核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則
平成25年6月28日 改正
第1条
【定義】
この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
①
車両運搬 工場又は事業所の外における鉄道、軌道、索道、無軌条電車、自動車又は軽車両による運搬をいう。
②
簡易運搬 工場又は事業所の外における車両運搬以外の運搬(船舶又は航空機によるものを除く。)をいう。
③
核燃料輸送物 核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物(以下「核燃料物質等」という。)が容器に収納されているものをいう。
④
コンテナ 運搬途中において運搬する物自体の積替えを要せずに運搬するために作られた運搬器具であつて、反復使用に耐える構造及び強度を有し、かつ、機械による積込み及び取卸しのための装置又は車両に固定するための装置を有するもののうち、非開放型の構造のものをいう。
⑤
タンク 気体、液体又は固体を収納する容器をいう。
⑥
金属製中型容器 金属製の容器であつて、運搬中に生じる応力に耐える構造及び強度を有し、かつ、内容積が三立方メートル以下のもののうち原子力規制委員会の定める基準に適合するものをいう。
⑦
専用積載 鉄道、軌道若しくは無軌条電車の車両、索道の搬器、自動車、軽車両又は外接する直方体の一辺が一・五メートル以上のコンテナ(内容積が三立方メートルを超えるものに限る。)が一の荷送人によつて専用され、かつ、運搬する物の積込み及び取卸しが荷送人又は荷受人の指示によつて行われる積載の方法をいう。
⑨
放射線
原子力基本法第3条第5号に規定する放射線又は一メガ電子ボルト未満のエネルギーを有する電子線若しくはエックス線であつて、自然放射線以外のものをいう。
第2条
【車両運搬により運搬する物に係る技術上の基準】
第3条
【核燃料輸送物としての核燃料物質等の運搬】
1
核燃料物質等は、次に掲げる核燃料物質等の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める種類の核燃料輸送物として運搬しなければならない。
①
危険性が極めて少ない核燃料物質等として原子力規制委員会の定めるもの L型輸送物
②
原子力規制委員会の定める量を超えない量の放射能を有する核燃料物質等(
前号に掲げるものを除く。) A型輸送物
③
前号の原子力規制委員会の定める量を超える量の放射能を有する核燃料物質等(
第1号に掲げるものを除く。) BM型輸送物又はBU型輸送物
2
前項の規定にかかわらず、放射能濃度が低い核燃料物質等であつて危険性が少ないものとして原子力規制委員会の定めるもの(以下「低比放射性物質」という。)及び核燃料物質等によつて表面が汚染された物であつて危険性が少ないものとして原子力規制委員会の定めるもの(以下「表面汚染物」という。)は、原子力規制委員会の定める区分に応じ、IP—1型輸送物、IP—2型輸送物又はIP—3型輸送物として運搬することができる。
3
前二項に掲げるL型輸送物、A型輸送物、BM型輸送物、BU型輸送物、IP—1型輸送物、IP—2型輸送物及びIP—3型輸送物は、それぞれ
次条から
第10条までに規定する技術上の基準に適合するものでなければならない。
第4条
【L型輸送物に係る技術上の基準】
L型輸送物に係る技術上の基準は、次の各号に掲げるものとする。
②
運搬中に予想される温度及び内圧の変化、振動等により、き裂、破損等の生じるおそれがないこと。
③
表面に不要な突起物がなく、かつ、表面の汚染の除去が容易であること。
④
材料相互の間及び材料と収納される核燃料物質等との間で危険な物理的作用又は化学反応の生じるおそれがないこと。
⑤
弁が誤つて操作されないような措置が講じられていること。
⑥
開封されたときに見やすい位置に「放射性」又は「Radioactive」の表示を有していること。ただし、原子力規制委員会の定める場合は、この限りでない。
⑦
表面における原子力規制委員会の定める線量当量率の最大値(以下「最大線量当量率」という。)が五マイクロシーベルト毎時を超えないこと。
⑧
表面の放射性物質の密度が原子力規制委員会の定める密度(以下「表面密度限度」という。)を超えないこと。
⑨
核分裂性物質(ウラン二三三、ウラン二三五、プルトニウム二三九、プルトニウム二四一及びこれらの化合物並びにこれらの一又は二以上を含む核燃料物質(原子力規制委員会の定めるものを除く。)をいう。以下同じ。)が収納されている場合には、外接する直方体の各辺が十センチメートル以上であること。
第5条
【A型輸送物に係る技術上の基準】
A型輸送物に係る技術上の基準は、次の各号に掲げるものとする。
②
外接する直方体の各辺が十センチメートル以上であること。
③
みだりに開封されないように、かつ、開封された場合に開封されたことが明らかになるように、容易に破れないシールのはり付け等の措置が講じられていること。
④
構成部品は、摂氏零下四十度から摂氏七十度までの温度の範囲において、き裂、破損等の生じるおそれがないこと。ただし、運搬中に予想される温度の範囲が特定できる場合は、この限りでない。
⑤
周囲の圧力を六十キロパスカルとした場合に、放射性物質の漏えいがないこと。
⑥
液体状の核燃料物質等が収納されている場合には、次に掲げる要件に適合すること。イ 容器に収納することができる核燃料物質等の量の二倍以上の量の核燃料物質等を吸収することができる吸収材又は二重の密封部分から成る密封装置(容器の構成部品のうち、放射性物質の漏えいを防止するための密封措置が施されているものをいう。以下同じ。)を備えること。ただし、
法第59条第3項の規定により承認を受けた容器(BM型輸送物又はBU型輸送物に係るものに限る。)を使用する場合は、この限りでない。ロ 核燃料物質等の温度による変化並びに運搬時及び注入時の挙動に対処し得る適切な空間を有していること。
⑦
表面における最大線量当量率が二ミリシーベルト毎時を超えないこと。ただし、専用積載として運搬する核燃料輸送物であつて、
核燃料物質等車両運搬規則第4条第2項並びに
第19条第3項第1号及び
第2号に規定する運搬の技術上の基準に従うもののうち、安全上支障がない旨の原子力規制委員会の承認を受けたものは、表面における最大線量当量率が十ミリシーベルト毎時を超えないこと。
⑧
表面から一メートル離れた位置における最大線量当量率(コンテナ又はタンクを容器として使用する核燃料輸送物であつて、専用積載としないで運搬するものについては、表面から一メートル離れた位置における最大線量当量率に原子力規制委員会の定める係数を乗じた線量当量率)が百マイクロシーベルト毎時を超えないこと。ただし、核燃料輸送物を専用積載として運搬する場合であつて、安全上支障がない旨の原子力規制委員会の承認を受けたときは、この限りでない。
⑨
核燃料物質等の使用等に必要な書類その他の物品(核燃料輸送物の安全性を損なうおそれのないものに限る。)以外のものが収納されていないこと。
⑩
原子力規制委員会の定めるA型輸送物に係る一般の試験条件の下に置くこととした場合に、次に掲げる要件に適合すること。
ロ
表面における最大線量当量率が著しく増加せず、かつ、二ミリシーベルト毎時(
第7号ただし書に該当する場合は、十ミリシーベルト毎時)を超えないこと。
⑪
原子力規制委員会の定める液体状又は気体状の核燃料物質等(気体状のトリチウム及び希ガスを除く。)が収納されているA型輸送物に係る追加の試験条件の下に置くこととした場合に、放射性物質の漏えいがないこと。
第6条
【BM型輸送物に係る技術上の基準】
BM型輸送物に係る技術上の基準は、次の各号に掲げるものとする。
②
原子力規制委員会の定めるBM型輸送物に係る一般の試験条件の下に置くこととした場合に、次に掲げる要件に適合すること。
ロ
放射性物質の一時間当たりの漏えい量が原子力規制委員会の定める量を超えないこと。
ハ
表面の温度が日陰において摂氏五十度(専用積載として運搬する核燃料輸送物にあつては、輸送中人が容易に近づくことができる表面(その表面に近接防止枠を設ける核燃料輸送物にあつては、当該近接防止枠の表面)において摂氏八十五度)を超えないこと。
ニ
表面の放射性物質の密度が表面密度限度を超えないこと。
③
原子力規制委員会の定めるBM型輸送物に係る特別の試験条件の下に置くこととした場合に、次に掲げる要件に適合すること。イ 表面から一メートル離れた位置における最大線量当量率が十ミリシーベルト毎時を超えないこと。ロ 放射性物質の一週間当たりの漏えい量が原子力規制委員会の定める量を超えないこと。
④
運搬中に予想される最も低い温度から摂氏三十八度までの周囲の温度の範囲において、き裂、破損等の生じるおそれがないこと。
⑤
原子力規制委員会の定める量を超える量の放射能を有する核燃料物質等が収納されている核燃料輸送物にあつては、原子力規制委員会の定める試験条件の下に置くこととした場合に、密封装置の破損のないこと。ただし、安全上支障がないと原子力規制委員会が認める場合は、この限りでない。
第7条
【BU型輸送物に係る技術上の基準】
BU型輸送物に係る技術上の基準は、次の各号に掲げるものとする。
②
原子力規制委員会の定めるBU型輸送物に係る一般の試験条件の下に置くこととした場合に、
前条第2号イからニまでに定める要件に適合すること。
③
原子力規制委員会の定めるBU型輸送物に係る特別の試験条件の下に置くこととした場合に、
前条第3号イ及びロに定める要件に適合すること。
④
摂氏零下四十度から摂氏三十八度までの周囲の温度の範囲において、き裂、破損等の生じるおそれがないこと。
⑤
フィルタ又は機械的冷却装置を用いなくとも内部の気体のろ過又は核燃料物質等の冷却が行われる構造であること。
⑥
最高使用圧力(運搬中に予想される周囲の温度及び日光の直射の条件の下で、排気、冷却その他の特別な措置を採らない場合に、一年間に核燃料輸送物の密封装置内に生じる気体の最大圧力(ゲージ圧力をいう。)をいう。)が七百キロパスカルを超えないこと。
第9条
【IP—2型輸送物に係る技術上の基準】
1
IP—2型輸送物(
次項に該当するものを除く。)に係る技術上の基準は、次の各号に掲げるものとする。
②
原子力規制委員会の定めるIP—2型輸送物に係る一般の試験条件の下に置くこととした場合に、
第5条第10号イ及びロに定める要件に適合すること。
2
IP—2型輸送物(核燃料物質等を収納する容器がコンテナ(収納する核燃料物質等が固体の場合に限る。
次条第2項において同じ。)、タンク又は金属製中型容器であるものに限る。)に係る技術上の基準は、次の各号に掲げるものとする。
②
前項第2号に定める基準又はこれと同等と原子力規制委員会の認める基準
第10条
【IP—3型輸送物に係る技術上の基準】
1
IP—3型輸送物(
次項に該当するものを除く。)に係る技術上の基準は、次の各号に掲げるものとする。
②
原子力規制委員会の定めるIP—3型輸送物に係る一般の試験条件の下に置くこととした場合に、
第5条第10号イ及びロに定める要件に適合すること。
2
IP—3型輸送物(核燃料物質等を収納する容器がコンテナ、タンク又は金属製中型容器であるものに限る。)に係る技術上の基準は、次の各号に掲げるものとする。
第11条
【核分裂性物質に係る核燃料輸送物の技術上の基準】
第4条第9号に規定する核分裂性物質を
第3条の規定により核燃料輸送物として運搬する場合には、当該核分裂性物質に係る核燃料輸送物(原子力規制委員会の定めるものを除く。以下「核分裂性輸送物」という。)は、輸送中において臨界に達しないものであるほか、次の各号に掲げる技術上の基準に適合するものでなければならない。
①
原子力規制委員会の定める核分裂性輸送物に係る一般の試験条件の下に置くこととした場合に、次に掲げる要件に適合すること。
イ
容器の構造部に一辺十センチメートルの立方体を包含するようなくぼみが生じないこと。
ロ
外接する直方体の各辺が十センチメートル以上であること。
②
次のいずれの場合にも臨界に達しないこと。
イ
原子力規制委員会の定める孤立系の条件の下に置くこととした場合
ロ
原子力規制委員会の定める核分裂性輸送物に係る一般の試験条件の下に置いたものを原子力規制委員会の定める孤立系の条件の下に置くこととした場合
ハ
原子力規制委員会の定める核分裂性輸送物に係る特別の試験条件の下に置いたものを原子力規制委員会の定める孤立系の条件の下に置くこととした場合
ニ
当該核分裂性輸送物と同一のものであつて原子力規制委員会の定める核分裂性輸送物に係る一般の試験条件の下に置いたものを、原子力規制委員会の定める配列系の条件の下で、かつ、当該核分裂性輸送物相互の間が最大の中性子増倍率(原子核分裂の連鎖反応において、核分裂により放出された一個の中性子ごとに、次の核分裂によつて放出される中性子の数をいう。以下同じ。)になるような状態で、当該核分裂性輸送物の輸送制限個数(一箇所(集合積載した当該核分裂性輸送物が、他のどの核分裂性輸送物とも六メートル以上離れている状態をいう。)に集合積載する核分裂性輸送物の個数の限度として定められる数をいう。以下同じ。)の五倍に相当する個数積載することとした場合
ホ
当該核分裂性輸送物と同一のものであつて原子力規制委員会の定める核分裂性輸送物に係る特別の試験条件の下に置いたものを、原子力規制委員会の定める配列系の条件の下で、かつ、当該核分裂性輸送物相互の間が最大の中性子増倍率になるような状態で、輸送制限個数の二倍に相当する個数積載することとした場合
③
摂氏零下四十度から摂氏三十八度までの周囲の温度の範囲において、き裂、破損等の生じるおそれがないこと。ただし、運搬中に予想される最も低い温度が特定できる場合は、この限りでない。
第12条
【六ふつ化ウランに係る核燃料輸送物の技術上の基準】
1
六ふつ化ウランを
第3条の規定により核燃料輸送物として運搬する場合には、当該六ふつ化ウランに係る核燃料輸送物は、次に掲げる技術上の基準に適合するものでなければならない。
①
当該六ふつ化ウランの容積は、封入又は取出しの時に予想される最高温度において、容器の内容積の九十五パーセントを超えないこと。
②
通常の運搬状態において、当該六ふつ化ウランが固体状であり、かつ、容器の内部が負圧となるような措置が講じられていること。
2
原子力規制委員会の定める量以上の六ふつ化ウランが収納されている核燃料輸送物(以下「六ふつ化ウラン輸送物」という。)にあつては、
前項の基準に加え、次に掲げる技術上の基準に適合するものでなければならない。
①
原子力規制委員会の定める六ふつ化ウラン輸送物に係る耐圧試験の条件の下に置くこととした場合に、放射性物質の漏えいがなく、かつ、受け入れられない応力が発生しないこと。
②
原子力規制委員会の定める六ふつ化ウラン輸送物に係る一般の試験条件の下に置くこととした場合に、放射性物質の漏えいがなく、かつ、弁に損傷のないこと。
③
原子力規制委員会の定める六ふつ化ウラン輸送物に係る特別の試験条件の下に置くこととした場合に、密封装置に破損がないこと。
④
安全弁、逃がし弁その他の容器の内部の流体の排出による過圧防止効果を有する装置を備えないこと。
3
前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる技術上の基準については、それぞれ当該各号に定める基準をもつて代えることができる。
①
前項第1号に定める基準
同号の耐圧試験の代替試験として原子力規制委員会の定める試験条件の下に置くこととした場合に、放射性物質の漏えいがなく、かつ、受け入れられない応力が発生しないこと。
②
前項第3号に定める基準 重量九千キログラム以上の六ふつ化ウランを収納する場合には、原子力規制委員会が適当と認める基準に適合すること。
第13条
【核燃料輸送物としないで運搬できる低比放射性物質及び表面汚染物の運搬】
次に掲げる低比放射性物質及び表面汚染物は、
第3条の規定にかかわらず、
同条第1項及び
第2項に定める核燃料輸送物としないで運搬することができる。
①
原子力規制委員会の定める低比放射性物質であつて、次に掲げる要件に適合するもの
イ
通常の運搬状態において、放射性物質が容易に飛散し、又は漏えいしないような措置が講じられていること。
②
原子力規制委員会の定める表面汚染物であつて、次に掲げる要件に適合するもの
ロ
専用積載として運搬すること。ただし、表面の放射性物質の密度が原子力規制委員会の定める密度を超えないものは、この限りでない。
第14条
【特別措置による運搬】
第3条又は
前条の規定に従つて運搬することが著しく困難な場合であつて、安全な運搬を確保するために必要な措置を採り、かつ、これらの規定によらないで運搬しても安全上支障がない旨の原子力規制委員会の承認を受けたときは、これらの規定によらないで運搬することができる。この場合において、当該運搬する物の最大線量当量率は、表面において十ミリシーベルト毎時を超えてはならない。
第15条
【特定核燃料物質の運搬】
第3条又は
前条の規定により運搬する核燃料物質であつて、
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令(以下「令」という。)
第47条に規定する特定核燃料物質のうち次のいずれかに該当するものを運搬する場合には、当該特定核燃料物質を収納する容器に施錠及び封印をしなければならない。ただし、容易に開封されない構造の容器を用いる等施錠及び封印と同等以上の措置を講じたときは、この限りでない。
①
照射されていない次に掲げる物質
イ
プルトニウム(プルトニウム二三八の同位体濃度が百分の八十を超えるものを除く。以下この条において同じ。)及びその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であつて、プルトニウムの量が二キログラム以上のもの
ロ
ウラン二三五のウラン二三五及びウラン二三八に対する比率が百分の二十以上のウラン並びにその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であつて、ウラン二三五の量が五キログラム以上のもの
ハ
ウラン二三三及びその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であつて、ウラン二三三の量が二キログラム以上のもの
②
照射された
前号に掲げる物質(使用済燃料を溶解した液体から核燃料物質その他の有用物質を分離した残りの液体をガラスにより容器に固型化した物(
第5号において「ガラス固化体」という。)に含まれる照射された
前号に掲げる物質であつて、その表面から一メートルの距離において、当該物質から放出された放射線が空気に吸収された場合の吸収線量率(
第4号及び
第5号において単に「吸収線量率」という。)が一グレイ毎時を超えるものを除く。)
③
照射されていない次に掲げる物質
イ
プルトニウム及びその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であつて、プルトニウムの量が五百グラムを超え二キログラム未満のもの
ロ
ウラン二三五のウラン二三五及びウラン二三八に対する比率が百分の二十以上のウラン並びにその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であつて、ウラン二三五の量が一キログラムを超え五キログラム未満のもの
ハ
ウラン二三五のウラン二三五及びウラン二三八に対する比率が百分の十以上で百分の二十に達しないウラン並びにその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であつて、ウラン二三五の量が十キログラム以上のもの
ニ
ウラン二三三及びその化合物並びにこれらの物質の一又は二以上を含む物質であつて、ウラン二三三の量が五百グラムを超え二キログラム未満のもの
④
照射された
前号に掲げる物質であつて、その表面から一メートルの距離において吸収線量率が一グレイ毎時以下のもの
⑤
令第3条第3号に規定する特定核燃料物質(ガラス固化体に含まれるものであつて、その表面から一メートルの距離において吸収線量率が一グレイ毎時を超えるものを除く。)
第16条
【特定核燃料物質の運搬に係る情報の管理】
前条に基づき講ずる措置のうち、特定核燃料物質の防護のために必要な措置に関する詳細な事項は、当該事項を知る必要があると認められる者以外の者に知られることがないよう管理することとする。
第17条
【簡易運搬に係る技術上の基準】
法第59条第1項の原子力規制委員会規則で定める技術上の基準(簡易運搬に係るものに限る。)は、
第3条から
第14条までに定めるもののほか、次の各号に掲げるとおりとする。
①
第3条、
第13条又は
第14条の規定により運搬される核燃料物質等(以下「運搬物」という。)を積載し、又は収納した運搬機械又は器具(簡易運搬に係るものに限る。以下「運搬機器」という。)の表面における最大線量当量率が二ミリシーベルト毎時を超えず、かつ、表面から一メートル離れた位置における最大線量当量率が百マイクロシーベルト毎時を超えないようにすること。
②
運搬物の運搬機器への積付けは、運搬中において移動し、転倒し、又は転落するおそれがないように行うこと。
③
運搬物は、同一の運搬機器に原子力規制委員会の定める危険物と混載しないこと。
④
二以上の運搬物(その表面における最大線量当量率が五マイクロシーベルト毎時を超えるもの及び
第11条の基準に適合する核分裂性輸送物に限る。以下この号において同じ。)を一の運搬機器に積載し、又は収納して運搬する場合は、放射線障害防止及び臨界防止のため、原子力規制委員会の定めるところにより、当該積載し、又は収納する運搬物の個数を制限すること。
⑤
運搬物(
第3条第1項第1号のL型輸送物を除く。以下この号において同じ。)を運搬する場合は、次に掲げる措置を講ずること。イ 当該運搬物の運搬に従事する者は、運搬物の取扱方法、事故が発生した場合の措置その他の運搬に関し留意すべき事項を記載した書面を携行すること。ロ 当該運搬物の運搬に従事する者は、消火器、放射線測定器、保護具その他の事故が発生した場合に必要な器具、装置等を携行すること。ハ 人の通常立ち入る場所においては、運搬物又は運搬機器を置き、又は運搬物の積込み、取卸し等の取扱いを行わないこと。ただし、縄張、標識の設置等の措置を講じたときは、この限りでない。
⑥
第3条第1項第3号のBM型輸送物を運搬する場合は、次に掲げる措置を講ずること。イ
法第22条の3第1項の核燃料取扱主任者免状若しくは
法第41条第1項の原子炉主任技術者免状を有する者又はこれらと同等の知識及び経験を有する者を同行させ、及び積込み、取卸し等に立ち会わせることにより、核燃料物質等の放射線管理、核燃料物質等の運搬に従事する者の被ばく管理その他核燃料物質等の保安のために必要な監督を行わせること。ロ 交通が混雑する時間及び経路を避けること。
⑦
運搬物には、原子力規制委員会の定めるところにより、標識の取付け又は表示をすること。
⑧
放射線業務従事者の線量が原子力規制委員会の定める線量限度を超えないようにすること。
第18条
【確認を要する核燃料物質等】
2
令第48条の表
第1号ロの原子力規制委員会規則で定める核燃料物質は、
第4条第9号に規定する核分裂性物質(原子力規制委員会の定めるものを除く。)とする。
第19条
【運搬に関する確認の申請】
1
法第59条第2項の規定により、運搬に関する確認(独立行政法人原子力安全基盤機構(以下「機構」という。)が行うものを除く。)を受けようとする者は、
令第48条の表
第1号に該当する場合にあつては別記様式第一(簡易運搬に係る確認を受けようとする場合にあつては、別記様式第二)による確認申請書に次の各号に掲げる書類、同表
第2号に該当する場合にあつては別記様式第一による確認申請書に
第1号から
第5号までに掲げる書類及び特定核燃料物質を収納する容器について講じられる当該特定核燃料物質の防護のための措置に関する説明書を添えて、原子力規制委員会に提出しなければならない。
②
前号の核燃料物質等を収納する容器(以下「輸送容器」という。)の構造及び材質(以下「輸送容器の設計」という。)並びに当該核燃料物質等を当該輸送容器に収納した場合の核燃料輸送物の安全性に関する説明書
④
輸送容器が
第2号の輸送容器の設計及び
前号の輸送容器の製作の方法に従つて製作されていることを示す説明書
⑤
輸送容器が
第2号の輸送容器の設計及び
第3号の輸送容器の製作の方法に適合するよう維持されていることを示す説明書
⑦
簡易運搬にあつては、核燃料輸送物の運搬方法及びその安全性に関する説明書
4
第1項の確認申請書の提出部数は、正本及び副本各一通とする。
第20条
【運搬確認証の交付】
原子力規制委員会又は機構は、
法第59条第2項に規定する確認をしたときは、運搬確認証を交付する。
第21条
【容器承認の申請】
1
法第59条第3項の規定により、輸送容器について承認を受けようとする者は、別記様式第三による容器承認申請書に、次の各号に掲げる書類を添えて、原子力規制委員会に提出しなければならない。
①
当該輸送容器で運搬することを予定する核燃料物質等に関する説明書
②
当該輸送容器の設計及び
前号の核燃料物質等を当該輸送容器に収納した場合の核燃料輸送物の安全性に関する説明書
④
当該輸送容器が
第2号の輸送容器の設計及び
前号の輸送容器の製作の方法に従つて製作されていることを示す説明書
⑤
当該輸送容器が
第2号の輸送容器の設計及び
第3号の輸送容器の製作の方法に適合するよう維持されていることを示す説明書
2
前項第2号に掲げる書類については、原子力規制委員会の定めるところにより、輸送容器の設計及び
前項第1号の核燃料物質等を当該輸送容器に収納した場合の核燃料輸送物の安全性に関する事項について当該輸送物が
第3条から
第15条までに定める技術上の基準に適合すると原子力規制委員会が認める場合は、当該書類の提出を省略することができる。
3
第1項の容器承認申請書の提出部数は、正本及び副本各一通とする。
第22条
【容器承認書の交付】
原子力規制委員会は、
法第59条第3項に規定する承認をしたときは、次の各号に掲げる事項を記載した容器承認書を交付する。
①
氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
⑤
収納する核燃料物質等の種類、性状、重量及び放射能の量
⑧
輸送容器の保守及び核燃料輸送物の取扱いに関する事項
第23条
【承認容器として使用する期間の更新】
1
前条の規定により容器承認書の交付を受けた者は、当該輸送容器が当該輸送容器の設計及び製作の方法に適合するよう維持されていることを示して、承認容器として使用する期間の更新を受けることができる。
2
前項の更新を受けようとする者は、別記様式第四による承認容器使用期間更新申請書に、当該輸送容器が当該輸送容器の設計及び製作の方法に適合するよう維持されていることを示す説明書を添えて、原子力規制委員会に提出しなければならない。
3
第1項の更新を受けた者は、遅滞なく容器承認書を提出し、その書換えを受けなければならない。
4
第2項の承認容器使用期間更新申請書の提出部数は、正本及び副本各一通とする。
第24条
【容器承認書の変更の届出等】
1
第22条の規定により容器承認書の交付を受けた者は、
同条第1号に掲げる事項を変更したときは、変更の日から三十日以内に、別記様式第五による容器承認書記載事項変更届出書に当該容器承認書を添えて原子力規制委員会に提出し、その書換えを受けなければならない。
2
第22条の規定により容器承認書の交付を受けた者は、承認を受けた輸送容器の全部の使用を廃止したときは、廃止の日から三十日以内に、別記様式第六による承認容器廃止届出書に当該容器承認書を添えて原子力規制委員会に提出しなければならない。
3
第22条の規定により容器承認書の交付を受けた者は、承認を受けた輸送容器の一部の使用を廃止したときは、廃止の日から三十日以内に、別記様式第七による承認容器一部廃止届出書に当該容器承認書を添えて原子力規制委員会に提出し、その書換えを受けなければならない。
4
前三項の届出書の提出部数は、正本及び副本各一通とする。
第25条
【事故故障等の報告】
法第62条の3の規定により、
法第58条第1項に規定する原子力事業者等(以下単に「原子力事業者等」という。)は、核燃料物質等の運搬において、次の各号のいずれかに該当するときは、その旨を直ちに、その状況及びそれに対する処置を十日以内に原子力規制委員会に報告しなければならない。
③
前二号のほか、核燃料物質等の運搬に関し人の障害(放射線障害以外の障害であつて軽微なものを除く。)が発生し、又は発生するおそれがあるとき。
第26条
【危険時の措置】
1
法第64条第1項の規定により、原子力事業者等及び原子力事業者等から運搬を委託された者は、核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関し、次の各号に掲げる応急の措置を講じなければならない。
①
核燃料輸送物に火災が起こり、又は核燃料輸送物に延焼するおそれのある火災が起こつた場合は、火災の消火又は延焼の防止に努めるとともに、直ちにその旨を消防吏員に通報すること。
②
核燃料輸送物を他の場所に移す余裕がある場合には、必要に応じてこれを安全な場所に移し、その場所の周囲には縄を張り、標識等を設け、及び見張人を配置することにより、関係者以外の者が立ち入ることを禁止すること。
③
放射線障害の発生を防止するため必要がある場合には、運搬に従事する者及び付近にいる者に避難するよう警告すること。
④
核燃料物質等による汚染が生じた場合には、速やかに、汚染の広がりの防止及び汚染の除去を行うこと。
⑤
放射線障害を受けた者又は受けたおそれのある者がいる場合には、速やかに、その者を救出し、避難させる等緊急の措置を講ずること。
⑥
その他放射線障害を防止するために必要な措置を講ずること。
2
前項各号に掲げる緊急作業を行う場合には、
第17条第8号の規定にかかわらず、放射線業務従事者(女子については、妊娠不能と診断された者及び妊娠の意思のない旨を原子力事業者等及び原子力事業者等から運搬を委託された者に書面で申し出た者に限る。)をその線量当量が原子力規制委員会の定める線量限度を超えない範囲内において緊急作業に従事させることができる。
第28条
【令別表第一の六十七及び六十九の項の原子力規制委員会規則で定める核燃料物質等】
附則
この府令は、原子力基本法等の一部を改正する法律附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日(昭和五十四年一月四日)から施行する。
附則
昭和55年10月24日
この府令は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律の施行の日(昭和五十五年十一月十四日)から施行する。
附則
昭和63年11月24日
1
この府令は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日(昭和六十三年十一月二十六日)から施行する。
2
この府令の施行後に開始される核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令第十七条の四の表第二号イ又はロの核燃料物質等の運搬についてこの府令の施行前にした改正前の核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則の規定による確認申請書の提出は、改正後の核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則(以下「新規則」という。)の規定に基づいてしたものとみなす。
3
前項に規定する確認申請書の提出をした者は、この府令の施行後速やかに、新規則別記様式第一の注2に規定する記載事項のうち当該確認申請書に記載されていないものを科学技術庁長官(以下「長官」という。)に申し出るとともに、新規則第十六条第一項に規定する特定核燃料物質を収納する容器について講じられる当該特定核燃料物質の防護のための措置に関する説明書を長官に提出しなければならない。
附則
平成8年7月12日
この府令は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律の施行の日(平成八年七月二十日)から施行する。
附則
平成11年12月16日
第2条
(経過措置)
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律(、以下「改正法」という。)の施行前に開始された改正法による改正前の法第六十八条第一項の規定による立入検査(保障措置協定に基づく保障措置の実施の確保のために行うものに限る。)は、この総理府令による改正後の国際規制物資の使用等に関する規則第四条の二の三第一項の規定の適用については、保障措置検査とみなす。
附則
平成12年6月16日
この府令は、公布の日から施行する。ただし、第三条、第五条、第七条及び第八条の改正規定(「20万円」を「30万円」に改める部分に限る。)は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律の施行の日(平成十二年七月一日)から施行する。
附則
平成12年10月20日
この府令は、内閣法の一部を改正する法律の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。
附則
平成13年6月15日
2
この省令の施行の際現に核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第五十九条の二第三項の規定により承認を受けている容器については、この省令による改正後の核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則第四条から第七条まで、第十一条及び第十一条の二の規定は、平成十六年一月一日から適用し、それまでの間は、なお従前の例による。
3
この省令の施行の際現に運搬されている核燃料物質等については、当該運搬が終了するまでは、なお従前の例による。
附則
平成15年3月17日
この省令は、電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律の施行の日(平成十五年三月十七日)から施行する。
附則
平成17年11月24日
1
この省令は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律の施行の日(平成十七年十二月一日)から施行する。
2
この省令の施行の際現に運搬されている核燃料物質等については、当該運搬が終了するまでは、なお従前の例による。
附則
平成18年12月26日
第2条
(経過措置)
この省令の施行の際現にこの省令による改正前の核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則第十六条第一項、第十七条の二第一項又は第十七条の四第二項の規定によりされている申請は、それぞれこの省令による改正後の核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則第十九条第一項、第二十一条第一項又は第二十三条第二項の規定によりされている申請とみなす。
附則
平成23年2月1日
第2条
(経過措置)
この省令の施行の日前に改正前の核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則(以下「旧規則」という。)第十九条第一項及び第五項の規定により行われた申請については、この省令による改正後の核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則(以下「新規則」という。)第十一条第一号の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第3条
この省令の施行の日前に旧規則第二十一条第一項及び第二十三条第二項又は平成二年科学技術庁告示第五号(核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する技術上の基準に係る細目等を定める告示)第四十一条第一項及び第四項の規定により行われた申請については、当該申請に係る容器承認書の承認容器として使用する期間又は核燃料輸送物設計承認書の有効期間までは、新規則第十一条第一号の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則
平成24年9月14日
この省令は、原子力規制委員会設置法の施行の日(平成二十四年九月十九日)から施行する。
附則
平成25年6月28日
第1条
(施行期日)
この規則は、原子力規制委員会設置法(以下「設置法」という。)附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日(平成二十五年七月八日)から施行する。