原子力損害の賠償に関する法律
平成24年6月27日 改正
第2条
【定義】
2
この法律において「原子力損害」とは、核燃料物質の原子核分裂の過程の作用又は核燃料物質等の放射線の作用若しくは毒性的作用(これらを摂取し、又は吸入することにより人体に中毒及びその続発症を及ぼすものをいう。)により生じた損害をいう。ただし、次条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき原子力事業者の受けた損害を除く。
3
この法律において「原子力事業者」とは、次の各号に掲げる者(これらの者であつた者を含む。)をいう。
①
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「規制法」という。)第23条第1項の許可(規制法第76条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者(規制法第39条第5項の規定により試験研究用等原子炉設置者とみなされた者を含む。)
4
この法律において「原子炉」とは、原子力基本法第3条第4号に規定する原子炉をいい、「核燃料物質」とは、同法同条第2号に規定する核燃料物質(規制法第2条第10項に規定する使用済燃料を含む。)をいい、「加工」とは、規制法第2条第9項に規定する加工をいい、「再処理」とは、規制法第2条第10項に規定する再処理をいい、「使用済燃料の貯蔵」とは、規制法第43条の4第1項に規定する使用済燃料の貯蔵をいい、「核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物の廃棄」とは、規制法第51条の2第1項に規定する廃棄物埋設又は廃棄物管理をいい、「放射線」とは、原子力基本法第3条第5号に規定する放射線をいい、「原子力船」又は「外国原子力船」とは、規制法第23条の2第1項に規定する原子力船又は外国原子力船をいう。
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参照条文
第20条 環境省設置法第4条 環境省組織令第6条 原子力規制委員会設置法第4条 原子力基本法第3条の4 原子力災害対策特別措置法第2条 原子力損害の賠償に関する法律施行令第1条 原子力損害賠償支援機構法第1条 第38条 原子力損害賠償補償契約に関する法律第1条 東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律第11条 特別会計に関する法律施行令第51条 東日本大震災に係る原子力損害賠償紛争についての原子力損害賠償紛争審査会による和解仲介手続の利用に係る時効の中断の特例に関する法律第1条 東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第143条 東日本大震災復興特別区域法第80条 福島復興再生特別措置法第84条 平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律第2条
第3条
【無過失責任、責任の集中等】
1
原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。
2
前項の場合において、その損害が原子力事業者間の核燃料物質等の運搬により生じたものであるときは、当該原子力事業者間に特約がない限り、当該核燃料物質等の発送人である原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。
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参照条文
第2条 第4条 第5条 第7条 第16条 第17条 原子力損害賠償支援機構法第1条 第41条 東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律第11条 東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第143条 東日本大震災復興特別区域法第80条 福島復興再生特別措置法第84条 平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律第2条 平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律施行令第4条 平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法第44条
第7条
【損害賠償措置の内容】
1
損害賠償措置は、次条の規定の適用がある場合を除き、原子力損害賠償責任保険契約及び原子力損害賠償補償契約の締結若しくは供託であつて、その措置により、一工場若しくは一事業所当たり若しくは一原子力船当たり千二百億円(政令で定める原子炉の運転等については、千二百億円以内で政令で定める金額とする。以下「賠償措置額」という。)を原子力損害の賠償に充てることができるものとして文部科学大臣の承認を受けたもの又はこれらに相当する措置であつて文部科学大臣の承認を受けたものとする。
2
文部科学大臣は、原子力事業者が第3条の規定により原子力損害を賠償したことにより原子力損害の賠償に充てるべき金額が賠償措置額未満となつた場合において、原子力損害の賠償の履行を確保するため必要があると認めるときは、当該原子力事業者に対し、期限を指定し、これを賠償措置額にすることを命ずることができる。
第7条の2
1
原子力船を外国の水域に立ち入らせる場合の損害賠償措置は、原子力損害賠償責任保険契約及び原子力損害賠償補償契約の締結その他の措置であつて、当該原子力船に係る原子力事業者が原子力損害を賠償する責めに任ずべきものとして政府が当該外国政府と合意した額の原子力損害を賠償するに足りる措置として文部科学大臣の承認を受けたものとする。
第8条
【原子力損害賠償責任保険契約】
原子力損害賠償責任保険契約(以下「責任保険契約」という。)は、原子力事業者の原子力損害の賠償の責任が発生した場合において、一定の事由による原子力損害を原子力事業者が賠償することにより生ずる損失を保険者(保険業法第2条第4項に規定する損害保険会社又は同条第9項に規定する外国損害保険会社等で、責任保険の引受けを行う者に限る。以下同じ。)がうめることを約し、保険契約者が保険者に保険料を支払うことを約する契約とする。
第10条
【原子力損害賠償補償契約】
1
原子力損害賠償補償契約(以下「補償契約」という。)は、原子力事業者の原子力損害の賠償の責任が発生した場合において、責任保険契約その他の原子力損害を賠償するための措置によつてはうめることができない原子力損害を原子力事業者が賠償することにより生ずる損失を政府が補償することを約し、原子力事業者が補償料を納付することを約する契約とする。
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参照条文
第12条
【供託】
損害賠償措置としての供託は、原子力事業者の主たる事務所のもよりの法務局又は地方法務局に、金銭又は文部科学省令で定める有価証券(社債、株式等の振替に関する法律第278条第1項に規定する振替債を含む。以下この節において同じ。)によりするものとする。
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参照条文
第14条
【供託物の取りもどし】
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参照条文
第16条
【国の措置】
1
政府は、原子力損害が生じた場合において、原子力事業者(外国原子力船に係る原子力事業者を除く。)が第3条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき額が賠償措置額をこえ、かつ、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、原子力事業者に対し、原子力事業者が損害を賠償するために必要な援助を行なうものとする。
第18条
1
文部科学省に、原子力損害の賠償に関して紛争が生じた場合における和解の仲介及び当該紛争の当事者による自主的な解決に資する一般的な指針の策定に係る事務を行わせるため、政令の定めるところにより、原子力損害賠償紛争審査会(以下この条において「審査会」という。)を置くことができる。
第21条
【報告徴収及び立入検査】
1
文部科学大臣は、第6条の規定の実施を確保するため必要があると認めるときは、原子力事業者に対し必要な報告を求め、又はその職員に、原子力事業者の事務所若しくは工場若しくは事業所若しくは原子力船に立ち入り、その者の帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
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参照条文
附則
第3条
附則
平成11年7月16日
第3条
(職員の身分引継ぎ)
この法律の施行の際現に従前の総理府、法務省、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省又は自治省(以下この条において「従前の府省」という。)の職員(国家行政組織法第八条の審議会等の会長又は委員長及び委員、中央防災会議の委員、日本工業標準調査会の会長及び委員並びに これらに類する者として政令で定めるものを除く。)である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもって、この法律の施行後の内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省若しくは環境省(以下この条において「新府省」という。)又はこれに置かれる部局若しくは機関のうち、この法律の施行の際現に当該職員が属する従前の府省又はこれに置かれる部局若しくは機関の相当の新府省又はこれに置かれる部局若しくは機関として政令で定めるものの相当の職員となるものとする。