海洋水産資源開発促進法
平成23年8月30日 改正
第3条
【海洋水産資源の開発及び利用の合理化を図るための基本方針の作成】
1
農林水産大臣は、政令で定めるところにより、海洋水産資源の開発及び海洋水産資源の利用の合理化(以下「海洋水産資源の開発及び利用の合理化」という。)を図るための基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
4
基本方針(第2項第1号ハに掲げる事項に係る部分に限る。)は、漁港漁場整備法第6条の2の漁港漁場整備基本方針(以下「漁港漁場整備基本方針」という。)及び同法第6条の3の漁港漁場整備長期計画(以下「漁港漁場整備長期計画」という。)との調和が保たれたものでなければならない。
第5条
【沿岸水産資源開発区域の指定】
1
都道府県は、その沿岸海域のうち、その自然的条件が基本方針において定められた第3条第2項第1号ロの自然的条件に関する基準に適合する一定の区域で、その区域内において漁業を営む者の経営の状況、その区域内の海域の利用状況等からみて、水産動植物の増殖又は養殖を推進することにより漁業生産の増大を図ることが相当と認められるものを、沿岸水産資源開発区域(以下「開発区域」という。)として指定することができる。
2
港湾法第2条第3項に規定する港湾区域(同条第2項に規定する地方港湾で農林水産大臣が国土交通大臣と協議して指定するものに係るものを除く。)、同法第56条第1項の規定により都道府県知事が公告した水域(農林水産大臣が国土交通大臣と協議して指定するものを除く。)又は排他的経済水域及び大陸棚の保全及び利用の促進のための低潮線の保全及び拠点施設の整備等に関する法律第9条第1項の規定により国土交通大臣が公告した水域(農林水産大臣が国土交通大臣と協議して指定するものを除く。)については、海洋水産資源の開発の促進上特別の必要がある場合において、港湾管理者、港湾法第56条第1項の規定により公告された当該水域を管理する都道府県知事又は国土交通大臣と協議が調つたときに限り、前項の規定による開発区域の指定をすることができる。
第7条
【沿岸水産資源開発計画の作成】
1
都道府県は、開発区域を指定した場合において、当該開発区域について、水産動植物の増殖又は養殖を推進して漁業生産の増大を図るため特に必要があると認めるときは、沿岸水産資源開発計画(以下「開発計画」という。)を定めることができる。
第9条
【開発区域における行為の届出等】
1
開発区域内において、次の各号に掲げる行為をしようとする者(国の機関、都道府県その他政令で定める者(以下「国の機関等」という。)を除く。)は、農林水産省令で定めるところにより、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
2
都道府県知事は、都道府県が開発計画を定めた場合において、当該開発計画の達成を図るため必要があると認めるときは、開発区域内において、前項各号に掲げる行為をし、若しくはしようとする者又は海面の埋立て若しくは干拓をする者に対して、必要な勧告をすることができる。ただし、国の機関等に対しては、この限りでない。
第12条
【指定海域における行為の届出等】
1
開発区域以外の一定の海域で、海底の地形、海流、餌料生物の分布その他の自然的条件がすぐれているため漁場としての効用が高く、かつ、漁業生産において重要な地位を占める海域として政令で指定するもの(以下「指定海域」という。)において、漁場としての効用を著しく低下させ、又は喪失させるおそれがある海底の掘削、工作物の設置その他の行為で政令で定めるもの(以下「特定行為」という。)をしようとする者(国の機関等を除く。)は、農林水産省令で定めるところにより、当該指定海域を管轄する都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
2
指定海域を管轄する都道府県知事は、当該指定海域の漁場としての効用を保全するため必要があると認めるときは、当該指定海域において特定行為をし、又はしようとする者(国の機関等を除く。)に対して、必要な勧告をすることができる。
4
政府は、指定海域を指定する場合において、当該指定海域の区域が二以上の都道府県知事の管轄に属し、又はその管轄が明確でないときは、その指定に係る第1項の政令において、当該指定海域を管轄する行政庁を農林水産大臣とする旨をあわせて定めなければならない。この場合においては、前三項の規定中「都道府県知事」とあるのは、「農林水産大臣」とする。
第13条
【資源管理協定の締結】
1
漁業者団体等は、一定の海域において海洋水産資源の利用の合理化を図るため、当該海域における海洋水産資源の自主的な管理に関する協定(以下「資源管理協定」という。)を締結し、当該資源管理協定が適当である旨の行政庁の認定を受けることができる。
第15条
【認定資源管理協定への参加のあつせん】
1
第13条第1項の認定を受けた資源管理協定(以下「認定資源管理協定」という。)に参加している漁業者団体等は、認定資源管理協定の対象となる海域において認定資源管理協定の対象となる種類の海洋水産資源を利用する漁業を営む者(認定資源管理協定の対象となる種類の漁業により利用するものに限る。以下「特定漁業者」という。)又はその団体であつて認定資源管理協定に参加していないものに対し認定資源管理協定を示して参加を求めた場合においてその参加を承諾しない者があるときは、農林水産省令で定めるところにより、行政庁に対し、その者の承諾を得るために必要なあつせんをすべきことを求めることができる。
第16条
【水産業協同組合法の特例】
1
認定資源管理協定に参加している漁業協同組合が認定資源管理協定の内容を遵守させるために、総会(総会の部会及び総代会を含む。)で次の各号に掲げる事項の議決を行おうとする場合において、当該各号に掲げる者の三分の二以上の書面による同意を農林水産省令で定めるところにより得ているときは、水産業協同組合法第50条(同法第52条第6項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)又は第51条の2第6項の規定にかかわらず、同法第50条又は第51条の2第6項の規定による議決によることを要しないものとする。
②
第13条第2項第2号に掲げる事項の内容に適合するように行う漁業権行使規則又は入漁権行使規則(漁業法第8条第1項の漁業権行使規則又は入漁権行使規則をいう。)の変更(同項に規定する漁業を営む権利を有する者の資格に関する事項の変更を除く。第4項第2号において同じ。) 特定組合員であつて当該漁業権又は入漁権の内容たる漁業を営む権利を有するもの
2
前項の場合において、水産業協同組合法第21条第3項の規定により電磁的方法(同法第11条の2第4項に規定する電磁的方法をいう。)により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面による同意に代えて、前項各号に掲げる事項についての同意を当該電磁的方法により得ることができる。この場合において、当該漁業協同組合は、当該書面による同意を得たものとみなす。
3
前項前段の電磁的方法(水産業協同組合法第11条の2第5項の農林水産省令で定める方法を除く。)により得られた第1項各号に掲げる事項についての同意は、漁業協同組合の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該漁業協同組合に到達したものとみなす。
4
認定資源管理協定に参加している漁業協同組合連合会が認定資源管理協定の内容を遵守させるために、総会(総代会を含む。)で次の各号に掲げる事項の議決を行おうとする場合において、当該各号に掲げる者のすべての同意を農林水産省令で定めるところにより得ているときは、水産業協同組合法第92条第3項において準用する同法第50条(同法第92条第3項において準用する同法第52条第6項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定にかかわらず、同法第92条第3項において準用する同法第50条の規定による議決によることを要しないものとする。
①
会員たる漁業協同組合の特定組合員及び会員たる漁業協同組合又は漁業生産組合で特定漁業者であるもの(以下「漁業自営組合」という。)が第13条第2項第2号に掲げる事項の内容に違反した場合に当該特定組合員を直接若しくは間接の構成員とする漁業協同組合(以下「特定組合員所属組合」という。)又は当該漁業自営組合に対し過怠金を課するために必要な定款の変更 特定組合員所属組合及び漁業自営組合
②
第13条第2項第2号に掲げる事項の内容に適合するように行う第1項第2号に規定する漁業権行使規則又は入漁権行使規則の変更 当該漁業権又は入漁権の内容たる漁業を営む権利を有する者を直接又は間接の構成員とする会員たる漁業協同組合
⊟
参照条文
第17条
【漁業法等による措置】
1
認定資源管理協定に参加している漁業者団体等は、認定資源管理協定に参加している漁業を営む者(認定資源管理協定に参加している団体の直接又は間接の構成員となつている特定漁業者を含む。)の数が認定資源管理協定の対象となる海域において認定資源管理協定の対象となる海洋水産資源を利用する漁業を営む者のすべての数の三分の二以上であつて農林水産省令で定める割合を超えていることその他の農林水産省令で定める基準に該当するときは、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣又は都道府県知事に対し、認定資源管理協定の対象となる海域における海洋水産資源の利用の合理化を図るための措置であつて認定資源管理協定の目的を達成するために必要なものを講ずべきことを求めることができる。
2
農林水産大臣又は都道府県知事は、前項の規定による申出があつた場合において、漁業調整、水産資源の保護培養その他公益のために必要があると認めるときは、その申出の内容を勘案して、漁業法第34条第1項(同法第63条において読み替えて準用する場合を含む。)、第3項若しくは第4項、第65条第1項若しくは第2項若しくは第66条第1項又は水産資源保護法第4条第1項若しくは第2項の規定による水産動植物の採捕の制限等の措置その他の適切な措置を講ずるものとする。
3
都道府県知事は、第1項に規定する申出に基づき漁業法第34条第4項の規定を適用しようとするときは、同項に規定する海区漁業調整委員会の申請によらず、漁業権に制限又は条件を付けることができる。この場合においては、同条第2項及び同法第37条第4項の規定を準用する。
⊟
参照条文
第18条
【行政庁】
1
この章の規定中「行政庁」とあるのは、資源管理協定の対象となる海域が一の都道府県知事の管轄に属し、かつ、当該資源管理協定の対象となる漁業の種類に漁業法第52条第1項に規定する指定漁業又は同法第65条第1項若しくは第2項若しくは水産資源保護法第4条第1項若しくは第2項の規定に基づく農林水産省令の規定により農林水産大臣の許可その他の処分を要する漁業が含まれない場合については当該海域を管轄する都道府県知事、その他の場合については農林水産大臣とする。
⊟
参照条文
第19条
【漁場の効用の低下等の防止に関する措置の要請】
農林水産大臣は、工場又は事業場からの排出水の排出その他の行為に起因して海洋における漁場の効用が著しく低下し、又は喪失するおそれがあると認められるときは、関係行政機関の長又は関係地方公共団体の長に対し、水質汚濁防止法その他の法令の規定に基づきその防止のために必要な措置をとるべきことを要請することができる。
附則
平成11年7月16日
第159条
(国等の事務)
第160条
(処分、申請等に関する経過措置)
1
この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
第161条
(不服申立てに関する経過措置)
第162条
(手数料に関する経過措置)
第164条
(その他の経過措置の政令への委任)
第250条
(検討)
第251条