武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律
平成20年6月18日 改正
第2条
【定義】
2
この法律において「対処措置等」とは、事態対処法第2条第7号イ(1)及び(2)に掲げる措置並びに対処基本方針が定められてから廃止されるまでの間に武力攻撃事態等を終結させるためにその推移に応じてアメリカ合衆国の軍隊が実施する日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に従って武力攻撃を排除するために必要な行動並びに国民の保護のための措置(武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律第2条第3項の国民の保護のための措置をいう。第18条第1項第1号において同じ。)をいう。
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この法律において「飛行場施設」とは、空港法第4条第1項各号に掲げる空港及び同法第5条第1項に規定する地方管理空港の施設並びに当該空港及び地方管理空港以外の政令で定める公共の用に供する飛行場(航空法第56条の4第1項の規定に基づき公共の用に供すべきものとして指定された着陸帯その他の施設のある自衛隊の設置する飛行場を含む。)の施設をいう。
第4条
【港湾管理者等の責務】
港湾管理者及び飛行場施設の管理者は、対処措置等の的確かつ迅速な実施を図るためには港湾施設及び飛行場施設の円滑かつ効果的な利用の確保が不可欠であることにかんがみ、港湾施設及び飛行場施設を管理運営するに際しては、これらの利用に関する指針を踏まえ、対策本部長との緊密な連携を図りつつ、適切にこれを行うものとする。
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参照条文
第5条
【指定行政機関等の責務】
前条に規定するもののほか、指定行政機関、地方公共団体、指定公共機関及び指定地方公共機関(武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律第2条第2項の指定地方公共機関をいう。)は、対処措置等の的確かつ迅速な実施を図るためには特定公共施設等の円滑かつ効果的な利用の確保が不可欠であることにかんがみ、対処措置等を実施するに際しては、対策本部長がそれぞれの特定公共施設等ごとに定めるその利用に関する指針を踏まえ、適切にこれを利用し、又は利用させるものとする。
第6条
【港湾施設の利用指針】
1
対策本部長は、武力攻撃事態等において、対処措置等の的確かつ迅速な実施を図るため、対処基本方針に基づき、港湾施設の利用に関する指針(以下この条及び次条において「港湾施設の利用指針」という。)を定めることができる。
2
港湾施設の利用指針は、特定の地域における港湾施設に関し、特定の者の優先的な利用を確保する必要がある対処措置等の概要及びその期間その他の対処措置等の的確かつ迅速な実施を図るために必要と認められる基本的な事項について定めるものとする。
第7条
【港湾施設の利用の要請】
第8条
【港湾施設の許可の変更等】
1
港湾管理者は、前条第1項の要請に基づきその管理する特定の港湾施設を利用させる場合において、必要があると認めるときは、当該特定の港湾施設の利用に係る許可その他の処分を変更し、又は取り消すことができる。
第9条
【港湾施設の利用に関する内閣総理大臣の措置】
1
内閣総理大臣は、特定の港湾施設について第7条第1項の要請に基づく所要の利用が確保されない場合において、国民の生命、身体若しくは財産の保護又は武力攻撃の排除を図るため特に必要があると認めるときは、対策本部長の求めに応じ、当該特定の港湾施設の港湾管理者に対し、当該所要の利用を確保すべきことを指示することができる。
3
内閣総理大臣は、第1項の指示を行ってもなお所要の利用が確保されないとき、又は国民の生命、身体若しくは財産の保護若しくは武力攻撃の排除を図るため特に必要があると認める場合であって事態に照らし緊急を要すると認めるときは、対策本部長の求めに応じ、当該港湾管理者に通知した上で、国土交通大臣を指揮し、当該特定の港湾施設の利用に係る許可その他の処分又は許可その他の処分の変更若しくは取消しを行わせることができる。
4
内閣総理大臣は、前項の規定により当該特定の港湾施設の利用に係る許可その他の処分又は許可その他の処分の変更若しくは取消しを行わせた場合において、現に停泊中の船舶の移動が必要であると認めるときは、国土交通大臣を指揮し、当該船舶の船長等に対し、当該船舶の移動を命じさせることができる。
第10条
【飛行場施設の利用指針】
1
対策本部長は、武力攻撃事態等において、対処措置等の的確かつ迅速な実施を図るため、対処基本方針に基づき、飛行場施設の利用に関する指針(以下この条及び次条において「飛行場施設の利用指針」という。)を定めることができる。
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参照条文
第11条
【準用】
第7条から第9条までの規定は、特定の飛行場施設の利用の確保について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第7条第1項 | 港湾施設の利用指針 | 飛行場施設の利用指針 |
港湾管理者 | 管理者 | |
第7条第2項 | 前項 | 第11条において準用する第7条第1項 |
第7条第2項並びに第9条第2項及び第3項 | 港湾管理者 | 飛行場施設の管理者(国土交通大臣及び防衛大臣を除く。) |
第8条第1項及び第2項 | 港湾管理者 | 飛行場施設の管理者 |
第8条第1項 | 前条第1項 | 第11条において準用する第7条第1項 |
許可その他の処分を変更し、又は取り消す | 必要な指示をし、又は条件を付し、若しくは変更をする | |
第8条第2項 | 前項 | 第11条において準用する第8条第1項 |
許可その他の処分を変更し、又は取り消した | 必要な指示をし、又は条件を付し、若しくは変更をした | |
第8条第2項及び第9条第4項 | 停泊中の船舶 | 駐機中の航空機 |
第8条第2項 | 当該船舶の船長その他の当該船舶の運航に責任を有する者(次条第4項において「当該船舶の船長等」という。) | 当該航空機の機長その他の当該航空機の運航に責任を有する者(第11条において準用する第9条第4項において「当該航空機の機長等」という。) |
第8条第2項及び第9条第4項 | 当該船舶の移動 | 当該航空機の移動 |
第9条第1項 | 第7条第1項 | 第11条において準用する第7条第1項 |
港湾管理者 | 管理者(国土交通大臣及び防衛大臣を除く。) | |
第9条第2項 | 前条 | 第11条において準用する第8条 |
前項 | 第11条において準用する第9条第1項 | |
第9条第3項 | 第1項 | 第11条において準用する第9条第1項 |
許可その他の処分又は許可その他の処分の変更若しくは取消しを行わせる | 必要な指示をさせ、又は条件を付させ、若しくは変更をさせる | |
第9条第4項 | 前項 | 第11条において準用する第9条第3項 |
許可その他の処分又は許可その他の処分の変更若しくは取消しを行わせた | 必要な指示をさせ、又は条件を付させ、若しくは変更をさせた | |
当該船舶の船長等 | 当該航空機の機長等 |
第14条
【船舶の航行制限等】
1
海上保安庁長官は、海域の利用指針に基づき、船舶の航行の安全を確保するため、告示により、特定の海域に関し、範囲又は期間を定めて、当該特定の海域を航行することができる船舶又は時間を制限することができる。ただし、特定の海域を航行することができる船舶又は時間を制限する緊急の必要がある場合において、当該海域を告示により定めるいとまがないときは、他の適当な方法によることができる。
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参照条文
第15条
【空域の利用指針】
1
対策本部長は、武力攻撃事態等において、対処措置等の的確かつ迅速な実施を図るため、対処基本方針に基づき、空域の利用に関する指針(以下この条及び次条において「空域の利用指針」という。)を定めることができる。
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参照条文
第17条
【電波の利用指針】
1
対策本部長は、武力攻撃事態等において、対処措置等の的確かつ迅速な実施を図るため、対処基本方針に基づき、電波の利用に関する指針(以下この条及び次条において「電波の利用指針」という。)を定めることができる。
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参照条文
第18条
【電波の利用調整】
1
総務大臣は、無線局(電波法第2条第5号の無線局をいう。以下この条において同じ。)が行う第1号に掲げる無線通信のうち特定のものを、他の無線局が行う同号又は第2号に掲げる無線通信に優先させるため特に必要があると認めるときは、電波の利用指針に基づき、当該特定の無線通信を行う無線局について、電波法第104条の2第1項の規定により付した免許の条件の変更、自衛隊法第112条第3項の規定による総務大臣の定めの変更その他当該無線局の運用に関し必要な措置を講ずることができる。
2
前項の規定により総務大臣が特定の無線通信を行う無線局について必要な措置を講じた場合においては、当該無線局により当該特定の無線通信を行った者は、総務大臣による無線通信の秩序の維持その他無線局の適正な運用の確保に資するため、遅滞なく、その旨を総務大臣に報告しなければならない。