地域公共交通の活性化及び再生に関する法律
平成25年6月14日 改正
第1条
【目的】
この法律は、近年における急速な少子高齢化の進展、移動のための交通手段に関する利用者の選好の変化により地域公共交通の維持に困難を生じていること等の社会経済情勢の変化に対応し、地域住民の自立した日常生活及び社会生活の確保、活力ある都市活動の実現、観光その他の地域間の交流の促進並びに交通に係る環境への負荷の低減を図る観点から地域公共交通の活性化及び再生を推進することが重要となっていることにかんがみ、市町村による地域公共交通総合連携計画の作成及び地域公共交通特定事業の実施に関する措置並びに新地域旅客運送事業の円滑化を図るための措置について定めることにより、地域公共交通の活性化及び再生のための地域における主体的な取組及び創意工夫を総合的、一体的かつ効率的に推進し、もって個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現に寄与することを目的とする。
第2条
【定義】
この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
②
公共交通事業者等 次に掲げる者をいう。
ホ
海上運送法第2条第5項に規定する一般旅客定期航路事業(本邦の港と本邦以外の地域の港との間又は本邦以外の地域の各港間に航路を定めて行うものを除く。以下「国内一般旅客定期航路事業」という。)、同法第19条の6の2に規定する人の運送をする貨物定期航路事業(本邦の港と本邦以外の地域の港との間又は本邦以外の地域の各港間に航路を定めて行うものを除く。)及び同法第20条第2項に規定する人の運送をする不定期航路事業(乗合旅客の運送をするものに限り、本邦の港と本邦以外の地域の港との間又は本邦以外の地域の各港間におけるものを除く。)(以下これらを「国内一般旅客定期航路事業等」と総称する。)を営む者
⑥
軌道運送高度化事業軌道法による軌道事業(旅客の運送を行うものに限る。以下「旅客軌道事業」という。)であって、より優れた加速及び減速の性能を有する車両を用いることその他の国土交通省令で定める措置を講ずることにより、定時性の確保(設定された発着時刻に従って運行することをいう。以下同じ。)、速達性の向上(目的地に到達するまでに要する時間を短縮することをいう。以下同じ。)、快適性の確保その他の国土交通省令で定める運送サービスの質の向上を図り、もって地域公共交通の活性化に資するものをいう。
⑦
道路運送高度化事業道路運送法による一般乗合旅客自動車運送事業(以下単に「一般乗合旅客自動車運送事業」という。)であって、道路管理者、都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)その他国土交通省令で定める者が講ずる道路交通の円滑化に資する措置と併せてより大型の自動車を用いることその他の国土交通省令で定める措置を講ずることにより、定時性の確保、速達性の向上、快適性の確保その他の国土交通省令で定める運送サービスの質の向上を図り、もって地域公共交通の活性化に資するものをいう。
⑧
海上運送高度化事業 国内一般旅客定期航路事業等であって、より優れた加速及び減速の性能を有する船舶を用いることその他の国土交通省令で定める措置を講ずることにより、定時性の確保、速達性の向上、快適性の確保その他の国土交通省令で定める運送サービスの質の向上を図り、もって地域公共交通の活性化に資するものをいう。
⑨の2
鉄道事業再構築事業 最近における経営状況にかんがみ、その継続が困難となり、又は困難となるおそれがあると認められる旅客鉄道事業(鉄道事業法による鉄道事業のうち旅客の運送を行うもの及び旅客の運送を行う鉄道事業者に鉄道施設を譲渡し、又は使用させるものをいう。以下同じ。)について、経営の改善を図るとともに、市町村その他の者の支援を受けつつ、次に掲げる事業構造の変更を行うことにより、当該旅客鉄道事業に係る路線における輸送の維持を図るための事業(鉄道再生事業に該当するものを除く。)をいう。
⑪
地域公共交通一体型路外駐車場整備事業駐車場法第3条の駐車場整備地区内に整備されるべき同法第4条第2項第5号の主要な路外駐車場(都市計画において定められた路外駐車場を除く。)の整備を行う事業であって、軌道運送高度化事業又は道路運送高度化事業と一体となって地域公共交通の活性化に資するものをいう。
第4条
【国等の努力義務】
第5条
【地域公共交通総合連携計画】
1
市町村は、基本方針に基づき、国土交通省令で定めるところにより、単独で又は共同して、当該市町村の区域内について、地域公共交通の活性化及び再生を総合的かつ一体的に推進するための計画(以下「地域公共交通総合連携計画」という。)を作成することができる。
4
地域公共交通総合連携計画は、都市計画、都市計画法第18条の2の市町村の都市計画に関する基本的な方針、中心市街地の活性化に関する法律第9条の中心市街地の活性化に関する施策を総合的かつ一体的に推進するための基本的な計画及び高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第25条の移動等円滑化に係る事業の重点的かつ一体的な推進に関する基本的な構想との調和が保たれたものでなければならない。
第6条
【協議会】
1
地域公共交通総合連携計画を作成しようとする市町村は、地域公共交通総合連携計画の作成に関する協議及び地域公共交通総合連携計画の実施に係る連絡調整を行うための協議会(以下「協議会」という。)を組織することができる。
⊟
参照条文
第7条
【地域公共交通総合連携計画の作成等の提案】
2
前項の規定による提案を受けた市町村は、当該提案に基づき地域公共交通総合連携計画の作成又は変更をするか否かについて、遅滞なく、公表しなければならない。この場合において、地域公共交通総合連携計画の作成又は変更をしないこととするときは、その理由を明らかにしなければならない。
第8条
【軌道運送高度化事業の実施】
4
軌道運送高度化事業を実施しようとする者は、軌道運送高度化実施計画に第2項第6号に掲げる事項を定めようとするときは、あらかじめ、当該事項について、関係する市町村に協議し、その同意を得なければならない。
⊟
参照条文
第9条
【軌道運送高度化実施計画の認定】
2
前項の規定による認定の申請は、関係する市町村を経由して行わなければならない。この場合において、関係する市町村は、当該軌道運送高度化実施計画を検討し、意見があるときは当該意見を付して、国土交通大臣に送付するものとする。
第10条
【軌道法の特例】
3
国土交通大臣は、軌道整備事業又は軌道運送事業について特許がその効力を失い、又は取り消されたときは、当該特許がその効力を失い、若しくは取り消された軌道整備事業に係る軌道運送事業又は当該特許がその効力を失い、若しくは取り消された軌道運送事業に係る軌道整備事業の特許を取り消すことができる。
⊟
参照条文
第11条
【路外駐車場の整備等】
1
市町村は、軌道運送高度化実施計画において、地域公共交通一体型路外駐車場整備事業に関する事項が定められた場合であって、第9条第5項(同条第7項において準用する場合を含む。)の通知を受けたときは、駐車場法第4条第1項の駐車場整備計画において、当該地域公共交通一体型路外駐車場整備事業に関する事項の内容に即して、おおむねその位置、規模、整備主体及び整備の目標年次を定めた路外駐車場の整備に関する事業の計画の概要を定めることができる。
2
市町村は、前項の規定により駐車場整備計画に都市公園法第2条第1項の都市公園の地下に設けられる路外駐車場の整備に関する事業の計画の概要(以下「特定駐車場事業概要」という。)を定めようとする場合には、当該特定駐車場事業概要について、あらかじめ、公園管理者(同法第5条第1項の公園管理者をいう。以下同じ。)の同意を得なければならない。
第13条
【道路運送高度化事業の実施】
4
道路運送高度化事業を実施しようとする者は、道路運送高度化実施計画に第2項第6号に掲げる事項を定めようとするときは、あらかじめ、当該事項について、関係する市町村に協議し、その同意を得なければならない。
第14条
【道路運送高度化実施計画の認定】
2
前項の規定による認定の申請は、関係する市町村を経由して行わなければならない。この場合において、関係する市町村は、当該道路運送高度化実施計画を検討し、意見があるときは当該意見を付して、国土交通大臣に送付するものとする。
4
国土交通大臣は、前項の認定をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより関係する道路管理者に、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより関係する公安委員会に、それぞれ意見を聴くものとする。ただし、道路管理者の意見を聴く必要がないものとして国土交通省令で定める場合、又は公安委員会の意見を聴く必要がないものとして国土交通省令・内閣府令で定める場合は、この限りでない。
第16条
【路外駐車場の整備等】
1
市町村は、道路運送高度化実施計画において、地域公共交通一体型路外駐車場整備事業に関する事項が定められた場合であって、第14条第5項(同条第7項において準用する場合を含む。)の通知を受けたときは、駐車場法第4条第1項の駐車場整備計画において、当該地域公共交通一体型路外駐車場整備事業に関する事項の内容に即して、おおむねその位置、規模、整備主体及び整備の目標年次を定めた路外駐車場の整備に関する事業の計画の概要を定めることができる。
3
特定駐車場事業概要が定められた駐車場整備計画の駐車場法第4条第4項の規定による公表の日から二年以内に当該特定駐車場事業概要に基づき都市公園の地下の占用の許可の申請があった場合においては、当該占用が都市公園法第7条の規定に基づく政令で定める技術的基準に適合する限り、公園管理者は、同法第6条第1項又は第3項の許可を与えるものとする。
⊟
参照条文
第18条
【海上運送高度化事業の実施】
1
地域公共交通総合連携計画において、海上運送高度化事業に関する事項が定められたときは、海上運送高度化事業を実施しようとする者は、単独で又は共同して、当該地域公共交通総合連携計画に即して海上運送高度化事業を実施するための計画(以下「海上運送高度化実施計画」という。)を作成し、これに基づき、当該海上運送高度化事業を実施するものとする。
第19条
【海上運送高度化実施計画の認定】
2
前項の規定による認定の申請は、関係する市町村を経由して行わなければならない。この場合において、関係する市町村は、当該海上運送高度化実施計画を検討し、意見があるときは当該意見を付して、国土交通大臣に送付するものとする。
⊟
参照条文
第20条
【海上運送法の特例】
海上運送高度化事業を実施しようとする者がその海上運送高度化実施計画について前条第3項(同条第6項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の認定を受けたときは、当該海上運送高度化実施計画に定められた海上運送高度化事業のうち、海上運送法第3条第1項の許可若しくは同法第11条第1項の認可を受け、又は同条第3項、同法第19条の5第1項若しくは第20条第2項の規定による届出をしなければならないものについては、これらの規定により許可若しくは認可を受け、又は届出をしたものとみなす。この場合において、同法第19条の5第1項又は第20条第2項の規定による届出をしたものとみなされた事業については、これらの規定にかかわらず、前条第3項の認定を受けた日から開始することができる。
⊟
参照条文
第21条
【乗継円滑化事業の実施】
1
地域公共交通総合連携計画において、乗継円滑化事業に関する事項が定められたときは、乗継円滑化事業を実施しようとする者は、単独で又は共同して、当該地域公共交通総合連携計画に即して乗継円滑化事業を実施するための計画(以下「乗継円滑化実施計画」という。)を作成し、これに基づき、当該乗継円滑化事業を実施するものとする。
第22条
【乗継円滑化実施計画の認定】
2
前項の規定による認定の申請は、関係する市町村を経由して行わなければならない。この場合において、関係する市町村は、当該乗継円滑化実施計画を検討し、意見があるときは当該意見を付して、国土交通大臣に送付するものとする。
4
国土交通大臣は、前項の認定をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより関係する道路管理者に、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより関係する公安委員会に、それぞれ意見を聴くものとする。ただし、道路管理者の意見を聴く必要がないものとして国土交通省令で定める場合、又は公安委員会の意見を聴く必要がないものとして国土交通省令・内閣府令で定める場合は、この限りでない。
第23条
【道路運送法の特例】
1
乗継円滑化事業を実施しようとする者がその乗継円滑化実施計画について前条第3項(同条第7項において準用する場合を含む。以下同じ。)の認定を受けたときは、当該乗継円滑化実施計画に定められた乗継円滑化事業のうち、道路運送法第15条第1項の認可を受け、又は同条第3項若しくは第4項の規定による届出をしなければならないものについては、これらの規定により認可を受け、又は届出をしたものとみなす。
2
乗継円滑化事業を実施しようとする者がその乗継円滑化実施計画であって国土交通省令で定める運行計画の改善に関する事項が定められたものについて前条第3項の認定を受けた場合において、当該乗継円滑化実施計画に定められた運行計画の変更について道路運送法第15条の3第2項の規定による届出をしなければならないときは、同項の規定にかかわらず、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出ることをもって足りる。
第24条
【海上運送法の特例】
1
乗継円滑化事業を実施しようとする者がその乗継円滑化実施計画について第22条第3項の認定を受けたときは、当該乗継円滑化実施計画に定められた乗継円滑化事業のうち、海上運送法第11条第1項の認可を受け、又は同条第3項、同法第19条の5第1項後段若しくは第20条第2項後段の規定による届出をしなければならないものについては、これらの規定により認可を受け、又は届出をしたものとみなす。この場合において、同法第19条の5第1項後段又は第20条第2項後段の規定による届出をしたものとみなされた事業については、これらの規定にかかわらず、第22条第3項の認定を受けた日から開始することができる。
2
乗継円滑化事業を実施しようとする者がその乗継円滑化実施計画であって国土交通省令で定める運行計画の改善に関する事項が定められたものについて第22条第3項の認定を受けた場合において、当該乗継円滑化実施計画に定められた船舶運航計画の変更について海上運送法第11条の2第2項の認可を受け、又は同条第1項若しくは同法第19条の5第1項後段の規定による届出をしなければならないときは、これらの規定にかかわらず、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出ることをもって足りる。
第25条
【共通乗車船券】
1
乗継円滑化事業を実施しようとする者がその乗継円滑化実施計画について第22条第3項の認定を受けた場合において、当該乗継円滑化実施計画に定められた乗継円滑化事業として発行する共通乗車船券に係る運賃又は料金の割引を行おうとするときは、国土交通省令で定めるところにより、共同で、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出ることができる。
⊟
参照条文
第25条の2
【鉄道事業再構築事業の実施】
第25条の3
【鉄道事業再構築実施計画の認定】
2
国土交通大臣は、前項の規定による認定の申請があった場合において、その鉄道事業再構築実施計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
④
鉄道事業再構築実施計画に定められた事業のうち、鉄道事業法第3条第1項の許可又は同法第26条第1項若しくは第2項の認可を受けなければならないものについては、当該事業を実施しようとする者が同法第6条各号のいずれにも該当しないこと。
3
国土交通大臣は、地方公共団体が経営する鉄道事業法第2条第4項に規定する第三種鉄道事業に該当する事業(鉄道線路を同条第3項に規定する第二種鉄道事業を経営する者に無償で使用させるものに限る。)が定められた鉄道事業再構築実施計画について前項の認定をしようとするときは、当該第三種鉄道事業に該当する事業について、同項第3号イの規定にかかわらず、同法第5条第1項第2号から第4号までに掲げる基準に適合するかどうかを審査して、これをすることができる。
⊟
参照条文
第25条の4
【鉄道事業法の特例】
2
認定鉄道事業再構築実施計画に定められた鉄道事業再構築事業を実施するために、当該鉄道事業再構築事業に係る従前の旅客鉄道事業について廃止をすることが必要となる場合においては、鉄道事業法第28条の2第1項の規定にかかわらず、廃止届出をすることを要しない。
第26条
【鉄道再生事業の実施】
1
地域公共交通総合連携計画において、鉄道再生事業に関する事項が定められたときは、当該地域公共交通総合連携計画を作成した市町村、廃止届出がされた鉄道事業を経営する鉄道事業者及び国土交通省令で定める者は、その全員の合意により、当該地域公共交通総合連携計画に即して鉄道再生事業を実施するための計画(以下「鉄道再生実施計画」という。)を作成し、これに基づき、当該鉄道再生事業を実施するものとする。
⊟
参照条文
第27条
【鉄道事業法の特例】
2
前条第3項の規定による届出をした鉄道事業者は、当該届出に係る鉄道事業について廃止の日を繰り下げる旨を国土交通大臣に届け出ることができる。この場合においては、当該届出をした後の廃止の日を定めることを要しない。
3
前項の規定による届出をした鉄道事業者は、廃止届出をした日から一年を経過した後に前条第1項の合意がなされていない場合において、前項の規定による届出に係る鉄道事業の全部又は一部を廃止しようとするときは、鉄道事業法第28条の2第1項の規定にかかわらず、廃止の日の一月前までに、その旨を国土交通大臣に届け出ることをもって足りる。
4
前条第1項に規定する者が同条第4項の規定による届出をしたときは、当該届出に係る鉄道再生実施計画に定められた鉄道再生事業のうち、鉄道事業法第7条第3項又は第16条第3項後段若しくは第4項後段の規定による届出をしなければならないものについては、これらの規定により届出をしたものとみなす。
第28条
【認定軌道運送高度化事業等の実施に係る命令等】
1
市町村は、地域公共交通総合連携計画に定められた軌道運送高度化事業、道路運送高度化事業、海上運送高度化事業、乗継円滑化事業又は鉄道事業再構築事業(以下この項において「軌道運送高度化事業等」と総称する。)が実施されていないと認めるときは、当該軌道運送高度化事業等を実施すべき者に対し、その実施を要請することができる。
2
市町村は、認定軌道運送高度化実施計画に定められた軌道運送高度化事業、認定道路運送高度化実施計画に定められた道路運送高度化事業、認定海上運送高度化実施計画に定められた海上運送高度化事業、認定乗継円滑化実施計画に定められた乗継円滑化事業又は認定鉄道事業再構築実施計画に定められた鉄道事業再構築事業(以下「認定軌道運送高度化事業等」と総称する。)について、前項の規定による要請を受けた者が当該要請に応じないときは、その旨を国土交通大臣に通知することができる。
4
国土交通大臣は、前項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置を講じない場合において、当該勧告を受けた者の事業について地域公共交通の活性化及び再生を阻害している事実があると認めるときは、当該勧告を受けた者に対し、当該勧告に係る措置を講ずるべきことを命ずることができる。
⊟
参照条文
第30条
【新地域旅客運送事業計画の認定】
1
新地域旅客運送事業を実施しようとする者(以下「新地域旅客運送事業者」という。)は、単独で又は共同して、その実施しようとする新地域旅客運送事業についての計画(以下「新地域旅客運送事業計画」という。)を作成し、これを国土交通大臣に提出して、その新地域旅客運送事業計画が地域公共交通の活性化及び再生を適切かつ確実に推進するために適当なものである旨の認定を申請することができる。
3
国土交通大臣は、第1項の規定による認定の申請があった場合において、その新地域旅客運送事業計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
③
新地域旅客運送事業計画に定められた事業のうち、旅客鉄道事業に該当するものについては、当該事業の内容が鉄道事業法第5条第1項各号に掲げる基準に適合し、かつ、新地域旅客運送事業者が同法第6条各号のいずれにも該当しないこと。
5
国土交通大臣は、第3項の認定をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより関係する道路管理者に、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより関係する公安委員会に、それぞれ意見を聴くものとする。ただし、道路管理者の意見を聴く必要がないものとして国土交通省令で定める場合、又は公安委員会の意見を聴く必要がないものとして国土交通省令・内閣府令で定める場合は、この限りでない。
第31条
【新地域旅客運送事業の運賃及び料金】
1
認定新地域旅客運送事業者は、単独で又は共同して、認定新地域旅客運送事業計画に定められた新地域旅客運送事業(以下「認定新地域旅客運送事業」という。)について、その一貫した運送サービスに係る旅客の運賃及び料金(以下「運賃等」という。)を定め、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも同様とする。
第32条
【鉄道事業法等の特例】
1
新地域旅客運送事業者がその新地域旅客運送事業計画について第30条第3項の認定を受けたときは、当該新地域旅客運送事業計画に定められた事業のうち、鉄道事業法第3条第1項の許可若しくは同法第7条第1項の認可を受け、又は同条第3項の規定による届出をしなければならないものについては、これらの規定により許可若しくは認可を受け、又は届出をしたものとみなす。
3
旅客鉄道事業を営む認定新地域旅客運送事業者がその運賃等について前条第1項の規定による届出をしたときは、運賃等のうち、鉄道事業法第16条第3項又は第4項の規定による届出をしなければならないものについては、これらの規定により届出をしたものとみなす。
4
旅客鉄道事業を営む認定新地域旅客運送事業者がその運賃等について前条第3項の規定による公示をしたときは、運賃等のうち、鉄道営業法第3条第1項の規定による公告をしなければならないものについては、同項の規定により公告をしたものとみなす。
第33条
【軌道法の特例】
3
旅客軌道事業を営む認定新地域旅客運送事業者がその運賃等について第31条第1項の規定による届出をしたときは、運賃等のうち、軌道法第11条第2項の規定による届出をしなければならないものについては、同項の規定により届出をしたものとみなす。
第34条
【道路運送法の特例】
1
新地域旅客運送事業者がその新地域旅客運送事業計画について第30条第3項の認定を受けたときは、当該新地域旅客運送事業計画に定められた事業のうち、道路運送法第4条第1項の許可若しくは同法第15条第1項の認可を受け、又は同条第3項若しくは第4項の規定による届出をしなければならないものについては、これらの規定により許可若しくは認可を受け、又は届出をしたものとみなす。
3
一般乗合旅客自動車運送事業を営む認定新地域旅客運送事業者がその運賃等について第31条第1項の規定による届出をしたときは、運賃等のうち、道路運送法第9条第3項又は第5項の規定による届出をしなければならないものについては、これらの規定により届出をしたものとみなす。
4
一般乗合旅客自動車運送事業を営む認定新地域旅客運送事業者がその運賃等について第31条第3項の規定による公示をしたときは、運賃等のうち、道路運送法第12条第1項又は第3項の規定による掲示をしなければならないものについては、これらの規定により掲示をしたものとみなす。
第35条
【海上運送法の特例】
1
新地域旅客運送事業者がその新地域旅客運送事業計画について第30条第3項の認定を受けたときは、当該新地域旅客運送事業計画に定められた事業のうち、海上運送法第3条第1項の許可若しくは同法第11条第1項の認可を受け、又は同条第3項、同法第19条の5第1項若しくは第20条第2項の規定による届出をしなければならないものについては、これらの規定により許可若しくは認可を受け、又は届出をしたものとみなす。この場合において、同法第19条の5第1項又は第20条第2項の規定による届出をしたものとみなされた事業については、これらの規定にかかわらず、第30条第3項の認定を受けた日から開始することができる。
2
国内一般旅客定期航路事業等を営む認定新地域旅客運送事業者がその認定新地域旅客運送事業計画の変更について第30条第7項において準用する同条第3項の認定を受けたときは、当該認定新地域旅客運送事業計画に定められた事業のうち、海上運送法第11条第1項若しくは第18条第1項、第2項若しくは第4項の認可を受け、又は同法第11条第3項、第15条第1項若しくは第2項、第19条の5第1項若しくは第2項若しくは第20条第2項若しくは第3項の規定による届出をしなければならないものについては、これらの規定により認可を受け、又は届出をしたものとみなす。この場合において、同法第19条の5第1項又は第20条第2項の規定による届出をしたものとみなされた事業については、これらの規定にかかわらず、第30条第7項において準用する同条第3項の認定を受けた日から開始することができる。
3
国内一般旅客定期航路事業を営む認定新地域旅客運送事業者がその運賃等について第31条第1項の規定による届出をしたときは、運賃等のうち、海上運送法第8条第1項の規定による届出をしなければならないものについては、同項の規定により届出をしたものとみなす。
4
国内一般旅客定期航路事業等を営む認定新地域旅客運送事業者がその運賃等について第31条第3項の規定による公示をしたときは、運賃等のうち、海上運送法第10条又は第19条の6の2(同法第20条の2第2項において準用する場合を含む。)の規定による公示をしなければならないものについては、これらの規定により公示をしたものとみなす。
第36条
【新地域旅客運送事業の円滑化についての配慮】
国土交通大臣は、認定新地域旅客運送事業についての鉄道営業法第1条、軌道法第14条、船舶安全法第2条第1項及び道路運送車両法第40条から第42条までの規定に基づく命令で定める車両又は船舶に係る保安上の技術基準の作成及びその運用に当たっては、当該認定新地域旅客運送事業の実施が地域公共交通の活性化及び再生に資することにかんがみ、当該認定新地域旅客運送事業に用いられる車両又は船舶の運行の安全の確保に支障のない範囲内において、当該認定新地域旅客運送事業の円滑化が図られるよう適切な配慮をするものとする。
第38条
【報告の徴収】
国土交通大臣は、この法律の施行に必要な限度において、認定軌道運送高度化事業等を実施する者又は認定新地域旅客運送事業者に対し、それぞれ認定軌道運送高度化事業等又は認定新地域旅客運送事業の実施状況について報告を求めることができる。
⊟
参照条文