• 外国倒産処理手続の承認援助に関する法律

外国倒産処理手続の承認援助に関する法律

平成23年6月24日 改正
第1章
総則
第1条
【目的】
この法律は、国際的な経済活動を行う債務者について開始された外国倒産処理手続に対する承認援助手続を定めることにより、当該外国倒産処理手続の効力を日本国内において適切に実現し、もって当該債務者について国際的に整合のとれた財産の清算又は経済的再生を図ることを目的とする。
第2条
【定義等】
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
外国倒産処理手続 外国で申し立てられた手続で、破産手続、再生手続、更生手続又は特別清算手続に相当するものをいう。
外国主手続 債務者が営業者である場合にあってはその主たる営業所がある国で申し立てられた外国倒産処理手続、営業者でない場合又は営業所を有しない場合にあっては、当該債務者が個人であるときは住所がある国で申し立てられた外国倒産処理手続、法人その他の社団又は財団であるときは主たる事務所がある国で申し立てられた外国倒産処理手続をいう。
外国従手続 外国主手続でない外国倒産処理手続をいう。
国内倒産処理手続 日本国内で申し立てられた破産手続、再生手続、更生手続又は特別清算手続をいう。
外国倒産処理手続の承認 外国倒産処理手続について、これを日本国内において第3章の規定による援助の処分をすることができる基礎として承認することをいう。
承認援助手続 次章以下に定めるところにより、外国倒産処理手続の承認の申立てについての裁判並びに債務者の日本国内における業務及び財産に関し当該外国倒産処理手続を援助するための処分をする手続をいう。
外国管財人 外国倒産処理手続において債務者の財産の管理及び処分をする権利を有する者であって、債務者以外のものをいう。
外国管財人等 外国倒産処理手続において外国管財人がある場合には外国管財人、外国管財人がない場合には債務者をいう。
承認管財人 第32条第1項の規定により債務者の日本国内における業務及び財産に関し管理を命じられた者をいう。
民事訴訟法の規定により裁判上の請求をすることができる債権は、日本国内にあるものとみなす。
第3条
【外国人の地位】
外国人又は外国法人は、承認援助手続に関し、日本人又は日本法人と同一の地位を有する。
第4条
【承認援助事件の管轄】
承認援助事件は、東京地方裁判所の管轄に専属する。
参照条文
第5条
【承認援助事件の移送】
前条に規定する裁判所は、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、外国倒産処理手続の承認の決定と同時に又はその決定後、承認援助事件を債務者の住所、居所、営業所、事務所又は財産の所在地を管轄する地方裁判所に移送することができる。
第6条
【任意的口頭弁論等】
承認援助手続に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。
裁判所は、職権で、承認援助事件に関して必要な調査をすることができる。
第7条
【不服申立て】
承認援助手続に関する裁判につき利害関係を有する者は、この法律に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。その期間は、裁判の公告があった場合には、その公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。
第8条
【公告等】
この法律の規定による公告は、官報に掲載してする。
公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。
この法律の規定により送達をしなければならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。
この法律の規定により裁判の公告がされたときは、一切の関係人に対して当該裁判の告知があったものとみなす。
前二項の規定は、この法律に特別の定めがある場合には、適用しない。
参照条文
第9条
【法人の承認援助手続に関する登記の嘱託等】
法人である債務者について、第32条第1項又は第51条第1項同条第3項において準用する場合を含む。)の規定による処分があった場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該処分の登記を債務者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。ただし、債務者が外国法人であるときは、外国会社にあっては日本における各代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該各営業所の所在地)、その他の外国法人にあっては各事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。
前項に規定する処分の登記には、承認管財人又は保全管理人の氏名又は名称及び住所、承認管財人又は保全管理人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第39条第1項ただし書(第55条第1項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の許可があったときはその旨並びに承認管財人又は保全管理人が職務を分掌することについて第39条第1項ただし書の許可があったときはその旨及び各承認管財人又は各保全管理人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。
第1項の規定は、同項に規定する処分の変更若しくは取消しがあった場合、当該処分が効力を失った場合(第61条第2項又は第64条の規定により承認援助手続が効力を失ったことにより当該処分がその効力を失った場合を除く。次条第2項及び第5項において同じ。)又は前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。
裁判所書記官は、法人である債務者について第57条第2項本文、第58条第1項同条第2項において準用する場合を含む。)、第59条第1項第1号又は第60条第1項の規定による中止の命令があった場合において、当該債務者について次に掲げる登記があるときは、職権で、遅滞なく、当該中止の命令の登記を第1項に規定する登記所に嘱託しなければならない。
破産法第257条第1項又は第4項の規定による登記
民事再生法第11条第1項又は第2項の規定による登記
会社法第938条第1項第1号(他の法律において準用する場合を含む。)の規定による登記
前項の規定は、同項に規定する中止の命令の取消しがあった場合又は当該中止の命令が効力を失った場合について準用する。
裁判所書記官は、法人である債務者について第56条第1項第3号の規定による承認の取消しの決定が確定した場合において、当該債務者について第4項各号に掲げる登記又は第64条の規定によりその効力を失った他の承認援助手続において第1項の規定によりされた登記があるときは、職権で、遅滞なく、その登記の抹消を嘱託しなければならない。
破産手続、再生手続、更生手続又は特別清算手続の係属する裁判所の裁判所書記官は、破産手続終結の決定があった場合又は再生計画認可の決定、更生計画認可の決定若しくは特別清算終結の決定が確定した場合において、第61条第2項の規定によりその効力を失った承認援助手続において第1項の規定によりされた登記があるときは、職権で、遅滞なく、その登記の抹消を嘱託しなければならない。
第10条
【登記のある権利についての登記等の嘱託】
債務者について第32条第1項の規定による処分があった場合において、債務者の財産に属する権利で登記がされたものがあることを知ったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該処分の登記を嘱託しなければならない。
前項の規定は、同項に規定する処分の取消しがあった場合又は当該処分が効力を失った場合について準用する。
前二項の規定は、前条第1項の規定により第32条第1項の規定による処分の登記を嘱託した場合には、適用しない。
債務者の財産に属する権利で登記がされたものに関し第26条第1項又は第2項の規定による処分があった場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該処分の登記を嘱託しなければならない。
前項の規定は、同項に規定する処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該処分が効力を失った場合について準用する。
裁判所書記官は、第56条第1項第3号の規定による承認の取消しの決定が確定した場合において、次に掲げる登記があることを知ったときは、職権で、遅滞なく、その登記の抹消を嘱託しなければならない。
債務者の財産に属する権利で登記がされたものについて破産法第258条第1項第2号若しくは第259条第1項第1号同条第2項において準用する場合を含む。)、民事再生法第12条第1項同条第2項において準用する場合を含む。)、会社更生法第260条第1項同条第2項において準用する場合を含む。)、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第161条第1項同条第2項において準用する場合を含む。)若しくは第334条第1項同条第2項において準用する場合を含む。)又は会社法第938条第3項同条第4項又は他の法律において準用する場合を含む。)の規定によりされた登記
第64条の規定によりその効力を失った他の承認援助手続において第1項又は第4項の規定によりされた登記
破産手続、再生手続、更生手続又は特別清算手続の係属する裁判所の裁判所書記官は、破産手続終結の決定があった場合又は再生計画認可の決定、更生計画認可の決定若しくは特別清算終結の決定が確定した場合において、第61条第2項の規定によりその効力を失った承認援助手続において第1項又は第4項の規定によりされた登記があることを知ったときは、職権で、遅滞なく、その登記の抹消を嘱託しなければならない。
第11条
【非課税】
前二条の規定による登記については、登録免許税を課さない。
第12条
【登録への準用】
前二条の規定は、登録のある権利について準用する。
第13条
【事件に関する文書の閲覧等】
利害関係人は、裁判所書記官に対し、この法律又は第15条において準用する民事訴訟法の規定に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第1項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。
利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。
前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。
前三項の規定にかかわらず、外国管財人等以外の利害関係人は、第25条第2項の規定による中止の命令、第26条第2項の規定による処分、第27条第2項の規定による中止の命令、第51条第1項の規定による処分、第58条第1項若しくは第63条第1項の規定による中止の命令又は外国倒産処理手続の承認の申立てについての裁判があるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。
第14条
【支障部分の閲覧等の制限】
次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、承認援助手続の目的の達成に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した債務者、外国管財人、承認管財人(承認管財人代理を含む。以下この項及び次項において同じ。)又は保全管理人(保全管理人代理を含む。以下この項及び次項において同じ。)の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者、外国管財人等、承認管財人及び保全管理人に限ることができる。
第31条第1項の規定、第35条第1項第55条第1項において準用する場合を含む。)の規定、第40条第3項第55条第1項において準用する場合を含む。)において準用する第35条第1項の規定又は第53条第1項ただし書の規定による許可を得るために裁判所に提出された文書等
第17条第3項又は第46条第55条第1項において準用する場合を含む。)の規定による報告に係る文書等
前項の申立てがされたときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者、外国管財人等、承認管財人及び保全管理人を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。
支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、裁判所に対し、第1項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。
第1項の申立てを却下した決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
第1項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。
第15条
【民事訴訟法の準用】
承認援助手続に関しては、特別の定めがある場合を除き、民事訴訟法の規定を準用する。
参照条文
第16条
【最高裁判所規則】
この法律に定めるもののほか、承認援助手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第2章
外国倒産処理手続の承認
第17条
【外国倒産処理手続の承認の申立て】
外国管財人等は、外国倒産処理手続が申し立てられている国に債務者の住所、居所、営業所又は事務所がある場合には、裁判所に対し、当該外国倒産処理手続について、その承認の申立てをすることができる。
前項の申立ては、当該外国倒産処理手続について、破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定又は特別清算開始の命令に相当する判断(第22条第1項において「手続開始の判断」という。)がされる前であっても、することができる。
外国管財人等は、第1項の申立てをした場合には、裁判所の定めるところにより、当該申立てに係る外国倒産処理手続の進行状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならない。
裁判所は、承認援助手続の円滑な進行を図るために必要があると認めるときは、第1項の申立てをした外国管財人等に対し、承認援助手続について弁護士の中から代理人を選任することを命ずることができる。
第18条
【破産手続開始等の申立義務と外国倒産処理手続の承認の申立て】
他の法律の規定により法人の理事又はこれに準ずる者がその法人に対して破産手続開始又は特別清算開始の申立てをしなければならない場合においても、外国倒産処理手続の承認の申立てをすることを妨げない。
第19条
【疎明】
外国倒産処理手続の承認の申立てをするときは、外国倒産処理手続が申し立てられている国に債務者の住所、居所、営業所又は事務所があることを疎明しなければならない。
第20条
【費用の予納】
外国倒産処理手続の承認の申立てをするときは、外国管財人等は、承認援助手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。
費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第21条
【外国倒産処理手続の承認の条件】
次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、外国倒産処理手続の承認の申立てを棄却しなければならない。
承認援助手続の費用の予納がないとき。
当該外国倒産処理手続において、債務者の日本国内にある財産にその効力が及ばないものとされていることが明らかであるとき。
当該外国倒産処理手続について次章の規定により援助の処分をすることが日本における公の秩序又は善良の風俗に反するとき。
当該外国倒産処理手続について次章の規定による援助の処分をする必要がないことが明らかであるとき。
外国管財人等が第17条第3項の規定に違反したとき。ただし、その違反の程度が軽微であるときは、この限りでない。
不当な目的で申立てがされたことその他申立てが誠実にされたものでないことが明らかであるとき。
第22条
【外国倒産処理手続の承認の決定】
裁判所は、第17条第1項に規定する要件を満たす外国倒産処理手続の承認の申立てがされた場合において、当該外国倒産処理手続につき手続開始の判断がされたときは、前条第57条第1項又は第62条第1項の規定によりこれを棄却する場合を除き、外国倒産処理手続の承認の決定をする。
前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。
参照条文
第23条
【外国倒産処理手続の承認の公告等】
裁判所は、外国倒産処理手続の承認の決定をしたときは、直ちに、当該決定の主文を公告しなければならない。
外国管財人等には、外国倒産処理手続の承認の決定の主文を記載した書面を送達しなければならない。第51条第1項同条第3項において準用する場合を含む。)の規定による処分があった場合における保全管理人についても、同様とする。
次の各号に掲げる者には、外国倒産処理手続の承認の決定があった旨を通知しなければならない。ただし、第25条第9項本文(第26条第6項第27条第8項第52条第5項及び第58条第7項において準用する場合を含む。)の規定による通知が既にされている者については、この限りでない。
租税その他の公課を所管する官庁又は公署であって最高裁判所規則で定めるもの
債務者の日本国内における使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、債務者の日本国内における使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは債務者の日本国内における使用人その他の従業者の過半数を代表する者
第24条
【即時抗告等】
外国倒産処理手続の承認の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
外国倒産処理手続の承認の決定をした裁判所は、前項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちにその主文を公告し、かつ、外国管財人等にその主文を記載した書面を送達しなければならない。
外国倒産処理手続の承認の決定を取り消す決定が確定したときは、次条第1項又は第2項の規定による中止の命令、第26条第1項又は第2項の規定による処分、第27条第1項又は第2項の規定による中止の命令、第28条第1項の規定による禁止の命令及び第32条第1項の規定による処分は、その効力を失う。
第3章
外国倒産処理手続に対する援助の処分
第25条
【他の手続の中止命令等】
裁判所は、承認援助手続の目的を達成するために必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、外国倒産処理手続の承認の決定と同時に又はその決定後、次に掲げる手続の中止を命ずることができる。
強制執行、仮差押え又は仮処分(以下「強制執行等」という。)の手続で、債務者の財産(日本国内にあるものに限る。以下この項において同じ。)に対して既にされているもの
債務者の財産に関する訴訟手続
債務者の財産に関する事件で行政庁に係属しているものの手続
裁判所は、外国倒産処理手続の承認の申立てがされた場合には、当該申立てについて決定をする前であっても、前項の規定による中止の命令をすることができる。外国倒産処理手続の承認の申立てを棄却する決定に対して前条第1項の即時抗告がされたときも、同様とする。
前項の規定による中止の命令は、外国倒産処理手続の承認の申立てを棄却する決定又は同項の即時抗告を棄却する決定があったときは、その効力を失う。
裁判所は、第1項又は第2項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。
裁判所は、承認援助手続の目的を達成するために特に必要があると認めるときは、債務者(外国管財人がない場合に限る。)若しくは承認管財人の申立てにより又は職権で、担保を立てさせて、又は立てさせないで、第1項又は第2項の規定により中止した強制執行等の手続の取消しを命ずることができる。ただし、同項の規定により中止した強制執行等の手続の取消しについては、外国倒産処理手続の承認の決定があった後に限る。
第1項又は第2項の規定による中止の命令、第4項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第6項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第8条第3項本文の規定は、適用しない。
第23条第3項各号に掲げる者には、第2項の規定による中止の命令があった旨を通知しなければならない。ただし、同条第3項ただし書に規定する規定による通知が既にされている者については、この限りでない。
第26条
【処分の禁止、弁済の禁止その他の処分】
裁判所は、承認援助手続の目的を達成するために必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、外国倒産処理手続の承認の決定と同時に又はその決定後、債務者の日本国内における業務及び財産に関し、処分の禁止を命ずる処分、弁済の禁止を命ずる処分その他の処分をすることができる。
裁判所は、外国倒産処理手続の承認の申立てがされた場合には、当該申立てについて決定をする前であっても、前項の規定による処分をすることができる。外国倒産処理手続の承認の申立てを棄却する決定に対して第24条第1項の即時抗告がされたときも、同様とする。
前項の規定による処分は、外国倒産処理手続の承認の申立てを棄却する決定又は同項の即時抗告を棄却する決定があったときは、その効力を失う。
裁判所は、第1項又は第2項の規定による処分を変更し、又は取り消すことができる。
裁判所が第1項又は第2項の規定により債務者が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることの禁止を命ずる処分をした場合には、債権者は、承認援助手続の関係においては、当該処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。ただし、債権者が、その行為の当時、当該処分がされたことを知っていたときに限る。
前条第6項から第8項までの規定は第1項又は第2項の規定による処分及び第4項の規定による決定について、同条第8項の規定はこの項において準用する同条第6項の即時抗告についての裁判があった場合について、同条第9項の規定は第2項の規定による処分があった場合について準用する。
第27条
【担保権の実行手続等の中止命令】
裁判所は、債権者の一般の利益に適合し、かつ、競売申立人又は企業担保権の実行手続の申立人に不当な損害を及ぼすおそれがないと認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、外国倒産処理手続の承認の決定と同時に又はその決定後、相当の期間を定めて、債務者の財産に対して既にされている担保権の実行の手続又は企業担保権の実行手続の中止を命ずることができる。
裁判所は、外国倒産処理手続の承認の申立てがされた場合には、当該申立てについて決定をする前であっても、前項の規定による中止の命令をすることができる。外国倒産処理手続の承認の申立てを棄却する決定に対して第24条第1項の即時抗告がされたときも、同様とする。
前項の規定による中止の命令は、外国倒産処理手続の承認の申立てを棄却する決定又は同項の即時抗告を棄却する決定があったときは、その効力を失う。
裁判所は、第1項又は第2項の規定による中止の命令を発する場合には、競売申立人又は企業担保権の実行手続の申立人の意見を聴かなければならない。
裁判所は、第1項又は第2項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。
第1項又は第2項の規定による中止の命令及び前項の規定による変更の決定に対しては、競売申立人又は企業担保権の実行手続の申立人に限り、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第25条第8項の規定は第1項又は第2項の規定による中止の命令、第5項の規定による決定及び第6項の即時抗告についての裁判があった場合について、同条第9項の規定は第2項の規定による中止の命令があった場合について準用する。
第28条
【強制執行等禁止命令】
裁判所は、承認援助手続の目的を達成するために必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、外国倒産処理手続の承認の決定と同時に又はその決定後、すべての債権者に対し、債務者の財産に対する強制執行等の禁止を命ずることができる。この場合において、裁判所は、相当と認めるときは、一定の範囲に属する債権に基づく強制執行等又は一定の範囲に属する債務者の財産に対する強制執行等を禁止の命令の対象から除外することができる。
前項の規定による禁止の命令(以下「強制執行等禁止命令」という。)が発せられた場合には、債務者の財産に対して既にされている強制執行等(当該命令により禁止されることとなるものに限る。)の手続は、中止する。
裁判所は、強制執行等禁止命令を変更し、又は取り消すことができる。
裁判所は、承認援助手続の目的を達成するために特に必要があると認めるときは、債務者(外国管財人がいない場合に限る。)若しくは承認管財人の申立てにより又は職権で、担保を立てさせて、又は立てさせないで、第2項の規定により中止した手続の取消しを命ずることができる。
強制執行等禁止命令、第3項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
強制執行等禁止命令が発せられたときは、債務者に対する債権(当該命令により強制執行等が禁止されているものに限る。)については、当該命令が効力を失った日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。
第29条
【強制執行等禁止命令に関する公告及び送達等】
強制執行等禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定があった場合には、その主文を公告し、かつ、その裁判書を外国管財人等、承認管財人及び申立人に送達しなければならない。
裁判所は、外国倒産処理手続の承認の決定と同時に強制執行等禁止命令を発したときは、第23条第1項の規定による公告には、強制執行等禁止命令の主文をも掲げなければならない。この場合においては、前項の規定による公告は、することを要しない。
第1項の場合において、同項の裁判書の送達を受けた外国管財人等は、当該裁判書の内容を知れている債権者に周知させるため必要な措置を講じなければならない。
強制執行等禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定は、外国管財人等(承認管財人が選任されている場合にあっては、承認管財人)に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。
前条第4項の規定による取消しの命令及び同条第5項の即時抗告についての裁判(強制執行等禁止命令を変更し、又は取り消す旨の決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
第30条
【強制執行等禁止命令の解除】
裁判所は、強制執行等禁止命令を発した場合において、強制執行等の申立人である債権者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該債権者の申立てにより、当該債権者に対しては強制執行等禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。この場合には、当該債権者は、債務者の財産に対する強制執行等をすることができ、強制執行等禁止命令が発せられる前に当該債権者がした強制執行等の手続は、続行する。
前項の規定による解除の決定を受けた者に対する第28条第7項の規定の適用については、同項中「当該命令が効力を失った日」とあるのは、「第30条第1項の規定による解除の決定が効力を生じた日」とする。
第1項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第1項の申立てについての裁判及び第3項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第8条第3項本文の規定は、適用しない。
第31条
【債務者の財産の処分等に対する許可】
裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合において、必要があると認めるときは、債務者が日本国内にある財産の処分又は国外への持出しその他裁判所の指定する行為をするには裁判所の許可を得なければならないものとすることができる。ただし、承認管財人又は保全管理人がある場合は、この限りでない。
第25条第1項若しくは第2項の規定による中止の命令、第26条第1項若しくは第2項の規定による処分、第27条第1項若しくは第2項の規定による中止の命令、強制執行等禁止命令又は第57条第2項第58条第1項同条第2項において準用する場合を含む。)、第59条第1項第1号第60条第1項若しくは第63条第1項の規定による中止の命令が発せられたとき。
第62条第2項の規定により中止した外国従手続の承認援助手続があるとき。
裁判所は、日本国内において債権者の利益が不当に侵害されるおそれがないと認める場合に限り、前項の許可をすることができる。
第1項の許可を得ないでした法律行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
第32条
【管理命令】
裁判所は、承認援助手続の目的を達成するために必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、外国倒産処理手続の承認の決定と同時に又はその決定後、債務者の日本国内における業務及び財産に関し、承認管財人による管理を命ずる処分をすることができる。
裁判所は、前項の処分(以下「管理命令」という。)をする場合には、当該管理命令において、一人又は数人の承認管財人を選任しなければならない。
法人は、承認管財人となることができる。
裁判所は、管理命令を変更し、又は取り消すことができる。
管理命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第33条
【管理命令に関する公告及び送達等】
裁判所は、管理命令を発したときは、次項に規定する場合を除き、次に掲げる事項を公告しなければならない。
管理命令を発した旨及び承認管財人の氏名又は名称
債務者の財産(日本国内にあるものに限る。)の所持者及び債務者に対して債務(日本国内にある債権に係るものに限る。)を負担する者(第6項において「財産所持者等」という。)は、債務者にその財産を交付し、又は弁済をしてはならない旨
裁判所は、外国倒産処理手続の承認の決定と同時に管理命令を発したときは、第23条第1項の規定による公告には、前項に掲げる事項をも掲げなければならない。
裁判所は、管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定をした場合には、その旨を公告しなければならない。
管理命令、前項の決定又は前条第5項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
管理命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定は、承認管財人に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。
管理命令が発せられた場合には第1項に掲げる事項を、第3項の決定があった場合又は管理命令が発せられた後に外国倒産処理手続の承認の決定を取り消す決定が確定した場合にはその旨を、知れている財産所持者等に通知しなければならない。
第8条第4項の規定は、管理命令に関し公告及び送達をしなければならない場合については、適用しない。
参照条文
第34条
【承認管財人の権限】
管理命令が発せられた場合には、債務者の日本国内における業務の遂行並びに財産の管理及び処分をする権利は、承認管財人に専属する。
第35条
【承認管財人の財産の処分等に対する許可】
承認管財人が債務者の日本国内にある財産の処分又は国外への持出しその他裁判所の指定する行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。
裁判所は、日本国内において債権者の利益が不当に侵害されるおそれがないと認める場合に限り、前項の許可をすることができる。
第1項の許可を得ないでした法律行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
第36条
【管理命令が発せられた場合の債務者の財産関係の訴えの取扱い】
管理命令が発せられた場合には、債務者の日本国内にある財産に関する訴えについては、承認管財人を原告又は被告とする。
管理命令が発せられた場合には、債務者の日本国内にある財産に関する訴訟手続で債務者が当事者であるものは、中断する。
前項の規定により中断した訴訟手続は、承認管財人においてこれを受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。
第2項の規定により中断した訴訟手続について前項の規定による受継があるまでに管理命令が効力を失ったときは、債務者は、当該訴訟手続を当然に受継する。
第2項の規定により中断した訴訟手続について第3項の規定による受継がされた後に管理命令が効力を失ったときは、当該訴訟手続は、中断する。
前項の場合においては、債務者において当該訴訟手続を受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。
参照条文
第37条
【行政庁に係属する事件の取扱い】
前条第2項から第6項までの規定は、債務者の日本国内にある財産に関する事件で管理命令が発せられた当時行政庁に係属するものについて準用する。
第38条
【承認管財人に対する監督等】
承認管財人は、裁判所が監督する。
重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、承認管財人を解任することができる。この場合においては、その承認管財人を審尋しなければならない。
参照条文
第39条
【数人の承認管財人の職務執行】
承認管財人が数人あるときは、共同してその職務を行う。ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。
承認管財人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。
第40条
【承認管財人代理】
承認管財人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の承認管財人代理を選任することができる。
前項の承認管財人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。
第35条の規定は、承認管財人代理について準用する。
参照条文
第41条
【承認管財人による調査】
承認管財人は、次に掲げる者に対して債務者の日本国内における業務及び財産の状況につき報告を求め、債務者の帳簿、書類その他の物件を検査することができる。
債務者
債務者の代理人
債務者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役及び清算人
前号に掲げる者に準ずる者
債務者の従業者(第2号に掲げる者を除く。)
前項の規定は、同項各号(第1号を除く。)に掲げる者であった者について準用する。
承認管財人は、その職務を行うため必要があるときは、債務者の子会社等(次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める法人をいう。次項において同じ。)に対して、その日本国内における業務及び財産の状況につき報告を求め、又はその帳簿、書類その他の物件を検査することができる。
債務者が株式会社である場合 債務者の子会社(会社法第2条第3号に規定する子会社をいう。)
債務者が株式会社以外のものである場合 債務者が株式会社の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法第879条第3項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。次項において同じ。)の過半数を有する場合における当該株式会社
債務者(株式会社以外のものに限る。以下この項において同じ。)の子会社等又は債務者及びその子会社等が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、前項の規定の適用については、当該他の株式会社を当該債務者の子会社等とみなす。
参照条文
第42条
【債務者の業務及び財産の管理】
承認管財人は、就職の後直ちに債務者の日本国内における業務及び財産の管理に着手しなければならない。
参照条文
第43条
【郵便物等の管理】
裁判所は、承認管財人の職務の遂行のため必要があると認めるときは、信書の送達の事業を行う者に対し、債務者にあてた郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律第2条第3項に規定する信書便物(次条において「郵便物等」という。)を承認管財人に配達すべき旨を嘱託することができる。
裁判所は、債務者の申立てにより又は職権で、承認管財人の意見を聴いて、前項に規定する嘱託を取り消し、又は変更することができる。
管理命令が効力を失ったときは、裁判所は、第1項に規定する嘱託を取り消さなければならない。
第1項又は第2項の規定による決定及び同項の申立てを却下する裁判に対しては、外国管財人等又は承認管財人は、即時抗告をすることができる。
第1項の規定による決定に対する前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第44条
承認管財人は、債務者にあてた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。
債務者は、承認管財人に対し、承認管財人が受け取った前項の郵便物等の閲覧又は当該郵便物等で債務者の日本国内にある財産に関しないものの交付を求めることができる。
参照条文
第45条
【承認管財人の注意義務】
承認管財人は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。
承認管財人が前項の注意を怠ったときは、その承認管財人は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する責めに任ずる。
第46条
【承認管財人の報告義務】
承認管財人は、裁判所の定めるところにより、債務者の日本国内における業務及び財産の管理状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならない。
参照条文
第47条
【承認管財人の行為に対する制限】
承認管財人は、裁判所の許可を得なければ、債務者の財産を譲り受け、債務者に対し自己の財産を譲り渡し、その他自己又は第三者のために債務者と取引をすることができない。
前項の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
第48条
【管理命令後の債務者の行為等】
承認管財人が管理及び処分をする権利を有する債務者の財産に関して、債務者が管理命令が発せられた後にした法律行為は、承認援助手続の関係においては、その効力を主張することができない。ただし、相手方がその行為の当時管理命令が発せられた事実を知らなかったときは、この限りでない。
日本国内にある債権について、管理命令が発せられた後に、その事実を知らないで日本国内において債務者にした弁済は、承認援助手続の関係においても、その効力を主張することができる。
前項の債権について、管理命令が発せられた後に、その事実を知って日本国内において債務者にした弁済は、承認管財人が管理及び処分をする権利を有する財産が受けた利益の限度においてのみ、承認援助手続の関係において、その効力を主張することができる。
前三項の規定の適用については、第33条第1項の規定による公告(外国倒産処理手続の承認の決定と同時に管理命令が発せられた場合には、第23条第1項の規定による公告)前においてはその事実を知らなかったものと推定し、その公告後においてはその事実を知っていたものと推定する。
第49条
【承認管財人の報酬等】
承認管財人及び承認管財人代理は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。ただし、外国管財人である者については、この限りでない。
承認管財人及び承認管財人代理は、その選任後、債務者に対する債権又は債務者の株式その他の債務者に対する出資による持分を譲り受け、又は譲り渡すには、裁判所の許可を得なければならない。
承認管財人及び承認管財人代理は、前項の許可を得ないで同項に規定する行為をしたときは、費用及び報酬の支払を受けることができない。
第1項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第50条
【任務終了の場合の報告義務等】
承認管財人の任務が終了した場合には、承認管財人は、遅滞なく、裁判所に計算の報告をしなければならない。
前項の場合において、承認管財人が欠けたときは、同項の計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の承認管財人がしなければならない。
承認管財人の任務が終了した場合において、急迫の事情があるときは、承認管財人又はその承継人は、後任の承認管財人又は債務者が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。
参照条文
第51条
【保全管理命令】
裁判所は、外国倒産処理手続の承認の申立てがされた場合において、承認援助手続の目的を達成するために特に必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、当該外国倒産処理手続の承認の申立てにつき決定があるまでの間、債務者の日本国内における業務及び財産に関し、保全管理人による管理を命ずる処分をすることができる。
裁判所は、前項の処分(以下「保全管理命令」という。)をする場合には、当該保全管理命令において、一人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。
前二項の規定は、外国倒産処理手続の承認の申立てを棄却する決定に対して第24条第1項の即時抗告がされた場合について準用する。
裁判所は、保全管理命令を変更し、又は取り消すことができる。
保全管理命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第52条
【保全管理命令に関する公告及び送達等】
裁判所は、保全管理命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。保全管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。
保全管理命令、前条第4項の規定による決定及び同条第5項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
保全管理命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定は、保全管理人に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。
第8条第4項の規定は、保全管理命令に関し公告及び送達をしなければならない場合については、適用しない。
第25条第9項の規定は、保全管理命令があった場合について準用する。
参照条文
第53条
【保全管理人の権限】
保全管理命令が発せられた場合には、債務者の日本国内における業務の遂行並びに財産の管理及び処分をする権利は、保全管理人に専属する。ただし、保全管理人が債務者の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。
前項ただし書の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
参照条文
第54条
【保全管理人代理】
保全管理人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の保全管理人代理を選任することができる。
前項の保全管理人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。
第55条
【承認管財人に関する規定の保全管理人等への準用】
第32条第3項第35条第36条第1項第38条第39条第41条第42条及び第44条から第50条までの規定は保全管理人について、第40条第3項及び第49条の規定は保全管理人代理について準用する。この場合において、第50条第2項中「後任の承認管財人」とあるのは「後任の保全管理人又は承認管財人」と、同条第3項中「後任の承認管財人」とあるのは「後任の保全管理人、承認管財人」と読み替えるものとする。
第36条第2項から第6項までの規定は、保全管理命令が発せられた当時係属している債務者の日本国内にある財産に関する訴訟及び債務者の日本国内にある財産に関する事件で保全管理命令が発せられた当時行政庁に係属するものについて準用する。
第4章
外国倒産処理手続の承認の取消し
第56条
次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、外国倒産処理手続の承認の取消しの決定をしなければならない。
当該外国倒産処理手続の承認の申立てが第17条第1項に規定する要件を欠くものであったことが明らかになったとき。
当該外国倒産処理手続について第21条第2号から第6号までに規定する事由のあることが明らかになったとき。
当該外国倒産処理手続が、破産手続終結の決定、再生計画認可の決定、更生計画認可の決定又は特別清算終結の決定に相当する判断がされて終了したとき。
当該外国倒産処理手続が前号に規定する事由以外の事由により終了したとき。
次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、外国倒産処理手続の承認の取消しの決定をすることができる。
債務者が第31条第1項の規定に違反したとき。
承認管財人である外国管財人が第35条第1項又は第46条の規定に違反したとき。
承認管財人でない外国管財人が債務者の日本国内にある財産の処分又は国外への持出しをしたとき。
裁判所は、前二項の取消しの決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告しなければならない。
第1項又は第2項の取消しの決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第1項又は第2項の取消しの決定を取り消す決定が確定したときは、第1項又は第2項の取消しの決定をした裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。
第1項又は第2項の取消しの決定は、確定しなければその効力を生じない。
第24条第3項の規定は、第1項又は第2項の取消しの決定が確定した場合について準用する。
第5章
他の倒産処理手続がある場合の取扱い
第1節
国内倒産処理手続がある場合の取扱い
第57条
【国内倒産処理手続の開始決定がされた場合の承認の条件等】
裁判所は、外国倒産処理手続の承認の申立てについて決定をする前に、同一の債務者につき開始の決定がされた国内倒産処理手続があることが明らかになったときは、次に掲げる要件のすべてを満たす場合を除き、当該申立てを棄却しなければならない。
当該外国倒産処理手続が外国主手続であること。
当該外国倒産処理手続について第3章の規定により援助の処分をすることが債権者の一般の利益に適合すると認められること。
当該外国倒産処理手続について第3章の規定により援助の処分をすることにより、日本国内において債権者の利益が不当に侵害されるおそれがないこと。
前項の裁判所は、同項に規定する国内倒産処理手続があることが明らかになった場合において、外国倒産処理手続の承認の決定をするときは、当該国内倒産処理手続の中止を命じなければならない。ただし、当該国内倒産処理手続が次条第1項同条第2項において準用する場合を含む。)の規定により中止されているときは、この限りでない。
裁判所は、前項の規定による中止の命令を取り消すことができる。
第2項の規定による中止の命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第4項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
第58条
【外国倒産処理手続の承認決定前の国内倒産処理手続の中止命令】
承認援助手続が係属する裁判所は、外国倒産処理手続の承認の申立てについて決定をする前において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、同一の債務者についての国内倒産処理手続の中止を命ずることができる。ただし、前条第1項各号に掲げる要件のすべてを満たす場合に限る。
前項の規定は、外国倒産処理手続の承認の申立てを棄却する決定に対して第24条第1項の即時抗告がされた場合について準用する。
裁判所は、第1項前項において準用する場合を含む。以下この条及び第61条第1項において同じ。)の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。
第1項の規定による中止の命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第4項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
第25条第9項の規定は、第1項の規定による中止の命令があった場合について準用する。
第59条
【外国倒産処理手続の承認決定と国内倒産処理手続の開始決定とが競合した場合の調整】
承認援助手続が係属する裁判所は、外国倒産処理手続の承認の決定があった後、当該決定の後に同一の債務者につき国内倒産処理手続の開始の決定があったこと又は外国倒産処理手続の承認の決定以前に同一の債務者につき国内倒産処理手続の開始の決定があったことが明らかになった場合において、次の各号に掲げる事由があるときには、当該各号に定める決定をしなければならない。
第57条第1項各号に掲げる要件のすべてを満たすとき 当該国内倒産処理手続の中止を命ずる旨の決定
前号に掲げる場合に該当しないとき 当該承認援助手続を中止する旨の決定
裁判所は、前項の規定による決定を取り消すことができる。
前二項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第3項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
第60条
【外国倒産処理手続の承認決定と開始決定前の国内倒産処理手続との調整】
承認援助手続が係属する裁判所は、外国倒産処理手続の承認の決定があった後、同一の債務者につき国内倒産処理手続の開始の申立てがされたことが明らかになった場合(前条第1項に規定する場合を除く。)において、同項第1号に掲げる事由がある場合には、同号に定める決定をしなければならない。
承認援助手続が係属する裁判所は、外国倒産処理手続の承認の決定があった後、同一の債務者につき国内倒産処理手続の開始の申立てがされたことが明らかになった場合(前条第1項に規定する場合を除く。)において、同項第2号に掲げる事由がある場合には、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、同号に定める決定をすることができる。
裁判所は、前項の規定による決定を変更し、又は前二項の規定による決定を取り消すことができる。
前三項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第4項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
第61条
【中止した国内倒産処理手続及び承認援助手続の失効】
第57条第2項第58条第1項第59条第1項第1号又は前条第1項の規定により国内倒産処理手続が中止していた場合において、同一の債務者につき第56条第1項第3号の規定による外国倒産処理手続の承認の取消しの決定が確定したときは、当該国内倒産処理手続は、その効力を失う。
第59条第1項第2号又は前条第2項の規定により外国倒産処理手続の承認援助手続が中止していた場合において、同一の債務者につき破産手続終結の決定があったとき、又は再生計画認可の決定、更生計画認可の決定若しくは特別清算終結の決定が確定したときは、当該承認援助手続は、その効力を失う。
第2節
他の外国倒産処理手続の承認援助手続がある場合の取扱い
第62条
【他の外国倒産処理手続の承認がされた場合の承認の条件等】
裁判所は、外国倒産処理手続の承認の申立てがされた場合において、既に承認の決定がされた同一の債務者についての他の外国倒産処理手続の承認援助手続があるときは、次の各号のいずれかに該当する場合にも、当該申立てを棄却しなければならない。
当該他の外国倒産処理手続が外国主手続であるとき。
前号に掲げる場合以外の場合において、当該申立てに係る外国倒産処理手続が外国従手続であり、かつ、当該外国倒産処理手続について第3章の規定により援助の処分をすることが債権者の一般の利益に適合すると認められないとき。
外国倒産処理手続の承認の決定があった場合において、同一の債務者につき外国倒産処理手続の承認の決定がされた他の外国従手続があるときは、当該外国従手続の承認援助手続は、中止する。ただし、次条第1項の規定による中止の命令が発せられているときは、この限りでない。
第63条
【外国倒産処理手続の承認決定前の他の承認援助手続の中止命令】
承認援助手続が係属する裁判所は、外国倒産処理手続の承認の申立てについて決定をする前において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、外国倒産処理手続の承認の決定がされた同一の債務者についての外国従手続の承認援助手続の中止を命ずることができる。外国倒産処理手続の承認の申立てを棄却する決定に対して第24条第1項の即時抗告がされたときも、同様とする。
裁判所は、前項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。
第1項の規定による中止の命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第3項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
第64条
【中止した承認援助手続の失効】
第62条第2項又は前条第1項の規定により外国倒産処理手続の承認援助手続が中止していた場合において、同一の債務者につき第56条第1項第3号の規定による他の外国倒産処理手続の承認の取消しの決定が確定したときは、当該承認援助手続は、その効力を失う。
参照条文
第6章
罰則
第65条
【報告及び検査の拒絶等の罪】
第41条第1項各号に掲げる者若しくは同項第2号から第5号までに掲げる者であった者が、同項若しくは同条第2項において準用する同条第1項(これらの規定を第55条第1項において準用する場合を含む。)の規定による報告を拒み、又は虚偽の報告をしたときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第41条第1項第2号から第5号までに掲げる者若しくは当該各号に掲げる者であった者(以下この項において「報告義務者」という。)の代表者、代理人、使用人その他の従業者(第4項において「代表者等」という。)が、その報告義務者の業務に関し、同条第1項又は同条第2項において準用する同条第1項(これらの規定を第55条第1項において準用する場合を含む。)の規定による報告を拒み、又は虚偽の報告をしたときも、前項と同様とする。
債務者又はその法定代理人が第41条第1項第55条第1項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだときも、第1項と同様とする。
第41条第3項に規定する債務者の子会社等(同条第4項の規定により債務者の子会社等とみなされるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者等が、その債務者の子会社等の業務に関し、同条第3項第55条第1項において準用する場合を含む。)の規定による報告若しくは検査を拒み、又は虚偽の報告をしたときも、第1項と同様とする。
第67条
【収賄罪】
承認管財人、保全管理人、承認管財人代理又は保全管理人代理(次項において「承認管財人等」という。)が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
前項の場合において、その承認管財人等が不正の請託を受けたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
承認管財人又は保全管理人が法人である場合において、承認管財人又は保全管理人の職務を行うその役員又は職員が、その承認管財人又は保全管理人の職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。承認管財人又は保全管理人が法人である場合において、その役員又は職員が、その承認管財人又は保全管理人の職務に関し、承認管財人又は保全管理人に賄賂を収受させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときも、同様とする。
前項の場合において、その役員又は職員が不正の請託を受けたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
前各項の場合において、犯人又は法人である承認管財人若しくは保全管理人が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
参照条文
第68条
【贈賄罪】
前条第1項又は第3項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
前条第2項又は第4項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第69条
【財産の無許可処分及び国外への持出しの罪】
第31条第1項の規定により債務者が日本国内にある財産の処分又は国外への持出しその他裁判所の指定する行為をするには裁判所の許可を得なければならないものとされた場合において、債務者がこれに違反する行為をしたときは、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
承認管財人、保全管理人、承認管財人代理又は保全管理人代理が第35条第1項第55条第1項において準用する場合を含む。)の規定又は第40条第3項第55条第1項において準用する場合を含む。)において準用する第35条第1項の規定に違反したときも、前項と同様とする。
第70条
【国外犯】
第66条及び第68条の罪は、刑法第2条の例に従う。
第67条の罪は、刑法第4条の例に従う。
第71条
【両罰規定】
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、第65条第1項を除く。)、第66条第68条又は第69条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成14年5月29日
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
この法律の施行の日が農業協同組合法等の一部を改正する法律第二条の規定の施行の日前である場合には、第九条のうち農業協同組合法第三十条第十二項の改正規定中「第三十条第十二項」とあるのは、「第三十条第十一項」とする。
附則
平成14年7月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、公社法の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第38条
(罰則に関する経過措置)
施行日前にした行為並びにこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第39条
(その他の経過措置の政令への委任)
この法律に規定するもののほか、公社法及びこの法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則
平成14年7月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、民間事業者による信書の送達に関する法律の施行の日から施行する。
第2条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第3条
(その他の経過措置の政令への委任)
前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成14年12月13日
第1条
(施行期日)
この法律は、会社更生法の施行の日から施行する。
第3条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及びこの法律の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成15年8月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成16年6月2日
第1条
(施行期日)
この法律は、破産法(次条第八項並びに附則第三条第八項、第五条第八項、第十六項及び第二十一項、第八条第三項並びに第十三条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。
第4条
(外国倒産処理手続の承認援助に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
施行日前にされた第三条の規定による改正前の外国倒産処理手続の承認援助に関する法律第十七条第一項の規定による外国倒産処理手続の承認の申立てに係る承認援助事件については、なお従前の例による。
第12条
(罰則の適用等に関する経過措置)
施行日前にした行為並びに附則第二条第一項、第三条第一項、第四条、第五条第一項、第九項、第十七項、第十九項及び第二十一項並びに第六条第一項及び第三項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。この場合において、旧民事再生法第二百四十六条及び第二百四十七条の規定の適用については第一号に掲げる再生手続開始の決定は同号に定める再生手続開始の決定と、旧会社更生法第二百五十五条及び第二百五十六条の規定の適用については第二号に掲げる更生手続開始の決定は同号に定める更生手続開始の決定と、旧更生特例法第五百三十九条及び第五百四十条の規定の適用については第三号に掲げる更生手続開始の決定は同号に定める更生手続開始の決定と、それぞれみなす。
次の各号に掲げる場合における施行日前にした行為に対する旧破産法第三百七十四条から第三百七十六条まで及び第三百七十八条の規定の適用については、当該各号に定める破産手続開始の決定は、旧破産法の規定によりされた破産の宣告とみなす。
施行日前に破産の宣告、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定、整理開始の命令、特別清算開始の命令又は外国倒産処理手続の承認の決定(以下この項において「手続開始決定」という。)を受けた者(当該手続開始決定に係る破産手続、再生手続、更生手続、整理手続、特別清算手続又は承認援助手続が終了している者を除く。)が有する第百二十条の規定による改正前の債権管理回収業に関する特別措置法第二条第一項第十六号に規定する金銭債権は、第百二十条の規定による改正後の債権管理回収業に関する特別措置法の規定及び当該規定に係る罰則の適用については、同法第二条第一項第十六号に規定する金銭債権とみなす。
施行日前にされた破産、再生手続開始又は更生手続開始の申立てに係る届出の義務に関するこの法律による改正前の証券取引法、外国証券業者に関する法律及び信託業法の規定並びにこれらの規定に係る罰則の適用については、なお従前の例による。
施行日前にされた破産の宣告、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定又は外国倒産処理手続の承認の決定に係る届出、通知又は報告の義務に関するこの法律による改正前の証券取引法、測量法、国際観光ホテル整備法、建築士法、投資信託及び投資法人に関する法律、電気通信事業法、電気通信役務利用放送法、水洗炭業に関する法律、不動産の鑑定評価に関する法律、外国証券業者に関する法律、積立式宅地建物販売業法、銀行法、貸金業の規制等に関する法律、浄化槽法、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律、金融先物取引法、遊漁船業の適正化に関する法律、前払式証票の規制等に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、不動産特定共同事業法、保険業法、資産の流動化に関する法律、債権管理回収業に関する特別措置法、新事業創出促進法、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律、著作権等管理事業法、マンションの管理の適正化の推進に関する法律、確定給付企業年金法、特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律、社債等の振替に関する法律、確定拠出年金法、使用済自動車の再資源化等に関する法律、信託業法及び特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第一条の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の規定並びにこれらの規定に係る罰則の適用については、なお従前の例による。
第14条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成16年12月3日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
第121条
(処分等の効力)
この法律の施行前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。
第122条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第123条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
第124条
(検討)
政府は、この法律の施行後三年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成17年7月26日
この法律は、会社法の施行の日から施行する。
附則
平成18年6月2日
この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。
附則
平成23年6月24日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

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