第1条
【目的】
1
日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うことを目的とする。
2
日本銀行は、
前項に規定するもののほか、銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資することを目的とする。
第2条
【通貨及び金融の調節の理念】
日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。
第3条
【日本銀行の自主性の尊重及び透明性の確保】
1
日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない。
2
日本銀行は、通貨及び金融の調節に関する意思決定の内容及び過程を国民に明らかにするよう努めなければならない。
第4条
【政府との関係】
日本銀行は、その行う通貨及び金融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。
第5条
【業務の公共性及びその運営の自主性】
1
日本銀行は、その業務及び財産の公共性にかんがみ、適正かつ効率的に業務を運営するよう努めなければならない。
2
この法律の運用に当たっては、日本銀行の業務運営における自主性は、十分配慮されなければならない。
第7条
【本店及び支店等】
2
日本銀行は、財務省令で定めるところにより、財務大臣の認可を受けて、支店その他の事務所を設置し、移転し、又は廃止することができる。
3
日本銀行は、財務省令で定めるところにより、財務大臣の認可を受けて、その業務の一部を取り扱う代理店を設置し、又は廃止することができる。
4
財務大臣は、前二項の認可の申請があった場合において、当該申請に係る認可をしなかったときは、速やかに、その旨及びその理由を当該申請の内容とともに公表しなければならない。
第8条
【資本金】
1
日本銀行の資本金は、政府及び政府以外の者からの出資による一億円とする。
2
前項の日本銀行の資本金のうち政府からの出資の額は、五千五百万円を下回ってはならない。
第9条
【出資証券】
1
日本銀行は、
前条第1項の出資に対し、出資証券を発行する。
2
前項の出資証券その他出資に関し必要な事項は、政令で定める。
第10条
【持分の譲渡】
出資者は、政令で定めるところにより、その持分を譲り渡し、又は質権の目的とすることができる。
第11条
【定款】
1
日本銀行は、定款をもって、次の事項を規定しなければならない。
2
定款の変更は、財務大臣及び内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第12条
【登記】
1
日本銀行は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。
2
前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
第13条
【名称の使用制限】
日本銀行でない者は、日本銀行という名称を用いてはならない。
第14条
【設置】
日本銀行に、政策委員会(以下この章及び
次章において「委員会」という。)を置く。
第15条
【権限】
1
次に掲げる通貨及び金融の調節に関する事項は、委員会の議決による。
①
第33条第1項第1号の手形の割引に係る基準となるべき割引率その他の割引率並びに当該割引に係る手形の種類及び条件の決定又は変更
②
第33条第1項第2号の貸付けに係る基準となるべき貸付利率その他の貸付利率並びに当該貸付けに係る担保の種類、条件及び価額の決定又は変更
④
第33条第1項第3号に規定する手形、債券又は電子記録債権(
電子記録債権法第2条第1項に規定する電子記録債権をいう。以下この号及び
第33条第1項において同じ。)の売買その他の方法による金融市場調節(金融市場を通じて行う通貨及び金融の調節(公開市場操作を含む。)をいう。)の方針並びに当該金融市場調節に係る手形、債券又は電子記録債権の種類及び条件その他の事項の決定又は変更
⑤
その他の通貨及び金融の調節に関する方針の決定又は変更
⑥
前各号に掲げる事項の基礎となる経済及び金融の情勢に関する基本的見解その他通貨及び金融の調節に関する日本銀行としての見解の決定又は変更
2
前項の規定により委員会の議決によるものとされる事項のほか、次に掲げる事項は、委員会の議決を経なければならない。
②
第39条第1項の規定による認可の申請及び当該認可に係る業務に関する重要事項
③
第40条第3項に規定する国際金融面での協力に該当するものとして財務大臣が定めるもののため行う外国為替の売買の実施、
第41条に規定する業務に係る各外国中央銀行等(
同条に規定する外国中央銀行等をいう。)との取引の開始及び
第42条の規定による取引の実施
④
第43条第1項ただし書の規定による認可の申請及び当該認可に係る業務に関する重要事項
⑤
第44条第1項に規定する考査に関する契約の内容及び毎事業年度の考査の実施に関する重要事項
⑧
支店その他の事務所及び代理店の設置、移転又は廃止
⑨
組織及び定員に関する重要事項(
前号に掲げるものを除く。)
⑫
経費の予算(
第51条第1項に規定する経費の予算をいう。)の作成又は変更、財産目録、貸借対照表、損益計算書及び決算報告書の作成、剰余金の処分その他の会計に関する重要事項
⑮
この法律の規定により委員会が定め、又はこの法律若しくは他の法令の規定により委員会が行うこととされる事項
⑯
前各号に掲げるもののほか、委員会が特に必要と認める事項
3
委員会は、日本銀行の役員(監事及び参与を除く。)の職務の執行を監督する。
第16条
【組織】
2
委員は、審議委員六人のほか、日本銀行の総裁及び副総裁二人をもってこれに充てる。この場合において、日本銀行の総裁及び副総裁は、
第22条第1項及び
第2項の規定にかかわらず、それぞれ独立して委員の職務を執行する。
3
委員会に議長を置き、委員の互選によってこれを定める。
5
委員会は、あらかじめ、委員のうちから、議長に事故がある場合に議長の職務を代理する者を定めておかなければならない。
第17条
【会議の招集】
1
委員会の会議は、議長(議長に事故があるときは、
前条第5項に規定する議長の職務を代理する者。以下この条、
次条及び
第20条において同じ。)が招集する。
2
議長は、委員会の会議のうち
第15条第1項各号に掲げる事項(以下この章において「金融調節事項」という。)を議事とする会議については、政令で定めるところにより、これを定期的に招集しなければならない。
3
前項の規定は、議長が必要と認める場合又は現に在任する委員の総数の三分の一以上が必要と認めて議長に対しその招集を求めた場合において金融調節事項を議事とする会議を招集することを妨げるものと解してはならない。
第18条
【議事の運営】
1
委員会は、議長が出席し、かつ、現に在任する委員の総数の三分の二以上の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
2
委員会の議事は、出席した委員の過半数をもって決する。可否同数のときは、議長が決する。
3
この法律に定めるものを除くほか、議事の手続その他委員会の運営に関し必要な事項は、委員会が定める。
第19条
【政府からの出席等】
1
財務大臣又は
内閣府設置法第19条第2項に規定する経済財政政策担当大臣(経済財政政策担当大臣が置かれていないときは、内閣総理大臣。
次項において「経済財政政策担当大臣」という。)は、必要に応じ、金融調節事項を議事とする会議に出席して意見を述べ、又はそれぞれの指名するその職員を当該会議に出席させて意見を述べさせることができる。
2
金融調節事項を議事とする会議に出席した財務大臣又はその指名する財務省の職員及び経済財政政策担当大臣又はその指名する内閣府の職員は、当該会議において、金融調節事項に関する議案を提出し、又は当該会議で議事とされた金融調節事項についての委員会の議決を次回の金融調節事項を議事とする会議まで延期することを求めることができる。
3
前項の規定による議決の延期の求めがあったときは、委員会は、議事の議決の例により、その求めについての採否を決定しなければならない。
第20条
【議事録等の公表】
1
議長は、金融調節事項を議事とする会議の終了後、速やかに、委員会の定めるところにより、当該会議の議事の概要を記載した書類を作成し、当該書類について金融調節事項を議事とする会議において委員会の承認を得て、これを公表しなければならない。
2
議長は、委員会の定めるところにより、金融調節事項を議事とする会議の議事録を作成し、委員会が適当と認めて定める相当期間経過後に、これを公表しなければならない。
第21条
【役員】
日本銀行に、役員として、審議委員六人のほか、総裁一人、副総裁二人、監事三人以内、理事六人以内及び参与若干人を置く。
第22条
【役員の職務及び権限】
1
総裁は、日本銀行を代表し、委員会の定めるところに従い、日本銀行の業務を総理する。
2
副総裁は、総裁の定めるところにより、日本銀行を代表し、総裁を補佐して日本銀行の業務を掌理し、総裁に事故があるときはその職務を代理し、総裁が欠員のときはその職務を行う。
4
監事は、監査の結果に基づき必要があると認めるときは、財務大臣、内閣総理大臣又は委員会に意見を提出することができる。
5
理事は、総裁の定めるところにより、総裁及び副総裁を補佐して日本銀行の業務を掌理し、総裁及び副総裁に事故があるときは総裁の職務を代理し、総裁及び副総裁が欠員のときは総裁の職務を行う。
6
参与は、日本銀行の業務運営に関する重要事項について、委員会の諮問に応じ、又は必要があると認めるときは、委員会に意見を述べることができる。
第22条の2
【代表権の制限】
総裁又は副総裁の代表権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
第22条の3
【利益相反行為】
日本銀行と総裁又は副総裁との利益が相反する事項については、総裁又は副総裁は、代表権を有しない。この場合においては、裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、特別代理人を選任しなければならない。
第23条
【役員の任命】
1
総裁及び副総裁は、両議院の同意を得て、内閣が任命する。
2
審議委員は、経済又は金融に関して高い識見を有する者その他の学識経験のある者のうちから、両議院の同意を得て、内閣が任命する。
4
理事及び参与は、委員会の推薦に基づいて、財務大臣が任命する。
5
総裁、副総裁又は審議委員の任期が満了し、又は欠員が生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣は、
第1項及び
第2項の規定にかかわらず、総裁、副総裁又は審議委員を任命することができる。
6
前項の場合においては、任命後最初の国会において両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認が得られないときは、内閣は、直ちにその総裁、副総裁又は審議委員を解任しなければならない。
第24条
【役員の任期】
1
総裁、副総裁及び審議委員の任期は五年、監事及び理事の任期は四年、参与の任期は二年とする。ただし、総裁、副総裁又は審議委員が欠員となった場合における補欠の総裁、副総裁又は審議委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2
総裁、副総裁、審議委員、監事、理事及び参与は、再任されることができる。
第25条
【役員の身分保障】
1
日本銀行の役員(理事を除く。)は、
第23条第6項後段に規定する場合又は次の各号のいずれかに該当する場合を除くほか、在任中、その意に反して解任されることがない。
④
心身の故障のため職務を執行することができないと委員会(監事にあっては、委員会及び内閣)により認められたとき。
2
内閣又は財務大臣は、日本銀行の役員が
前項各号に掲げる場合のいずれかに該当する場合には、当該役員を解任しなければならない。
3
前項の規定によるほか、理事については、財務大臣は、委員会からその解任の求めがあったときは、当該求めがあった理事を解任することができる。
第26条
【役員の行為制限】
1
日本銀行の役員(参与を除く。以下この条、
第31条及び
第32条において同じ。)は、在任中、次に掲げる行為をしてはならない。
①
国会又は地方公共団体の議会の議員その他公選による公職の候補者となること。
②
政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をすること。
③
報酬のある他の職務(役員としての職務の適切な執行に支障がない職務の基準として
第32条に規定する服務に関する準則で定めたものを満たすものと委員会において認めたものを除く。)に従事すること。
④
営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行うこと。
2
日本銀行の役員が国会又は地方公共団体の議会の議員その他公選による公職の候補者となったときは、当該役員は、その役員たる職を辞したものとみなす。
第27条
【代理人の選任】
総裁及び副総裁は、理事又は日本銀行の職員のうちから、日本銀行の本店又は支店の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。
第29条
【役員及び職員の秘密保持義務】
日本銀行の役員及び職員は、その職務上知ることができた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。これらの者がその職を退いた後も、同様とする。
第30条
【役員及び職員の地位】
日本銀行の役員及び職員は、法令により公務に従事する職員とみなす。
第31条
【給与等の支給の基準】
1
日本銀行は、その役員及び職員の報酬(賞与その他の金銭の給付を含む。)、給与(賞与その他の金銭の給付を含む。)及び退職手当(
次項において「給与等」という。)の支給の基準を社会一般の情勢に適合したものとなるよう定め、これを財務大臣に届け出るとともに、公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
2
前項に規定する給与等の支給の基準のうち役員に係るものは、
特別職の職員の給与に関する法律の適用を受ける国家公務員の給与及び退職手当その他の事情を勘案して定められなければならない。
第32条
【服務に関する準則】
日本銀行は、その業務の公共性にかんがみ、その役員及び職員の職務の適切な執行を確保するため、役員及び職員の職務に専念する義務、私企業からの隔離その他の服務に関する準則を定め、これを財務大臣に届け出るとともに、公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
第33条
【通常業務】
1
日本銀行は、
第1条の目的を達成するため、次に掲げる業務を行うことができる。
②
手形、国債その他の有価証券又は電子記録債権を担保とする貸付け
③
商業手形その他の手形(日本銀行の振出しに係るものを含む。)、国債その他の債券又は電子記録債権の売買
⑦
有価証券その他の財産権に係る証券又は証書の保護預り
2
前項第5号の「預り金」とは、預金契約に基づいて行う預金の受入れをいう。
第34条
【国に対する貸付け等】
日本銀行は、我が国の中央銀行として、
前条第1項に規定する業務のほか、国との間で次に掲げる業務を行うことができる。
①
財政法第5条ただし書の規定による国会の議決を経た金額の範囲内において担保を徴求することなく行う貸付け
②
財政法その他の国の会計に関する法律の規定により国がすることが認められる一時借入金について担保を徴求することなく行う貸付け
③
財政法第5条ただし書の規定による国会の議決を経た金額の範囲内において行う国債の応募又は引受け
第35条
【国庫金の取扱い】
1
日本銀行は、我が国の中央銀行として、法令で定めるところにより、国庫金を取り扱わなければならない。
2
日本銀行は、
前項の規定により国庫金を取り扱う場合には、
第33条第1項に規定する業務のほか、その取扱いに必要な業務を行うことができる。
第36条
【国の事務の取扱い】
1
日本銀行は、我が国の中央銀行として、法令で定めるところにより、通貨及び金融に関する国の事務を取り扱うものとする。
2
日本銀行は、
前項の規定により国の事務を取り扱う場合には、
第33条第1項に規定する業務のほか、その取扱いに必要な業務を行うことができる。
3
第1項の国の事務の取扱いに要する経費は、法令で定めるところにより、日本銀行の負担とすることができる。
第37条
【金融機関等に対する一時貸付け】
1
日本銀行は、金融機関(銀行その他の預金等(
預金保険法第2条第2項に規定する預金等及び貯金をいう。)の受入れ及び為替取引を業として行う者をいう。以下同じ。)その他の金融業を営む者であって政令で定めるもの(以下「金融機関等」という。)において電子情報処理組織の故障その他の偶発的な事由により予見し難い支払資金の一時的な不足が生じた場合であって、その不足する支払資金が直ちに確保されなければ当該金融機関等の業務の遂行に著しい支障が生じるおそれがある場合において、金融機関の間における資金決済の円滑の確保を図るために必要があると認めるときは、
第33条第1項の規定にかかわらず、当該金融機関等に対し、政令で定める期間を限度として、担保を徴求することなくその不足する支払資金に相当する金額の資金の貸付けを行うことができる。
2
日本銀行は、
前項の規定による貸付けを行ったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣及び財務大臣に届け出なければならない。
第38条
【信用秩序の維持に資するための業務】
1
内閣総理大臣及び財務大臣は、
銀行法第57条の5の規定その他の法令の規定による協議に基づき信用秩序の維持に重大な支障が生じるおそれがあると認めるとき、その他の信用秩序の維持のため特に必要があると認めるときは、日本銀行に対し、当該協議に係る金融機関への資金の貸付けその他の信用秩序の維持のために必要と認められる業務を行うことを要請することができる。
2
日本銀行は、
前項の規定による内閣総理大臣及び財務大臣の要請があったときは、
第33条第1項に規定する業務のほか、当該要請に応じて特別の条件による資金の貸付けその他の信用秩序の維持のために必要と認められる業務を行うことができる。
第40条
【外国為替の売買】
1
日本銀行は、必要に応じ自ら、又は
第36条第1項の規定により国の事務の取扱いをする者として、外国為替の売買を行うほか、我が国の中央銀行としての外国中央銀行等(外国の中央銀行又はこれに準ずる者をいう。以下同じ。)又は国際機関(我が国が加盟している国際機関をいい、国際決済銀行を含む。以下同じ。)との協力を図るため、これらの者による外国為替の売買の事務の取扱いをする者として、外国為替の売買を行うことができる。
2
日本銀行は、その行う外国為替の売買であって本邦通貨の外国為替相場の安定を目的とするものについては、
第36条第1項の規定により国の事務の取扱いをする者として行うものとする。
3
日本銀行は、
第1項の規定により我が国の中央銀行としての外国中央銀行等又は国際機関との協力を図るため、自ら、又はこれらの者の事務の取扱いをする者として行う外国為替の売買のうち、国際金融面での協力に該当するものとして財務大臣が定めるもののため行う外国為替の売買については、財務大臣からの要請に基づき、又はあらかじめその承認を得て、行うものとする。
第41条
【国際金融業務】
日本銀行は、我が国の中央銀行としての外国中央銀行等又は国際機関との協力を図るため、これらの者との間で、次に掲げる業務を行うことができる。
①
本邦通貨をもって表示される預金に係る預り金(
第33条第2項に規定する預り金をいう。)
②
前号の業務により受け入れた預金を対価として行う国債の売却及びその買取り
④
当該外国中央銀行等又は国際機関が行う国債の売買の媒介、取次ぎ又は代理
⑤
その他当該外国中央銀行等又は国際機関による本邦通貨又は本邦通貨をもって表示される資産の適切な運用に資すると認められる業務として財務省令で定めるもの
第42条
日本銀行は、
前条の規定による業務のほか、我が国の中央銀行としての外国中央銀行等又は国際機関との協力であって国際金融支援その他の国際金融面での協力を図るため、次に掲げる取引その他の当該協力のために必要な取引を、財務大臣からの要請に基づき、又はあらかじめその承認を得て、行うことができる。
①
国際決済銀行が有する外国中央銀行等に対する貸付債権の譲受け
第43条
【他業の禁止】
1
日本銀行は、この法律の規定により日本銀行の業務とされた業務以外の業務を行ってはならない。ただし、この法律に規定する日本銀行の目的達成上必要がある場合において、財務大臣及び内閣総理大臣の認可を受けたときは、この限りでない。
第44条
【考査】
1
日本銀行は、
第37条から
第39条までに規定する業務を適切に行い、及びこれらの業務の適切な実施に備えるためのものとして、これらの業務の相手方となる金融機関等(以下この条において「取引先金融機関等」という。)との間で、考査(取引先金融機関等の業務及び財産の状況について、日本銀行が当該取引先金融機関等へ立ち入って行う調査をいう。以下この条において同じ。)に関する契約(考査を行うときはあらかじめ取引先金融機関等に対し連絡しその承諾を得なければならないものであることその他の政令で定める要件を備えたものに限る。)を締結することができる。
2
日本銀行は、考査を行う場合には、当該考査に伴う取引先金融機関等の事務負担に配慮しなければならない。
3
日本銀行は、金融庁長官から要請があったときは、その行った考査の結果を記載した書類その他の考査に関する資料を金融庁長官に対し提出し、又はその職員に閲覧させることができる。
第45条
【業務方法書】
1
日本銀行は、業務方法書を定め、これを財務大臣及び内閣総理大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
2
前項の業務方法書には、資金の貸付けに関する事項その他の政令で定める事項を記載しなければならない。
第46条
【日本銀行券の発行】
2
前項の規定により日本銀行が発行する銀行券(以下「日本銀行券」という。)は、法貨として無制限に通用する。
第47条
【日本銀行券の種類及び様式】
2
日本銀行券の様式は、財務大臣が定め、これを公示する。
第48条
【日本銀行券の引換え】
日本銀行は、財務省令で定めるところにより、汚染、損傷その他の理由により使用することが困難となった日本銀行券を、手数料を徴収することなく、引き換えなければならない。
第49条
【日本銀行券の製造及び消却】
1
日本銀行は、日本銀行券の製造及び消却の手続を定め、財務大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
第50条
【事業年度】
日本銀行の事業年度は、毎年四月一日から翌年三月三十一日までとする。
第51条
【経費の予算】
1
日本銀行は、毎事業年度、経費(通貨及び金融の調節に支障を生じさせないものとして政令で定める経費に限る。)に関する予算(以下「経費の予算」という。)を作成し、当該事業年度開始前に、財務大臣に提出して、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2
財務大臣は、
前項の規定により提出された経費の予算を認可することが適当でないと認めるときは、速やかに、その旨及びその理由を日本銀行に通知するとともに、当該提出に係る経費の予算の詳細及び当該理由を公表しなければならない。
3
日本銀行は、
前項の規定による通知があったときは、財務大臣に対し意見を述べ、又は必要に応じ当該意見を公表することができる。
第52条
【財務諸表等】
1
日本銀行は、財産目録及び貸借対照表については四月から九月まで及び十月から翌年三月までの半期ごとに、損益計算書についてはこれらの半期及び事業年度ごとに作成し、これらの書類(以下「財務諸表」という。)に関する監事の意見書を添付して、当該半期又は当該事業年度経過後二月以内に、これを財務大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2
日本銀行は、
前項の規定により事業年度に係る財務諸表を財務大臣に提出するときは、これに当該事業年度の決算報告書及び当該決算報告書に関する監事の意見書を添付しなければならない。
3
日本銀行は、
第1項の規定による財務大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財務諸表、
前項の決算報告書及び前二項の監事の意見書を、本店及び支店に備え置き、政策委員会が適当と認めて定める相当期間、一般の閲覧に供しなければならない。
第53条
【剰余金の処分】
1
日本銀行は、各事業年度の損益計算上剰余金を生じたときは、当該剰余金の額の百分の五に相当する金額を、準備金として積み立てなければならない。
2
日本銀行は、特に必要があると認めるときは、
前項の規定にかかわらず、財務大臣の認可を受けて、
同項の剰余金の額のうち
同項の規定により積み立てなければならないとされる額を超える金額を、
同項の準備金として積み立てることができる。
3
前二項の規定により積み立てられた準備金は、日本銀行において生じた損失の補てん又は
次項の規定による配当に充てる場合を除いては、取り崩してはならない。
4
日本銀行は、財務大臣の認可を受けて、その出資者に対し、各事業年度の損益計算上の剰余金の配当をすることができる。ただし、払込出資金額に対する当該剰余金の配当の率は、年百分の五の割合を超えてはならない。
5
日本銀行は、各事業年度の損益計算上の剰余金の額から、
第1項又は
第2項の規定により積み立てた金額及び
前項の規定による配当の金額の合計額を控除した残額を、当該各事業年度終了後二月以内に、国庫に納付しなければならない。
6
政府は、
前項の規定による各事業年度に係る国庫納付金の一部を、政令で定めるところにより、当該各事業年度中において概算で納付させることができる。
7
第5項の規定による納付金の額は、
法人税法の規定による所得及び
地方税法の規定による事業税に係る所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
8
前三項に定めるもののほか、
第5項の規定による納付金に関し必要な事項は、政令で定める。
第54条
【国会への報告及び出席】
1
日本銀行は、おおむね六月に一回、政策委員会が議決した
第15条第1項各号に掲げる事項の内容及びそれに基づき日本銀行が行った業務の状況を記載した報告書を作成し、財務大臣を経由して国会に提出しなければならない。
2
日本銀行は、
前項の報告書について、国会に対し説明をするよう努めなければならない。
3
日本銀行の総裁若しくは政策委員会の議長又はそれらの指定する代理者は、日本銀行の業務及び財産の状況について各議院又はその委員会から説明のため出席することを求められたときは、当該各議院又は委員会に出席しなければならない。
第55条
【業務概況書の公表】
日本銀行は、各事業年度に係る財務諸表について
第52条第1項の承認を受けたときは、遅滞なく、当該事業年度に係る業務概況書を作成し、これを当該財務諸表及び当該事業年度の決算報告書とともに公表しなければならない。
第56条
【違法行為等の是正】
1
財務大臣又は内閣総理大臣は、日本銀行又はその役員若しくは職員の行為がこの法律若しくは他の法令若しくは定款に違反し、又は違反するおそれがあると認めるときは、日本銀行に対し、当該行為の是正のため必要な措置を講ずることを求めることができる。
2
日本銀行は、
前項の規定による財務大臣又は内閣総理大臣の求めがあったときは、速やかに当該行為の是正その他の政策委員会が必要と認める措置を講ずるとともに、当該措置の内容を財務大臣又は内閣総理大臣に報告しなければならない。
第57条
【財務大臣又は内閣総理大臣の求めによる監査】
1
財務大臣又は内閣総理大臣は、日本銀行又はその役員若しくは職員の行為がこの法律若しくは他の法令若しくは定款に違反し、又は違反するおそれがあると認めるときは、日本銀行の監事に対し、当該行為その他の必要な事項について監査し、及びその結果を報告することを求めることができる。
2
日本銀行の監事は、
前項の規定による財務大臣又は内閣総理大臣の求めがあったときは、速やかに当該求めがあった事項について監査し、その結果を財務大臣又は内閣総理大臣に報告するとともに、政策委員会に報告しなければならない。
第58条
【報告等】
財務大臣又は内閣総理大臣は、日本銀行の業務の執行の状況に照らし必要があると認めるときは、日本銀行に対し報告又は資料の提出を求めることができる。
第59条
【規程】
日本銀行は、この法律で別に定めるものを除くほか、組織その他に関する規程を作成したときは、遅滞なく、これを財務大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
第60条
【解散】
2
日本銀行が解散した場合において、その残余財産の額が払込資本金額を超えるときは、その超える部分の額に相当する残余財産は、国庫に帰属する。
第60条の2
【特別代理人の選任に関する事件の管轄】
特別代理人の選任に関する事件は、日本銀行の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
第61条
【一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の準用】
第61条の2
【権限の委任】
内閣総理大臣は、この法律(
第19条を除く。)による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
第62条
【政令への委任】
この法律に規定するもののほか、この法律を実施するため必要な事項は、政令で定める。
第63条
第29条の規定に違反して秘密を漏らし、又は盗用した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第64条
第57条第2項の規定による監査をせず、又は
同項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者は、五十万円以下の罰金に処する。
第65条
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした日本銀行の役員又は職員は、五十万円以下の過料に処する。
①
この法律の規定(
第43条第1項の規定を除く。)により財務大臣若しくは財務大臣及び内閣総理大臣の認可又は財務大臣の承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。
②
この法律の規定により財務大臣又は財務大臣及び内閣総理大臣に届出をしなければならない場合において、その届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
③
この法律の規定により公表をしなければならない場合において、その公表をせず、又は虚偽の公表をしたとき。
⑤
第26条第1項の規定に違反して報酬のある他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行ったとき。
⑥
第43条第1項の規定に違反して日本銀行の業務とされた業務以外の業務を行ったとき。
⑧
第52条第3項の規定に違反して財務諸表、決算報告書若しくは監事の意見書を備え置かず、又は閲覧に供しなかったとき。
⑬
第58条の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。
第66条
第13条の規定に違反した者は、五十万円以下の過料に処する。
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十年四月一日から施行する。ただし、第二十三条第一項及び第二項の規定(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)並びに附則第五条、第十条第一項及び第二項、第十五条並びに第十九条第二項の規定は、公布の日から施行する。
第2条
(日本銀行の同一性及びその職員の身分の継続)
この法律の施行の際現に存する日本銀行は、改正後の日本銀行法(以下「新法」という。)の規定に基づく日本銀行として同一性をもって存続するものとし、この法律の施行の際現に日本銀行の職員(役員を除く。)である者は、別に辞令を用いないで、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)に新法第二十八条の規定により日本銀行の職員として任命されたものとみなす。
第3条
(支店その他の事務所等に係る経過措置)
この法律の施行の際現に存する日本銀行の支店及び出張所並びに支店及び出張所以外の事務所で新法第七条第二項に規定する事務所に該当するもの並びに改正前の日本銀行法(以下「旧法」という。)第四条第二項の規定による認可を受けた代理店は、それぞれ新法第七条第二項又は第三項の規定による大蔵大臣の認可を受けて設置された支店その他の事務所及び代理店とみなす。
第4条
(出資及び出資証券に係る経過措置)
旧法の規定による出資及び出資証券は、それぞれ新法の相当規定による出資及び出資証券とみなす。
第5条
(定款の変更に係る経過措置)
1
日本銀行は、施行日までに、この法律の施行に伴い必要となる定款の変更をし、大蔵大臣の認可を受けなければならない。この場合において、その認可の効力は、施行日から生じるものとする。
2
前項の場合における大蔵大臣の認可の手続は、新法第十一条第三項の規定の例による。
第6条
(政策委員会の議決に係る経過措置)
1
当分の間、臨時金利調整法第二条第一項に規定する金利の最高限度の同項又は同条第二項の規定による決定、変更又は廃止は、新法第十五条第一項各号に掲げる事項の一に該当するものとみなす。
2
旧法第十三条ノ二に規定する日本銀行の政策委員会がした議決は、新法第十四条に規定する日本銀行の政策委員会が新法の相当規定(前項の規定を含む。)によりした議決とみなす。
第7条
(役員の任命及び任期の特例)
1
施行日以後最初に任命される日本銀行の副総裁及び審議委員の任命について、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、新法第二十三条第五項及び第六項の規定を準用する。
2
この法律の施行の際現に旧法第十六条に規定する総裁、副総裁、理事、監事又は参与である者は、それぞれ施行日に新法の相当規定により総裁、副総裁、理事、監事又は参与として任命されたものとみなす。この場合において、その任命されたものとみなされる者の任期は、新法第二十四条第一項の規定にかかわらず、施行日における旧法第十六条第五項の規定による総裁、副総裁、理事、監事又は参与としてのそれぞれの任期の残任期間と同一の期間とする。
3
前項の規定により理事又は監事として任命されたものとみなされる者の総数がそれぞれ新法第二十一条に規定する理事又は監事の定員を超える場合には、これらの者の退任又は任期の満了により理事又は監事の総数がそれぞれ同条に規定するその定員以下となるまでの間、同条の規定にかかわらず、理事又は監事の総数を理事又は監事の定員とみなす。
4
この法律の施行の際現に旧法第十三条ノ四第三項に規定する任命委員である者は、施行日に新法第二十三条第二項の規定により審議委員として任命されたものとみなす。この場合において、その任命されたものとみなされる者の任期は、新法第二十四条第一項の規定にかかわらず、施行日における旧法第十三条ノ五第一項の規定による任命委員としての任期の残任期間と同一の期間とする。
5
内閣は、新法第二十三条第一項又は第二項の規定により副総裁又は審議委員のそれぞれについて施行日以後最初に任命する者(第二項又は前項の規定により施行日に副総裁又は審議委員として任命されたものとみなされる者を除くものとし、その者の退任又は任期の満了後最初に任命する者を含む。)については、日本銀行の政策委員会の委員の任期の満了の期日が特定の年に偏ることのないよう、新法第二十四条第一項の規定にかかわらず、二年以上五年以内で内閣の定める任期をもって任命することができる。
第8条
(役員の身分保障に係る経過措置)
1
新法第二十五条第一項第一号の規定の適用については、この法律の施行前に禁治産、準禁治産又は破産の宣告を受けていた者(この法律の施行の際現に当該禁治産若しくは準禁治産の宣告が取り消され、又は復権している者を除く。)は、施行日に禁治産、準禁治産又は破産の宣告を受けたものとみなす。
2
新法第二十五条第一項第二号の規定の適用については、附則第三十八条の規定によりなお従前の例によることとされる罰則の適用により処罰された者は、新法の規定により処罰されたものとみなす。
3
新法第二十五条第一項第三号の規定の適用については、この法律の施行前に禁錮以上の刑に処せられた者(この法律の施行前にその刑の執行が終了し、又はその刑の執行を受けることがなくなった者を除く。)は、施行日に禁錮以上の刑に処せられたものとみなす。
第9条
(代理人に係る経過措置)
この法律の施行の際現に旧法第十七条の規定により日本銀行の総裁から選任されている代理人である者(施行日において日本銀行の理事又は職員である者に限る。)は、施行日に新法第二十七条の規定により代理人として選任されたものとみなす。
第10条
(給与等の支給の基準及び服務に関する準則に係る経過措置)
1
日本銀行は、施行日までに、新法第三十一条第一項に規定する給与等の支給の基準(日本銀行の職員に係るものを除く。次項及び第三項において同じ。)及び新法第三十二条に規定する服務に関する準則で施行日から効力を生じるものを定め、これを大蔵大臣に届け出るとともに、公表しなければならない。
2
前項の給与等の支給の基準及び服務に関する準則の作成については、旧法第十三条ノ二に規定する日本銀行の政策委員会の議決を経なければならない。
3
第一項の給与等の支給の基準及び服務に関する準則については、施行日以後遅滞なく、日本銀行の政策委員会の議決を経なければならない。
4
日本銀行の職員に係る新法第三十一条第一項に規定する給与等(次項において「給与等」という。)については、同条第一項の規定は、平成十年十月一日以後に支給されるものについて適用する。
5
前項の規定により平成十年十月一日以後に支給される日本銀行の職員に係る給与等について作成された給与等の支給の基準の適用により同日を含む事業年度の経費の予算の算定の基礎が異なることとなる場合には、日本銀行は、同日までに、その異なることとなった算定の基礎に基づき作成した当該事業年度の経費の予算を大蔵大臣に提出して、その認可を受けなければならない。
6
新法第五十一条第二項及び第三項の規定は、前項の認可について準用する。
第11条
(秘密保持義務に係る経過措置)
この法律の施行前に旧法第十三条ノ四第三項に規定する日本銀行の任命委員であった者又は旧法第十九条に規定する日本銀行の職員であった者については、これを施行日に新法第二十一条又は第二十八条に規定する日本銀行の役員又は職員の職を退いた者とみなして、新法第二十九条及び第六十三条の規定を適用する。
第12条
(基準となるべき割引率等に係る経過措置)
この法律の施行の際現に旧法第二十一条の規定により公告されている基準となるべき割引歩合又は基準となるべき貸付利子歩合は、新法第十五条第一項の規定により日本銀行の政策委員会が議決した同項第一号に規定する基準となるべき割引率又は同項第二号に規定する基準となるべき貸付利率とみなす。
第13条
(信用秩序の維持のための業務に係る経過措置)
1
日本銀行がこの法律の施行の際現に旧法第二十五条の規定による主務大臣の認可を受けている業務のうち、新法第三十七条第一項の規定により行うことができることとされる業務に該当するものがある場合には、当該業務については、同条第二項の規定による届出は、することを要しない。
2
日本銀行がこの法律の施行の際現に旧法第二十五条の規定による主務大臣の認可を受けている業務のうち、新法第三十八条第一項に規定する信用秩序の維持のために必要と認められる業務(新法第三十三条第一項に規定する業務を除く。)に該当するものがある場合には、当該業務については、施行日に新法第三十八条第一項の規定による大蔵大臣の要請があったものとみなす。
第14条
(国際金融業務等に係る経過措置)
前条に規定するもののほか、日本銀行がこの法律の施行の際現に旧法第二十四条、第二十五条又は第二十七条の規定による主務大臣の認可を受けている業務又は取引のうち、新法第三十九条第一項、第四十条第三項、第四十二条又は第四十三条第一項の規定による大蔵大臣の認可又は承認が必要とされる業務又は取引に該当するものがある場合には、これらの業務又は取引は、それぞれその種類に応じこれらの規定による大蔵大臣の認可又は承認を受けたものとみなす。
第15条
(業務方法書に係る経過措置)
1
日本銀行は、施行日までに、新法第四十五条第一項に規定する業務方法書で施行日から効力を生じるものを定め、これを大蔵大臣に届け出なければならない。
2
附則第十条第二項及び第三項の規定は、前項の業務方法書について準用する。
第16条
(日本銀行券に係る経過措置)
1
旧法第二十九条第一項の規定により発行された銀行券は、新法第四十六条第一項の規定により発行された日本銀行券とみなす。
2
旧法第三十三条第一項及び第二項の規定により主務大臣が定め、及び公示した銀行券の様式は、新法第四十七条第二項の規定により大蔵大臣が定め、及び公示した日本銀行券の様式とみなす。
第17条
(発行税の廃止に伴う経過措置)
この法律の施行前に旧法第三十一条ノ二の規定により課した、又は課すべきであった発行税については、なお従前の例による。
第18条
(日本銀行券の製造及び消却の手続に係る経過措置)
この法律の施行の際現に日本銀行が旧法第三十六条の規定により定め、主務大臣の認可を受けている銀行券の製造及び消却の手続は、新法第四十九条第一項の規定により日本銀行が定め、大蔵大臣の承認を受けた日本銀行券の製造及び消却の手続とみなす。
第19条
(経費の予算等に係る経過措置)
1
新法第五十一条から第五十三条まで及び第五十五条の規定は、施行日以後に開始する事業年度に係る経費の予算、決算に関する書類、剰余金の処分及び業務概況書の公表について適用し、施行日前に開始した事業年度に係る予算、決算に関する書類、剰余金の処分及び事業の概況の公告については、なお従前の例による。
2
前項の場合において、施行日に開始する事業年度に係る経費の予算の認可については、新法第五十一条の規定の例による。
第20条
(準備金に係る経過措置)
旧法第三十九条第一項又は第二項の規定により積み立てられた準備金(前条第一項の規定によりなお従前の例によることとされる剰余金の処分において積み立てられた準備金を含む。)は、新法第五十三条第一項又は第二項の規定により積み立てられた準備金とみなす。
第21条
(旧法による認可等の効力)
この附則に別段の定めがあるものを除き、旧法の規定に基づいて行われた認可その他の処分又は認可の申請その他の行為は、新法に相当規定がある場合には、それぞれ新法の相当規定に基づいて行われた認可その他の処分又は認可の申請その他の行為とみなす。
第22条
(特別準備金に係る経過措置及び解散の場合の国庫帰属の特例)
1
日本銀行法の一部を改正する法律附則第五項及び第六項の規定により積み立てられた特別準備金の取扱いについては、なお従前の例による。
2
日本銀行が解散した場合において、前項に規定する特別準備金の残高があるときは、新法第六十条第二項の規定にかかわらず、払込資本金額及び当該特別準備金の金額の合計額を超える部分の額に相当する残余財産に限り、国庫に帰属するものとする。
第38条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第39条
(その他の経過措置の政令への委任)
附則第二条から第二十二条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成9年6月20日
第1条
(施行期日)
この法律は、金融監督庁設置法の施行の日から施行する。
第2条
(大蔵大臣等がした処分等に関する経過措置)
1
この法律による改正前の担保附社債信託法、信託業法、農林中央金庫法、無尽業法、銀行等の事務の簡素化に関する法律、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、農業協同組合法、証券取引法、損害保険料率算出団体に関する法律、水産業協同組合法、中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律、船主相互保険組合法、証券投資信託法、信用金庫法、長期信用銀行法、貸付信託法、中小漁業融資保証法、信用保証協会法、労働金庫法、外国為替銀行法、自動車損害賠償保障法、農業信用保証保険法、金融機関の合併及び転換に関する法律、外国証券業者に関する法律、預金保険法、農村地域工業等導入促進法、農水産業協同組合貯金保険法、銀行法、貸金業の規制等に関する法律、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律、金融先物取引法、前払式証票の規制等に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律、特定債権等に係る事業の規制に関する法律、金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律、協同組織金融機関の優先出資に関する法律、不動産特定共同事業法、保険業法、金融機関の更生手続の特例等に関する法律、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律、日本銀行法又は銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律(以下「旧担保附社債信託法等」という。)の規定により大蔵大臣その他の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為は、この法律による改正後の担保附社債信託法、信託業法、農林中央金庫法、無尽業法、銀行等の事務の簡素化に関する法律、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、農業協同組合法、証券取引法、損害保険料率算出団体に関する法律、水産業協同組合法、中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律、船主相互保険組合法、証券投資信託法、信用金庫法、長期信用銀行法、貸付信託法、中小漁業融資保証法、信用保証協会法、労働金庫法、外国為替銀行法、自動車損害賠償保障法、農業信用保証保険法、金融機関の合併及び転換に関する法律、外国証券業者に関する法律、預金保険法、農村地域工業等導入促進法、農水産業協同組合貯金保険法、銀行法、貸金業の規制等に関する法律、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律、金融先物取引法、前払式証票の規制等に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律、特定債権等に係る事業の規制に関する法律、金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律、協同組織金融機関の優先出資に関する法律、不動産特定共同事業法、保険業法、金融機関の更生手続の特例等に関する法律、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律、日本銀行法又は銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律(以下「新担保附社債信託法等」という。)の相当規定に基づいて、内閣総理大臣その他の相当の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為とみなす。
2
この法律の施行の際現に旧担保附社債信託法等の規定により大蔵大臣その他の国の機関に対してされている申請、届出その他の行為は、新担保附社債信託法等の相当規定に基づいて、内閣総理大臣その他の相当の国の機関に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。
3
旧担保附社債信託法等の規定により大蔵大臣その他の国の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、これを、新担保附社債信託法等の相当規定により内閣総理大臣その他の相当の国の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、新担保附社債信託法等の規定を適用する。
第5条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第6条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成9年12月12日
第1条
(施行期日)
この法律は、持株会社の設立等の禁止の解除に伴う金融関係法律の整備等に関する法律の施行の日から施行する。
附則
平成10年10月16日
第1条
(施行期日)
この法律は、金融再生委員会設置法の施行の日から施行する。
第2条
(経過措置)
1
この法律による改正前の担保附社債信託法、信託業法、農林中央金庫法、無尽業法、銀行等の事務の簡素化に関する法律、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、農業協同組合法、証券取引法、損害保険料率算出団体に関する法律、水産業協同組合法、中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律、船主相互保険組合法、地方税法、証券投資信託及び証券投資法人に関する法律、信用金庫法、長期信用銀行法、貸付信託法、中小漁業融資保証法、信用保証協会法、労働金庫法、自動車損害賠償保障法、農業信用保証保険法、地震保険に関する法律、登録免許税法、金融機関の合併及び転換に関する法律、外国証券業者に関する法律、農村地域工業等導入促進法、農水産業協同組合貯金保険法、銀行法、貸金業の規制等に関する法律、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律、金融先物取引法、前払式証票の規制等に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律、特定債権等に係る事業の規制に関する法律、金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律、協同組織金融機関の優先出資に関する法律、不動産特定共同事業法、保険業法、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律、日本銀行法、銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律又は金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律(以下「旧担保附社債信託法等」という。)の規定により内閣総理大臣その他の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為は、この法律による改正後の担保附社債信託法、信託業法、農林中央金庫法、無尽業法、銀行等の事務の簡素化に関する法律、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、農業協同組合法、証券取引法、損害保険料率算出団体に関する法律、水産業協同組合法、中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律、船主相互保険組合法、地方税法、証券投資信託及び証券投資法人に関する法律、信用金庫法、長期信用銀行法、貸付信託法、中小漁業融資保証法、信用保証協会法、労働金庫法、自動車損害賠償保障法、農業信用保証保険法、地震保険に関する法律、登録免許税法、金融機関の合併及び転換に関する法律、外国証券業者に関する法律、農村地域工業等導入促進法、農水産業協同組合貯金保険法、銀行法、貸金業の規制等に関する法律、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律、金融先物取引法、前払式証票の規制等に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律、特定債権等に係る事業の規制に関する法律、金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律、協同組織金融機関の優先出資に関する法律、不動産特定共同事業法、保険業法、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律、日本銀行法、銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律又は金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律(以下「新担保附社債信託法等」という。)の相当規定に基づいて、金融再生委員会その他の相当の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為とみなす。
2
この法律の施行の際現に旧担保附社債信託法等の規定により内閣総理大臣その他の国の機関に対してされている申請、届出その他の行為は、新担保附社債信託法等の相当規定に基づいて、金融再生委員会その他の相当の国の機関に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。
3
旧担保附社債信託法等の規定により内閣総理大臣その他の国の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、これを、新担保附社債信託法等の相当規定により金融再生委員会その他の相当の国の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、新担保附社債信託法等の規定を適用する。
第3条
この法律の施行の際現に効力を有する旧担保附社債信託法等の規定に基づく命令は、新担保附社債信託法等の相当規定に基づく命令としての効力を有するものとする。
第4条
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第5条
(政令への委任)
前三条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成11年12月8日
第3条
(経過措置)
民法の一部を改正する法律附則第三条第三項の規定により従前の例によることとされる準禁治産者及びその保佐人に関するこの法律による改正規定の適用については、次に掲げる改正規定を除き、なお従前の例による。
第4条
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成11年12月22日
第1条
(施行期日)
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成16年6月2日
第1条
(施行期日)
この法律は、破産法(次条第八項並びに附則第三条第八項、第五条第八項、第十六項及び第二十一項、第八条第三項並びに第十三条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。
第14条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成18年6月2日
この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。
附則
平成19年6月27日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第12条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、電子債権記録機関に係る制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成23年6月24日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。