沖縄県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法
平成19年6月8日 改正
第2条
【定義】
1
この法律において「位置境界不明地域」とは、沖縄県の区域内において、太平洋戦争による破壊又はアメリカ合衆国の軍隊の行為によつて、土地の形質が変更され、又は土地登記簿及び地図が滅失したことにより、各筆の土地の位置境界が明らかでないこととなつた土地が広範に存在する地域として、政令で定めるところにより、内閣総理大臣又は防衛大臣が指定したものをいう。
3
前項に規定する駐留軍用地等とは、位置境界不明地域内の土地のうち、琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の効力発生の際沖縄県の区域内においてアメリカ合衆国の軍隊の用に供されていた土地で、引き続き、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の規定に従い駐留軍(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊をいう。以下同じ。)の用に供され、又は自衛隊の部隊の用に供されたもの及びこれらの土地が存する市町村の区域内の町又は字(大字を除く。)の区域(以下「字等の区域」という。)内の土地で、これらの土地以外のものをいう。
第4条
【実施機関の長の協議】
内閣総理大臣及び防衛大臣は、位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化の方法及び時期その他前条第1項の計画の作成及び達成のために必要な事項について協議しなければならない。
第5条
【地図の作成】
1
実施機関の長は、位置境界不明地域に係る市町村の境界及び当該市町村の区域内の町又は字の区域並びに位置境界不明地域に係る道路、河川、用排水路、墳墓、立木竹、石垣、井戸その他の位置境界不明地域について字等の区域内の各筆の土地の位置境界を明らかにするため参考となる物が現に存在し、又は存在した場所を記載した地図を速やかに作成しなければならない。
2
実施機関の長は、前項の地図の作成に当たつては、関係人から土地について事情を聴取するとともに、土地の調査その他の方法により、各筆の土地の位置境界を明らかにするための物その他の資料の発見に努めなければならない。
第7条
【地図等の閲覧】
実施機関の長は、第5条第1項の地図を作成したときは、直ちに、内閣府令・防衛省令で定めるところにより、当該地図並びにこれに関する写真及び書面を一般の閲覧に供するとともに、その旨を公告しなければならない。
第8条
【関係所有者の代表者の選出】
1
位置境界不明地域内の土地の所有者は、前条の公告があつたときは、当該公告のあつた位置境界不明地域に係る字等の区域(政令で定めるところによりこれを区分したときは、その区分した区域)ごとに、当該区域内の各筆の土地の所有者(以下「関係所有者」という。)の過半数の合意により関係所有者のうちから代表者を定めなければならない。
第12条
【位置境界の確認等】
2
実施機関の長は、前項の規定による通知を受けたときは、その通知に係る土地の所有者に対し、その通知に係る土地の位置境界を現地に即して確認するため立ち会うべき場所及び期日その他必要な事項を通知しなければならない。
第13条
【実施機関の長の勧告】
3
実施機関の長は、前項の規定により勧告をしようとするときは、あらかじめ、駐留軍用地等以外の土地にあつては沖縄総合事務局に置かれる政令で定める審議会、駐留軍用地等にあつては沖縄県の区域を管轄する地方防衛局に置かれる政令で定める審議会の意見を聴かなければならない。
第15条
【他人の土地への立入り】
2
実施機関の長は、前項の規定によりその所属の職員又はその指定する者を宅地又はかき、さく等で囲まれた土地に立ち入らせようとするときは、あらかじめ、当該土地の占有者に通知しなければならない。ただし、占有者に対して、あらかじめ通知することが困難であるときは、この限りでない。
第20条
【土地又は建物等の買取りのための資金の融通等】
第21条
【土地の交換等のあつせん】
第22条
【財政措置等】
1
国は、第3条第1項の規定により内閣総理大臣が定めた計画に係る位置境界不明地域内における政令で定める公共施設の整備について、政令で定めるところにより、関係地方公共団体に対し、必要な財政措置を講ずるものとする。
第23条
【返還地の原状回復】
1
沖縄県の区域を管轄する地方防衛局の長は、第3条第1項の規定により防衛大臣が定めた計画に係る位置境界不明地域内の土地(その所有者との合意により駐留軍又は自衛隊の用に供されていた土地に限る。)が駐留軍又は自衛隊から返還された場合において、当該土地を原状に回復することが著しく困難であるとき、又は当該土地を原状に回復しないでもこれを有効かつ合理的に使用することができると認められるときは、その所有者の同意を得て、その土地を原状に回復しないで、その所有者に返還することができる。
第24条
【駐留軍等が使用している土地の買入れ】
国は、政令で定めるところにより、第3条第1項の規定により防衛大臣が定めた計画に係る位置境界不明地域内の土地で駐留軍又は自衛隊の用に供されているものの所有者が、当該土地の買入れを申し出るときは、予算の範囲内において、当該土地を買い入れることができる。
附則
2
この法律の施行前に沖縄県の区域を管轄する防衛施設局の長、沖縄県知事又は位置境界不明地域内の土地の所有者がした行為で、第五条、第九条、第十条又は第十二条第一項から第三項までの規定による行為に相当するものは、それぞれ、これらの規定によりされたものとみなす。この場合において、この法律の施行前に第十二条第一項の規定による通知に相当する通知があつたときは、第七条又は第九条の規定による公告は、することを要しない。
3
この法律の施行の際沖縄県の区域内の土地で、現地調査書(現地における調査の結果を記載した書面で、その内容について字等の区域内の土地の所有者の全員が同意したものをいう。以下同じ。)によりその位置境界が明らかとなつているものについては、第十四条から第十八条までの規定を準用する。ただし、当該現地調査書に記載された現地調査の結果に基づき土地の表示に関する登記がされた土地については、この限りでない。
4
防衛庁設置法の一部を次のように改正する。第四十五条中第八号を第九号とし、第七号を第八号とし、第六号の次に次の一号を加える。七 沖縄県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法による駐留軍用地等に係る各筆の土地の位置境界の明確化等に関すること。第五十五条中第八項を第九項とし、第三項から第七項までを一項ずつ繰り下げ、第二項の次に次の一項を加える。3 那覇防衛施設局に置かれる防衛施設地方審議会は、沖縄県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法第十三条第三項の規定による防衛施設庁長官の諮問に応じ、意見を述べることができる。
5
沖縄開発庁設置法の一部を次のように改正する。第四条中第八号を第九号とし、第七号を第八号とし、第六号を第七号とし、第五号の次に次の一号を加える。六 沖縄県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法による駐留軍用地等以外の土地に係る各筆の土地の位置境界の明確化等に関すること。第五条第二項中「同条第五号」の下に「及び第六号」を加え、「同条第六号及び第七号」を「同条第七号及び第八号」に改め、同条第三項中「及び同条第五号」を「、同条第五号」に改め、「限る。)」の下に「及び前条第六号に掲げる事務(沖縄県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法第二十二条の規定に係るものに限る。)」を加える。第九条第一項第一号中「及び第八号」を「、第六号及び第九号」に改める。第十二条を第十三条とし、第十一条の次に次の一条を加える。(沖縄位置境界明確化審議会)第十二条 総合事務局に、附属機関として、沖縄位置境界明確化審議会(以下「審議会」という。)を置く。2 審議会は、沖縄県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法第十三条第三項の規定による沖縄開発庁長官の諮問に応じ、意見を述べることができる。3 審議会の組織、委員の任命その他の事項については、総理府令で定める。