第1条
この法律は、戦時補償の特別処理等に伴ひ金融機関に生ずべき損失を適正に処理し、国民生活の安定を確保し、金融機関の速かな再建整備を促進し、以て戦後経済の安定及びその健全なる発達を図ることを目的とする。
第2条
1
この法律において、金融機関、指定時又は預金等とは、
金融機関経理応急措置法に定める金融機関、指定時又は預金等をいふ。
第4条
1
金融機関の指定時における旧勘定の負債に関する債権者(その承継人を含む。以下同じ。)で勅令で定めるものは、命令の定めるところにより、主務大臣の指定する日までに、その債権を当該金融機関に申し出なければならない。
2
前項の債権者が、
同項の期限内に、その債権を申し出ない場合においては、その債権者は、旧勘定の整理から除斥される。
3
第1項の期日において知れてゐる債権者は、これを旧勘定の整理から除斥することができない。
第5条
金融機関の旧勘定の負債又は指定時における新勘定の負債のうちで、その債権につき異議のあるものその他不確定なものがあるときは、
第7条の評価基準の決定されたものを除く外、その確定に至るまでは、金融機関は、命令で定める金額を、仮にその負債の確定金額として、旧勘定の整理を行はなければならない。
第6条
金融機関は、命令の定めるところにより、指定時における新勘定及び旧勘定について、各勘定別に、財産目録及び貸借対照表並びに資産及び負債の明細書を作成し、主務大臣の指定する日までに、これを主務大臣に提出しなければならない。
第7条
1
金融機関の旧勘定の資産及び負債並びに指定時における新勘定の資産及び負債のうち、命令で定めるもの以外のものについては、評価基準が設けられる。
2
前項の評価基準は、暫定評価基準及び確定評価基準の二とし、命令の定めるところにより、主務大臣が、これを決定する。
3
主務大臣は、暫定評価基準又は確定評価基準を決定したときは、これを公告する。
第8条
1
金融機関は、主務大臣の指定する時において、その時における旧勘定の資産及び負債並びに指定時における新勘定の資産及び負債について、命令の定めるところにより、暫定評価基準による評価を行はなければならない。この場合において、その資産及び負債のうち確定評価基準の決定したものがあるときは、これについては、確定評価基準による評価を行はなければならない。
2
金融機関は、
前項の評価を行つたときは、命令の定めるところにより、
同項に掲げる資産及び負債について、各勘定別に、財産目録、貸借対照表及び損益の計算書(損益の計算書は旧勘定の分に限る。)を作成し、主務大臣の指定する日までに、これを主務大臣に提出しなければならない。
第9条
金融機関は、
前条第1項の評価を行つた後、各月末における旧勘定の資産及び負債並びに指定時における新勘定の資産及び負債のうちに、その月末までに決定されてゐる確定評価基準による評価が行はれてゐないものがあるときは、その資産及び負債について、その月末において、確定評価基準による評価を行はなければならない。
第10条
1
金融機関は、指定時における新勘定の資産及び負債について、
第8条第1項又は
前条の評価を行つた結果、評価益が生じたときは、その評価益に相当する金額を新勘定の旧勘定に対する借として整理し、又、評価損が生じたときは、その評価損に相当する金額を新勘定の旧勘定に対する貸として整理する。
2
金融機関は、
前項の場合においては、新勘定の旧勘定に対する借として整理すべき金額に相当する額は、これを旧勘定の評価益として整理し、又、新勘定の旧勘定に対する貸として整理すべき金額に相当する額は、これを旧勘定の評価損として整理する。
第11条
金融機関は、旧勘定の資産及び負債について、
第8条第1項又は
第9条の評価を行つた結果、評価益が生じたときは、これを旧勘定の評価益として整理し、又、評価損が生じたときは、これを旧勘定の評価損として整理する。
第12条
1
金融機関は、
第5章に規定する場合を除く外、本章の定めるところにより、旧勘定の資産又は整理債務を移し換へることができる。
2
前項の整理債務とは、旧勘定に属する債務(責任準備金及び支払備金に関する債務を含む。)のうち、主務大臣の指定する債務(以下指定債務といふ。)以外のものをいふ。
第13条
1
金融機関は、
第8条第1項の評価が行はれる前においても、
第1号の金額が
第2号の金額を超え、且つ、その超過額の整理債務の金額に対する割合が主務大臣の指定する割合を超えるときは、命令の定めるところにより、書面を以て主務大臣の認可を受け、その超過額の範囲内において、整理債務を旧勘定から新勘定に移すことができる。
①
旧勘定の資産の総額から主務大臣の指定する旧勘定の資産の金額を差し引いた残額
②
資本(出資金、基金及び基金償却積立金を含む。以下同じ。)の金額の一割に相当する金額と、指定債務の金額と、旧勘定の新勘定に対する借があるときはその金額との合計額
2
前項の規定による主務大臣の認可があつたときは、その指定する時において、認可に係る整理債務は、新勘定に属するものとする。
3
第1項の規定により旧勘定から新勘定に移した整理債務の金額に相当する金額は、これを旧勘定の新勘定に対する借として整理する。
4
金融機関は、
第1項の規定による主務大臣の認可があつたときは、命令の定めるところにより、遅滞なくその旨を公告しなければならない。
第14条
1
金融機関は、
第8条第1項又は
第9条の評価を行つた結果、
第1号の金額が
第2号の金額を超え、且つ、その超過額の整理債務の金額に対する割合が主務大臣の指定する割合を超えるときは、命令の定めるところにより、書面を以て主務大臣の認可を受け、その超過額の範囲内において、整理債務を旧勘定から新勘定に移さなければならない。
①
旧勘定の資産(旧勘定の新勘定に対する貸があるときは、これを除く。)の評価額(確定評価基準があるものについては、確定評価基準により評価した金額を以て、その他のもののうち暫定評価基準があるものについては、暫定評価基準により評価した金額に対し主務大臣の指定する割合を乗じた金額を以て、各々評価額とする。)と、旧勘定の新勘定に対する貸があるときはその金額との合計額
第15条
1
第40条第1項又は
第41条第1項の規定により新勘定の事業の全部若しくは一部を他の金融機関に譲渡し又は新勘定の保険契約の全部若しくは一部を他の金融機関に移転した金融機関(以下旧金融機関といふ。)は、
第8条第1項又は
第9条の評価を行つた結果、
前条第1項第1号の金額が
同項第2号の金額(
第42条第2項の規定により、又は前に本条
第2項の規定により債務を負担したときは、その金額を含む。)を超える場合において、その超過額の整理債務に対する割合が主務大臣の指定する割合を超えるときは、
前条の規定にかかはらず、命令の定めるところにより、書面を以て主務大臣の認可を受け、その超過額の範囲内において、整理債務を、旧金融機関から新勘定の事業の全部若しくは一部の譲渡又は新勘定の保険契約の全部若しくは一部の移転を受けた金融機関(以下新金融機関といふ。)に移すことができる。但し、新金融機関の同意を得なければならない。
2
前項の場合においては、旧金融機関は、命令の定めるところにより、新金融機関に移した整理債務の金額に相当する金額の債務を、新金融機関に対して負担する。
第16条
1
金融機関は、旧勘定の新勘定に対する借がある場合においては、命令の定めるところにより、その借の金額の範囲内において、旧勘定の資産のうち、
第8条第1項又は
第9条の規定により確定評価基準により評価したものを、その評価額を以て旧勘定から新勘定に移し、その評価額に相当する金額を、旧勘定の新勘定に対する借の金額から控除しなければならない。
2
前項の規定により、確定評価基準により評価した資産で命令で定めるものを旧勘定から新勘定に移す場合においては、金融機関は、主務大臣の承認を受けなければならない。
第17条
2
第15条第2項又は
第42条第2項の規定により、旧金融機関が新金融機関に対し債務を負担した場合においては、旧金融機関は、
前項に規定する場合の外、
金融機関経理応急措置法第16条本文及び
前条の規定にかかはらず、命令の定めるところにより、その債務の金額の範囲内において、旧勘定の資産のうち、
第8条第1項又は
第9条の規定により確定評価基準により評価したものを、その債務の弁済に充てることができる。但し、新金融機関の同意を得なければならない。
第18条
金融機関は、左の各号の一に該当する場合においては、本章の定めるところにより、旧勘定の最終処理を行はなければならない。
①
第8条第1項の評価を行つた結果、
同項の規定により主務大臣の指定する時の現在により、左のイに掲げる金額がロに掲げる金額を超える場合において、その超過額の旧勘定の資産の総額に対する割合が主務大臣の指定する割合を超えるとき
イ
旧勘定の
第8条第1項の評価による評価益の額と、その他の益の額と、積立金(基金償却積立金を除く外、特別準備金その他名称の如何を問はず積立金であるものを含む。以下同じ。)の額との合計額
ロ
旧勘定の
第8条第1項の評価による評価損の額と、その他の損の額と、繰越損の額との合計額
②
旧勘定の資産及び負債並びに指定時における新勘定の資産及び負債のうち命令で定めるものについて、確定評価基準が決定されたとき
第19条
前条第1号に規定する場合において、旧勘定の
第8条第1項の評価による評価益の額と、その他の益の額との合計額(以下暫定益の額といふ。)が、
前条第1号のロに掲げる金額(以下暫定損の額といふ。)以上であるときは、金融機関は、命令の定めるところにより、書面を以て主務大臣の認可を受け、旧勘定の最終処理を完了しなければならない。この場合において、暫定益の額が暫定損の額を超えるときは、その超過額は、これを旧勘定の特別準備金として整理しなければならない。
第20条
1
第18条第1号に規定する場合において、暫定益の額が暫定損の額に不足するときは、金融機関は、左の各号に定める順序により、暫定損を填補しなければならない。
①
暫定損の額に対し、暫定益の額の全額を充当して填補する。
②
前号の規定の適用後における暫定損の残額に対し、旧勘定の積立金を、特別準備金(
金融機関経理応急措置法又はこの法律による特別準備金をいふ。以下同じ。)、退職積立金以外の任意積立金、退職積立金及び他の法令(
金融機関経理応急措置法を除く。)による積立金の順序により、順次に取り崩して填補する。
2
前項第2号の場合において、同順位の積立金が二以上あるときは、均等の割合でこれを取り崩して填補する。
3
前二項の規定により暫定損の全額を填補したときは、金融機関は、命令の定めるところにより、書面を以て主務大臣の認可を受け、旧勘定の最終処理を完了しなければならない。
第21条
金融機関は、
第18条第2号の規定に該当する場合においては、
同号の規定に該当するに至つた日の属する月の月末における旧勘定の資産及び負債並びに指定時における新勘定の資産及び負債について、命令の定めるところにより、各勘定別に、財産目録、貸借対照表及び損益の計算書(損益の計算書は旧勘定の分に限る。)を作成して、主務大臣の指定する日までに、これを主務大臣に提出しなければならない。
第22条
金融機関は、
前条の規定により作成する旧勘定の財産目録、貸借対照表及び損益の計算書には、命令の定めるところにより、主務大臣の承認を受け、旧勘定の最終処理に必要な費用に充てるため、最終処理費引当金を計上するものとする。
第23条
1
第21条に規定する月の月末において、左の各号の一に該当する場合においては、金融機関は、命令の定めるところにより、書面を以て主務大臣の認可を受け、旧勘定の最終処理を完了しなければならない。
②
確定益と確定損とがあつて、確定益の額と確定損の額とが同額であるとき
④
確定益と確定損とがあつて、確定益の額が確定損の額を超えるとき
2
前項第3号の場合における確定益の額、又は
同項第4号の場合における確定益の額の確定損の額を超える額は、これを旧勘定の特別準備金として整理しなければならない。
第24条
1
第21条に規定する月の月末において、旧勘定に確定損があつて確定益がないとき、又は確定損と確定益とがあつて確定損の額が確定益の額を超えるときは、金融機関は、左の各号の順序により、確定損の整理負担額を計算しなければならない。
①
確定益があるときは、確定損に対し、確定益の全額を充当するものとする。
②
確定益がないときは確定損の全額に対し、又、確定益があるときは
前号の規定の適用後における確定損の残額に対し、旧勘定の積立金を充当するものとする。
③
前号によるもなほ確定損の残額があるときは、その残額に対し、資本の金額の九割に相当する金額まで、その株主(出資者、基金醵出者その他これに準ずるものを含む。以下同じ。)において確定損を負担するものとする。
④
前号によるもなほ確定損の残額があるときは、その残額に対し、整理債務(
第13条第1項、
第14条第1項又は
第15条第1項の規定により旧勘定から新勘定又は新金融機関に移した分を含み、命令で定める分を除く。以下
第25条まで同じ。)のうち、法人(法人でない社団又は財団を含む。以下同じ。)の預金等で一口五百万円を超えるものの、五百万円を超える部分の金額の七割に相当する金額まで、その預金等の債権者において確定損を負担するものとする。
⑤
前号によるもなほ確定損の残額があるときは、その残額に対し、整理債務のうち、法人の預金等で一口百万円を超えるものの、百万円を超え五百万円以下の部分の金額の五割に相当する金額まで、その預金等の債権者において確定損を負担するものとする。
⑥
前号によるもなほ確定損の残額があるときは、その残額に対し、整理債務のうち、法人の預金等で一口十万円を超えるものの、十万円を超え百万円以下の部分の金額の三割に相当する金額まで、その預金等の債権者において確定損を負担するものとする。
⑦
前号によるもなほ確定損の残額があるときは、その残額に対し、整理債務のうち、前三号の規定の適用後における法人の預金等の残額と、その他の整理債務の金額との七割に相当する金額まで、整理債務の債権者において確定損を負担するものとする。
⑧
前号によるもなほ確定損の残額があるときは、その残額に対し、
第3号の規定の適用後における資本の残額に相当する金額まで、その株主において確定損を負担するものとする。
⑨
前号によるもなほ確定損の残額があるときは、その残額に対し、
第7号の規定の適用後における整理債務の残額に相当する金額まで、整理債務の債権者において確定損を負担するものとする。
⑩
前号によるもなほ確定損の残額があるときは、その残額に対し、指定債務(命令で定めるものを除く。)の全額まで、指定債務の債権者において、命令で定める順序により、確定損を負担するものとする。
2
前項第3号又は
第8号の場合における各株主の負担額は、その所有する株式(出資及び基金を含む。以下同じ。)の金額に応じて均等とする。金融機関が数種の株式を発行してゐる場合においてもまた同じ。
第25条
1
前条の規定により算出した確定損の整理負担額の処理のため金融機関は、左の各号の定める措置をなさなければならない。
②
前条第1項第2号の場合においては、旧勘定の積立金を、特別準備金、退職積立金以外の任意準備金、退職積立金及び他の法令(
金融機関経理応急措置法を除く。)による積立金の順序により、順次に取り崩す。
③
前条第1項第3号乃至
第8号の場合においては、資本に未払込金があるときは、払込をなさしめた後、又、資本に未払込金がないときは直ちに、
前号の措置をなした上、
同条第1項第3号又は
第8号の規定により株主が負担すべき金額の合計金額だけ資本を減少する。但し、
第26条に規定する場合は、この限りでない。
3
前条第1項第4号乃至
第10号の場合においては、整理債務又は指定債務の債権は、当該各号の規定によりこれらの債務の債権者が確定損を負担すべき金額に相当する金額だけ、新勘定及び旧勘定の区分の消滅の日において消滅する。
4
前項の場合においては、保険会社、生命保険中央会又は損害保険中央会の旧勘定に属する責任準備金又は支払備金に対応する保険金(年金を含む。以下同じ。)の債権は、責任準備金又は支払備金に関する権利の消滅の割合と同一の割合により、新勘定及び旧勘定の区分の消滅の日において消滅する。
第25条の2
1
日本銀行及び金融機関は、資本に未払込金があるときは、その全額について、昭和二十三年三月三十一日(損害保険会社及び地方農業会にあつては四月十四日)までの日を払込期日とする未払込株金(未払込出資金を含む。以下同じ。)の払込の催告をしなければならない。
2
日本銀行、恩給金庫及び庶民金庫の株主である国が
前項の規定により払込の催告を受けた場合において、その払込期日が当該催告に係る未払込株金の払込に関する予算の成立の日以前であるときは、当該未払込株金は、当該予算の成立の日後遅滞なく払い込めば足りるものとする。
3
金融機関が
第1項の規定により未払込株金の払込の催告をなした場合において、払込期日までに払込をしない株主が左の各号の一に該当するときは、その株主の当該未払込株金の払込については、
第25条の7、
商法第213条第2項及び
民事訴訟法第6編の規定は、これを適用しない。この場合においては、当該株主は、遅滞の責に任じないものとし、各別の通知により第二回の催告を受けることが可能となつたときは、第二回の催告を受けるものとする。
③
本邦人以外の者で本邦以外の地域に住所を有するもの
4
前項の場合において、
同項の日までに未払込株金の払込のなかつた株式を譲り受けた者が
同項各号に掲げる者及び本邦以外の地域に住所を有する者以外の者であるときは、その株主は、譲受の日から二週間以内に、当該未払込株金の払込をしなければならない。
第25条の3
1
第24条第1項第3号又は
第8号の規定により株主において確定損を負担する金融機関で株券(出資証券及び基金証券を含む。以下同じ。)を発行してゐるものは、
第27条第1項の認可を受けた後、
第28条第1項の公告とともに、当該金融機関の確定損を負担すべき株主又は当該株主の株式に質権を有する者で株主名簿(出資者名簿その他これに準ずるものを含む。以下同じ。)に記載のある者は、その株券を一定期間内に当該金融機関に提出すべき旨を公告しなければならない。
2
前項の期間は、二週間以上二箇月の範囲内で、これを定めなければならない。
3
第25条第1項第3号の規定による資本の減少は、
第27条第1項の認可を受けた最終処理方法書(以下決定最終処理方法書といふ。)に定めるところにより未払込株金の払込をなさしめる金融機関(以下未払込株金徴収金融機関といふ。)については
第25条の5第1項の払込期日、その他の金融機関については
第1項の期間満了の日(株券を発行してゐないものについては新勘定及び旧勘定の区分の消滅の日)において、その効力を生ずる。
4
第25条第1項第3号の規定により資本の減少を行はなければならない金融機関は、
前項の規定により資本の減少がその効力を生ずる日から、本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所の所在地において百二十日以内に資本減少の登記をなせば足りるものとする。
第25条の4
1
未払込株金徴収金融機関は、決定最終処理方法書に定めるところにより未払込株金の払込をなさしめる株式について、
第27条第1項の認可を受けた後遅滞なく、指定時において株主として株主名簿に記載された者(指定時において
第57条第1項に規定する金融機関以外の金融機関の株主として株主名簿に記載された者について相続又は分割若くは合併のあつた場合においては、その一般承継人、以下指定時株主といふ。)以外の株主(指定時株主でその後株主たらざることとなり当該株式を再び取得した株主を含む。)に対し、
前条第1項の期間(株券を発行してゐない金融機関については、
第28条第1項の公告の日から二週間以上二箇月の範囲内でその定める期間)内に決定最終処理方法書に定める当該株式の未払込株金の払込をなすべき旨を催告し、同時に、その株主及びその株主の株式につき株主名簿に質権者として記載された者に対し、株主がその払込をしないときはその催告は効力を失ひその株主はその株式につき株主の権利を失ふ旨を通知しなければならない。
2
前項の場合において、
同項の規定による催告を受けた株主が
同項の規定による払込をしないときは、その催告は効力を失ひ、その株主はその株式につき株主の権利を失ひ、その株式は、
前項の期間満了の時において、指定時株主(指定時において
信託法第3条第2項の規定により株主名簿に信託財産である旨の記載のあつた株式又は
金融機関経理応急措置法第8条第1項の規定により公証人の認証を受けた信託会社又は信託業務を兼営する銀行の指定時における信託勘定の新勘定に属する資産の目録に記載のあつた株式については、その際その株式につき信託の委託者であつた者以下同じ。)に帰属する。但し、
第57条第1項に規定する金融機関の指定時株主がその会員又は組合員の資格を有しない者であるときは、その株式は、当該未払込株金徴収金融機関に帰属する。
3
前項本文の規定により株式が帰属すべき者が存しないときは、その株式は、当該未払込株金徴収金融機関に帰属する。
4
未払込株金徴収金融機関が、
第1項の規定による催告をなす場合において、内閣総理大臣の認可を受けたときは、公告をもつて、この催告に代えることができる。ただし、株主がその氏名及び住所を当該金融機関に通知したときは、当該株主に対しては、各別に催告しなければならない。
第25条の5
1
未払込株金徴収金融機関は、
第25条の4第1項の期間満了後二週間以内に、決定最終処理方法書に定めるところにより払込期日を定め、株主(
前条第1項の規定により払込のあつた株式の株主及び外国に住所を有する指定時株主を除く。)に対し、未払込株金の払込をなすべき旨を催告しなければならない。
2
前項の場合において、
前条第2項の規定により株式の帰属した指定時株主(指定時株主でその後株主たらざることとなり当該株式を再び取得した株主を除く。)に対する催告は、指定時においてその株式の株主として株主名簿に記載された者に対し、株主名簿に記載されたその者の住所に宛てて、これをなせば足りる。但し、指定時株主がその氏名及び住所を金融機関に通知したときは、この限りでない。
3
第1項の払込期日は、
第25条の4第1項の期間満了後二週間を経過した時から二週間以上二箇月の範囲内で、これを定めなければならない。
4
金融機関又は
会社経理応急措置法の特別経理会社(
会社経理応急措置法第39条の規定により、同法の規定を準用される者を含む。以下特別経理会社といふ。)が、左の各号に掲げる株式について、
第1項の規定により未払込株金の払込をなすべき旨の催告を受けた場合において、
同項の払込催告が当該金融機関(
第2号の株式については
同号の金融機関以下本条中同じ。)の新勘定及び旧勘定の区分の消滅の日又は当該特別経理会社(
第2号の株式については
同号の特別経理会社以下本条中同じ。)の旧勘定及び新勘定の併合(旧勘定のみを設ける特別経理会社については旧勘定の廃止 以下同じ。)の日以前になされたときは、当該株主に対する払込期日は、
同項の規定にかかわらず、当該金融機関の新勘定及び旧勘定の区分の消滅の日又は当該特別経理会社の旧勘定及び新勘定の併合の日後一箇月を経過した日とする。
①
金融機関又は特別経理会社の所有する株式 但し、
信託法第3条第2項の規定により株主名簿に信託財産である旨の記載のある株式又は
金融機関経理応急措置法第8条第1項の規定により公証人の認証を受けた信託会社(信託業務を兼営する銀行を含む。)の指定時における信託勘定の新勘定に属する資産の目録に記載のある株式(以下信託株式といふ。)を除く。
②
信託株式で、金融機関又は特別経理会社がその信託の委託者であるもの。
5
前項の規定は、金融機関又は特別経理会社が
第1項の規定による未払込株金の払込の催告のあつた株式以外の株式について、
第25条の2第1項の規定による未払込株金の払込の催告を受けた場合に、これを準用する。
第25条の7
1
第25条の5第1項の規定により催告を受けた株主が払込期日までに払込みをしないときは、未払込株金徴収金融機関は、その株主が未払込株金の払込みをしない株式を、換価のため競売し、又は他の方法により売却することができる。
3
前二項の規定は、未払込株金徴収金融機関が損害賠償及び定款を以て定めた違約金の請求をなすことは、これを妨げない。
5
第1項の規定により競売をなすもその結果を得られなかつたとき又は相当の期間内に
同項の規定による売却をなさなかつたときは、未払込株金徴収金融機関は、
同項の株主に対しその旨を通知することができる。
第25条の8
1
第25条の5第1項の規定により催告を受けた株主(信託株式についてはその委託者)が金融機関である場合において、当該金融機関に対し
第24条第1項第7号又は
第9号の規定の適用があるときは、その催告のあつた株式を、株式を発行した者、株式の種類及び払込催告額の異なるものごとに区分し、その区分の異なるごとに、
同項第7号又は
第9号の規定により確定損の整理負担額を計算し、その計算額を当該区分に属する株式の一株当り払込催告額で除して得た数(一未満の端数があるときは、その端数は切り上げる。)の当該区分に属する株式について、その株主は、当該金融機関の新勘定及び旧勘定の区分の消滅の日において
第25条の5第1項の催告に係る株金払込の義務を免れるとともに、株主の権利を失ふ。この場合においては、
同項の規定による催告のあつたその他の株式に係る株金払込請求権は、
第25条第3項の規定にかかはらず、消滅しない。
2
前項の場合において、当該株主がいづれの株式について株主の権利を失ふかを確定するために必要な事項は、主務大臣がこれを定める。
第25条の9
1
第25条の5第1項の規定により催告を受けた株主(信託株式についてはその委託者)が特別経理会社である場合において、当該特別経理会社に対し
企業再建整備法第19条の規定の適用又は準用があるときは、その催告のあつた株式を、株式を発行した者、株式の種類及び払込催告額の異なるものごとに区分し、当該区分に属する株式の数に
同法第18条の決定整備計画に定める
同法第6条第10号の割合を乗じて得た数(一未満の端数があるときは、その端数は切り上げる。)の当該区分に属する株式について、その株主は、当該特別経理会社の旧勘定及び新勘定の併合の日(
同法第36条第1項第1号及び
同号の規定を準用する場合の特別経理会社が旧勘定及び新勘定の併合の日後整備計画の全部の実行を終る日前にその催告を受けた場合においては払込期日)において、
第25条の5第1項の催告に係る株金払込の義務を免れるとともに、株主の権利を失ふ。
第25条の10
企業再建整備法の特別経理株式会社(
同法第52条の規定により同法の規定を準用される者を含む。)の発行する株式のうち
企業再建整備法第12条の規定に基く命令の定めるところにより金融機関が株金払込の義務を免れるとともに株主の権利を失つた株式以外の株式に係る株金払込請求権は、
第25条第3項の規定にかかはらず消滅しない。
第25条の11
1
金融機関(金融機関が信託の委託者である場合における信託株式については受託者)が、当該金融機関(金融機関が信託の委託者である場合における信託株式については委託者たる金融機関 以下本条中同じ。)の新勘定及び旧勘定の区分の消滅後に、
第25条の5第1項の規定により催告を受けた場合において、当該金融機関に対し前に
第24条第1項第7号又は
第9号の規定の適用があつたときは、若し当該催告が当該金融機関の新勘定及び旧勘定の区分の消滅前にあつたならば、
第25条の8第1項の規定によりその株主が株主の権利を失ふべきであつた株式について、その株主は、その払込期日において、
第25条の5第1項の催告に係る株金払込の義務を免れるとともに、株主の権利を失ふ。
第25条の12
1
特別経理会社(特別経理会社が信託の委託者である場合における信託株式についてはその受託者)が、当該特別経理会社(特別経理会社が信託の委託者である場合における信託株式については委託者たる特別経理会社 以下本条中同じ。)の旧勘定及び新勘定の併合の日(
企業再建整備法第36条第1項第1号及び
同号の規定を準用する場合の特別経理会社については整備計画の全部の実行を終つた日 以下本条中同じ。)後に、
第25条の5第1項の規定により催告を受けた場合において、当該特別経理会社に対し前に
同法第19条の規定の適用又は準用があつたときは、若し当該催告がその旧勘定及び新勘定の併合の日前にあつたならば
第25条の9第1項の規定により当該特別経理会社が株主の権利を失ふべきであつた株式について、その株主は、その払込期日において、
第25条の5第1項の催告に係る株金払込の義務を免れるとともに、株主の権利を失ふ。
第25条の13
1
第25条の7乃至
第25条の9又は前二条の規定により株主がその権利を失つた株式は、株主がその権利を失つた日において、未払込株金徴収金融機関に帰属する。
2
前項又は
第25条の4第2項但書若しくは
第3項の規定により未払込株金徴収金融機関に帰属した株式については当該金融機関に帰属した日後の相当の時期に、決定最終処理方法書に定めるところにより、競売その他の方法により、これを処分しなければならない。
第25条の4第2項本文の規定により、未払込株金徴収金融機関に帰属した株式がある場合において、その株式についても、また同様とする。
第25条の16
2
第25条の4第1項又は
第25条の5第1項の規定により払込の催告を受けた株主が未払込株金徴収金融機関に対する債権(当該債権に対する債務が当該金融機関の旧勘定に属するものであるときは、
金融機関経理応急措置法第16条但書の規定により弁済することのできるものに限る。)で担保権の目的たるもの以外のものを有するときは、その弁済期前において、未払込株金の払込につき、その債権を以て相殺をなすことができる。この場合においては、当該債権及び未払込株金の払込請求権は、相殺の意思表示をなした時において、その対当額につき消滅する。
4
未払込株金の払込請求権その他主務大臣の指定する債権は、
第1項及び
第2項の規定にかかはらず、これを以て、株金払込につき相殺をなすことができない。
5
未払込株金徴収金融機関は、相殺により消滅した債務(旧勘定に属するものを除く。)の額に相当する金額を、新勘定の旧勘定に対する借として整理しなければならない。
第25条の17
1
未払込株金徴収金融機関の株主は、株主の払込に代へ、当該金融機関に、国債、地方債その他主務大臣の指定する有価証券を交付することができる。この場合においては、その交付は、株金の払込と同一の効力を有する。
2
前項の場合における国債、地方債その他の有価証券の評価額は、主務大臣の定めるところによる。
第25条の19
1
金融機関が株主総会(出資者総会及び社員総会その他これに準ずるものを含む。以下同じ。)の招集の通知を発した後株主総会の日までにおいて、
第25条の4第2項の規定により指定時株主に帰属した株式があるときは、金融機関は、遅滞なく、当該指定時株主に対し、その旨及び株主総会の招集の通知を発しなければならない。
2
前項の通知があつたときは、当該指定時株主に対しては、適法の株主総会招集の通知があつたものとみなす。
第25条の20
1
第25条第1項第3号の規定により資本の減少をしなければならない金融機関(地方農業会を除く。)は、
第25条の3第3項の規定により資本の減少が効力を生ずる日までに、株式を併合する旨及びその方法を公告し、他の法令中株式の金額の制限に関する規定に適合するようその株式を併合しなければならない。
2
前項の株式の併合は、当該金融機関の資本の減少の日において、その効力を生ずる。
第25条の21
1
前条第1項の規定による株式の併合のあつた場合において、
第25条の3第1項の規定による旧株券の提出のできなかつた者があるときは、金融機関は、その者(当該株式が
第25条の4第2項の規定により指定時株主に帰属しているときは、その指定時株主)の請求によつて、利害関係人に対して、異議があれば一定の期間内にこれを述べるべき旨を公告し、その期間経過後において新株券を交付することができる。但し、その期間は、一箇月以上二箇月の範囲内で、これを定めなければならない。
第25条の22
1
第25条の20第1項の規定による併合に適しない数の株式があるときは、その併合に適しない部分について、新たに発行した株式を換価のため競売その他の方法により処分(処分を目的とする信託による処分を含む。)し、かつ、株数に応じてその代金を従前の株主に交付しなければならない。
3
前二項の規定は、無記名式の株券で
第25条の3第1項の規定による提出のなかつたものに、これを準用する。
第25条の23
前条の場合において、併合に適しない数の株式のうち、あらたに発行する株式の金額に満たない部分を生じたときは、併合と同時に、その部分はこれを消却し、その消却した株式の金額に相当する金額の資本を減少しなければならない。
第26条
1
第24条第1項第8号の規定により、株主が資本の全額に相当する金額の確定損を負担しなければならないときは、金融機関は、
第27条第1項の認可を受けた後、遅滞なく旧勘定の資産と、確定損を負担しない整理債務又は指定債務があるときはその整理債務又は指定債務とを旧勘定から新勘定に移さなければならない。旧勘定の新勘定に対する借は、この措置と同時に消滅する。
2
前項の場合においては、金融機関は、
同項の措置をなした後、主務大臣の指定する日までに、事業(新勘定及び旧勘定の区分の存する金融機関については新勘定の事業 以下本条中同じ。)の全部を他の金融機関に譲渡し、又は保険契約(新勘定及び旧勘定の区分の存する金融機関については新勘定の保険契約。以下本条中同じ。)の全部を他の金融機関に移転しなければならない。
3
金融機関は、
前項の譲渡又は移転について対価を取得した場合においては(
第33条第1項の規定による政府の補償があつたときは、先づ、その額まで、これを政府に納付し、なほ残額があるときは)、命令の定めるところにより、これを処分しなければならない。
4
金融機関は、
第2項の期限内に事業の全部の譲渡又は保険契約の全部の移転を終つたときはその譲渡又は移転を終つた日において、又、
同項の期限内にその譲渡又は移転を終らなかつたときは
同項の期限を経過した日において解散する。
5
第3項の規定は、
前項の規定による解散の場合に、これを準用する。
6
前項に定めるものを除く外、
第4項の規定による解散の場合に関し必要な事項は、他の法令にかかはらず、命令でこれを定める。
7
第24条第1項第8号の規定により、旧金融機関の株主が資本の全額に相当する金額の確定損を負担しなければならない場合において、
第15条第2項又は
第42条第2項の規定により、旧金融機関が新金融機関に対し負担した債務があるときは、旧金融機関は、
第1項の措置をなす前に、命令の定めるところにより、先づ、旧勘定の資産をその債務の弁済に充てなければならない。但し、現金(小切手を含む。)以外の資産を債務の弁済に充てるには、新金融機関の同意を得なければならない。
8
旧
銀行法等特例法
第1条の規定は、命令の定めるところにより、
第2項の規定による事業の譲渡の場合に、これを準用する。
第26条の2
3
第1項の金融機関が
第57条第1項に規定する金融機関である場合において、当該金融機関の会員又は組合員が、
第24条の規定により、その出資の全額に相当する確定損を負担して当該金融機関の会員又は組合員でなくなつたときは、その者は、新勘定及び旧勘定の区分の消滅後六箇月を限り、資金の貸付、施設の利用その他当該金融機関の会員又は組合員の受ける利益を受けることができる。
第26条の3
1
第26条第1項の場合において、金融機関がその新勘定及び旧勘定の区分の消滅後、
第39条第1項の規定により主務大臣の認可を受けた整備計画書に記載するところに従ひ資本を増加したときは、その資本増加の日において、前に旧勘定に属した株式の株主はその権利を失ひ、その株金総額に相当する金額だけ資本は減少する。
第27条
1
金融機関の取締役又はこれに準ずる者(以下理事機関といふ。)は、
第24条第1項に規定する場合においては、命令の定めるところにより、最終処理方法書を作成し、主務大臣の認可を受けなければならない。
2
前項の場合において、当該金融機関について、
第47条の監査委員があるときは、理事機関は、
前項の規定による認可の申請前、予め最終処理方法書につき、その承認を受けなければならない。
第28条
1
金融機関の理事機関は、
前条第1項の規定による認可があつたときは、旧勘定の最終処理を行ふべき旨を公告し、最終処理方法書及び
第21条の書類を本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所に備へ置かなければならない。
2
金融機関の株主及び旧勘定の負債に関する債権者は、営業時間内、何時でも
前項に掲げる書類を閲覧することができる。
第29条
金融機関は、
第27条第1項の認可を受けたときは、最終処理方法書に定めるところにより、遅滞なく旧勘定の最終処理を行はなければならない。
第30条
1
第27条第1項の認可があつた後、旧勘定の最終処理の完了までに、旧勘定の資産若しくは負債又は指定時における新勘定の資産若しくは負債について、旧勘定の最終処理の結果に影響を及ぼすべき変更を生じたときは、金融機関の理事機関は、その変更に基いて、最終処理方法書を改訂しなければならない。
第31条
1
金融機関がこの法律の規定により行ふ資本の減少並びに株式の併合及び消却については、他の法令又は定款にかかはらず、株主総会の決議は、これを必要としない。
2
第1項の資本の減少については、他の法令中資本の金額の制限に関する規定は、資本の減少の日から命令で定める日までの間を限り、これを適用しない。地方農業会について、他の法令中出資の金額の制限に関する規定についても、また同じ。
3
第1項の事項並びに未払込株金の徴収及び払込に関し、この法律の規定に基く主務大臣の認可があつたときは、同一の事項については、同時に、他の法令の規定による認可があつたものとみなす。
4
前三項に定めるものを除く外、
第1項の資本の減少に関し必要な事項については、他の法令又は定款にかかはらず、命令で特別の定をなすことができる。
第32条
前条第1項の資本の減少の結果、金融機関の債券の発行又は資金の借入若しくは融通の額が、他の法令に規定する債券の発行又は資金の借入若しくは融通に関する制限額を超えるに至つた場合においては、当該資本の減少の際現に存する債券又は資金の借入若しくは融通(その更改に因る債権又は債務を含む。)に限り、他の法令中これらの債権又は債務の金額の制限に関する規定は、これを適用しない。
第33条
1
第24条第1項の規定により確定損の整理負担額を計算するもなほ確定損の残額があるときは、その残額は、政府において、これを補償する。
2
政府は、
前項の補償債務の決済を、国債証券の交付により行ふことができる。
3
前項の規定により決済のため交付する国債証券の交付価格、償還期限及び利率は、次の通りとする。
4
政府は、
第1項の補償債務の決済のため必要な金額を限り、公債を発行することができる。
5
第2項の規定による決済は、金融機関の新勘定及び旧勘定の区分の消滅した日の翌日において、これを行ふ。
第34条
1
金融機関は、旧勘定の最終処理を完了したときは、遅滞なくその旨を公告しなければならない。
2
金融機関の新勘定及び旧勘定の区分は、
前項の公告(二回以上公告をなしたときは最初の公告)の日において消滅する。
3
金融機関は、
第1項の公告をなしたときは、その公告(二回以上公告をなしたときは最初の公告)の後、本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所の所在地において百二十日以内に、新勘定及び旧勘定の区分の消滅の登記をしなければならない。
4
前項の登記に関し必要な事項は、命令でこれを定める。
第34条の2
前条第1項の公告は、昭和二十三年三月三十一日までに、これをしなければならない。但し、
第57条第1項に規定する金融機関が主務大臣の認可を受けたときは、この限りでない。
第35条
1
第4条第1項の規定により債権の申出をなすべき債権者でその申出をしなかつたものが、
同項の期限後新勘定及び旧勘定の区分の消滅の日までにその債権を申し出たときは、
第19条若しくは
第23条に規定する場合又は
第20条第1項第2号若しくは
第25条第1項第2号の規定の適用後なほ旧勘定の積立金が残る場合に限り、旧勘定の積立金の金額の範囲内において、その債権の金額に応じ均等の割合で、その債権の弁済を、金融機関に請求することができる。
2
前項の場合においては、金融機関は、債権者に対し、その債権の弁済の請求ができる金額を通知しなければならない。
3
第4条第1項の規定により申出をなすべき債権で、
同項の期限までにその申出のなかつたものは、
第1項の規定により弁済の請求ができる金額を除く外、新勘定及び旧勘定の区分の消滅の日において消滅する。
4
第1項の場合においては、金融機関は、他の法令又は定款にかかはらず、
同項の規定により弁済の請求を受くべき金額だけ、積立金を、退職積立金以外の任意積立金、退職積立金及び他の法令による積立金の順序により、順次に取り崩すことができる。
第36条
1
金融機関の旧勘定の負債又は指定時における新勘定の負債に関する債権(責任準備金及び支払備金に関する権利を含む。以下
第37条まで同じ。)で、旧勘定の最終処理の完了の際不確定であつたものが、旧勘定の最終処理の完了後確定したときは、金融機関の理事機関は、その確定の結果に基いて、
第24条の規定に準じ、当該債権が確定損を負担すべきであつた金額を計算し、その金額を当該債権者(責任準備金及び支払備金に関する権利者を含む。以下
第38条まで同じ。)に通知しなければならない。
2
前項の場合においては、当該債権は、
同項の規定による通知のあつた時において、その通知に係る金額だけ消滅する。
第36条の2
1
主務大臣は、前に旧勘定に属した資産及び負債で、最終処理の際、暫定評価基準により評価が行はれてゐたものにつき、確定評価基準を決定することができる。
第37条
1
第25条第3項若しくは
第4項又は
第36条第2項若しくは
第3項の規定によりその整理債務又は指定債務の債権の全部又は一部が消滅した金融機関は、新勘定及び旧勘定の区分の消滅後、調整勘定を設け、左の各号の金額を生じたときは、これを同勘定において経理しなければならない。
①
前に旧勘定に属した資産及び負債について生じた利益金(資産の増価益及び処分益、運用益その他の利益金をいふ。)の金額
②
新勘定及び旧勘定の区分の消滅する際における最終処理引当金の残額
③
新勘定及び旧勘定の区分の消滅する際における旧勘定の負債の総額と資産の総額との差額その他主務大臣の許可を受けて積み立てた留保金の金額
④
前に旧勘定に属した資産及び負債について生じた損失金(資産の減価損及び処分損、運用損その他の損失金をいふ。)の金額
2
前項に規定する処分益又は処分損とは、処分価額と確定評価基準により評価が行はれた時の帳簿価額との差益又は差損をいふ。但し、確定評価基準により評価が行はれてゐない資産及び負債については、処分価額と新勘定及び旧勘定の区分の消滅した時の帳簿価額との差益又は差損をいふ。
3
第1項に規定する増価益又は減価損とは、新勘定及び旧勘定の区分の消滅の際、暫定評価基準により評価が行はれてゐたものにつき、
前条の規定により設けられた確定評価基準によつて評価が行はれた場合に生じた差益又は差損をいふ。
4
第1項の規定により設ける調整勘定は、調整勘定以外の勘定と区分経理しなければならない。
5
前四項の適用に関し必要な事項は、主務大臣が、これを定める。
第37条の2
1
金融機関は、その調整勘定に利益金を生じたときは、随時、
第37条の6の規定による債権者審査会の同意を得て、且つ、主務大臣の認可を受けて、左の各号の順序により、これを処分するものとする。
①
第33条第1項の規定による政府の補償があつたときは、その額(金融機関の新勘定及び旧勘定の区分の消滅した日の翌日から納付の日までの期間に応じ年四分五厘の割合を乗じて得た金額を加算する。)まで、これを政府に納付する。
②
前号によるもなほ利益金の残額があるときは、左の各号の順序により、確定損を負担して消滅した指定債務の債権者(相続人その他の一般承継人を含む。)に、その確定損の整理負担額の限度において、これを分配する。
イ
財産税、戦時補償特別税及び非戦災者家屋税以外の租税の徴収等により国又は地方公共団体の取得した預金等に関する債務の債権者
ロ
戦時補償特別税に関し他の金融機関からの求償に応じて履行をなすべき債務の債権者
ハ
一万五千円以下の退職金その他の臨時的給与の債務の債権者
③
前号によるもなほ利益金の残額があるときは、
第24条第1項第9号、
第7号、
第6号、
第5号、
第4号の順序により、確定損を負担して消滅した整理債務の債権者(相続人その他の一般承継人を含む。)に、その確定損の整理負担額の限度において、これを分配する。
④
前号によるもなほ利益金の残額があるときは、先づ、約定利率のある整理債務の債権者に、
第3号の順序により、金融機関の新勘定及び旧勘定の区分の消滅した日の翌日から本号の規定による分配の日までの期間に応じ、指定時における約定利率を超えない範囲内でできるだけ高い利率による利息に相当する金額を分配し、なほ残額があるときは、約定利率のない整理債務の債権者に、
第3号の順序により、右の期間に応じ、指定時における約定利率のうち最も低い利率を超えない利率による利息に相当する金額を分配する。但し、生命保険会社による保険契約者及び年金契約者に対する利息に相当する金額の分配については、年三分五厘の利率を超えない範囲内でできるだけ高い利率によるものとする。
⑤
前号によるもなほ利益金の残額があるときは、先づ、約定利率のある指定債務の債権者に、
第2号の順序により、金融機関の新勘定及び旧勘定の区分の消滅した日の翌日から本号の規定による分配の日までの期間に応じ、指定時における約定利率を超えない範囲内でできるだけ高い利率による利息に相当する金額を分配し、なほ残額があるときは、約定利率のない指定債務の債権者に、
第2号の順序により、右の期間に応じ、指定時における約定利率のうち最も低い利率を超えない利率による利息に相当する金額を分配する。
2
前項の場合において、同順位の債権者があるときは、その確定損の整理負担額に応じ、均等の割合で分配するものとする。
4
金融機関再建整備法施行規則第64条第2項の規定により金融機関に無記名式の債券を提出しなければならない者が、
同項の提出期限を経過した後
第37条の3の規定による調整勘定の閉鎖の日までに、当該債券を当該金融機関に提出したときは、当該債券を提出した者は、
同条の規定による利益金の残額があるときに限り、その残額の範囲内において、その確定損の整理負担額に応じ均等の割合で、且つ、その確定損の整理負担額の限度において、その残額の分配を受けることができる。
第37条の3
1
金融機関は、前に旧勘定に属した資産及び負債の整理が完了したとき(これらの資産及び負債のうち、
第7条第1項の命令で定めるものを除くすべてについて確定評価基準による評価が行はれたときを含む。)又は
前条の規定により調整勘定の利益金を
同条第1項第5号に規定する金額の全額まで分配したときは、主務大臣の認可を受け、その認可に当り主務大臣の指定する日において、調整勘定を閉鎖しなければならない。
2
金融機関は、その調整勘定の閉鎖の際、同勘定に利益金の残額があるときは、
第25条第1項の規定により株主として確定損を負担した者(相続人その他の一般承継人を含む。以下同じ。)に、左の各号の金額を分配しなければならない。
②
金融機関の新勘定及び旧勘定の区分の消滅した日の翌日から本号の規定による分配の日までの期間に応じ、
前条第1項第4号に規定する約定利率のない整理債務の債権者に分配する場合に附する利率による利息に相当する金額
3
前項の場合において、調整勘定の利益金の残額がその分配金額に不足するときは、その確定損の整理負担額に応じ、均等の割合で分配しなければならない。
4
金融機関は、
第2項の規定により分配してもなおその調整勘定に利益金の残額があるときは、これを当該金融機関の利益準備金として積み立てるものとする。
5
前三項の規定は、
第38条の3の規定により在外資産負債処理勘定を設けてゐる金融機関には、適用しない。
第37条の4
金融機関は、新勘定及び旧勘定の区分の消滅後、
前条の規定により調整勘定を閉鎖する時までの間において、前に旧勘定に属した資産(その資産が債権である場合においてその代物弁済として交付を受けたものを含む。以下
第37条の5において同じ。)を処分しようとするときは、予め、
第37条の6の規定による債権者審査会の同意を得、且つ、主務大臣の許可を受けなければならない。但し、貸付金その他の債権を回収する場合(担保の解除又は和解を伴ふことに因り
第37条第1項第2号乃至
第5号の規定による債権者の利益を害する場合を除く。)については、この限りでない。
第37条の5
金融機関は、
第37条の3の規定により調整勘定を閉鎖するまでの間は、前に旧勘定に属した資産について、これを他の資産と区分し、当該金融機関の確定損を負担した債権者のために、善良な管理者の注意を以て、これを管理又は処分しなければならない。調整勘定に生じた利益金についてもまた同じ。
第37条の6
1
第37条の規定により調整勘定を設けなければならない金融機関は、債権者審査会を置かなければならない。
2
債権者審査会は、七人の審査人を以て、これを組織する。
3
前項の審査人は、金融機関の確定損を負担した整理債務の債権者であつて当該金融機関に対し債務を負担していない者(当該金融機関の役員、職員その他の従業者、国、地方公共団体、持株会社整理委員会及び昭和二十年ポツダム宣言の受諾に伴ひ発する命令に関する件に基く公職に関する就職禁止、退職等に関する勅令
第3条第2項に規定する覚書該当者を除く。)のうちで確定損負担額の最も多額な者から順次に、当該金融機関の理事機関がこれを選任し、その任期は、一年とする。
4
金融機関の理事機関は、審査人がその就職の後当該金融機関から債務を負担するに至つたとき、又は当該金融機関の役員、職員その他の従業者となつたときは、当該審査人を解任しなければならない。
5
審査人が心身の故障その他の理由に因りその職務をとることができない場合には、金融機関の理事機関は、当該審査人を解任することができる。
6
金融機関の理事機関は、前三項の規定により審査人を選任し又は解任したときは、遅滞なく、その者の氏名又は名称及び住所並びに整理債務の金額を、主務大臣に届出でなければならない。
7
審査人は、その職務の執行のために要した費用についてその実費の支払を受ける外、報酬を受けることができない。
8
債権者審査会の職務の執行は、審査人の過半数を以て、これを決する。
第37条の7
1
調整勘定に繰り入れる金額又は調整勘定から支出する金額は、
法人税法による各事業年度の所得の金額及び
地方税法により事業税を課する場合における各事業年度の所得の計算上、これを益金の額又は損金の額に算入しない。
第37条の8
1
前七条の規定は、
第25条第3項若しくは
第4項又は
第36条第2項若しくは
第3項の規定によりその債権の全部又は一部が消滅した譲渡金融機関からその事業の全部の譲渡又は保険契約の全部の移転を受けた金融機関に、これを準用する。
第37条の10
1
金融機関又は金融機関の役員、職員その他の従業者は、
第37条の2の規定により調整勘定の利益金の分配を受ける権利を有する者から、その権利を譲り受け又はその権利の譲渡を要求し若しくは約束してはならない。
2
金融機関又は金融機関の役員、職員その他の従業者は、当該金融機関又は他の金融機関の調整勘定に生じた利益金の分配に関して、
第37条の2の規定により調整勘定の利益金の分配を受ける権利を有する者から、手数料その他の報酬を収受し又はこれを要求し若しくは約束してはならない。
3
金融機関又は金融機関の役員、職員その他の従業者は、何等の名義によつても、前二項の禁止を免れる行為をしてはならない。
第38条
1
旧勘定の最終処理が完了したときは、債権者及び株主の権利は、最終処理方法書の定めるところによつて確定する。但し、
第36条の場合においては、当該債権者の権利は、
同条の定めるところによつて確定する。
2
旧勘定の整理が法令に違反して債権者又は株主に損害を及ぼしたときは、当該金融機関の理事機関は、当該金融機関と連帯してその損害を賠償しなければならない。但し、当該理事機関で、その業務の執行について過失がなかつた者については、この限りでない。
3
前項の規定は、
第26条第4項の場合における清算に関する清算人の責任について、これを準用する。
4
第1項(
前項において準用する場合を含む。)の損害賠償の請求権は、新勘定及び旧勘定の区分の消滅の日から五年を経過したときは、時効に因つて消滅する。
第38条の2
【在外資産負債】
2
在外店舗がこの法律の施行地内にあつた店舗(事務所を含む。以下同じ。)に向けて振り出した送金為替のうち、未払となつている部分に係る支払の債務は、当該振出店舗の属した金融機関が当該為替の所持人に対して当該振出店舗に係る負債としてこれを負うものとする。
4
前項の債権及び債務については、
金融機関再建整備法の一部を改正する法律の施行の日以後は、利息は附されないものとする。
第38条の3
【在外資産負債処理勘定の設定】
1
在外資産又は在外負債を有する金融機関(以下この章において単に「金融機関」という。)は、主務大臣の指定する日において在外資産負債処理勘定(以下「在外勘定」という。)を設けなければならない。
2
第39条第1項に規定する整備計画書の定めるところにより、事業の全部を譲渡して解散した金融機関が、
金融機関経理応急措置法の施行の際、在外資産又は在外負債を有していたときは、当該事業を譲り受けた金融機関は、主務大臣の定めるところにより、当該在外資産又は在外負債をその譲り受けた金融機関の在外資産又は在外負債として引き継ぎ、在外勘定を設けなければならない。
3
在外資産及び在外負債は、在外勘定に属するものとし、他の勘定に属せしめてはならない。
第38条の4
【在外勘定の経理】
1
金融機関の在外負債に関する債権者が、債権者であることを証する物件を添えて、当該金融機関に申し出た場合において、当該金融機関は、その申出が正当であるときは、その申出に係る債権に関する債務を当該金融機関の在外勘定の債務として確認しなければならない。
2
金融機関は、その在外資産については当該金融機関への帰属が確定した金額を在外勘定の資産の部に、在外負債については
前項の規定により確認した金額を在外勘定の負債の部に計上するものとする。
3
金融機関は、
金融機関経理応急措置法第32条第3項の規定により当該金融機関の旧勘定に属させられた在外店舗に対する借のうち、在外勘定の設定の際、当該金融機関の他の勘定に計上されているものを在外勘定に対する借とするものとする。
4
金融機関は、その調整勘定の閉鎖の際、同勘定に利益金の残額があるときは、これをその在外勘定に繰り入れて資産の部に計上するものとする。
5
在外勘定は、他の勘定と区分して経理しなければならない。
6
在外勘定の経理に関し必要な事項は、主務大臣が定める。
第38条の5
【支払】
1
金融機関は、在外勘定に計上された
第38条の2第2項の未払送金為替に係る債務のうち、主務大臣の指定する日までに
前条第1項の債権者の申出があつたものにつき、その指定された日から九十日以内に、在外勘定に計上された資産の範囲内において、一件五万円(当該送金為替につき既に支払われた金額があるときは、その支払われた金額を五万円から差し引いた金額)を限度として支払をしなければならない。
2
金融機関は、
前項の規定による支払をした後その在外勘定になお資産が計上されているとき、又はその支払後在外勘定に新たに資産が計上されたときは、主務大臣の認可を受け、省令で定めるところによりあらかじめ公告をして、在外勘定に計上されている債務につき、当該資産の範囲内において、支払をしなければならない。
3
前二項の場合において、支払に充てる資産が不足するときは、在外勘定に計上された債務の債権者に対し、その支払われるべき金額に応じ、それぞれ均等の割合で支払をしなければならない。
第38条の6
【支払資金の繰入】
1
金融機関が
前条第1項の規定による支払をする場合に、在外勘定にその支払に充てるべき資産が不足するときは、当該金融機関は、その調整勘定からその利益金の範囲内で当該不足金額の全部又は一部を在外勘定に繰り入れ、その支払に充てることができる。
2
前項の規定により在外勘定への繰入をした金融機関は、
前条第1項の規定により支払を行つた後、在外勘定に資産が計上されたときは、
同条第2項の規定による支払に先立ち、随時、その繰り入れた金額に相当する金額を返済しなければならない。但し、当該金融機関の調整勘定が
第37条の3第1項の規定により閉鎖されたときは、この限りでない。
第38条の7
【支払資金の借入】
1
調整勘定を設けなかつた金融機関が
第38条の5第1項の規定による支払をする場合に、在外勘定にその支払に充てるべき資産が不足するときは、当該金融機関は、旧勘定の最終処理の際における旧勘定の積立金のうち、
第25条第1項第2号の規定により取りくずされなかつた部分に相当する金額の範囲内で、他の勘定から当該不足金額の全部又は一部を在外勘定に借り入れ、その支払に充てることができる。
2
前条第2項本文の規定は、
前項の規定による借入金の返済について準用する。
第38条の8
【在外勘定の閉鎖】
1
金融機関は、在外負債に関する債権者への支払が完了したと認められるときは、主務大臣の認可を受け、省令の定めるところによりあらかじめ公告をして、その在外勘定を閉鎖することができる。
2
金融機関は、
前項の規定による閉鎖の際、その在外勘定に資産が計上されているときは、当該資産の範囲内において、
第38条の5の規定により支払われた債務の債権者に対し、主務大臣の定めるところにより、利息に相当する金額を分配しなければならない。
3
前項の規定による分配をしてもなおその在外勘定に資産があるときは、当該金融機関は、当該資産の範囲内において、
第25条第1項の規定により株主として確定損を負担した者に対し、
第37条の3第2項各号の金額を分配しなければならない。
5
第3項の規定による分配を全額までしてもなおその在外勘定に資産があるときは、これを他の勘定に移し、これに相当する金額は、当該金融機関の利益準備金として積み立てるものとする。
6
調整勘定を有する金融機関の在外勘定の閉鎖の際、その在外勘定に資産があるときは、前三項の規定にかかわらず、当該資産を引当てにこれに見合う利益金をその調整勘定に繰り入れるものとする。
第38条の9
1
金融機関は、在外資産のないことが確定したときは、主務大臣の認可を受け、省令の定めるところにより公告をして、その在外勘定を閉鎖するものとする。
2
金融機関が
前項の規定により在外勘定を閉鎖したときは、その在外負債に関する債権は、すべて同勘定の閉鎖の日において消滅するものとする。
第38条の10
【税法上の特例】
1
在外勘定に繰り入れる金額又は在外勘定から支出する金額は、
法人税法による各事業年度の所得の金額及び
地方税法により事業税を課する場合における各事業年度の所得の計算上、これを益金の額又は損金の額に算入しない。
第39条
1
金融機関の理事機関は、命令の定めるところにより、旧勘定の最終処理の完了後における当該金融機関の事業に関し整備計画書を作成し、主務大臣の認可を受けなければならない。
2
前項の規定による整備計画書の認可があつた場合において、金融機関が主務大臣の指定する日までに、
前項の整備計画書に定める整備計画を実行することができなかつたときは、その理事機関は、遅滞なくその旨を、書面を以て主務大臣に届け出なければならない。
第40条
1
金融機関は、指定時における新勘定の資産及び負債のうち命令で定めるものについて確定評価基準が決定し、且つ、新勘定の旧勘定に対する借がない場合に限り、命令の定めるところにより、書面を以て主務大臣の認可を受け、新勘定の事業の全部若しくは一部を他の金融機関に譲渡し、又は新勘定の保険契約の全部若しくは一部を他の金融機関に移転することができる。
2
前項の規定による認可があつたときは、同一の事項については、同時に他の法令による認可等があつたものとみなす。
第41条
1
主務大臣は、金融機関の整備を促進するため必要があるときは、新勘定及び旧勘定の区分の存する金融機関に対し、新勘定の事業の全部若しくは一部を他の金融機関に譲渡し、又は新勘定の保険契約の全部若しくは一部を他の金融機関に移転すべきことを命ずることができる。
2
主務大臣は、金融機関の旧勘定の最終処理の完了後における事業の状況により、特に必要があると認めるときは、他の法令に規定する場合を除く外、新勘定及び旧勘定の区分の消滅した金融機関に対し、合併若しくは資本の増加を命じ、その事業の全部若しくは一部を他の金融機関に譲渡すべきことを命じ、又はその保険契約の全部若しくは一部を他の金融機関に移転すべきことを命ずることができる。
3
第1項又は
前項の規定による主務大臣の命令があつた場合において、命令を受けた日から六箇月以内に、その命令に係る事項に関する契約が成立せず、又は資本の増加に関する株主総会その他これに準ずるものの決議がなかつたときは、命令を受けた金融機関の理事機関は、遅滞なくその旨を、書面を以て主務大臣に届け出なければならない。
第42条
1
第40条第1項又は
前条第1項若しくは
第2項の規定により、金融機関が合併、事業の譲渡又は保険契約の移転をなす場合においては、当該金融機関は、その合併、事業の譲渡又は保険契約の移転の相手方を、新勘定及び旧勘定の区分の存しない金融機関(
金融機関経理応急措置法第27条第2号の金融機関の場合においては、相手方たる者は当該金融機関と同種の法人で金融機関たるもの以外のものを含む。)のうちから選ばなければならない。
2
第40条第1項又は
前条第1項の場合において、旧金融機関に旧勘定の新勘定に対する借があるときは、命令の定めるところにより、新金融機関に対して、その借の金額に相当する金額(事業の一部を譲渡し又は保険契約の一部を移転した場合においては、借の金額のうち、その譲渡に係る事業又は移転に係る保険契約に関する部分とし、又、事業の譲渡又は保険契約の移転の対価があるときは、その対価の金額を控除したものとする。)の債務を負担する。
第42条の2
1
第26条第2項、
第40条第1項又は
第41条第1項の規定により他の金融機関(以下譲受金融機関といふ。)に事業の全部若しくは一部を譲渡し、又は保険契約の全部若しくは一部を移転する金融機関(以下譲渡金融機関といふ。)は、
第26条第2項の規定の適用を受ける譲渡金融機関については、
第27条第1項の認可を受けた日、その他の譲渡金融機関については、
第40条第1項の認可又は
第41条第1項の命令のあつた日以後に退職する役員又は従業員(以下退職者といふ。)に対しては、法令の規定、定款の定又は契約の条項にかかはらず、退職金を支給してはならない。
2
譲渡金融機関は、
前項の規定にかかはらず、退職者で新勘定及び旧勘定の区分の消滅の日(
第26条第2項の規定の適用を受ける譲渡金融機関の場合においては、
同項の規定により主務大臣の指定する日)までに譲受金融機関の役員又は従業員とならなかつたものに対して、その翌日以後退職金を支給することができる。
3
前項の規定によつて支給する退職金には、退職の日以後の利息を附することができる。
第42条の3
譲渡金融機関の退職者で
第27条第1項の認可又は
第40条第1項の認可若しくは
第41条第1項の命令のあつた日以後新勘定及び旧勘定の区分の消滅の日(
第26条第2項の規定の適用を受ける譲渡金融機関の場合においては、
同項の規定により主務大臣の指定する日)までに譲受金融機関の役員又は従業員となつたものの当該譲渡金融機関における役員又は従業員としての在職期間は、退職金の計算については、これを当該譲受金融機関における役員又は従業員としての在職期間とみなす。
第42条の4
1
金融機関は、任意積立金の三分の一に相当する金額と
厚生年金保険法附則第10条乃至
第12条の規定による旧退職積立金及退職手当法により積み立てた退職手当積立金又は準備積立金の金額との合計金額の範囲内において、主務大臣の認可を受けて、
第27条第1項の認可又は
第40条第1項の認可若しくは
第41条第1項の命令のあつた日において当該金融機関の従業員である者に対して当該金融機関又は譲受金融機関が退職金を支給するため留保を必要とする積立金の金額を定めることができる。
3
第1項の規定により留保すべき積立金の金額を定めた場合において、当該金融機関が譲受金融機関に対し事業の全部若しくは一部の譲渡又は保険契約の全部若しくは一部の移転をなしたときは、当該金融機関は、主務大臣の認可を受けて、当該積立金の全部又は一部を取り崩してこれに相当する資産を当該譲受金融機関に譲渡しなければならない。
4
前項の場合において、譲受金融機関は、
同項の規定により譲り受けた資産に相当する金額を積み立てなければならない。
5
金融機関が
第1項の規定により留保した積立金又は譲受金融機関が
前項の規定により積み立てた積立金は、
第3項の場合又は清算若しくは破算の場合を除く外、主務大臣の認可を受けなければ、
第27条第1項の認可又は
第40条第1項の認可若しくは
第41条第1項の命令のあつた日において
第1項の金融機関の従業員であつた者に対する退職金の支払以外の目的に、これを使用してはならない。
第42条の5
譲渡金融機関が
前条第3項の規定により譲受金融機関に譲渡した資産に相当する金額又は譲受金融機関が
前条第4項の規定により積み立てた金額は、
法人税法による各事業年度の普通所得、特別
法人税法による各事業年度の剰余金又は
地方税法により営業税を課する場合における各事業年度の純益の計算上、これを損金又は益金に算入しない。
第43条
主務大臣は、金融機関の整備を促進するため必要があるときは、金融機関に対し、命令の定めるところにより、事業費の支出その他経理に関し必要な事項を命ずることができる。
第43条の2
第39条第1項の規定による整備計画書の認可があつたときは、当該整備計画書に記載された事項と同一の事項については、同時に、他の法令の規定による認可があつたものとみなす。
第44条
1
金融機関の決算は、当該金融機関に新勘定及び旧勘定の区分の存する間は、新勘定及び旧勘定について、各別に、これを行はなければならない。
2
他の法令の適用のため必要な金融機関の財産目録、貸借対照表、損益計算書その他の商業帳簿及び営業に関する書類に関しては、命令の定めるところによる。
第45条
1
金融機関は、毎事業年度において、新勘定又は旧勘定に利益金を生じたときは、他の法令又は定款にかかわらず、これを当該勘定の特別準備金として積み立てなければならない。
2
金融機関は、毎事業年度において、新勘定又は旧勘定に欠損を生じたときは、当該勘定の特別準備金を取り崩して填補し、なほ不足があるときは、これを当該勘定別に繰り越さなければならない。
第46条
1
金融機関の新勘定及び旧勘定の区分が消滅したときは、他の法令又は定款にかかはらず、その区分の消滅した日を含む事業年度は、その区分の消滅した日までで終了するものとし、その事業年度に続く事業年度は、命令で定める日で終了するものとする。
2
金融機関の新勘定及び旧勘定の区分の消滅の際現に新勘定又は旧勘定に特別準備金がある場合において、当該金融機関に法定準備金があるときは、当該特別準備金は、法定準備金に併せられ、又、法定準備金がないときは、当該特別準備金が、そのまま法定準備金となるものとする。
3
前項の規定にかゝはらず相互会社の新勘定及び旧勘定の区分の消滅の際、特別準備金がある場合においては、当該相互会社は、左の各号の順序により、これを処分しなければならない。
4
前項の規定により、特別準備金を処分するもなほ残額がある場合においては、相互会社の定款に定められている剰余金の分配の方法による。
第47条
1
金融機関の旧勘定の整理の適正を図るため必要があるときは、主務大臣は、当該金融機関について、その債権者その他の利害関係人(国、公共団体その他の法人である場合においては、代表者その他の職員)のうちから、五人以内の監査委員を選任することができる。
2
金融機関の監査委員は、当該金融機関の役員と相兼ねることができない。
第48条
1
監査委員は、金融機関の旧勘定の整理を監査することをその職務とする。
2
監査委員は、
前項に規定する職務を行ふため、何時でも金融機関の理事機関に対し旧勘定の整理に関する報告を求め、又は旧勘定の整理の状況を調査することができる。
3
監査委員の職務及び権限は、
第27条第2項及び前二項に規定するものを除く外、勅令でこれを定める。
第50条
1
主務大臣は、金融機関の役員が
金融機関経理応急措置法若しくはこの法律又はこれに基く命令若しくは処分に違反したときは、金融機関に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。
2
主務大臣は、金融機関の役員の行為が公益を害する虞があると認めるときは、当該役員に対し、その職務の執行を停止すべきことを命ずることができる。
3
主務大臣は、必要があるときは、金融機関に対し、
前項の規定により職務の執行を停止した役員を解任すべきことを命ずることができる。
第51条
1
主務大臣は、この法律の施行に関し必要があるときは、金融機関に対し、監督上必要な命令をなすことができる。
2
主務大臣は、この法律の施行に関し必要があるときは、金融機関をしてその業務及び財産の状況に関して報告せしめ、又は当該官吏をして帳簿、書類その他の物件を検査せしめることができる。
3
主務大臣は、
前項の規定により、当該官吏をして検査せしめるときは、その身分を示す証票を携帯せしめなければならない。
第53条
金融機関の新勘定又は旧勘定の資産で暫定評価基準又は確定評価基準により評価したものを財産目録に記載する場合においては、その価額については、
商法第285条から
第285条ノ七までの規定は、これを適用しない。
第53条の2
金融機関経理応急措置法第22条第2項の規定により認可を受けて解散した株式会社たる金融機関(以下解散金融機関といふ。)の清算人は、
商法第419条に規定する財産目録及び貸借対照表を作成するについては、新勘定の資産及び負債に関するものを作成し、
同法第421条及び
第422条第1項の規定による債権申出の催告をするについては、新勘定に属する債務に対する債権(解散後旧勘定から移し換へられたものを除く。)を有する者に対してなせば足りる。
第54条
金融機関経理応急措置法第18条第2項の規定により中止された金融機関の財産に対する強制執行、仮差押え若しくは仮処分又は担保権の実行としての競売の手続は、その財産が新勘定に属するに至つたとき、又は新勘定及び旧勘定の区分が消滅したときは、その日からこれを続行する。ただし、新勘定及び旧勘定の区分の消滅前においては、その債権に関する債務の全部又は一部が旧勘定に属する間は、この限りでない。
第55条
1
金融機関の新勘定及び旧勘定の区分が消滅するまでは、その金融機関に対して破産の宣告、整理開始の命令又は和議開始の決定をなすことができない。
2
金融機関の新勘定について支払不能又は債務超過の事実が生じた場合における措置については、勅令の定めるところによる。
第56条
1
旧勘定に属する責任準備金に対応する生命保険金に関する保険契約(以下旧生命保険契約といふ。)につき指定時後払ひ込まれた保険料のうち、
第25条第4項の規定により債権の消滅した生命保険金の部分に対応するものについては、その保険契約をなした生命保険会社又は生命保険中央会(以下生命保険会社等といふ。)は、命令の定めるところにより、当該保険契約者との間に保険契約が現に存する場合においては、これを当該保険契約の保険料に充当するものとし、保険料に充当してなほ残額がある場合又は当該保険契約者との間に現に保険契約が存しない場合においては、これを当該保険契約者に返済しなければならない。
2
新勘定及び旧勘定の区分の消滅の日までに、旧生命保険契約について保険事故が発生した場合において、
金融機関経理応急措置法第24条第1項の規定により払ひ込むことを要しなかつた保険料で払ひ込まれなかつたものがあるときは、生命保険会社等は、命令の定めるところにより、その支払ふべき生命保険金の額からその保険料に相当する金額を控除した残額を、保険金受取人に交付する。
第57条
1
地方農業会、市街地信用組合その他命令で定める金融機関の会員(組合員その他これに準ずるものを含む。以下本条中同じ。)で出資の義務を有するもののうち、指定時までに出資をしてゐないもの及び指定時後出資の義務を有する会員となるものは、当該金融機関に新勘定及び旧勘定の区分が存する間に限り、命令の定めるところにより、出資の払込に代へ、これに相当する金額の保証金を払ひ込まなければならない。
2
前項の保証金の払込をなした者は、資金の貸付、施設の利用その他当該金融機関の会員の受ける利益に関する他の法令の規定の適用については、出資をなしたものとみなす。
3
前項に定めるものを除く外、
第1項の規定による保証金の払込をなした者に関し必要な事項は、命令でこれを定める。
第58条
金融機関で
閉鎖機関令第1条に規定する閉鎖機関の旧勘定の整理及びその者の債権又は債務の処理については、勅令で特別の定をなすことができる。
第59条
1
第25条第3項若しくは
第4項又は
第36条第2項若しくは
第3項の規定により、金融機関の整理債務又は指定債務の債権の全部又は一部が消滅した場合において、当該金融機関の発行に係る債券でその権利の一部が消滅したものの金額が他の法令の規定による当該債券の金額に満たないときは、当該金融機関は、その債券を併合する旨並びにその期日及び方法を公告し、他の法令の規定による金額にまでその債券を併合しなければならない。
2
前項の債券の併合は、当該債券の併合の期日において、その効力を生ずる。
3
第1項の場合においては、当該債券の権利の一部が消滅した日から
前項の規定により当該債券の併合がその効力を生ずる日までの間を限り、他の法令中当該債券の金額の制限に関する規定は、これを適用しない。
4
第1項の規定による併合に適しない債券があるときは、その併合に適しない部分については、これを消却することができる。
6
第1項、
第4項及び
前項の場合においては、社債権者集会の決議は、これを必要としない。
7
前六項に定めるものを除くの外、
第1項の場合において、当該金融機関の発行に係る債券その他命令で定める証券の引換その他の処理に関し必要な事項は、命令でこれを定める。
第60条
旧金融機関が、この法律の定めるところにより、新金融機関に対し、不動産その他の資産を譲渡する場合においては、その譲渡に関する証書及び帳簿に関しては、印紙税は、これを課さない。
第61条
この法律に規定する主務大臣の職権の一部は、命令の定めるところにより、これを地方官衙の長をして行はしめることができる。
第62条
金融機関経理応急措置法及びこの法律に規定するものの外、戦時補償の特別処理等に伴ひ金融機関に生ずべき損失の処理及び金融機関の再建整備に関し必要な事項は、命令でこれを定める。
第63条
左の場合においては、その行為をなした金融機関の代表者、代理人、使用人その他の従業者は、これを三年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
⑤
第27条第1項(
第30条第2項において準用する場合を含む。)の規定に違反して最終処理方法書の認可の申請を怠り、又は虚偽の記載をなした最終処理方法書を提出して認可の申請をなしたとき
⑥
第27条第2項(
第30条第2項において準用する場合を含む。)の規定に違反して監査委員の承認を受けることを怠り、又は虚偽の記載をなした最終処理方法書につき監査委員の承認を受けたとき
⑦
第29条(
第30条第2項において準用する場合を含む。)の規定に違反して最終処理方法書に定めるところによる旧勘定の最終処理を行はないとき
⑨
第37条の2の規定による利益金の処分を怠り又は
同条の規定に違反してその処分をなしたとき
⑫
第38条の4の規定による経理を怠り、又は
同条の規定に違反してその経理をなしたとき
第63条の2
第37条の10の規定に違反した者は、これを三年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
第64条
1
監査委員及び債権者審査会の審査人がその職務に関して、賄賂を収受し、要求し、又は約束したときは、これを三年以下の懲役又は三千円以下の罰金に処する。
2
前項の賄賂を供与し、又はその申込若しくは約束をなした者もまた
前項に同じ。
3
犯人又は情を知る第三者の収受した賄賂は、これを没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第65条
左の場合においては、その行為をなした金融機関の代表者、代理人、使用人その他の従業者は、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
①
第6条の規定に違反して財産目録、貸借対照表若しくは資産及び負債の明細書の提出を怠り、又は虚偽の記載をなした財産目録、貸借対照表若しくは資産及び負債の明細書を提出したとき
②
第8条第2項又は
第21条の規定に違反して財産目録、貸借対照表若しくは損益の計算書の提出を怠り、又は虚偽の記載をなした財産目録、貸借対照表若しくは損益の計算書を提出したとき
第66条
第50条第2項の規定による命令に違反して職務の執行を停止しない者は、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
第67条
第51条第2項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
第68条
第59条の規定による命令に違反した者は、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
第69条
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、
第63条、
第63条の2、
第65条又は
前条の違反行為をなしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。
第70条
左の場合においては、金融機関の理事機関は、これを五千円以下の過料に処する。
③
第28条第1項の規定に違反して公告を怠り、書類を備へ置かず、若しくは虚偽の記載をなした書類を備へ置き、又は
同条第2項の規定に違反して正当の事由なくして書類の閲覧を拒んだとき
⑦
第41条第1項の規定による命令に違反して事業の譲渡又は保険契約の移転に必要な手続をなさなかつたとき
⑧
第41条第2項の規定による命令に違反して合併若しくは資本の増加、事業の譲渡又は保険契約の移転に必要な手続をなさなかつたとき
⑪
第48条第2項の規定による報告を怠り、若しくは虚偽の報告をなし、又は
同項に規定する調査を妨げたとき
別表
【一】
表示通貨単位名 | 換算率(本邦通貨1円に対する金額) |
円(満州中央銀行券) | | 1円 |
円(中国連合準備銀行券) | 表示金額のうち330,000円以下の部分 | 11円 |
表示金額のうち330,000円をこえ750,000円以下の部分 | 21円 |
表示金額のうち750,000円をこえる部分 | 51円 |
円(中央儲備銀行券) | 表示金額のうち1,830,000円以下の部分 | 61円 |
表示金額のうち1,830,000円をこえ4,170,000円以下の部分 | 117円 |
表示金額のうち4,170,000円をこえる部分 | 394円 |
円(昭和十二年軍用手票) | | 10円 |
グルデン(外貨表示軍用手票又は南方開発金庫券) | | 1グルデン |
別表
【二) 債権(債務者たる金融機関の在外負債として経理されるものを除く。】
在外店舗所在地域 | 表示通貨単位名 | 換算率(本邦通貨1円に対する金額) |
朝鮮 | 円 | 1.5円 |
台湾 | 円 | 1.5円 |
樺太 | 円 | 1円 |
琉球 | 円 | 1円 |
関東州 | 円 | 1.6円 |
華中 | 円(中国連合準備銀行券) | 100円 |
円(中央儲備銀行券) | 2,400円 |
円(昭和十二年軍用手票) | 10円 |
ジヤワ | グルデン(外貨表示軍用手票又は南方開発金庫券) | 6グルデン |
附則
2
戦時補償特別措置法第十五条第二項、第十九条第二項、第三十六条第二項又は第三十八条第二項の規定により金融機関が戦時補償特別税として徴収した金銭(証券を以て徴収した場合における証券を含む。)及びその徴収した戦時補償特別税を政府に納付すべき義務、同法第三十四条の規定により納税義務者に代位して戦時補償特別税を納付すべき義務並びに同法第四十一条、第四十二条又は第五十三条の規定により求償をなす権利及び求償に応じて履行をなすべき債務その他命令で定める財産上の権利及び義務は、金融機関経理応急措置法第九条第二項の規定にかかはらず、当該金融機関の旧勘定に属する。
3
第二十五条の十五の規定の適用については、有価証券業取締法第一条に規定する有価証券業を営む者は、証券取引法第十五条の規定の施行されるまでの間は、これを第二十五条の十五第一項但書第二号に規定する者とみなす。
附則
昭和23年3月27日
この政令は、公布の日から、これを施行する。但し、金融機関再建整備法第二十五条の二乃至第二十五条の七、第二十五条の十九、第二十六条の三及び第四十三条の二の改正規定は、昭和二十三年一月一日から、これを適用する。
附則
昭和23年7月21日
第1条
この法律は、公布の日から、これを施行する。但し、金融機関再建整備法第二十五条の三、第三十三条、第三十四条、第三十七条、第三十七条の七から第三十七条の九まで及び第四十六条の改正規定は、昭和二十三年四月一日から、これを適用する。
第2条
この法律施行前になした行為に対する罰則の適用については、なお、従前の例による。
附則
昭和29年5月15日
2
金融機関再建整備法の規定による調整勘定を設けなかつた金融機関のうち、同法第二十五条第一項第三号の規定により資本を減少したものは、この法律の施行の日の属する事業年度の決算において、前に旧勘定に属した資産及び負債について、新勘定及び旧勘定の区分の消滅した日の翌日からこの法律の施行の日までに生じた利益金及び損失金(金融機関再建整備法第三十七条第一項第一号又は第四号に規定する利益金及び損失金をいう。次項において同じ。)を計算し、その差益に相当する金額を限度として、同法第二十五条第一項の規定により株主として確定損を負担した者に対し、同法第三十七条の三第二項の規定に準じて計算した金額を支払わなければならない。
3
金融機関再建整備法の規定による調整勘定を設けた金融機関のうち、この法律の施行前に金融機関再建整備法第三十七条の二第一項第五号の規定する金額の全額まで分配してその調整勘定を閉鎖したものは、この法律の施行の日の属する事業年度の決算において、改正前の金融機関再建整備法第三十七条の三第二項の規定により法定準備金に併せられた金額と、前に旧勘定に属した資産及び負債について、調整勘定を閉鎖した日からこの法律の施行の日までに生じた利益金及び損失金を計算した場合の差益に相当する金額との合計額を限度として、金融機関再建整備法第二十五条第一項の規定により株主として確定損を負担した者に対し、同法第三十七条の三第二項の規定に準じて計算した金額を支払わなければならない。
4
金融機関再建整備法第三十七条の三第三項の規定は、前二項の規定による支払について準用する。
5
金融機関再建整備法第三十七条の七第三項の規定は、第二項又は第三項の規定による支払金額のうち利息に相当する金額を除く部分について、同法第三十七条の七第四項の規定は、第二項又は第三項の規定による支払金額のうち利息に相当する金額について、それぞれ準用する。
6
金融機関再建整備法の規定による調整勘定を設けている金融機関は、前に旧勘定に属した資産で資産再評価法による再評価を行つた後、この法律の施行前に処分したものにつき、この法律の施行の日の属する事業年度の決算において、改正後の金融機関再建整備法第三十七条の規定により調整勘定で経理すべき処分益を再計算しなければならない。
7
左の場合には、その行為をした金融機関の代表者、代理人、使用人その他の従業者は、三年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
10
農林漁業組合再建整備法に基く再建整備又は農林漁業組合連合会整備促進法に基く整備を行つている農業協同組合及び農業協同組合連合会並びに当該農業協同組合連合会の構成員たる農業協同組合及び農業協同組合連合会に対する金融機関再建整備法第三十七条及び資産再評価法第百十一条の規定の適用については、この法律によるこれらの規定の改正にかかわらず、なお従前の例による。
附則
昭和40年3月31日
第5条
(その他の法令の一部改正に伴う経過規定の原則)
第二章の規定による改正後の法令の規定は、別段の定めがあるものを除き、昭和四十年分以後の所得税又はこれらの法令の規定に規定する法人の施行日以後に終了する事業年度分の法人税について適用し、昭和三十九年分以前の所得税又は当該法人の同日前に終了した事業年度分の法人税については、なお、従前の例による。
附則
昭和54年3月30日
1
この法律は、民事執行法の施行の日(昭和五十五年十月一日)から施行する。
2
この法律の施行前に申し立てられた民事執行、企業担保権の実行及び破産の事件については、なお従前の例による。
3
前項の事件に関し執行官が受ける手数料及び支払又は償還を受ける費用の額については、同項の規定にかかわらず、最高裁判所規則の定めるところによる。
附則
昭和63年12月30日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成7年6月7日
第6条
(罰則の適用に関する経過措置)
施行日前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係る施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第7条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成11年12月22日
第1条
(施行期日)
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成14年6月12日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十五年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第84条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第85条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第86条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において新社債等振替法、金融商品取引法の施行状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、新社債等振替法第二条第十一項に規定する加入者保護信託、金融商品取引法第二条第二十九項に規定する金融商品取引清算機関に係る制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成15年5月30日
第38条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第39条
(その他の経過措置の政令への委任)
この法律に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
第40条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、この法律による改正後の金融諸制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成17年10月21日
第1条
(施行期日)
この法律は、郵政民営化法の施行の日から施行する。ただし、第六十二条中租税特別措置法第八十四条の五の見出しの改正規定及び同条に一項を加える改正規定、第百二十四条中証券決済制度等の改革による証券市場の整備のための関係法律の整備等に関する法律附則第一条第二号の改正規定及び同法附則第八十五条を同法附則第八十六条とし、同法附則第八十二条から第八十四条までを一条ずつ繰り下げ、同法附則第八十一条の次に一条を加える改正規定並びに附則第三十条、第三十一条、第三十四条、第六十条第十二項、第六十六条第一項、第六十七条及び第九十三条第二項の規定は、郵政民営化法附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日から施行する。
第117条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為、この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為、この法律の施行後附則第九条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便為替法第三十八条の八(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第十三条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替法第七十条(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第二十七条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替預り金寄附委託法第八条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第三十九条第二項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第四十二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十一条及び第七十二条(第十五号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為並びに附則第二条第二項の規定の適用がある場合における郵政民営化法第百四条に規定する郵便貯金銀行に係る特定日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。