平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法
平成25年6月21日 改正
第1条
【目的】
この法律は、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故(以下本則において単に「事故」という。)により当該原子力発電所から放出された放射性物質(以下「事故由来放射性物質」という。)による環境の汚染が生じていることに鑑み、事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関し、国、地方公共団体、原子力事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、国、地方公共団体、関係原子力事業者等が講ずべき措置について定めること等により、事故由来放射性物質による環境の汚染が人の健康又は生活環境に及ぼす影響を速やかに低減することを目的とする。
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参照条文
第2条
【定義】
3
この法律において「土壌等の除染等の措置」とは、事故由来放射性物質により汚染された土壌、草木、工作物等について講ずる当該汚染に係る土壌、落葉及び落枝、水路等に堆積した汚泥等の除去、当該汚染の拡散の防止その他の措置をいう。
6
この法律において「公共下水道」、「流域下水道」、「公共下水道管理者」、「発生汚泥等」及び「流域下水道管理者」の意義は、それぞれ下水道法第2条第3号及び第4号、第4条第1項、第21条の2第1項並びに第25条の3第1項に規定する当該用語の意義による。
第5条
【原子力事業者の責務】
第7条
1
環境大臣は、事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関する施策を適正に策定し、及び実施するため、最新の科学的知見に基づき、事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
第10条
【関係原子力事業者による協力措置】
1
関係原子力事業者は、この法律に基づく措置が的確かつ円滑に行われるようにするため、専門的知識及び技術を有する者の派遣、当該措置を行うために必要な放射線障害防護用器具その他の資材又は機材であって環境省令で定めるものの貸与その他必要な措置(以下「協力措置」という。)を講じなければならない。
2
国又は地方公共団体は、この法律に基づく措置が的確かつ円滑に行われるようにするため必要があると認めるときは、環境省令で定めるところにより、当該関係原子力事業者に対し、協力措置を講ずることを要請することができる。
4
環境大臣は、第2項の規定による要請を受けた関係原子力事業者が正当な理由がなくてその要請に係る協力措置を講じていないと認めるときは、当該要請を受けた関係原子力事業者に対し、当該協力措置を講ずべきことを勧告することができる。
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参照条文
第11条
【汚染廃棄物対策地域の指定】
第13条
【対策地域内廃棄物処理計画】
1
環境大臣は、汚染廃棄物対策地域を指定したときは、当該汚染廃棄物対策地域内にある廃棄物(当該廃棄物が当該汚染廃棄物対策地域外へ搬出された場合にあっては当該搬出された廃棄物を含み、環境省令で定めるものを除く。以下「対策地域内廃棄物」という。)の適正な処理を行うため、遅滞なく、対策地域内廃棄物の処理に関する計画(以下「対策地域内廃棄物処理計画」という。)を定めなければならない。
第16条
【水道施設等における廃棄物の調査】
1
次の各号に掲げる者は、環境省令で定めるところにより、当該各号に定める廃棄物の事故由来放射性物質による汚染の状況について、環境省令で定める方法により調査し、その結果を環境大臣に報告しなければならない。
②
公共下水道であって環境省令で定める要件に該当するものを管理する公共下水道管理者又は流域下水道であって環境省令で定める要件に該当するものを管理する流域下水道管理者 当該公共下水道又は当該流域下水道に係る発生汚泥等
④
第24条第1項に規定する特定一般廃棄物処理施設である焼却施設の設置者(市町村が廃棄物処理法第6条の2第1項の規定により一般廃棄物を処分するために設置する第24条第1項に規定する特定一般廃棄物処理施設である焼却施設にあっては、管理者)又は同条第2項に規定する特定産業廃棄物処理施設である焼却施設の設置者 当該焼却施設から生じたばいじん及び焼却灰その他の燃え殻
第18条
【特別な管理が必要な程度に事故由来放射性物質により汚染された廃棄物の指定の申請】
1
その占有する廃棄物の事故由来放射性物質による汚染の状況について調査した結果、当該廃棄物の事故由来放射性物質による汚染状態が環境省令で定める基準に適合しないと思料する者(関係原子力事業者を除く。)は、環境省令で定めるところにより、環境大臣に対し、当該廃棄物について前条第1項の規定による指定をすることを申請することができる。
4
環境大臣は、第1項の申請があった場合において、必要があると認めるときは、当該申請をした者に対し、申請に係る調査に関し報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、当該申請に係る廃棄物が保管されている場所に立ち入り、当該申請に係る調査の実施状況を検査させることができる。
第22条
廃棄物処理法第2条第1項の規定の適用については、当分の間、同項中「汚染された物」とあるのは、「汚染された物(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(以下「放射性物質汚染対処特措法」という。)第1条に規定する事故由来放射性物質によつて汚染された物(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律又は放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の規定に基づき廃棄される物、放射性物質汚染対処特措法第13条第1項に規定する対策地域内廃棄物、放射性物質汚染対処特措法第19条に規定する指定廃棄物その他環境省令で定める物を除く。)を除く。)」とする。
第23条
【特定一般廃棄物等の処理の基準】
1
前条の規定により読み替えて適用される廃棄物処理法第2条第1項に規定する廃棄物(一般廃棄物に該当するものに限る。)であって、事故由来放射性物質により汚染され、又はそのおそれがあるもの(環境省令で定めるものに限る。以下「特定一般廃棄物」という。)の処理を行う者(一般廃棄物処理基準(特別管理一般廃棄物にあっては、特別管理一般廃棄物処理基準)が適用される者に限る。)は、当該基準のほか、環境省令で定める基準に従い、特定一般廃棄物の処理を行わなければならない。
2
前条の規定により読み替えて適用される廃棄物処理法第2条第1項に規定する廃棄物(産業廃棄物に該当するものに限る。)であって、事故由来放射性物質により汚染され、又はそのおそれがあるもの(環境省令で定めるものに限る。以下「特定産業廃棄物」という。)の処理を行う者(産業廃棄物処理基準(特別管理産業廃棄物にあっては、特別管理産業廃棄物処理基準)が適用される者に限る。)は、当該基準のほか、環境省令で定める基準に従い、特定産業廃棄物の処理を行わなければならない。
3
特定一般廃棄物を輸出しようとする者に係る廃棄物処理法第10条の規定(この規定に係る罰則を含む。)の適用については、同条第1項第3号中「特別管理一般廃棄物処理基準)」とあるのは、「特別管理一般廃棄物処理基準)及び平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法第23条第1項の環境省令で定める基準」とする。
4
特定産業廃棄物を輸出しようとする者に係る廃棄物処理法第15条の4の7の規定(この規定に係る罰則を含む。)の適用については、同条第1項中「同条第1項第4号中「市町村」」とあるのは「同条第1項中「一般廃棄物」とあるのは「産業廃棄物」と、同項第3号中「一般廃棄物処理基準」とあるのは「産業廃棄物処理基準及び平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法第23条第2項の環境省令で定める基準(以下この号において「特別処理基準」という。)」と、「特別管理一般廃棄物」とあるのは「特別管理産業廃棄物」と、「特別管理一般廃棄物処理基準」とあるのは「特別管理産業廃棄物処理基準及び特別処理基準」と、同項第4号中「市町村」」と、「読み替えるほか、同条の規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める」とあるのは「、同条第2項第1号中「一般廃棄物」とあるのは「産業廃棄物」と読み替えるものとする」とする。
5
特定一般廃棄物又は特定産業廃棄物を焼却する場合に係る廃棄物処理法第16条の2の規定(この規定に係る罰則を含む。)の適用については、同条第1号中「特別管理産業廃棄物処理基準」とあるのは、「特別管理産業廃棄物処理基準及び平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法第23条第1項又は第2項の環境省令で定める基準」とする。
6
第1項に規定する者が特定一般廃棄物の処理を行う場合に係る廃棄物処理法第19条の3及び第19条の4の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用については、廃棄物処理法第19条の3第1号中「特別管理一般廃棄物処理基準)」とあるのは「特別管理一般廃棄物処理基準)又は平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法第23条第1項の環境省令で定める基準(第3号及び次条第1項において「特別処理基準」という。)」と、同条第3号中「特別管理一般廃棄物処理基準)」とあるのは「特別管理一般廃棄物処理基準)若しくは特別処理基準」と、廃棄物処理法第19条の4第1項中「特別管理一般廃棄物処理基準)」とあるのは「特別管理一般廃棄物処理基準)又は特別処理基準」とする。
7
第2項に規定する者が特定産業廃棄物の処理を行う場合に係る廃棄物処理法第19条の3及び第19条の5の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用については、廃棄物処理法第19条の3第2号中「産業廃棄物処理基準」とあるのは「産業廃棄物処理基準若しくは平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法第23条第2項の環境省令で定める基準(以下この条及び第19条の5第1項において「特別処理基準」という。)」と、「特別管理産業廃棄物処理基準」とあるのは「特別管理産業廃棄物処理基準若しくは特別処理基準」と、同条第3号中「特別管理産業廃棄物処理基準)」とあるのは「特別管理産業廃棄物処理基準)若しくは特別処理基準」と、廃棄物処理法第19条の5第1項中「産業廃棄物処理基準」とあるのは「産業廃棄物処理基準若しくは特別処理基準」と、「特別管理産業廃棄物処理基準」とあるのは「特別管理産業廃棄物処理基準若しくは特別処理基準」とする。
第24条
【特定一般廃棄物処理施設等の維持管理の基準】
1
一般廃棄物処理施設であって環境省令で定める要件に該当するもの(以下「特定一般廃棄物処理施設」という。)の設置者(市町村が廃棄物処理法第6条の2第1項の規定により一般廃棄物を処分するために設置する特定一般廃棄物処理施設にあっては、管理者。第3項において同じ。)は、当分の間、廃棄物処理法第8条の3第1項の環境省令で定める技術上の基準のほか、環境省令で定める技術上の基準に従い、当該特定一般廃棄物処理施設の維持管理をしなければならない。
2
産業廃棄物処理施設であって環境省令で定める要件に該当するもの(以下「特定産業廃棄物処理施設」という。)の設置者は、当分の間、廃棄物処理法第15条の2の3第1項の環境省令で定める技術上の基準のほか、環境省令で定める技術上の基準に従い、当該特定産業廃棄物処理施設の維持管理をしなければならない。
3
特定一般廃棄物処理施設の設置者が当該特定一般廃棄物処理施設の維持管理を行う場合に係る廃棄物処理法第9条の2第1項第1号及び第9条の3第10項の規定(廃棄物処理法第9条の2の規定に係る罰則を含む。)の適用については、これらの規定中「技術上の基準」とあるのは、「技術上の基準(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法第24条第1項の環境省令で定める技術上の基準を含む。)」とする。
4
特定産業廃棄物処理施設の設置者が当該特定産業廃棄物処理施設の維持管理を行う場合に係る廃棄物処理法第15条の2の7第1号の規定(この規定に係る罰則を含む。)の適用については、同号中「技術上の基準」とあるのは、「技術上の基準(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法第24条第2項の環境省令で定める技術上の基準を含む。)」とする。
第25条
【除染特別地域の指定】
第27条
【除染特別地域内の汚染の状況の調査測定】
3
国の行政機関の長は、事故由来放射性物質による環境の汚染の状況について調査測定をするため、必要があるときは、その必要の限度において、その職員に、土地又は工作物に立ち入り、土壌その他の物につき調査測定をさせ、又は調査測定のため必要な最小量に限り土壌その他の物を無償で収去させることができる。
4
国の行政機関の長は、その職員に前項の規定による立入り、調査測定又は収去をさせようとするときは、あらかじめ、土地又は工作物の所有者、管理者又は占有者(以下「所有者等」という。)にその旨を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、過失がなくて当該土地若しくは工作物の所有者等又はその所在が知れないときは、この限りでない。
第28条
【特別地域内除染実施計画】
1
環境大臣は、除染特別地域を指定したときは、当該除染特別地域について、除染等の措置等を総合的かつ計画的に講ずるため、当該除染特別地域に係る除染等の措置等の実施に関する計画(以下「特別地域内除染実施計画」という。)を定めなければならない。
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参照条文
第30条
【国による特別地域内除染実施計画に基づく除染等の措置等の実施】
2
特別地域内除染実施計画に基づく土壌等の除染等の措置は、関係人(土壌等の除染等の措置を実施しようとする土地又はこれに存する工作物、立木その他土地に定着する物件(以下「土地等」という。)に関し土壌等の除染等の措置の実施の妨げとなる権利を有する者をいう。以下同じ。)の同意を得て、実施しなければならない。
4
国は、特別地域内除染実施計画に基づく土壌等の除染等の措置を実施しようとする場合において、過失がなくて関係人又はその所在が知れないため、第2項の同意を得ることができないときは、当該土壌等の除染等の措置を実施する土地等、当該土壌等の除染等の措置の内容その他環境省令で定める事項を官報に掲載することができる。
第31条
【除染特別地域内の土地等に係る除去土壌等の保管】
1
国は、除染特別地域内の土地等に係る除去土壌等(除去土壌及び土壌等の除染等の措置に伴い生じた廃棄物をいう。以下同じ。)を、やむを得ず当該除去土壌等に係る土壌等の除染等の措置を実施した土地において保管する必要があると認めるときは、当分の間、当該土地の所有者等(これらの者から権利を承継した者又は権利の設定を受けて、新たに当該土地の所有者等となった者を含む。第5項並びに第39条第1項及び第7項において同じ。)に対し、当該土地において当該除去土壌等を保管させることができる。ただし、当該土地が警戒区域設定指示(事故に関して原子力災害対策特別措置法第15条第3項又は第20条第2項の規定により内閣総理大臣又は原子力災害対策本部長(同法第17条第1項に規定する原子力災害対策本部長をいう。)が市町村長に対して行った同法第27条の6第1項又は同法第28条第2項の規定により読み替えて適用される災害対策基本法第63条第1項の規定による警戒区域の設定を行うことの指示をいう。)の対象区域であること、過失がなくて当該土地の所有者等が知れないこと等により当該土地の所有者等に当該除去土壌等を保管させることが困難な場合には、国が、当該土地において当該除去土壌等を保管することができる。
2
国は、前項の規定により、土地の所有者等に当該土地等に係る除去土壌等を保管させ、又は自らが当該土地において除去土壌等を保管しようとするときは、あらかじめ、当該土地の所有者等にその旨を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、過失がなくて当該土地の所有者等又はその所在が知れないときは、この限りでない。
5
除染特別地域内の土地等に係る土壌等の除染等の措置に伴い生じた廃棄物(第22条の規定により読み替えて適用される廃棄物処理法第2条第1項に規定する廃棄物のうち産業廃棄物に該当するものに限る。)を当該土壌等の除染等の措置が実施された土地において当該土地の所有者等又は国が保管する場合には、廃棄物処理法第12条第2項(特別管理産業廃棄物にあっては、第12条の2第2項)の規定は、適用しない。
第32条
【汚染状況重点調査地域の指定】
1
環境大臣は、その地域及びその周辺の地域において検出された放射線量等からみて、その地域内の事故由来放射性物質による環境の汚染状態が環境省令で定める要件に適合しないと認められ、又はそのおそれが著しいと認められる場合には、その地域をその地域内の事故由来放射性物質による環境の汚染の状況について重点的に調査測定をすることが必要な地域(除染特別地域を除く。以下「汚染状況重点調査地域」という。)として指定するものとする。
5
都道府県知事又は市町村長は、当該都道府県又は市町村の区域内の一定の地域で第1項の環境省令で定める要件に適合しないと認められるものを、汚染状況重点調査地域として指定すべきことを環境大臣に対し要請することができる。
第34条
【汚染状況重点調査地域内の汚染の状況の調査測定】
1
都道府県知事又は政令で定める市町村の長(以下「都道府県知事等」という。)は、環境省令で定める方法により、汚染状況重点調査地域内の事故由来放射性物質による環境の汚染の状況について調査測定をすることができる。
3
都道府県知事等は、事故由来放射性物質による環境の汚染の状況について調査測定をするため、必要があるときは、その必要の限度において、その職員に、土地又は工作物に立ち入り、土壌その他の物につき調査測定をさせ、又は調査測定のため必要な最小量に限り土壌その他の物を無償で収去させることができる。
4
都道府県知事等は、その職員に前項の規定による立入り、調査測定又は収去をさせようとするときは、あらかじめ、土地又は工作物の所有者等にその旨を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、過失がなくて当該土地若しくは工作物の所有者等又はその所在が知れないときは、この限りでない。
第35条
【除染実施区域に係る除染等の措置等の実施者】
1
次条第1項に規定する除染実施計画の対象となる区域として当該除染実施計画に定められる区域(以下「除染実施区域」という。)内の土地であって次の各号に掲げるもの及びこれに存する工作物、立木その他土地に定着する物件に係る除染等の措置等は、当該各号に定める者が実施するものとする。
第36条
【除染実施計画】
1
都道府県知事等は、汚染状況重点調査地域内の区域であって、第34条第1項の規定による調査測定の結果その他の調査測定の結果により事故由来放射性物質による環境の汚染状態が環境省令で定める要件に適合しないと認めるものについて、除染等の措置等を総合的かつ計画的に講ずるため、当該都道府県又は市町村内の当該区域に係る除染等の措置等の実施に関する計画(以下「除染実施計画」という。)を定めるものとする。
3
都道府県知事等は、除染実施計画に定められるべき事項について調査審議するとともに、当該除染実施計画の効果的かつ円滑な実施を図るため、当該除染実施計画において除染等の措置等の実施者として定められることが見込まれる国、都道府県、市町村、前条第1項第4号の環境省令で定める者その他都道府県知事等が必要と認める者を含む者で組織される協議会を置くことができる。
4
都道府県知事等は、除染実施計画を定めようとするときは、あらかじめ、前項に規定する協議会を設置している場合にあってはその意見を、その他の場合にあっては当該除染実施計画において除染等の措置等の実施者として定められることが見込まれる者その他の関係者の意見を聴くとともに、環境大臣に協議しなければならない。
第38条
【除染実施計画に基づく除染等の措置等の実施】
4
国、都道府県又は市町村は、除染実施計画に基づく土壌等の除染等の措置を実施しようとする場合において、過失がなくて関係人又はその所在が知れないため、第2項の同意を得ることができないときは、当該土壌等の除染等の措置を実施する土地等、当該土壌等の除染等の措置の内容その他環境省令で定める事項を官報(都道府県又は市町村にあっては、当該都道府県又は市町村の公報)に掲載することができる。
第39条
【除染実施区域内の土地等に係る除去土壌等の保管】
1
除染実施者(国、都道府県又は市町村に限る。以下この項及び次項において同じ。)は、除染実施区域内の土地等に係る除去土壌等を、やむを得ず当該除去土壌等に係る土壌等の除染等の措置を実施した土地において保管する必要があると認めるときは、当分の間、当該土地の所有者等に対し、当該土地において当該除去土壌等を保管させることができる。ただし、過失がなくて当該土地の所有者等が知れないこと等により当該土地の所有者等に当該除去土壌等を保管させることが困難な場合には、当該除染実施者が、当該土地において当該除去土壌等を保管することができる。
2
除染実施者は、前項の規定により、土地の所有者等に当該土地等に係る除去土壌等を保管させ、又は自らが当該土地において除去土壌等を保管しようとするときは、あらかじめ、当該土地の所有者等にその旨を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、過失がなくて当該土地の所有者等又はその所在が知れないときは、この限りでない。
3
除染実施者は、除去土壌等を保管したとき、又は第1項の規定により土地の所有者等に除去土壌等を保管させたときは、遅滞なく、環境省令で定めるところにより、当該土壌等の除染等の措置を実施した土地等に係る除染実施計画を定めた都道府県知事等に当該除去土壌等を保管した土地の所在地及び保管の状態その他環境省令で定める事項を届け出なければならない。
7
除染実施区域内の土地等に係る土壌等の除染等の措置に伴い生じた廃棄物(第22条の規定により読み替えて適用される廃棄物処理法第2条第1項に規定する廃棄物のうち産業廃棄物に該当するものに限る。)を当該土壌等の除染等の措置が実施された土地において当該土地の所有者等又は除染実施者が保管する場合には、廃棄物処理法第12条第2項(特別管理産業廃棄物にあっては、第12条の2第2項)の規定は、適用しない。
第41条
【除去土壌の処理の基準等】
第44条
【この法律に基づく措置の費用負担】
1
事故由来放射性物質による環境の汚染に対処するためこの法律に基づき講ぜられる措置は、原子力損害の賠償に関する法律第3条第1項の規定により関係原子力事業者が賠償する責めに任ずべき損害に係るものとして、当該関係原子力事業者の負担の下に実施されるものとする。
第45条
【国の措置】
国は、第3条に規定する社会的な責任に鑑み、地方公共団体等が滞りなくこの法律に基づく措置を講ずることができ、かつ、当該措置に係る費用の支払が関係原子力事業者により円滑に行われるよう、必要な措置を講ずるものとする。
第47条
【特定廃棄物の焼却の禁止】
何人も、特定廃棄物を焼却してはならない。ただし、国、国の委託を受けて焼却を行う者その他環境省令で定める者が第20条の環境省令で定める基準に従って行う特定廃棄物の焼却については、この限りでない。
第48条
【業として行う汚染廃棄物等の処理の禁止】
2
国、都道府県、市町村、第35条第1項第4号の環境省令で定める者(国、都道府県、市町村又は同号の環境省令で定める者から委託を受けて除去土壌の収集、運搬、保管又は処分を行う者を含む。)その他環境省令で定める者以外の者は、除去土壌の収集、運搬(土壌等の除染等の措置が行われた土地外に搬出するものに限る。第60条第1項第4号において同じ。)、保管又は処分を業として行ってはならない。
第49条
【報告の徴収】
第50条
【立入検査】
1
環境大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、関係原子力事業者の事務所、事業場その他の場所に立ち入り、第10条第1項の規定により当該関係原子力事業者が講ずべき協力措置に関し、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3
環境大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、特定廃棄物の収集、運搬、保管若しくは処分を行った者その他の関係者の事務所、事業場、車両、船舶その他の場所に立ち入り、特定廃棄物の収集、運搬、保管若しくは処分に関し、帳簿書類その他の物件を検査させ、又は試験の用に供するのに必要な限度において特定廃棄物を無償で収去させることができる。
4
環境大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、除染特別地域に係る除染等の措置等を行った者その他の関係者の事務所、事業場、車両、船舶その他の場所に立ち入り、当該除染等の措置等に関し、帳簿書類その他の物件を検査させ、又は試験の用に供するのに必要な限度において除去土壌等を無償で収去させることができる。
第51条
【措置命令】
3
環境大臣又は除染実施計画を定めた都道府県知事等は、第40条第1項の環境省令で定める基準に適合しない除染特別地域又は除染実施区域に係る土壌等の除染等の措置が行われた場合において、適正な土壌等の除染等の措置を確保するため必要があると認めるときは、必要な限度において、次に掲げる者に対し、期限を定めて、当該土壌等の除染等の措置の方法の変更、適正な土壌等の除染等の措置その他必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
4
環境大臣又は除染実施計画を定めた都道府県知事等は、第41条第1項の環境省令で定める基準に適合しない除染特別地域又は除染実施区域に係る除去土壌の収集、運搬、保管又は処分が行われた場合において、除去土壌の適正な処理を確保するため必要があると認めるときは、必要な限度において、次に掲げる者に対し、期限を定めて、当該除去土壌の収集、運搬、保管又は処分の方法の変更、当該除去土壌の適正な処理のための措置その他必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
5
環境大臣又は除染実施計画を定めた都道府県知事等は、第41条第4項の環境省令で定める基準に適合しない除染特別地域内又は除染実施区域内の土地等に係る土壌等の除染等の措置に伴い生じた廃棄物(特定廃棄物を除く。)の保管が行われた場合において、当該廃棄物の適正な保管を確保するため必要があると認めるときは、必要な限度において、当該保管を行った者に対し、期限を定めて、当該廃棄物の適正な保管のための措置その他必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
第59条
【事務の区分】
第34条第1項から第4項まで、第35条第1項(第5号に係る部分に限る。)、第2項及び第3項(同条第1項第5号に係る部分に限る。)、第36条第1項、第4項(第37条第2項において準用する場合を含む。)及び第5項(第37条第2項において準用する場合を含む。)、第37条第1項、第38条第2項(第35条第1項第5号に係る土壌等の除染等の措置に係る部分に限る。)、第4項(第35条第1項第5号に係る土壌等の除染等の措置に係る部分に限る。)、第7項(第35条第1項第5号に係る土壌等の除染等の措置に係る部分に限る。)及び第8項、第39条第1項から第4項まで(第35条第1項第5号に掲げる土地における除去土壌等の保管に係る部分に限る。)及び第5項、第49条第5項、第50条第5項並びに第51条第3項、第4項及び第5項の規定により都道府県又は市町村が処理することとされている事務は、地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。
第63条
附則
第1条
(施行期日)
第2条
(準備行為)
第6条