• 新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済に関する特別措置法

新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済に関する特別措置法

平成25年3月30日 改正
第1章
総則
第1条
【目的】
この法律は、厚生労働大臣が行う新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済に関する特別の措置を講ずることにより、新型インフルエンザ予防接種による健康被害の迅速な救済を図ることを目的とする。
第2条
【定義】
この法律において「新型インフルエンザ」とは、インフルエンザであって、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第6条第7項第1号に掲げる新型インフルエンザに該当するものとして同法第44条の2第1項の規定により厚生労働大臣が平成二十一年四月二十八日にその発生に係る情報を公表したものをいう。
この法律において「新型インフルエンザワクチン」とは、新型インフルエンザに係るワクチンをいう。
この法律において「新型インフルエンザ予防接種」とは、新型インフルエンザに対して免疫の効果を得させるため、新型インフルエンザワクチンを、人体に注射し、又は接種することをいう。
第2章
新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済措置
第3条
【新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済のための給付】
厚生労働大臣は、自らが行う新型インフルエンザ予防接種を受けた者が、疾病にかかり、障害の状態となり、又は死亡した場合において、当該疾病、障害又は死亡が当該新型インフルエンザ予防接種を受けたことによるものであると認定したときは、次条及び第5条に定めるところにより、給付を行う。
厚生労働大臣は、前項の認定を行うに当たっては、審議会等(国家行政組織法第8条に規定する機関をいう。)で政令で定めるものの意見を聴かなければならない。
第4条
【給付の範囲】
前条第1項の規定による給付(以下この章において「給付」という。)は、次の各号に掲げるとおりとし、それぞれ当該各号に定める者に対して行う。
医療費及び医療手当 新型インフルエンザ予防接種を受けたことによる疾病について政令で定める程度の医療を受ける者
障害児養育年金 新型インフルエンザ予防接種を受けたことにより政令で定める程度の障害の状態にある十八歳未満の者を養育する者
障害年金 新型インフルエンザ予防接種を受けたことにより政令で定める程度の障害の状態にある十八歳以上の者
遺族年金又は遺族一時金 新型インフルエンザ予防接種を受けたことにより死亡した者の政令で定める遺族
葬祭料 新型インフルエンザ予防接種を受けたことにより死亡した者の葬祭を行う者
第5条
【政令への委任】
前条に定めるもののほか、給付の額、支給方法その他給付に関して必要な事項は、政令で定める。
参照条文
第6条
【損害賠償との調整】
厚生労働大臣は、給付を受けるべき者が同一の事由について損害賠償を受けたときは、その価額の限度において、給付を行わないことができる。
厚生労働大臣は、給付を受けた者が同一の事由について損害賠償を受けたときは、その価額の限度において、その受けた給付の額に相当する金額を返還させることができる。
第7条
【不正利得の徴収】
厚生労働大臣は、偽りその他不正の手段により給付を受けた者があるときは、国税徴収の例により、その者から、その受けた給付の額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができる。
前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
第8条
【受給権の保護】
給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
第9条
【公課の禁止】
租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。
第10条
【保健福祉事業の推進】
国は、第4条第1号から第3号までに掲げる給付の支給に係る者であって居宅において介護を受けるものの医療、介護等に関し、その家庭からの相談に応ずる事業その他の保健福祉事業の推進を図るものとする。
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。
第2条
(施行前に新型インフルエンザ予防接種を受けた者についての適用等)
第二章の規定は、次条に規定する場合を除き、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に厚生労働大臣が行った新型インフルエンザ予防接種を受けた者についても適用する。
前項の場合において、同項に規定する者に係る当該新型インフルエンザ予防接種を受けたことによる疾病、障害又は死亡について、この法律の施行の際現に独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対してされている副作用救済給付(独立行政法人医薬品医療機器総合機構法第十五条第一項第一号イに規定する副作用救済給付をいう。以下同じ。)又は感染救済給付(同条第一項第二号イに規定する感染救済給付をいう。以下同じ。)の請求は、厚生労働大臣に対してされた第三条第一項の規定による給付の請求とみなす。
第一項の場合において、同項に規定する者に係る当該新型インフルエンザ予防接種を受けたことによる疾病、障害又は死亡について、施行日前に副作用救済給付又は感染救済給付を支給しない旨の決定がされている場合における当該新型インフルエンザ予防接種を受けた者についての第三条第一項の規定の適用については、同項中「受けたことによるもの」とあるのは、「受けたことによるもの(独立行政法人医薬品医療機器総合機構法第四条第六項に規定する医薬品の副作用又は同条第九項に規定する生物由来製品を介した感染等による疾病、障害又は死亡に該当するものを除く。)」とする。
第3条
施行日前に厚生労働大臣が行った新型インフルエンザ予防接種を受けた者に係る当該新型インフルエンザ予防接種を受けたことによる疾病、障害又は死亡について、施行日前に副作用救済給付又は感染救済給付を支給する旨の決定がされている場合における当該新型インフルエンザ予防接種を受けた者については、第三条第一項の規定は、適用しない。
第6条
(検討)
政府は、厚生労働大臣が行う新型インフルエンザ予防接種の実施状況、新型インフルエンザ予防接種の有効性及び安全性に関する調査研究の結果等を勘案し、将来発生が見込まれる新型インフルエンザ等感染症(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第六条第七項に規定する新型インフルエンザ等感染症をいう。)に係る予防接種の在り方、当該予防接種に係る健康被害の救済措置の在り方等について、速やかに検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
第7条
(政令への委任)
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成23年7月22日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、第一条中予防接種法第六条に二項を加える改正規定、同法第七条の改正規定、同条の次に一条を加える改正規定並びに同法第八条、第九条、第二十二条第二項、第二十四条及び第二十五条の改正規定、第二条中新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法第五条第二項を削る改正規定及び同法附則第二条第二項の改正規定並びに附則第三条及び第四条の規定は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第2条
(新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部改正に伴う経過措置)
この法律の施行前に締結された第二条の規定による改正前の新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法第十一条の規定による契約については、なお従前の例による。
第3条
削除
第6条
(検討)
政府は、伝染のおそれがある疾病の発生及びまん延の状況、第一条の規定による改正後の予防接種法の規定の施行の状況等を勘案し、予防接種の在り方等について総合的に検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
政府は、この法律の施行の日から五年以内に、緊急時におけるワクチンの確保等に関する国、製造販売業者(薬事法第十二条第一項の医薬品の製造販売業の許可を受けた者をいう。)等の関係者の役割の在り方等について総合的に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第7条
(政令への委任)
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成25年3月30日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十五年四月一日から施行する。ただし、附則第六条及び第十九条の規定は、公布の日から施行する。
第19条
(政令への委任)
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

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