公共用地の取得に関する特別措置法
平成20年6月18日 改正
第1条
【目的】
この法律は、土地等を収用し、又は使用することができる事業のうち、公共の利害に特に重大な関係があり、かつ、緊急に施行することを要する事業に必要な土地等の取得に関し、
土地収用法の特例等について規定し、これらの事業の円滑な遂行と土地等の取得に伴う損失の適正な補償の確保を図ることを目的とする。
第2条
【特定公共事業】
この法律において「特定公共事業」とは、
土地収用法第3条各号の一に該当するものに関する事業若しくは
都市計画法の規定により土地を収用し、若しくは使用することができる都市計画事業のうち、次の各号の一に該当するものに関する事業又は当該事業に係る
土地収用法第16条に規定する関連事業で、起業者が
第7条(
第45条において準用する場合を含む。)の規定による国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
②
鉄道事業法による鉄道事業者又は独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が設置する幹線鉄道のうち政令で定める主要な区間
④
都の特別区の存する区域又は人口五十万以上の市の区域における交通の混雑を緩和するため整備することを要する道路、駅前広場、鉄道又は軌道で政令で定める主要なもの
⑤
電気通信役務に対する需要の急激な増加に対応するため整備することを要する電話施設のうち、都の特別区の存する区域若しくは人口五十万以上の市の区域に設置する政令で定める主要な施設又は政令で定める主要な市外通話幹線路の中継施設
⑥
一級河川若しくは政令で定める二級河川若しくはそれらの河川に設置する政令で定める主要な治水施設又は広域的な用水対策を緊急に講ずる必要のある地域に給水するため設置する政令で定める大規模な利水施設
⑦
電気事業法による一般電気事業、卸電気事業又は特定電気事業の用に供する発電施設又は送電変電施設で政令で定める主要なもの
⑧
前各号に掲げるもののほか、前各号に掲げるものと同程度に公共の利害に重大な関係があり、かつ、その整備の緊急性があるもので政令で定めるもの
⑨
前各号の一に掲げるものに関する事業のために欠くことができない通路、橋、鉄道、軌道、索道、電線路、水路、池井、土石の捨場、材料の置場、職務上常駐を必要とする職員の詰所又は宿舎その他の施設
第3条
【事業の説明等】
1
起業者は、特定公共事業の認定を受けようとするときは、あらかじめ、事業の目的及び内容並びに事業を緊急に施行することを要する理由について、事業を施行しようとする土地が所在する都道府県の知事及び市町村(都の特別区の存する区域にあつては、特別区)の長並びにその土地及びその附近地の住民に説明し、これらの者から意見を聴取する等の措置を講ずることにより、事業の施行についてこれらの者の協力が得られるよう努めなければならない。この場合において、住民に対する説明及びその意見の聴取については、少なくとも国土交通省令で定める程度の措置を講じなければならない。
2
都道府県知事及び市町村長(都の特別区の存する区域にあつては、特別区長)は、
前項の起業者に対し、事業の用に供する土地の取得について協力しなければならない。
第4条
【特定公共事業の認定の申請】
1
起業者は、特定公共事業の認定を受けようとするときは、国土交通省令で定める様式に従い、次に掲げる事項を記載した特定公共事業認定申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
2
前項の申請書には、国土交通省令で定める様式に従い、次に掲げる書類を添附しなければならない。
③
事業が
土地収用法第16条に規定する関連事業に係るものであるときは、起業者が当該関連事業を施行する必要を生じたことを証する書面
④
起業地内に
土地収用法第4条に規定する土地があるときは、その土地に関する調書、図面及び当該土地の管理者の意見書
⑤
起業地内にある土地の利用について法令の規定による制限があるときは、当該法令の施行について権限を有する行政機関の意見書
⑥
事業の施行に関して行政機関の免許、許可又は認可等の処分を必要とする場合においては、これらの処分があつたことを証明する書類又は当該行政機関の意見書
3
前項第4号から
第6号までに掲げる意見書は、起業者が意見を求めた日から三週間を経過してもこれを得ることができなかつたときは、添附することを要しない。この場合においては、意見書を得ることができなかつた事情を疎明する書面を添附しなければならない。
4
第1項第3号及び
第2項第2号に規定する起業地の表示は、土地所有者及び関係人が自己の権利に係る土地が起業地の範囲に含まれることを容易に判断できるものでなければならない。
5
国土交通大臣は、
第1項の規定による特定公共事業認定申請書を受理した日から三月以内に、特定公共事業の認定に関する処分を行なうように努めなければならない。
第5条
【手数料】
前条第1項の規定によつて特定公共事業の認定を申請する者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならない。ただし、これらの者が国又は都道府県であるときは、この限りでない。
第6条
【特定公共事業認定申請書の欠陥の補正及び却下】
1
第4条の規定による特定公共事業認定申請書及びその添附書類が
同条又は
同条に基づく国土交通省令に規定する方式を欠くときは、国土交通大臣は、相当な期間を定めて、その欠陥を補正させなければならない。
前条の規定による手数料を納めないときも、同様とする。
2
起業者が
前項の規定により欠陥の補正を命ぜられたにかかわらず、その定められた期間内に欠陥の補正をしないときは、国土交通大臣は、特定公共事業認定申請書を却下しなければならない。
第7条
【特定公共事業の認定の要件】
国土交通大臣は、申請に係る事業が次の各号のすべてに該当するときは、社会資本整備審議会の議を経て、特定公共事業の認定をすることができる。
①
事業が
土地収用法第3条各号の一に該当するものに関する事業若しくは
都市計画法の規定により土地を収用し、若しくは使用することができる都市計画事業のうち、
第2条各号の一に該当するものに関するもの又は当該事業に係る
土地収用法第16条に規定する関連事業であること。
②
起業者が当該事業を遂行する充分な意思と能力を有する者であること。
③
事業計画が土地の適正かつ合理的な利用に寄与するものであること。
④
事業が公共の利害に特に重大な関係があり、かつ、緊急に施行することを要するものであること。
第10条
【特定公共事業の認定の告示】
1
国土交通大臣は、
第7条の規定によつて特定公共事業の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を起業者に文書で通知するとともに、起業者の名称、事業の種類、起業地及び特定公共事業の認定をした理由並びに
土地収用法第26条の2の規定による図面の縦覧場所を官報で告示しなければならない。
2
国土交通大臣は、
前項の規定による告示をしたときは、直ちに、関係都道府県知事にその旨を通知しなければならない。
3
特定公共事業の認定は、
第1項の規定による告示があつた日から、その効力を生ずる。
第11条
【特定公共事業の認定の拒否の通知】
国土交通大臣は、特定公共事業の認定を拒否したときは、遅滞なく、その旨を起業者に文書で通知しなければならない。
第12条
【特定公共事業の認定と事業の認定との関係】
1
特定公共事業の用に供する土地の収用又は使用については、特定公共事業の認定又は
第10条第1項の規定による告示があつたときは、それぞれ、
土地収用法第20条の規定による国土交通大臣の事業の認定又は
同法第26条第1項の規定による国土交通大臣の事業の認定の告示があつたものとみなす。
第20条
【緊急裁決】
1
収用委員会は、特定公共事業に係る明渡裁決が遅延することによつて事業の施行に支障を及ぼすおそれがある場合において、起業者の申立てがあつたときは、
土地収用法第48条第1項各号及び
第49条第1項各号に掲げる事項のうち、損失の補償に関するものでまだ審理を尽くしていないものがある場合においても、まだ権利取得裁決がされていないときは権利取得裁決及び明渡裁決を、すでに権利取得裁決がされているときは明渡裁決をすることができる。
2
前項の規定による申立ては、国土交通省令で定める様式に従い、書面でしなければならない。
3
第1項の規定による申立てがあつたときは、収用委員会は、その旨を土地所有者及び関係人に通知しなければならない。
4
第1項の規定による申立てがあつたときは、収用委員会は、その申立てがあつた日(
土地収用法第42条第2項の規定による縦覧期間の末日以前に申立てがあつたときは、当該期間の満了の日の翌日)から二月以内に裁決をしなければならない。
5
収用委員会は、
前項に規定する期間内に裁決をすることができなかつたときは、すみやかに、その旨を国土交通大臣に通知しなければならない。
第21条
1
前条第1項の裁決(以下「緊急裁決」という。)においては、
土地収用法第48条第1項各号及び
第49条第1項各号に掲げる事項のうち、損失の補償に関するものについては、裁決の時までに収用委員会の審理に現われた意見書、鑑定の結果その他の資料に基づいて判断することができる程度において裁決すれば足りるものとする。ただし、損失の補償をすべきものと認められるにかかわらず、補償の方法又は金額について審理を尽くしていないものについては、概算見積りによる仮補償金(概算見積りによる
同法第90条の3第1項第3号に掲げる加算金及び
同法第90条の4の規定による過怠金を含む。以下同じ。)を定めなければならない。
2
前項ただし書に規定するもののほか、なお審理を要すると認める事項については、裁決書の理由において、その旨を記載しなければならない。
第22条
【物件の収用請求権】
第20条第1項の規定による申立てに係る土地にある物件の所有者は、その物件の収用を請求することができる。
第23条
【仮住居による補償】
1
第20条第1項の規定による申立てに係る土地に現に居住の用に供している建物がある場合において、その建物の居住者が仮住居を必要とするときは、仮住居に要する費用に充てるべき補償金に代えて、起業者が仮住居を提供することを収用委員会に要求することができる。
2
収用委員会は、
前項の規定による要求が相当であると認めるときは、仮住居の位置、構造、規模、提供期間その他必要な事項を定めて裁決することができる。
第24条
【前二条の請求又は要求の期限】
収用委員会は、前二条の規定により請求又は要求をすることができる者に対し
第20条第3項の規定による通知をするときは、あわせて
土地収用法第65条第1項第1号の規定に基づき、それらの請求又は要求について一定の期限までに意見書を提出すべき旨を命じなければならない。この場合において、その期限は、通知の到達した日から一週間を経過した日以後でなければならない。
第25条
【緊急裁決前の措置】
収用委員会は、緊急裁決をしようとするときは、あらかじめ、収用後又は使用後においても補償金額を適正に算定することができるように、土地及び物件の状況について必要な調査をしておかなければならない。ただし、土地所有者、関係人その他の者が正当な理由がないのにその調査を拒み、又は妨げたときは、この限りでない。
第26条
【担保の提供】
1
収用委員会は、緊急裁決をする場合において、損失の補償の義務の履行を確保するため必要があると認めるときは、起業者が担保を提供しなければならない旨の裁決をすることができる。
第29条
【仮住居の提供】
1
起業者は、
第23条第2項の規定に基づく仮住居の提供を裁決で定められた提供期間の始期までにしなければならない。
2
起業者は、
第23条第2項の規定に基づく仮住居の提供を受けるべき者が仮住居への入居を拒んだときは、国土交通省令で定めるところにより、その仮住居が裁決で定められた条件に適合し、かつ、相当なものであることについて収用委員会の確認を受けなければならない。
3
起業者から裁決で定められた提供期間の始期までに仮住居の提供を受けなかつた者又は仮住居への入居を拒んだ者が居住の用に供している建物については、それぞれ、その提供を受けるまで又は
前項の確認があるまでは、
土地収用法第102条の規定は、適用しない。
第30条
【補償裁決】
1
収用委員会は、損失の補償に関する事項で緊急裁決の時までに審理を尽くさなかつたものについては、なお引続き審理し、遅滞なく裁決しなければならない。
2
前項の規定による裁決(以下「補償裁決」という。)に関しては、この法律に特別の定めのあるものを除き、
土地収用法中権利取得裁決又は明渡裁決に関する規定の適用があるものとする。ただし、
同法第7章の規定は、補償裁決のうち、その裁決で認められた
同法第76条第1項又は
第81条第1項の規定による請求に基づく収用に係る部分に関してのみ適用があるものとする。
第32条
【仮補償金に対する権利者がある場合の替地等の要求】
土地所有者又は関係人は、
土地収用法第95条第4項後段の規定により仮補償金が供託された場合又は仮補償金に対し
同法第104条の規定による権利を有する者がある場合においては、関係権利者の同意を得て、国土交通省令で定めるところによりその旨を収用委員会に届け出なければ、補償金の全部又は一部に代えて替地の提供、工事の代行その他の給付をすべき旨の要求をすることができない。
第33条
【清算】
1
補償裁決で定められた補償金額(
土地収用法第90条の3第1項第3号に掲げる加算金の額及び
同法第90条の4に規定する過怠金の額を含む。以下同じ。)と緊急裁決で定められた仮補償金の額とに差額があるとき、及び補償裁決により補償金の全部又は一部に代えて替地の提供、工事の代行その他の給付をすべき旨が定められたときは、起業者及び土地所有者又は関係人は、金銭をもつて清算しなければならない。
2
起業者又は土地所有者若しくは関係人は、補償裁決で定められた補償金額と緊急裁決で定められた仮補償金の額との差額につき、緊急裁決で定められた権利取得の時期又は明渡しの期限から
前項の規定による清算金の支払の期限(その差額のうち、補償金の全部又は一部に代えて、替地が提供されるべき部分についてはその提供の期限、替地以外の給付がされるべき部分については補償裁決の時)までの期間について、年六分の利率により算定した利息を支払わなければならない。
第34条
【補償裁決で定める事項】
1
補償裁決においては、
第30条第2項ただし書に規定するものを除き、
前条の規定による清算金及び利息の額並びに裁決に基づく起業者、土地所有者又は関係人の義務を履行すべき期限を定めなければならない。
2
補償裁決においては、起業者が裁決に基づく義務の履行を怠つた場合に支払うべき過怠金を定めることができる。
第35条
【物上代位】
先取特権、質権又は抵当権の目的物が収用され、又は使用された場合において、補償裁決で定められた補償金額が緊急裁決で定められた仮補償金の額をこえるときは、これらの権利は、
第33条第1項の規定による清算金に対しても行なうことができる。ただし、その払渡し前に差押えをしなければならない。
第36条
【同時履行】
起業者が補償金の全部又は一部に代えて替地の提供、工事の代行その他の給付をすべき場合において、土地所有者又は関係人が
第33条の規定により支払うべき清算金及び利息があるときは、起業者又は土地所有者若しくは関係人は、相手方がその義務を履行するまでは、自己の義務の履行を拒むことができる。
第38条
【建物による補償】
1
特定公共事業の用に供する土地にある建物の所有者は、その建物が収用される場合において、
土地収用法第82条第1項の規定による要求をするときは、その建物に対する補償金の全部又は一部に代えて、その要求に基づいて提供される土地にある建物をもつて、損失を補償することを収用委員会に要求することができる。
2
特定公共事業の用に供する土地にある建物の賃借人(一時使用のため建物を賃借りした者を除く。)は、その建物が収用されるときは、その建物の賃借権に対する補償金の全部又は一部に代えて建物の賃借権をもつて、損失を補償することを収用委員会に要求することができる。
3
前二項の規定による要求及びその要求に基づいて提供される建物又は建物の賃借権に関しては、
土地収用法第82条第1項の規定による要求及びその要求に基づいて提供される
同項に規定する替地の例による。
第38条の2
【国土交通大臣への事件の送致】
2
前項の規定は、収用委員会が異議申立てがあつた日から一月以内において裁決を行なうべき期日を定め、これを起業者に通知した場合においては、収用委員会において当該事件について引き続き審理し、裁決をすることを妨げるものではない。
3
収用委員会は、
第1項の規定により事件を国土交通大臣に送るときは、国土交通省令で定める書類を国土交通大臣に送付しなければならない。
4
収用委員会は、
第1項の規定により事件を国土交通大臣に送つたときは、起業者、土地所有者及び関係人にその旨を通知するとともに、国土交通省令で定めるところにより公告しなければならない。
第38条の3
【裁決の代行】
1
国土交通大臣は、
前条第1項の規定により事件が送られたときは、収用委員会に代わつて、みずから当該事件に係る裁決を行なうものとする。
2
前項の規定により国土交通大臣が裁決を行なう場合においては、社会資本整備審議会の議を経なければならない。
第38条の4
【代行裁決の審理手続等】
1
国土交通大臣は、
前条第1項の規定により行なう裁決(以下「代行裁決」という。)の審理又は調査に関する事務の一部をその指名する職員(以下「指名職員」という。)に行なわせることができる。
3
代行裁決は、文書によつて行なう。裁決書には、その理由及び成立の日を附記しなければならない。
4
裁決書の正本は、これを起業者、土地所有者及び関係人に送達しなければならない。
第38条の5
【収用委員会への事件の送致等】
1
国土交通大臣は、
第38条の3第1項の規定により緊急裁決をしたときは、当該事件を収用委員会に送らなければならない。
2
国土交通大臣は、
前項の規定により事件を収用委員会に送るときは、国土交通省令で定める書類を収用委員会に送付しなければならない。
4
国土交通大臣は、代行裁決をしたときは、
第1項に規定する場合を除き、その裁決に係る事項を収用委員会に通知しなければならない。
第38条の6
【規定の読替え適用等】
2
国土交通大臣が代行裁決を行なう場合においては、起業者、土地所有者又は関係人がこの法律又は
土地収用法の規定により当該事件に関して収用委員会に対してした手続その他の行為は、国土交通大臣に対してしたものとみなす。
3
前条第1項の規定により送られた事件につき、収用委員会が
第30条の規定により補償裁決を行なう場合においては、起業者、土地所有者又は関係人がこの法律又は
土地収用法の規定により当該事件に関して国土交通大臣に対してした手続その他の行為は、収用委員会に対してしたものとみなす。
第4節
土地収用法による事業の認定を受けている事業及び都市計画事業
第39条
【土地収用法による事業の認定を受けている事業及び都市計画事業】
4
都市計画法の規定により土地を収用し、又は使用することができる都市計画事業についてした特定公共事業の認定は、起業者が
第10条第1項の規定による特定公共事業の認定の告示があつた日から一年以内に
土地収用法第39条第1項の規定による申請をせず、又はその告示があつた日から一年六月以内に
同法第47条の2第3項の規定による明渡裁決の申立てがないときは、期間満了の日の翌日から将来に向かつて、その効力を失う。
第40条
1
土地収用法第20条の規定による事業の認定を受けている事業又は
都市計画法の規定により土地を収用し、若しくは使用することができる都市計画事業で、起業地の全部又は一部について収用又は使用の手続が保留されているものについて特定公共事業の認定があつたときは、収用又は使用の手続が開始されるものとする。この場合においては、国土交通大臣は、
第10条第1項の規定による告示の際、あわせて収用又は使用の手続が開始される旨を告示するとともに、その土地が所在する市町村の長に対して、その旨を通知しなければならない。
2
市町村長は、
前項後段の規定による通知を受けたときは、直ちに、国土交通省令で定めるところにより、
土地収用法第26条の2第2項の規定により公衆の縦覧に供している図面に、収用又は使用の手続が開始された旨を表示しなければならない。
第41条
【土地収用法第百二十三条の規定の不適用】
第42条
【不服申立て及び訴訟】
3
緊急裁決のうち、仮補償金及び
第21条第2項の規定により裁決書に記載された事項については、損失の補償に関する訴を提起することができない。
第43条
【期間の計算及び通知の方法】
土地収用法第135条の規定は、この法律又はこの法律に基づく命令の規定による期間の計算方法及び通知の方法について準用する。
第45条
【権利、物件及び土石砂れきの収用又は使用に関する準用規定】
第46条
【現物給付】
特定公共事業に必要な土地等を提供する者がその対償として土地又は建物の提供、耕地又は宅地の造成その他金銭以外の方法による給付を要求した場合において、その要求が相当であると認められるときは、特定公共事業を施行する者は、事情の許す限り、その要求に応ずるよう努めなければならない。
第47条
【生活再建等のための措置】
1
特定公共事業に必要な土地等を提供することによつて生活の基礎を失うこととなる者は、
前条の規定による要求をする場合において必要があるとき、又はその受ける対償と相まつて実施されることを必要とする場合においては、生活再建又は環境整備のための措置で次の各号に掲げるものの実施のあつせんを都道府県知事に申し出ることができる。
①
宅地、開発して農地とすることが適当な土地その他の土地の取得に関すること。
④
他に適当な土地がなかつたため環境が著しく不良な土地に住居を移した場合における環境の整備に関すること。
2
前項の規定による申出は、政令で定めるところにより、書面でしなければならない。
3
都道府県知事は、
第1項の規定による申出があつた場合において、その申出が相当であると認めるときは、関係行政機関、関係市町村長(都の特別区の存する区域にあつては、関係特別区長)、その申出をした者又はその代表者及び特定公共事業を施行する者と協議して、生活再建計画を作成するものとする。
4
特定公共事業を施行する者は、生活再建計画のうち、特定公共事業に必要な土地等を提供する者に対する対償となる事項を実施しなければならない。
5
国及び地方公共団体は、法令及び予算の範囲内において、事情の許す限り、生活再建計画の実施に努めなければならない。
第48条
【政令への委任】
この法律に規定するもののほか、この法律の実施に関し必要な事項は、政令で定める。
附則
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して三月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
昭和37年9月15日
2
この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、その法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。
3
この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。
4
前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。
5
第三項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
6
この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかつたものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。
8
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
9
前八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附則
昭和39年7月10日
この法律は、新法の施行の日(昭和四十年四月一日)から施行する。
附則
昭和39年7月11日
この法律は、公布の日から起算して一年をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
昭和42年7月21日
この法律(第一条を除く。)は、改正法の施行の日から施行する。
附則
昭和43年6月15日
この法律(第一条を除く。)は、新法の施行の日から施行する。
附則
昭和53年4月24日
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、第一条中不動産の鑑定評価に関する法律第十一条第一項の改正規定、第二条、第三条、第五条及び第六条の規定、第十九条中特許法第百七条第一項の改正規定、第二十条中実用新案法第三十一条第一項の改正規定、第二十一条中意匠法第四十二条第一項及び第二項の改正規定、第二十二条中商標法第四十条第一項及び第二項の改正規定、第二十八条中通訳案内業法第五条第二項の改正規定並びに第二十九条及び第三十条の規定は、昭和五十三年五月一日から施行する。
附則
昭和54年3月30日
1
この法律は、民事執行法の施行の日(昭和五十五年十月一日)から施行する。
2
この法律の施行前に申し立てられた民事執行、企業担保権の実行及び破産の事件については、なお従前の例による。
3
前項の事件に関し執行官が受ける手数料及び支払又は償還を受ける費用の額については、同項の規定にかかわらず、最高裁判所規則の定めるところによる。
附則
昭和58年12月2日
1
この法律(第一条を除く。)は、昭和五十九年七月一日から施行する。
2
この法律の施行の日の前日において法律の規定により置かれている機関等で、この法律の施行の日以後は国家行政組織法又はこの法律による改正後の関係法律の規定に基づく政令(以下「関係政令」という。)の規定により置かれることとなるものに関し必要となる経過措置その他この法律の施行に伴う関係政令の制定又は改廃に関し必要となる経過措置は、政令で定めることができる。
附則
昭和59年5月1日
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
附則
昭和59年12月25日
第28条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
附則
昭和61年12月4日
第42条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
附則
平成3年4月26日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、次条、附則第四条、第五条及び第七条から第二十四条までの規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成5年11月12日
第2条
(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第13条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第14条
(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。
第15条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成11年7月16日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第159条
(国等の事務)
この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
第160条
(処分、申請等に関する経過措置)
1
この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
2
この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
第161条
(不服申立てに関する経過措置)
1
施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
2
前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
第162条
(手数料に関する経過措置)
施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。
第163条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第164条
(その他の経過措置の政令への委任)
1
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
2
附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。
第250条
(検討)
新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第251条
政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第252条
政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成11年7月16日
第1条
(施行期日)
この法律は、内閣法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第3条
(職員の身分引継ぎ)
この法律の施行の際現に従前の総理府、法務省、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省又は自治省(以下この条において「従前の府省」という。)の職員(国家行政組織法第八条の審議会等の会長又は委員長及び委員、中央防災会議の委員、日本工業標準調査会の会長及び委員並びに これらに類する者として政令で定めるものを除く。)である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもって、この法律の施行後の内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省若しくは環境省(以下この条において「新府省」という。)又はこれに置かれる部局若しくは機関のうち、この法律の施行の際現に当該職員が属する従前の府省又はこれに置かれる部局若しくは機関の相当の新府省又はこれに置かれる部局若しくは機関として政令で定めるものの相当の職員となるものとする。
第30条
(別に定める経過措置)
第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。
附則
平成11年12月22日
第1条
(施行期日)
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。
附則
平成13年7月11日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第10条
(公共用地の取得に関する特別措置法の一部改正に伴う経過措置)
前条の規定による改正後の公共用地の取得に関する特別措置法(以下この条及び次条において「新法」という。)第十条第一項の規定は、この法律の施行後に新法第四条第一項の規定により申請がされた特定公共事業の認定の手続について適用し、この法律の施行前に前条の規定による改正前の公共用地の取得に関する特別措置法(次条において「旧法」という。)第四条第一項の規定により申請があった事業の認定の手続については、なお従前の例による。
第11条
この法律の施行前にされた旧法第七条又は第十条第一項の規定による特定公共事業の認定又は特定公共事業の認定の告示及び前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における特定公共事業の認定又は特定公共事業の認定の告示は、それぞれ、新法第七条又は第十条第一項の規定によりされた特定公共事業の認定又は特定公共事業の認定の告示とみなす。
附則
平成16年6月9日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第50条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成16年6月9日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十八年三月三十一日までの間において政令で定める日から施行する。ただし、第一章、第二章第一節から第三節まで、第二十四条及び第三十六条の規定は、公布の日から施行する。
第2条
(検討)
政府は、この法律の施行後十年以内に、日本道路公団等民営化関係法の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。