鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律
平成25年6月14日 改正
第1条
【目的】
この法律は、鳥獣の保護を図るための事業を実施するとともに、鳥獣による生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害を防止し、併せて猟具の使用に係る危険を予防することにより、鳥獣の保護及び狩猟の適正化を図り、もって生物の多様性の確保、生活環境の保全及び農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、自然環境の恵沢を享受できる国民生活の確保及び地域社会の健全な発展に資することを目的とする。
第2条
【定義】
1
この法律において「鳥獣」とは、鳥類又は哺乳類に属する野生動物をいう。
2
この法律において「法定猟法」とは、銃器(装薬銃及び空気銃(圧縮ガスを使用するものを含む。以下同じ。)をいう。以下同じ。)、網又はわなであって環境省令で定めるものを使用する猟法その他環境省令で定める猟法をいう。
3
この法律において「狩猟鳥獣」とは、その肉又は毛皮を利用する目的、生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害を防止する目的その他の目的で捕獲等(捕獲又は殺傷をいう。以下同じ。)の対象となる鳥獣(鳥類のひなを除く。)であって、その捕獲等がその生息の状況に著しく影響を及ぼすおそれのないものとして環境省令で定めるものをいう。
4
この法律において「狩猟」とは、法定猟法により、狩猟鳥獣の捕獲等をすることをいう。
5
この法律において「狩猟期間」とは、毎年十月十五日(北海道にあっては、毎年九月十五日)から翌年四月十五日までの期間で狩猟鳥獣の捕獲等をすることができる期間をいう。
6
環境大臣は、
第3項の環境省令を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、公聴会を開いて利害関係人の意見を聴いた上で、農林水産大臣に協議するとともに、中央環境審議会の意見を聴かなければならない。
第3条
【基本指針】
1
環境大臣は、鳥獣の保護を図るための事業(
第35条第1項に規定する特定猟具使用禁止区域及び特定猟具使用制限区域並びに
第68条第1項に規定する猟区に関する事項を含む。以下「鳥獣保護事業」という。)を実施するための基本的な指針(以下「基本指針」という。)を定めるものとする。
2
基本指針においては、次に掲げる事項について定めるものとする。
②
次条第1項に規定する鳥獣保護事業計画において
同条第2項第1号の鳥獣保護事業計画の計画期間を定めるに当たって遵守すべき基準その他当該鳥獣保護事業計画の作成に関する事項
3
環境大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、農林水産大臣に協議するとともに、中央環境審議会の意見を聴かなければならない。
4
環境大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、都道府県知事に通知しなければならない。
第4条
【鳥獣保護事業計画】
1
都道府県知事は、基本指針に即して、当該都道府県知事が行う鳥獣保護事業の実施に関する計画(以下「鳥獣保護事業計画」という。)を定めるものとする。
2
鳥獣保護事業計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
③
鳥獣の人工増殖(人工的な方法により鳥獣を増殖させることをいう。以下同じ。)及び放鳥獣(鳥獣の保護のためにその生息地に当該鳥獣を解放することをいう。以下同じ。)に関する事項
④
第9条第1項の許可(鳥獣による生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害の防止の目的に係るものに限る。)に関する事項
⑥
第7条第1項に規定する特定鳥獣保護管理計画を作成する場合においては、その作成に関する事項
3
鳥獣保護事業計画においては、
前項各号に掲げる事項のほか、鳥獣保護事業に関する普及啓発に関する事項その他鳥獣保護事業の実施のために必要な事項を定めるよう努めるものとする。
4
都道府県知事は、鳥獣保護事業計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、
自然環境保全法第51条の規定により置かれる審議会その他の合議制の機関(以下「合議制機関」という。)の意見を聴かなければならない。
5
都道府県知事は、鳥獣保護事業計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるとともに、環境大臣に報告しなければならない。
第5条
【鳥獣保護事業計画の達成の推進】
都道府県知事は、鳥獣保護事業計画の達成に必要な措置を講ずるものとする。
第6条
【国の援助】
国は、都道府県知事が、鳥獣保護事業計画に定められた事業を実施しようとするときは、当該事業が円滑に実施されるように必要な助言その他の援助の実施に努めるものとする。
第7条
【特定鳥獣保護管理計画】
1
都道府県知事は、当該都道府県の区域内においてその数が著しく増加又は減少している鳥獣がある場合において、当該鳥獣の生息の状況その他の事情を勘案して長期的な観点から当該鳥獣の保護を図るため特に必要があると認めるときは、当該鳥獣(以下「特定鳥獣」という。)の保護のための管理(以下「保護管理」という。)に関する計画(以下「特定鳥獣保護管理計画」という。)を定めることができる。
2
特定鳥獣保護管理計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
3
特定鳥獣保護管理計画においては、
前項各号に掲げる事項のほか、特定鳥獣の保護管理のために必要な事項を定めるよう努めるものとする。
4
特定鳥獣保護管理計画は、鳥獣保護事業計画に適合したものでなければならない。
5
都道府県知事は、特定鳥獣保護管理計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、利害関係人の意見を聴かなければならない。
6
都道府県知事は、特定鳥獣保護管理計画を定め、又はこれを変更しようとする場合において、次に掲げるときは、あらかじめ、環境大臣に協議しなければならない。
①
その特定鳥獣が特に保護を図る必要があるものとして環境省令で定める鳥獣(以下「希少鳥獣」という。)であるとき。
7
都道府県知事は、特定鳥獣保護管理計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係地方公共団体と協議しなければならない。
第8条
【鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の禁止】
鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
①
次条第1項の許可を受けてその許可に係る捕獲等又は採取等をするとき。
第9条
【鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の許可】
1
学術研究の目的、鳥獣による生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害の防止の目的、
第7条第2項第5号に掲げる特定鳥獣の数の調整の目的その他環境省令で定める目的で鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等をしようとする者は、次に掲げる場合にあっては環境大臣の、それ以外の場合にあっては都道府県知事の許可を受けなければならない。
①
第28条第1項の規定により環境大臣が指定する鳥獣保護区の区域内において鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等をするとき。
②
希少鳥獣の捕獲等又は希少鳥獣のうちの鳥類の卵の採取等をするとき。
③
その構造、材質及び使用の方法を勘案して鳥獣の保護に重大な支障があるものとして環境省令で定める網又はわなを使用して鳥獣の捕獲等をするとき。
2
前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、環境大臣又は都道府県知事に許可の申請をしなければならない。
3
環境大臣又は都道府県知事は、
前項の許可の申請があったときは、当該申請に係る捕獲等又は採取等が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、
第1項の許可をしなければならない。
①
捕獲等又は採取等の目的が
第1項に規定する目的に適合しないとき。
②
捕獲等又は採取等によって鳥獣の保護に重大な支障を及ぼすおそれがあるとき(生態系に係る被害を防止する目的で捕獲等又は採取等をする場合であって、環境省令で定める場合を除く。)。
③
捕獲等又は採取等によって生態系の保護に重大な支障を及ぼすおそれがあるとき。
④
捕獲等又は採取等に際し、住民の安全の確保若しくは環境省令で定める区域(以下「指定区域」という。)の静穏の保持に支障を及ぼすおそれがあるとき。
4
環境大臣又は都道府県知事は、
第1項の許可をする場合において、その許可の有効期間を定めるものとする。
5
環境大臣又は都道府県知事は、
第1項の許可をする場合において、鳥獣の保護、生態系の保護又は住民の安全の確保及び指定区域の静穏の保持のため必要があると認めるときは、その許可に条件を付することができる。
6
環境大臣又は都道府県知事は、特定鳥獣保護管理計画が定められた場合において、当該特定鳥獣保護管理計画に係る特定鳥獣について
第1項の許可をしようとするときは、当該特定鳥獣保護管理計画の達成に資することとなるよう適切な配慮をするものとする。
7
環境大臣又は都道府県知事は、
第1項の許可をしたときは、環境省令で定めるところにより、許可証を交付しなければならない。
8
第1項の許可を受けた者のうち、国、地方公共団体その他適切かつ効果的に
同項の許可に係る捕獲等又は採取等をすることができるものとして環境大臣の定める法人は、環境省令で定めるところにより、環境大臣又は都道府県知事に申請をして、その者の監督の下にその許可に係る捕獲等又は採取等に従事する者(以下「従事者」という。)であることを証明する従事者証の交付を受けることができる。
9
第1項の許可を受けた者は、その者又は従事者が
第7項の許可証(以下単に「許可証」という。)若しくは
前項の従事者証(以下単に「従事者証」という。)を亡失し、又は許可証若しくは従事者証が滅失したときは、環境省令で定めるところにより、環境大臣又は都道府県知事に申請をして、許可証又は従事者証の再交付を受けることができる。
10
第1項の許可を受けた者又は従事者は、捕獲等又は採取等をするときは、許可証又は従事者証を携帯し、国又は地方公共団体の職員、警察官その他関係者から提示を求められたときは、これを提示しなければならない。
11
第1項の許可を受けた者は、次の各号のいずれかに該当することとなった場合は、環境省令で定めるところにより、許可証又は従事者証(
第4号の場合にあっては、発見し、又は回復した許可証若しくは従事者証)を、環境大臣又は都道府県知事に返納しなければならない。
③
第4項の規定により定められた有効期間が満了したとき。
④
第9項の規定により許可証又は従事者証の再交付を受けた後において亡失した許可証又は従事者証を発見し、又は回復したとき。
12
第1項の許可を受けた者又は従事者は、捕獲等をするときは、その使用する猟具(環境省令で定めるものに限る。)ごとに、見やすい場所に、住所及び氏名又は名称その他環境省令で定める事項を表示しなければならない。
13
第1項の許可を受けた者は、
第4項の規定により定められた許可の有効期間が満了したときは、環境省令で定めるところにより、その日から起算して三十日を経過する日までに、その許可に係る捕獲等又は採取等の結果を環境大臣又は都道府県知事に報告しなければならない。
第10条
【許可に係る措置命令等】
1
環境大臣又は都道府県知事は、
前条第1項の規定に違反して許可を受けないで鳥獣の捕獲等若しくは鳥類の卵の採取等をした者又は
同条第5項の規定により付された条件に違反した者に対し、次に掲げる場合は、当該違反に係る鳥獣を解放することその他の必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
③
捕獲等又は採取等に際し、住民の安全の確保若しくは指定区域の静穏の保持のため必要があると認めるとき。
2
環境大臣又は都道府県知事は、
前条第1項の許可を受けた者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律に基づく処分に違反した場合において、
前項各号に掲げるときは、その許可を取り消すことができる。
第11条
【狩猟鳥獣の捕獲等】
1
次に掲げる場合には、
第9条第1項の規定にかかわらず、
第28条第1項に規定する鳥獣保護区、
第34条第1項に規定する休猟区(
第14条第1項の規定により指定された区域がある場合は、その区域を除く。)その他生態系の保護又は住民の安全の確保若しくは静穏の保持が特に必要な区域として環境省令で定める区域以外の区域(以下「狩猟可能区域」という。)において、狩猟期間(
次項の規定により限定されている場合はその期間とし、
第14条第2項の規定により延長されている場合はその期間とする。)内に限り、環境大臣又は都道府県知事の許可を受けないで、狩猟鳥獣(
第14条第1項の規定により指定された区域においてはその区域に係る特定鳥獣に限り、
同条第2項の規定により延長された期間においてはその延長の期間に係る特定鳥獣に限る。)の捕獲等をすることができる。
②
次条、
第14条から
第17条まで、
第36条及び
第37条の規定に従って、次に掲げる狩猟鳥獣の捕獲等をするとき。
ロ
垣、さくその他これに類するもので囲まれた住宅の敷地内において銃器を使用しないでする狩猟鳥獣の捕獲等
2
環境大臣は、狩猟鳥獣(鳥類(狩猟鳥獣のうちの鳥類に限る。)のひなを含む。以下「対象狩猟鳥獣」という。)の保護を図るため必要があると認めるときは、狩猟期間の範囲内においてその捕獲等をする期間を限定することができる。
第12条
【対象狩猟鳥獣の捕獲等の禁止又は制限】
1
環境大臣は国際的又は全国的な対象狩猟鳥獣の保護の見地から、特に保護を図る必要があると認める対象狩猟鳥獣がある場合には、次に掲げる禁止又は制限をすることができる。
①
区域又は期間を定めて当該対象狩猟鳥獣の捕獲等を禁止すること。
②
区域又は期間を定めて当該対象狩猟鳥獣の捕獲等の数を制限すること。
③
当該対象狩猟鳥獣の保護に支障を及ぼすものとして禁止すべき猟法を定めてこれにより捕獲等をすることを禁止すること。
2
都道府県知事は、地域の対象狩猟鳥獣の保護の見地から、特に保護を図る必要があると認める対象狩猟鳥獣がある場合には、
前項の禁止又は制限に加え、
同項各号に掲げる禁止又は制限をすることができる。
3
前二項の場合において、
第1項第2号に掲げる制限をするために必要があると認められるときは、環境大臣又は都道府県知事は、当該対象狩猟鳥獣の捕獲等につきあらかじめ承認を受けるべき旨の制限をすることができる。
4
都道府県知事は、
第2項の禁止若しくは制限若しくは
前項の制限をし、又はこれらを変更しようとするときは、環境大臣に届け出なければならない。
5
第9条第1項の許可を受けた者又は従事者は、
第1項若しくは
第2項の規定による禁止若しくは制限又は
第3項の規定による制限にかかわらず、当該許可に係る捕獲等をすることができる。
第13条
【環境省令で定める鳥獣の捕獲等】
1
農業又は林業の事業活動に伴い捕獲等又は採取等をすることがやむを得ない鳥獣若しくは鳥類の卵であって環境省令で定めるものは、
第9条第1項の規定にかかわらず、環境大臣又は都道府県知事の許可を受けないで、環境省令で定めるところにより、捕獲等又は採取等をすることができる。
第14条
【特定鳥獣に係る特例】
1
都道府県知事は、特定鳥獣が狩猟鳥獣である場合において、当該特定鳥獣に係る特定鳥獣保護管理計画の達成を図るため特に必要があると認めるときは、
第34条第1項の規定により指定した休猟区の全部又は一部について、当該特定鳥獣に関し、捕獲等をすることができる区域を指定することができる。
2
都道府県知事は、特定鳥獣が狩猟鳥獣であり、かつ、その狩猟期間が
第11条第2項の規定により限定されている場合において、当該特定鳥獣に係る特定鳥獣保護管理計画の達成を図るため特に必要があると認めるときは、その狩猟期間の範囲内で、当該特定鳥獣に関し、
同項の規定により限定された期間を延長することができる。
3
都道府県知事は、特定鳥獣が狩猟鳥獣である場合において、当該特定鳥獣に係る特定鳥獣保護管理計画の達成を図るため特に必要があると認めるときは、その都道府県の区域内で、環境大臣が当該特定鳥獣に関し行う
第12条第1項の規定による禁止又は制限の全部又は一部を解除することができる。
第15条
【指定猟法禁止区域】
1
環境大臣又は都道府県知事は、特に必要があると認めるときは、次に掲げる区域について、それぞれ鳥獣の保護に重大な支障を及ぼすおそれがあると認める猟法(以下「指定猟法」という。)を定め、指定猟法により鳥獣の捕獲等をすることを禁止する区域を指定猟法禁止区域として指定することができる。
①
環境大臣にあっては、全国的な鳥獣の保護の見地からその鳥獣の保護のため必要な区域
②
都道府県知事にあっては、地域の鳥獣の保護の見地からその鳥獣の保護のため必要な当該都道府県内の区域であって
前号の区域以外の区域
2
環境大臣又は都道府県知事は、
前項の規定による指定をするときは、その旨並びにその名称、区域及び存続期間を公示しなければならない。
3
第1項の規定による指定は、
前項の規定による公示によってその効力を生ずる。
4
指定猟法禁止区域内においては、指定猟法により鳥獣の捕獲等をしてはならない。ただし、環境大臣又は都道府県知事の許可を受けて当該許可に係る捕獲等をする場合は、この限りでない。
5
環境大臣又は都道府県知事は、
第11項において準用する
第9条第2項の申請があったときは、当該申請に係る捕獲等が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、
前項の許可をしなければならない。
①
指定猟法による捕獲等によって鳥獣の保護に支障を及ぼすおそれがあるとき。
②
指定猟法による捕獲等によって生態系の保護に支障を及ぼすおそれがあるとき。
6
環境大臣又は都道府県知事は、
第4項の許可をする場合において、鳥獣の保護又は生態系の保護のため必要があると認めるときは、その許可に条件を付することができる。
7
第4項の許可を受けた者は、その者が
第11項において読み替えて準用する
第9条第7項の指定猟法許可証(以下単に「指定猟法許可証」という。)を亡失し、又は指定猟法許可証が滅失したときは、環境省令で定めるところにより、環境大臣又は都道府県知事に申請をして、指定猟法許可証の再交付を受けることができる。
8
第4項の許可を受けた者は、指定猟法により鳥獣の捕獲等をするときは、指定猟法許可証を携帯し、国又は地方公共団体の職員、警察官その他関係者から提示を求められたときは、これを提示しなければならない。
9
第4項の許可を受けた者は、次の各号のいずれかに該当することとなった場合は、環境省令で定めるところにより、指定猟法許可証(
第3号の場合にあっては、発見し、又は回復した指定猟法許可証)を、環境大臣又は都道府県知事に返納しなければならない。
③
第7項の規定により指定猟法許可証の再交付を受けた後において亡失した指定猟法許可証を発見し、又は回復したとき。
10
環境大臣又は都道府県知事は、
第4項の規定に違反し、又は
第6項の規定により付された条件に違反した者に対し、次に掲げる場合は、当該違反に係る鳥獣を解放することその他の必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
12
第1項の規定により都道府県知事が指定する指定猟法禁止区域の全部又は一部について
同項の規定により環境大臣が指定する指定猟法禁止区域が指定されたときは、当該都道府県知事が指定する当該指定猟法禁止区域は、
第2項及び
第3項の規定にかかわらず、それぞれ、その指定が解除され、又は環境大臣が指定する当該指定猟法禁止区域と重複する区域以外の区域に変更されたものとみなす。
13
環境大臣又は都道府県知事は、指定猟法禁止区域の指定をしたときは、当該指定猟法禁止区域の区域内にこれを表示する標識を設置しなければならない。
14
前項の標識に関し必要な事項は、環境省令で定める。ただし、都道府県知事が設置する標識の寸法は、この項本文の環境省令の定めるところを参酌して、都道府県の条例で定める。
第16条
【使用禁止猟具の所持規制】
1
第12条第1項第3号に規定する猟法に使用される猟具であって環境省令で定めるもの(以下この条において「使用禁止猟具」という。)は、鳥獣の捕獲等の目的で所持してはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
①
第9条第1項の許可を受けた者又は従事者が、当該許可に係る使用禁止猟具を用いて当該許可に係る捕獲等をする目的で所持するとき。
②
第9条第14項の規定により国内希少野生動植物種等に係る
同条第1項の鳥獣の捕獲等について
同項の許可を受けることを要しないとされた者(以下「許可不要者」という。)が当該捕獲等をする目的で所持するとき。
2
使用禁止猟具は、販売し、又は頒布してはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
①
第9条第1項の許可を受けた者又は従事者に当該許可に係る使用禁止猟具を販売し、又は頒布するとき。
②
許可不要者に国内希少野生動植物種等に係る捕獲等に用いる使用禁止猟具を販売し、又は頒布するとき。
③
輸出される使用禁止猟具を、あらかじめ、環境省令で定めるところにより、環境大臣に届け出て販売し、又は頒布するとき。
3
環境大臣は、
第1項の環境省令を定めようとするときは農林水産大臣及び経済産業大臣に、
前項第3号の環境省令を定めようとするときは経済産業大臣に、協議しなければならない。
第17条
【土地の占有者の承諾】
垣、さくその他これに類するもので囲まれた土地又は作物のある土地において、鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等をしようとする者は、あらかじめ、その土地の占有者の承諾を得なければならない。
第18条
【鳥獣の放置等の禁止】
鳥獣又は鳥類の卵の捕獲等又は採取等をした者は、適切な処理が困難な場合又は生態系に影響を及ぼすおそれが軽微である場合として環境省令で定める場合を除き、当該捕獲等又は採取等をした場所に、当該鳥獣又は鳥類の卵を放置してはならない。
第19条
【飼養の登録】
1
第9条第1項の規定による許可を受けて捕獲をした鳥獣のうち、対象狩猟鳥獣以外の鳥獣(
同項の規定により許可を受けて採取をした鳥類の卵からふ化させたものを含む。
第22条第1項及び
第84条第1項第7号において同じ。)を飼養しようとする者は、その者の住所地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。ただし、
第9条第4項に規定する有効期間の末日から起算して三十日を経過する日までの間に飼養するときは、この限りでない。
2
前項の登録(以下この節において単に「登録」という。)を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、都道府県知事に登録の申請をしなければならない。
3
都道府県知事は、登録をしたときは、その申請をした者に対し、環境省令で定めるところにより、登録票を交付しなければならない。
5
前項の有効期間は、登録を受けた者又は
次条第1項の規定により登録鳥獣(
第1項の規定により登録を受けた鳥獣をいう。以下この節において同じ。)の譲受け又は引受けをした者の申請により更新することができる。
6
登録鳥獣を飼養している者は、その者が
第3項の登録票(以下単に「登録票」という。)で当該登録鳥獣に係るものを亡失し、又は登録票が滅失したときは、環境省令で定めるところにより、都道府県知事に申請をして、登録票の再交付を受けることができる。
第20条
【登録鳥獣及び登録票の管理等】
1
登録鳥獣の譲渡し若しくは譲受け又は引渡し若しくは引受け(以下この節において「譲渡し等」という。)は、当該登録鳥獣に係る登録票とともにしなければならない。
2
登録票は、その登録票に係る登録鳥獣とともにする場合を除いては、譲渡し等をしてはならない。
3
登録鳥獣の譲受け又は引受けをした者は、環境省令で定めるところにより、その日から起算して三十日を経過する日までの間にその者の住所地を管轄する都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
第21条
【登録票の返納等】
1
登録票(
第2号に掲げる場合にあっては、発見し、又は回復した登録票)は、次の各号のいずれかに該当することとなった場合は、その日から起算して三十日を経過する日までの間に都道府県知事に返納しなければならない。
①
登録票に係る登録鳥獣を飼養しないこととなったとき(登録票とともにその登録票に係る登録鳥獣の譲渡し等をしたときを除く。)。
②
第19条第6項の規定により登録票の再交付を受けた後において亡失した登録票を発見し、又は回復したとき。
2
第19条第6項の規定は、盗難その他の事由により登録鳥獣を亡失したことによって
前項第1号に掲げる場合に該当して
同項の規定により登録票を都道府県知事に返納した後において当該登録鳥獣を発見し、又は回復したときについて準用する。
第22条
【登録を受けた者に対する措置命令等】
1
都道府県知事は、
第19条第1項の規定に違反して登録を受けないで対象狩猟鳥獣以外の鳥獣の飼養をした者に対し、当該違反に係る鳥獣を解放することその他の必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
2
都道府県知事は、登録を受けた者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律に基づく処分に違反した場合は、その登録を取り消すことができる。
第23条
【販売禁止鳥獣等】
販売されることによりその保護に重大な支障を及ぼすおそれのある鳥獣(その加工品であって環境省令で定めるもの及び繁殖したものを含む。)又は鳥類の卵であって環境省令で定めるもの(
次条において「販売禁止鳥獣等」という。)は、販売してはならない。ただし、
次条第1項の許可を受けて販売する場合は、この限りでない。
第24条
【販売禁止鳥獣等の販売の許可】
1
学術研究の目的、養殖の目的その他環境省令で定める目的で販売禁止鳥獣等の販売をしようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。
2
都道府県知事は、
第11項において準用する
第19条第2項の申請があったときは、当該申請に係る販売が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、
前項の許可をしなければならない。
②
販売されることにより
前条に規定する鳥獣の保護に支障を及ぼすおそれがあるとき。
3
都道府県知事は、
第1項の許可をする場合において、その許可の有効期間を定めるものとする。
4
都道府県知事は、
第1項の許可をする場合において、販売禁止鳥獣等の保護のため必要があると認めるときは、その許可に条件を付することができる。
5
都道府県知事は、
第1項の許可をしたときは、環境省令で定めるところにより、販売許可証を交付しなければならない。
6
第1項の許可を受けた者は、その者が
前項の販売許可証(以下単に「販売許可証」という。)を亡失し、又は販売許可証が滅失したときは、環境省令で定めるところにより、都道府県知事に申請をして、販売許可証の再交付を受けることができる。
7
第1項の許可を受けた者は、販売禁止鳥獣等の販売をするときは、販売許可証を携帯し、国又は地方公共団体の職員、警察官その他関係者から提示を求められたときは、これを提示しなければならない。
8
第1項の許可を受けた者は、次の各号のいずれかに該当することとなった場合は、環境省令で定めるところにより、販売許可証(
第3号の場合にあっては、発見し、又は回復した販売許可証)を、都道府県知事に返納しなければならない。
②
第3項の規定により定められた有効期間が満了したとき。
③
第6項の規定により販売許可証の再交付を受けた後において亡失した販売許可証を発見し、又は回復したとき。
9
都道府県知事は、
前条の規定に違反し、又は
第4項の規定により付された条件に違反した者に対し、次に掲げる場合は、当該違反に係る鳥獣を解放することその他の必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
①
前条に規定する鳥獣の保護のため必要があると認めるとき。
10
都道府県知事は、
第1項の許可を受けた者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律に基づく処分に違反した場合において、
前項各号に掲げるときは、その許可を取り消すことができる。
第25条
【鳥獣等の輸出の規制】
1
鳥獣(その加工品であって環境省令で定めるものを含む。以下この条において同じ。)又は鳥類の卵であって環境省令で定めるものは、この法律に違反して捕獲又は採取をしたものではないことを証する証明書(以下「適法捕獲等証明書」という。)を添付してあるものでなければ、輸出してはならない。
2
適法捕獲等証明書の交付を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、環境大臣に申請をしなければならない。
3
環境大臣は、
前項の申請に係る鳥獣又は鳥類の卵が違法に捕獲又は採取をされたものではないと認められるときは、環境省令で定めるところにより、適法捕獲等証明書を交付しなければならない。
4
適法捕獲等証明書の交付を受けた者は、その者が適法捕獲等証明書を亡失し、又は適法捕獲等証明書が滅失したときは、環境省令で定めるところにより、環境大臣に申請をして、適法捕獲等証明書の再交付を受けることができる。
5
適法捕獲等証明書の交付を受けた者は、次の各号のいずれかに該当することとなった場合は、環境省令で定めるところにより、その適法捕獲等証明書(
第2号の場合にあっては、発見し、又は回復した適法捕獲等証明書)を、環境大臣に返納しなければならない。
①
第7項の規定により適法捕獲等証明書の効力が取り消されたとき。
②
前項の規定により適法捕獲等証明書の再交付を受けた後において亡失した適法捕獲等証明書を発見し、又は回復したとき。
6
環境大臣は、
第1項の規定に違反した者に対し、次に掲げる場合は、当該違反に係る鳥獣を解放することその他の必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
①
第1項に規定する鳥獣の保護のため必要があると認めるとき。
7
環境大臣は、適法捕獲等証明書の交付を受けた者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律に基づく処分に違反した場合において、
前項各号に掲げるときは、その適法捕獲等証明書の効力を取り消すことができる。
第26条
【鳥獣等の輸入等の規制】
1
鳥獣(その加工品であって環境省令で定めるものを含む。以下この条において同じ。)又は鳥類の卵であって環境省令で定めるものは、当該鳥獣又は鳥類の卵が適法に捕獲若しくは採取をされたこと又は輸出が許可されたことを証する外国の政府機関その他環境大臣が定める者により発行された証明書を添付してあるものでなければ、輸入してはならない。ただし、当該鳥獣若しくは鳥類の卵の捕獲若しくは採取又は輸出に関し証明する制度を有しない国又は地域として環境大臣が定める国又は地域から輸入する場合は、この限りでない。
2
前項に規定する鳥獣のうち環境省令で定めるものを輸入した者は、輸入後速やかに、当該鳥獣(以下「特定輸入鳥獣」という。)につき、環境大臣から、当該特定輸入鳥獣が
同項の規定に適合して輸入されたものであることを表示する標識(以下この条において単に「標識」という。)の交付を受け、当該特定輸入鳥獣にこれを着けなければならない。
3
標識の交付を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、環境大臣に申請をしなければならない。
4
環境大臣は、
前項の申請に係る特定輸入鳥獣が
第1項の規定に適合して輸入されたものであると認められるときは、環境省令で定めるところにより、標識を交付しなければならない。
5
標識は、環境省令で定めるやむを得ない場合を除き、その標識に係る特定輸入鳥獣から取り外してはならない。
6
標識が着けられていない特定輸入鳥獣は、譲渡し等をしてはならない。
7
第3項の規定により標識の交付の申請をする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納めなければならない。
第27条
【違法に捕獲又は輸入した鳥獣の飼養、譲渡し等の禁止】
この法律に違反して、捕獲し、若しくは輸入した鳥獣(この法律に違反して、採取し、若しくは輸入した鳥類の卵からふ化されたもの及びこれらの加工品であって環境省令で定めるものを含む。)又は採取し、若しくは輸入した鳥類の卵は、飼養、譲渡し若しくは譲受け又は販売、加工若しくは保管のため引渡し若しくは引受けをしてはならない。
第28条
【鳥獣保護区】
1
環境大臣又は都道府県知事は、鳥獣の保護を図るため特に必要があると認めるときは、鳥獣の種類その他鳥獣の生息の状況を勘案してそれぞれ次に掲げる区域を鳥獣保護区として指定することができる。
①
環境大臣にあっては、国際的又は全国的な鳥獣の保護の見地からその鳥獣の保護のため重要と認める区域
②
都道府県知事にあっては、地域の鳥獣の保護の見地からその鳥獣の保護のため重要と認める当該都道府県内の区域であって
前号の区域以外の区域
2
前項の規定による指定又はその変更は、鳥獣保護区の名称、区域、存続期間及び当該鳥獣保護区の保護に関する指針を定めてするものとする。
3
環境大臣又は都道府県知事は、
第1項の規定による指定をし、又はその変更をしようとするとき(変更にあっては、鳥獣保護区の区域を拡張するときに限る。
次項から
第6項までにおいて同じ。)は、あらかじめ、関係地方公共団体の意見を聴かなければならない。
4
環境大臣又は都道府県知事は、
第1項の規定による指定をし、又はその変更をしようとするときは、あらかじめ、環境省令で定めるところにより、その旨を公告し、公告した日から起算して十四日(都道府県知事にあっては、その定めるおおむね十四日の期間)を経過する日までの間、当該鳥獣保護区の名称、区域、存続期間及び当該鳥獣保護区の保護に関する指針の案(
次項及び
第6項において「指針案」という。)を公衆の縦覧に供しなければならない。
5
前項の規定による公告があったときは、
第1項の規定による指定をし、又はその変更をしようとする区域の住民及び利害関係人は、
前項に規定する期間が経過する日までの間に、環境大臣又は都道府県知事に指針案についての意見書を提出することができる。
6
環境大臣又は都道府県知事は、指針案について異議がある旨の
前項の意見書の提出があったとき、その他鳥獣保護区の指定又は変更に関し広く意見を聴く必要があると認めるときは、環境大臣にあっては公聴会を開催するものとし、都道府県知事にあっては公聴会の開催その他の必要な措置を講ずるものとする。
7
鳥獣保護区の存続期間は、二十年を超えることができない。ただし、二十年以内の期間を定めてこれを更新することができる。
8
環境大臣又は都道府県知事は、鳥獣の生息の状況の変化その他の事情の変化により
第1項の規定による指定の必要がなくなったと認めるとき、又はその指定を継続することが適当でないと認めるときは、その指定を解除しなければならない。
11
鳥獣保護区の区域内の土地又は木竹に関し、所有権その他の権利を有する者は、正当な理由がない限り、環境大臣又は都道府県知事が当該土地又は木竹に鳥獣の生息及び繁殖に必要な営巣、給水、給餌等の施設を設けることを拒んではならない。
第28条の2
【鳥獣保護区における保全事業】
1
国又は都道府県は、鳥獣保護区における鳥獣の生息の状況に照らして必要があると認めるときは、国にあっては
前条第1項の規定により環境大臣が指定する鳥獣保護区(以下「国指定鳥獣保護区」という。)において、都道府県にあっては
同項の規定により都道府県知事が指定する鳥獣保護区(以下「都道府県指定鳥獣保護区」という。)において、保全事業(鳥獣の生息地の保護及び整備を図るための鳥獣の繁殖施設の設置その他の事業であって環境省令で定めるものをいう。以下同じ。)を行うものとする。
2
環境大臣以外の国の機関は、国指定鳥獣保護区における保全事業を行おうとするときは、環境大臣に協議しなければならない。
3
地方公共団体は、次に掲げる場合にあっては環境大臣に協議してその同意を得、それ以外の場合にあっては環境大臣に協議して、国指定鳥獣保護区における保全事業の一部を行うことができる。
①
当該保全事業として希少鳥獣の捕獲等又は希少鳥獣のうちの鳥類の卵の採取等をするとき。
②
当該保全事業として
第9条第1項第3号の環境省令で定める網又はわなを使用して鳥獣の捕獲等をするとき。
4
都道府県以外の地方公共団体は、
前項各号に掲げる場合に該当する場合にあっては都道府県知事に協議してその同意を得、それ以外の場合にあっては都道府県知事に協議して、都道府県指定鳥獣保護区における保全事業の一部を行うことができる。
5
都道府県が
第1項の規定による保全事業を行う場合において
第3項各号に掲げる場合に該当するとき又は都道府県知事が
前項の規定により保全事業について同意をしようとする場合は、都道府県又は都道府県知事は、環境大臣に協議し、その同意を得なければならない。
第29条
【特別保護地区】
1
環境大臣又は都道府県知事は、それぞれ鳥獣保護区の区域内で鳥獣の保護又は鳥獣の生息地の保護を図るため特に必要があると認める区域を特別保護地区として指定することができる。
2
特別保護地区の存続期間は、当該特別保護地区が属する鳥獣保護区の存続期間の範囲内において環境大臣又は都道府県知事が定める期間とする。
3
環境大臣又は都道府県知事は、鳥獣の生息の状況の変化その他の事情の変化により
第1項の規定による指定の必要がなくなったと認めるとき、又はその指定を継続することが適当でないと認めるときは、その指定を解除しなければならない。
4
第2項の規定は
第1項の規定による指定の変更について、
第3条第3項の規定は
第1項の規定により環境大臣が行う指定及びその変更(特別保護地区の区域を拡張し、又は存続期間を延長するものに限る。)について、
第4条第4項及び
第12条第4項の規定は
第1項の規定により都道府県知事が行う指定及びその変更(
第4条第4項の場合にあっては、特別保護地区の区域を拡張し、又は存続期間を延長するものに限る。)について、
第15条第2項、
第3項、
第13項及び
第14項並びに
第28条第2項から
第6項までの規定は
第1項の規定による指定及びその変更(
同条第3項から
第6項までの場合にあっては、特別保護地区の区域を拡張し、又は存続期間を延長するものに限る。)について準用する。この場合において、
第12条第4項中「環境大臣に届け出なければ」とあるのは「特別保護地区の存続期間の終了後引き続き当該特別保護地区の区域と同一の区域を特別保護地区として指定する場合又は特別保護地区の存続期間を延長する場合にあっては環境大臣に届け出、これら以外の場合にあっては環境大臣に協議しなければ」と、
第15条第2項中「その旨並びにその名称、区域及び存続期間」とあるのは「その旨並びに特別保護地区の名称、区域、存続期間及び当該特別保護地区の保護に関する指針」と、
同条第3項中「
前項の規定による公示」とあるのは「
第29条第4項において読み替えて準用する
前項の規定による公示」と読み替えるものとする。
6
環境大臣は、
第4項の規定により読み替えて準用する
第12条第4項の規定による協議を受けた場合(
第1項の規定による指定の変更の場合にあっては、特別保護地区の区域を拡張するときに限る。)は、農林水産大臣に協議しなければならない。
7
特別保護地区の区域内においては、次に掲げる行為は、
第1項の規定により環境大臣が指定する特別保護地区(以下「国指定特別保護地区」という。)にあっては環境大臣の、
同項の規定により都道府県知事が指定する特別保護地区(以下「都道府県指定特別保護地区」という。)にあっては都道府県知事の許可を受けなければ、してはならない。ただし、鳥獣の保護に支障がないと認められる行為として国指定特別保護地区にあっては環境大臣が、都道府県指定特別保護地区にあっては都道府県知事がそれぞれ定めるものについては、この限りでない。
①
建築物その他の工作物を新築し、改築し、又は増築すること。
④
前三号に掲げるもののほか、国指定特別保護地区にあっては環境大臣が、都道府県指定特別保護地区にあっては都道府県知事がそれぞれ指定する区域内において、鳥獣の保護に影響を及ぼすおそれがある行為として政令で定めるものを行うこと。
8
前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、国指定特別保護地区にあっては環境大臣に、都道府県指定特別保護地区にあっては都道府県知事にそれぞれ許可の申請をしなければならない。
9
環境大臣又は都道府県知事は、
前項の許可の申請があったときは、当該申請に係る行為が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、
第7項の許可をしなければならない。
①
当該行為が鳥獣の保護に重大な支障を及ぼすおそれがあるとき。
②
当該行為が鳥獣の生息地の保護に重大な支障を及ぼすおそれがあるとき。
10
環境大臣又は都道府県知事は、鳥獣の保護又は鳥獣の生息地の保護のため必要があると認めるときは、
第7項の許可に条件を付することができる。
第30条
【措置命令等】
1
環境大臣は国指定特別保護地区について、都道府県知事は都道府県指定特別保護地区について、鳥獣の保護のため必要があると認めるときは、特別保護地区の区域内において
前条第7項の許可を受けて
同項各号に掲げる行為をしている者に対し、その行為の実施方法について指示をすることができる。
2
環境大臣は国指定特別保護地区について、都道府県知事は都道府県指定特別保護地区について、鳥獣の保護又は鳥獣の生息地の保護のために必要があると認めるときは、
前条第7項の規定に違反した者又は
同条第10項の規定により付された条件に違反した者に対し、これらの保護のために必要な限度において、その行為の中止を命じ、又はこれらの者若しくはこれらの者から当該土地、建築物その他の工作物若しくは物件についての権利を承継した者に対し、相当の期限を定めて、原状回復を命じ、若しくは原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
3
前項の規定により原状回復又はこれに代わるべき必要な措置(以下「原状回復等」という。)を命じようとする場合において、過失がなくて当該原状回復等を命ずべき者を確知することができないときは、環境大臣又は都道府県知事は、その者の負担において、当該原状回復等を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、当該原状回復等を行うべき旨及びその期限までに当該原状回復等を行わないときは、環境大臣若しくは都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者が当該原状回復等を行う旨をあらかじめ公告しなければならない。
4
前項の規定により原状回復等を行おうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
第31条
【実地調査】
2
環境大臣又は都道府県知事は、その職員に
前項の規定による立入りをさせようとするときは、あらかじめ、土地の所有者又は占有者にその旨を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。
3
第1項の規定による立入りをする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
4
土地の所有者又は占有者は、正当な理由がない限り、
第1項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。
第32条
【損失の補償】
1
国は国指定鳥獣保護区について、都道府県知事は都道府県指定鳥獣保護区について、
第28条第11項の規定により施設を設置されたため、
第29条第7項の許可を受けることができないため、又は
同条第10項の規定により条件を付されたため損失を受けた者に対し、通常生ずべき損失の補償をする。
2
前項の補償を受けようとする者は、環境大臣又は都道府県知事にその請求をしなければならない。
3
環境大臣又は都道府県知事は、
前項の請求を受けたときは、補償すべき金額を決定し、その請求をした者に通知しなければならない。
4
前項の規定による金額の決定に不服がある者は、
同項の規定による通知を受けた日から六月を経過する日までの間に、訴えをもってその増額の請求をすることができる。
5
前項の訴えにおいては、国又は都道府県を被告とする。
第33条
【国指定鳥獣保護区と都道府県指定鳥獣保護区との関係】
都道府県指定鳥獣保護区の区域の全部又は一部について国指定鳥獣保護区が指定されたときは、当該都道府県指定鳥獣保護区は、
第28条第2項並びに
同条第9項及び
第10項において準用する
第15条第2項及び
第3項の規定にかかわらず、それぞれ、その指定が解除され、又は当該国指定鳥獣保護区の区域と重複する区域以外の区域に変更されたものとみなす。
第34条
【休猟区の指定】
1
都道府県知事は、狩猟鳥獣の数が著しく減少している場合において、その数を増加させる必要があると認められる区域があるときは、その区域を休猟区として指定することができる。
2
休猟区の存続期間は、三年を超えることができない。
3
都道府県知事は、
第1項の規定による指定をするときは、その旨並びにその名称、区域及び存続期間を公示しなければならない。
4
第1項の規定による指定は、
前項の規定による公示によってその効力を生ずる。
5
都道府県知事は、休猟区の指定をしたときは、当該休猟区の区域内にこれを表示する標識を設置しなければならない。
6
前項の標識に関し必要な事項(当該標識の寸法を除く。)は、環境省令で定める。
7
第5項の標識の寸法は、環境省令で定める基準を参酌して、都道府県の条例で定める。
第35条
【特定猟具使用禁止区域等】
1
都道府県知事は、銃器又は環境省令で定めるわな(以下「特定猟具」という。)を使用した鳥獣の捕獲等に伴う危険の予防又は指定区域の静穏の保持のため、特定猟具を使用した鳥獣の捕獲等を禁止し、又は制限する必要があると認める区域を、特定猟具の種類ごとに、特定猟具使用禁止区域又は特定猟具使用制限区域として指定することができる。
2
特定猟具使用禁止区域内においては、当該区域に係る特定猟具を使用した鳥獣の捕獲等をしてはならない。ただし、
第9条第1項の許可を受けた者若しくは従事者がその許可に係る捕獲等をする場合又は許可不要者が国内希少野生動植物種等に係る捕獲等をする場合は、この限りでない。
3
特定猟具使用制限区域内においては、都道府県知事の承認を受けないで、当該区域に係る特定猟具を使用した鳥獣の捕獲等(以下「承認対象捕獲等」という。)をしてはならない。ただし、
第9条第1項の許可を受けた者若しくは従事者がその許可に係る捕獲等をする場合又は許可不要者が国内希少野生動植物種等に係る捕獲等をする場合は、この限りでない。
4
前項の承認(以下この条において単に「承認」という。)を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、都道府県知事に承認の申請をしなければならない。
5
都道府県知事は、
前項の申請があったときは、当該申請に係る承認対象捕獲等が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、承認をしなければならない。
①
承認対象捕獲等に伴う危険の予防に支障を及ぼすおそれがあるとき。
②
指定区域の静穏の保持に支障を及ぼすおそれがあるとき。
6
承認は、承認対象捕獲等をしようとする者の数について、環境省令で定める基準に従い都道府県知事が定める数の範囲内において行うものとする。
7
都道府県知事は、承認をする場合において、危険の予防又は指定区域の静穏の保持のため必要があると認めるときは、承認に条件を付することができる。
8
承認を受けた者は、その者が
第12項において読み替えて準用する
第24条第5項の承認証(以下単に「承認証」という。)を亡失し、又は承認証が滅失したときは、環境省令で定めるところにより、都道府県知事に申請をして、承認証の再交付を受けることができる。
9
承認を受けた者は、特定猟具使用制限区域内において承認対象捕獲等をするときは、承認証を携帯し、国又は地方公共団体の職員、警察官その他関係者から提示を求められたときは、これを提示しなければならない。
10
承認を受けた者は、次の各号のいずれかに該当することとなった場合は、環境省令で定めるところにより、承認証(
第3号の場合にあっては、発見し、又は回復した承認証)を、都道府県知事に返納しなければならない。
③
第8項の規定により承認証の再交付を受けた後において亡失した承認証を発見し、又は回復したとき。
11
都道府県知事は、
第3項の規定に違反し、又は
第7項の規定により付された条件に違反した者に対し、次に掲げる場合は、承認対象捕獲等をする場所を変更することその他の必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
①
承認対象捕獲等に伴う危険の予防のため必要があると認めるとき。
②
指定区域の静穏の保持のため必要があると認めるとき。
第36条
【危険猟法の禁止】
爆発物、劇薬、毒薬を使用する猟法その他環境省令で定める猟法(
次条において「危険猟法」という。)により鳥獣の捕獲等をしてはならない。ただし、
第13条第1項の規定により鳥獣の捕獲等をする場合又は
次条第1項の許可を受けてその許可に係る鳥獣の捕獲等をする場合は、この限りでない。
第37条
【危険猟法の許可】
1
第9条第1項に規定する目的で危険猟法により鳥獣の捕獲等をしようとする者は、環境大臣の許可を受けなければならない。
2
前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、環境大臣に許可の申請をしなければならない。
3
環境大臣は、
前項の申請があったときは、当該申請に係る鳥獣の捕獲等が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、
第1項の許可をしなければならない。
①
鳥獣の捕獲等の目的が
第1項に規定する目的に適合しないとき。
②
人の生命又は身体に危害を及ぼすおそれがあるとき。
4
環境大臣は、
第1項の許可をする場合において、その許可の有効期間を定めるものとする。
5
環境大臣は、
第1項の許可をする場合において、危険の予防のため必要があると認めるときは、その許可に条件を付することができる。
6
環境大臣は、
第1項の許可をしたときは、環境省令で定めるところにより、危険猟法許可証を交付しなければならない。
7
第1項の許可を受けた者は、その者が
前項の危険猟法許可証(以下単に「危険猟法許可証」という。)を亡失し、又は危険猟法許可証が滅失したときは、環境省令で定めるところにより、環境大臣に申請をして、危険猟法許可証の再交付を受けることができる。
8
第1項の許可を受けた者は、危険猟法により鳥獣の捕獲等をするときは、危険猟法許可証を携帯し、国又は地方公共団体の職員、警察官その他関係者から提示を求められたときは、これを提示しなければならない。
9
第1項の許可を受けた者は、次の各号のいずれかに該当することとなった場合は、環境省令で定めるところにより、危険猟法許可証(
第3号の場合にあっては、発見し、又は回復した危険猟法許可証)を、環境大臣に返納しなければならない。
②
第4項の規定により定められた有効期間が満了したとき。
③
第7項の規定により危険猟法許可証の再交付を受けた後において亡失した危険猟法許可証を発見し、又は回復したとき。
10
環境大臣は、
第1項の規定に違反して許可を受けないで鳥獣の捕獲等をした者又は
第5項の規定により付された条件に違反した者に対し、危険の予防のため必要があると認めるときは、鳥獣の捕獲等をする場所を変更することその他の必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
11
環境大臣は、
第1項の許可を受けた者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律に基づく処分に違反した場合において、危険の予防のため必要があると認めるときは、その許可を取り消すことができる。
第38条
【銃猟の制限】
1
日出前及び日没後においては、銃器を使用した鳥獣の捕獲等(以下「銃猟」という。)をしてはならない。
2
住居が集合している地域若しくは広場、駅その他の多数の者の集合する場所において、又は弾丸の到達するおそれのある人、飼養若しくは保管されている動物、建物若しくは電車、自動車、船舶その他の乗物に向かって、銃猟をしてはならない。
第39条
【狩猟免許】
1
狩猟をしようとする者は、都道府県知事の免許(以下「狩猟免許」という。)を受けなければならない。
2
狩猟免許は、網猟免許、わな猟免許、第一種銃猟免許及び第二種銃猟免許に区分する。
3
次の表の上欄に掲げる猟法により狩猟鳥獣の捕獲等をしようとする者は、当該猟法の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる狩猟免許を受けなければならない。ただし、
第9条第1項の許可を受けてする場合及び
第11条第1項第2号(
同号イに係る部分を除く。)に掲げる場合は、この限りでない。
猟法の種類 | 狩猟免許の種類 |
網を使用する猟法又は第2条第2項の環境省令で定める猟法 | 網猟免許 |
わなを使用する猟法 | わな猟免許 |
装薬銃を使用する猟法 | 第一種銃猟免許 |
空気銃を使用する猟法 | 第二種銃猟免許 |
4
第一種銃猟免許を受けた者は、装薬銃を使用する猟法により狩猟鳥獣の捕獲等をすることができるほか、空気銃を使用する猟法により狩猟鳥獣の捕獲等をすることができる。
第40条
【狩猟免許の欠格事由】
次の各号のいずれかに該当する者に対しては、狩猟免許(
第6号の場合にあっては、取消しに係る種類のものに限る。)を与えない。
②
精神障害又は発作による意識障害をもたらし、その他の狩猟を適正に行うことに支障を及ぼすおそれがある病気として環境省令で定めるものにかかっている者
④
自己の行為の是非を判別し、又はその判別に従って行動する能力がなく、又は著しく低い者(前三号に該当する者を除く。)
⑤
この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反して、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者
第41条
【狩猟免許の申請】
狩猟免許を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、その者の住所地を管轄する都道府県知事(以下「管轄都道府県知事」という。)に、申請書を提出し、かつ、管轄都道府県知事の行う狩猟免許試験を受けなければならない。
第42条
【狩猟免許の条件】
管轄都道府県知事は、狩猟の適正化を図るため必要があると認めるときは、狩猟免許に、その狩猟免許に係る者の身体の状態に応じ、その者がすることができる猟法の種類を限定し、その他狩猟をするについて必要な条件を付し、及びこれを変更することができる。
第43条
【狩猟免状の交付】
狩猟免許は、狩猟免許試験に合格した者に対し、環境省令で定めるところにより、狩猟免状を交付して行う。
第44条
【狩猟免許の有効期間】
1
狩猟免許の有効期間は、当該狩猟免許に係る狩猟免許試験を受けた日から起算して三年を経過した日の属する年の九月十四日までの期間とする。
2
第51条第3項の規定により更新された狩猟免許の有効期間は、三年とする。
第45条
【狩猟免状の記載事項】
1
狩猟免状には、次に掲げる事項を記載するものとする。
②
狩猟免状の交付年月日及び狩猟免許の有効期間の末日
2
管轄都道府県知事は、
前項に規定するもののほか、狩猟免許を受けた者について、
第42条の規定により、狩猟免許に条件を付し、又は狩猟免許に付されている条件を変更したときは、その者の狩猟免状に当該条件に係る事項を記載しなければならない。
第46条
【狩猟免状の記載事項の変更の届出等】
1
狩猟免許を受けた者は、
前条第1項第4号に掲げる事項に変更を生じたときは、環境省令で定めるところにより、遅滞なく、管轄都道府県知事(都道府県の区域を異にして住所を変更したときは、変更した後の管轄都道府県知事)に届け出て、狩猟免状にその変更に係る事項の記載を受けなければならない。
2
狩猟免許を受けた者は、狩猟免状を亡失し、滅失し、汚損し、又は破損したときは、環境省令で定めるところにより、管轄都道府県知事に申請して、狩猟免状の再交付を受けることができる。
第47条
【受験資格】
第40条各号のいずれかに該当する者は、狩猟免許試験を受けることができない。
第48条
【狩猟免許試験の方法】
狩猟免許試験は、環境省令で定めるところにより、狩猟免許の種類ごとに次に掲げる事項について行う。
第49条
【狩猟免許試験の免除】
次の各号のいずれかに該当する者に対しては、環境省令で定めるところにより、狩猟免許試験の一部を免除することができる。
①
既に狩猟免許を受けている者で、当該狩猟免許の有効期間内に、当該狩猟免許の種類以外の種類の狩猟免許について狩猟免許試験を受けようとするもの
②
災害その他環境省令で定めるやむを得ない理由のため、
第51条第3項の狩猟免許の有効期間の更新を受けなかった者
第50条
【狩猟免許試験の停止等】
1
管轄都道府県知事は、不正の手段によって狩猟免許試験を受け、又は受けようとした者に対しては、その狩猟免許試験を停止し、又は合格の決定を取り消すことができる。
2
前項の規定により合格の決定を取り消したときは、管轄都道府県知事は、その旨を直ちにその者に通知しなければならない。この場合において、当該狩猟免許試験に係る狩猟免許は、その通知を受けた日に効力を失うものとする。
3
管轄都道府県知事は、
第1項の規定による処分を受けた者に対し、三年以内の期間を定めて、狩猟免許試験を受けることができないものとすることができる。
第51条
【狩猟免許の更新】
1
狩猟免許の有効期間の更新を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、管轄都道府県知事に申請書を提出しなければならない。
2
前項の規定による申請書の提出があったときは、管轄都道府県知事は、環境省令で定めるところにより、その者について、
第48条第1号に掲げる事項に係る試験(
次項において「適性試験」という。)を行わなければならない。
3
適性試験の結果から判断して、当該狩猟免許の更新を受けようとする者が狩猟をすることが支障がないと認めたときは、当該管轄都道府県知事は、環境省令で定めるところにより、当該狩猟免許の更新をしなければならない。
4
狩猟免許の更新を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、管轄都道府県知事が行う講習を受けるよう努めなければならない。
第52条
【狩猟免許の取消し等】
1
管轄都道府県知事は、狩猟免許を受けた者が
第40条第2号から
第4号までのいずれかに該当することが判明したときは、その者の狩猟免許を取り消さなければならない。
2
管轄都道府県知事は、狩猟免許を受けた者が次の各号のいずれかに該当するに至った場合は、その者の狩猟免許の全部若しくは一部を取り消し、又は一年を超えない範囲内で期間を定めて狩猟免許の全部若しくは一部の効力を停止することができる。
①
この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反したとき。
②
狩猟について必要な適性を欠くに至ったことが判明したとき。
第53条
【狩猟免許の失効】
狩猟免許は、狩猟免許を受けた者が狩猟免許の更新を受けなかったときは、その効力を失う。
第54条
【狩猟免状の返納】
狩猟免許を受けた者は、次の各号のいずれかに該当することとなった場合は、環境省令で定めるところにより、狩猟免状(
第3号の場合にあっては、発見し、又は回復した狩猟免状)を、管轄都道府県知事に返納しなければならない。
③
第46条第2項の規定により狩猟免状の再交付を受けた後において亡失した狩猟免状を発見し、又は回復したとき。
第55条
【狩猟者登録】
1
狩猟をしようとする者は、狩猟をしようとする区域を管轄する都道府県知事(以下この節において「登録都道府県知事」という。)の登録を受けなければならない。ただし、
第9条第1項の許可を受けてする場合及び
第11条第1項第2号(
同号イに係る部分を除く。)に掲げる場合は、この限りでない。
2
前項の登録(以下「狩猟者登録」という。)の有効期間は、当該狩猟者登録を受けた年の十月十五日(狩猟者登録を受けた日が同月十六日以後であるときは、その狩猟者登録を受けた日)からその日の属する年の翌年の四月十五日までとする。ただし、北海道においては、当該狩猟者登録を受けた年の九月十五日(狩猟者登録を受けた日が同月十六日以後であるときは、その狩猟者登録を受けた日)からその日の属する年の翌年の四月十五日までとする。
第56条
【狩猟者登録の申請】
狩猟者登録を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、登録都道府県知事に、次に掲げる事項を記載した申請書を提出しなければならない。
第57条
【狩猟者登録の実施】
1
登録都道府県知事は、
前条の規定による申請書の提出があったときは、
次条の規定により登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を狩猟者登録簿に登録しなければならない。
2
狩猟者登録は、当該狩猟者登録を受けた狩猟免許の種類及び狩猟をする場所に限り、その効力を有する。
3
登録都道府県知事は、
第1項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。
第58条
【狩猟者登録の拒否】
登録都道府県知事は、狩猟者登録を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は申請書のうちに重要な事項についての虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
②
第52条第2項の規定により狩猟免許の効力の停止を受け、その期間が経過しない者
③
狩猟により生ずる危害の防止又は損害の賠償について環境省令で定める要件を備えていない者
第59条
【狩猟者登録の制限】
登録都道府県知事は、当該都道府県の区域内における鳥獣の生息の状況その他の事情を勘案して必要があると認めるときは、狩猟を行うことができる者の数を制限し、その範囲内において狩猟者登録をすることができる。
第60条
【狩猟者登録証等】
登録都道府県知事は、狩猟者登録をしたときは、申請者に、環境省令で定めるところにより、狩猟者登録証及び狩猟者登録を受けたことを示す記章(以下「狩猟者記章」という。)を交付する。
第61条
【狩猟者登録の変更の登録等】
1
狩猟者登録を受けた者は、
第56条第1号及び
第2号に掲げる事項を変更しようとするときは、登録都道府県知事の変更登録を受けなければならない。
2
前項の変更登録(以下単に「変更登録」という。)を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書を登録都道府県知事に提出しなければならない。
3
第55条第2項及び
第56条から
第58条までの規定は、変更登録について準用する。この場合において,
第56条中「次に掲げる事項」とあるのは「変更に係る事項」と、
第58条第1項中「狩猟者登録を受けようとする者が次の各号」とあるのは「変更登録に係る狩猟者登録を受けようとする者が次の各号」と読み替えるものとする。
4
狩猟者登録を受けた者は、
第56条第3号及び
第4号に掲げる事項に変更を生じたときは、環境省令で定めるところにより、遅滞なく、登録都道府県知事に届け出なければならない。その届出があった場合には、登録都道府県知事は、遅滞なく、当該登録を変更するものとする。
5
狩猟者登録を受けた者は、
前条の狩猟者登録証(以下単に「狩猟者登録証」という。)又は狩猟者記章を亡失し、滅失し、汚損し、又は破損したときは、環境省令で定めるところにより、登録都道府県知事に申請して、狩猟者登録証又は狩猟者記章の再交付を受けることができる。
第62条
【狩猟者登録証の携帯及び提示義務等】
1
狩猟者登録を受けた者は、狩猟をするときは、狩猟者登録証を携帯し、国又は地方公共団体の職員、警察官その他関係者から提示を求められたときは、これを提示しなければならない。
2
狩猟者登録を受けた者は、狩猟をするときは、狩猟者記章を衣服又は帽子の見やすい場所に着用しなければならない。
3
網猟免許又はわな猟免許に係る狩猟者登録を受けた者は、狩猟をするときは、その使用する猟具ごとに、見やすい場所に、住所、氏名その他環境省令で定める事項を表示しなければならない。
第63条
【狩猟者登録の抹消】
登録都道府県知事は、狩猟者登録を受けた者が次の各号のいずれかに該当するに至った場合は、当該狩猟者登録を抹消しなければならない。
第64条
【狩猟者登録の取消し等】
登録都道府県知事は、狩猟者登録を受けた者が次の各号のいずれかに該当する場合は、その登録を取り消し、又は六月を超えない期間を定めてその狩猟者登録の全部又は一部の効力を停止することができる。
①
不正の手段により狩猟者登録又は変更登録を受けたとき。
②
第58条各号のいずれかに該当することとなったとき。
第65条
【狩猟者登録証等の返納】
狩猟者登録を受けた者は、次の各号のいずれかに該当することとなった場合は、環境省令で定めるところにより、狩猟者登録証又は狩猟者記章(
第3号の場合にあっては、発見し、又は回復した狩猟者登録証若しくは狩猟者記章)を、登録都道府県知事に返納しなければならない。
③
第61条第5項の規定により狩猟者登録証又は狩猟者記章の再交付を受けた後において亡失した狩猟者登録証若しくは狩猟者記章を発見し、又は回復したとき。
第66条
【報告義務】
狩猟者登録を受けた者は、その狩猟者登録の有効期間が満了したときは、環境省令で定めるところにより、その日から起算して三十日を経過する日までに、その狩猟者登録に係る狩猟の結果を登録都道府県知事に報告しなければならない。
第67条
【狩猟者登録の通知】
1
登録都道府県知事は、狩猟者登録をした場合は、当該狩猟者登録をした者に係る管轄都道府県知事に、その旨を通知するものとする。
2
管轄都道府県知事は、
前項の通知に係る者について狩猟免許の取消し若しくは狩猟免許の効力の停止をしたとき、又は狩猟免許の失効があったときは、当該者の狩猟者登録をした登録都道府県知事にその旨を通知するものとする。
第68条
【猟区の認可】
1
狩猟鳥獣の生息数を確保しつつ安全な狩猟の実施を図るため、一定の区域において、放鳥獣、狩猟者数の制限その他狩猟の管理をしようとする者は、規程を定め、環境省令で定めるところにより、当該区域(以下「猟区」という。)における狩猟の管理について都道府県知事の認可を受けることができる。
2
前項の認可を受けようとする者は、
同項の規程(以下「猟区管理規程」という。)に次に掲げる事項を記載しなければならない。
④
専ら放鳥獣をされた狩猟鳥獣の捕獲を目的とする猟区(以下この節において「放鳥獣猟区」という。)にあっては、その旨及び放鳥獣をする狩猟鳥獣の種類
3
猟区の存続期間は、十年を超えることができない。
4
都道府県知事は、
第1項の認可をしようとするときは、安全な狩猟の実施の確保、狩猟鳥獣の捕獲等の調整の必要の有無その他の事情を考慮して、これをしなければならない。
第69条
【土地の権利者の同意】
前条第1項の規定による認可を申請しようとする者は、あらかじめ、猟区における狩猟の管理について当該区域内の土地に関し登記した権利を有する者の同意を得なければならない。
第70条
【認可の公示】
2
第68条第1項の規定による認可を受けて猟区を設定した者(以下「猟区設定者」という。)は、その猟区の認可を受けたときは、環境省令で定めるところにより、その猟区の区域内にこれを表示する標識を設置しなければならない。
第71条
【猟区管理規程の変更等】
1
猟区設定者は、猟区管理規程を変更しようとする場合(
次項に規定する軽微な事項に係る場合を除く。)又は猟区を廃止しようとする場合は、政令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければならない。
2
猟区設定者は、猟区管理規程のうち政令で定める軽微な事項を変更した場合は、遅滞なく、都道府県知事に届け出なければならない。
3
前条第1項の規定は、
第1項の規定による変更及び廃止について準用する。この場合において、
同項の規定による廃止については、
同条第1項中「
同条第2項第1号から
第3号までに掲げる事項その他環境省令で定める事項」とあるのは、「その旨及び廃止に係る区域」と読み替えるものとする。
第72条
【認可の取消し】
1
都道府県知事は、安全な狩猟の実施の確保、鳥獣の保護その他公益上の必要があると認めるときは、猟区の認可を取り消すことができる。
第73条
【猟区の管理】
1
国は、その設定した猟区内における狩猟鳥獣の生息数を確保しつつ安全な狩猟の実施を図るため必要があると認めるときは、狩猟鳥獣の生息及び繁殖に必要な施設の設置、その人工増殖その他の当該猟区の維持管理に関する事務を、環境大臣が中央環境審議会の意見を聴いて、指定する者に委託することができる。
2
前項の規定は、地方公共団体が設定する猟区について準用する。この場合において、
同項中「環境大臣が中央環境審議会の」とあるのは、「都道府県知事が合議制機関の」と読み替えるものとする。
3
第1項(
前項の規定により準用される場合を含む。)の規定により委託を受けた者(以下「受託者」という。)は、当該事務に要する費用を負担しなければならない。
4
受託者は、猟区内において狩猟をしようとする者から、その費用に充てるべき金額を徴収し、その収入とすることができる。
第74条
【猟区に係る特例】
1
猟区においては、猟区設定者の承認を得なければ、狩猟又は
第9条第1項の規定による鳥獣の捕獲等をしてはならない。
2
放鳥獣猟区においては、当該放鳥獣猟区に放鳥獣された狩猟鳥獣以外について狩猟をしてはならない。
第75条
【報告徴収及び立入検査等】
1
環境大臣又は都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、
第9条第1項の許可を受けた者、鳥獣(その加工品を含む。)若しくは鳥類の卵の販売、輸出、輸入若しくは加工をしようとする者、特別保護地区の区域内において
第29条第7項各号に掲げる行為をした者、狩猟免許を受けた者若しくは狩猟者登録を受けた者又は猟区設定者に対し、その行為の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
2
環境大臣又は都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、特別保護地区の区域内において
第29条第7項各号に掲げる行為をした者が所有し、又は占有する土地に立ち入り、その者がした行為の実施状況について検査させ、若しくは関係者に質問させ、又はその行為が鳥獣の保護又は鳥獣の生息地の保護に及ぼす影響について調査をさせることができる。
3
環境大臣又は都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、鳥獣保護区、休猟区、猟区、店舗その他の必要な場所に立ち入り、狩猟をする者その他の者の所持する鳥獣(その加工品を含む。)又は鳥類の卵を検査させることができる。
4
第2項の規定による立入検査若しくは立入調査又は
前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
5
第1項から
第3項までの規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第76条
【取締りに従事する職員】
鳥獣の保護又は狩猟の適正化に関する取締りの事務を担当する都道府県の職員であってその所属する都道府県の知事がその者の主たる勤務地を管轄する地方裁判所に対応する検察庁の検事正と協議をして指名したものは、この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反する罪について、
刑事訴訟法の規定による司法警察員として職務を行う。
第77条
2
前項の規定により環境大臣の権限の一部を行う職員は、その権限を行うときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3
前二項に規定するもののほか、
前項の職員に関し必要な事項は、政令で定める。
第78条
【鳥獣保護員】
1
鳥獣保護事業の実施に関する事務を補助させるため、都道府県に鳥獣保護員を置くことができる。
第78条の2
【調査】
環境大臣及び都道府県知事は、鳥獣の生息の状況、その生息地の状況その他必要な事項について定期的に調査をし、その結果を、基本指針の策定又は変更、鳥獣保護事業計画の作成又は変更、この法律に基づく命令の改廃その他この法律の適正な運用に活用するものとする。
第79条
【環境大臣の指示等】
1
環境大臣は、鳥獣の数が著しく減少しているとき、その他鳥獣の保護を図るため緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、次に掲げる事務に関し必要な指示をすることができる。
第80条
【適用除外】
1
この法律の規定は、環境衛生の維持に重大な支障を及ぼすおそれのある鳥獣又は他の法令により捕獲等について適切な保護管理がなされている鳥獣であって環境省令で定めるものについては、適用しない。
第80条の2
【権限の委任】
この法律に規定する環境大臣の権限は、環境省令で定めるところにより、地方環境事務所長に委任することができる。
第81条
【経過措置】
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第82条
【環境省令への委任】
この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、環境省令で定める。
第83条
1
次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
①
第8条の規定に違反して狩猟鳥獣以外の鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等をした者(許可不要者を除く。)
②
狩猟可能区域以外の区域において、又は狩猟期間(
第11条第2項の規定により限定されている場合はその期間とし、
第14条第2項の規定により延長されている場合はその期間とする。)外の期間に狩猟鳥獣の捕獲等をした者(
第9条第1項の許可を受けた者及び
第13条第1項の規定により捕獲等をした者を除く。)
②の2
第14条第1項の規定により指定された区域においてその区域に係る特定鳥獣以外の狩猟鳥獣の捕獲等をし、又は
同条第2項の規定により延長された期間においてその延長の期間に係る特定鳥獣以外の狩猟鳥獣の捕獲等をした者(
第9条第1項の許可を受けた者及び
第13条第1項の規定により捕獲等をした者を除く。)
⑥
偽りその他不正の手段により
第9条第1項の許可、狩猟免許若しくはその更新又は狩猟者登録若しくは変更登録を受けた者
3
第1項第1号から
第2号の2まで、
第4号及び
第5号の犯罪行為の用に供した物及びその犯罪行為によって捕獲した鳥獣又は採取した鳥類の卵であって、犯人の所有に係る物は、没収する。
第84条
1
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
②
許可証若しくは従事者証、危険猟法許可証又は狩猟者登録証を他人に使用させた者
③
他人の許可証若しくは従事者証、危険猟法許可証又は狩猟者登録証を使用した者
⑦
第19条第1項の規定に違反して登録を受けないで対象狩猟鳥獣以外の鳥獣の飼養をした者
第85条
1
次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
②
第17条の規定に違反して占有者の承諾を得ないで鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等をした者
⑤
第42条の規定により管轄都道府県知事が付し、若しくは変更した条件に違反して狩猟をした者
⑥
指定猟法許可証、販売許可証又は承認証を他人に使用させた者
⑦
他人の指定猟法許可証、販売許可証又は承認証を使用した者
第86条
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
①の2
第9条第12項の規定に違反して表示をしないで猟具を使用して鳥獣の捕獲等をした者
⑦
第62条第3項の規定に違反して表示をしないで猟具を使用して狩猟をした者
⑧
第71条第1項の規定に違反して都道府知事の認可を受けないで猟区管理規程を変更し、又は廃止した者
⑨
第75条第2項の規定による立入検査若しくは立入調査を拒み、妨げ、又は忌避し、若しくは質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
第87条
第9条第1項の許可又は狩猟免許を受けた者がこの法律の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられたときは、その許可又は狩猟免許は効力を失うものとする。
第88条
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、
第83条から
第86条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第2条
(準備行為)
第二条第三項、第十三条第一項、第十六条第一項及び第八十条第一項の環境省令の制定、第三条第一項の基本指針の策定、第十一条第二項の規定による期間の限定並びに第十二条第一項の規定による禁止又は制限並びにこれらに関し必要な手続その他の行為は、この法律の施行前においても、第二条第六項(第十二条第五項において準用する場合を含む。)、第三条第三項(第十一条第三項、第十三条第二項及び第八十条第二項において準用する場合を含む。)及び第十六条第三項の規定の例により行うことができる。
第3条
(鳥獣保護事業計画に関する経過措置)
この法律の施行の際現に改正前の鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(以下「旧法」という。)第一条ノ二第一項の規定によりたてられている鳥獣保護事業計画は、改正後の鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(以下「新法」という。)第四条第一項の規定により定められた鳥獣保護事業計画とみなす。
第4条
(特定鳥獣保護管理計画に関する経過措置)
この法律の施行の際現に旧法第一条ノ三第一項の規定によりたてられている特定鳥獣保護管理計画は、新法第七条第一項の規定により定められた特定鳥獣保護管理計画とみなす。
第5条
(狩猟免許に関する経過措置)
1
この法律の施行の際現に旧法第四条第二項の規定により次の表の上欄に掲げる狩猟免状(以下「旧免状」という。)を交付されている者は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)にそれぞれ新法第四十三条の規定により同表の下欄に掲げる狩猟免状(以下「新免状」という。)を交付されたものとみなす。旧免状新免状甲種狩猟免状網・わな猟免許に係る狩猟免状乙種狩猟免状第一種銃猟免許に係る狩猟免状丙種狩猟免状第二種銃猟免許に係る狩猟免状
2
旧法又は旧法に基づく命令の規定に違反して、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなった日から起算して三年を経過しない者又は旧法第八条第二項の規定により狩猟免許を取り消され、その取消しの日から起算して三年を経過しない者(旧法又は旧法に基づく命令の規定に違反した者に限る。)に係る新法第四十条第五号又は第六号の規定の適用については、同条第五号中「この法律」とあるのは「改正前の鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(次号において「旧法」という。)」と、同条第六号中「第五十二条第二項第一号」とあるのは「旧法第八条第二項(旧法又は旧法に基づく命令の規定に違反した者に限る。)」とする。
3
この法律の施行の際現に旧法第七条第四項の規定により次の表の上欄に掲げる狩猟免許(以下「旧免許」という。)を受けている者は、施行日にそれぞれ新法第三十九条第三項の規定により同表の下欄に掲げる狩猟免許(以下「新免許」という。)を受けたものとみなす。この場合において、当該新免許を受けたものとみなされる者に係る新免許の有効期間は、新法第四十四条第一項の規定にかかわらず、同日におけるその者に係る旧免許の有効期間の残存期間と同一の期間とする。旧免許新免許甲種狩猟免許網・わな猟免許乙種狩猟免許第一種銃猟免許丙種狩猟免許第二種銃猟免許
4
旧法第七条ノ二第二項の規定により狩猟免許試験を受けることを禁じられた者は、施行日に新法第五十条第三項の規定により狩猟免許試験を受けることができないものとされたものとみなす。この場合において、当該狩猟免許試験を受けることができないものとされたものとみなされる者に係る狩猟免許試験を受けることができない期間は、同日におけるその者に係る旧法第七条ノ二第二項の規定により狩猟免許試験を受けることを禁じられた期間の残存期間と同一の期間とする。
5
旧法第八条第二項の規定により狩猟免許の効力を停止された者は、施行日に新法第五十二条第二項の規定により狩猟免許の効力を停止されたものとみなす。この場合において、当該狩猟免許の効力を停止されたものとみなされる者に係る狩猟免許の効力を停止される期間は、同日におけるその者に係る旧法第八条第二項の規定により効力を停止された期間の残存期間と同一の期間とする。
第6条
(鳥獣保護区に関する経過措置)
1
この法律の施行の際現に旧法第八条ノ八第一項の規定により設定されている鳥獣保護区は、新法第二十八条第一項の規定により指定された鳥獣保護区とみなす。
2
この法律の施行の際現に旧法第八条ノ八第二項の規定により設けられている施設は、新法第二十八条第十一項の規定により設けられた施設とみなす。
3
この法律の施行の際現に旧法第八条ノ八第三項の規定により指定されている特別保護地区は、新法第二十九条第一項の規定により指定された特別保護地区とみなす。
4
この法律の施行の際現に旧法第八条ノ八第七項の規定により付されている条件は、新法第二十九条第十項の規定により付された条件とみなす。
第7条
(休猟区に関する経過措置)
この法律の施行の際現に旧法第九条の規定により設定されている休猟区は、新法第三十四条第一項の規定により指定された休猟区とみなす。
第8条
(銃猟禁止区域又は銃猟制限区域に関する経過措置)
この法律の施行の際現に旧法第十条の規定により設けられている銃猟禁止区域又は銃猟制限区域は、それぞれ新法第三十五条第一項の規定により指定された銃猟禁止区域又は銃猟制限区域とみなす。
第9条
(鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等の許可に関する経過措置)
1
この法律の施行の際現に旧法第十二条第一項の規定により許可を受けている者は、施行日に新法第九条第一項の規定により許可を受けたものとみなす。この場合において、当該許可を受けたものとみなされる者に係る許可の有効期間は、同日におけるその者に係る旧法第十二条第一項の規定による許可の有効期間の残存期間と同一の期間とする。
2
この法律の施行の際現に旧法第十二条第三項の規定により交付されている許可証又は従事者証は、新法第九条第七項又は第八項の規定により交付された許可証又は従事者証とみなす。
第10条
(鳥獣の飼養の許可に関する経過措置)
1
この法律の施行の際現に旧法第十三条の規定により許可を受けている者は、施行日に新法第十九条第一項の規定による登録を受けたものとみなす。
2
この法律の施行の際現に旧法第十三条の規定により発行されている飼養許可証は、新法第十九条第三項の規定により交付された登録票とみなす。
第11条
(鳥獣の販売の許可に関する経過措置)
この法律の施行の際現に旧法第十三条ノ二の規定により許可を受けている者は、施行日に新法第二十四条第一項の許可を受けた者とみなす。
第12条
(猟区に関する経過措置)
1
この法律の施行の際現に旧法第十四条第一項の規定により認可を受けている猟区は、施行日に新法第六十八条第一項の規定により認可を受けたものとみなす。この場合において、当該認可を受けたものとみなされる猟区の存続期間は、同日における当該猟区に係る旧法第十四条第七項の存続期間の残存期間と同一の期間とする。
2
施行日前に旧法第十四条第八項の規定によりされた公示で、この法律の施行の際現に効力を有するものは、新法第七十条第一項の規定によりされた公示とみなす。
3
旧法第十八条の規定による猟区設定者の承認は、新法第七十四条第一項の規定による猟区設定者の承認とみなす。
第13条
(危険猟法の許可に関する経過措置)
この法律の施行の際現に旧法第十五条の規定により許可を受けている者は、施行日に新法第三十七条第一項の許可を受けたものとみなす。
第14条
(占有者の承諾に関する経過措置)
旧法第十七条の規定による占有者の承諾は、新法第十七条の規定による占有者の承諾とみなす。
第15条
(適法捕獲等証明書に関する経過措置)
この法律の施行の際現に旧法第二十条ノ二第一項の規定により発行されている証明書は、新法第二十五条第三項の規定により交付された適法捕獲等証明書とみなす。
第16条
(取締りに従事する職員に関する経過措置)
この法律の施行の際現に旧法第二十条ノ四の規定により指名されている者は、新法第七十六条の規定により指名されたものとみなす。
第17条
(鳥獣保護員に関する経過措置)
この法律の施行の際現に旧法第二十条ノ五第一項の規定により置かれている鳥獣保護員は、新法第七十八条第一項の規定により置かれたものとみなす。
第18条
(旧法の規定に基づく手続の効力)
1
この法律の施行前に旧法の規定により環境大臣又は都道府県知事がした許可、承認その他の処分若しくは通知その他の行為又は旧法の規定によりされている許可の申請その他の行為は、この附則に別段の定めがあるものを除き、この法律の施行後は、新法の相当規定に基づいて、環境大臣又は都道府県知事がした許可、承認その他の処分若しくは通知その他の行為又は新法の規定によりされている許可の申請その他の行為とみなす。
2
この法律の施行前に旧法の規定により環境大臣又は都道府県知事に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならないとされている事項で、施行日前にその手続がされていないものについては、この附則に別段の定めがあるものを除き、この法律の施行後は、これを、新法の相当規定により環境大臣又は都道府県知事に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならないとされた事項についてその手続がされていないものとみなして、新法の規定を適用する。
第19条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第20条
(その他の経過措置の政令への委任)
附則第三条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第21条
(検討)
政府は、この法律の施行後三年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
平成16年6月9日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第50条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成17年4月27日
第24条
(経過措置)
この法律による改正後のそれぞれの法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
附則
平成18年6月14日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第2条
(鳥獣の捕獲等の許可に関する経過措置)
この法律による改正後の鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(以下「新法」という。)第九条第十二項の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に新法第九条第一項の許可を受けた者又はその従事者について適用し、この法律の施行の際現にこの法律による改正前の鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(以下「旧法」という。)第九条第一項の許可を受けている者又はその従事者については、適用しない。
第3条
(鳥獣の輸入の規制に関する経過措置)
新法第二十六条第二項から第七項までの規定は、施行日以後に輸入された鳥獣について適用し、施行日前に輸入された鳥獣については、適用しない。
第4条
(銃猟禁止区域等に関する経過措置)
この法律の施行の際現に旧法第三十五条第一項の規定により指定されている銃猟禁止区域又は銃猟制限区域は、それぞれ新法第三十五条第一項の規定により銃器を特定猟具の種類として指定された特定猟具使用禁止区域又は特定猟具使用制限区域とみなす。
第5条
(狩猟免許に関する経過措置)
1
この法律の施行の際現に旧法第三十九条第三項の規定による網・わな猟免許(以下「旧免許」という。)を受けている者は、施行日に新法第三十九条第三項の規定による網猟免許及びわな猟免許(以下「新免許」という。)を受けたものとみなす。この場合において、当該新免許を受けたものとみなされる者に係る新免許の有効期間は、新法第四十四条第一項の規定にかかわらず、施行日におけるその者に係る旧免許の有効期間の残存期間と同一の期間とする。
2
この法律の施行の際現に旧法第四十二条の規定により旧免許に付されている条件は、新免許に付された条件とみなす。
3
この法律の施行の際現に旧法第四十三条の規定により交付されている旧免許に係る狩猟免状は、新免許に係る狩猟免状とみなす。
4
旧法第五十二条第二項第一号の規定により旧免許を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者については、新免許を新法第四十条に規定する取消しに係る種類のものとみなして、同条の規定を適用する。
5
この法律の施行の際現に旧法第五十二条第二項の規定により旧免許の効力を停止されている者は、施行日に新免許の効力を停止されたものとみなす。この場合において、当該新免許の効力を停止されたものとみなされる者に係る新免許の効力を停止される期間は、施行日におけるその者に係る旧免許の効力を停止された期間の残存期間と同一の期間とする。
第6条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第7条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成19年12月21日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二月を経過した日から施行する。
附則
平成23年6月22日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十四年四月一日から施行する。ただし、次条の規定は公布の日から、附則第十七条の規定は地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律の公布の日又はこの法律の公布の日のいずれか遅い日から施行する。
附則
平成23年8月30日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第81条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第82条
(政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則
平成23年12月14日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成25年6月14日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第9条
(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第七十四条の規定(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第三条第四項の改正規定を除く。以下この条において同じ。)の施行の際現に第七十四条の規定による改正前の鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第二十九条第四項において読み替えて準用する同法第十二条第四項の規定により都道府県知事がしている協議の申出(特別保護地区の存続期間の終了後引き続き当該特別保護地区の区域と同一の区域を特別保護地区として指定する場合又は特別保護地区の存続期間を延長する場合に限る。)は、第七十四条の規定による改正後の鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第二十九条第四項において読み替えて準用する同法第十二条第四項の規定によりされた届出とみなす。
第10条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第11条
(政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。