• 救急救命士法

救急救命士法

平成23年6月24日 改正
第1章
総則
第1条
【目的】
この法律は、救急救命士の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるように規律し、もって医療の普及及び向上に寄与することを目的とする。
第2条
【定義】
この法律で「救急救命処置」とは、その症状が著しく悪化するおそれがあり、又はその生命が危険な状態にある傷病者(以下この項及び第44条第2項において「重度傷病者」という。)が病院又は診療所に搬送されるまでの間に、当該重度傷病者に対して行われる気道の確保、心拍の回復その他の処置であって、当該重度傷病者の症状の著しい悪化を防止し、又はその生命の危険を回避するために緊急に必要なものをいう。
この法律で「救急救命士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、救急救命士の名称を用いて、医師の指示の下に、救急救命処置を行うことを業とする者をいう。
第2章
免許
第3条
【免許】
救急救命士になろうとする者は、救急救命士国家試験(以下「試験」という。)に合格し、厚生労働大臣の免許(第34条第5号を除き、以下「免許」という。)を受けなければならない。
第4条
【欠格事由】
次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
罰金以上の刑に処せられた者
前号に該当する者を除くほか、救急救命士の業務に関し犯罪又は不正の行為があった者
心身の障害により救急救命士の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
麻薬、大麻又はあへんの中毒者
第5条
【救急救命士名簿】
厚生労働省に救急救命士名簿を備え、免許に関する事項を登録する。
参照条文
第6条
【登録及び免許証の交付】
免許は、試験に合格した者の申請により、救急救命士名簿に登録することによって行う。
厚生労働大臣は、免許を与えたときは、救急救命士免許証を交付する。
参照条文
第7条
【意見の聴取】
厚生労働大臣は、免許を申請した者について、第4条第3号に掲げる者に該当すると認め、同条の規定により免許を与えないこととするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知し、その求めがあったときは、厚生労働大臣の指定する職員にその意見を聴取させなければならない。
第8条
【救急救命士名簿の訂正】
救急救命士は、救急救命士名簿に登録された免許に関する事項に変更があったときは、三十日以内に、当該事項の変更を厚生労働大臣に申請しなければならない。
参照条文
第9条
【免許の取消し等】
救急救命士が第4条各号のいずれかに該当するに至ったときは、厚生労働大臣は、その免許を取り消し、又は期間を定めて救急救命士の名称の使用の停止を命ずることができる。
前項の規定により免許を取り消された者であっても、その者がその取消しの理由となった事項に該当しなくなったとき、その他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至ったときは、再免許を与えることができる。この場合においては、第6条の規定を準用する。
第10条
【登録の消除】
厚生労働大臣は、免許がその効力を失ったときは、救急救命士名簿に登録されたその免許に関する事項を消除しなければならない。
参照条文
第11条
【免許証の再交付手数料】
救急救命士免許証の再交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納付しなければならない。
第12条
【指定登録機関の指定】
厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、その指定する者(以下「指定登録機関」という。)に、救急救命士名簿の登録の実施に関する事務(以下「登録事務」という。)を行わせることができる。
指定登録機関の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、登録事務を行おうとする者の申請により行う。
厚生労働大臣は、他に第1項の規定による指定を受けた者がなく、かつ、前項の申請が次の要件を満たしていると認めるときでなければ、指定登録機関の指定をしてはならない。
職員、設備、登録事務の実施の方法その他の事項についての登録事務の実施に関する計画が、登録事務の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。
前号の登録事務の実施に関する計画の適正かつ確実な実施に必要な経理的及び技術的な基礎を有するものであること。
厚生労働大臣は、第2項の申請が次のいずれかに該当するときは、指定登録機関の指定をしてはならない。
申請者が、一般社団法人又は一般財団法人以外の者であること。
申請者が、その行う登録事務以外の業務により登録事務を公正に実施することができないおそれがあること。
申請者が、第23条の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者であること。
申請者の役員のうちに、次のいずれかに該当する者があること。
この法律に違反して、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
次条第2項の規定による命令により解任され、その解任の日から起算して二年を経過しない者
第13条
【指定登録機関の役員の選任及び解任】
指定登録機関の役員の選任及び解任は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
厚生労働大臣は、指定登録機関の役員が、この法律(この法律に基づく命令又は処分を含む。)若しくは第15条第1項に規定する登録事務規程に違反する行為をしたとき、又は登録事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定登録機関に対し、当該役員の解任を命ずることができる。
第14条
【事業計画の認可等】
指定登録機関は、毎事業年度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(第12条第1項の規定による指定を受けた日の属する事業年度にあっては、その指定を受けた後遅滞なく)、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
指定登録機関は、毎事業年度の経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。
第15条
【登録事務規程】
指定登録機関は、登録事務の開始前に、登録事務の実施に関する規程(以下「登録事務規程」という。)を定め、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
登録事務規程で定めるべき事項は、厚生労働省令で定める。
厚生労働大臣は、第1項の認可をした登録事務規程が登録事務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、指定登録機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。
第16条
【規定の適用等】
指定登録機関が登録事務を行う場合における第5条第6条第2項第9条第2項において準用する場合を含む。)、第8条第10条及び第11条の規定の適用については、第5条中「厚生労働省」とあるのは「指定登録機関」と、第6条第2項中「厚生労働大臣」とあるのは「指定登録機関」と、「免許を与えたときは、救急救命士免許証」とあるのは「前項の規定による登録をしたときは、当該登録に係る者に救急救命士免許証明書」と、第8条及び第10条中「厚生労働大臣」とあるのは「指定登録機関」と、第11条中「救急救命士免許証」とあるのは「救急救命士免許証明書」と、「国」とあるのは「指定登録機関」とする。
指定登録機関が登録事務を行う場合において、救急救命士名簿に免許に関する事項の登録を受けようとする者又は救急救命士免許証明書の書換え交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を指定登録機関に納付しなければならない。
第1項の規定により読み替えて適用する第11条及び前項の規定により指定登録機関に納められた手数料は、指定登録機関の収入とする。
第17条
【秘密保持義務等】
指定登録機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、登録事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
登録事務に従事する指定登録機関の役員又は職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
参照条文
第18条
【帳簿の備付け等】
指定登録機関は、厚生労働省令で定めるところにより、帳簿を備え付け、これに登録事務に関する事項で厚生労働省令で定めるものを記載し、及びこれを保存しなければならない。
第19条
【監督命令】
厚生労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定登録機関に対し、登録事務に関し監督上必要な命令をすることができる。
参照条文
第20条
【報告】
厚生労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、厚生労働省令で定めるところにより、指定登録機関に対し、報告をさせることができる。
参照条文
第21条
【立入検査】
厚生労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、その職員に、指定登録機関の事務所に立ち入り、指定登録機関の帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
前項の規定により立入検査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
第1項に規定する権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
参照条文
第22条
【登録事務の休廃止】
指定登録機関は、厚生労働大臣の許可を受けなければ、登録事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
第23条
【指定の取消し等】
厚生労働大臣は、指定登録機関が第12条第4項各号(第3号を除く。)のいずれかに該当するに至ったときは、その指定を取り消さなければならない。
厚生労働大臣は、指定登録機関が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて登録事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
第12条第3項各号の要件を満たさなくなったと認められるとき。
第13条第2項第15条第3項又は第19条の規定による命令に違反したとき。
第14条又は前条の規定に違反したとき。
第15条第1項の認可を受けた登録事務規程によらないで登録事務を行ったとき。
次条第1項の条件に違反したとき。
第24条
【指定等の条件】
第12条第1項第13条第1項第14条第1項第15条第1項又は第22条の規定による指定、認可又は許可には、条件を付し、及びこれを変更することができる。
前項の条件は、当該指定、認可又は許可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該指定、認可又は許可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであってはならない。
参照条文
第25条
削除
第26条
【指定登録機関がした処分等に係る不服申立て】
指定登録機関が行う登録事務に係る処分又はその不作為について不服がある者は、厚生労働大臣に対し、行政不服審査法による審査請求をすることができる。
参照条文
第27条
【厚生労働大臣による登録事務の実施等】
厚生労働大臣は、指定登録機関の指定をしたときは、登録事務を行わないものとする。
厚生労働大臣は、指定登録機関が第22条の規定による許可を受けて登録事務の全部若しくは一部を休止したとき、第23条第2項の規定により指定登録機関に対し登録事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定登録機関が天災その他の事由により登録事務の全部若しくは一部を実施することが困難となった場合において必要があると認めるときは、登録事務の全部又は一部を自ら行うものとする。
第28条
【公示】
厚生労働大臣は、次の場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
第12条第1項の規定による指定をしたとき。
第22条の規定による許可をしたとき。
第23条の規定により指定を取り消し、又は登録事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。
前条第2項の規定により登録事務の全部若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は自ら行っていた登録事務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。
参照条文
第29条
【厚生労働省令への委任】
この章に規定するもののほか、免許の申請、救急救命士名簿の登録、訂正及び消除、救急救命士免許証又は救急救命士免許証明書の交付、書換え交付及び再交付、第27条第2項の規定により厚生労働大臣が登録事務の全部又は一部を行う場合における登録事務の引継ぎその他免許及び指定登録機関に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
第3章
試験
第30条
【試験】
試験は、救急救命士として必要な知識及び技能について行う。
第31条
【試験の実施】
試験は、毎年一回以上、厚生労働大臣が行う。
第32条
【救急救命士試験委員】
試験の問題の作成及び採点を行わせるため、厚生労働省に救急救命士試験委員(次項及び次条において「試験委員」という。)を置く。
試験委員に関し必要な事項は、政令で定める。
第33条
【不正行為の禁止】
試験委員は、試験の問題の作成及び採点について、厳正を保持し不正の行為のないようにしなければならない。
参照条文
第34条
【受験資格】
試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。
学校教育法第90条第1項の規定により大学に入学することができる者(この号の規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が同条第2項の規定により当該大学に入学させた者を含む。)で、文部科学大臣が指定した学校又は厚生労働大臣が指定した救急救命士養成所において、二年以上救急救命士として必要な知識及び技能を修得したもの
学校教育法に基づく大学若しくは高等専門学校、旧大学令に基づく大学又は厚生労働省令で定める学校、文教研修施設若しくは養成所において一年(高等専門学校にあっては、四年)以上修業し、かつ、厚生労働大臣の指定する科目を修めた者で、文部科学大臣が指定した学校又は厚生労働大臣が指定した救急救命士養成所において、一年以上救急救命士として必要な知識及び技能を修得したもの
学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。)又は旧大学令に基づく大学において厚生労働大臣の指定する科目を修めて卒業した者
消防法第2条第9項に規定する救急業務(以下この号において「救急業務」という。)に関する講習で厚生労働省令で定めるものの課程を修了し、及び厚生労働省令で定める期間以上救急業務に従事した者(学校教育法第90条第1項の規定により大学に入学することができるもの(この号の規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が同条第2項の規定により当該大学に入学させた者を含む。)に限る。)であって、文部科学大臣が指定した学校又は厚生労働大臣が指定した救急救命士養成所において、一年(当該学校又は救急救命士養成所のうち厚生労働省令で定めるものにあっては、六月)以上救急救命士として必要な知識及び技能を修得したもの
外国の救急救命処置に関する学校若しくは養成所を卒業し、又は外国で救急救命士に係る厚生労働大臣の免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が前各号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定したもの
第35条
【試験の無効等】
厚生労働大臣は、試験に関して不正の行為があった場合には、その不正行為に関係のある者に対しては、その受験を停止させ、又はその試験を無効とすることができる。
厚生労働大臣は、前項の規定による処分を受けた者に対し、期間を定めて試験を受けることができないものとすることができる。
第36条
【受験手数料】
試験を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の受験手数料を国に納付しなければならない。
前項の受験手数料は、これを納付した者が試験を受けない場合においても、返還しない。
第37条
【指定試験機関の指定】
厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、その指定する者(以下「指定試験機関」という。)に、試験の実施に関する事務(以下「試験事務」という。)を行わせることができる。
指定試験機関の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、試験事務を行おうとする者の申請により行う。
第38条
【指定試験機関の救急救命士試験委員】
指定試験機関は、試験の問題の作成及び採点を救急救命士試験委員(次項及び第3項並びに次条並びに第41条において読み替えて準用する第13条第2項及び第17条において「試験委員」という。)に行わせなければならない。
指定試験機関は、試験委員を選任しようとするときは、厚生労働省令で定める要件を備える者のうちから選任しなければならない。
指定試験機関は、試験委員を選任したときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない。試験委員に変更があったときも、同様とする。
第39条
試験委員は、試験の問題の作成及び採点について、厳正を保持し不正の行為のないようにしなければならない。
参照条文
第40条
【受験の停止等】
指定試験機関が試験事務を行う場合において、指定試験機関は、試験に関して不正の行為があったときは、その不正行為に関係のある者に対しては、その受験を停止させることができる。
前項に定めるもののほか、指定試験機関が試験事務を行う場合における第35条及び第36条第1項の規定の適用については、第35条第1項中「その受験を停止させ、又はその試験」とあるのは「その試験」と、同条第2項中「前項」とあるのは「前項又は第40条第1項」と、第36条第1項中「国」とあるのは「指定試験機関」とする。
前項の規定により読み替えて適用する第36条第1項の規定により指定試験機関に納められた受験手数料は、指定試験機関の収入とする。
第41条
【準用】
第12条第3項及び第4項第13条から第15条まで、第17条から第24条まで並びに第26条から第28条までの規定は、指定試験機関について準用する。この場合において、これらの規定中「登録事務」とあるのは「試験事務」と、「登録事務規程」とあるのは「試験事務規程」と、第12条第3項中「第1項」とあるのは「第37条第1項」と、「前項」とあるのは「第37条第2項」と、同条第4項各号列記以外の部分中「第2項」とあるのは「第37条第2項」と、第13条第2項中「役員」とあるのは「役員(試験委員を含む。)」と、第14条第1項中「第12条第1項」とあるのは「第37条第1項」と、第17条中「役員」とあるのは「役員(試験委員を含む。)」と、第23条第2項第3号中「又は前条」とあるのは「、前条又は第38条」と、第24条第1項及び第28条第1号中「第12条第1項」とあるのは「第37条第1項」と読み替えるほか、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
第42条
【試験の細目等】
この章に規定するもののほか、試験科目、受験手続、試験事務の引継ぎその他試験及び指定試験機関に関し必要な事項は厚生労働省令で、第34条第1号第2号及び第4号の規定による学校又は救急救命士養成所の指定に関し必要な事項は文部科学省令、厚生労働省令で定める。
第4章
業務等
第43条
【業務】
救急救命士は、保健師助産師看護師法第31条第1項及び第32条の規定にかかわらず、診療の補助として救急救命処置を行うことを業とすることができる。
前項の規定は、第9条第1項の規定により救急救命士の名称の使用の停止を命ぜられている者については、適用しない。
第44条
【特定行為等の制限】
救急救命士は、医師の具体的な指示を受けなければ、厚生労働省令で定める救急救命処置を行ってはならない。
救急救命士は、救急用自動車その他の重度傷病者を搬送するためのものであって厚生労働省令で定めるもの(以下この項及び第53条第2号において「救急用自動車等」という。)以外の場所においてその業務を行ってはならない。ただし、病院又は診療所への搬送のため重度傷病者を救急用自動車等に乗せるまでの間において救急救命処置を行うことが必要と認められる場合は、この限りでない。
第45条
【他の医療関係者との連携】
救急救命士は、その業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との緊密な連携を図り、適正な医療の確保に努めなければならない。
第46条
【救急救命処置録】
救急救命士は、救急救命処置を行ったときは、遅滞なく厚生労働省令で定める事項を救急救命処置録に記載しなければならない。
前項の救急救命処置録であって、厚生労働省令で定める機関に勤務する救急救命士のした救急救命処置に関するものはその機関につき厚生労働大臣が指定する者において、その他の救急救命処置に関するものはその救急救命士において、その記載の日から五年間、これを保存しなければならない。
第47条
【秘密を守る義務】
救急救命士は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。救急救命士でなくなった後においても、同様とする。
第48条
【名称の使用制限】
救急救命士でない者は、救急救命士又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。
第48条の2
【権限の委任】
この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。
前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。
第49条
【経過措置】
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第5章
罰則
第50条
第17条第1項第41条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、登録事務又は試験事務に関して知り得た秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第51条
第23条第2項第41条において準用する場合を含む。)の規定による登録事務又は試験事務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定登録機関又は指定試験機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第52条
第33条又は第39条の規定に違反して、不正の採点をした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第53条
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第44条第1項の規定に違反して、同項の規定に基づく厚生労働省令の規定で定める救急救命処置を行った者
第44条第2項の規定に違反して、救急用自動車等以外の場所で業務を行った者
参照条文
第54条
第47条の規定に違反して、業務上知り得た人の秘密を漏らした者は、五十万円以下の罰金に処する。
前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
第55条
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
第9条第1項の規定により救急救命士の名称の使用の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、救急救命士の名称を使用したもの
第46条第1項の規定に違反して、救急救命処置録に記載せず、又は救急救命処置録に虚偽の記載をした者
第46条第2項の規定に違反して、救急救命処置録を保存しなかった者
第48条の規定に違反して、救急救命士又はこれに紛らわしい名称を使用した者
第56条
次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした指定登録機関又は指定試験機関の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。
第18条第41条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、帳簿を備え付けず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。
第20条第41条において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
第21条第1項第41条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。
第22条第41条において準用する場合を含む。)の許可を受けないで登録事務又は試験事務の全部を廃止したとき。
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第2条
(受験資格の特例)
この法律の施行の際現に救急救命士として必要な知識及び技能の修得を終えている者又はこの法律の施行の際現に救急救命士として必要な知識及び技能を修得中であり、その修得をこの法律の施行後に終えた者で、厚生労働大臣が第三十四条各号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定したものは、同条の規定にかかわらず、試験を受けることができる。
第3条
旧中等学校令による中等学校を卒業した者又は厚生労働省令で定めるところによりこれと同等以上の学力があると認められる者は、第三十四条第一号の規定の適用については、学校教育法第九十条第一項の規定により大学に入学することができる者とみなす。
第4条
(名称の使用制限に関する経過措置)
この法律の施行の際現に救急救命士又はこれに紛らわしい名称を使用している者については、第四十八条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
附則
平成5年11月12日
第1条
(施行期日)
この法律は、行政手続法の施行の日から施行する。
第2条
(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第13条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第14条
(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。
第15条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成7年5月12日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
附則
平成11年12月22日
第1条
(施行期日)
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。
附則
平成13年6月29日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第2条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律における障害者に係る欠格事由の在り方について、当該欠格事由に関する規定の施行の状況を勘案して検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第3条
(再免許に係る経過措置)
この法律による改正前のそれぞれの法律に規定する免許の取消事由により免許を取り消された者に係る当該取消事由がこの法律による改正後のそれぞれの法律により再免許を与えることができる取消事由(以下この条において「再免許が与えられる免許の取消事由」という。)に相当するものであるときは、その者を再免許が与えられる免許の取消事由により免許が取り消された者とみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の再免許に関する規定を適用する。
第4条
(罰則に係る経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成13年7月11日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成13年12月12日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第42条
(処分、手続等に関する経過措置)
この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。
第43条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第44条
(経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成18年6月2日
この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。
附則
平成19年6月27日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成23年6月24日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

キーボードでも操作できます

  (テンキーを利用する場合は

    NumLockして下さい)

「1」+「4」+「Enter」 ⇒ 14条

「Esc」 or 「テンキーの/」 ⇒ クリア