• 雇用対策法

雇用対策法

平成23年4月27日 改正
第1章
総則
第1条
【目的】
この法律は、国が、少子高齢化による人口構造の変化等の経済社会情勢の変化に対応して、雇用に関し、その政策全般にわたり、必要な施策を総合的に講ずることにより、労働市場の機能が適切に発揮され、労働力の需給が質量両面にわたり均衡することを促進して、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、これを通じて、労働者の職業の安定と経済的社会的地位の向上とを図るとともに、経済及び社会の発展並びに完全雇用の達成に資することを目的とする。
この法律の運用に当たつては、労働者の職業選択の自由及び事業主の雇用の管理についての自主性を尊重しなければならず、また、職業能力の開発及び向上を図り、職業を通じて自立しようとする労働者の意欲を高め、かつ、労働者の職業を安定させるための事業主の努力を助長するように努めなければならない。
参照条文
第2条
【定義】
この法律において「職業紹介機関」とは、公共職業安定所(職業安定法の規定により公共職業安定所の業務の一部を分担する学校の長を含む。)及び同法の規定により許可を受けて、又は届出をして職業紹介事業を行なう者をいう。
第3条
【基本的理念】
労働者は、その職業生活の設計が適切に行われ、並びにその設計に即した能力の開発及び向上並びに転職に当たつての円滑な再就職の促進その他の措置が効果的に実施されることにより、職業生活の全期間を通じて、その職業の安定が図られるように配慮されるものとする。
参照条文
第4条
【国の施策】
国は、第1条第1項の目的を達成するため、前条に規定する基本的理念に従つて、次に掲げる事項について、必要な施策を総合的に講じなければならない。
各人がその有する能力に適合する職業に就くことをあつせんするため、及び産業の必要とする労働力を充足するため、職業指導及び職業紹介に関する施策を充実すること。
各人がその有する能力に適し、かつ、技術の進歩、産業構造の変動等に即応した技能及びこれに関する知識を習得し、これらにふさわしい評価を受けることを促進するため、職業訓練及び職業能力検定に関する施策を充実すること。
就職が困難な者の就職を容易にし、かつ、労働力の需給の不均衡を是正するため、労働者の職業の転換、地域間の移動、職場への適応等を援助するために必要な施策を充実すること。
事業規模の縮小等(事業規模若しくは事業活動の縮小又は事業の転換若しくは廃止をいう。以下同じ。)の際に、失業を予防するとともに、離職を余儀なくされる労働者の円滑な再就職を促進するために必要な施策を充実すること。
女性の職業の安定を図るため、妊娠、出産又は育児を理由として休業又は退職した女性の雇用の継続又は円滑な再就職の促進、母子家庭の母及び寡婦の雇用の促進その他の女性の就業を促進するために必要な施策を充実すること。
青少年の職業の安定を図るため、職業についての青少年の関心と理解を深めるとともに、雇用管理の改善の促進、実践的な職業能力の開発及び向上の促進その他の青少年の雇用を促進するために必要な施策を充実すること。
高年齢者の職業の安定を図るため、定年の引上げ、継続雇用制度の導入等の円滑な実施の促進、再就職の促進、多様な就業機会の確保その他の高年齢者がその年齢にかかわりなくその意欲及び能力に応じて就業することができるようにするために必要な施策を充実すること。
障害者の職業の安定を図るため、雇用の促進、職業リハビリテーションの推進その他の障害者がその職業生活において自立することを促進するために必要な施策を充実すること。
不安定な雇用状態の是正を図るため、雇用形態及び就業形態の改善等を促進するために必要な施策を充実すること。
高度の専門的な知識又は技術を有する外国人(日本の国籍を有しない者をいう。以下この条において同じ。)の我が国における就業を促進するとともに、労働に従事することを目的として在留する外国人について、適切な雇用機会の確保が図られるようにするため、雇用管理の改善の促進及び離職した場合の再就職の促進を図るために必要な施策を充実すること。
地域的な雇用構造の改善を図るため、雇用機会が不足している地域における労働者の雇用を促進するために必要な施策を充実すること。
前各号に掲げるもののほか、職業の安定、産業の必要とする労働力の確保等に資する雇用管理の改善の促進その他労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにするために必要な施策を充実すること。
国は、前項に規定する施策及びこれに関連する施策を講ずるに際しては、国民経済の健全な発展、それに即応する企業経営の基盤の改善、地域振興等の諸施策と相まつて、雇用機会の着実な増大及び地域間における就業機会等の不均衡の是正を図るとともに、労働者がその有する能力を有効に発揮することの妨げとなつている雇用慣行の是正を期するように配慮しなければならない。
国は、第1項第10号に規定する施策を講ずるに際しては、外国人の入国及び在留の管理に関する施策と相まつて、外国人の不法就労活動(出入国管理及び難民認定法第24条第3号の4イに規定する不法就労活動をいう。)を防止し、労働力の不適正な供給が行われないようにすることにより、労働市場を通じた需給調整の機能が適切に発揮されるよう努めなければならない。
第5条
【地方公共団体の施策】
地方公共団体は、国の施策と相まつて、当該地域の実情に応じ、雇用に関する必要な施策を講ずるように努めなければならない。
第6条
【事業主の責務】
事業主は、事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者について、当該労働者が行う求職活動に対する援助その他の再就職の援助を行うことにより、その職業の安定を図るように努めなければならない。
第7条
事業主は、青少年が将来の産業及び社会を担う者であることにかんがみ、その有する能力を正当に評価するための募集及び採用の方法の改善その他の雇用管理の改善並びに実践的な職業能力の開発及び向上を図るために必要な措置を講ずることにより、その雇用機会の確保等が図られるように努めなければならない。
第8条
事業主は、外国人(日本の国籍を有しない者をいい、厚生労働省令で定める者を除く。以下同じ。)が我が国の雇用慣行に関する知識及び求職活動に必要な雇用に関する情報を十分に有していないこと等にかんがみ、その雇用する外国人がその有する能力を有効に発揮できるよう、職業に適応することを容易にするための措置の実施その他の雇用管理の改善に努めるとともに、その雇用する外国人が解雇(自己の責めに帰すべき理由によるものを除く。)その他の厚生労働省令で定める理由により離職する場合において、当該外国人が再就職を希望するときは、求人の開拓その他当該外国人の再就職の援助に関し必要な措置を講ずるように努めなければならない。
第9条
【指針】
厚生労働大臣は、前二条に定める事項に関し、事業主が適切に対処するために必要な指針を定め、これを公表するものとする。
第10条
【募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保】
事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。
第2章
求職者及び求人者に対する指導等
第11条
【雇用情報】
厚生労働大臣は、求人と求職との迅速かつ適正な結合に資するため、労働力の需給の状況、求人及び求職の条件その他必要な雇用に関する情報(以下「雇用情報」という。)を収集し、及び整理しなければならない。
厚生労働大臣は、雇用情報を、求職者、求人者その他の関係者及び職業紹介機関、職業訓練機関、教育機関その他の関係機関が、職業の選択、労働者の雇入れ、職業指導、職業紹介、職業訓練その他の措置を行うに際して活用することができるように提供するものとする。
厚生労働大臣は、雇用情報の収集、整理及び活用並びに利用のための提供が迅速かつ効果的に行われるために必要な組織を維持し、及び整備しなければならない。
参照条文
第12条
【職業に関する調査研究】
厚生労働大臣は、職業の現況及び動向の分析、職業に関する適性の検査及び適応性の増大並びに職務分析のための方法その他職業に関する基礎的事項について、調査研究をしなければならない。
前条第2項の規定は、前項の調査研究の成果(以下「職業に関する調査研究の成果」という。)について準用する。
第13条
【求職者に対する指導】
職業紹介機関は、求職者に対して、雇用情報、職業に関する調査研究の成果等を提供し、かつ、これに基づき職種、就職地その他の求職の内容、必要な技能等について指導することにより、求職者がその適性、能力、経験、技能の程度等にふさわしい職業を選択することを促進し、もつて職業選択の自由が積極的に生かされるように努めなければならない。
第14条
【求人者に対する指導】
職業紹介機関は、求人者に対して、雇用情報、職業に関する調査研究の成果等を提供し、かつ、これに基づき求人の内容について指導することにより、求人者が当該作業又は職務に適合する労働者を雇い入れることを促進するように努めなければならない。
職業紹介機関は、労働力の需給の適正な均衡を図るために必要があると認めるときは、求人者に対して、雇用情報等を提供し、かつ、これに基づき求人の時期、人員又は地域その他の求人の方法について指導することができる。
第15条
【雇用に関する援助】
職業安定機関及び公共職業能力開発施設は、労働者の雇入れ又は配置、適性検査、職業訓練その他の雇用に関する事項について事業主、労働組合その他の関係者から援助を求められたときは、雇用情報、職業に関する調査研究の成果等を活用してその者に対して必要な助言その他の措置を行わなければならない。
第3章
職業訓練等の充実
第16条
【職業訓練の充実】
国は、職業訓練施設の整備、職業訓練の内容の充実及び方法の研究開発、職業訓練指導員の養成確保及び資質の向上等職業訓練を充実するために必要な施策を積極的に講ずるものとする。
国は、労働者の職業能力の開発及び向上が効果的に図られるようにするため、公共職業能力開発施設が行う職業訓練と事業主又はその団体が行う職業訓練とが相互に密接な関連の下で行われるように努めなければならない。
第17条
【職業能力検定制度の充実】
国は、技術の進歩の状況、円滑な再就職のために必要な職業能力の水準その他の事情を考慮して、事業主団体その他の関係者の協力の下に、職業能力の評価のための適正な基準を設定し、これに準拠して労働者の有する職業能力の程度を検定する制度を確立し、及びその充実を図ることにより、労働者の職業能力の開発及び向上、職業の安定並びに経済的社会的地位の向上を図るように努めるものとする。
第4章
職業転換給付金
第18条
【職業転換給付金の支給】
国及び都道府県は、他の法令の規定に基づき支給するものを除くほか、労働者がその有する能力に適合する職業に就くことを容易にし、及び促進するため、求職者その他の労働者又は事業主に対して、政令で定める区分に従い、次に掲げる給付金(以下「職業転換給付金」という。)を支給することができる。
求職者の求職活動の促進とその生活の安定とを図るための給付金
求職者の知識及び技能の習得を容易にするための給付金
広範囲の地域にわたる求職活動に要する費用に充てるための給付金
就職又は知識若しくは技能の習得をするための移転に要する費用に充てるための給付金
求職者を作業環境に適応させる訓練を行うことを促進するための給付金
前各号に掲げるもののほか、政令で定める給付金
第19条
【支給基準等】
職業転換給付金の支給に関し必要な基準は、厚生労働省令で定める。
前項の基準の作成及びその運用に当たつては、他の法令の規定に基づき支給する給付金でこれに類するものとの関連を十分に参酌し、求職者の雇用が促進されるように配慮しなければならない。
第20条
【国の負担】
国は、政令で定めるところにより、都道府県が支給する職業転換給付金に要する費用の一部を負担する。
第21条
【譲渡等の禁止】
職業転換給付金の支給を受けることとなつた者の当該支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、事業主に係る当該権利については、国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。
第22条
【公課の禁止】
租税その他の公課は、職業転換給付金(事業主に対して支給するものを除く。)を標準として、課することができない。
第23条
【連絡及び協力】
都道府県労働局、公共職業安定所、都道府県及び独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構は、職業転換給付金の支給が円滑かつ効果的に行われるように相互に緊密に連絡し、及び協力しなければならない。
第5章
事業主による再就職の援助を促進するための措置等
第24条
【再就職援助計画の作成等】
事業主は、その実施に伴い一の事業所において相当数の労働者が離職を余儀なくされることが見込まれる事業規模の縮小等であつて厚生労働省令で定めるものを行おうとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該離職を余儀なくされる労働者の再就職の援助のための措置に関する計画(以下「再就職援助計画」という。)を作成しなければならない。
事業主は、前項の規定により再就職援助計画を作成するに当たつては、当該再就職援助計画に係る事業所に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合の、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。当該再就職援助計画を変更しようとするときも、同様とする。
事業主は、前二項の規定により再就職援助計画を作成したときは、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所長に提出し、その認定を受けなければならない。当該再就職援助計画を変更したときも、同様とする。
公共職業安定所長は、前項の認定の申請があつた場合において、その再就職援助計画で定める措置の内容が再就職の促進を図る上で適当でないと認めるときは、当該事業主に対して、その変更を求めることができる。その変更を求めた場合において、当該事業主がその求めに応じなかつたときは、公共職業安定所長は、同項の認定を行わないことができる。
第3項の認定の申請をした事業主は、当該申請をした日に、第27条第1項の規定による届出をしたものとみなす。
第25条
事業主は、一の事業所について行おうとする事業規模の縮小等が前条第1項の規定に該当しない場合においても、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者に関し、再就職援助計画を作成し、公共職業安定所長に提出して、その認定を受けることができる。当該再就職援助計画を変更したときも、同様とする。
前条第2項の規定は前項の規定により再就職援助計画を作成し、又は変更する場合について、同条第4項及び第5項の規定は前項の認定の申請があつた場合について準用する。
第26条
【円滑な再就職の促進のための助成及び援助】
政府は、事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者(以下この条において「援助対象労働者」という。)の円滑な再就職を促進するため、雇用保険法第62条の雇用安定事業として、第24条第3項又は前条第1項の規定による認定を受けた再就職援助計画に基づき、その雇用する援助対象労働者に関し、求職活動をするための休暇(労働基準法第39条の規定による年次有給休暇として与えられるものを除く。)の付与その他の再就職の促進に特に資すると認められる措置を講ずる事業主に対して、必要な助成及び援助を行うものとする。
第27条
【大量の雇用変動の届出等】
事業主は、その事業所における雇用量の変動(事業規模の縮小その他の理由により一定期間内に相当数の離職者が発生することをいう。)であつて、厚生労働省令で定める場合に該当するもの(以下この条において「大量雇用変動」という。)については、当該大量雇用変動の前に、厚生労働省令で定めるところにより、当該離職者の数その他の厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。
国又は地方公共団体に係る大量雇用変動については、前項の規定は、適用しない。この場合において、国又は地方公共団体の任命権者(委任を受けて任命権を行う者を含む。次条第3項において同じ。)は、当該大量雇用変動の前に、政令で定めるところにより、厚生労働大臣に通知するものとする。
第1項の規定による届出又は前項の規定による通知があつたときは、国は、次に掲げる措置を講ずることにより、当該届出又は通知に係る労働者の再就職の促進に努めるものとする。
職業安定機関において、相互に連絡を緊密にしつつ、当該労働者の求めに応じて、その離職前から、当該労働者その他の関係者に対する雇用情報の提供並びに広範囲にわたる求人の開拓及び職業紹介を行うこと。
公共職業能力開発施設において必要な職業訓練を行うこと。
第6章
外国人の雇用管理の改善、再就職の促進等の措置
第28条
【外国人雇用状況の届出等】
事業主は、新たに外国人を雇い入れた場合又はその雇用する外国人が離職した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その者の氏名、在留資格(出入国管理及び難民認定法第2条の2第1項に規定する在留資格をいう。次項において同じ。)、在留期間(同条第3項に規定する在留期間をいう。)その他厚生労働省令で定める事項について確認し、当該事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。
前項の規定による届出があつたときは、国は、次に掲げる措置を講ずることにより、当該届出に係る外国人の雇用管理の改善の促進又は再就職の促進に努めるものとする。
職業安定機関において、事業主に対して、当該外国人の有する在留資格、知識経験等に応じた適正な雇用管理を行うことについて必要な指導及び助言を行うこと。
職業安定機関において、事業主に対して、その求めに応じて、当該外国人に対する再就職の援助を行うことについて必要な指導及び助言を行うこと。
職業安定機関において、当該外国人の有する能力、在留資格等に応じて、当該外国人に対する雇用情報の提供並びに求人の開拓及び職業紹介を行うこと。
公共職業能力開発施設において必要な職業訓練を行うこと。
国又は地方公共団体に係る外国人の雇入れ又は離職については、第1項の規定は、適用しない。この場合において、国又は地方公共団体の任命権者は、新たに外国人を雇い入れた場合又はその雇用する外国人が離職した場合には、政令で定めるところにより、厚生労働大臣に通知するものとする。
第2項第1号及び第2号を除く。)の規定は、前項の規定による通知があつた場合について準用する。
第29条
【届出に係る情報の提供】
厚生労働大臣は、法務大臣から、出入国管理及び難民認定法に定める事務の処理に関し、外国人の在留に関する事項の確認のための求めがあつたときは、前条第1項の規定による届出及び同条第3項の規定による通知に係る情報を提供するものとする。
第30条
【法務大臣の連絡又は協力】
厚生労働大臣は、労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整等を図るため、法務大臣に対し、労働に従事することを目的として在留する外国人の出入国に関する必要な連絡又は協力を求めることができる。
法務大臣は、前項の規定による連絡又は協力を求められたときは、本来の任務の遂行を妨げない範囲において、できるだけその求めに応じなければならない。
第7章
雑則
第31条
【国と地方公共団体との連携】
国及び地方公共団体は、国の行う職業指導及び職業紹介の事業等と地方公共団体の講ずる雇用に関する施策が密接な関連の下に円滑かつ効果的に実施されるように相互に連絡し、及び協力するものとする。
第32条
【助言、指導及び勧告】
厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、助言、指導又は勧告をすることができる。
第33条
【報告等】
厚生労働大臣は、第27条第1項及び第28条第1項の規定を施行するために必要な限度において、厚生労働省令で定めるところにより、事業主に対して、労働者の雇用に関する状況その他の事項についての報告を命じ、又はその職員に、事業主の事業所に立ち入り、関係者に対して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件の検査をさせることができる。
前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第34条
【資料の提出の要求等】
厚生労働大臣は、この法律(第27条第1項及び第28条第1項を除く。)を施行するために必要があると認めるときは、事業主に対して、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
第35条
【報告の請求】
都道府県知事又は公共職業安定所長は、職業転換給付金の支給を受け、又は受けた者から当該給付金の支給に関し必要な事項について報告を求めることができる。
参照条文
第36条
【権限の委任】
この法律に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。
前項の規定により都道府県労働局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所長に委任することができる。
第37条
【適用除外】
この法律は、船員職業安定法第6条第1項に規定する船員については、適用しない。
第6条から第10条まで及び第5章第27条を除く。)の規定は、国家公務員及び地方公務員については、適用しない。
第38条
【罰則】
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
第27条第1項の規定に違反して届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第28条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第33条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第35条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同項の刑を科する。
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、第二十一条の規定は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。
附則
昭和48年10月1日
この法律は、公布の日から施行する。ただし、第一条中雇用対策法第二十一条の改正規定は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。
この法律による改正後の雇用対策法第二十一条の規定(離職に係る雇用量の変動に関する部分に限る。)は、同条に規定する雇用量の変動であつて、当該雇用量の変動に係る離職の全部がこの法律の施行(前項ただし書の規定による施行をいう。以下同じ。)の日以後であるものについて適用し、当該雇用量の変動に係る離職の全部又は一部が同日前であるものについては、なお従前の例による。
この法律の施行前にした行為及び前項の規定により従前の例によることとされる雇用量の変動についての届出に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和61年4月30日
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和六十一年十月一日から施行する。
附則
昭和62年6月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和六十三年四月一日から施行する。
第31条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成6年6月17日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成七年四月一日から施行する。
附則
平成9年4月9日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十年七月一日から施行する。
附則
平成10年9月28日
この法律は、平成十一年四月一日から施行する。
附則
平成11年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第十二条から第四十九条までの規定は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成11年7月16日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第122条
(新地方自治法第百五十六条第四項の適用の特例)
第三百七十五条の規定による改正後の労働省設置法の規定による都道府県労働局(以下「都道府県労働局」という。)であって、この法律の施行の際第三百七十五条の規定による改正前の労働省設置法の規定による都道府県労働基準局の位置と同一の位置に設けられているものについては、新地方自治法第百五十六条第四項の規定は、適用しない。
第123条
(職業安定関係地方事務官に関する経過措置)
この法律の施行の際現に旧地方自治法附則第八条に規定する職員(労働大臣又はその委任を受けた者により任命された者に限る。附則第百五十八条において「職業安定関係地方事務官」という。)である者は、別に辞令が発せられない限り、相当の都道府県労働局の職員となるものとする。
第124条
(地方労働基準審議会等に関する経過措置)
この法律による改正前のそれぞれの法律の規定による地方労働基準審議会、地方職業安定審議会、地区職業安定審議会、地方最低賃金審議会、地方家内労働審議会及び機会均等調停委員会並びにその会長、委員その他の職員は、相当の都道府県労働局の相当の機関及び職員となり、同一性をもって存続するものとする。
第159条
(国等の事務)
この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
第160条
(処分、申請等に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
第161条
(不服申立てに関する経過措置)
施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
第162条
(手数料に関する経過措置)
施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。
第163条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第164条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。
第250条
(検討)
新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第251条
政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第252条
政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成11年12月22日
第1条
(施行期日)
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。
附則
平成12年5月12日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十二年十月一日から施行する。
附則
平成13年4月25日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十三年十月一日から施行する。ただし、第一条及び第六条の規定並びに次条(第二項後段を除く。)及び附則第六条の規定、附則第十一条の規定(社会保険労務士法別表第一第二十号の十三の改正規定を除く。)並びに附則第十二条の規定は、同年六月三十日から施行する。
第5条
(政令への委任)
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
第6条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定。以下同じ。)の施行前にした行為並びに附則第二条第三項及び第四条第一項の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成14年12月13日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第六条から第九条まで及び第十一条から第三十四条までの規定については、平成十六年三月一日から施行する。
附則
平成16年6月11日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成19年6月8日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第2条
(外国人雇用状況の届出等に関する経過措置)
前条第一号に掲げる規定の施行の際現に外国人(第一条の規定による改正後の雇用対策法(以下「新雇用対策法」という。)第八条に規定する外国人をいう。以下この条において同じ。)を雇い入れている事業主は、平成二十年十月一日までに、厚生労働省令で定めるところにより、当該外国人に係る新雇用対策法第二十八条第一項に規定する事項について確認し、当該事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。ただし、当該外国人が同号に掲げる規定の施行の日から平成二十年十月一日までの間に離職した場合については、この限りでない。
国又は地方公共団体に係る外国人の雇入れについては、前項の規定は、適用しない。この場合において、国又は地方公共団体の任命権者(委任を受けて任命権を行う者を含む。)は、平成二十年十月一日までに、政令で定めるところにより、前条第一号に掲げる規定の施行の際現に雇い入れている外国人に係る新雇用対策法第二十八条第一項に規定する事項を厚生労働大臣に通知するものとする。ただし、当該外国人が同号に掲げる規定の施行の日から平成二十年十月一日までの間に離職した場合については、この限りでない。
新雇用対策法第二十八条第二項(第三号を除く。)の規定は、第一項の規定による届出があった場合について準用する。
新雇用対策法第二十九条の規定は、第一項の規定による届出及び第二項の規定による通知について準用する。
新雇用対策法第三十三条の規定は、第一項の規定の施行について準用する。
第一項及び第二項並びに前項において準用する新雇用対策法第三十三条第一項の規定による厚生労働大臣の権限については、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。
前項の規定により都道府県労働局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所長に委任することができる。
第6条
(罰則)
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
第7条
(政令への委任)
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
第8条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の雇用対策法及び地域雇用開発促進法の規定について、その施行の状況を勘案しつつ検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
平成21年7月15日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第60条
(検討)
法務大臣は、現に本邦に在留する外国人であって入管法又は特例法の規定により本邦に在留することができる者以外のもののうち入管法第五十四条第二項の規定により仮放免をされ当該仮放免の日から一定期間を経過したものについて、この法律の円滑な施行を図るとともに、施行日以後においてもなおその者が行政上の便益を受けられることとなるようにするとの観点から、施行日までに、その居住地、身分関係等を市町村に迅速に通知すること等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
法務大臣は、この法律の円滑な施行を図るため、現に本邦に在留する外国人であって入管法又は特例法の規定により本邦に在留することができる者以外のものについて、入管法第五十条第一項の許可の運用の透明性を更に向上させる等その出頭を促進するための措置その他の不法滞在者の縮減に向けた措置を講ずることを検討するものとする。
法務大臣は、永住者の在留資格をもって在留する外国人のうち特に我が国への定着性の高い者について、歴史的背景を踏まえつつ、その者の本邦における生活の安定に資するとの観点から、その在留管理の在り方を検討するものとする。
第61条
政府は、この法律の施行後三年を目途として、新入管法及び新特例法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、これらの法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
平成23年4月27日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十三年十月一日から施行する。

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