動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律
平成19年3月31日 改正
第3条
【動産の譲渡の対抗要件の特例等】
1
法人が動産(当該動産につき貨物引換証、預証券及び質入証券、倉荷証券又は船荷証券が作成されているものを除く。以下同じ。)を譲渡した場合において、当該動産の譲渡につき動産譲渡登記ファイルに譲渡の登記がされたときは、当該動産について、民法第178条の引渡しがあったものとみなす。
2
代理人によって占有されている動産の譲渡につき前項に規定する登記(以下「動産譲渡登記」という。)がされ、その譲受人として登記されている者が当該代理人に対して当該動産の引渡しを請求した場合において、当該代理人が本人に対して当該請求につき異議があれば相当の期間内にこれを述べるべき旨を遅滞なく催告し、本人がその期間内に異議を述べなかったときは、当該代理人は、その譲受人として登記されている者に当該動産を引き渡し、それによって本人に損害が生じたときであっても、その賠償の責任を負わない。
3
前二項の規定は、当該動産の譲渡に係る第10条第1項第2号に掲げる事由に基づいてされた動産譲渡登記の抹消登記について準用する。この場合において、前項中「譲受人」とあるのは、「譲渡人」と読み替えるものとする。
第4条
【債権の譲渡の対抗要件の特例等】
1
法人が債権(指名債権であって金銭の支払を目的とするものに限る。以下同じ。)を譲渡した場合において、当該債権の譲渡につき債権譲渡登記ファイルに譲渡の登記がされたときは、当該債権の債務者以外の第三者については、民法第467条の規定による確定日付のある証書による通知があったものとみなす。この場合においては、当該登記の日付をもって確定日付とする。
3
前項の場合においては、民法第468条第2項の規定は、前項に規定する通知がされたときに限り適用する。この場合においては、当該債権の債務者は、同項に規定する通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由を譲受人に対抗することができる。
4
前三項の規定は、当該債権の譲渡に係る第10条第1項第2号に掲げる事由に基づいてされた債権譲渡登記の抹消登記について準用する。この場合において、前項中「譲渡人」とあるのは「譲受人」と、「譲受人」とあるのは「譲渡人」と読み替えるものとする。
第7条
【動産譲渡登記】
4
動産譲渡登記(以下この項において「旧登記」という。)がされた譲渡に係る動産につき譲受人が更に譲渡をし、旧登記の存続期間の満了前に動産譲渡登記(以下この項において「新登記」という。)がされた場合において、新登記の存続期間が満了する日が旧登記の存続期間が満了する日の後に到来するときは、当該動産については、旧登記の存続期間は、新登記の存続期間が満了する日まで延長されたものとみなす。
第8条
【債権譲渡登記】
4
債権譲渡登記(以下この項において「旧登記」という。)がされた譲渡に係る債権につき譲受人が更に譲渡をし、旧登記の存続期間の満了前に債権譲渡登記(以下この項において「新登記」という。)がされた場合において、新登記の存続期間が満了する日が旧登記の存続期間が満了する日の後に到来するときは、当該債権については、旧登記の存続期間は、新登記の存続期間が満了する日まで延長されたものとみなす。
⊟
参照条文
第9条
【延長登記】
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参照条文
第10条
【抹消登記】
第11条
【登記事項概要証明書等の交付】
2
次に掲げる者は、指定法務局等の登記官に対し、動産の譲渡又は債権の譲渡について、動産譲渡登記ファイル又は債権譲渡登記ファイルに記録されている事項を証明した書面(第21条第1項において「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。
第14条
【債権質への準用】
1
第4条及び第8条の規定並びに第5条、第6条及び第9条から前条までの規定中債権の譲渡に係る部分は、法人が債権を目的として質権を設定した場合において、当該質権の設定につき債権譲渡登記ファイルに記録された質権の設定の登記(以下「質権設定登記」という。)について準用する。この場合において、第4条の見出し並びに同条第1項、第2項及び第4項並びに第10条第1項第1号及び第2号中「債権の譲渡」とあるのは「質権の設定」と、第4条第1項中「譲渡の登記」とあるのは「質権の設定の登記」と、同項から同条第3項までの規定中「債権の債務者」とあるのは「質権の目的とされた債権の債務者」と、同条第1項及び第8条第5項中「民法第467条」とあるのは「民法第364条の規定によりその規定に従うこととされる同法第467条」と、第4条第2項及び第4項、第5条第1項及び第2項、第6条、第8条の見出し並びに同条第4項及び第5項、第9条第1項、第10条第1項及び第3項並びに第12条第2項中「債権譲渡登記」とあるのは「質権設定登記」と、第4条第2項中「その譲渡」とあるのは「その質権の設定」と、同項から同条第4項まで、第5条第2項、第8条第2項、第9条第1項、第10条第1項、第11条第2項第1号及び第4号並びに第12条第3項中「譲渡人」とあるのは「質権設定者」と、第4条第2項から第4項まで、第8条第2項、第4項及び第5項、第9条第1項、第10条第1項並びに第11条第2項第1号中「譲受人」とあるのは「質権者」と、第5条第1項中「第7条から第11条まで及び第12条第2項」とあり、第6条第1号中「次条から第11条まで及び第12条第2項」とあるのは「第14条において準用する第8条から第11条まで及び第12条第2項の規定」と、第5条第2項及び第6条第2号中「第12条第1項及び第3項並びに第13条第1項」とあるのは「第14条第1項において準用する第12条第1項及び第3項並びに第13条第1項の規定」と、第8条第2項中「債権譲渡登記は」とあるのは「質権設定登記は」と、同項第2号及び第5号並びに第9条第2項第1号中「債権譲渡登記の」とあるのは「質権設定登記の」と、第8条第2項第2号中「登記原因及びその日付」とあるのは「登記原因及びその日付並びに被担保債権の額又は価格」と、同項第3号及び第4号、同条第3項第1号、第4項及び第5項、第10条第1項第3号及び第3項並びに第11条第2項第1号、第3号及び第4号中「譲渡に係る債権」とあるのは「質権の目的とされた債権」と、第8条第2項第3号中「譲渡する」とあるのは「目的として質権を設定する」と、同条第4項及び第5項中「譲渡をし」とあるのは「質権を設定し」と、同項中「同法第467条」とあるのは「同法第364条の規定によりその規定に従うこととされる同法第467条」と、第9条第2項及び第10条第2項中「債権譲渡登記に」とあるのは「質権設定登記に」と、同項第1号中「債権譲渡登記を」とあるのは「質権設定登記を」と、第11条第2項中「債権の譲渡に」とあるのは「質権の設定に」と読み替えるものとする。
第15条
【破産法等の適用除外】
1
動産譲渡登記がされている譲渡に係る動産並びに債権譲渡登記がされている譲渡に係る債権及び質権設定登記がされている質権については、破産法第258条第1項第2号及び同条第2項において準用する同号(これらの規定を同条第4項において準用する場合を含む。)並びに外国倒産処理手続の承認援助に関する法律第10条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
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参照条文
第17条
【行政機関の保有する情報の公開に関する法律の適用除外】
動産譲渡登記ファイル及び債権譲渡登記ファイル並びに動産譲渡登記事項概要ファイル及び債権譲渡登記事項概要ファイルについては、行政機関の保有する情報の公開に関する法律の規定は、適用しない。
第18条
【行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の適用除外】
動産譲渡登記ファイル若しくは債権譲渡登記ファイル又は登記事項概要ファイルに記録されている保有個人情報(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律第2条第3項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第4章の規定は、適用しない。
⊟
参照条文
第21条
【手数料の納付】
1
登記事項概要証明書、登記事項証明書又は概要記録事項証明書の交付を請求する者は、物価の状況及び登記事項証明書の交付等に要する実費その他一切の事情を考慮して政令で定める額の手数料を納めなければならない。
2
前項の手数料の納付は、収入印紙をもってしなければならない。ただし、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律第3条第1項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用して前項の請求をするときは、法務省令で定めるところにより、現金をもってすることができる。
⊟
参照条文
附則
平成16年12月1日
第2条
(経過措置)
1
この法律による改正後の動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律(以下この条において「新法」という。)の規定は、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前の債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律(以下この条において「旧法」という。)の規定により生じた効力を妨げない。
3
この法律の施行の際現に旧法第九条第二項に規定する事務について不動産登記法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第五十三条第二項の規定による指定(同条第四項の規定により指定を受けたものとみなされるものを含む。第五項において「不動産登記法整備法第五十三条第二項の規定による指定」という。)を受けていない登記所における事務に関する新法第十二条第一項及び第三項並びに第十三条第一項(これらの規定を新法第十四条第一項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)並びに新法第十七条、第十八条及び第二十一条第一項の規定の適用については、新法第十二条第一項及び第三項並びに第十三条第一項に規定する事務について登記所ごとに電子情報処理組織(登記所の使用に係る複数の電子計算機を相互に電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)により取り扱う事務として法務大臣が指定するまでの間は、新法第十二条の見出し並びに新法第十三条第一項及び第十八条中「登記事項概要ファイル」とあるのは「登記事項概要簿」と、新法第十二条の見出し中「記録」とあるのは「記載」と、同条第一項中「磁気ディスクをもって調製する動産譲渡登記事項概要ファイル」とあるのは「動産譲渡登記事項概要簿」と、同項及び同条第三項並びに新法第十七条中「債権譲渡登記事項概要ファイル」とあるのは「債権譲渡登記事項概要簿」と、新法第十二条第三項及び第十七条中「動産譲渡登記事項概要ファイル」とあるのは「動産譲渡登記事項概要簿」と、新法第十二条第三項中「「登記事項概要ファイル」とあるのは「「登記事項概要簿」と、「記録しなければ」とあるのは「記載しなければ」と、新法第十三条の見出し及び同条第一項並びに新法第二十一条第一項中「概要記録事項証明書」とあるのは「登記事項概要簿の謄本」と、新法第十三条第一項中「記録されている」とあるのは「記載されている」と、新法第十八条中「記録されている」とあるのは「記録され又は記載されている」とする。