都市開発資金の貸付けに関する法律
平成23年5月2日 改正
第1条
【都市開発資金の貸付け】
1
国は、地方公共団体に対し、次に掲げる土地の買取りに必要な資金を貸し付けることができる。
①
人口の集中の著しい政令で定める大都市(その周辺の地域を含む。)又は地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律第4条第1項の規定により指定された地方拠点都市地域の中心となる都市で政令で定めるもの(その周辺の地域を含む。)の秩序ある発展を図るために整備されるべき主要な道路、公園、緑地、広場その他の政令で定める公共施設で、都市計画において定められたものの区域内の土地
②
次に掲げる土地(イからニまでに掲げる土地にあつては都市計画法第12条の4第1項第2号に規定する防災街区整備地区計画の区域で政令で定めるもの及び同法第8条第1項第3号に規定する高度利用地区の区域その他の政令で定める区域の内にあるものに限る。)で、都市の機能を維持し、及び増進するため計画的に整備改善を図る必要がある重要な市街地の区域内にあり、その計画的な整備改善を促進するために有効に利用できるものイ首都圏整備法第2条第3項に規定する既成市街地及びこれに接続して既に市街地を形成している区域内の土地ロ近畿圏整備法第2条第3項に規定する既成都市区域及びこれに接続して既に市街地を形成している区域内の土地ハ 人口の集中の特に著しい政令で定める大都市の既に市街地を形成している区域内の土地ニ 前号の地方拠点都市地域の中心となる都市で政令で定めるものの既に市街地を形成している区域内の土地ホ 現に地域社会の中心となつている都市(その中心市街地の活性化に関する法律第2条の中心市街地について同法第9条第1項に規定する基本計画が同条第7項の認定を受けたものに限る。)で政令で定めるものの既に市街地を形成している区域内の土地(同法第16条第1項に規定する認定中心市街地の区域で政令で定めるものの区域内にあるものに限る。)ヘ 大規模な災害を受けた都市で政令で定めるものの既に市街地を形成している区域内の土地(被災市街地復興特別措置法第5条第1項の規定により都市計画に定められた被災市街地復興推進地域内にあるものに限る。)
2
国は、地方公共団体が次に掲げる資金の貸付けを行うときは、当該地方公共団体に対し、当該貸付けに必要な資金を貸し付けることができる。
①
密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第300条第1項の規定により指定された防災街区整備推進機構で政令で定めるものに対する同法第301条第3号に規定する土地で政令で定めるもののうち前項第2号に掲げる土地に該当するものの買取りに要する費用に充てる資金の貸付け
②
中心市街地の活性化に関する法律第51条第1項の規定により指定された中心市街地整備推進機構で政令で定めるものに対する同法第52条第3号に規定する土地のうち前項第2号に掲げる土地に該当するものの買取りに要する費用に充てる資金の貸付け
3
国は、市街地再開発事業(都市再開発法による市街地再開発事業をいう。以下同じ。)による土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新に資するため、地方公共団体が次に掲げる貸付けを行う場合において、特に必要があると認めるときは、当該地方公共団体に対し、当該貸付けに必要な資金の二分の一以内を貸し付けることができる。
①
市街地再開発事業を施行する個人施行者(都市再開発法第7条の15第2項に規定する個人施行者をいう。)で政令で定めるもの、市街地再開発組合又は再開発会社(同法第50条の2第3項に規定する再開発会社をいう。次号において同じ。)に対する当該市街地再開発事業に要する費用で政令で定める範囲内のものに充てるための無利子の資金の貸付け
②
市街地再開発事業の施行者(都市再開発法第2条第2号に規定する施行者をいう。以下この号及び次条第4項において同じ。)が、施設建築物又は施設建築敷地(同法第2条第6号又は第7号に規定する施設建築物又は施設建築敷地をいう。以下この号において同じ。)に関する権利(施行地区(同条第3号に規定する施行地区をいう。以下この号において同じ。)内に宅地(同条第5号に規定する宅地をいう。以下この号において同じ。)、借地権(同条第11号に規定する借地権をいう。以下この号において同じ。)又は権原に基づき建築物を有する者(施行者を除く。)が当該権利に対応して与えられることとなるものを除く。以下この号及び次条第4項において「施設に関する権利」という。)の全部又は一部を、国土交通省令で定めるところにより公募して譲渡しようとしたにもかかわらず譲渡することができなかつた場合において、次のいずれかに該当する者が出資している法人で政令で定めるものに取得させるときの当該法人に対する当該施設に関する権利の全部又は一部の取得に必要な費用で政令で定める範囲内のものに充てるための無利子の資金の貸付け
4
国は、土地区画整理事業(土地区画整理法による土地区画整理事業をいう。以下同じ。)に関し地方公共団体が次に掲げる貸付けを行う場合において、特に必要があると認めるときは、当該地方公共団体に対し、当該貸付けに必要な資金の二分の一以内を貸し付けることができる。
①
公共施設(土地区画整理法第2条第5項に規定する公共施設をいう。以下この条において同じ。)のうち都市計画において定められた街路その他の重要な公共施設の新設又は改良に関する事業を含む土地区画整理事業で、施行地区(同法第2条第4項に規定する施行地区をいう。以下この条において同じ。)の面積、公共施設の種類及び規模等が政令で定める基準に適合するものを施行する個人施行者(同法第9条第5項に規定する個人施行者をいう。以下この項において同じ。)、土地区画整理組合又は区画整理会社(同法第51条の9第5項に規定する区画整理会社をいう。以下この項において同じ。)に対する当該土地区画整理事業に要する費用で政令で定める範囲内のものに充てるための無利子の資金の貸付け
②
土地の合理的かつ健全な高度利用に資する次に掲げる土地区画整理事業で、施行地区の面積、公共施設の種類及び規模等が政令で定める基準に適合するものを施行する個人施行者、土地区画整理組合又は区画整理会社に対する当該土地区画整理事業に要する費用で政令で定める範囲内のものに充てるための無利子の資金の貸付け
③
施行地区の全部又は一部が景観計画区域(景観法第8条第2項第1号に規定する景観計画区域をいう。以下この号において同じ。)に含まれる土地区画整理事業で、施行地区の面積(施行地区の一部が景観計画区域に含まれるものにあつては、施行地区の面積及び施行地区内の景観計画区域の面積。以下この条において同じ。)、公共施設の種類及び規模等が政令で定める基準に適合するものを施行する個人施行者、土地区画整理組合又は区画整理会社に対する当該土地区画整理事業に要する費用で政令で定める範囲内のものに充てるための無利子の資金の貸付け
④
土地区画整理事業(前三号に規定する土地区画整理事業で、施行地区の面積、公共施設の種類及び規模等がそれぞれ当該各号の政令で定める基準に適合するものに限る。)の施行者(土地区画整理法第2条第3項に規定する施行者をいう。以下この条及び次条第5項において同じ。)が、保留地(同法第96条第1項又は第2項の規定により換地として定めない土地をいう。以下この号及び次条第5項において同じ。)の全部又は一部を、国土交通省令で定めるところにより公募して譲渡しようとしたにもかかわらず譲渡することができなかつた場合において、次のいずれかに該当する者が出資している法人で政令で定めるものに取得させるときの当該法人に対する当該保留地の全部又は一部の取得に必要な費用で政令で定める範囲内のものに充てるための無利子の資金の貸付け
ハ
区画整理会社の株主(当該区画整理会社の施行する土地区画整理事業の施行地区内の宅地(土地区画整理法第2条第6項に規定する宅地をいい、保留地を除く。)について所有権又は借地権(同条第7項に規定する借地権をいう。)を有する者に限る。)
5
国は、地方公共団体に対し、土地区画整理組合が国土交通省令で定める土地区画整理事業の施行の推進を図るための措置を講じたにもかかわらず、その施行する土地区画整理事業を遂行することができないと認められるに至つた場合において、当該地方公共団体が、その施行地区となつている区域について新たに施行者となり、土地区画整理法第128条第2項の規定により当該土地区画整理組合から引き継いで施行することとなつた土地区画整理事業(前項第1号から第3号までに規定する土地区画整理事業で、施行地区の面積、公共施設の種類及び規模等がそれぞれ当該各号の政令で定める基準に適合するものに限る。)に要する費用で政令で定める範囲内のものに充てる資金を貸し付けることができる。
6
国は、地方公共団体が、都市再生特別措置法第73条第1項の規定により指定された都市再生整備推進法人又はまちづくりの推進を図る活動を行うことを目的とする法人(いずれも政令で定める要件に該当するものに限る。)に対する同法第74条第3号に規定する事業に要する費用で政令で定める範囲内のものに充てるための無利子の資金の貸付けを行うときは、当該地方公共団体に対し、当該貸付けに必要な資金の二分の一以内を貸し付けることができる。
7
国は、独立行政法人都市再生機構に対し、独立行政法人都市再生機構法第11条第1項第1号から第5号まで、第7号、第9号及び第10号に掲げる業務(委託に基づき行うものを除く。)に要する資金の一部を貸し付けることができる。
9
国は、民間都市開発の推進に関する特別措置法(以下「民間都市開発法」という。)第3条第1項の規定により指定された民間都市開発推進機構(以下「民間都市機構」という。)に対し、同法第4条第1項第1号及び第2号に掲げる業務に要する資金の一部を貸し付けることができる。
第2条
【利率、償還方法等】
1
前条第1項、第2項又は第8項の規定による貸付金に係るものの利率は、当該貸付金を支弁するための社会資本整備事業特別会計の業務勘定(以下「業務勘定」という。)における借入金(当該貸付金の償還期間、据置期間若しくは償還方法(以下この項において「償還期間等」という。)が当該借入金の償還期間等と異なり、又は当該貸付金を支弁するため業務勘定において借入金をしない場合にあつては、当該貸付金を支弁するために業務勘定において当該貸付金と同一の償還期間等による借入れ(国土交通大臣が財務大臣と協議して定めるものに限る。)をしたとした場合における当該借入金)の利率を超えず、かつ、同条第1項第2号の土地(同号イからニまでに掲げる土地で防災街区整備地区計画の区域内のもの、同号ニに掲げる土地の区域内の土地で政令で定めるもの並びに同号ホ及びヘに掲げる土地に限る。)に係る貸付金又は同条第2項若しくは第8項の規定による貸付金にあつては、特にこれらの貸付金に係る土地の買取りが促進されるよう配慮し、国土交通大臣が財務大臣と協議して定める。
4
前条第3項の国又は地方公共団体の貸付金の償還期間、据置期間及び償還方法は、次の表の区分の欄各項に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の償還期間の欄、据置期間の欄及び償還方法の欄各項に掲げるとおりとする。
項 | 区分 | 償還期間 | 据置期間 | 償還方法 |
一 | 前条第3項第1号の貸付金(二の項に掲げるものを除く。) | 八年(都市再開発法第11条第2項の規定により設立された市街地再開発組合で同条第3項の規定による事業計画の認可を受けていないものにあつては、十二年)以内 | — | 一括償還 |
二 | 前条第3項第1号の貸付金のうち施行者が施設に関する権利の全部又は一部を、国土交通省令で定めるところにより公募して譲渡しようとしたにもかかわらず譲渡することができなかつた場合における当該施設に関する権利の管理処分に要する費用に充てるための貸付金 | 二十五年以内(据置期間を含む。) | 十年以内 | 均等半年賦償還 |
三 | 前条第3項第2号の貸付金 | 二十五年以内(据置期間を含む。) | 十年以内 | 均等半年賦償還 |
5
前条第4項の国又は地方公共団体の貸付金の償還期間、据置期間、償還方法及び償還期限は、次の表の区分の欄各項に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の償還期間の欄、据置期間の欄、償還方法の欄及び償還期限の欄各項に掲げるとおりとする。
項 | 区分 | 償還期間 | 据置期間 | 償還方法 | 償還期限 |
一 | 前条第4項第1号から第3号までの貸付金(二の項及び三の項に掲げるものを除く。) | 八年以内(据置期間を含む。) | 六年以内 | 均等半年賦償還 | 土地区画整理法第9条第3項、第21条第3項又は第51条の9第3項の規定による公告があつた日(土地区画整理組合が国土交通省令で定める土地区画整理事業の施行の推進を図るための措置を講じたにもかかわらず、工事その他国土交通省令で定める主要な部分が相当期間にわたり実施されていない土地区画整理事業で、当該主要な部分を実施するために事業計画を変更したものを施行する場合における当該土地区画整理組合に対する貸付金(二の項において「特定貸付金」という。)にあつては、当該事業計画の変更に係る同法第39条第4項の規定による公告があつた日(二の項において「変更公告の日」という。))の翌日から起算して十年以内 |
二 | 前条第4項第1号から第3号までの貸付金のうち土地区画整理法第14条第2項の規定により設立された土地区画整理組合で同条第3項の規定による事業計画の認可を受けていないものに対するもの(三の項に掲げるものを除く。) | 十年以内(据置期間を含む。) | 八年以内 | 均等半年賦償還 | 土地区画整理法第21条第4項の規定による公告があつた日の翌日から起算して十二年(特定貸付金にあつては、変更公告の日の翌日から起算して十年)以内 |
三 | 前条第4項第1号から第3号までの貸付金のうち施行者が保留地の全部又は一部を、国土交通省令で定めるところにより公募して譲渡しようとしたにもかかわらず譲渡することができなかつた場合における当該保留地の管理処分に要する費用に充てるための貸付金 | 二十五年以内(据置期間を含む。) | 十年以内 | 均等半年賦償還 | |
四 | 前条第4項第4号の貸付金 | 二十五年以内(据置期間を含む。) | 十年以内 | 均等半年賦償還 |
6
前条第5項の規定による貸付金の償還期間は、八年(六年以内の据置期間を含む。)以内とし、その償還は、均等半年賦償還の方法によるものとする。ただし、償還期限は、土地区画整理法第55条第9項の規定による公告があつた日の翌日から起算して十年以内とする。
11
国は、前条第9項の規定による貸付金で民間都市開発法第4条第1項第1号に掲げる業務に要する資金に係るものについて民間都市機構が当該貸付金を充てて負担した費用の償還方法を勘案し特に必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、その償還を、一括償還の方法によるものとすることができる。この場合においては、その償還期間は、十年以内とする。
附則
3
国は、当分の間、独立行政法人都市再生機構又は地方住宅供給公社に対し、土地区画整理事業として行われる政令で定める公園、下水道その他の公共施設の整備に関する事業のうち、日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法第二条第一項第一号に該当するものに要する費用に充てる資金の一部を無利子で貸し付けることができる。
附則
平成14年7月12日
第6条
(都市開発資金の貸付けに関する法律の一部改正に伴う経過措置)
1
この法律の施行の際現に前条の規定による改正前の都市開発資金の貸付けに関する法律(次項において「旧都市開発資金法」という。)第一条第一項第一号の規定によりされている資金の貸付けについては、なお従前の例による。
2
前条の規定による改正後の都市開発資金の貸付けに関する法律の規定にかかわらず、国は、この法律の施行の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日までの間は、旧都市開発資金法第一条第一項第一号の規定による資金の貸付けをすることができる。この場合においては、同号イ中「首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律」とあるのは「首都圏整備法及び近畿圏整備法の一部を改正する等の法律による廃止前の首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律」と、同号ロ中「近畿圏の既成都市区域における工場等の制限に関する法律」とあるのは「首都圏整備法及び近畿圏整備法の一部を改正する等の法律による廃止前の近畿圏の既成都市区域における工場等の制限に関する法律」として、旧都市開発資金法及び都市開発資金融通特別会計法の規定を適用する。
附則
平成15年6月20日
第44条
(都市開発資金の貸付けに関する法律の一部改正に伴う経過措置)