• 法務省設置法

法務省設置法

平成21年7月15日 改正
第1章
総則
第1条
【目的】
この法律は、法務省の設置並びに任務及びこれを達成するため必要となる明確な範囲の所掌事務を定めるとともに、その所掌する行政事務を能率的に遂行するため必要な組織を定めることを目的とする。
第2章
法務省の設置並びに任務及び所掌事務
第1節
法務省の設置
第2条
【設置】
国家行政組織法第3条第2項の規定に基づいて、法務省を設置する。
法務省の長は、法務大臣とする。
第2節
法務省の任務及び所掌事務
第3条
【任務】
法務省は、基本法制の維持及び整備、法秩序の維持、国民の権利擁護、国の利害に関係のある争訟の統一的かつ適正な処理並びに出入国の公正な管理を図ることを任務とする。
第4条
【所掌事務】
法務省は、前条の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。
民事法制に関する企画及び立案に関すること。
刑事法制に関する企画及び立案に関すること。
司法制度に関する企画及び立案に関すること。
司法試験に関すること。
内外の法令及び法務に関する資料の整備及び編さんを行うこと。
法務に関する調査及び研究に関すること。
検察に関すること。
司法警察職員の教養訓練に関すること。
犯罪人の引渡し、国際捜査共助その他の刑事に関する国際間の共助に関すること。
犯罪の予防に関すること。
第2号及び第7号から前号までに掲げるもののほか、刑事に関すること。
刑及び勾留、少年院に送致する保護処分及び少年鑑別所に送致する観護の措置、補導処分並びに監置の裁判の執行に関すること。
⑫の2
国際受刑者移送に関すること。
⑫の3
前二号に掲げるもののほか、矯正に関すること。
恩赦に関すること。
仮釈放、仮出場、仮退院、不定期刑の終了及び退院に関すること。
保護観察、更生緊急保護及び刑事施設、少年院又は婦人補導院に収容中の者の生活環境の調整に関すること。
保護司に関すること。
更生保護事業の助長及び監督に関すること。
第10号第12号の2及び第14号から前号までに掲げるもののほか、更生保護に関すること。
⑱の2
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律の規定による精神保健観察その他の同法の対象者に対する地域社会における処遇並びに生活環境の調査及び調整に関すること(厚生労働省の所掌に属するものを除く。)。
破壊活動防止法の規定による破壊的団体の規制に関すること。
無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の規定による無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関すること。
21号
国籍、戸籍、登記、供託及び公証に関すること。
22号
司法書士及び土地家屋調査士に関すること。
23号
第1号及び前二号に掲げるもののほか、民事に関すること。
24号
外国法事務弁護士に関すること。
25号
債権管理回収業の監督に関すること。
25号の2
裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律の規定による民間紛争解決手続の業務の認証に関すること。
26号
人権侵犯事件に係る調査並びに被害の救済及び予防に関すること。
27号
人権啓発及び民間における人権擁護運動の助長に関すること。
28号
人権擁護委員に関すること。
29号
人権相談に関すること。
30号
総合法律支援に関すること。
31号
国の利害に関係のある争訟に関すること。
32号
日本人の出国及び帰国並びに外国人の入国及び出国の管理に関すること。
33号
本邦における外国人の在留に関すること。
34号
難民の認定に関すること。
35号
国際連合と日本国との間に締結される、犯罪の防止及び犯罪者の処遇並びに少年非行の防止及び非行少年の処遇の分野に関し、研修、研究及び調査を行うことを目的とする研修所を日本国に設置することに関する条約に基づき、国際連合に協力して行う研修、研究及び調査に関すること。
36号
所掌事務に係る国際協力に関すること。
37号
政令で定める文教研修施設において所掌事務に関する研修を行うこと。
38号
法科大学院への裁判官及び検察官その他の一般職の国家公務員の派遣に関する法律の規定による検察官の派遣に伴う法科大学院の教育に対する法曹としての実務に係る協力に関すること。
39号
前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき法務省に属させられた事務
第3章
本省に置かれる機関
第1節
審議会等
第5条
【設置】
別に法律で定めるところにより法務省に置かれる審議会等で本省に置かれるものは、次のとおりとする。司法試験委員会検察官適格審査会中央更生保護審査会日本司法支援センター評価委員会
第5条の2
【司法試験委員会】
司法試験委員会については、司法試験法(これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。
第6条
【検察官適格審査会】
検察官適格審査会については、検察庁法(これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。
第7条
【中央更生保護審査会】
中央更生保護審査会については、更生保護法(これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。
第7条の2
【日本司法支援センター評価委員会】
日本司法支援センター評価委員会については、総合法律支援法(これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。
第2節
施設等機関
第8条
【設置】
本省に、次の施設等機関を置く。刑務所、少年刑務所及び拘置所少年院少年鑑別所婦人補導院入国者収容所
前項の刑務所、少年刑務所及び拘置所は、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の規定による刑事施設として置かれるものとする。
第9条
【刑務所、少年刑務所及び拘置所】
刑務所、少年刑務所及び拘置所は、次に掲げる事務をつかさどる。
懲役、禁錮又は拘留の刑の執行のため拘置される者、刑事訴訟法の規定により勾留される者及び死刑の言渡しを受けて拘置される者を収容し、これらの者に対し必要な処遇を行うこと。
前号に規定する者のほか、法令の規定により刑事施設その他これに附置する施設に収容すべきこととされる者及び収容することができることとされる者を収容すること。
法務大臣は、刑務所、少年刑務所又は拘置所の所掌事務を分掌させるため、所要の地に、刑務所、少年刑務所又は拘置所の支所を設けることができる。
刑務所、少年刑務所及び拘置所並びにそれらの支所の名称、位置及び内部組織は、法務省令で定める。
第10条
【少年院】
少年院は、次に掲げる事務をつかさどる。
家庭裁判所から保護処分として送致された者及び少年法第56条第3項の規定により少年院において刑の執行を受ける者を収容し、これに矯正教育を授けること。
前号に規定する者のほか、法令の規定により少年院に収容することができることとされる者を収容すること。
法務大臣は、少年院の所掌事務を分掌させるため、所要の地に、少年院の分院を設けることができる。
少年院及びその分院の名称、位置及び内部組織は、法務省令で定める。
第11条
【少年鑑別所】
少年鑑別所は、次に掲げる事務をつかさどる。
少年法第17条第1項第2号の規定により送致された者を収容するとともに、家庭裁判所の行う少年に対する調査及び審判並びに保護処分及び懲役又は禁錮の言渡しを受けた十六歳未満の少年に対する刑の執行に資するため、少年の資質の鑑別を行うこと。
家庭裁判所、刑事施設の長、少年院の長、地方更生保護委員会及び保護観察所の長以外の者からの求めによる少年の資質の鑑別を行うこと。
第1号に規定する者のほか、法令の規定により少年鑑別所に収容すべきこととされる者及び収容することができることとされる者を収容すること。
法務大臣は、少年鑑別所の所掌事務を分掌させるため、所要の地に、少年鑑別所の分所を設けることができる。
少年鑑別所及びその分所の名称、位置及び内部組織は、法務省令で定める。
第12条
【婦人補導院】
婦人補導院は、次に掲げる事務をつかさどる。
売春防止法第17条の規定により補導処分に付された者を収容し、その更生のために必要な補導を行うこと。
前号に規定する者のほか、法令の規定により婦人補導院に収容することができることとされる者を収容すること。
法務大臣は、婦人補導院の所掌事務を分掌させるため、所要の地に、婦人補導院の分院を設けることができる。
婦人補導院及びその分院の名称、位置及び内部組織は、法務省令で定める。
第13条
【入国者収容所】
入国者収容所は、本邦からの退去を強制される者を収容し、及び送還する事務をつかさどる。
入国者収容所の名称、位置及び内部組織は、法務省令で定める。
第3節
特別の機関
第14条
【検察庁】
別に法律で定めるところにより法務省に置かれる特別の機関で本省に置かれるものは、検察庁とする。
検察庁については、検察庁法(これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。
第4節
地方支分部局
第15条
【設置】
本省に、次の地方支分部局を置く。矯正管区地方更生保護委員会法務局及び地方法務局地方入国管理局保護観察所
第16条
【矯正管区】
矯正管区は、法務省の所掌事務のうち、刑務所、少年刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所及び婦人補導院の運営の管理に関する事務を分掌する。
矯正管区の名称、位置、管轄区域及び内部組織は、政令で定める。
第17条
【地方更生保護委員会】
地方更生保護委員会は、更生保護法第16条各号に掲げる事務をつかさどる。
地方更生保護委員会の名称、位置及び管轄区域は、政令で定める。
前項に定めるもののほか、地方更生保護委員会については、更生保護法(これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。
第18条
【法務局及び地方法務局】
法務局及び地方法務局は、法務省の所掌事務のうち、第4条第21号から第23号まで及び第26号から第31号までに掲げる事務並びに法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき法務省に属させられた事務を分掌する。
法務局の名称、位置、管轄区域及び内部組織は、政令で定める。
地方法務局の名称、位置及び管轄区域は、政令で定める。
地方法務局の内部組織は、法務省令で定める。
法務大臣は、政令で定めるところにより、法務局の長に、地方法務局の事務を指揮監督させることができる。
第19条
【法務局又は地方法務局の支局】
法務大臣は、法務局又は地方法務局の所掌事務の一部を分掌させるため、所要の地に、法務局又は地方法務局の支局を置くことができる。
法務局又は地方法務局の支局の名称、位置、管轄区域、所掌事務及び内部組織は、法務省令で定める。
第20条
【法務局若しくは地方法務局又はその支局の出張所】
法務大臣は、法務局若しくは地方法務局又はその支局の所掌事務の一部を分掌させるため、所要の地に、法務局若しくは地方法務局又はその支局の出張所を置くことができる。
法務局若しくは地方法務局又はその支局の出張所の名称、位置、管轄区域、所掌事務及び内部組織は、法務省令で定める。
第21条
【地方入国管理局】
地方入国管理局は、法務省の所掌事務のうち、第4条第32号から第34号までに掲げる事務を分掌する。
地方入国管理局の名称、位置及び管轄区域は、政令で定める。
地方入国管理局に、政令で定めるところにより、次長を置くことができる。
前項に定めるもののほか、地方入国管理局の内部組織は、法務省令で定める。
第22条
【地方入国管理局の支局】
法務大臣は、地方入国管理局の所掌事務を分掌させるため、所要の地に、地方入国管理局の支局を置くことができる。
地方入国管理局の支局の名称、位置及び管轄区域は、政令で定める。
地方入国管理局の支局の内部組織は、法務省令で定める。
第23条
【地方入国管理局又はその支局の出張所】
法務大臣は、地方入国管理局又はその支局の所掌事務を分掌させるため、所要の地に、地方入国管理局又はその支局の出張所を置くことができる。
地方入国管理局又はその支局の出張所の名称、位置、管轄区域及び内部組織は、法務省令で定める。
第24条
【保護観察所】
保護観察所の名称、位置及び管轄区域は、政令で定める。
保護観察所の内部組織は、法務省令で定める。
第25条
【保護観察所の支部】
法務大臣は、保護観察所の所掌事務を分掌させるため、所要の地に、保護観察所の支部を置くことができる。
保護観察所の支部の名称、位置、管轄区域及び内部組織は、法務省令で定める。
第4章
外局
第1節
設置
第26条
国家行政組織法第3条第2項の規定に基づいて法務省に置かれる外局は、次のとおりとする。公安審査委員会公安調査庁
第2節
削除
第27条
削除
第3節
公安審査委員会
第28条
公安審査委員会については、公安審査委員会設置法(これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。
第4節
公安調査庁
第29条
公安調査庁については、公安調査庁設置法(これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。
附則
この法律は、内閣法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。
平成十四年三月二十四日までの間、人権擁護施策推進法(これに基づく命令を含む。)の定めるところにより法務省に置かれる人権擁護推進審議会は、本省に置く。
当分の間、特に必要があるときは、法務省の職員(検察庁の職員を除く。)のうち、百三十三人は、検事をもってこれに充てることができる。
附則
平成11年12月7日
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
附則
平成12年12月6日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十三年四月一日から施行する。
附則
平成14年6月12日
第1条
(施行期日)
この法律は、条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。
附則
平成14年12月6日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十六年一月一日から施行する。
附則
平成15年5月9日
(施行期日)
この法律は、平成十六年四月一日から施行する。
附則
平成15年7月16日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成16年6月2日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成16年12月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成17年5月25日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第41条
(検討)
政府は、施行日から五年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成18年6月8日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成19年6月15日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成21年7月15日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第60条
(検討)
法務大臣は、現に本邦に在留する外国人であって入管法又は特例法の規定により本邦に在留することができる者以外のもののうち入管法第五十四条第二項の規定により仮放免をされ当該仮放免の日から一定期間を経過したものについて、この法律の円滑な施行を図るとともに、施行日以後においてもなおその者が行政上の便益を受けられることとなるようにするとの観点から、施行日までに、その居住地、身分関係等を市町村に迅速に通知すること等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
法務大臣は、この法律の円滑な施行を図るため、現に本邦に在留する外国人であって入管法又は特例法の規定により本邦に在留することができる者以外のものについて、入管法第五十条第一項の許可の運用の透明性を更に向上させる等その出頭を促進するための措置その他の不法滞在者の縮減に向けた措置を講ずることを検討するものとする。
法務大臣は、永住者の在留資格をもって在留する外国人のうち特に我が国への定着性の高い者について、歴史的背景を踏まえつつ、その者の本邦における生活の安定に資するとの観点から、その在留管理の在り方を検討するものとする。
第61条
政府は、この法律の施行後三年を目途として、新入管法及び新特例法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、これらの法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

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