第222条(脅迫)若しくは第247条(背任)の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過していない者であること。
暴力団員等であること。
その業務についてイからホまでに該当する者を役員とする法人であること又はその者を代理人、使用人その他の従業者として使用する者であること。
暴力団員等によりその事業活動を支配されている者であること。
第67条の17第1項(認定の取消し)の規定により第1項の認定を取り消された日から三年を経過していない者であること。
申請者が次のいずれにも該当すること。
特定製造貨物輸出者が申請者から取得して輸出しようとする特定製造貨物(申請者の製造した貨物をいう。以下この号において同じ。)について、適正な貨物確認書の作成及びその特定製造貨物輸出者への交付その他の特定製造貨物の輸出申告が適正に行われることを確保するために必要な業務を遂行する能力を有していること。
特定製造貨物が輸出のために外国貿易船等に積み込まれるまでの間の当該特定製造貨物の管理について、その状況を把握するとともに、当該特定製造貨物に係る輸出申告の内容に即して適正に行われることを確保するために必要な業務を遂行する能力を有していること。
イ及びロに規定する業務を適正かつ確実に行うために必要な業務の実施の方法として財務省令で定める事項を規定した規則を定めていること。
特定製造貨物輸出者が次のいずれにも該当すること。
第67条の6第1号イからチまで(承認の要件)のいずれにも該当しないこと。
輸出申告を電子情報処理組織を使用して行う能力を有していること。
第2項の申請書の提出その他前三項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第67条の14
【規則等に関する改善措置】
税関長は、前条第1項の認定を受けた者(以下この節において「認定製造者」という。)について、その製造した貨物に係る特定製造貨物輸出申告がこの法律の規定に従つて行われなかつたことその他の事由により、この法律の実施を確保するため必要があると認めるときは、当該認定製造者に対し、同条第3項第2号ハに規定する規則若しくは当該規則に定められた事項に係る業務の遂行の改善に必要な措置を講ずること又は同号ハに規定する規則を新たに定めることを求めることができる。
参照条文
第67条の15
【認定製造者の認定を受けている必要がなくなつた旨の届出】
認定製造者は、第67条の13第1項(製造者の認定)の認定を受けている必要がなくなつたときは、政令で定めるところにより、その旨を同項の認定をした税関長に届け出ることができる。
第67条の16
【認定の失効】
第67条の13第1項(製造者の認定)の認定は、次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その効力を失う。
前条の規定による届出があつたとき。
認定製造者が死亡した場合で、第67条の18において準用する第48条の2第2項(許可の承継)の規定による申請が同項に規定する期間内にされなかつたとき、又は同項の承認をしない旨の処分があつたとき。
認定製造者が解散したとき。
認定製造者が破産手続開始の決定を受けたとき。
税関長が認定を取り消したとき。
第67条の13第1項の認定が失効した場合において、特定製造貨物輸出申告に係る貨物(輸出の許可を受けていないものに限る。)があるときは、当該貨物に係る通関手続が終了するまでの間は、当該認定を受けていた者又はその相続人(認定を受けていた法人が合併により消滅した場合においては、合併後存続する法人又は合併により設立された法人)が引き続き当該認定を受けているものとみなす。
第67条の17
【認定の取消し】
税関長は、次の各号のいずれかに該当する事由があると認めるときは、第67条の13第1項(製造者の認定)の認定を取り消すことができる。
認定製造者が第67条の13第3項第1号イからトまでに該当することとなつたこと又は同項第2号イ若しくはロに該当しないこととなつたこと。
認定製造者が第67条の14(規則等に関する改善措置)の規定による税関長の求めに応じなかつたこと。
認定製造者が偽つた貨物確認書を特定製造貨物輸出者に交付したこと。
特定製造貨物輸出者が第67条の13第3項第3号イ又はロに該当しないこととなつたこと。
前項の規定による認定の取消しの手続その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第67条の18
【許可の承継についての規定の準用】
第48条の2第1項から第5項まで(許可の承継)の規定は、認定製造者について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第3節
提出書類及び検査手続
第68条
【輸出申告又は輸入申告に際しての提出書類】
税関長は、第67条(輸出又は輸入の許可)の規定による申告があつた場合において輸出若しくは輸入の許可の判断のために必要があるとき、又は関税についての条約の特別の規定による便益(これに相当する便益で政令で定めるものを含む。)を適用する場合において必要があるときは、契約書、仕入書その他の申告の内容を確認するために必要な書類又は当該便益を適用するために必要な書類で政令で定めるものを提出させることができる。
第69条
【貨物の検査場所】
第67条(輸出又は輸入の許可)の検査は、税関長が指定した場所で行うものとする。
前項の規定により指定された場所以外の場所で第67条(輸出又は輸入の許可)の検査を受けようとする者は、税関長の許可を受けなければならない。
税関長は、貨物の性質又は数量により税関長が指定した場所で検査をすることが不適当であり、且つ、検査を能率的に行うのに支障がないと認めるときは、前項の許可をしなければならない。
第4節
輸出又は輸入をしてはならない貨物
第1款
輸出してはならない貨物
第69条の2
【輸出してはならない貨物】
次に掲げる貨物は、輸出してはならない。
麻薬及び向精神薬、大麻、あへん及びけしがら並びに覚醒剤(覚せい剤取締法にいう覚せい剤原料を含む。)。ただし、政府が輸出するもの及び他の法令の規定により輸出することができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより輸出するものを除く。
特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権又は育成者権を侵害する物品
不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号まで、第10号又は第11号(定義)に掲げる行為(これらの号に掲げる不正競争の区分に応じて同法第19条第1項第1号から第5号まで又は第7号(適用除外等)に定める行為を除く。)を組成する物品
税関長は、前項第1号第3号又は第4号に掲げる貨物で輸出されようとするものを没収して廃棄することができる。
税関長は、この章に定めるところに従い輸出されようとする貨物のうちに第1項第2号に掲げる貨物に該当すると認めるのに相当の理由がある貨物があるときは、当該貨物を輸出しようとする者に対し、その旨を通知しなければならない。
第69条の3
【輸出してはならない貨物に係る認定手続】
税関長は、この章に定めるところに従い輸出されようとする貨物のうちに前条第1項第3号又は第4号に掲げる貨物に該当する貨物があると思料するときは、政令で定めるところにより、当該貨物がこれらの号に掲げる貨物に該当するか否かを認定するための手続(以下この条から第69条の10までにおいて「認定手続」という。)を執らなければならない。この場合において、税関長は、政令で定めるところにより、当該貨物に係る特許権者等(特許権者、実用新案権者、意匠権者、商標権者、著作権者、著作隣接権者若しくは育成者権者又は不正競争差止請求権者(同項第4号に掲げる貨物に係る同号に規定する行為による営業上の利益の侵害について不正競争防止法第3条第1項(差止請求権)の規定により停止又は予防を請求することができる者をいう。次条から第69条の8までにおいて同じ。)をいう。以下この条及び次条において同じ。)及び当該貨物を輸出しようとする者に対し、当該貨物について認定手続を執る旨並びに当該貨物が前条第1項第3号又は第4号に掲げる貨物に該当するか否かについてこれらの者が証拠を提出し、及び意見を述べることができる旨その他の政令で定める事項を通知しなければならない。
税関長は、前項の規定による通知を行う場合には、当該貨物に係る特許権者等に対しては当該貨物を輸出しようとする者及び当該貨物の仕向人の氏名又は名称及び住所を、当該貨物を輸出しようとする者に対しては当該特許権者等の氏名又は名称及び住所を、併せて通知するものとする。
税関長は、認定手続が執られる貨物の輸出に係る第67条(輸出又は輸入の許可)の規定に基づく輸出申告書その他の税関長に提出された書類、当該認定手続において税関長に提出された書類又は当該貨物における表示から、当該貨物を生産した者の氏名若しくは名称又は住所が明らかであると認める場合には、第1項の通知と併せて、又は当該通知の後で当該認定手続が執られている間、その氏名若しくは名称又は住所を当該貨物に係る特許権者等に通知するものとする。
税関長は、認定手続を経た後でなければ、この章に定めるところに従い輸出されようとする貨物について前条第2項の措置をとることができない。
税関長は、認定手続が執られた貨物(次項において「疑義貨物」という。)が前条第1項第3号又は第4号に掲げる貨物に該当すると認定したとき、又は該当しないと認定したときは、それぞれその旨及びその理由を当該認定がされた貨物に係る特許権者等及び当該認定がされた貨物を輸出しようとする者に通知しなければならない。ただし、次項の規定による通知をした場合は、この限りでない。
税関長は、前項本文の規定による疑義貨物に係る認定の通知をする前に当該疑義貨物が輸出されないこととなつた場合には、当該疑義貨物に係る特許権者等に対し、その旨を通知するとともに、認定手続を取りやめるものとする。この場合において、当該疑義貨物の輸出を取りやめようとする者は、あらかじめその旨を税関長に届け出なければならない。
第2項又は第3項の規定による通知を受けた者は、当該通知を受けた事項を、みだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならない。
第69条の4
【輸出してはならない貨物に係る申立て手続等】
特許権者等は、自己の特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権若しくは育成者権又は営業上の利益を侵害すると認める貨物に関し、政令で定めるところにより、いずれかの税関長に対し、その侵害の事実を疎明するために必要な証拠を提出し、当該貨物がこの章に定めるところに従い輸出されようとする場合は当該貨物について当該税関長(以下この条及び次条において「申立先税関長」という。)又は他の税関長が認定手続を執るべきことを申し立てることができる。この場合において、不正競争差止請求権者は、不正競争防止法第2条第1項第1号(定義)に規定する商品等表示であつて当該不正競争差止請求権者に係るものが需要者の間に広く認識されているものであることその他の経済産業省令で定める事項について、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣の意見を求め、その意見が記載された書面を申立先税関長に提出しなければならない。
申立先税関長は、前項の規定による申立てがあつた場合において、当該申立てに係る侵害の事実を疎明するに足りる証拠がないと認めるときは、当該申立てを受理しないことができる。
申立先税関長は、第1項の規定による申立てがあつた場合において、当該申立てを受理したときはその旨及び当該申立てが効力を有する期間(税関長がその期間中にこの章に定めるところに従い輸出されようとする貨物のうちに当該申立てに係る貨物があると認めるときは、その都度、当該申立てに基づき認定手続を執ることとなる期間をいう。)を、前項の規定により当該申立てを受理しなかつたときはその旨及びその理由を当該申立てをした者に通知しなければならない。
税関長は、第1項の規定による申立てを受理した場合又は当該申立てが他の税関長により受理された場合において、当該申立てに係る貨物について認定手続を執つたときは、政令で定めるところにより、当該申立てをした者又は当該貨物を輸出しようとする者に対し、それぞれその申請により、当該貨物を点検する機会を与えなければならない。ただし、前条第6項の規定により当該認定手続を取りやめたときは、この限りでない。
第69条の5
【輸出差止申立てにおける専門委員への意見の求め】
申立先税関長は、前条第1項の規定による申立てがあつた場合において必要があると認めるときは、知的財産権(知的財産基本法第2条第2項(定義)に規定する知的財産権をいう。以下同じ。)に関し学識経験を有する者であつてその申立てに係る事案の当事者と特別の利害関係を有しないものを専門委員として委嘱し、政令で定めるところにより、当該専門委員に対し、前条第1項の規定により提出された証拠が当該申立てに係る侵害の事実を疎明するに足りると認められるか否かについて、意見を求めることができる。ただし、同項後段の規定により経済産業大臣の意見を求めるべき事項については、この限りでない。
第69条の6
【輸出差止申立てに係る供託等】
税関長は、第69条の4第1項(輸出してはならない貨物に係る申立て手続等)の規定による申立てを受理した場合又は当該申立てが他の税関長により受理された場合において、当該申立てに係る貨物についての認定手続が終了するまでの間当該貨物が輸出されないことにより当該貨物を輸出しようとする者が被るおそれがある損害の賠償を担保するため必要があると認めるときは、当該申立てをした者(以下この条において「申立人」という。)に対し、期限を定めて、相当と認める額の金銭をその指定する供託所に供託すべき旨を命ずることができる。
税関長は、前項の規定により供託された金銭の額が同項に規定する損害の賠償を担保するのに不足すると認めるときは、申立人に対し、期限を定めて、その不足すると認める額の金銭を供託すべき旨を命ずることができる。
前二項の規定により供託する金銭は、国債、地方債その他の有価証券(社債、株式等の振替に関する法律第278条第1項(振替債の供託)に規定する振替債を含む。以下この条及び第69条の10(輸出してはならない貨物に係る認定手続を取りやめることの求め等)において同じ。)で税関長が確実と認めるものをもつてこれに代えることができる。
第1項又は第2項の規定による命令によりされた供託に係る税関長に対する手続に関し必要な事項は、政令で定める。
申立人は、政令で定めるところにより、第1項に規定する損害の賠償に充てるものとして所要の金銭が当該申立人のために支払われる旨の契約を締結し、同項又は第2項の規定により定められた期限までにその旨を税関長に届け出たときは、当該契約の効力の存する間、第1項又は第2項の金銭の全部又は一部の供託をしないことができる。
第1項の貨物の輸出者は、申立人に対する同項に規定する損害に係る賠償請求権に関し、同項及び第2項の規定により供託された金銭(第3項の規定による有価証券を含む。第8項から第10項までにおいて同じ。)について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
前項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。
第1項又は第2項の規定により金銭を供託した申立人は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなつたときは、その供託した金銭を取り戻すことができる。
供託の原因となつた貨物が第69条の2第1項第3号又は第4号(輸出してはならない貨物)に掲げる貨物に該当する旨の第69条の3第5項本文(輸出してはならない貨物に係る認定手続)の規定による通知を受けた場合
供託の原因となつた貨物について第69条の3第6項の規定による通知を受けた場合
第1項の貨物の輸出者が当該供託した金銭の取戻しに同意したこと、同項に規定する損害に係る賠償請求権が時効により消滅したことその他同項に規定する損害の賠償を担保する必要がなくなつたことを税関長に証明し、その確認を受けた場合
第5項の契約を締結して、政令で定めるところにより、税関長の承認を受けた場合
供託した有価証券が償還を受けることとなつたことその他の事由により現に供託されている供託物に代えて他の供託物を供託することについて、政令で定めるところにより、税関長の承認を受けた場合
前項の規定による供託した金銭の取戻しに関し必要な事項は、法務省令・財務省令で定める。
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税関長は、第1項又は第2項の規定により供託すべき旨を命じられた者が、これらの規定により定められた期限までにその供託を命じられた金銭の全部について、供託をせず、かつ、第5項の規定による契約の締結の届出をしないときは、その供託を命じられる原因となつた貨物について認定手続を取りやめることができる。
11
税関長は、前項の規定により認定手続を取りやめたときは、当該認定手続に係る申立てをした者及び当該認定手続に係る貨物を輸出しようとする者に対し、その旨を通知しなければならない。
第69条の7
【輸出してはならない貨物に係る意見を聴くことの求め等】
特許権、実用新案権又は意匠権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続が執られたときは、当該貨物に係る特許権者等(特許権者、実用新案権者又は意匠権者をいう。以下この条において同じ。)又は輸出者(当該認定手続に係る貨物を輸出しようとする者をいう。以下この条において同じ。)は、政令で定めるところにより、当該特許権者等が第69条の3第1項(輸出してはならない貨物に係る認定手続)の規定による通知を受けた日(以下この項及び第69条の10第2項(輸出してはならない貨物に係る認定手続を取りやめることの求め等)において「通知日」という。)から起算して十日(行政機関の休日の日数は、算入しない。)を経過する日(第69条の10第1項及び第2項において「十日経過日」という。)までの期間(その期間の満了する日前に当該認定手続の進行状況その他の事情を勘案して税関長が当該期間を延長することを必要と認めてその旨を当該特許権者等及び当該輸出者に通知したときは、通知日から起算して二十日(行政機関の休日の日数は、算入しない。)を経過する日(第69条の10第1項において「二十日経過日」という。)までの期間)内は、当該認定手続が執られている間に限り、税関長に対し、当該認定手続に係る貨物が当該特許権者等の特許権、実用新案権又は意匠権を侵害する貨物に該当するか否かに関し、技術的範囲等(特許法第70条第1項(特許発明の技術的範囲)(実用新案法第26条特許法の準用)において準用する場合を含む。)に規定する技術的範囲又は意匠法第25条第1項(登録意匠の範囲)に規定する範囲をいう。第9項及び第69条の9(輸出してはならない貨物に係る認定手続における専門委員への意見の求め)において同じ。)について特許庁長官の意見を聴くことを求めることができる。
税関長は、前項の規定による求めがあつたときは、政令で定めるところにより、特許庁長官に対し、意見を求めるものとする。ただし、同項の規定による求めに係る貨物が第69条の2第1項第3号(輸出してはならない貨物)に掲げる貨物に該当するか否かが明らかであるときその他特許庁長官の意見を求める必要がないと認めるときは、この限りでない。
税関長は、第1項の規定による求めがあつた場合において、前項ただし書の規定により特許庁長官の意見を求めなかつたときは、第1項の規定による求めをした特許権者等又は輸出者に対し、その旨及びその理由を通知しなければならない。
特許庁長官は、第2項本文の規定により税関長から意見を求められたときは、その求めがあつた日から起算して三十日以内に、書面により意見を述べなければならない。
税関長は、第2項本文の規定により特許庁長官の意見を求めたときは、その求めに係る特許権者等及び輸出者に対し、その旨を通知しなければならない。
税関長は、第4項の規定による意見が述べられたときは、その意見に係る特許権者等及び輸出者に対し、その旨及びその内容を通知しなければならない。
税関長は、第2項本文の規定により特許庁長官の意見を求めたときは、その求めに係る第4項の規定による意見が述べられる前に、第1項の求めをした者が特許権者等である場合にあつてはその求めに係る貨物が第69条の2第1項第3号に掲げる貨物に該当しないことの認定を、第1項の求めをした者が輸出者である場合にあつてはその求めに係る貨物が同号に掲げる貨物に該当することの認定をしてはならない。
税関長は、第2項本文の規定により特許庁長官の意見を求めた場合において、その求めに係る第4項の規定による意見が述べられる前に、第1項の求めをした者が特許権者等である場合にあつてはその求めに係る貨物が第69条の2第1項第3号に掲げる貨物に該当すると認定したとき、若しくは第1項の求めをした者が輸出者である場合にあつてはその求めに係る貨物が同号に掲げる貨物に該当しないと認定したとき、又は第69条の3第6項若しくは第69条の6第10項(輸出差止申立てに係る供託等)の規定により当該貨物について認定手続を取りやめたときは、その旨を特許庁長官に通知するものとする。この場合においては、特許庁長官は、第4項の規定による意見を述べることを要しない。
税関長は、特許権、実用新案権又は意匠権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続において、第69条の3第1項の規定による認定をするために必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、特許庁長官に対し、当該認定手続に係る貨物が特許権者等の特許権、実用新案権又は意匠権を侵害する貨物に該当するか否かに関し、技術的範囲等について意見を求めることができる。
10
第4項から第6項まで及び次条第5項の規定は、前項の規定により意見を求める場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第69条の8
【輸出してはならない貨物に係る認定手続における農林水産大臣等への意見の求め】
税関長は、育成者権を侵害する貨物又は第69条の2第1項第4号(輸出してはならない貨物)に掲げる貨物に該当するか否かについての認定手続において、第69条の3第1項(輸出してはならない貨物に係る認定手続)の規定による認定をするために必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、育成者権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続にあつては農林水産大臣に、第69条の2第1項第4号に掲げる貨物に該当するか否かについての認定手続にあつては経済産業大臣に対し、当該認定のための参考となるべき意見を求めることができる。
農林水産大臣又は経済産業大臣は、前項の規定により税関長から意見を求められたときは、その求めがあつた日から起算して三十日以内に、書面により意見を述べなければならない。
税関長は、第1項の規定により意見を求めたときは、認定手続に係る育成者権者又は不正競争差止請求権者及び当該認定手続に係る貨物を輸出しようとする者に対し、その旨を通知しなければならない。
税関長は、第2項の規定による意見が述べられたときは、前項の育成者権者又は不正競争差止請求権者及び当該認定手続に係る貨物を輸出しようとする者に対し、その旨及びその内容を通知しなければならない。
税関長は、第1項の規定により農林水産大臣又は経済産業大臣の意見を求めた場合において、その求めに係る第2項の規定による意見が述べられる前にその求めに係る貨物が育成者権を侵害する貨物若しくは第69条の2第1項第4号に掲げる貨物に該当すると認定したとき若しくは該当しないと認定したとき、又は第69条の3第6項若しくは第69条の6第10項(輸出差止申立てに係る供託等)の規定により当該貨物について認定手続を取りやめたときは、その旨を農林水産大臣又は経済産業大臣に通知するものとする。この場合においては、農林水産大臣又は経済産業大臣は、第2項の規定による意見を述べることを要しない。
第69条の9
【輸出してはならない貨物に係る認定手続における専門委員への意見の求め】
税関長は、第69条の2第1項第3号(輸出してはならない貨物)に掲げる貨物(育成者権を侵害する貨物を除く。)に該当するか否かについての認定手続において、第69条の3第1項(輸出してはならない貨物に係る認定手続)の規定による認定をするために必要があると認めるときは、知的財産権に関し学識経験を有する者であつてその認定手続に係る事案の当事者と特別の利害関係を有しないものを専門委員として委嘱し、政令で定めるところにより、当該専門委員に対し、当該認定のための参考となるべき意見を求めることができる。ただし、技術的範囲等については、この限りでない。
第69条の10
【輸出してはならない貨物に係る認定手続を取りやめることの求め等】
第69条の4第1項(輸出してはならない貨物に係る申立て手続等)の規定による申立てが受理された特許権者、実用新案権者又は意匠権者(以下この条において「申立特許権者等」という。)の申立てに係る貨物について認定手続が執られたときは、当該貨物を輸出しようとする者は、政令で定めるところにより、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める日後は、当該認定手続が執られている間に限り、税関長に対し、当該認定手続を取りやめることを求めることができる。
第69条の7第1項(輸出してはならない貨物に係る意見を聴くことの求め等)の規定により十日経過日までの期間を延長する旨の通知を受けた場合 二十日経過日(同条第5項同条第10項において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定により特許庁長官の意見を求めた旨の通知を受けたときは、二十日経過日とその求めに係る同条第6項同条第10項において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定による通知を受けた日から起算して十日を経過する日とのいずれか遅い日)
前号に掲げる場合以外の場合 十日経過日(第69条の7第5項の規定により特許庁長官の意見を求めた旨の通知を受けたときは、十日経過日とその求めに係る同条第6項の規定による通知を受けた日から起算して十日を経過する日とのいずれか遅い日)
税関長は、申立特許権者等の申立てに係る貨物について認定手続を執つたときは、十日経過日前に、当該貨物を輸出しようとする者に対し、通知日を通知しなければならない。
税関長は、第1項の規定により認定手続を取りやめることの求めがあつたときは、当該認定手続に係る申立てをした申立特許権者等に対し、その旨を通知するとともに、当該求めをした者(以下この条において「請求者」という。)に対し、期限を定めて、当該認定手続に係る貨物が輸出されることにより当該申立特許権者等が被るおそれがある損害の賠償を担保するために相当と認める額の金銭をその指定する供託所に供託すべき旨を命じなければならない。
前項の規定により供託する金銭は、国債、地方債その他の有価証券で税関長が確実と認めるものをもつてこれに代えることができる。
第3項の規定による命令によりされた供託に係る税関長に対する手続に関し必要な事項は、政令で定める。
請求者は、政令で定めるところにより、第3項に規定する損害の賠償に充てるものとして所要の金銭が当該請求者のために支払われる旨の契約を締結し、同項の規定により定められた期限までにその旨を税関長に届け出たときは、当該契約の効力の存する間、同項の金銭の全部又は一部の供託をしないことができる。
第3項の申立特許権者等は、請求者に対する同項に規定する損害に係る賠償請求権に関し、同項の規定により供託された金銭(第4項の規定による有価証券を含む。第9項から第11項までにおいて同じ。)について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
前項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。
第3項の規定により金銭を供託した請求者は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなつたときは、その供託した金銭を取り戻すことができる。
第12項の申立特許権者等が当該供託した金銭の取戻しに同意したこと、第3項に規定する損害に係る賠償請求権が時効により消滅したことその他同項に規定する損害の賠償を担保する必要がなくなつたことを税関長に証明し、その確認を受けた場合
第6項の契約を締結して、政令で定めるところにより、税関長の承認を受けた場合
供託した有価証券が償還を受けることとなつたことその他の事由により現に供託されている供託物に代えて他の供託物を供託することについて、政令で定めるところにより、税関長の承認を受けた場合
前三号に掲げるもののほか、第12項の申立特許権者等が同項の規定による通知を受けた日から起算して三十日以内に第3項に規定する損害の賠償を求める訴えの提起をしなかつた場合
10
前項の規定による供託した金銭の取戻しに関し必要な事項は、法務省令・財務省令で定める。
11
税関長は、第3項の規定により供託すべき旨を命じられた者が、同項の規定により定められた期限までにその供託を命じられた金銭の全部について、供託をし、又は第6項の規定による契約の締結の届出をしたときは、その供託を命じられる原因となつた貨物について認定手続を取りやめるものとする。
12
税関長は、前項の規定により認定手続を取りやめたときは、当該認定手続に係る貨物を輸出しようとする者及び当該認定手続に係る申立てをした申立特許権者等に対し、その旨を通知しなければならない。
第2款
輸入してはならない貨物
第69条の11
【輸入してはならない貨物】
次に掲げる貨物は、輸入してはならない。
麻薬及び向精神薬、大麻、あへん及びけしがら並びに覚醒剤(覚せい剤取締法にいう覚せい剤原料を含む。)並びにあへん吸煙具。ただし、政府が輸入するもの及び他の法令の規定により輸入することができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより輸入するものを除く。
拳銃、小銃、機関銃及び砲並びにこれらの銃砲弾並びに拳銃部品。ただし、他の法令の規定により輸入することができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより輸入するものを除く。
爆発物(爆発物取締罰則第1条(爆発物の使用)に規定する爆発物をいい、前号及び次号に掲げる貨物に該当するものを除く。)。ただし、他の法令の規定により輸入することができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより輸入するものを除く。
火薬類(火薬類取締法第2条第1項(定義)に規定する火薬類をいい、第2号に掲げる貨物に該当するものを除く。)。ただし、他の法令の規定により輸入することができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより輸入するものを除く。
化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律第2条第3項(定義等)に規定する特定物質。ただし、条約又は他の法令の規定により輸入することができることとされている者が当該条約又は他の法令の定めるところにより輸入するものを除く。
⑤の2
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第6条第20項(定義)に規定する一種病原体等及び同条第21項に規定する二種病原体等。ただし、他の法令の規定により輸入することができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより輸入するものを除く。
貨幣、紙幣若しくは銀行券、印紙若しくは郵便切手(郵便切手以外の郵便に関する料金を表す証票を含む。以下この号において同じ。)又は有価証券の偽造品、変造品及び模造品(印紙の模造品にあつては印紙等模造取締法第1条第2項の規定により財務大臣の許可を受けて輸入するものを除き、郵便切手の模造品にあつては郵便切手類模造等取締法第1条第2項の規定により総務大臣の許可を受けて輸入するものを除く。)並びに不正に作られた代金若しくは料金の支払用又は預貯金の引出用のカードを構成する電磁的記録をその構成部分とするカード(その原料となるべきカードを含む。)
公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品(次号に掲げる貨物に該当するものを除く。)
特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品
不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号まで、第10号又は第11号(定義)に掲げる行為(これらの号に掲げる不正競争の区分に応じて同法第19条第1項第1号から第5号まで又は第7号(適用除外等)に定める行為を除く。)を組成する物品
税関長は、前項第1号から第6号まで、第9号又は第10号に掲げる貨物で輸入されようとするものを没収して廃棄し、又は当該貨物を輸入しようとする者にその積戻しを命ずることができる。
税関長は、この章に定めるところに従い輸入されようとする貨物のうちに第1項第7号又は第8号に掲げる貨物に該当すると認めるのに相当の理由がある貨物があるときは、当該貨物を輸入しようとする者に対し、その旨を通知しなければならない。
第69条の12
【輸入してはならない貨物に係る認定手続】
税関長は、この章に定めるところに従い輸入されようとする貨物のうちに前条第1項第9号又は第10号に掲げる貨物に該当する貨物があると思料するときは、政令で定めるところにより、当該貨物がこれらの号に掲げる貨物に該当するか否かを認定するための手続(以下この条から第69条の20までにおいて「認定手続」という。)を執らなければならない。この場合において、税関長は、政令で定めるところにより、当該貨物に係る特許権者等(特許権者、実用新案権者、意匠権者、商標権者、著作権者、著作隣接権者、回路配置利用権者若しくは育成者権者又は不正競争差止請求権者(前条第1項第10号に掲げる貨物に係る同号に規定する行為による営業上の利益の侵害について不正競争防止法第3条第1項(差止請求権)の規定により停止又は予防を請求することができる者をいう。次条から第69条の18までにおいて同じ。)をいう。以下この条において同じ。)及び当該貨物を輸入しようとする者に対し、当該貨物について認定手続を執る旨並びに当該貨物が前条第1項第9号又は第10号に掲げる貨物に該当するか否かについてこれらの者が証拠を提出し、及び意見を述べることができる旨その他の政令で定める事項を通知しなければならない。
税関長は、前項の規定による通知を行う場合には、当該貨物に係る特許権者等に対しては当該貨物を輸入しようとする者及び当該貨物の仕出人の氏名又は名称及び住所を、当該貨物を輸入しようとする者に対しては当該特許権者等の氏名又は名称及び住所を、併せて通知するものとする。
税関長は、認定手続が執られる貨物の輸入に係る第67条(輸出又は輸入の許可)の規定に基づく輸入申告書その他の税関長に提出された書類、当該認定手続において税関長に提出された書類又は当該貨物における表示から、当該貨物を生産した者の氏名若しくは名称又は住所が明らかであると認める場合には、第1項の通知と併せて、又は当該通知の後で当該認定手続が執られている間、その氏名若しくは名称又は住所を当該貨物に係る特許権者等に通知するものとする。
税関長は、認定手続を経た後でなければ、この章に定めるところに従い輸入されようとする貨物について前条第2項の措置をとることができない。
税関長は、認定手続が執られた貨物(以下この条及び第69条の16(申請者による疑義貨物に係る見本の検査)において「疑義貨物」という。)が前条第1項第9号又は第10号に掲げる貨物に該当すると認定したとき、又は該当しないと認定したときは、それぞれその旨及びその理由を当該認定がされた貨物に係る特許権者等及び当該認定がされた貨物を輸入しようとする者に通知しなければならない。ただし、次項の規定による通知をした場合は、この限りでない。
税関長は、前項本文の規定による疑義貨物に係る認定の通知をする前に次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなつたときは、当該疑義貨物に係る特許権者等に対し、その旨を通知するとともに、認定手続を取りやめるものとする。
第34条(外国貨物の廃棄)の規定により当該疑義貨物が廃棄された場合
第45条第1項ただし書(許可を受けた者の関税の納付義務等)(第36条第41条の3第61条の4第62条の7及び第62条の15において準用する場合を含む。)の規定により当該疑義貨物が滅却された場合
第75条(外国貨物の積戻し)の規定により当該疑義貨物が積み戻された場合
前三号に掲げる場合のほか、当該疑義貨物が輸入されないこととなつた場合
第2項若しくは第3項の規定による通知を受けた者又は第69条の16第2項の規定により承認を受けた同項に規定する申請者は、当該通知を受けた事項又は当該申請に係る見本の検査(分解を含む。同条において同じ。)その他当該見本の取扱いにおいて知り得た事項を、みだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならない。
第69条の13
【輸入してはならない貨物に係る申立て手続等】
特許権者、実用新案権者、意匠権者、商標権者、著作権者、著作隣接権者若しくは育成者権者又は不正競争差止請求権者は、自己の特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権若しくは育成者権又は営業上の利益を侵害すると認める貨物に関し、政令で定めるところにより、いずれかの税関長に対し、その侵害の事実を疎明するために必要な証拠を提出し、当該貨物がこの章に定めるところに従い輸入されようとする場合は当該貨物について当該税関長(以下この条及び次条において「申立先税関長」という。)又は他の税関長が認定手続を執るべきことを申し立てることができる。この場合において、不正競争差止請求権者は、不正競争防止法第2条第1項第1号(定義)に規定する商品等表示であつて当該不正競争差止請求権者に係るものが需要者の間に広く認識されているものであることその他の経済産業省令で定める事項について、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣の意見を求め、その意見が記載された書面を申立先税関長に提出しなければならない。
申立先税関長は、前項の規定による申立てがあつた場合において、当該申立てに係る侵害の事実を疎明するに足りる証拠がないと認めるときは、当該申立てを受理しないことができる。
申立先税関長は、第1項の規定による申立てがあつた場合において、当該申立てを受理したときはその旨及び当該申立てが効力を有する期間(税関長がその期間中にこの章に定めるところに従い輸入されようとする貨物のうちに当該申立てに係る貨物があると認めるときは、その都度、当該申立てに基づき認定手続を執ることとなる期間をいう。)を、前項の規定により当該申立てを受理しなかつたときはその旨及びその理由を当該申立てをした者に通知しなければならない。
税関長は、第1項の規定による申立てを受理した場合又は当該申立てが他の税関長により受理された場合において、当該申立てに係る貨物について認定手続を執つたときは、政令で定めるところにより、当該申立てをした者又は当該貨物を輸入しようとする者に対し、それぞれその申請により、当該貨物を点検する機会を与えなければならない。ただし、前条第6項の規定により当該認定手続を取りやめたときは、この限りでない。
第69条の14
【輸入差止申立てにおける専門委員への意見の求め】
申立先税関長は、前条第1項の規定による申立てがあつた場合において必要があると認めるときは、知的財産権に関し学識経験を有する者であつてその申立てに係る事案の当事者と特別の利害関係を有しないものを専門委員として委嘱し、政令で定めるところにより、当該専門委員に対し、同項の規定により提出された証拠が当該申立てに係る侵害の事実を疎明するに足りると認められるか否かについて、意見を求めることができる。ただし、同項後段の規定により経済産業大臣の意見を求めるべき事項については、この限りでない。
第69条の15
【輸入差止申立てに係る供託等】
税関長は、第69条の13第1項(輸入してはならない貨物に係る申立て手続等)の規定による申立てを受理した場合又は当該申立てが他の税関長により受理された場合において、当該申立てに係る貨物についての認定手続が終了するまでの間当該貨物が輸入されないことにより当該貨物を輸入しようとする者が被るおそれがある損害の賠償を担保するため必要があると認めるときは、当該申立てをした者(以下この条において「申立人」という。)に対し、期限を定めて、相当と認める額の金銭をその指定する供託所に供託すべき旨を命ずることができる。
税関長は、前項の規定により供託された金銭の額が同項に規定する損害の賠償を担保するのに不足すると認めるときは、申立人に対し、期限を定めて、その不足すると認める額の金銭を供託すべき旨を命ずることができる。
前二項の規定により供託する金銭は、国債、地方債その他の有価証券(社債、株式等の振替に関する法律第278条第1項(振替債の供託)に規定する振替債を含む。以下この条及び第69条の20(輸入してはならない貨物に係る認定手続を取りやめることの求め等)において同じ。)で税関長が確実と認めるものをもつてこれに代えることができる。
第1項又は第2項の規定による命令によりされた供託に係る税関長に対する手続に関し必要な事項は、政令で定める。
申立人は、政令で定めるところにより、第1項に規定する損害の賠償に充てるものとして所要の金銭が当該申立人のために支払われる旨の契約を締結し、同項又は第2項の規定により定められた期限までにその旨を税関長に届け出たときは、当該契約の効力の存する間、第1項又は第2項の金銭の全部又は一部の供託をしないことができる。
第1項の貨物の輸入者は、申立人に対する同項に規定する損害に係る賠償請求権に関し、同項及び第2項の規定により供託された金銭(第3項の規定による有価証券を含む。第8項から第10項までにおいて同じ。)について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
前項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。
第1項又は第2項の規定により金銭を供託した申立人は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなつたときは、その供託した金銭を取り戻すことができる。
供託の原因となつた貨物が第69条の11第1項第9号又は第10号(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物に該当する旨の第69条の12第5項本文(輸入してはならない貨物に係る認定手続)の規定による通知を受けた場合
供託の原因となつた貨物について第69条の12第6項の規定による通知を受けた場合
第1項の貨物の輸入者が当該供託した金銭の取戻しに同意したこと、同項に規定する損害に係る賠償請求権が時効により消滅したことその他同項に規定する損害の賠償を担保する必要がなくなつたことを税関長に証明し、その確認を受けた場合
第5項の契約を締結して、政令で定めるところにより、税関長の承認を受けた場合
供託した有価証券が償還を受けることとなつたことその他の事由により現に供託されている供託物に代えて他の供託物を供託することについて、政令で定めるところにより、税関長の承認を受けた場合
前項の規定による供託した金銭の取戻しに関し必要な事項は、法務省令・財務省令で定める。
10
税関長は、第1項又は第2項の規定により供託すべき旨を命じられた者が、これらの規定により定められた期限までにその供託を命じられた金銭の全部について、供託をせず、かつ、第5項の規定による契約の締結の届出をしないときは、その供託を命じられる原因となつた貨物について認定手続を取りやめることができる。
11
税関長は、前項の規定により認定手続を取りやめたときは、当該認定手続に係る申立てをした者及び当該認定手続に係る貨物を輸入しようとする者に対し、その旨を通知しなければならない。
第69条の16
【申請者による疑義貨物に係る見本の検査】
第69条の13第1項(輸入してはならない貨物に係る申立て手続等)の規定による申立てが受理された特許権者、実用新案権者、意匠権者、商標権者、著作権者、著作隣接権者若しくは育成者権者又は不正競争差止請求権者は、当該申立てに係る貨物について認定手続が執られている間に限り、税関長に対し、当該認定手続に係る疑義貨物について、これらの者がその見本の検査をすることを承認するよう申請することができる。この場合において、当該申請を受けた税関長は、その旨を当該疑義貨物を輸入しようとする者に通知しなければならない。
税関長は、次の各号のいずれの要件にも該当するときは、前項の申請に応じて、当該申請を行つた者(その委託を受けた者を含む。以下この条(第5項を除く。)において「申請者」という。)が当該認定手続に係る疑義貨物の見本の検査をすることを承認するものとする。ただし、当該申請に係る貨物が第69条の11第1項第9号(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物(回路配置利用権を侵害する貨物を除く。以下この項及び第5項において同じ。)又は同条第1項第10号に掲げる貨物に該当するか否かが明らかであるとき、その他当該見本の検査をすることを承認する必要がないと認めるときは、この限りでない。
当該見本に係る疑義貨物が第69条の11第1項第9号に掲げる貨物又は同項第10号に掲げる貨物に該当するものであることについて税関長に証拠を提出し、又は意見を述べるために、当該見本の検査をすることが必要であると認められること。
当該見本に係る疑義貨物を輸入しようとする者の利益が不当に侵害されるおそれがないと認められること。
前号に掲げるもののほか、当該見本が不当な目的に用いられるおそれがないと認められること。
申請者が当該見本の運搬、保管又は検査その他当該見本の取扱いを適正に行う能力及び資力を有していると認められること。
税関長は、前項の規定により申請者が見本の検査をすることを承認する場合には、その旨を当該申請者(その委託を受けた者を除く。)及び当該見本に係る疑義貨物を輸入しようとする者に通知しなければならない。
第2項の規定により税関長が承認した場合には、申請者は、当該見本の検査に必要な限度において、当該見本の運搬、保管又は検査の費用その他必要な費用を負担しなければならない。
前条第11項を除く。)の規定は、税関長が第2項の規定により承認する場合について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
読み替える規定読み替えられる字句読み替える字句
第69条の15第1項当該申立てに係る貨物についての認定手続が終了するまでの間当該貨物が輸入されないことにより当該見本に係る疑義貨物が第69条の11第1項第9号に掲げる貨物又は同項第10号に掲げる貨物に該当する貨物と認定されなかつた場合に
申立てをした者(以下この条において「申立人承認の申請をした者(以下この条において「申請者
第69条の15第2項第5項第6項及び第8項申立人申請者
第69条の15第10項認定手続を取りやめる次条第2項の承認をしない
第2項の規定により承認を受けた申請者が見本の検査をする場合には、税関職員が立ち会うものとする。この場合において、当該見本に係る疑義貨物を輸入しようとする者は、税関長に申請し、これに立ち会うことができる。
前各項に定めるもののほか、第1項の申請の手続、第4項の費用の負担その他申請者による見本の検査に関し必要な事項は、政令で定める。
第69条の17
【輸入してはならない貨物に係る意見を聴くことの求め等】
特許権、実用新案権又は意匠権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続が執られたときは、当該貨物に係る特許権者等(特許権者、実用新案権者又は意匠権者をいう。以下この条において同じ。)又は輸入者(当該認定手続に係る貨物を輸入しようとする者をいう。以下この条において同じ。)は、政令で定めるところにより、当該特許権者等が第69条の12第1項(輸入してはならない貨物に係る認定手続)の規定による通知を受けた日(以下この項及び第69条の20第2項(輸入してはならない貨物に係る認定手続を取りやめることの求め等)において「通知日」という。)から起算して十日(行政機関の休日の日数は、算入しない。)を経過する日(第69条の20第1項及び第2項において「十日経過日」という。)までの期間(その期間の満了する日前に当該認定手続の進行状況その他の事情を勘案して税関長が当該期間を延長することを必要と認めてその旨を当該特許権者等及び当該輸入者に通知したときは、通知日から起算して二十日(行政機関の休日の日数は、算入しない。)を経過する日(第69条の20第1項において「二十日経過日」という。)までの期間)内は、当該認定手続が執られている間に限り、税関長に対し、当該認定手続に係る貨物が当該特許権者等の特許権、実用新案権又は意匠権を侵害する貨物に該当するか否かに関し、技術的範囲等(特許法第70条第1項(特許発明の技術的範囲)(実用新案法第26条特許法の準用)において準用する場合を含む。)に規定する技術的範囲又は意匠法第25条第1項(登録意匠の範囲)に規定する範囲をいう。第9項及び第69条の19(輸入してはならない貨物に係る認定手続における専門委員への意見の求め)において同じ。)について特許庁長官の意見を聴くことを求めることができる。
税関長は、前項の規定による求めがあつたときは、政令で定めるところにより、特許庁長官に対し、意見を求めるものとする。ただし、同項の規定による求めに係る貨物が第69条の11第1項第9号(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物に該当するか否かが明らかであるときその他特許庁長官の意見を求める必要がないと認めるときは、この限りでない。
税関長は、第1項の規定による求めがあつた場合において、前項ただし書の規定により特許庁長官の意見を求めなかつたときは、第1項の規定による求めをした特許権者等又は輸入者に対し、その旨及びその理由を通知しなければならない。
特許庁長官は、第2項本文の規定により税関長から意見を求められたときは、その求めがあつた日から起算して三十日以内に、書面により意見を述べなければならない。
税関長は、第2項本文の規定により特許庁長官の意見を求めたときは、その求めに係る特許権者等及び輸入者に対し、その旨を通知しなければならない。
税関長は、第4項の規定による意見が述べられたときは、その意見に係る特許権者等及び輸入者に対し、その旨及びその内容を通知しなければならない。
税関長は、第2項本文の規定により特許庁長官の意見を求めたときは、その求めに係る第4項の規定による意見が述べられる前に、第1項の求めをした者が特許権者等である場合にあつてはその求めに係る貨物が第69条の11第1項第9号に掲げる貨物に該当しないことの認定を、第1項の求めをした者が輸入者である場合にあつてはその求めに係る貨物が同号に掲げる貨物に該当することの認定をしてはならない。
税関長は、第2項本文の規定により特許庁長官の意見を求めた場合において、その求めに係る第4項の規定による意見が述べられる前に、第1項の求めをした者が特許権者等である場合にあつてはその求めに係る貨物が第69条の11第1項第9号に掲げる貨物に該当すると認定したとき、若しくは第1項の求めをした者が輸入者である場合にあつてはその求めに係る貨物が同号に掲げる貨物に該当しないと認定したとき、又は第69条の12第6項若しくは第69条の15第10項(輸入差止申立てに係る供託等)の規定により当該貨物について認定手続を取りやめたときは、その旨を特許庁長官に通知するものとする。この場合においては、特許庁長官は、第4項の規定による意見を述べることを要しない。
税関長は、特許権、実用新案権又は意匠権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続において、第69条の12第1項の規定による認定をするために必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、特許庁長官に対し、当該認定手続に係る貨物が特許権者等の特許権、実用新案権又は意匠権を侵害する貨物に該当するか否かに関し、技術的範囲等について意見を求めることができる。
10
第4項から第6項まで及び次条第5項の規定は、前項の規定により意見を求める場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第69条の18
【輸入してはならない貨物に係る認定手続における農林水産大臣等への意見の求め】
税関長は、育成者権を侵害する貨物又は第69条の11第1項第10号(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物に該当するか否かについての認定手続において、第69条の12第1項(輸入してはならない貨物に係る認定手続)の規定による認定をするために必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、育成者権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続にあつては農林水産大臣に、同号に掲げる貨物に該当するか否かについての認定手続にあつては経済産業大臣に対し、当該認定のための参考となるべき意見を求めることができる。
農林水産大臣又は経済産業大臣は、前項の規定により税関長から意見を求められたときは、その求めがあつた日から起算して三十日以内に、書面により意見を述べなければならない。
税関長は、第1項の規定により意見を求めたときは、認定手続に係る育成者権者又は不正競争差止請求権者及び当該認定手続に係る貨物を輸入しようとする者に対し、その旨を通知しなければならない。
税関長は、第2項の規定による意見が述べられたときは、前項の育成者権者又は不正競争差止請求権者及び当該認定手続に係る貨物を輸入しようとする者に対し、その旨及びその内容を通知しなければならない。
税関長は、第1項の規定により農林水産大臣又は経済産業大臣の意見を求めた場合において、その求めに係る第2項の規定による意見が述べられる前にその求めに係る貨物が育成者権を侵害する貨物若しくは第69条の11第1項第10号に掲げる貨物に該当すると認定したとき若しくは該当しないと認定したとき、又は第69条の12第6項若しくは第69条の15第10項(輸入差止申立てに係る供託等)の規定により当該貨物について認定手続を取りやめたときは、その旨を農林水産大臣又は経済産業大臣に通知するものとする。この場合においては、農林水産大臣又は経済産業大臣は、第2項の規定による意見を述べることを要しない。
第69条の19
【輸入してはならない貨物に係る認定手続における専門委員への意見の求め】
税関長は、第69条の11第1項第9号(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物(育成者権を侵害する貨物を除く。)に該当するか否かについての認定手続において、第69条の12第1項(輸入してはならない貨物に係る認定手続)の規定による認定をするために必要があると認めるときは、知的財産権に関し学識経験を有する者であつてその認定手続に係る事案の当事者と特別の利害関係を有しないものを専門委員として委嘱し、政令で定めるところにより、当該専門委員に対し、当該認定のための参考となるべき意見を求めることができる。ただし、技術的範囲等については、この限りでない。
第69条の20
【輸入してはならない貨物に係る認定手続を取りやめることの求め等】
第69条の13第1項(輸入してはならない貨物に係る申立て手続等)の規定による申立てが受理された特許権者、実用新案権者又は意匠権者(以下この条において「申立特許権者等」という。)の申立てに係る貨物について認定手続が執られたときは、当該貨物を輸入しようとする者は、政令で定めるところにより、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める日後は、当該認定手続が執られている間に限り、税関長に対し、当該認定手続を取りやめることを求めることができる。
第69条の17第1項(輸入してはならない貨物に係る意見を聴くことの求め等)の規定により十日経過日までの期間を延長する旨の通知を受けた場合 二十日経過日(同条第5項同条第10項において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定により特許庁長官の意見を求めた旨の通知を受けたときは、二十日経過日とその求めに係る同条第6項同条第10項において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定による通知を受けた日から起算して十日を経過する日とのいずれか遅い日)
前号に掲げる場合以外の場合 十日経過日(第69条の17第5項の規定により特許庁長官の意見を求めた旨の通知を受けたときは、十日経過日とその求めに係る同条第6項の規定による通知を受けた日から起算して十日を経過する日とのいずれか遅い日)
税関長は、申立特許権者等の申立てに係る貨物について認定手続を執つたときは、十日経過日前に、当該貨物を輸入しようとする者に対し、通知日を通知しなければならない。
税関長は、第1項の規定により認定手続を取りやめることの求めがあつたときは、当該認定手続に係る申立てをした申立特許権者等に対し、その旨を通知するとともに、当該求めをした者(以下この条において「請求者」という。)に対し、期限を定めて、当該認定手続に係る貨物が輸入されることにより当該申立特許権者等が被るおそれがある損害の賠償を担保するために相当と認める額の金銭をその指定する供託所に供託すべき旨を命じなければならない。
前項の規定により供託する金銭は、国債、地方債その他の有価証券で税関長が確実と認めるものをもつてこれに代えることができる。
第3項の規定による命令によりされた供託に係る税関長に対する手続に関し必要な事項は、政令で定める。
請求者は、政令で定めるところにより、第3項に規定する損害の賠償に充てるものとして所要の金銭が当該請求者のために支払われる旨の契約を締結し、同項の規定により定められた期限までにその旨を税関長に届け出たときは、当該契約の効力の存する間、同項の金銭の全部又は一部の供託をしないことができる。
第3項の申立特許権者等は、請求者に対する同項に規定する損害に係る賠償請求権に関し、同項の規定により供託された金銭(第4項の規定による有価証券を含む。第9項から第11項までにおいて同じ。)について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
前項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。
第3項の規定により金銭を供託した請求者は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなつたときは、その供託した金銭を取り戻すことができる。
第12項の申立特許権者等が当該供託した金銭の取戻しに同意したこと、第3項に規定する損害に係る賠償請求権が時効により消滅したことその他同項に規定する損害の賠償を担保する必要がなくなつたことを税関長に証明し、その確認を受けた場合
第6項の契約を締結して、政令で定めるところにより、税関長の承認を受けた場合
供託した有価証券が償還を受けることとなつたことその他の事由により現に供託されている供託物に代えて他の供託物を供託することについて、政令で定めるところにより、税関長の承認を受けた場合
前三号に掲げるもののほか、第12項の申立特許権者等が同項の規定による通知を受けた日から起算して三十日以内に第3項に規定する損害の賠償を求める訴えの提起をしなかつた場合
10
前項の規定による供託した金銭の取戻しに関し必要な事項は、法務省令・財務省令で定める。
11
税関長は、第3項の規定により供託すべき旨を命じられた者が、同項の規定により定められた期限までにその供託を命じられた金銭の全部について、供託をし、又は第6項の規定による契約の締結の届出をしたときは、その供託を命じられる原因となつた貨物について認定手続を取りやめるものとする。
12
税関長は、前項の規定により認定手続を取りやめたときは、当該認定手続に係る貨物を輸入しようとする者及び当該認定手続に係る申立てをした申立特許権者等に対し、その旨を通知しなければならない。
第3款
専門委員
第69条の21
【専門委員】
第69条の5(輸出差止申立てにおける専門委員への意見の求め)及び第69条の9(輸出してはならない貨物に係る認定手続における専門委員への意見の求め)並びに第69条の14(輸入差止申立てにおける専門委員への意見の求め)及び第69条の19(輸入してはならない貨物に係る認定手続における専門委員への意見の求め)の規定により税関長から意見を求められた専門委員は、その意見を求められた事案に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。専門委員でなくなつた後においても、同様とする。
専門委員の委嘱その他専門委員に関し必要な事項は、政令で定める。
参照条文
第5節
輸出又は輸入に関する証明等
第70条
【証明又は確認】
他の法令の規定により輸出又は輸入に関して許可、承認その他の行政機関の処分又はこれに準ずるもの(以下この項において「許可、承認等」という。)を必要とする貨物については、輸出申告又は輸入申告の際、当該許可、承認等を受けている旨を税関に証明しなければならない。
他の法令の規定により輸出又は輸入に関して検査又は条件の具備を必要とする貨物については、第67条(輸出又は輸入の許可)の検査その他輸出申告又は輸入申告に係る税関の審査の際、当該法令の規定による検査の完了又は条件の具備を税関に証明し、その確認を受けなければならない。
第1項の証明がされず、又は前項の確認を受けられない貨物については、輸出又は輸入を許可しない。
第71条
【原産地を偽つた表示等がされている貨物の輸入】
原産地について直接若しくは間接に偽つた表示又は誤認を生じさせる表示がされている外国貨物については、輸入を許可しない。
税関長は、前項の外国貨物については、その原産地について偽つた表示又は誤認を生じさせる表示がある旨を輸入申告をした者に、直ちに通知し、期間を指定して、その者の選択により、その表示を消させ、若しくは訂正させ、又は当該貨物を積みもどさせなければならない。
第6節
輸入の許可及び輸入貨物の引取り等
第72条
【関税等の納付と輸入の許可】
関税を納付すべき外国貨物については、特例申告貨物が輸入される場合(第7条の8第1項(担保の提供)の規定により担保の提供を命ぜられた場合において当該担保が提供されていないときを除く。)又は第9条の2第1項若しくは第2項(納期限の延長)の規定により関税を納付すべき期限が延長される場合を除き、関税(過少申告加算税及び第12条の4第1項(重加算税)の規定により課される重加算税を除く。)が納付された後(第10条第2項(担保を提供した場合の充当又は徴収)の規定により担保として提供された金銭又は金銭以外の担保物の公売の代金をもつて関税に充てる場合においては、その手続が完了した後とし、関税定率法第7条第10項(相殺関税)又は第8条第9項第2号若しくは第18項(不当廉売関税)の規定により担保の提供を命ぜられた場合においては、当該担保が提供され、かつ、同法別表の税率による関税が納付された後とする。)でなければ、輸入を許可しない。外国貨物に係る内国消費税及び地方消費税(これらに係る過少申告加算税及び当該過少申告加算税に代えて課される重加算税を除く。)の納付についても、その納期限が延長される場合その他政令で定める場合を除き、また同様とする。
第73条
【輸入の許可前における貨物の引取り】
外国貨物(特例申告貨物を除く。)を輸入申告の後輸入の許可前に引き取ろうとする者は、関税額(過少申告加算税及び第12条の4第1項(重加算税)の規定により課される重加算税に相当する額を除く。)に相当する担保を提供して税関長の承認を受けなければならない。
輸入の許可を与えることができない場合(前条の規定による場合を除く。)においては、税関長は、前項の承認をしてはならない。
第1項の承認を受けた外国貨物は、この法律の適用については、第4条(課税物件の確定の時期)、第5条(適用法令)、前条第105条(税関職員の権限)及び第106条(特別の場合における税関長の権限)を除くほか、内国貨物とみなす。
第73条の2
【輸出を許可された貨物とみなすもの】
第76条第5項(郵便物の輸出入の簡易手続)の規定により通知された郵便物(輸出されるものに限る。)は、この法律の適用については、輸出を許可された貨物とみなす。
第74条
【輸入を許可された貨物とみなすもの】
外国貨物で、日本郵便株式会社から交付された郵便物(政令で定めるものを除く。)若しくは民間事業者による信書の送達に関する法律第3条各号(郵便法の適用除外)に掲げる場合に該当して信書便物の送達を行う者から交付された信書、第62条の6第1項(許可の期間満了後保税展示場にある外国貨物についての関税の徴収)の規定により関税が徴収されたもの、第69条の2第2項(輸出してはならない貨物)、第69条の11第2項(輸入してはならない貨物)若しくは第118条第1項(没収)の規定により没収されたもの、第84条第1項から第3項まで(収容貨物の公売又は売却)(第88条(留置貨物)及び第133条第3項(領置物件又は差押物件)において準用する場合を含む。)若しくは第133条第2項(領置物件又は差押物件の公売)の規定により公売に付され、若しくは随意契約により売却されて買受人が買い受けたもの、第134条第3項(領置物件又は差押物件の帰属)の規定により国庫に帰属したもの、第138条第1項(通告処分)の規定により納付されたもの、刑事訴訟法の規定により売却され、没収が執行され、若しくは国庫に帰属したもの又は銃砲刀剣類所持等取締法の規定により売却され、若しくは国庫に帰属したものその他これらに類するもので政令で定めるものは、この法律の適用については、輸入を許可された貨物とみなす。
第7節
外国貨物の積戻し
第75条
【外国貨物の積戻し】
本邦から外国に向けて行う外国貨物(仮に陸揚げされた貨物(外国為替及び外国貿易法第48条第1項(輸出の許可等)の規定による許可を受けなければならないものを除く。第108条の4第1項及び第2項並びに第111条第1項第1号において同じ。)を除く。)の積戻しには、第67条(輸出又は輸入の許可)、第67条の2第1項(輸出申告又は輸入申告の手続)、第68条から第69条の10まで(輸出申告又は輸入申告に際しての提出書類・貨物の検査場所・輸出してはならない貨物・輸出してはならない貨物に係る認定手続・輸出してはならない貨物に係る申立て手続等・輸出差止申立てにおける専門委員への意見の求め・輸出差止申立てに係る供託等・輸出してはならない貨物に係る意見を聴くことの求め等・輸出してはならない貨物に係る認定手続における農林水産大臣等への意見の求め・輸出してはならない貨物に係る認定手続における専門委員への意見の求め・輸出してはならない貨物に係る認定手続を取りやめることの求め等)及び第70条(証明又は確認)の規定を準用する。この場合において、第69条の2第1項中「貨物」とあるのは「貨物(第69条の11第2項の規定により積戻しを命じられたものを除く。)」と、同項第3号及び第4号中「物品」とあるのは「物品(他の法令の規定により積み戻すことができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより積み戻すものを除く。)」とする。
第8節
郵便物等に関する特則
第76条
【郵便物の輸出入の簡易手続】
郵便物(その価格(輸入されるものについては、課税標準となるべき価格)が二十万円を超えるもの(寄贈物品であるものその他の政令で定めるものを除く。)及び第3項の政令で定める場合に係るものを除く。以下この項、第94条及び第114条の2第9号において同じ。)については、第67条から第69条まで(輸出又は輸入の許可・輸出申告又は輸入申告の手続・輸出申告の特例・輸出の許可の取消し・特例輸出貨物の亡失等の届出・承認の要件・規則等に関する改善措置・帳簿の備付け等・輸出申告の特例の適用を受ける必要がなくなつた旨の届出・承認の失効・承認の取消し・許可の承継についての規定の準用・製造者の認定・規則等に関する改善措置・認定製造者の認定を受けている必要がなくなつた旨の届出・認定の失効・認定の取消し・許可の承継についての規定の準用・輸出申告又は輸入申告に際しての提出書類・貨物の検査場所)及び第70条から第73条まで(証明又は確認・原産地を偽つた表示等がされている貨物の輸入・関税等の納付と輸入の許可・輸入の許可前における貨物の引取り)の規定は適用せず、前条中「仮に陸揚げされた貨物(外国為替及び外国貿易法第48条第1項(輸出の許可等)の規定による許可を受けなければならないものを除く。第108条の4第1項及び第2項並びに第111条第1項第1号において同じ。)を除く」とあるのは、「外国為替及び外国貿易法第48条第1項(輸出の許可等)の規定による許可を受けなければならないものに限る」と読み替えて、同条の規定を適用する。ただし、税関長は、輸出され、又は輸入される郵便物中にある信書以外の物について、政令で定めるところにより、税関職員に必要な検査をさせるものとする。
税関職員は、前項ただし書の検査をするに際しては、信書の秘密を侵してはならない。
日本郵便株式会社は、輸出され、又は輸入される郵便物(信書のみを内容とするものを除く。)を受け取つたときは、当該郵便物を輸出し、又は輸入しようとする者から当該郵便物につき第67条の申告を行う旨の申し出があつた場合その他の政令で定める場合を除き、当該郵便物を税関長に提示しなければならない。
第70条の規定は、第1項ただし書の規定により検査を受ける郵便物について準用する。この場合において、同条第1項中「輸出申告又は輸入申告」とあり、又は同条第2項中「第67条(輸出又は輸入の許可)の検査その他輸出申告又は輸入申告に係る税関の審査」とあるのは、「第76条第1項ただし書の検査その他郵便物に係る税関の審査」と、同条第3項中「輸出又は輸入を許可しない。」とあるのは「日本郵便株式会社は、その郵便物を発送し、又は名宛人に交付しない。」と読み替えるものとする。
税関長は、第1項ただし書の検査が終了したとき又は当該検査の必要がないと認めるときは、日本郵便株式会社にその旨を通知しなければならない。
第76条の2
【交付前郵便物に係る関税の徴収】
前条第5項の規定による通知に係る郵便物(輸入されるものに限る。)であつて名宛人に交付される前のもの(以下この条において「交付前郵便物」という。)が亡失し、又は滅却されたときは、日本郵便株式会社から、直ちにその関税を徴収する。ただし、交付前郵便物が災害その他やむを得ない事情により亡失した場合又はあらかじめ税関長の承認を受けて滅却された場合は、この限りでない。
第45条第2項(許可を受けた者の関税の納付義務等)の規定は、前項ただし書の承認について準用する。
交付前郵便物が亡失した場合には、日本郵便株式会社は、政令で定めるところにより、直ちにその旨を税関長に届け出なければならない。
第77条
【郵便物の関税の納付等】
関税を納付すべき物を内容とする郵便物(賦課課税方式が適用されるものに限る。以下この条から第77条の3まで及び第78条において同じ。)があるときは、税関長は、当該郵便物に係る関税の課税標準及び税額を、書面により、日本郵便株式会社を経て当該郵便物の名宛人に通知しなければならない。
日本郵便株式会社は、前項の郵便物を交付する前に、同項の書面を名宛人に送達しなければならない。
前項の郵便物を受け取ろうとする者は、当該郵便物を受け取る前に、同項の書面に記載された税額に相当する関税を納付し、又は次条第1項の規定によりその関税の納付を日本郵便株式会社に委託しなければならない。ただし、当該郵便物を受け取ろうとする者が、当該郵便物につき第63条第1項(保税運送)の承認を受け、その承認に係る書類を日本郵便株式会社に提示して当該郵便物を受け取るときは、この限りでない。
前項の規定により関税を納付しようとする者は、その税額に相当する金銭に納付書を添えて、これを日本銀行(国税の収納を行う代理店を含む。)に納付しなければならない。ただし、証券をもつてする歳入納付に関する法律の定めるところにより、証券で納付することを妨げない。
第1項の郵便物の名宛人が第3項の規定により当該郵便物に係る関税を納付し、又は次条第1項の規定により当該郵便物に係る関税に相当する額の金銭を日本郵便株式会社に交付した場合には、当該郵便物に係る第1項の書面は、第8条第4項(賦課決定)に規定する賦課決定通知書とみなす。
第1項の郵便物の名あて人は、政令で定めるところによりあらかじめ税関長の承認を受けた場合には、当該郵便物に係る関税の課税標準及び税額についての決定がされる前に当該郵便物を受け取ることができる。この場合において、税関長は、当該課税標準及び税額の決定をすることができることとなつたときは、遅滞なく、第8条第1項(賦課決定)の規定による決定をするとともに、第9条の3第1項(納税の告知)の規定による納税の告知をしなければならない。
税関長は、前項の承認をする場合において、必要があると認めるときは、関税額に相当する担保を提供させることができる。
第6項の承認を受けて受け取られた郵便物は、この法律の適用については、第4条(課税物件の確定の時期)及び第5条(適用法令)を除くほか、内国貨物とみなす。
第77条の2
【郵便物に係る関税の納付委託】
郵便物に係る関税を納付しようとする者は、前条第1項の書面に記載された税額に相当する金銭に同条第4項の納付書を添えて、これを日本郵便株式会社に交付し、その納付を委託することができる。
郵便物に係る関税を納付しようとする者が、前項の規定により納付しようとする税額に相当する金銭を日本郵便株式会社に交付したときは、当該交付した日に当該関税の納付があつたものとみなして、第12条(延滞税)の規定を適用する。
第77条の3
【日本郵便株式会社による関税の納付等】
日本郵便株式会社は、前条第1項の規定により郵便物に係る関税を納付しようとする者の委託に基づき当該関税の額に相当する金銭の交付を受けたときは、政令で定める日までに、当該委託を受けた関税の額に相当する金銭に納付書を添えて、これを日本銀行(国税の収納を行う代理店を含む。)に納付しなければならない。ただし、証券をもつてする歳入納付に関する法律の定めるところにより、証券で納付することを妨げない。
日本郵便株式会社は、前条第1項の規定により郵便物に係る関税を納付しようとする者の委託に基づき当該関税の額に相当する金銭の交付を受けたときは、遅滞なく、財務省令で定めるところにより、その旨及び交付を受けた年月日を税関長に報告しなければならない。
日本郵便株式会社が第1項の関税を同項に規定する政令で定める日までに完納しないときは、税関長は、国税の保証人に関する徴収の例によりその関税を日本郵便株式会社から徴収する。
税関長は、第1項の規定により日本郵便株式会社が納付すべき関税については、日本郵便株式会社に対して前項の規定によりその例によるものとされる国税通則法第40条(滞納処分)の規定による処分をしてもなお徴収すべき残余がある場合でなければ、その残余の額について当該関税に係る前条第1項の規定による委託をした者から徴収することができない。
税関長は、第2項の規定による報告があつた場合において必要があると認めるときは、日本郵便株式会社に対し、当該報告に係る郵便物に係る関税の額に相当する担保を提供させることができる。
第77条の4
【帳簿の備付け】
日本郵便株式会社は、政令で定めるところにより、第77条の2第1項(郵便物に係る関税の納付委託)の規定により委託を受けた関税の納付に関する事務に係る事項を記載した帳簿を備え付け、かつ、当該帳簿を保存しなければならない。
第77条の5
【違法行為等の是正】
税関長は、日本郵便株式会社が第77条の3第2項(日本郵便株式会社による関税の納付等)若しくは前条の規定に違反し、又は違反するおそれがあると認めるときは、日本郵便株式会社に対し、当該行為の是正のため必要な措置を講ずることを求めることができる。
日本郵便株式会社は、前項の規定による税関長の求めがあつたときは、遅滞なく当該行為の是正その他の必要と認める措置を講ずるとともに、当該措置の内容を税関長に報告しなければならない。
第78条
【原産地を偽つた表示等がされている郵便物】
輸入される郵便物中にある信書以外の物にその原産地について直接若しくは間接に偽つた表示又は誤認を生じさせる表示がされているときは、税関長は、その旨を日本郵便株式会社に通知しなければならない。
日本郵便株式会社は、前項の通知を受けたときは、名宛人に、その選択により、同項の表示を消させ、又は訂正させなければならない。
名宛人が第1項の表示を消し、又は訂正しないときは、日本郵便株式会社は、その郵便物を交付してはならない。
参照条文
第78条の2
【郵便物に係る輸出又は輸入の許可の取消し】
日本郵便株式会社は、輸出の許可を受けた郵便物であつて輸出されていないものについて、差出人から当該郵便物を取り戻す旨の請求があつた場合その他の政令で定める場合には、直ちにその旨を税関長に通知するとともに、当該郵便物を当該輸出の許可を受けた際(第73条の2(輸出を許可された貨物とみなすもの)の規定により当該許可を受けたものとみなされる場合にあつては、第76条第5項(郵便物の輸出入の簡易手続)の規定により通知された際)に入れられていた保税地域に入れなければならない。
税関長は、前項の規定による通知を受けた場合において、同項の郵便物が同項の保税地域に入れられたときは、当該郵便物の輸出の許可を取り消さなければならない。
税関長は、前項の規定により輸出の許可を取り消したときは、第1項の差出人に対し、その旨を通知しなければならない。
前三項の規定は、輸入の許可を受けた郵便物であつて当該郵便物の名あて人に交付されていないものについて準用する。この場合において、第1項中「当該輸出の許可を受けた際(第73条の2(輸出を許可された貨物とみなすもの)の規定により当該許可を受けたものとみなされる場合にあつては、第76条第5項(郵便物の輸出入の簡易手続)の規定により通知された際)」とあるのは「当該輸入の許可を受けた際」と、前項中「第1項の差出人」とあるのは「当該郵便物の名あて人」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第78条の3
【信書等に係る郵便物についての規定の準用】
第76条第1項本文(郵便物の輸出入の簡易手続)の規定は郵便物に該当しない信書について、同条第2項の規定はこの法律の規定に基づき信書便物の検査をする場合について、それぞれ準用する。
参照条文
第6章の2
認定通関業者
第79条
【通関業者の認定】
通関業者は、申請により、通関業務その他の輸出及び輸入に関する業務を適正かつ確実に遂行することができるものと認められる旨の税関長の認定を受けることができる。
前項の認定を受けようとする者は、その住所又は居所及び氏名又は名称その他必要な事項を記載した申請書を税関長に提出しなければならない。
税関長は、第1項の規定による認定の申請が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。
認定を受けようとする者が次のいずれにも該当しないこと。
第79条の5第1項(認定の取消し)の規定により第1項の認定を取り消された日から三年を経過していない者であること。
現に受けている通関業法第3条第1項(通関業の許可)の許可について、その許可の日(二以上の許可を受けている場合にあつては、これらのうち最初に受けた許可の日)から三年を経過していない者であること。
通関業法第5条第1号第2号又は第4号(許可の基準)に掲げる基準に適合していない者であること。
通関業法第6条第1号第3号から第5号まで又は第8号(欠格事由)のいずれかに該当している者であること。
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法第204条(傷害)、第206条(現場助勢)、第208条(暴行)、第208条の3第1項(凶器準備集合及び結集)、第222条(脅迫)若しくは第247条(背任)の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過していない者であること。
暴力団員等であること。
その業務についてホ若しくはヘに該当する者を役員とする法人であること又はその者を代理人、使用人その他の従業者として使用する者であること。
暴力団員等によりその事業活動を支配されている者であること。
認定を受けようとする者が、通関手続を電子情報処理組織を使用して行うことその他輸出及び輸入に関する業務を財務省令で定める基準に従つて遂行することができる能力を有していること。
認定を受けようとする者が、輸出及び輸入に関する業務について、その者(その者が法人である場合においては、その役員を含む。)又はその代理人、支配人その他の従業者がこの法律その他の法令の規定を遵守するための事項として財務省令で定める事項を規定した規則を定めていること。
税関長は、第1項の認定をしたときは、直ちにその旨を公告しなければならない。
第2項の申請書の提出その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第79条の2
【規則等に関する改善措置】
税関長は、前条第1項の認定を受けた者(次条及び第79条の5第1項において「認定通関業者」という。)がこの法律の規定に従つて輸出及び輸入に関する業務を行わなかつたことその他の事由により、この法律の実施を確保するため必要があると認めるときは、前条第3項第3号に規定する規則若しくは当該規則に定められた事項に係る業務の遂行の改善に必要な措置を講ずること又は同号に規定する規則を新たに定めることを求めることができる。
第79条の3
【認定通関業者の認定を受けている必要がなくなつた旨の届出】
認定通関業者は、第79条第1項(通関業者の認定)の認定を受けている必要がなくなつたときは、政令で定めるところにより、その旨を同項の認定をした税関長に届け出ることができる。
第79条の4
【認定の失効】
第79条第1項(通関業者の認定)の認定は、次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その効力を失う。
前条の規定による届出があつたとき。
通関業法第10条第1項(許可の消滅)の規定により通関業の許可(二以上の許可を受けている場合にあつては、そのすべての許可。次号において同じ。)が消滅したとき。
通関業法第11条第1項(許可の取消し)の規定により通関業の許可が取り消されたとき。
税関長が認定を取り消したとき。
第79条第1項の認定が失効したときは、税関長は、直ちにその旨を公告しなければならない。
第79条第1項の認定が失効した場合において、現に進行中の通関手続(特例申告(特例委託輸入者に係るものに限る。)又は特定委託輸出申告に係るものに限る。以下この項において同じ。)があるときは、当該通関手続については、当該認定を受けていた者又はその相続人(認定を受けていた法人が合併により消滅した場合においては、合併後存続する法人又は合併により設立された法人)が引き続き当該認定を受けているものとみなす。
第79条の5
【認定の取消し】
税関長は、認定通関業者が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、第79条第1項(通関業者の認定)の認定を取り消すことができる。
第79条第3項第1号ハからチまでに該当することとなつたとき又は同項第2号に適合しないこととなつたとき。
第79条の2(規則等に関する改善措置)の規定による税関長の求めに応じなかつたとき。
前項の規定による認定の取消しの手続その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第7章
収容及び留置
第80条
【貨物の収容】
税関長は、保税地域の利用についてその障害を除き、又は関税の徴収を確保するため、次に掲げる貨物を収容することができる。この場合においては、国は、故意又は過失により損害を与えた場合を除くほか、その危険を負担しない。
指定保税地域にある外国貨物で、当該指定保税地域に入れた日から一月を経過したもの
保税蔵置場にある外国貨物で、第43条の2(外国貨物を置くことができる期間)に規定する期間を経過したもの
保税工場にある外国貨物で、第57条(外国貨物を置くことができる期間)に規定する期間を経過したもの
③の2
総合保税地域にある外国貨物で、第62条の9(外国貨物を置くことができる期間)に規定する期間を経過したもの
③の3
保税蔵置場、保税工場又は総合保税地域にある外国貨物で、第43条の3第1項(外国貨物を置くことの承認)(第61条の4において準用する場合を含む。)又は第62条の10(外国貨物を置くこと等の承認)の規定による承認を受けることなく、これらの規定に規定する期間を経過したもの
第41条(指定の取消し後における外国貨物)又は第47条第3項(許可の失効)(第61条の4第62条の7及び第62条の15において準用する場合を含む。)の規定により指定保税地域又は保税蔵置場、保税工場、保税展示場若しくは総合保税地域とみなされた場所にある外国貨物で、これらの規定により税関長が指定する期間を経過したもの
第30条第1項第2号(外国貨物を置く場所の制限)の規定により許可を受け、指定された場所にある外国貨物で、同号の規定により指定された期間を経過したもの
保税地域にある貨物のうち、第106条第1号(特別の場合における税関長の権限)の規定により当該保税地域から出すことを命ぜられたもので、同号の規定により税関長が指定した期間を経過したもの
第83条第1項(収容の解除)の規定による承認を受け、その際置かれていた場所にある貨物で、その承認の日から三日(その期間中に行政機関の休日がある場合においては、その行政機関の休日を除く。)を経過したもの(次条第3項ただし書の規定により保管された外国貨物で、第67条(輸出又は輸入の許可)の許可又は第73条第1項(輸入の許可前における貨物の引取り)の承認を受けたものを除く。)
前項各号に掲げる貨物が生活力を有する動植物であるとき、腐敗し、若しくは変質したとき、腐敗若しくは変質の虞があるとき、又は他の外国貨物を害する虞があるときは、同項各号に掲げる期間は、短縮することができる。
税関長は、第1項又は前項の規定により貨物を収容したときは、政令で定めるところにより、直ちにその旨を公告しなければならない。この場合において、前項の規定による期間の短縮があるときは、税関長は、収容された貨物の知れている所有者、管理者その他の利害関係者にその旨を通知しなければならない。
第80条の2
【収容の方法】
収容は、税関が貨物を占有して行うものとする。
収容される貨物の質権者又は留置権者は、他の法令の規定にかかわらず、その貨物を税関に引き渡さなければならない。
収容された貨物は、税関が管理する場所に保管する。ただし、その場所に保管することが困難又は不適当であると認められる貨物については、その貨物が置かれている場所の管理者の承諾を得て、その者に保管させることができる。この場合においては、税関は、封印その他の方法でその貨物が収容されたものであることを明らかにしなければならない。
第81条
【収容の効力】
収容の効力は、収容された貨物から生ずる天然の果実に及ぶものとする。
収容は、裁判上の仮差押又は仮処分によつてその執行を妨げられない。
参照条文
第82条
【収容課金】
収容された貨物については、貨物の種類、容積又は重量及び収容期間を基準として政令で定める額の収容課金を課する。
第83条
【収容の解除】
収容された貨物についてその解除を受けようとする者は、政令で定めるところにより、収容に要した費用及び収容課金を税関に納付して税関長の承認を受けなければならない。
税関長は、収容された貨物の引取が確実であると認められるときは、前項の承認をしなければならない。
第84条
【収容貨物の公売又は売却等】
収容された貨物が最初に収容された日から四月を経過してなお収容されているときは、税関長は、政令で定めるところにより、公告した後当該貨物を公売に付することができる。この場合において、公売に付される貨物について次項の規定による期間の短縮があるときは、第80条第3項後段(貨物の収容)の規定を準用する。
収容された貨物が生活力を有する動植物であるとき、腐敗し、若しくは変質したとき、腐敗若しくは変質の虞があるとき、又は他の外国貨物を害する虞があるときは、前項の期間は、短縮することができる。
税関長は、収容された貨物が公売に付することができないものであるとき、又は公売に付された場合において買受人がないときは、政令で定めるところにより、これを随意契約により売却することができる。
第1項若しくは第2項又は前項の規定により第71条第1項(原産地を偽つた表示等がされている貨物)の貨物を公売に付し、又は随意契約により売却する場合においては、税関は、原産地について偽つた表示又は誤認を生じさせる表示を消さなければならない。
税関長は、収容された貨物のうち人の生命若しくは財産を害する急迫した危険を生ずる虞があるもの又は腐敗、変質その他やむを得ない理由により著しく価値が減少したもので買受人がないものを廃棄することができる。
第81条第2項(収容と仮差押又は仮処分)の規定は、第1項若しくは第2項又は第3項の規定による公売又は随意契約による売却について準用する。
第85条
【公売代金等の充当及び供託】
前条第1項若しくは第2項又は第3項の規定により貨物を公売に付し、又は随意契約により売却した場合には、当該貨物に係る関税その他の国税を直ちに徴収する。この場合においては、政令で定めるところにより、その代金をもつて公売又は随意契約による売却に要した費用、収容に要した費用、収容課金、関税及びその他の国税に、順次に充て、なお残金があるときは、公売又は随意契約による売却の際における当該貨物の所有者にこれを交付する。
前項の残金がある場合において、公売に付し、又は随意契約により売却した貨物について、その収容の際質権又は留置権を有していた者があるときは、同項の規定によりその残金を所有者に交付するに先だつて、当該質権又は留置権により担保されていた債権の額に達するまでの金額を、当該質権又は留置権を有していた者に交付する。
前二項の規定により交付すべき金額は、政令で定めるところにより供託することができる。
第86条
【旅客等の携帯品の留置】
旅客又は乗組員の携帯品が第70条第3項(証明又は確認ができない貨物)の規定に該当する貨物であるときは、税関長は、留置証と引換にこれを留置することができる。
前項の規定により留置された貨物の返還を受けようとする者は、その留置に要した費用を税関に納付しなければならない。
第87条
【原産地を偽つた表示等がされている貨物の留置】
税関長は、第71条第1項(原産地を偽つた表示等がされている貨物)の貨物について当該貨物の輸入申告をした者が同条第2項の規定により指定された期間内に原産地について偽つた表示又は誤認を生じさせる表示を消し、若しくは訂正し、又は当該貨物を積みもどさないときは、これを留置する。
前項の規定により留置された貨物は、政令で定めるところにより、原産地について偽つた表示又は誤認を生じさせる表示が消され、若しくは訂正され、又は当該貨物が積みもどされると認められる場合に限り返還する。
前条第2項の規定は、前項の返還について準用する。
参照条文
第88条
【収容についての規定の準用】
第80条第1項後段(貨物の収容)、第80条の2(収容の方法)、第81条(収容の効力)、第84条(収容貨物の公売又は売却等)及び第85条(公売代金等の充当及び供託)の規定は、前二条の留置について準用する。
第7章の2
行政手続法との関係
第88条の2
【行政手続法の適用除外】
行政手続法第3条第1項(適用除外)及び第4条第1項(国の機関等に対する処分等の適用除外)に定めるもののほか、この法律又は他の関税に関する法律に基づき行われる処分その他公権力の行使に当たる行為(第71条第2項(原産地を偽つた表示等がされている貨物の輸入)の規定に基づくものを除く。)については、行政手続法第2章(申請に対する処分)(第8条(理由の提示)を除く。)及び第3章(不利益処分)(第14条(不利益処分の理由の提示)を除く。)の規定は、適用しない。
行政手続法第3条第1項及び第35条第3項(行政指導の方式)に定めるもののほか、この法律又は他の関税に関する法律に基づく関税の納税義務の適正な実現を図るために行われる行政指導(行政手続法第2条第6号(定義)に規定する行政指導をいう。)については、行政手続法第35条第2項及び第36条(複数の者を対象とする行政指導)の規定は、適用しない。
第8章
不服申立て
第89条
【異議申立て】
この法律又は他の関税に関する法律の規定による税関長の処分に不服がある者は、異議申立てをすることができる。
前項の異議申立てに関する行政不服審査法第45条の期間は、処分があつたことを知つた日の翌日から起算して二月以内とする。
この法律又は他の関税に関する法律の規定による税関職員の処分は、第1項の規定の適用に関しては、当該職員の属する税関の税関長がした処分とみなす。
第90条
【審査請求期間】
前条第1項に規定する処分について異議申立てをした場合における当該処分についての審査請求に関する行政不服審査法第14条第1項本文の期間は、当該異議申立てについての決定があつたことを知つた日の翌日から起算して一月以内とする。
第91条
【審議会等への諮問】
次に掲げる処分又は通知について審査請求があつたときは、財務大臣は、審議会等(国家行政組織法第8条(審議会等)に規定する機関をいう。)で政令で定めるものに諮問しなければならない。
関税の確定若しくは徴収に関する処分又は滞納処分(国税徴収の例により関税を徴収する場合における滞納処分をいう。)
第69条の2第3項(輸出してはならない貨物)又は第69条の11第3項(輸入してはならない貨物)の規定による通知
第69条の3第1項(輸出してはならない貨物に係る認定手続)若しくは第69条の12第1項(輸入してはならない貨物に係る認定手続)の規定による認定又は第69条の4第1項(輸出してはならない貨物に係る申立て手続等)若しくは第69条の13第1項(輸入してはならない貨物に係る申立て手続等)の規定による申立ての受理若しくは第69条の4第2項若しくは第69条の13第2項の規定により当該受理をしないこと。
第92条
削除
第93条
【審査請求と訴訟との関係】
第91条第1号(審議会等への諮問)に掲げる処分又は同条第2号に掲げる通知の取消しの訴えは、当該処分又は通知についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができない。
参照条文
第9章
雑則
第94条
【帳簿の備付け等】
申告納税方式が適用される貨物(特例輸入者の特例申告貨物を除く。第3項において「一般輸入貨物」という。)を業として輸入する者は、政令で定めるところにより、当該貨物の品名、数量及び価格その他の必要な事項を記載した帳簿を備え付け、かつ、当該帳簿及び当該貨物に係る取引に関して作成し又は受領した書類その他の書類で政令で定めるものを保存しなければならない。ただし、第68条(輸出申告又は輸入申告に際しての提出書類)の規定により税関に提出した書類については、この限りでない。
前項の規定は、貨物(本邦から出国する者がその出国の際に携帯して輸出する貨物及び郵便物並びに特定輸出貨物を除く。次項において「一般輸出貨物」という。)を業として輸出する者について準用する。
電子帳簿保存法第4条から第10条まで(国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等・国税関係帳簿書類の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存等・電磁的記録による保存等の承認の申請等・電磁的記録による保存等の承認に係る変更・電磁的記録による保存等の承認の取消し・電子計算機出力マイクロフィルムによる保存等の承認に対する準用・行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の適用除外・電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)並びに第11条第1項及び第2項(他の国税に関する法律の規定の適用)の規定は、一般輸入貨物を業として輸入する者又は一般輸出貨物を業として輸出する者について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
読み替える電子帳簿保存法の規定読み替えられる字句読み替える字句
第4条第1項国税関係帳簿の全部又は一部関税法第94条第1項(帳簿の備付け等)(同条第2項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により備付け及び保存をしなければならないこととされている帳簿(以下「関税関係帳簿」という。)
納税地等の所轄税務署長(財務省令で定める場合にあっては、納税地等の所轄税関長。以下「所轄税務署長等」という。)一般輸入貨物(同条第1項に規定する一般輸入貨物をいう。第10条において同じ。)の輸入予定地又は一般輸出貨物(同法第94条第2項に規定する一般輸出貨物をいう。第10条において同じ。)の輸出予定地を所轄する税関長(以下「所轄税関長」という。)
第10条所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者一般輸入貨物を業として輸入する者又は一般輸出貨物を業として輸出する者
第4条第2項国税関係書類の全部関税法第94条第1項の規定により保存をしなければならないこととされている書類(以下「関税関係書類」という。)の全部
第5条第1項国税関係帳簿の全部又は一部関税関係帳簿
第5条第3項国税関係帳簿書類の関税関係帳簿書類(関税関係帳簿又は関税関係書類をいう。以下同じ。)の
第6条第1項国税関係帳簿の備付けを開始する日(当該国税関係帳簿が二以上ある場合において、その備付けを開始する日が異なるときは、最初に到来する備付けを開始する日。第5項第1号において同じ。)関税関係帳簿の備付けを開始する日
国税関係帳簿の種類、当該国税関係帳簿関税関係帳簿
国税関係帳簿の全部又は一部関税関係帳簿
第6条第6項税務署長(以下この項において「所轄外税務署長」という。)税関長(以下この項において「所轄外税関長」という。)
第9条代える日(当該国税関係帳簿が二以上ある場合において、その代える日が異なるときは、最初に到来する代える日。第5項第1号において同じ。)代える日
第95条
【税関事務管理人】
個人である申告者等(税関関係手続を行うべき者をいう。以下この条において同じ。)が本邦に住所及び居所(事務所及び事業所を除く。)を有せず、若しくは有しないこととなる場合又は本邦に本店若しくは主たる事務所を有しない法人である申告者等が本邦にその事務所及び事業所を有せず、若しくは有しないこととなる場合において、税関関係手続及びこれに関する事項(以下この項及び第3項において「税関関係手続等」という。)を処理する必要があるときは、その者は、当該税関関係手続等を処理させるため、本邦に住所又は居所(法人にあつては、本店又は主たる事務所)を有する者で当該税関関係手続等の処理につき便宜を有するもののうちから税関事務管理人を定めなければならない。
申告者等は、前項の規定により税関事務管理人を定めたときは、政令で定めるところにより、当該税関事務管理人に係る税関関係手続に係る税関長にその旨を届け出なければならない。その税関事務管理人を解任したときも、また同様とする。
税関関係手続等を処理した税関事務管理人は、当該税関関係手続等に係る申告者等が第7条の9第1項及び第67条の8第1項(帳簿の備付け等)並びに前条第1項同条第2項において準用する場合を含む。)の規定により保存すべきこととされている帳簿書類について、税関長から提示を求められた場合には、当該税関長に当該帳簿書類を提示しなければならない。この場合において、当該申告者等は、当該税関事務管理人に対して、その提示のため必要な便宜を与えなければならない。
第1項及び第2項において「税関関係手続」とは、輸入申告その他この法律又は関税定率法その他の関税に関する法律の規定に基づく手続(本邦に入国する者又は本邦から出国する者がその入国又は出国の際に行うものその他政令で定めるものを除く。)をいう。
第96条
【開港及び税関空港の港域】
開港の港域は、政令で定めるものを除く外、港則法に基づく港の区域により、税関空港の港域は、政令で定めるところによる。
参照条文
第97条
【警察官等の通報】
警察官は、第20条第2項(不開港への出入)、第21条(外国貨物の仮陸揚)、第23条第2項ただし書(船用品又は機用品の積込み等)又は第64条第1項ただし書(難破貨物等の運送)の規定による届出を受理したときは、直ちにその旨を税関に通報しなければならない。
市町村長が、水難救護法の規定により公売し、売却を認可し、又は引き渡す場合、警察署長が、遺失物法又は銃砲刀剣類所持等取締法の規定により返還し、売却し、又は引き取らせる場合その他税関職員以外の公務員が物件を処分する場合において、その処分する物件中に外国貨物があるときは、あらかじめその旨を税関に通知しなければならない。
前項の場合においては、第118条第5項(犯罪貨物等についての関税の徴収)又は第134条第6項(領置物件等の換価代金からの徴収)の規定の適用がある場合のほか、前項の処分により外国貨物を取得する者(政令で定める者を除く。)から当該貨物に係る関税を直ちに徴収する。
前項の場合においては、同項の外国貨物が輸入されたことにより既に関税を納付すべきものであつたときにおいても、当該外国貨物が同項の処分をする者によつて占有された時以後は、当該外国貨物に係る関税は、同項の規定によつて徴収するものとする。この場合においては、当該外国貨物につき既に第7条の16第2項(決定)の規定による決定その他の関税の確定のための手続がされているときは、これらの手続は、なかつたものとみなす。
第98条
【開庁時間外の事務の執行の求め】
税関官署の開庁時間以外の時間において、税関の事務のうち政令で定めるものの執行を求めようとする者は、あらかじめその旨を税関長に届け出なければならない。
前項の場合において、税関長は、税関の事務の執行上支障がないと認めるときは、同項の届出に係る事務を執行するものとする。
第99条
【承認又は許可の基準】
第59条第2項(内国貨物の使用等)(第62条の15において準用する場合を含む。)、第63条第1項(保税運送)、第64条第1項(難破貨物等の運送)若しくは第66条第1項(内国貨物の運送)の承認又は第20条第1項(不開港への出入)、第24条(船舶又は航空機と陸地との交通等)、第30条第1項第2号(外国貨物を置く場所の制限)若しくは第32条(見本の一時持出)(第36条において準用する場合を含む。)の許可は、この法律の実施を確保する上に支障がないと認められるときは、しなければならない。
第100条
【手数料】
次の各号に掲げる許可を受ける者は、当該各号に定める事項を基準として政令で定める額の手数料を、政令で定めるところにより、税関に納付しなければならない。
第20条第1項(不開港への出入)の許可 外国貿易船の純トン数又は外国貿易機の自重
第42条第1項(保税蔵置場の許可)、第56条第1項(保税工場の許可)、第62条の2第1項(保税展示場の許可)又は第62条の8第1項(総合保税地域の許可)の許可 当該許可に係る保税蔵置場、保税工場、保税展示場又は総合保税地域の種別、延べ面積及び許可の期間並びに当該保税蔵置場、保税工場、保税展示場又は総合保税地域において行う税関の事務の種類
第69条第2項(貨物の検査場所)(第75条において準用する場合を含む。)の許可 当該許可に係る検査に要する時間
第101条
【手数料の軽減又は免除】
税関長は、指定保税地域の利用の増加を図り、又は貿易の振興若しくは国際的な文化の交流に資するため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、第42条第1項(保税蔵置場)、第56条第1項(保税工場)、第62条の2第1項(保税展示場)又は第62条の8第1項(総合保税地域)の許可を受けた者が前条の規定により納付すべき手数料を軽減し、又は免除することができる。
税関長は、第42条第1項第56条第1項第62条の2第1項又は第62条の8第1項の許可を受けた者が第46条(休業又は廃業の届出)(第61条の4第62条の7及び第62条の15において準用する場合を含む。)の規定により業務の休止を届け出たときは、政令で定めるところにより、前条の規定により納付すべき手数料を免除することができる。
税関長は、同一の外国貿易船が同一の不開港に一年を通じて四回以上入港する場合には、政令で定めるところにより、その四回目以後の入港に係る前条第1号に掲げる許可の手数料を軽減し、又は免除することができる。
前項の期間は、一月一日を起算日として計算する。
第102条
【証明書類の交付及び統計の閲覧等】
税関は、政令で定めるところにより、税関の事務についての証明書類の交付を請求する者があるときは、これを交付するとともに、次に掲げる事項についての統計を作成し、その閲覧を希望する者があるときは、これをその者の閲覧に供しなければならない。
輸出され、若しくは積み戻され、又は輸入された貨物
入港し、又は出港した外国貿易船等
前二号に掲げるものを除くほか、外国貿易についての事項で政令で定めるもの
前項の証明書類の交付を請求する者は、政令で定めるところにより、証明書類の枚数を基準として定められる手数料を納付しなければならない。
財務大臣は、第1項の統計を集計し、政令で定めるところにより、定期的に公表しなければならない。
財務大臣は、政令で定めるところにより、前項の集計した統計につき、その閲覧を希望する者があるときは、これをその者の閲覧に供するとともに、電子計算機用の磁気テープその他の政令で定める記録媒体(以下この項及び次項において「磁気テープ等」という。)を提供してこれに当該統計を記録することを求める者があるときは、当該磁気テープ等に当該統計を記録し、これをその者に交付しなければならない。
第2項の規定は、磁気テープ等への記録を請求する者について準用する。この場合において、同項中「証明書類の枚数」とあるのは、「磁気テープ等の数」と読み替えるものとする。
第102条の2
【災害による手数料の還付、軽減又は免除】
税関長は、次に掲げる貨物に係る第69条第2項(貨物の検査場所)(第75条において準用する場合を含む。次項において同じ。)の許可を受けた者が第100条第3号(手数料)の規定により納付した手数料については、必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該手数料の額に相当する金額を還付することができる。
関税定率法第15条第1項第3号(特定用途免税)に規定する救じゆつのために寄贈された給与品に該当する貨物であつて、特定災害の被災者を支援するためのもの
指定地域に所在する保税地域(第30条第1項第2号(外国貨物を置く場所の制限)の規定により税関長が許可した貨物に係る場所を含む。以下この号及び第3項第2号において同じ。)に当該指定地域に係る特定災害が発生した時に置かれていた貨物であつて、当該貨物の保全その他の理由により緊急に当該保税地域から出す必要があるものその他これに準ずる貨物であると税関長が認めたもの
税関長は、前項各号に掲げる貨物に係る第69条第2項の許可を受ける者が第100条第3号の規定により納付すべき手数料については、当該許可をする場合において必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、これを免除することができる。
税関長は、前条第1項に規定する証明書類のうち次に掲げるものの交付を請求した者が同条第2項の規定により納付した手数料については、必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該手数料の額に相当する金額を還付することができる。
第1項第1号に掲げる貨物に係る証明書類
指定地域に所在する保税地域に当該指定地域に係る特定災害が発生した時に置かれていた貨物の当該特定災害による被害に係る証明書類
証明書類又は税関長の行政処分を通知する書類で指定地域に係る特定災害の被災者が当該特定災害が発生する前に交付を受けたものを当該特定災害において紛失し、焼失し、又は著しく損傷したことにより当該被災者において必要となつた当該証明書類と同一の内容の証明書類又は当該行政処分についての証明書類
税関長は、前項各号に掲げる証明書類の交付を請求する者が前条第2項の規定により納付すべき手数料については、当該証明書類の交付をする場合において必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、これを免除することができる。
税関長は、指定地域に所在する次の表の各号の上欄に掲げる施設が当該指定地域に係る特定災害により損傷したためその業務の遂行に支障が生じていると認めるときは、政令で定めるところにより、その生じている支障の程度に応じ、当該各号の上欄に掲げる施設に係る当該各号の中欄に掲げる行政処分を受けた者が、当該各号の下欄に掲げる規定により納付した手数料の額に相当する金額の全部若しくは一部を還付し、又は当該各号の下欄に掲げる規定により納付すべき手数料を軽減し、若しくは免除することができる。
一 保税蔵置場第42条第1項の規定に基づく許可第100条第2号
二 保税工場第56条第1項の規定に基づく許可第100条第2号
三 保税展示場第62条の2第1項の規定に基づく許可第100条第2号
四 総合保税地域第62条の8第1項の規定に基づく許可第100条第2号
五 関税に関する法律の規定に基づく施設であつて政令で定めるもの当該施設に係る関税に関する法律の規定に基づく行政処分であつて政令で定めるもの当該処分に係る手数料の納付を命ずる関税に関する法律の規定であつて政令で定めるもの
第103条
【買受人の制限】
関税の担保物、収容され、留置され、若しくは没収された貨物、領置物件又は差押物件で、税関において公売に付され、又は随意契約により売却されるものについては、税関職員及びその所有者は、いずれの方法によつてもこれを買い受けることができない。
第104条
【武器の携帯及び使用】
税関職員は、この法律の規定に基いて貨物の輸出若しくは輸入についての取締又は犯則事件についての調査を行うに当り、特に必要があるときは、当分の間、小型の武器を携帯することができる。
税関職員は、前項の取締又は調査を行うに当り、特に自己若しくは他人の生命若しくは身体の保護又は公務の執行に対する抵抗の抑止のため、やむを得ない必要があると認める相当の事由がある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、同項の武器を使用することができる。
第105条
【税関職員の権限】
税関職員は、この法律(第11章(犯則事件の調査及び処分)を除く。)又は関税定率法その他関税に関する法律で政令で定めるものの規定により職務を執行するため必要があるときは、その必要と認められる範囲内において、次に掲げる行為をすることができる。
外国貿易船等、外国貿易船等以外の船舶若しくは航空機若しくは車両で外国貨物を積んでいるもの、これらに積まれている貨物、保税地域にあり、若しくは保税地域に出し入れされる貨物又はこれらの貨物以外の外国貨物について、所有者、占有者、管理者、船長、機長、運送人その他の関係者に質問し、若しくは検査し、又はこれらに代えて関係書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。)を提示させ、若しくは提出させること
前号に掲げる貨物についての帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。第4号の2から第6号まで及び第105条の3において同じ。)を検査し、又は当該貨物若しくはそのある場所に封かんを施すこと
第43条の4(外国貨物を置くことの承認等の際の検査)(第61条の4及び第62条の15において準用する場合を含む。)、第61条第3項(保税工場外における保税作業)(第62条の7及び第62条の15において準用する場合を含む。)、第62条の3第2項(保税展示場に入れる外国貨物に係る手続)、第63条第2項(保税運送)、第67条(輸出又は輸入の許可)(第75条において準用する場合を含む。)、第67条の4第3項(輸出の許可の取消し)又は第76条第1項ただし書(郵便物の輸出入の簡易手続)に規定する検査に際し、見本を採取し、又は提供させること
外国貿易船等若しくは外国貨物を積み、若しくは積み込もうとしている外国貿易船等以外の船舶若しくは航空機に乗り込み、又は保税地域に出入する車両の運行を一時停止させること
④の2
輸出された貨物について、その輸出者、その輸出に係る通関業務を取り扱つた通関業者、当該輸出の委託者その他の関係者(次項において「輸出者等」という。)に質問し、当該貨物についての帳簿書類その他の物件を検査し、又は当該物件(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求めること
関税定率法第13条第1項(製造用原料品の減税又は免税)又は第19条第1項(輸出貨物の製造用原料品の減税、免税又は戻し税等)の規定により関税の軽減若しくは免除を受けた貨物若しくは同項の規定による関税の払戻しに係る貨物若しくは同条第6項の規定による関税の控除に係る貨物、これらの製品若しくは製造用機械器具又はこれらについての帳簿書類を検査すること
輸入された貨物について、その輸入者、その輸入に係る通関業務を取り扱つた通関業者、当該輸入の委託者、不当廉売(関税定率法第8条第1項(不当廉売関税)に規定する不当廉売をいう。)された貨物(同条第36項の規定により不当廉売された貨物の輸入とみなされるものを含む。)の国内における販売を行つた者その他の関係者(次項において「輸入者等」という。)に質問し、当該貨物若しくは当該貨物についての帳簿書類その他の物件を検査し、又は当該物件(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求めること
税関職員は、前項第4号の2又は第6号の規定により輸出者等又は輸入者等に対して物件の提出を求めた場合において必要があるときは、その求めに応じて当該輸出者等又は当該輸入者等から提出された物件を留め置くことができる。
税関職員は、第1項の規定により職務を執行するときは、財務省令で定めるところにより、制服を着用し、かつ、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
第1項及び第2項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
前項に定めるもののほか、第2項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第105条の2
【輸入者に対する調査の事前通知等】
国税通則法第74条の9第3項を除く。)から第74条の11第4項及び第5項を除く。)まで(納税義務者に対する調査の事前通知等・事前通知を要しない場合・調査の終了の際の手続)の規定は、税関長が、税関職員に輸入者に対し前条第1項第6号の規定による質問、検査又は提示若しくは提出の要求を行わせる場合について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとするほか、これらの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
読み替える国税通則法の規定読み替えられる字句読み替える字句
第74条の9第1項税務署長等(国税庁長官、国税局長若しくは税務署長又は税関長をいう。以下第74条の11(調査の終了の際の手続)までにおいて同じ。)税関長
国税庁等又は税関税関
(以下同条(以下第74条の11
納税義務者に対し輸入者に対し
調査(税関の当該職員が行う調査にあつては、消費税等の課税物件の保税地域からの引取り後に行うものに限る。以下同条までにおいて同じ。)調査
第74条の2から第74条の6まで(当該職員の質問検査権)関税法第105条第1項第6号(税関職員の権限)
納税義務者(当該納税義務者について税務代理人がある場合には、当該税務代理人を含む。)輸入者
第74条の9第2項税務署長等税関長
納税義務者輸入者
第74条の10税務署長等税関長
同条第3項第1号に掲げる納税義務者輸入者
国税庁等若しくは税関税関
国税に関税に
第74条の11第1項税務署長等税関長
国税関税
更正決定等(第36条第1項(納税の告知)に規定する納税の告知(同項第2号に係るものに限る。)を含む。以下この条において同じ。)更正、決定又は賦課決定(以下この条において「更正決定等」という。)
納税義務者(第74条の9第3項第1号(納税義務者に対する調査の事前通知等)に掲げる納税義務者をいう。以下この条において同じ。)輸入者
第74条の11第2項国税関税
納税義務者輸入者
第74条の11第3項納税義務者輸入者
期限後申告関税法第7条の4第1項(期限後特例申告)の規定による期限後特例申告
納税申告書これらの申告に係る申告書
第74条の11第6項納税義務者輸入者
期限後申告書の提出若しくは源泉徴収による所得税の納付関税法第7条の4第2項に規定する期限後特例申告書の提出
第74条の2から第74条の6まで(当該職員の質問検査権)関税法第105条第1項第6号(税関職員の権限)
第105条の3
【官公署等への協力要請】
税関職員は、この法律又は関税定率法その他関税に関する法律の規定により職務を執行するため必要があるときは、官公署又は政府関係機関に、当該職務に関し参考となるべき帳簿書類その他の物件の閲覧又は提供その他の協力を求めることができる。
参照条文
第106条
【特別の場合における税関長の権限】
税関長は、この法律の実施を確保するためやむを得ない必要があると認める相当の事由があるときは、左の各号に掲げる行為をすることができる。
外国貿易船等若しくは外国貿易船等以外の船舶若しくは航空機で外国貨物を積んでいるものへの貨物の積卸若しくは保税地域にある貨物の取扱を一時停止させ、又は期間を指定して保税地域にある貨物を出させること
船舶又は航空機の出発を一時延期させ、又は航行を一時停止させること
参照条文
第107条
【税関長の権限の委任】
税関長は、政令で定めるところにより、その権限の一部を税関の支署その他の税関官署の長に委任することができる。
第108条
【外国とみなす地域】
この法律の適用については、政令で定める本邦の地域は、当分の間、外国とみなす。
第108条の2
【情報提供】
財務大臣は、この法律、関税定率法その他の関税に関する法律(以下この条及び次条において「関税法令」という。)に相当する外国の法令を執行する当局(以下この条及び次条において「外国税関当局」という。)に対し、その職務(関税法令に規定する税関の職務に相当するものに限る。以下この条及び次条において同じ。)の遂行に資すると認める情報の提供を行うことができる。ただし、当該情報の提供を行うことが、関税法令の適正な執行に支障を及ぼし、その他我が国の利益を侵害するおそれがあると認められる場合は、この限りでない。
財務大臣は、外国税関当局に対し前項に規定する情報の提供を行うに際し、次に掲げる事項を確認しなければならない。
当該外国税関当局が、我が国の税関当局に対し、前項に規定する情報の提供に相当する情報の提供を行うことができること。
当該外国において、前項の規定により提供する情報のうち秘密として提供するものについて、当該外国の法令により、我が国と同じ程度の秘密の保持が担保されていること。
当該外国税関当局において、前項の規定により提供する情報が、その職務の遂行に資する目的以外の目的で使用されないこと。
第1項の規定により提供される情報については、次項の規定による同意がなければ外国における裁判所又は裁判官の行う刑事手続(同項において単に「刑事手続」という。)に使用されないよう適切な措置がとられなければならない。
財務大臣は、外国税関当局からの要請があつたときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、第1項の規定により提供した情報を当該要請に係る刑事手続に使用することについて同意をすることができる。
当該要請に係る刑事手続の対象とされている犯罪が政治犯罪であるとき、又は当該要請が政治犯罪について刑事手続を行う目的で行われたものと認められるとき。
当該要請に係る刑事手続の対象とされている犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、その行為が日本国の法令によれば罪に当たるものでないとき。
日本国が行う同種の要請に応ずる旨の要請国の保証がないとき。
財務大臣は、前項の同意をする場合においては、あらかじめ、同項第1号及び第2号に該当しないことについて法務大臣の確認を、同項第3号に該当しないことについて外務大臣の確認を、それぞれ受けなければならない。
第108条の3
【立会い】
財務大臣は、関税法令に基づき税関職員が行う質問に際し、外国税関当局から、その職務の遂行に資するために必要であるとして、当該外国税関当局の職員の立会いの要請があつた場合において、当該要請に応ずることが相当であると認めるときは、これを認めることができる。ただし、当該立会いを認めることが関税法令の適正な執行に支障を及ぼし、その他我が国の利益を侵害するおそれがあると認められる場合又は第105条(税関職員の権限)(他の関税に関する法律において準用する場合を含む。)の規定に基づく質問に際して質問の対象となる者の同意がない場合は、この限りでない。
財務大臣は、外国税関当局に対し前項に規定する立会いを認めるに際し、次に掲げる事項を確認しなければならない。
当該外国税関当局において、前項に規定する立会いに相当する立会いを我が国の税関当局に認めることができること。
前項に規定する立会いにより得る情報(既に公開されている情報を除く。)について、当該外国の法令により、我が国と同じ程度の秘密の保持が担保されていること。
参照条文
第10章
罰則
第108条の4
第69条の2第1項第1号(輸出してはならない貨物)に掲げる貨物を輸出した者(本邦から外国に向けて行う外国貨物(仮に陸揚げされた貨物を除く。)の積戻し(第69条の11第2項(輸入してはならない貨物)の規定により命じられて行うものを除く。)をした者を含む。)は、十年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第69条の2第1項第2号から第4号までに掲げる貨物を輸出した者(本邦から外国に向けて行う外国貨物(仮に陸揚げされた貨物を除く。)の積戻し(同項第3号及び第4号に掲げる物品であつて他の法令の規定により当該物品を積み戻すことができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより行うもの及び第69条の11第2項の規定により命じられて行うものを除く。)をした者を含む。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
前二項の犯罪の実行に着手してこれを遂げない者についても、これらの項の例による。
第1項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、五年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第2項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第109条
第69条の11第1項第1号から第6号まで(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物を輸入した者は、十年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第69条の11第1項第7号から第10号までに掲げる貨物を輸入した者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
前二項の犯罪の実行に着手してこれを遂げない者についても、これらの項の例による。
第1項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、五年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第2項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第109条の2
第69条の11第1項第1号から第4号まで、第5号の2及び第6号(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物(輸入の目的以外の目的で本邦に到着したものに限る。)を第30条第2項(外国貨物を置く場所の制限)の規定に違反して保税地域に置き、又は第65条の3(保税運送ができない貨物)の規定に違反して外国貨物のまま運送した者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第69条の11第1項第8号から第10号までに掲げる貨物(輸入の目的以外の目的で本邦に到着したものに限り、同項第9号に掲げる貨物にあつては、回路配置利用権のみを侵害するものを除く。)を第30条第2項の規定に違反して保税地域に置き、又は第65条の3の規定に違反して外国貨物のまま運送した者は、十年以下の懲役若しくは七百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
前二項の犯罪の実行に着手してこれを遂げない者についても、これらの項の例による。
第1項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第2項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、五年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
参照条文
第110条
次の各号のいずれかに該当する者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
偽りその他不正の行為により関税を免れ、又は関税の払戻しを受けた者
関税を納付すべき貨物について偽りその他不正の行為により関税を納付しないで輸入した者
通関業者の偽りその他不正の行為により関税を免れ、若しくは関税の払戻しを受け、又は関税を納付すべき貨物を関税を納付しないで輸入することとなつた場合における当該行為をした通関業者についても、また前項の例による。
前二項の犯罪の実行に着手してこれを遂げない者についても、これらの項の例による。
前三項の犯罪に係る関税又は関税の払戻しの額の十倍が千万円を超える場合においては、情状により、前三項の罰金は、千万円を超え当該関税又は関税の払戻しの額の十倍に相当する金額以下とすることができる。
第1項又は第2項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
前項の犯罪に係る関税又は関税の払戻しの額の十倍が五百万円を超える場合においては、情状により、同項の罰金は、五百万円を超え当該関税又は関税の払戻しの額の十倍に相当する金額以下とすることができる。
第111条
次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第67条(輸出又は輸入の許可)(第75条において準用する場合を含む。次号及び次項において同じ。)の許可を受けるべき貨物について当該許可を受けないで当該貨物を輸出(本邦から外国に向けて行う外国貨物(仮に陸揚げされた貨物を除く。)の積戻しを含む。次号及び次項において同じ。)し、又は輸入した者
第67条の申告又は検査に際し、偽つた申告若しくは証明をし、又は偽つた書類を提出して貨物を輸出し、又は輸入した者
第67条の申告又は検査に際し通関業者の偽つた申告若しくは証明又は偽つた書類の提出により貨物を輸出し、又は輸入することとなつた場合における当該行為をした通関業者についても、また前項の例による。
前二項の犯罪の実行に着手してこれを遂げない者についても、これらの項の例による。
第1項又は第2項の罪を犯す目的をもつてその予備をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第112条
第108条の4第1項若しくは第2項(輸出してはならない貨物を輸出する罪)、第109条第1項若しくは第2項(輸入してはならない貨物を輸入する罪)、第109条の2第1項若しくは第2項(輸入してはならない貨物を保税地域に置く等の罪)又は第110条第1項(関税を免れる等の罪)の犯罪に係る貨物について、情を知つてこれを運搬し、保管し、有償若しくは無償で取得し、又は処分の媒介若しくはあつせん(以下この条においてこれらの行為を「運搬等」という。)をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
前項の犯罪に係る貨物についての第110条第1項の犯罪に係る関税又は関税の払戻しの額の五倍が五百万円を超える場合においては、情状により、前項の罰金は、五百万円を超え当該関税又は関税の払戻しの額の五倍に相当する金額以下とすることができる。
前条第1項の犯罪に係る貨物について情を知つて運搬等をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第112条の2
関税定率法第13条第6項(用途外使用等)(同法第19条第2項において準用する場合を含む。)又は第20条の2第2項(用途外使用等)の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
参照条文
第113条
第20条第1項(不開港への出入)の規定に違反して外国貿易船等を不開港に出入させた船長又は機長(船長又は機長に代わつてその職務を行う者を含む。以下第114条第1項及び第115条第1項(報告を怠つた等の罪)において同じ。)は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
参照条文
第113条の2
正当な理由がなくて特例申告書をその提出期限までに提出しなかつた者は、一年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。
参照条文
第114条
次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第15条第1項第4項又は第7項(入港手続)の規定による報告をせず、又は偽つた報告をして入港した船長又は機長
第15条第2項第5項又は第8項の規定による書類を提出せず、又は偽つた書類を提出した船長又は機長
第15条第3項の規定に違反して同項に規定する入港届若しくは船用品目録を提出せず、又は偽つた入港届若しくは船用品目録を提出した船長
第15条第3項の規定に違反して同項に規定する船舶国籍証書又はこれに代わる書類を提示しなかつた船長
第15条第9項の規定に違反して同項に規定する入港届を提出せず、又は偽つた入港届を提出した機長
第17条第1項前段(出港手続)の規定による許可を受けないで開港又は税関空港を出港した船長又は機長
第17条第1項後段の規定による書類の提出の求めに応じず、又は偽つた書類を提出した船長又は機長
第18条第1項ただし書又は第3項ただし書(入出港の簡易手続)の規定による報告をせず、又は偽つた報告をして入港した船長又は機長
第18条第1項ただし書、第2項第3項ただし書又は第4項の規定による書類の提出をせず、又は偽つた書類を提出した船長又は機長
第18条第2項の規定に違反して同項に規定する入港届を提出せず出港し、若しくは偽つた入港届を提出した船長又は同条第4項の規定に違反して同項の規定による届出をせず出港し、若しくは偽つた届出をした機長
第20条第2項(不開港への出入)の規定による届出をしなかつた船長又は機長
第21条(外国貨物の仮陸揚)の規定による届出をせず、又は偽つた届出をした船長又は機長
第22条(沿海通航船等の外国寄港の届出等)の規定による届出をせず、又は同条に規定する目録を提出しなかつた船長又は機長
第25条(船舶又は航空機の資格の変更)の規定に違反して届出をせず、又は偽つた届出をして、外国貿易船等以外の船舶若しくは航空機を外国貿易船等として使用し、若しくは外国貿易船等を外国貿易船等以外の船舶若しくは航空機として使用した船長又は機長
第26条(船長又は機長の行為の代行)の規定に基づき、外国貿易船等の船長又は機長が行うべき行為を当該外国貿易船等の所有者等(同条に規定する所有者等をいう。)が行つた場合における当該所有者等であつて次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第15条第1項第4項又は第7項の規定による報告について偽つた報告をした者(当該報告に係る外国貿易船等が開港又は税関空港に入港した場合に限る。)
第15条第2項第5項又は第8項の規定による書類について偽つた書類を提出した者
第15条第3項に規定する入港届又は船用品目録について偽つた入港届又は船用品目録を提出した者
第15条第9項に規定する入港届について偽つた入港届を提出した者
第17条第1項後段の規定による書類について偽つた書類を提出した者
第18条第1項ただし書又は第3項ただし書の規定による報告について偽つた報告をした者(当該報告に係る外国貿易船等が開港又は税関空港に入港した場合に限る。)
第18条第1項ただし書、第2項第3項ただし書又は第4項の規定による書類について偽つた書類を提出した者
第18条第2項に規定する入港届について偽つた入港届を提出した者又は同条第4項の規定による届出について偽つた届出をした者
第21条の規定による届出について偽つた届出をした者
第25条の規定による届出について偽つた届出をした者(当該届出に係る外国貿易船等以外の船舶若しくは航空機が外国貿易船等として使用され、又は当該届出に係る外国貿易船等が外国貿易船等以外の船舶若しくは航空機として使用された場合に限る。)
参照条文
第114条の2
次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第15条第11項前段(入港手続)の規定による報告をせず、又は偽つた報告をした者
①の2
第15条の2第2項(積荷に関する事項の報告)の規定による報告をせず、又は偽つた報告をした者
①の3
第16条第1項(貨物の積卸し)の規定による報告をせず、かつ、書類の提出をせず、若しくは偽つた報告若しくは偽つた書類の提出をして貨物の積卸しをした者又は同条第2項の規定による書類を提示せず、若しくは偽つた書類を提示して貨物の積卸しをした者
①の4
第20条第4項前段(不開港への出入)の規定による報告をせず、又は偽つた報告をした者
第23条第1項又は第2項(船用品又は機用品の積込み等)の規定に違反して船用品又は機用品を積み込んだ者
第23条第5項本文の規定による書類を提出せず、又は偽つた書類を提出した者
第24条第1項第2項又は第4項(船舶又は航空機と陸地との交通等)の規定に違反して交通又は貨物の積卸しを行つた者
第63条第1項若しくは第3項(保税運送)、第63条の2第1項若しくは第2項(保税運送の特例)又は第63条の9第1項若しくは第2項(郵便物の保税運送)の規定に違反して外国貨物を運送した者
第63条第5項本文、第63条の2第3項又は第63条の9第3項の規定による確認を受けなかつた者
第64条第1項(難破貨物等の運送)の規定に違反して同項各号に掲げる外国貨物を運送した者又は同条第3項の規定に違反して書類を提出しなかつた者
第66条第1項(内国貨物の運送)の規定に違反して内国貨物を外国貿易船等に積んで本邦内の場所相互間を運送した者又は同条第2項の規定に違反して書類を提出しなかつた者
第76条第1項ただし書(郵便物の輸出入の簡易手続)の検査その他郵便物に係る税関の審査に際し、偽つた証明をした者
⑨の2
第77条の5第2項(違法行為等の是正)の規定による報告をせず、又は偽つた報告をした者
第105条第1項(税関職員の権限)の規定による税関職員の質問に対して答弁せず、若しくは偽りの陳述をし、又はその職務の執行を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
⑩の2
第105条第1項第4号の2又は第6号の規定による物件の提示又は提出の要求に対し、正当な理由がなくこれに応じず、又は偽りの記載若しくは記録をした帳簿書類その他の物件(その写しを含む。)を提示し、若しくは提出した者
第106条(特別の場合における税関長の権限)の規定による税関長(第107条(税関長の権限の委任)の規定により権限の一部を委任された者を含む。)の処分の執行を拒み、妨げ、又は忌避した者
参照条文
第115条
次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第15条の3第1項(特殊船舶等の入港手続)の規定による報告をせず、又は偽つた報告をして入港した船長又は機長
第15条の3第2項の規定による書類を提出せず、又は偽つた書類を提出した船長又は機長
第15条の3第3項の規定に違反して同項に規定する入港届を提出せず、又は偽つた入港届を提出した船長又は機長
第18条の2第1項ただし書又は第3項ただし書(特殊船舶等の入出港の簡易手続)の規定による報告をせず、又は偽つた報告をして入港した船長又は機長
第18条の2第1項ただし書、第2項第3項ただし書又は第4項の規定による書類を提出せず、又は偽つた書類を提出した船長又は機長
第18条の2第2項の規定に違反して同項に規定する入港届を提出せず出港し、若しくは偽つた入港届を提出した船長又は同条第4項の規定に違反して同項の規定による届出をせず出港し、若しくは偽つた届出をした機長
第20条の2第1項(特殊船舶等の不開港への出入)の規定による報告をせず、又は偽つた報告をして入港した船長又は機長
第20条の2第2項の規定による書類を提出せず、又は偽つた書類を提出した船長又は機長
第20条の2第3項の規定に違反して同項に規定する入港届を提出せず、又は偽つた入港届を提出した船長又は機長
第26条(船長又は機長の行為の代行)の規定に基づき、特殊船舶等の船長又は機長が行うべき行為を当該特殊船舶等の所有者等(同条に規定する所有者等をいう。)が行つた場合における当該所有者等であつて次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第15条の3第1項の規定による報告について偽つた報告をした者(当該報告に係る特殊船舶等が開港又は税関空港に入港した場合に限る。)
第15条の3第2項の規定による書類について偽つた書類を提出した者
第15条の3第3項に規定する入港届について偽つた入港届を提出した者
第18条の2第1項ただし書又は第3項ただし書の規定による報告について偽つた報告をした者(当該報告に係る特殊船舶等が開港又は税関空港に入港した場合に限る。)
第18条の2第1項ただし書、第2項第3項ただし書又は第4項の規定による書類について偽つた書類を提出した者
第18条の2第2項に規定する入港届について偽つた入港届を提出した者又は同条第4項の規定による届出について偽つた届出をした者
第20条の2第1項の規定による報告について偽つた報告をした者(当該報告に係る特殊船舶等が不開港に入港した場合に限る。)
第20条の2第2項の規定による書類について偽つた書類を提出した者
第20条の2第3項に規定する入港届について偽つた入港届を提出した者
参照条文
第115条の2
次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第7条の9第1項第67条の8第1項又は第94条第1項同条第2項において準用する場合を含む。)(帳簿の備付け等)の規定に違反して帳簿の記載をせず、若しくは偽り、又は帳簿を隠した者
①の2
第15条の3第5項前段(特殊船舶等の入港手続)の規定による報告をせず、又は偽つた報告をした者
第19条(開庁時間外の貨物の積卸し)の規定に違反して届出をせず、又は偽つた届出をして貨物の積卸しをした者
②の2
第20条の2第5項前段(特殊船舶等の不開港への出入)の規定による報告をせず、又は偽つた報告をした者
第32条(見本の一時持出)(第36条第1項において準用する場合を含む。)の規定に違反して許可を受けないで外国貨物を見本として一時持ち出した者
第34条の2又は第61条の3(記帳義務)(第62条の7において準用する場合を含む。)の規定に違反して帳簿の記載をせず、若しくは偽り、又は帳簿を隠した者
第36条第2項の規定に違反して内容の点検又は改装、仕分その他の手入れをした者
外国貨物又は輸出しようとする貨物につき第40条第1項又は第2項(貨物の取扱い)(第49条において準用する場合を含む。)の規定により指定保税地域内又は保税蔵置場において認められる行為以外の行為をした者
第61条第1項(保税工場外における保税作業)(第62条の15において準用する場合を含む。)の規定に違反して許可を受けないで外国貨物を保税作業のため保税工場又は総合保税地域から出した者
第61条の4において準用する第43条の3第1項(外国貨物を置くことの承認)又は第62条の10(外国貨物を置くこと等の承認)の規定に違反して承認を受けないで外国貨物を保税作業に使用し、又は第62条の8第1項第2号若しくは第3号(総合保税地域の許可)に掲げる行為をした者
外国貨物につき第62条の2第3項(保税展示場の許可)又は第62条の8第1項の規定により保税展示場又は総合保税地域内において認められる行為以外の行為をした者
第62条の3第1項(保税展示場に入れる外国貨物に係る手続)の規定による申告をせず、若しくは偽つた申告をし、又は同項の税関長の承認を受けないで第62条の2第3項の行為(第62条の3第4項の規定によりすることができることとされている行為を除く。)をした者
第62条の4第1項(販売用貨物等の蔵置場所の制限等)(第62条の15において準用する場合を含む。)の規定に違反して制限された場所以外の場所に同項の貨物を蔵置し、又は同項の規定による報告の求めに応じず、若しくは偽つた報告をした者
第62条の5(保税展示場外における使用の許可)(第62条の15において準用する場合を含む。)の規定に違反して許可を受けないで外国貨物を保税展示場又は総合保税地域以外の場所で使用するため保税展示場又は総合保税地域から出した者
第62条の11(販売用貨物等を入れることの届出)の規定による届出をせず、又は偽つた届出をして同条に規定する外国貨物を総合保税地域に入れた者
参照条文
第115条の3
第69条の21第1項(専門委員)の規定に違反して秘密を漏らした者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第116条
重大な過失により第111条第1項第2号(許可を受けないで輸出入する等の罪)、第113条(許可を受けないで不開港に出入する罪)、第114条第114条の2第10号及び第10号の2を除く。)、第115条(報告を怠つた等の罪)又は第115条の2第1号第4号及び第13号を除く。)(帳簿の記載を怠つた等の罪)の罪を犯した者は、当該各条の罰金刑を科する。
参照条文
第117条
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産について、第108条の4から第112条まで(輸出してはならない貨物を輸出する罪・輸入してはならない貨物を輸入する罪・輸入してはならない貨物を保税地域に置く等の罪・関税を免れる等の罪・許可を受けないで輸出入する等の罪・密輸貨物の運搬等をする罪)、第112条の2(用途外に使用する等の罪)、第113条の2(特例申告書を提出期限までに提出しない罪)、第114条の2(報告を怠つた等の罪)、第115条の2(帳簿の記載を怠つた等の罪)又は前条に該当する違反行為(同条第113条(許可を受けないで不開港に出入する罪)、第114条及び第115条(報告を怠つた等の罪)に係るものを除く。)をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して当該各条の罰金刑を科する。
前項の規定により第108条の4から第109条の2まで、第110条第1項から第3項まで若しくは第5項第111条第1項から第3項まで又は第112条第1項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、これらの規定の罪についての時効の期間による。
人格のない社団等(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう。次項において同じ。)は、法人とみなして、前二項の規定を適用する。
人格のない社団等について第1項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその人格のない社団等を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第118条
第108条の4から第111条まで(輸出してはならない貨物を輸出する罪・輸入してはならない貨物を輸入する罪・輸入してはならない貨物を保税地域に置く等の罪・関税を免れる等の罪・許可を受けないで輸出入する等の罪)の犯罪に係る貨物(第110条又は第111条の犯罪に係る貨物にあつては、輸入制限貨物等に限る。)、その犯罪行為の用に供した船舶若しくは航空機又は第112条(密輸貨物の運搬等をする罪)の犯罪に係る貨物(第108条の4又は第109条の犯罪に係る貨物及び輸入制限貨物等に限る。)(以下この条において「犯罪貨物等」と総称する。)は、没収する。ただし、犯罪貨物等が犯人以外の者の所有に係り、かつ、その者が次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
第108条の4から第112条までの犯罪が行われることをあらかじめ知らないでその犯罪が行われた時から引き続き犯罪貨物等を所有していると認められるとき。
前号に掲げる犯罪が行われた後、その情を知らないで犯罪貨物等を取得したと認められるとき。
前項の規定により没収すべき犯罪貨物等(同項の船舶又は航空機を除く。以下この項において同じ。)を没収することができない場合又は同項第2号の規定により犯罪貨物等を没収しない場合(これらの場合のうち第112条(密輸貨物の運搬等をする罪)の犯罪に係る場合にあつては、同条第1項又は第3項の貨物の取得に係る犯罪の場合に限る。)においては、その没収することができないもの又は没収しないものの犯罪が行われた時の価格に相当する金額を犯人から追徴する。
第1項において「輸入制限貨物等」とは、輸入に係る貨物で、当該貨物に係る同項の犯罪が行われた時において、次の各号の一に該当するものとする。
次に掲げる貨物
酒税法第2条第1項(定義)に規定する酒類
たばこ事業法第2条第3号(定義)に規定する製造たばこ(同法第38条第2項(製造たばこ代用品)に規定する製造たばこ代用品を含む。)
国の専売品
前号に該当する貨物を除き、非自由化品目(外国為替及び外国貿易法及び同法に基づく命令の規定により、輸入割当てを受けることを要するものとされている品目をいう。)に該当する貨物(同法第52条(輸入の承認)の輸入の承認を受けた貨物、当該承認を受けることなく輸入することが認められている貨物、本邦に入国する者がその入国に際して携帯して輸入し、又は政令で定めるところにより別送して輸入する貨物及び郵便物を除く。)
第1項及び第2項の規定により犯罪貨物等の没収又はこれに代わる追徴が行なわれた場合には、当該犯罪貨物等については、関税を課さない。
第1項第1号の規定により犯罪貨物等を没収しない場合において、これについて関税を徴収すべきときは、その関税は、直ちにその所有者から徴収する。但し、犯罪貨物等が税関長の指定する期間内に外国貨物として保税地域に入れられた場合においては、輸入がなかつたものとみなす。
関税を納付すべき貨物につき、第112条(密輸貨物の運搬等をする罪)の犯罪が行なわれた場合(第97条第3項(遺失物等に係る関税の徴収)又は第134条第4項から第6項まで(領置物件等に係る関税の徴収)の規定の適用がない場合に限る。)において、当該犯罪に係る貨物につき第2項の場合に該当せず、かつ、当該貨物を輸入した者が判明しないときは、その関税は、直ちに当該犯罪に係る犯人から徴収する。
第97条第4項(関税の賦課手続の調整)の規定は、第5項の場合について準用する。この場合において、同条第4項中「同項の処分をする者によつて占有された時」とあるのは、「領置又は差押えがされた時」と読み替えるものとする。
第11章
犯則事件の調査及び処分
第1節
犯則事件の調査
第119条
【質問、検査又は領置等】
税関職員は、犯則事件を調査するため必要があると認めるときは、犯則嫌疑者若しくは参考人に対して出頭を求め、これらの者に対して質問し、これらの者が所持する物件若しくは犯則嫌疑者が置き去つた物件を検査し、又はこれらの者が任意に提出した物件若しくは犯則嫌疑者が置き去つた物件を領置することができる。
税関職員は、犯則事件の調査について、官公署又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
第120条
【開示の請求】
税関職員は、犯則の事実を証明するに足りる物件を身辺にかくしていると認められる者があるときは、当該物件の開示を求めることができる。
第121条
【臨検、捜索又は差押】
税関職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、その所属官署の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官があらかじめ発する許可状により、臨検、捜索又は差押をすることができる。
前項の場合において急速を要するときは、税関職員は、臨検すべき場所、捜索すべき場所、身体若しくは物件又は差し押えるべき物件の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官があらかじめ発する許可状により、前項の処分をすることができる。
税関職員は、第1項又は前項の許可状(以下この条から第125条までにおいて「許可状」という。)を請求する場合においては、犯則事件が存在すると認められる資料を提供しなければならない。
前項の請求があつた場合においては、地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官は、臨検すべき場所、捜索すべき場所、身体若しくは物件又は差し押えるべき物件並びに請求者の官職氏名、有効期間、その期間経過後は執行に着手することができずこれを返還しなければならない旨、交付の年月日及び裁判所名を記載し、自己の記名押印した許可状を税関職員に交付しなければならない。この場合において、犯則嫌疑者の氏名又は犯則の事実が明らかであるときは、これらの事項をも記載しなければならない。
税関職員は、許可状を他の税関職員に交付して、臨検、捜索又は差押をさせることができる。
第122条
【郵便物等の差押】
税関職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、許可状の交付を受けて、犯則嫌疑者から発し、又は犯則嫌疑者に対して発した郵便物、信書便物又は電信についての書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものを差し押えることができる。
税関職員は、前項の規定に該当しない郵便物、信書便物又は電信についての書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものについては、犯則事件に関係があると認めるに足りる状況があるものに限り、許可状の交付を受けて、これを差し押えることができる。
税関職員は、前二項の規定による処分をした場合においては、その旨を発信人又は受信人に通知しなければならない。但し、通知によつて犯則事件の調査が妨げられる虞がある場合は、この限りでない。
第123条
【現行犯事件の臨検、捜索又は差押】
税関職員は、現に犯則を行い、又は現に犯則を行い終つた際に発覚した事件について、その証拠となると認められるものを取り集めるため必要であつて、且つ、急速を要し、許可状の交付を受けることができないときは、その犯則の現場において第121条第1項(臨検、捜索又は差押)の処分をすることができる。
税関職員は、現に犯則に供した物件若しくは犯則により得た物件を所持し、又は顕著な犯則の跡があつて犯則を行つてから間がないと明らかに認められる者がある場合において、その証拠となると認められるものを取り集めるため必要であつて、且つ、急速を要し、許可状の交付を受けることができないときは、その者の所持する物件に対して第121条第1項(臨検、捜索又は差押)の処分をすることができる。
第124条
【臨検、捜索又は差押の夜間執行の制限】
臨検、捜索又は差押は、許可状に夜間でも執行することができる旨の記載がなければ、日没から日出までの間には、してはならない。但し、旅館、飲食店その他夜間でも公衆が出入することができる場所でその公開した時間内にこれらの処分をする場合及び前条の規定により処分をする場合は、この限りでない。
日没前に開始した臨検、捜索又は差押は、必要があると認めるときは、日没後まで継続することができる。
第125条
【許可状の呈示】
臨検、捜索又は差押の許可状は、これらの処分を受ける者に呈示しなければならない。
参照条文
第126条
【身分の証明】
税関職員は、この節の規定により質問、検査、領置、臨検、捜索若しくは差押をし、又は開示を求めるときは、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
第127条
【臨検、捜索又は差押に際しての必要な処分】
税関職員は、臨検、捜索又は差押をするについて必要があるときは、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。
前項の処分は、差押物件又は領置物件についても、することができる。
第128条
【処分中の出入の禁止】
税関職員は、この節の規定により質問、検査、領置、臨検、捜索若しくは差押をし、又は開示を求める間は、何人に対しても、許可を受けないでその場所に出入することを禁止することができる。
第129条
【責任者等の立会】
税関職員は、船舶、航空機、車両又は倉庫その他の場所で臨検、捜索又は差押をするときは、その所有者若しくは管理者(これらの者の代表者、代理人その他これらの者に代るべき者を含む。)又は成年に達したこれらの者の使用人若しくは同居の親族を立ち会わせなければならない。
前項の場合において同項に規定する者を立ち会わせることができないときは、その隣人で成年に達した者又はその地の警察官若しくは地方公共団体の職員を立ち会わせなければならない。
第123条(現行犯事件の臨検、捜索又は差押)の規定により臨検、捜索又は差押をする場合において、急速を要するときは、前二項の規定によることを要しない。
女子の身体について捜索するときは、成年の女子を立ち会わせなければならない。但し、急速を要する場合は、この限りでない。
第130条
【警察官等の援助】
税関職員は、臨検、捜索又は差押をするに際し必要があるときは、警察官又は海上保安官の援助を求めることができる。
第131条
【調書の作成】
税関職員は、この節の規定により質問、検査、領置、臨検、捜索又は差押をしたときは、その調書を作り、質問を受けた者又は立会人に示し、これらの者とともにこれに署名押印しなければならない。但し、質問を受けた者又は立会人が署名押印せず、又は署名押印することができないときは、その旨を附記すれば足りる。
第132条
【領置目録又は差押目録】
税関職員は、領置又は差押をしたときは、その目録を作り、領置物件又は差押物件の所有者若しくは所持者又はこれらの者に代るべき者にその謄本を交付しなければならない。
参照条文
第132条の2
【鑑定の嘱託】
税関職員は、犯則事件を調査するため特に必要があるときは、学識経験を有する者に差押物件又は領置物件についての鑑定を嘱託することができる。
前項の規定による鑑定の嘱託を受けた者(第4項及び第5項において「鑑定人」という。)は、前項の税関職員の所属官署の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官の許可を受けて、当該鑑定に係る物件を破壊することができる。
前項の許可の請求は、税関職員からこれをしなければならない。
前項の請求があつた場合において、裁判官は、当該請求を相当と認めるときは、破壊すべき物件及び鑑定人の氏名並びに請求者の官職氏名、有効期間、その期間経過後は執行に着手することができずこれを返還しなければならない旨、交付の年月日及び裁判所名を記載し、自己の記名押印した許可状を税関職員に交付しなければならない。この場合においては、第121条第4項後段(臨検、捜索又は差押)の規定を準用する。
鑑定人は、第2項の処分を受ける者に前項の許可状を示さなければならない。
参照条文
第133条
【領置物件又は差押物件の処置】
運搬又は保管に不便な領置物件又は差押物件は、その所有者又は所持者その他税関職員が適当と認める者に、その承諾を得て、保管証を徴して保管させることができる。
税関長は、領置物件又は差押物件が腐敗し、若しくは変質したとき、又は腐敗若しくは変質の虞があるときは、政令で定めるところにより、公告した後これを公売に付し、その代金を保管することができる。
第84条第3項及び第4項(収容貨物の随意契約による売却等)の規定は、前項の公売について、同条第5項の規定は、領置物件又は差押物件について準用する。
第134条
【領置物件又は差押物件の返還等】
税関長は、領置物件又は差押物件について留置の必要がなくなつたときは、その返還を受けるべき者にこれを還付しなければならない。
税関長は、前項の領置物件又は差押物件の返還を受けるべき者の住所若しくは居所がわからないため、又はその他の事由に因りこれを還付することができない場合においては、その旨を公告しなければならない。
前項の公告に係る領置物件又は差押物件について、公告の日から六月を経過しても還付の請求がないときは、これらの物件は、国庫に帰属する。
第1項の場合において、同項の領置物件又は差押物件について関税が納付されていないときは、当該関税をこれらの物件の返還を受けるべき者(関税が納付されていないことを知らないでこれらの物件を所持することとなつたと認められる者を除く。以下この条において同じ。)から直ちに徴収する。
前条第2項の規定により公売に付され、又は同条第3項において準用する第84条第3項(収容貨物の随意契約による売却)の規定により売却された領置物件又は差押物件の代金を第1項の規定により返還を受けるべき者に還付する場合において、これらの物件について関税その他の国税が納付されていないときは、当該関税その他の国税を直ちに徴収する。この場合においては、当該代金をもつて当該関税その他の国税に充てる。
税関長は、前条第2項の規定により公売に付した領置物件若しくは差押物件の代金で第140条(検察官への引継)の規定により検察官に引き継がれたもの又は刑事訴訟法の規定により売却された外国貨物の代金が同法の規定によりその返還を受けるべき者に還付される場合において、これらの物件又は貨物につき関税が納付されていないときは、当該関税を当該代金の返還を受けるべき者から直ちに徴収する。
第97条第4項(関税の賦課手続の調整)の規定は、前三項の場合について準用する。この場合において、同条第4項中「同項の処分をする者によつて占有された時」とあるのは、「領置又は差押えがされた時」と読み替えるものとする。
第135条
【管轄区域外における職務の執行】
税関職員は、犯則事件を調査するため必要があると認めるときは、その所属する税関の管轄区域外においてその職務を執行することができる。
第136条
【税関職員以外の公務員の通知】
税関職員以外の公務員は、犯則嫌疑事件を発見し、又は捜査したときは、直ちにこれを税関に通知しなければならない。
第2節
犯則事件の処分
第136条の2
【申告納税方式が適用される貨物に係る関税に関する犯則事件についての告発】
税関職員は、申告納税方式が適用される貨物に係る関税に関する犯則事件(第110条第1項(関税を免れる等の罪)の罪(同項第1号に規定する関税を免れた者に係るものに限るものとし、その罪の実行に着手してこれを遂げない者で同条第3項の規定により同条第1項の例によることとされた者に係るものを含む。)に係る事件に限るものとし、同号に規定する偽りその他不正の行為(同号に規定する関税を免れた者に係るものに限る。)が第111条第1項第2号(許可を受けないで輸出入する等の罪)の罪に当たるものである場合における同号の罪に係る事件を含む。次条において「申告納税方式適用関税に関する犯則事件」という。)の調査により犯則があると思料するときは、直ちに検察官に告発しなければならない。
参照条文
第137条
【税関職員の報告又は告発】
税関職員は、犯則事件(申告納税方式適用関税に関する犯則事件を除く。以下同じ。)の調査を終えたときは、調査の結果を税関長に報告しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合においては、直ちに検察官に告発しなければならない。
犯則嫌疑者の居所が明らかでないとき。
犯則嫌疑者が逃走するおそれがあるとき。
証拠となると認められるものを隠し、又はなくしてしまうおそれがあるとき。
参照条文
第138条
【税関長の通告処分又は告発】
税関長は、犯則事件の調査により犯則の心証を得たときは、その理由を明示し、罰金に相当する金額及び没収に該当する物件又は追徴金に相当する金額を税関に納付すべき旨を通告しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、直ちに検察官に告発しなければならない。
情状が懲役の刑に処すべきものであるとき。
犯則者が通告の旨を履行する資力がないとき。
犯則者の居所が明らかでないため、若しくは犯則者が通告書の受領を拒んだため、又はその他の事由に因り通告をすることができないときも、また前項但書と同様とする。
第1項の規定により通告があつたときは、公訴の時効は、中断する。
犯則者は、第1項の通告の旨を履行した場合においては、同一事件について公訴を提起されない。
第139条
【通告処分の不履行と告発】
犯則者が前条第1項の通告を受けた場合において、二十日以内に通告の旨を履行しないときは、税関長は、検察官に告発しなければならない。但し、二十日を過ぎても告発前に履行した場合は、この限りでない。
第140条
【検察官への引継】
犯則事件は、第137条ただし書(税関職員の報告又は告発)の規定による税関職員の告発又は第138条第1項ただし書若しくは第2項(税関長の通告処分又は告発)若しくは前条の規定による税関長の告発をまつて、これを論ずる。
前項の告発又は第136条の2(申告納税方式が適用される貨物に係る関税に関する犯則事件についての告発)の規定による告発は、文書をもつて行い、第131条(調書の作成)に規定する調書を添付し、領置物件又は差押物件があるときは、これを領置目録又は差押目録とともに検察官に引き継がなければならない。
前項の領置物件又は差押物件が第133条第1項(領置物件又は差押物件の所有者等による保管)の規定による保管に係るものである場合においては、同項の保管証をもつて引き継ぐとともに、その旨を同項の保管者に通知しなければならない。
第2項又は前項の規定により領置物件又は差押物件が引き継がれたときは、当該物件は、刑事訴訟法の規定により検察官によつて押収されたものとみなす。
第1項の告発は、取り消すことができない。
附則
この法律は、公布の日から起算して三月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
左に掲げる法律は、廃止する。保税倉庫法保税工場法
第十二条第一項(延滞税)に規定する延滞税の年七・三パーセントの割合は、同項(とん税法第十条第一項(関税法等の準用)(特別とん税法第六条(とん税法の規定の準用)において準用する場合を含む。)及び輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第二十条(関税法の準用)において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、当分の間、各年の特例基準割合(各年の前年の十一月三十日を経過する時における日本銀行法第十五条第一項第一号(権限)の規定により定められる商業手形の基準割引率に年四パーセントの割合を加算した割合をいう。以下この項及び次項において同じ。)が年七・三パーセントの割合に満たない場合には、その年中においては、当該特例基準割合(当該特例基準割合に〇・一パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)とする。
第十三条第二項(還付加算金)に規定する還付加算金の年七・三パーセントの割合は、同項(関税定率法第七条第三十二項(関税法の準用)及び第八条第三十五項(関税法の準用)において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、当分の間、各年の特例基準割合が年七・三パーセントの割合に満たない場合には、その年中においては、当該特例基準割合(当該特例基準割合に〇・一パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)とする。
前二項の規定の適用がある場合における延滞税及び還付加算金の額の計算において、その計算の過程における金額に一円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てる。
附則
昭和29年3月31日
この法律は、昭和二十九年四月一日から施行する。
附則
昭和30年6月30日
この法律は、昭和三十年七月一日から施行する。
第六項の規定による改正後の同項各号に掲げる法律の規定及び前項の規定による改正後の富裕税法を廃止する法律附則第二項の規定は、この法律の施行後に納付し、又は徴収する利子税額又は加算税額について適用する。ただし、当該利子税額又は加算税額の全部又は一部でこの法律の施行前の期間に対応するものについては、なお従前の例による。
前項本文の規定を適用する場合において、利子税額があわせて課される所得税、法人税又は相続税の未納に係る税額(延納の許可を受けた相続税の税額のうちこの法律の施行の日以後に納期限が到来するものを含む。)が、この法律の施行の際に十万円未満であるとき(前項ただし書の規定により従前の簡易利子税額表に関する規定の適用があるときを除く。)は、当該税額に係る利子税額は、当該利子税額の計算の基礎となる税額及び期間に応じ、第六項の規定による改正後の同項第一号から第三号までに規定する法律の利子税額に関する規定に準じて政令で定める簡易利子税額表に掲げる金額とする。
10
この法律の施行前に納税の告知又は督促をした利子税額については、その告知又は督促の日において、前二項の規定により徴収すべき金額につき当額告知又は督促をしたものとみなす。
11
第六項第二号又は第十二号の規定による改正後の法人税法第二十六条の五又は関税法第十三条第一項の規定は、この法律の施行後に支払い、又は未納の国税若しくは滞納処分費に充当する還付加算金について適用する。ただし、当該還付加算金の全部又は一部でこの法律の施行前の期間に対応するものについては、なお従前の例による。
附則
昭和30年8月9日
この法律は、公布の日から九十日をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
昭和31年5月1日
この法律は、公布の日から施行する。
改正前の関税法第八十五条第一項に規定する残金でこの法律の施行の際同項の規定により供託されているものについては、なお従前の例による。
附則
昭和32年3月31日
この法律は、昭和三十二年四月一日から施行する。
附則
昭和32年3月31日
附則
昭和32年5月1日
この法律は、公布の日から起算して三十日をこえない範囲内で政令で定める日から施行する。
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和33年3月10日
(施行期日)
この法律は、昭和三十三年四月一日から施行する。
附則
昭和34年4月11日
この法律は、公布の日から施行する。ただし、第九十六条の改正規定は、昭和三十五年十二月三十一日から施行する。
附則
昭和34年4月20日
(施行期日)
この法律は、国税徴収法の施行の日から施行する。
この法律の施行前に関税又はその滞納処分費に係る過誤納金の返還請求権につき改正後の関税法第十三条第二項第二号又は第三号(差押等がされた場合の還付加算金の計算上の控除期間)に規定する差押又は仮差押がされているときは、この法律の施行の日にその差押又は仮差押がされたものとして、これらの規定を適用する。
附則
昭和36年3月31日
この法律は、昭和三十六年六月一日から施行する。
附則
昭和37年4月2日
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和三十七年四月一日から施行する。
第2条
(国税に関する一般的経過措置)
昭和三十七年四月一日(以下「施行日」という。)前にこの法律の施行前の国税に関する法律(以下「従前の税法」という。)の規定による国税の徴収のために改正前の国税徴収法(以下「旧国税徴収法」という。)第四十二条の規定により納税の告知をした場合における当該告知の指定納期限については、従前の例による。
施行日前に課した、又は課すべきであつた国税につき、施行日前に旧国税徴収法第四十二条の規定による納税の告知がされ、又は施行日以後に国税通則法第三十六条の規定による納税の告知がされた場合において、従前の税法の規定を適用するものとした場合に徴収すべき利子税額の計算の基礎となる期間の始期が施行日以後であるときは、当該期間の始期に該当する日の前日をもつて国税通則法第六十条第二項に規定する法定納期限とみなすものとし、当該国税につき従前の税法に利子税額の徴収に関する規定がなく、かつ、その納税の告知に係る指定された納期限が施行日以後であるときは、当該指定された納期限をもつて国税通則法第六十条第二項に規定する法定納期限とみなす。
施行日前に支払決定をし、又は未納の国税に充当した従前の税法の規定による国税の還付金又は国税に係る過誤納金につき、従前の税法の規定により加算すべき金額については、なお従前の例による。
第13条
(関税法等の一部改正に伴う経過措置)
国税通則法附則第五条から第八条までの規定は、関税に係る還付加算金、延滞税、利子税額及び延滞加算税額並びにとん税又は特別とん税に係る延滞税及び延滞加算税額について準用する。
施行日前に支払決定をし、又は未納の関税に充当した関税の過誤納金につき改正前の関税法の規定により加算すべき金額については、なお従前の例による。
第18条
(罰則に係る経過措置)
この法律の施行前にした国税に係る違反行為及びこの附則の規定により従前の例によることとされる国税に係るこの法律の施行後にした違反行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第19条
(国税に関するその他の経過措置の政令への委任)
国税通則法附則及び前十八条に定めるもののほか、国税通則法及びこの法律第一章の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
昭和37年5月16日
この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。
この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。
この法律の施行の際現に係属している訴訟については、当該訴訟を提起することができない旨を定めるこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。
この法律の施行の際現に係属している訴訟の管轄については、当該管轄を専属管轄とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。
この法律の施行の際現にこの法律による改正前の規定による出訴期間が進行している処分又は裁決に関する訴訟の出訴期間については、なお従前の例による。ただし、この法律による改正後の規定による出訴期間がこの法律による改正前の規定による出訴期間より短い場合に限る。
この法律の施行前にされた処分又は裁決に関する当事者訴訟で、この法律による改正により出訴期間が定められることとなつたものについての出訴期間は、この法律の施行の日から起算する。
この法律の施行の際現に係属している処分又は裁決の取消しの訴えについては、当該法律関係の当事者の一方を被告とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。ただし、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもつて、当該訴訟を当事者訴訟に変更することを許すことができる。
前項ただし書の場合には、行政事件訴訟法第十八条後段及び第二十一条第二項から第五項までの規定を準用する。
附則
昭和37年9月15日
この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。
この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。
この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。
前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。
第三項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかつたものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
前八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
10
この法律及び行政事件訴訟法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律に同一の法律についての改正規定がある場合においては、当該法律は、この法律によつてまず改正され、次いで行政事件訴訟法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律によつて改正されるものとする。
附則
昭和38年3月31日
この法律は、昭和三十八年四月一日から施行する。ただし、第一条中関税定率法第十三条、第十七条第三項、第十七条の二第三項、第十八条及び第十九条の改正規定、第二条中関税法第八条、第十一条及び第百十七条の改正規定並びに同法に第百十二条の二の規定を加える改正規定並びに第三条中関税暫定措置法第七条第二項の改正規定は、昭和三十八年七月一日から施行する。
附則
昭和39年3月31日
この法律は、昭和三十九年四月一日から施行する。
この法律の施行前にした行為及び前項の規定により従前の例によることとされる物品に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
改正後の関税法第十二条第三項及び第四項並びに第十三条の二の規定並びに改正後のとん税法第十条の規定並びに改正後の特別とん税法第九条の規定は、この法律の施行の日以後に計算する関税、とん税及び特別とん税の税額及び課税標準並びにこれらの税に係る延滞税、払いもどし金、還付金(過誤納に係る還付金を含む。)及び還付加算金について適用し、この法律の施行前に計算したものについては、改正前の法律の規定により計算したところによる。
附則
昭和40年3月31日
この法律は、昭和四十年四月一日から施行する。ただし、第一条中関税定率法第二条並びに第十五条第一項第六号及び第七号の改正規定、第二条中関税法第四条第五号、第十一条、第二十三条、第二十六条、第九十七条第一項及び第百十四条の改正規定並びに附則第三項の規定は、昭和四十年七月一日から施行する。
この法律の施行前にした行為及び前項の規定により従前の例によることとされる貨物に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和40年4月15日
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。
附則
昭和40年5月22日
(施行期日)
この法律は、昭和四十年七月一日から施行する。
附則
昭和41年3月31日
この法律は、昭和四十一年四月一日から施行する。ただし、次に掲げる改正規定は、同年十月一日以前において政令で定める日(以下「指定日」という。)から施行する。
施行日前にされた改正前の関税法第四条第二号又は第五十二条第一項(同法第六十二条において準用する場合を含む。)の税関長の承認は、それぞれ改正後の関税法(以下「新法」という。)第五十九条の二第一項又は第五十二条第一項(新法第六十二条において準用する場合を含む。)の規定によつてされた税関長の承認とみなす。
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和41年3月31日
この法律は、昭和四十一年四月一日から施行する。
附則
昭和42年5月27日
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和四十二年六月一日から施行する。
第3条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
改正後の関税法第十二条第一項の規定は、施行日以後に同項ただし書に規定する納期限(国税通則法第三十八条第二項の規定の例による繰上請求がされる場合には、繰上げに係る期限)が到来する関税に係る延滞税について適用し、施行日前に当該納期限が到来している関税に係る延滞税については、なお従前の例による。
改正後の関税法第十二条第四項、第十三条第四項及び第五項並びに第十三条の四の規定は、施行日以後に計算する関税に係る端数計算について適用し、施行日前に計算した関税に係る端数計算については、なお従前の例による。
第8条
(罰則に対する経過措置)
施行日前にした行為に対する罰則の適用及び附則第四条の規定によりなお従前の例によることとされる当該関税の還付に係る違反行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和42年5月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和四十二年六月一日から施行する。
附則
昭和42年8月1日
この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。
附則
昭和43年3月30日
この法律は、昭和四十三年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に掲げる日から施行する。
この法律の施行前にした行為及び前項の規定により従前の例によることとされる物品に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和44年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和四十四年四月一日から施行する。
第3条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
改正後の関税法(以下この条において「新関税法」という。)第四条第六号の規定は、施行日以後に同法第七十六条第三項の規定による通知がされる郵便物について、同法第四条第八号の規定は、同日以後に輸入される郵便物について、それぞれ適用する。
新関税法第七条の三第一項の規定は、施行日以後に輸入の許可を受ける貨物に係る更生の請求について適用する。
新関税法第十三条の規定は、施行日以後に支払決定又は充当をする関税(滞納処分費を含む。)に係る過誤納金に加算すべき金額について適用する。ただし、当該加算すべき金額の全部又は一部で施行日前の期間に対応するものの計算については、なお従前の例による。
新関税法第八十九条第二項の規定は、施行日以後にされた関税法又は他の関税に関する法律の規定に基づく処分に係る異議申立てについて適用し、同日前にされた関税法又は他の関税に関する法律の規定に基づく処分に係る異議申立てについては、なお従前の例による。
新関税法第百五条第一項第四号の二の規定は、施行日以後に輸出された貨物で改正後の関税定率法第十一条に規定するものについて適用する。
第5条
(罰則に対する経過措置)
この法律の施行前にした行為及び附則第二条の規定により従前の例によることとされる貨物に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和45年3月28日
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和四十五年五月一日から施行する。
附則
昭和45年4月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。
附則
昭和46年3月31日
この法律は、昭和四十六年四月一日から施行する。
この法律の施行前にした行為及び附則第二項又は第三項の規定により従前の例によることとされる物品又は関税の還付に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和47年3月31日
この法律は、昭和四十七年四月一日から施行する。
この法律の施行前にした行為及び前項の規定により従前の例によることとされる物品に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和48年3月31日
この法律は、昭和四十八年四月一日から施行する。
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和49年3月30日
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和四十九年四月一日から施行する。
第5条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
附則第二条第二項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧定率法第十八条第一項の規定により関税の免除を受けた貨物については、前条による改正前の関税法(附則第七条において「旧関税法」という。)第百五条第一項第五号の規定は、なおその効力を有する。
第7条
(罰則に対する経過措置)
この法律の施行前にした行為並びにこの附則の規定により従前の例によることとされる物品又は関税の還付及びこの附則の規定によりなおその効力を有するものとされる旧定率法、旧暫定法又は旧関税法の規定に係る物品に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和54年3月30日
この法律は、民事執行法の施行の日(昭和五十五年十月一日)から施行する。
この法律の施行前に申し立てられた民事執行、企業担保権の実行及び破産の事件については、なお従前の例による。
前項の事件に関し執行官が受ける手数料及び支払又は償還を受ける費用の額については、同項の規定にかかわらず、最高裁判所規則の定めるところによる。
附則
昭和55年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和五十五年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第2条
(関税定率法及び関税法の一部改正に伴う経過措置)
第一条の規定による改正前の関税定率法(以下この条において「旧定率法」という。)第二十一条第四項の規定によりされた異議の申出で、この法律の施行の際現に係属しているものは、当該異議の申出がされた日に第二条の規定による改正前の関税法第八十九条第一項の規定によりされた異議申立てとみなす。
旧定率法第二十一条第五項の決定の通知について税関長に対してされた異議申立てで、この法律の施行の際現に係属しているものについては、この法律の施行の日に大蔵大臣に対して第一条の規定による改正後の関税定率法(以下この条において「新定率法」という。)第二十一条第三項の通知についてされた審査請求とみなして、第二条の規定による改正後の関税法(以下この条において「新関税法」という。)第九十一条の規定を適用する。この場合において、税関長は、速やかに、当該異議申立書を大蔵大臣に送付し、かつ、その旨を異議申立人に通知しなければならない。
旧定率法第二十一条第五項の決定の通知に係る不服申立てで、この法律の施行後にされるもの(新関税法第八十九条第二項の期間内にされるものに限る。)については、新関税法第八十九条の異議申立てを経ずに、直ちに大蔵大臣に対して審査請求をすることができる。
第二項の規定は、前項に規定する不服申立てで、この法律の施行後に税関長に対する異議申立てとしてされたもの(新関税法第八十九条第二項の期間内にされたものに限る。)について準用する。この場合において、第二項中「この法律の施行の日」とあるのは、「当該異議申立てがされた日」と読み替えるものとする。
旧定率法第二十一条第五項の決定の通知に係る審査請求で、この法律の施行の際現に係属しているもの及びこの法律の施行後にされるもの(新関税法第九十条の期間内(第三項の規定の適用を受けるものにあつては、同項の期間内)にされるものに限る。)については、新定率法第二十一条第三項の通知についてされた審査請求とみなして、新関税法第九十一条の規定を適用する。
この法律の施行前にされた旧定率法第二十一条第三項の通知については、新関税法第九十三条の規定は、適用しない。
第3条
(罰則に対する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和56年4月25日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
昭和56年5月27日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。
第4条
(関税及び輸入品に対する内国消費税の更正、決定又は賦課決定の期間制限及び徴収権の消滅時効に関する経過措置)
改正後の関税法第十四条(輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(以下この条において「輸徴法」という。)第二十条において準用する場合を含む。)及び第十四条の二の規定は、この法律の施行後に関税法第十四条第一項(輸徴法第二十条において準用する場合を含む。)に規定する法定納期限等が到来する関税及び内国消費税(輸徴法第二条第一号に規定する内国消費税をいう。以下この条において同じ。)について適用し、この法律の施行前に当該法定納期限等が到来した関税及び内国消費税に係る改正前の関税法第十四条第二項及び第三項(輸徴法第二十条において準用する場合を含む。)に規定する更正、決定又は賦課決定をすることができる期間並びに徴収権の消滅時効については、なお従前の例による。
第5条
(罰則に関する経過措置)
改正後の所得税法第二百四十四条第二項、法人税法第百六十四条第二項、相続税法第七十一条第二項、酒税法第六十二条第二項、砂糖消費税法第三十九条第二項、揮発油税法第三十一条第二項、地方道路税法第十七条第二項、石油ガス税法第三十一条第二項、石油税法第二十七条第二項、物品税法第四十七条第二項、トランプ類税法第四十一条第二項、入場税法第二十八条第二項、取引所税法第二十条第二項、関税法第百十七条第二項、関税暫定措置法第十四条第二項、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律第八十七条第六項及び輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第二十五条第二項の規定は、この法律の施行後にした所得税法第二百三十八条第一項、法人税法第百五十九条第一項、相続税法第六十八条第一項、酒税法第五十四条第一項若しくは第二項若しくは第五十五条第一項、砂糖消費税法第三十五条第一項、揮発油税法第二十七条第一項、地方道路税法第十五条第一項、石油ガス税法第二十八条第一項、石油税法第二十四条第一項、物品税法第四十四条第一項、トランプ類税法第三十七条第一項、入場税法第二十五条第一項、取引所税法第十六条後段、第十七条第一項、第十七条ノ二第一項若しくは第十八条後段、関税法第百十条第一項から第三項まで、関税暫定措置法第十二条第一項、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律第八十七条第一項又は輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第二十三条第一項の違反行為について適用し、この法律の施行前にしたこれらの規定の違反行為については、なお従前の例による。
附則
昭和58年12月2日
この法律(第一条を除く。)は、昭和五十九年七月一日から施行する。
この法律の施行の日の前日において法律の規定により置かれている機関等で、この法律の施行の日以後は国家行政組織法又はこの法律による改正後の関係法律の規定に基づく政令(以下「関係政令」という。)の規定により置かれることとなるものに関し必要となる経過措置その他この法律の施行に伴う関係政令の制定又は改廃に関し必要となる経過措置は、政令で定めることができる。
附則
昭和59年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和五十九年四月一日から施行する。
第2条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
第二条の規定による改正後の関税法第十二条第一項の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に同項ただし書に規定する納期限(国税通則法第三十八条第二項の規定の例による繰上請求がされる場合には、繰上げに係る期限)が到来する関税に係る延滞税について適用し、施行日前に当該納期限が到来している関税に係る延滞税については、なお従前の例による。
第二条の規定による改正後の関税法第十二条第三項及び第四項並びに第十三条第四項及び第五項の規定は、施行日以後に計算する関税に係る端数計算について適用し、施行日前に計算した関税に係る端数計算については、なお従前の例による。
第4条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及び前条第一項又は第二項の規定によりなお従前の例によることとされる物品に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和59年8月10日
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和六十年四月一日から施行する。
第11条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
旧たばこ専売法に違反した者に係る第二十二条の規定による改正後の関税法第二十四条第二項の規定による許可については、なお従前の例による。
第26条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及びこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第27条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
昭和61年12月4日
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和六十二年四月一日から施行する。
第42条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
附則
昭和62年6月20日
第1条
(施行期日等)
この法律は、商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。ただし、同条約が昭和六十三年一月一日に効力を生じない場合において、この法律を同日から施行したとしても関税率表における物品の分類のための品目表に関する条約(次項において「品目表条約」という。)の締約政府としての義務に反しないときは、同日から施行する。
この法律を昭和六十三年一月一日から施行したとしても品目表条約の締約政府としての義務に反しないこととなつた場合には、外務大臣はその旨を速やかに告示するものとする。
第一項の規定によるこの法律の施行日が昭和六十三年一月一日に確定した場合には、大蔵大臣はその旨を速やかに告示するものとする。
第4条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及び前二条の規定によりなお従前の例によることとされる物品に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和63年12月13日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
昭和63年12月30日
第1条
(施行期日等)
この法律は、公布の日から施行し、平成元年四月一日以後に国内において事業者が行う資産の譲渡等及び同日以後に国内において事業者が行う課税仕入れ並びに同日以後に保税地域から引き取られる外国貨物に係る消費税について適用する。
前項の規定にかかわらず、この法律のうち次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第47条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
前条の規定による改正後の関税法第九条の二の規定は、適用日以後に輸入される貨物に課されるべき関税について適用する。
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、平成元年四月一日から施行する。
第3条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及び前条の規定により従前の例によることとされる物品又は関税の還付に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成2年6月19日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成3年5月2日
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成4年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成四年四月一日から施行する。
第2条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
第二条の規定による改正後の関税法第五条の規定は、この法律の施行の日(以下この条及び附則第七条において「施行日」という。)以後に輸入申告がされた保税工場における保税作業による製品である外国貨物について適用し、施行日前に輸入申告がされた保税工場における保税作業による製品である外国貨物については、なお従前の例による。
第二条の規定による改正前の関税法第六十条第一項に規定する外国貨物で同項に規定する百日を経過した日が施行日前の日であるもののうち施行日の前日までに関税が納付されていないものについては、同条の規定は、なおその効力を有する。この場合において、同項中「関税の納付の日」とあるのは、「平成四年三月三十一日」とする。
第4条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及び前条の規定により従前の例によることとされる関税の還付に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成5年11月12日
第1条
(施行期日)
この法律は、行政手続法の施行の日から施行する。
第2条
(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第13条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第14条
(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。
第15条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成6年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成六年四月一日から施行する。
第4条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
この法律の施行の際現に第二条の規定による改正前の関税法(以下この条において「旧関税法」という。)第四十二条第一項又は第五十条の規定により許可を受けている保税上屋又は保税倉庫は、施行日において第二条の規定による改正後の関税法(以下この条において「新関税法」という。)第四十二条第一項の規定により許可を受けた保税蔵置場とみなす。
前項の規定により新関税法第四十二条第一項の許可を受けたとみなされる保税蔵置場(以下この条において「継続保税蔵置場」という。)に係る同条第二項に規定する許可の期間は、旧関税法第四十二条第二項(旧関税法第五十五条において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による許可の期間の満了の日までとする。
施行日前に旧関税法第四十二条第一項若しくは第二項又は第五十条に規定する許可又は許可の期間の更新を受けるため税関長に対しされた申請は、施行日において新関税法第四十二条第一項又は第二項に規定する許可又は許可の期間の更新を受けるため当該税関長に対しされた申請とみなす。
旧関税法第四十七条第三項(旧関税法第五十五条において準用する場合を含む。)の規定により施行日以後の日を終期とする期間を指定して保税上屋又は保税倉庫とみなされた場所については、施行日において当該場所を新関税法第四十七条第三項の規定により当該期間の満了の日までの期間を指定して保税蔵置場とみなされたものとみなして、同項の規定を適用する。
施行日前に旧関税法第四十八条第一項(旧関税法第五十五条において準用する場合を含む。次項及び第七項において同じ。)の規定により保税上屋又は保税倉庫の許可を取り消された者は、当該取消しのあった日に新関税法第四十八条第一項の規定により保税蔵置場の許可を取り消された者とみなして、新関税法第四十三条及び第六十二条の八第二項の規定を適用する。
施行日前に旧関税法第四十八条第一項各号(旧関税法第五十五条において準用する場合を含む。)のいずれかに該当するに至った保税上屋又は保税倉庫の許可を受けた者に対し、施行日前に税関長が旧関税法第四十八条第一項の規定による処分を行っていない場合においては、当該保税上屋又は保税倉庫に係る継続保税蔵置場が新関税法第四十八条第一項各号のいずれかに該当したものとみなして、同条の規定を適用する。
旧関税法第四十八条第一項の規定により施行日以後の日を終期とする期間を指定して外国貨物又は輸出しようとする貨物を入れることを停止させられた保税上屋又は保税倉庫に係る継続保税蔵置場は、施行日において新関税法第四十八条第一項の規定により当該期間の満了の日までの期間を指定して外国貨物又は輸出しようとする貨物を入れることを停止させられたものとみなす。
この法律の施行の際現に継続保税蔵置場に置かれている外国貨物(当該継続保税蔵置場に係る保税上屋又は保税倉庫に入れた日から一月を経過していないものに限る。)については、当該外国貨物を当該保税上屋又は保税倉庫に入れた日に当該外国貨物を当該継続保税蔵置場に入れたものとみなして、新関税法第四十三条の三第一項及び第七十九条第一項の規定を適用する。
施行日前に旧関税法第五十二条第一項の規定による承認を受けた外国貨物は、当該承認の日に新関税法第四十三条の三第一項の規定による承認を受けたものとみなす。
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施行日前に旧関税法第七十九条第一項第一号、第二号、第四号、第六号又は第七号に該当するに至った外国貨物(保税上屋又は保税倉庫に係る外国貨物に限る。)の収容については、なお従前の例による。
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施行日前に旧関税法又はこれに基づく命令の保税地域に関する規定によってした処分、手続その他の行為であって、新関税法又はこれに基づく命令の保税地域に関する規定に相当の規定があるものは、この条に別段の定めがあるものを除き、新関税法又はこれに基づく命令の相当の規定によってしたものとみなす。
第7条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第8条
(政令への委任)
附則第三条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成6年12月2日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成七年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成6年12月28日
第1条
(施行期日)
この法律は、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定が日本国について効力を生ずる日から施行する。
第7条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定。以下同じ。)の施行前にした行為並びに附則第三条及び前条の規定により従前の例によることとされる物品に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第8条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成8年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成八年四月一日から施行する。
第4条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成8年6月14日
第1条
(施行期日)
この法律は、国連海洋法条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。
附則
平成9年3月26日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成九年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第2条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
第二条の規定による改正後の関税法(以下この条において「新関税法」という。)第十二条の二及び第十二条の三の規定は、平成九年十月一日前に輸入された貨物(同日以後に輸入される貨物でその輸入申告が同日前にされたものを含む。)に係る関税については、適用しない。
この法律の施行の際現に第二条の規定による改正前の関税法(以下この条において「旧関税法」という。)第三十三条(旧関税法第三十六条において準用する場合を含む。)の規定による税関長が行っている許可は、この法律の施行の日(以下この条において「施行日」という。)において新関税法第三十三条(新関税法第三十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定による税関へされた届出とみなす。
施行日前に税関長が旧関税法第三十条第二号の規定により許可した貨物につき旧関税法第三十六条において準用する旧関税法第四十条第一項(同項第一号に係る部分に限る。)の規定によりされた税関長に対する届出は、施行日において当該貨物につき新関税法第三十六条第二項の規定によりされた税関に対する届出とみなす。
この法律の施行の際現に旧関税法第四十条第一項(同項第二号に係る部分に限る。)(旧関税法第四十九条において準用する場合を含む。)の規定による税関長の許可を受けている外国貨物又は輸出しようとする貨物は、それぞれ施行日において新関税法第四十条第二項(新関税法第四十九条において準用する場合を含む。)の規定による税関長の許可を受けた外国貨物又は輸出しようとする貨物とみなす。
この法律の施行前に旧関税法第三十三条(旧関税法第三十六条において準用する場合を含む。)の許可を受けた者が旧関税法第百条第一号の規定により手数料を納付した場合における当該手数料の額に相当する金額の還付については、なお従前の例による。
第4条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及び前条の規定により従前の例によることとされる物品又は関税の還付に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第5条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成9年5月23日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十年四月一日から施行する。
附則
平成10年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十年四月一日から施行する。
第2条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
第二条の規定による改正後の関税法第四十七条及び第四十八条の二(これらの規定を同法第六十二条、第六十二条の七及び第六十二条の十五において準用する場合を含む。)の規定は、保税蔵置場、保税工場、保税展示場又は総合保税地域の許可を受けた者に係る相続又は合併がこの法律の施行の日以後にある場合について適用し、当該許可を受けた者に係る相続又は合併が同日前にあった場合については、なお従前の例による。
この法律の施行前に第二条の規定による改正前の関税法(以下「旧関税法」という。)第六十二条において準用する旧関税法第四十三条の三第一項又は旧関税法第六十二条の十の規定による税関長の承認を受けた貨物(この法律の施行の際現に旧関税法第六十条第一項(旧関税法第六十二条の十五において準用する場合を含む。)の規定による税関長の承認を受けているものを除く。)を原料として製造された外国貨物で、この法律の施行後に輸入されるものに関税を課する場合の基礎となる貨物の性質及び数量については、なお従前の例による。
第3条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成11年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十一年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第3条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及び前条の規定により従前の例によることとされる物品に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成11年7月16日
第1条
(施行期日)
この法律は、内閣法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第3条
(職員の身分引継ぎ)
この法律の施行の際現に従前の総理府、法務省、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省又は自治省(以下この条において「従前の府省」という。)の職員(国家行政組織法第八条の審議会等の会長又は委員長及び委員、中央防災会議の委員、日本工業標準調査会の会長及び委員並びに これらに類する者として政令で定めるものを除く。)である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもって、この法律の施行後の内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省若しくは環境省(以下この条において「新府省」という。)又はこれに置かれる部局若しくは機関のうち、この法律の施行の際現に当該職員が属する従前の府省又はこれに置かれる部局若しくは機関の相当の新府省又はこれに置かれる部局若しくは機関として政令で定めるものの相当の職員となるものとする。
第30条
(別に定める経過措置)
第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。
附則
平成11年12月22日
第1条
(施行期日)
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。
附則
平成12年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、第二条の規定、第三条中関税法の目次の改正規定、同法第二章第二節中第七条の五を第七条の十七とする改正規定、同法第七条の四の改正規定、同条を同法第七条の十六とする改正規定、同法第七条の三の改正規定、同条を同法第七条の十五とする改正規定、同法第七条の二の改正規定、同条を同法第七条の十四とし、同法第七条の次に十二条を加える改正規定、同法第九条、第九条の二、第十条から第十三条まで、第十四条、第十四条の二、第二十四条、第五十八条の二(見出しを含む。)、第六十二条の十五、第六十七条、第六十八条、第七十二条、第七十三条、第九十七条及び第百五条の改正規定、同法第百十三条の二を同法第百十三条の三とし、同法第百十三条の次に一条を加える改正規定、同法第百十五条及び第百十六条の改正規定、同法第百十七条の改正規定(「第百十三条の二」を「第百十三条の二(特例申告書を提出期限までに提出しない罪)、第百十三条の三」に、「第六号まで(許可」を「第七号まで(許可」に改める部分に限る。)、第四条中関税暫定措置法第十条の三及び第十条の四の改正規定並びに附則第五条及び第七条から第十六条までの規定については、平成十三年三月一日から施行する。
第3条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及び前条の規定により従前の例によることとされる物品に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成13年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十三年四月一日から施行する。ただし、第二条及び第五条の規定並びに附則第七条、第八条、第十条、第十三条及び第十五条の規定は、平成十四年一月一日から施行する。
第2条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
この法律の施行の際現に第三条の規定による改正前の関税法(次項において「旧関税法」という。)第十九条の規定による税関長が行っている許可は、この法律の施行の日(次条第一項及び第三項において「施行日」という。)において第三条の規定による改正後の関税法第十九条の規定による税関へされた届出とみなす。
旧関税法第十九条の許可を受けた者が旧関税法第百条第一号の規定により手数料を納付した場合における当該手数料の額に相当する金額の還付については、なお従前の例による。
第4条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定)の施行前にした行為並びに前条第一項の規定によりなお従前の例によることとされる関税の払戻し及び同条第三項の規定によりなおその効力を有することとされる旧暫定法第十条の四の規定による関税の払戻しに係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成14年7月3日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十四年八月一日から施行する。
附則
平成14年7月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、公社法の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第25条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
施行日前に郵政官署が受け取った郵便物(施行日において発送され、又は名あて人に交付されていないものに限る。以下この条において「施行前受領郵便物」という。)については、公社が受け取ったものとみなして、第百十四条の規定による改正後の関税法(以下この条において「新法」という。)第七十六条第三項の規定を適用する。この場合において、郵政官署が当該施行前受領郵便物について第百十四条の規定による改正前の関税法(以下この条において「旧法」という。)第七十六条第三項の規定により通知を発しているときは、当該通知は、公社が発したものとみなす。
施行前受領郵便物について旧法第七十七条第一項の規定により税関長が郵政官署を経て発した通知は、当該税関長が当該施行前受領郵便物について新法第七十七条第一項の規定により公社を経て発した通知とみなす。
施行前受領郵便物について旧法第七十七条第二項の規定により郵政官署がした送達は、当該施行前受領郵便物について新法第七十七条第二項の規定により公社がした送達とみなす。
税関長が施行前受領郵便物について旧法第七十八条第一項の規定により郵政官署に発した通知は、当該税関長が当該施行前受領郵便物について新法第七十八条第一項の規定により公社に発した通知とみなす。
第38条
(罰則に関する経過措置)
施行日前にした行為並びにこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第39条
(その他の経過措置の政令への委任)
この法律に規定するもののほか、公社法及びこの法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則
平成14年7月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、民間事業者による信書の送達に関する法律の施行の日から施行する。
第2条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第3条
(その他の経過措置の政令への委任)
前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成14年12月13日
第1条
(施行期日)
この法律は、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第4条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第5条
(その他の経過措置の政令への委任)
前三条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成15年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十五年四月一日から施行する。
第2条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
第二条の規定による改正後の関税法第七条の八第一項の規定は、平成十五年四月一日以後に担保を提供する場合について適用する。
第4条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及び前条の規定により従前の例によることとされる物品に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成15年7月18日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第二十条から第三十四条までの規定は、平成十六年四月一日から施行する。
附則
平成16年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十六年四月一日から施行する。ただし、第三条及び附則第三条の規定は、同年十月一日から施行する。
第3条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
第三条の規定による改正後の関税法第九十四条の規定は、平成十六年十月一日以後に輸入が許可された貨物について適用する。
第4条
(関税法の一部改正に伴う準備行為)
第三条の規定による改正後の関税法第九十四条第二項の規定において準用する電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(以下「準用電子帳簿保存法」という。)第四条第一項若しくは第二項又は第五条第一項若しくは第二項の承認及びこれに関し必要な手続その他の行為は、第三条の規定の施行前においても、準用電子帳簿保存法第六条、第七条及び第九条の規定の例により行うことができる。
第5条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成16年6月2日
第1条
(施行期日)
この法律は、破産法(次条第八項並びに附則第三条第八項、第五条第八項、第十六項及び第二十一項、第八条第三項並びに第十三条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。
第14条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成16年6月9日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
第135条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第136条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第137条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、この法律による改正後の株式等の取引に係る決済制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成16年12月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十七年四月一日から施行する。
第4条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成16年12月3日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第39条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第40条
(政令への委任)
附則第三条から第十条まで、第二十九条及び前二条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成17年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十七年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第3条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
第三条の規定による改正後の関税法(以下「新関税法」という。)第十二条の四の規定は、次に掲げる貨物に係る関税については、適用しない。
新関税法第十四条から第十四条の三までの規定(これらの規定を輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(以下この項において「輸徴法」という。)第二十条において準用する場合を含む。)は、この法律の施行の日以後に新関税法第十四条第四項(輸徴法第二十条において準用する場合を含む。)に規定する法定納期限等が到来する関税及び内国消費税(輸徴法第二条第一号に規定する内国消費税をいう。以下この項において同じ。)について適用し、同日前に当該法定納期限等が到来した関税及び内国消費税に係る第三条の規定による改正前の関税法(以下この項において「旧関税法」という。)第十四条(輸徴法第二十条において準用する場合を含む。)に規定する更正、決定又は賦課決定をすることができる期間並びに旧関税法第十四条の二第一項(輸徴法第二十条において準用する場合を含む。)に規定する関税の徴収権又は旧関税法第十四条の三第一項(輸徴法第二十条において準用する場合を含む。)に規定する請求権の消滅時効については、なお従前の例による。
新関税法第四十一条の二の規定は、この法律の施行の日前にした同条第一項に規定する違反行為については、適用しない。
新関税法第四十八条第一項第二号の規定は、この法律の施行の日以後に新関税法第四十三条第二号に規定する刑に処せられ、又は通告処分を受けた場合について適用する。
新関税法第九十四条第二項において準用する同条第一項並びに同条第三項において準用する電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(次条第二項及び第三項において「電子帳簿保存法」という。)第四条から第九条の二まで及び第十一条第一項の規定(新関税法第九十四条第二項に規定する一般輸出貨物を業として輸出する者について適用される場合に限る。)は、附則第一条第一号に定める日以後に輸出が許可された貨物について適用する。
附則第一条第一号に定める日前にした行為に係る犯則事件の処分及び第一項の規定により新関税法第十二条の四の規定が適用されないこととされている関税に関する犯則事件(同日以後にした行為に係る犯則事件に限る。)の処分についての第三条の規定による改正前の関税法第十一章第二節の規定の適用については、なお従前の例による。
第4条
(関税法の一部改正に伴う準備行為)
新関税法第六十七条の三第一項の承認及びこれに関し必要な手続その他の行為(新関税法第六十七条の十において準用する新関税法第四十八条の二第一項から第五項までの規定による承継に係る手続を含む。)は、附則第一条第二号に定める日前においても、新関税法第六十七条の三第五項及び第六項並びに第六十七条の四の規定の例により行うことができる。
新関税法第六十七条の六第二項において準用する電子帳簿保存法(以下この項において「準用電子帳簿保存法」という。)第四条又は第五条第一項若しくは第二項の承認及びこれに関し必要な手続その他の行為は、附則第一条第二号に定める日前においても、準用電子帳簿保存法第六条、第七条及び第九条の規定の例により行うことができる。
新関税法第九十四条第三項において準用する電子帳簿保存法(以下この項において「準用電子帳簿保存法」という。)第四条又は第五条第一項若しくは第二項の規定(新関税法第九十四条第二項に規定する一般輸出貨物を業として輸出する者について適用される場合に限る。)による承認及びこれに関し必要な手続その他の行為は、附則第一条第一号に定める日前においても、準用電子帳簿保存法第六条、第七条及び第九条の規定の例により行うことができる。
第5条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第17条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新関税法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新関税法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
平成17年10月21日
第1条
(施行期日)
この法律は、郵政民営化法の施行の日から施行する。
第88条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
この法律の施行前に旧公社が受け取った郵便物(この法律の施行前に発送され、又は名あて人に交付されていないものに限る。以下この条において「施行前受領郵便物」という。)については、郵便事業株式会社が受け取ったものとみなして第五十六条の規定による改正後の関税法(以下この条において「新法」という。)第七十六条第三項の規定を適用する。この場合において、旧公社が当該施行前受領郵便物について第五十六条の規定による改正前の関税法(以下この条において「旧法」という。)第七十六条第三項の規定により通知を発しているときは、当該通知は、郵便事業株式会社が発したものとみなす。
税関長が施行前受領郵便物について旧法第七十七条第一項の規定により旧公社を経て発した通知は、当該税関長が当該施行前受領郵便物について新法第七十七条第一項の規定により郵便事業株式会社を経て発した通知とみなす。
施行前受領郵便物について旧法第七十七条第二項の規定により旧公社がした送達は、当該施行前受領郵便物について新法第七十七条第二項の規定により郵便事業株式会社がした送達とみなす。
税関長が施行前受領郵便物について旧法第七十八条第一項の規定により旧公社に発した通知は、当該税関長が当該施行前受領郵便物について新法第七十八条第一項の規定により郵便事業株式会社に発した通知とみなす。
第117条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為、この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為、この法律の施行後附則第九条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便為替法第三十八条の八(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第十三条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替法第七十条(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第二十七条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替預り金寄附委託法第八条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第三十九条第二項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第四十二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十一条及び第七十二条(第十五号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為並びに附則第二条第二項の規定の適用がある場合における郵政民営化法第百四条に規定する郵便貯金銀行に係る特定日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成18年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十八年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第3条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
第五条の規定による改正後の関税法第十二条の三第二項、第五項及び第七項の規定は、次に掲げる貨物に係る関税については、適用しないものとし、当該関税に係る無申告加算税の賦課については、なお従前の例による。
第6条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定)の施行前にした行為及び附則第四条の規定により従前の例によることとされる関税の還付又は物品に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第16条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、第五条の規定による改正後の関税法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、同法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
平成18年6月15日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成19年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十九年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第2条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
前条第五号に掲げる規定の施行の日前に、第三条の規定による改正前の関税法第七十六条第三項の規定による通知がされた郵便物については、なお従前の例による。
第4条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第5条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第17条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、第二条及び第三条の規定による改正後の関税法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、同法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
平成20年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第2条
(罰則に関する経過措置)
この法律(前条ただし書に規定する規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第3条
(政令への委任)
前条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第7条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、第二条の規定による改正後の関税法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、同法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
平成20年5月2日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して十日を経過した日から施行する。
附則
平成20年5月30日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十年十月一日から施行する。
附則
平成21年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十一年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第2条
(関税法の一部改正に伴う準備行為)
第二条の規定による改正後の関税法(以下「新関税法」という。)第六十七条の十三第一項の認定を受けようとする者は、前条第二号に定める日前においても、新関税法第六十七条の十三第二項及び第四項の規定の例により、その申請を行うことができる。
第3条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第4条
(政令への委任)
前二条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第6条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新関税法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新関税法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
平成22年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十二年四月一日から施行する。ただし、第一条中関税法第百八条の四から第百十条まで、第百十二条及び第百十七条の改正規定は、平成二十二年六月一日から施行する。
第2条
(罰則に関する経過措置)
この法律(前条ただし書に規定する規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成23年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十三年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第2条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
第三条の規定による改正後の関税法(以下「新関税法」という。)第七条の十五及び第十四条から第十四条の三までの規定(これらの規定を輸徴法第六条第六項又は附則第八条の規定による改正後の輸徴法(以下この項において「新輸徴法」という。)第二十条において準用する場合を含む。)は、前条第三号に定める日以後に新関税法第十四条第四項(新輸徴法第二十条において準用する場合を含む。)に規定する法定納期限等が到来する関税及び内国消費税(輸徴法第二条第一号に規定する内国消費税をいう。以下この項において同じ。)について適用し、同日前に第三条の規定による改正前の関税法(以下この条において「旧関税法」という。)第十四条第四項(附則第八条の規定による改正前の輸徴法第二十条において準用する場合を含む。)に規定する法定納期限等が到来した関税及び内国消費税については、なお従前の例による。
新関税法第八十八条の二第一項の規定は、前条第四号に定める日以後にする同項に規定する行為について適用し、同日前にした旧関税法第八十八条の二第一項に規定する行為については、なお従前の例による。
新関税法第百五条第一項第四号の二及び第六号の規定は、前条第四号に定める日以後に同項第四号の二に規定する輸出者等又は同項第六号に規定する輸入者等(以下この項において「輸出入者等」という。)に対して行う質問、検査又は提示若しくは提出の要求(同日前から引き続き行われている調査(同日前に当該輸出入者等に対して当該調査に係る旧関税法第百五条第一項第四号の二又は第六号の規定による質問又は検査を行っていたものに限る。以下この項及び第五項において「経過措置調査」という。)に係るものを除く。)について適用し、同日前に旧関税法第百五条第一項第四号の二又は第六号に掲げる者に対して行った質問又は検査(経過措置調査に係るものを含む。)については、なお従前の例による。
新関税法第百五条第二項、第四項(同条第二項に係る部分に限る。)及び第五項の規定は、前条第四号に定める日以後に提出される新関税法第百五条第二項に規定する物件について適用する。
新関税法第百五条の二の規定は、前条第四号に定める日以後に輸入者に対して行う質問、検査又は提示若しくは提出の要求(経過措置調査に係るものを除く。)について適用する。
第4条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第5条
(政令への委任)
前三条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第12条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新関税法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新関税法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
平成23年12月2日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。
第104条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第105条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第106条
(納税環境の整備に向けた検討)
政府は、国税に関する納税者の利益の保護に資するとともに、税務行政の適正かつ円滑な運営を確保する観点から、納税環境の整備に向け、引き続き検討を行うものとする。
附則
平成24年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十四年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第3条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定。次項において同じ。)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
新関税法第百十七条第二項の規定は、この法律の施行の際既にその公訴の時効が完成している罪については、適用しない。
第4条
(政令への委任)
前二条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第6条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新関税法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新関税法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
平成24年5月8日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条の規定(郵政民営化法目次中「第六章 郵便事業株式会社 第一節 設立等(第七十条—第七十二条) 第二節 設立に関する郵便事業株式会社法等の特例 第三節 移行期間中の業務に関する特例等(第七十五条—第七十八条) 第七章 郵便局株式会社」を「第六章 削除 第七章 日本郵便株式会社」に改める改正規定、同法第十九条第一項第一号及び第二号、第二十六条、第六十一条第一号並びに第六章の改正規定、同法中「第七章 郵便局株式会社」を「第七章 日本郵便株式会社」に改める改正規定、同法第七十九条第三項第二号及び第八十三条第一項の改正規定、同法第九十条から第九十三条までの改正規定、同法第百五条第一項、同項第二号及び第百十条第一項第二号ホの改正規定、同法第百十条の次に一条を加える改正規定、同法第百三十五条第一項、同項第二号及び第百三十八条第二項第四号の改正規定、同法第百三十八条の次に一条を加える改正規定、同法第十一章に一節を加える改正規定(第百七十六条の五に係る部分に限る。)、同法第百八十条第一項第一号及び第二号並びに第百九十六条の改正規定(第十二号を削る部分を除く。)並びに同法附則第二条第二号の改正規定を除く。)、第二条のうち日本郵政株式会社法附則第二条及び第三条の改正規定、第五条(第二号に係る部分に限る。)の規定、次条の規定、附則第四条、第六条、第十条、第十四条及び第十八条の規定、附則第三十八条の規定(郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律附則第二条第一項、第四十九条、第五十五条及び第七十九条第二項の改正規定、附則第九十条の前の見出しを削り、同条に見出しを付する改正規定並びに附則第九十一条及び第九十五条の改正規定を除く。)、附則第四十条から第四十四条までの規定、附則第四十五条中総務省設置法第三条及び第四条第七十九号の改正規定並びに附則第四十六条及び第四十七条の規定は、公布の日から施行する。
第29条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
この法律の施行前に郵便事業株式会社が受け取った郵便物(この法律の施行前に発送され、又は名宛人に交付されていないものに限る。以下この条において「施行前受領郵便物」という。)については、日本郵便株式会社が受け取ったものとみなして、前条の規定による改正後の関税法(以下この条において「新法」という。)第七十六条第三項の規定を適用する。この場合において、郵便事業株式会社が当該施行前受領郵便物について前条の規定による改正前の関税法(以下この条において「旧法」という。)第七十六条第三項の規定により提示をしているときは、当該提示は、日本郵便株式会社がしたものとみなす。
税関長が施行前受領郵便物について旧法第七十六条第五項の規定により郵便事業株式会社に発した通知は、当該税関長が当該施行前受領郵便物について新法第七十六条第五項の規定により日本郵便株式会社に発した通知とみなす。
税関長が施行前受領郵便物について旧法第七十七条第一項の規定により郵便事業株式会社を経て発した通知は、当該税関長が当該施行前受領郵便物について新法第七十七条第一項の規定により日本郵便株式会社を経て発した通知とみなす。
施行前受領郵便物について旧法第七十七条第二項の規定により郵便事業株式会社がした送達は、当該施行前受領郵便物について新法第七十七条第二項の規定により日本郵便株式会社がした送達とみなす。
郵便物に係る関税を納付しようとする者が、旧法第七十七条の二第一項の規定により当該関税の税額に相当する金銭を郵便事業株式会社に交付し、その納付を委託したときは、新法第七十七条の二第一項の規定により当該関税の税額に相当する金銭を日本郵便株式会社に交付し、その納付を委託したものとみなして、同条第二項及び新法第七十七条の三から第七十七条の五までの規定を適用する。
旧法第七十七条の五第一項の規定による税関長の郵便事業株式会社に対する求めは、新法第七十七条の五第一項の規定による税関長の日本郵便株式会社に対する求めとみなして、同条第二項及び新法第百十四条の二(第九号の二に係る部分に限る。)の規定を適用する。
税関長が施行前受領郵便物について旧法第七十八条第一項の規定により郵便事業株式会社に発した通知は、当該税関長が当該施行前受領郵便物について新法第七十八条第一項の規定により日本郵便株式会社に発した通知とみなす。
郵便事業株式会社が施行前受領郵便物について旧法第七十八条の二第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により税関長に発した通知は、日本郵便株式会社が当該施行前受領郵便物について新法第七十八条の二第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により税関長に発した通知とみなす。
第46条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条ただし書に規定する規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第47条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則
平成24年8月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成25年3月30日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十五年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第2条
(関税法の一部改正に伴う経過措置)
第二条の規定による改正後の関税法(次項において「新関税法」という。)第十四条第四項並びに第十四条の二第一項及び第二項の規定(これらの規定(同条第二項の規定を除く。)を輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(以下この項において「輸徴法」という。)第二十条において準用する場合を含む。)は、前条第一号に定める日以後にされる更正の請求(関税法第七条の十五第一項(輸徴法第六条第六項において準用する場合を含む。)の規定による更正の請求をいう。以下この項において同じ。)に係る関税及び内国消費税(輸徴法第二条第一号に規定する内国消費税をいう。以下この項において同じ。)について適用し、同日前にされた更正の請求に係る関税及び内国消費税については、なお従前の例による。
新関税法附則第三項及び第四項の規定は、これらの規定の適用がある場合における延滞税及び還付加算金のうち前条第二号に定める日以後の期間に対応するものについて適用し、当該延滞税及び還付加算金のうち同日前の期間に対応するものについては、なお従前の例による。
第3条
(政令への委任)
前条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

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