日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法
平成23年6月24日 改正
第1条
【趣旨】
この法律は、日本電信電話株式会社の株式の売払収入による国債整理基金の資金の一部を運用し、社会資本の整備の促進を図るため、国の融資等に関する特別措置を講ずるとともに当該資金の運用等に関し必要な事項を定めるものとする。
第2条
【国の無利子貸付け】
1
国は、当分の間、別に法律で定めるところにより、道路、公園その他の公共の用に供する施設を整備する事業その他の公共的な建設の事業及び官公庁施設の建設等の事業(以下この項、
次条及び
第7条において「公共的建設事業」という。)で、次に掲げるものに要する費用に充てる資金を無利子で貸し付けることができる。
①
地方公共団体以外の者が国の直接又は間接の負担又は補助を受けずに実施する公共的建設事業のうち、当該公共的建設事業(これと密接に関連する他の事業を含む。)により生ずる収益をもつて当該公共的建設事業に要する費用を支弁することができると認められるもの
②
国の負担又は補助を受ける公共的建設事業のうち、民間投資の拡大又は地域における就業機会の増大に寄与すると認められる社会資本を整備するものであつて、緊急に実施する必要のあるもの
2
前項の国の貸付金の償還期間は、
同項第1号に係るものにあつては二十年(五年以内の据置期間を含む。)を超えない範囲内で、
同項第2号に係るものにあつては五年(二年以内の据置期間を含む。)を超えない範囲内で、それぞれ別に法律で定める。
第2条の2
1
国は、当分の間、次の各号に掲げる事業で、国が負担又は補助を行う必要があると認められるもののうち、民間投資の拡大又は地域における就業機会の増大に寄与すると認められる社会資本を整備するものであつて、緊急に実施する必要のある公共的建設事業に要する費用に充てる資金の全部又は一部を、当該各号に定める者に対し、予算の範囲内において、無利子で貸し付けることができる。
③
ライフサイエンス(生命現象の解明及びその成果の応用に関する総合的科学技術をいう。以下この号において同じ。)に関する研究開発、ライフサイエンスに関する研究開発に係る情報の収集及び解析並びにこれらの成果の普及及び活用の促進を行うための施設を整備する事業 地方公共団体
④
農林畜水産物及び食品の流通の増進及び改善のための施設を整備する事業 地方公共団体
⑥
農林漁業の生産力の維持増進のための施設並びに農用地及び漁場を整備する事業 都道府県
⑦
地勢等の地理的条件が悪く経済的社会的諸条件が不利な地域における良好な生活環境を確保するための施設の整備に関する事業 都道府県
⑧
都市と農山漁村との間の交流の促進に資する施設の整備に関する事業 都道府県
⑨
都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため
土地区画整理法による土地区画整理事業その他の事業を計画に基づき総合的に行う事業 地方公共団体
⑩
相当規模の住宅の敷地の整備、住宅地の造成又は住宅の建設と公共の用に供する施設の整備を一体的に行う事業及びこれに付随する事業 地方公共団体又は地方住宅供給公社
⑪
鉄道の技術の高度化に資する研究開発を行うための施設を整備する事業 鉄道の技術に関する試験研究等を行うことにより鉄道事業の健全な発達に寄与することを目的とする一般社団法人又は一般財団法人
⑫
自然環境の保護又は健全な利用のための施設(都道府県が執行する
自然公園法第2条第6号に規定する公園事業に該当するものを除く。)を整備する事業 地方公共団体
2
前項の国の貸付金の償還期間は、五年(二年以内の据置期間を含む。)を超えない範囲内で政令で定める。
3
前項に定めるもののほか、
第1項の国の貸付金の償還方法、償還期限の繰上げその他償還に関し必要な事項は、政令で定める。
第3条
1
国は、当分の間、国民経済の基盤の充実に資する施設の整備を民間事業者の能力を活用して促進することを目的とする法律に基づき当該施設を整備する事業その他の政令で定める事業のうち、地方公共団体(その出資され、又は拠出された金額の全部が地方公共団体により出資され、又は拠出されている法人を含む。)の出資又は拠出に係る法人が行う事業でこれらの事業により整備される施設がその周辺の相当程度広範囲の地域に対して適切な経済的効果を及ぼすと認められるもの(
次項において「特定事業」という。)に係る資金について、日本政策投資銀行及び沖縄振興開発金融公庫(以下この条、
第6条、
第7条及び
附則第3条において「日本政策投資銀行等」という。)が行う無利子の貸付けに要する資金の財源に充てるため、日本政策投資銀行等に対し、無利子で、必要な資金の貸付けをすることができる。
2
国は、当分の間、特定事業に準ずるものとして政令で定める事業に係る資金について、日本政策投資銀行等が行う貸付けに要する資金の財源の一部に充てるため、日本政策投資銀行等に対し、無利子で、必要な資金の貸付けをすることができる。
3
前二項の国の貸付金の償還期間は、十五年(三年以内の据置期間を含む。)以内とする。
4
前項に定めるもののほか、
第1項又は
第2項の国の貸付金の償還方法、償還期限の繰上げその他償還に関し必要な事項は、政令で定める。
第4条
【無利子貸付け対象事業に係る国の負担金等の交付】
国は、
第2条第1項第2号に該当する事業に要する費用に充てる資金を無利子で貸し付けた場合には、当該貸付けの対象とした事業に係る国の負担又は補助については、別に法律で定めるところにより、当該貸付金の償還時において行うものとする。
第4条の2
1
国は、
第2条の2第1項に該当する事業に要する費用に充てる資金の全部又は一部を
同項各号に定める者に対し無利子で貸し付けた場合には、当該貸付けの対象とした事業について、当該貸付金に相当する金額の補助を行うものとし、当該補助については、当該貸付金の償還時において、当該各号に定める者に当該貸付金の償還金に相当する金額を交付することにより行うものとする。
2
第2条の2第1項の規定により貸付けを受けた者が、当該貸付金について、
同条第2項及び
第3項の規定に基づき定められる償還期限を繰り上げて償還を行つた場合(政令で定める場合を除く。)における
前項の規定の適用については、当該償還は、当該償還期限の到来時に行われたものとみなす。
第5条
【補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の準用等】
第6条
【繰入規定】
1
政府は、当分の間、次に掲げる財源に充てるため、各会計年度における国債の償還等国債整理基金の運営に支障の生じない範囲内で、日本電信電話株式会社の株式の売払収入金に相当する金額の一部を、予算で定めるところにより、国債整理基金特別会計から一般会計に繰り入れることができる。
①
別に法律で定めるところにより
第2条第1項又は
第2条の2第1項の規定による貸付けに関する経理を行う特別会計(以下「特別融資関係特別会計」という。)への繰入れの財源
④
次条第2項に規定する当該公共的建設事業の費用に充てるための財源及び当該公共的建設事業に関する経理を行う場合の特別会計(
次条において「特別事業関係特別会計」という。)への
同項の規定による繰入れの財源
2
政府は、後日、
前項の規定により国債整理基金特別会計から一般会計に繰り入れられた金額に達するまでの金額を、予算で定めるところにより、一般会計から国債整理基金特別会計に繰り入れるものとする。
第7条
【特別融資関係特別会計及び特別事業関係特別会計への繰入れ】
1
前条第1項の規定により、国債整理基金特別会計から一般会計に繰り入れられたときは、
第2条第1項又は
第2条の2第1項の規定による貸付けの財源に充てるため、特別融資関係特別会計の当該貸付金に相当する金額を特別融資関係特別会計に、予算で定めるところにより、繰り入れるものとする。
2
前条第1項の規定により、国債整理基金特別会計から一般会計に繰り入れられたときは、国が実施する公共的建設事業であつて民間投資の拡大又は地域における就業機会の増大に寄与すると認められる社会資本を整備するもののうち緊急に実施する必要のあるものの財源に充てるため、当該公共的建設事業に要する費用(国が負担すべき費用に限る。)に相当する金額を特別事業関係特別会計に、予算で定めるところにより、繰り入れるものとする。
3
財務大臣は、他の各省各庁の長の同意を得て、当該各省各庁に置かれた官職を指定することにより、その官職にある者に
第2条第1項又は
第2条の2第1項の規定による貸付金(特別融資関係特別会計において経理されるものを除く。)に係る支出負担行為に関する事務を委任するものとする。
別表
【第五条関係】
第二条第四項 | 交付の目的に従つて | 貸付けの目的に従つて |
第三条第二項 | 交付の | 貸付けの |
第六条第一項 | 交付の | 貸付けの |
交付が | 貸付けが |
交付すべきもの | 貸し付けるべきもの |
第十条第三項 | 交付の | 貸付けの |
第十一条第一項 | 交付の決定 | 貸付けの決定 |
第十五条 | 交付の | 貸付けの |
交付すべき | 貸し付けるべき |
第十七条第三項 | 交付すべき | 貸し付けるべき |
第十八条第一項 | 交付の | 貸付けの |
交付されているとき | 貸し付けられているとき |
第十八条第二項 | 交付すべき | 貸し付けるべき |
交付されているとき | 貸し付けられているとき |
期限を定めて | 当該超える部分について貸付けの決定を取り消し、期限を定めて |
第二十条 | 交付すべき | 貸し付けるべき |
その交付 | その貸付け |
第二十六条第一項 | 委任すること | 委任すること(他の各省各庁の長から当該事務の一部の委任を受けた各省各庁の長が、当該各省各庁の機関に委任する場合を含む。) |
第二十七条 | 交付する | 貸し付ける |
第二十九条第一項 | 交付を | 貸付けを |
第二十九条第二項 | 交付又は | 貸付け又は交付若しくは |
附則
第2条
(産業投資特別会計法の特例に関する経過措置)
1
第七条の規定は、昭和六十二年度の予算から適用し、昭和六十一年度の収入及び支出並びに同年度以前の年度の決算に関しては、なお従前の例による。
2
産業投資特別会計法第九条の規定により昭和六十二年度の歳入に繰り入れるべき金額は、産業投資特別会計産業投資勘定の同年度の歳入に繰り入れるものとする。
3
この法律の施行の日の前日までに収納した産業投資特別会計の昭和六十二年度の歳入に属する収入は産業投資特別会計産業投資勘定の歳入と、同日までに産業投資特別会計の同年度の予算に基づいてした債務の負担又は支出は同勘定の同年度の予算に基づいてした債務の負担又は支出とみなす。
4
この法律の施行の際、産業投資特別会計に所属する権利義務は、政令で定めるところにより、産業投資特別会計産業投資勘定に帰属するものとする。
第3条
(国の無利子貸付けの特例)
1
国は、平成十八年三月三十一日までを限り、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律第二条第四項に規定する選定事業に要する費用のうち、民間投資の拡大又は地域における就業機会の増大に寄与すると認められる公共施設等(同条第一項に規定する公共施設等をいう。)の建設に要する費用に充てる資金について、日本政策投資銀行等が行う無利子の貸付けに要する資金の財源に充てるため、日本政策投資銀行等に対し、無利子で、必要な資金の貸付けをすることができる。
2
前項の国の貸付金の償還期間は、三十年(五年以内の据置期間を含む。)以内とする。
3
前項に定めるもののほか、第一項の国の貸付金の償還方法、償還期限の繰上げその他償還に関し必要な事項は、政令で定める。
4
第一項の規定により、日本政策投資銀行等に対し貸付けを行う場合における第六条及び第七条の適用については、第六条第二項第三号並びに第七条第一項及び第四項中「第三条第一項又は第二項」とあるのは、「第三条第一項、第二項又は附則第三条第一項」とする。
附則
平成11年6月11日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第十七条から第十九条まで及び第二十一条から第六十五条までの規定は、平成十一年十月一日から施行する。
附則
平成11年7月16日
第250条
(検討)
新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第251条
政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第252条
政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成11年12月22日
第1条
(施行期日)
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。
附則
平成18年6月2日
この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。
附則
平成19年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十九年四月一日から施行し、平成十九年度の予算から適用する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行し、第二条第一項第四号、第十六号及び第十七号、第二章第四節、第十六節及び第十七節並びに附則第四十九条から第六十五条までの規定は、平成二十年度の予算から適用する。
第388条
(日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法の一部改正に伴う経過措置)
1
附則第三百十六条の規定による改正前の日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法に基づく産業投資特別会計の社会資本整備勘定(以下この条において「旧社会資本整備勘定」という。)の平成十八年度の収入及び支出並びに同年度以前の年度の決算に関しては、なお従前の例による。この場合において、旧社会資本整備勘定の平成十九年度の歳入に繰り入れるべき金額があるときは、附則第三百十六条の規定による改正後の日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法に基づく産業投資特別会計の社会資本整備勘定(以下この条及び次条において「暫定社会資本整備勘定」という。)の歳入に繰り入れるものとする。
2
旧社会資本整備勘定の平成十八年度の歳出予算の経費の金額のうち財政法第十四条の三第一項若しくは第四十二条ただし書又は附則第六十六条第十五号の規定による廃止前の産業投資特別会計法第十五条第一項の規定による繰越しを必要とするものは、暫定社会資本整備勘定に繰り越して使用することができる。
3
この法律の施行の際、旧社会資本整備勘定に所属する権利義務は、暫定社会資本整備勘定に帰属するものとする。
4
前項の規定により暫定社会資本整備勘定に帰属する権利義務に係る収入及び支出は、暫定社会資本整備勘定の歳入及び歳出とする。
第389条
1
暫定社会資本整備勘定の平成十九年度の収入及び支出並びに決算に関しては、なお従前の例による。この場合において、暫定社会資本整備勘定の平成二十年度の歳入に繰り入れるべき金額があるときは、一般会計の歳入に繰り入れるものとする。
2
暫定社会資本整備勘定の平成十九年度の歳出予算の経費の金額のうち財政法第十四条の三第一項又は第四十二条ただし書の規定による繰越しを必要とするものは、一般会計に繰り越して使用することができる。
3
附則第三百十七条の規定による改正後の日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法の施行の際、暫定社会資本整備勘定に所属する権利義務は、一般会計に帰属するものとする。
第391条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第392条
(その他の経過措置の政令への委任)
附則第二条から第六十五条まで、第六十七条から第二百五十九条まで及び第三百八十二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要となる経過措置は、政令で定める。
附則
平成23年6月24日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。