電線共同溝の整備等に関する特別措置法
平成23年8月30日 改正
第3条
【電線共同溝を整備すべき道路の指定】
1
道路管理者は、道路の構造及び交通の状況、沿道の土地利用の状況等を勘案して、その安全かつ円滑な交通の確保と景観の整備を図るため、電線をその地下に埋設し、その地上における電線及びこれを支持する電柱の撤去又は設置の制限をすることが特に必要であると認められる道路又は道路の部分について、区間を定めて、電線共同溝を整備すべき道路として指定することができる。
2
道路管理者は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、都道府県公安委員会、市町村(当該指定に係る道路の道路管理者が市町村である場合の当該市町村及び次項の規定による要請をした市町村を除く。)、当該道路の沿道がその供給区域又は供給地点に該当する電気事業法第2条第1項第2号に規定する一般電気事業者又は同項第6号に規定する特定電気事業者及び当該道路の沿道がその業務区域に該当する電気通信事業法第120条第1項に規定する認定電気通信事業者(政令で定める者を除く。)の意見を聴かなければならない。これを変更し、又は廃止しようとするときも、同様とする。
第4条
【電線共同溝の建設完了後の占用の許可の申請】
1
前条第1項の規定による指定があったときは、電線共同溝の建設完了後における当該電線共同溝の占用を希望する者は、国土交通省令で定めるところにより、道路管理者に当該電線共同溝の建設完了後の占用の許可を申請することができる。
2
道路管理者は、前条第1項の規定による指定をしたときは、当該指定に係る道路又は道路の部分(以下「電線共同溝整備道路」という。)について、当該指定の日前になされた道路法第32条第1項若しくは第3項又は同法第35条の規定による許可又は協議に基づき当該道路の地上に設置された電線又は電柱(いまだ設置に至らないものを含む。)の設置及び管理を行う者に対し、前項の規定による申請を勧告することができる。
第5条
【電線共同溝の建設】
3
道路管理者は、前項の規定により電線共同溝整備計画を定める場合において、電線による道路の占用の動向を勘案してその構造の保全その他道路の管理上必要と認められるときは、当該計画において電線共同溝の占用予定者以外の者の占用のための電線共同溝の部分を定めることができる。
第6条
【電線共同溝の占用予定者の地位の承継】
1
相続人、合併又は分割により設立される法人その他の電線共同溝の占用予定者の一般承継人(分割による承継の場合にあっては、第4条第1項の規定による申請に係る権利及び義務の全部を承継する法人に限る。)は、電線共同溝の占用予定者の地位を承継する。
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参照条文
第7条
【電線共同溝の占用予定者の建設負担金】
第8条
【電線共同溝の増設】
1
道路管理者は、第5条に規定するところにより電線共同溝が建設された電線共同溝整備道路について、既設の電線共同溝の収容能力に不足を生じたと認めるときは、この条に定めるところにより、電線共同溝を増設することができる。
3
第4条、第5条第2項から第5項まで、第6条及び前条の規定は、第1項の規定による電線共同溝の増設について準用する。この場合において、第4条第1項及び第2項中「前条第1項の規定による指定」とあるのは「第8条第2項の規定による電線共同溝の増設の公示」と、同条第1項及び第3項中「建設完了後」とあるのは「増設完了後」と、同条第2項中「当該指定」とあるのは「当該公示」と、同条第4項第2号、第5条第4項及び前条中「建設」とあるのは「増設」と、第5条第2項中「前条第1項」とあるのは「第8条第3項において準用する前条第1項」と、「同条第4項」とあるのは「第8条第3項において準用する前条第4項」と、同項及び同条第3項、第6条並びに前条第1項中「電線共同溝の占用予定者」とあるのは「増設に係る電線共同溝の占用予定者」と、第5条第2項から第4項までの規定中「電線共同溝整備計画」とあるのは「電線共同溝増設計画」と、同条第5項中「建設する」とあるのは「増設する」と読み替えるものとする。
第9条
【電線共同溝整備道路における道路占用の許可等の制限】
道路管理者は、第3条第1項の規定による指定をした場合においては、当該指定に係る電線共同溝整備道路の地上における電線及びこれを支持する電柱による占用に関し、道路法第32条第1項若しくは第3項の規定による許可をし、又は同法第35条の規定による協議を成立させてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
②
電線共同溝の建設若しくは増設が完了する以前において又はその改築、維持、修繕若しくは公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の規定の適用を受ける災害復旧事業(以下「災害復旧」という。)のために必要な期間中において、緊急の必要に基づき、当該電線共同溝の占用予定者若しくは増設に係る電線共同溝の占用予定者又はこの法律の規定に基づき当該電線共同溝を占用する者が、その建設若しくは増設の完了後又はその改築、維持、修繕若しくは災害復旧の終了後当該電線共同溝に敷設すべき電線又はこれを支持する電柱を仮に設置し、及び当該電線又は電柱の維持、修繕又は災害の復旧を行う場合
③
電気事業法又は電気通信事業法の規定に基づき、電線(電気事業法に基づくものにあっては同法第2条第1項第1号に規定する一般電気事業、同項第3号に規定する卸電気事業又は同項第5号に規定する特定電気事業の用に供するものに、電気通信事業法に基づくものにあっては同法第120条第1項に規定する認定電気通信事業の用に供するものに限る。)を設置しようとする者が、当該電線を当該道路の地下に埋設することが当該道路の構造等に照らし困難であることその他当該道路の地上において当該電線又はこれを支持する電柱による占用を行うことについてやむを得ない事情があると認められる場合において、当該電線又は電柱を設置し、及び当該電線又は電柱の維持、修繕又は災害の復旧を行う場合
第16条
【電線の構造等の基準の遵守】
2
道路管理者は、電線共同溝を占用する者が敷設する電線が前項に規定する基準に適合しない場合は、当該占用する者に対し、当該敷設に関する工事の中止又は当該電線の改造、移転若しくは除却その他必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
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参照条文
第17条
【公益上やむを得ない必要が生じた場合における措置】
2
道路管理者は、電線共同溝を占用する者が前項の規定により必要な措置を講ずべきことを命ぜられたことによって損失を受けたときは、その者に対し、当該処分によって通常受けるべき損失を補償しなければならない。
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参照条文
第20条
【原状回復】
1
この法律の規定に基づき電線共同溝を占用する者は、電線共同溝を占用することができる期間が満了した場合、電線共同溝の占用を廃止した場合又は第26条の規定による許可若しくは承認の取消しの処分があった場合においては、電線を除却し、占用している電線共同溝の部分を原状に回復しなければならない。
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参照条文
第22条
【国の負担又は補助】
1
道路法第13条第1項に規定する指定区間(以下「指定区間」という。)内の一般国道に附属する電線共同溝の建設(第8条の規定による増設を含む。以下この条及び次条において同じ。)又は改築若しくは災害復旧に要する費用(第7条第1項(第8条第3項において準用する場合を含む。)、第13条第1項又は第19条の規定により電線共同溝の占用予定者若しくは増設に係る電線共同溝の占用予定者又は電線共同溝を占用する者が負担すべき費用(以下この条において「建設負担金等」という。)を除く。)は、政令で定めるところにより、国及び都道府県又は同法第7条第3項に規定する指定市(以下「指定市」という。)がそれぞれ二分の一を負担し、当該電線共同溝の改築及び災害復旧以外の管理に要する費用(第19条の規定により電線共同溝を占用する者が負担すべき費用を除く。)は国の負担とする。ただし、道の区域内の指定区間内の一般国道に附属する電線共同溝の建設又は改築若しくは災害復旧に係る国の負担割合については、政令で、二分の一を超える特別の負担割合を定めることができる。
3
前二項の規定にかかわらず、電線共同溝の建設又は改築が道路(道路の附属物を除く。以下この項において同じ。)の新設又は改築に伴うものであり、かつ、次の各号のいずれかに該当する場合においては、前二項の規定による負担又は補助は、当該各号に定める負担又は補助とする。
①
当該道路が国道である場合 当該国道の新設又は改築に要する費用を負担する者によるその負担の割合(道の区域内の指定区間内の一般国道に係る国の負担割合については、第1項ただし書の政令で定める割合を下回るときは、当該政令で定める割合)に応じた負担
第26条
【行政処分】
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参照条文
第27条
【不服申立て】
1
都道府県又は市町村である道路管理者がこの法律に基づいてした処分に不服がある者は、都道府県又は指定市若しくは特定の市町村(道路法第17条第2項又は第3項の規定により管理を行う市又は町村をいう。以下この項において同じ。)である道路管理者がした処分については国土交通大臣に対して、市町村(指定市及び特定の市町村を除く。)である道路管理者がした処分については都道府県知事に対して審査請求をすることができる。この場合には、当該都道府県又は市町村に対して異議申立てをすることもできる。
附則
第2条
(国の無利子貸付け等)
1
国は、当分の間、地方公共団体に対し、第二十二条第二項又は第三項第二号の規定により国がその費用について補助することができる電線共同溝の建設又は改築で日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法(以下「社会資本整備特別措置法」という。)第二条第一項第二号に該当するものに要する費用に充てる資金について、予算の範囲内において、第二十二条第二項又は第三項第二号の規定(これらの規定による国の補助の割合について、これらの規定と異なる定めをした法令の規定がある場合には、当該異なる定めをした法令の規定を含む。以下同じ。)により国が補助することができる金額に相当する金額を無利子で貸し付けることができる。
2
国は、当分の間、地方公共団体に対し、第二十二条第三項第一号の規定により国がその費用について負担する地方公共団体が行う電線共同溝の建設又は改築で社会資本整備特別措置法第二条第一項第二号に該当するものに要する費用に充てる資金について、予算の範囲内において、第二十二条第三項第一号の規定(この規定による国の負担の割合について、この規定と異なる定めをした法令の規定がある場合には、当該異なる定めをした法令の規定を含む。以下同じ。)により国が負担する金額に相当する金額を無利子で貸し付けることができる。
5
国は、第一項の規定により地方公共団体に対し貸付けを行った場合には、当該貸付けの対象である電線共同溝の建設又は改築について、第二十二条第二項又は第三項第二号の規定による当該貸付金に相当する金額の補助を行うものとし、当該補助については、当該貸付金の償還時において、当該貸付金の償還金に相当する金額を交付することにより行うものとする。