第1条
【目的】
この法律は、資金決済に関するサービスの適切な実施を確保し、その利用者等を保護するとともに、当該サービスの提供の促進を図るため、前払式支払手段の発行、銀行等以外の者が行う為替取引及び銀行等の間で生じた為替取引に係る債権債務の清算について、登録その他の必要な措置を講じ、もって資金決済システムの安全性、効率性及び利便性の向上に資することを目的とする。
第2条
【定義】
1
この法律において「前払式支払手段発行者」とは、
次条第6項に規定する自家型発行者及び
同条第7項に規定する第三者型発行者をいう。
2
この法律において「資金移動業」とは、銀行等以外の者が為替取引(少額の取引として政令で定めるものに限る。)を業として営むことをいう。
3
この法律において「資金移動業者」とは、
第37条の登録を受けた者をいう。
4
この法律において「外国資金移動業者」とは、この法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において
第37条の登録と同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。)を受けて為替取引を業として営む者をいう。
5
この法律において「資金清算業」とは、為替取引に係る債権債務の清算のため、債務の引受け、更改その他の方法により、銀行等の間で生じた為替取引に基づく債務を負担することを業として行うことをいう。
6
この法律において「資金清算機関」とは、
第64条第1項の免許を受けた者をいう。
7
この法律において「認定資金決済事業者協会」とは、
第87条の規定による認定を受けた一般社団法人をいう。
8
この法律において「指定紛争解決機関」とは、
第99条第1項の規定による指定を受けた者をいう。
10
この法律において「銀行等」とは、次に掲げる者をいう。
11
この法律において「破産手続開始の申立て等」とは、破産手続開始の申立て、再生手続開始の申立て、更生手続開始の申立て、特別清算開始の申立て又は外国倒産処理手続の承認の申立て(外国の法令上これらに相当する申立てを含む。)をいう。
第3条
【定義】
1
この章において「前払式支払手段」とは、次に掲げるものをいう。
①
証票、電子機器その他の物(以下この章において「証票等」という。)に記載され、又は電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によって認識することができない方法をいう。以下この項において同じ。)により記録される金額(金額を度その他の単位により換算して表示していると認められる場合の当該単位数を含む。以下この号及び
第3項において同じ。)に応ずる対価を得て発行される証票等又は番号、記号その他の符号(電磁的方法により証票等に記録される金額に応ずる対価を得て当該金額の記録の加算が行われるものを含む。)であって、その発行する者又は当該発行する者が指定する者(
次号において「発行者等」という。)から物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために提示、交付、通知その他の方法により使用することができるもの
②
証票等に記載され、又は電磁的方法により記録される物品又は役務の数量に応ずる対価を得て発行される証票等又は番号、記号その他の符号(電磁的方法により証票等に記録される物品又は役務の数量に応ずる対価を得て当該数量の記録の加算が行われるものを含む。)であって、発行者等に対して、提示、交付、通知その他の方法により、当該物品の給付又は当該役務の提供を請求することができるもの
2
この章において「基準日未使用残高」とは、前払式支払手段を発行する者が毎年三月三十一日及び九月三十日(以下この章において「基準日」という。)までに発行したすべての前払式支払手段の当該基準日における未使用残高(次の各号に掲げる前払式支払手段の区分に応じ当該各号に定める金額をいう。)の合計額として内閣府令で定めるところにより算出した額をいう。
①
前項第1号の前払式支払手段 当該基準日において代価の弁済に充てることができる金額
②
前項第2号の前払式支払手段 当該基準日において給付又は提供を請求することができる物品又は役務の数量を内閣府令で定めるところにより金銭に換算した金額
3
この章において「支払可能金額等」とは、
第1項第1号の前払式支払手段にあってはその発行された時において代価の弁済に充てることができる金額をいい、
同項第2号の前払式支払手段にあってはその発行された時において給付又は提供を請求することができる物品又は役務の数量をいう。
4
この章において「自家型前払式支払手段」とは、前払式支払手段を発行する者(当該発行する者と政令で定める密接な関係を有する者(
次条第5号及び
第32条において「密接関係者」という。)を含む。以下この項において同じ。)から物品の購入若しくは借受けを行い、若しくは役務の提供を受ける場合に限り、これらの代価の弁済のために使用することができる前払式支払手段又は前払式支払手段を発行する者に対してのみ、物品の給付若しくは役務の提供を請求することができる前払式支払手段をいう。
5
この章において「第三者型前払式支払手段」とは、自家型前払式支払手段以外の前払式支払手段をいう。
6
この章において「自家型発行者」とは、
第5条第1項の届出書を提出した者(
第33条第1項の規定による発行の業務の全部の廃止の届出をした者であって、
第20条第1項の規定による払戻しを完了した者を除く。)をいう。
7
この章において「第三者型発行者」とは、
第7条の登録を受けた法人をいう。
8
この章において「基準期間」とは、基準日の翌日から次の基準日までの期間をいう。
第4条
【適用除外】
次に掲げる前払式支払手段については、この章の規定は、適用しない。
①
乗車券、入場券その他これらに準ずるものであって、政令で定めるもの
②
発行の日から政令で定める一定の期間内に限り使用できる前払式支払手段
③
国又は地方公共団体(
次号において「国等」という。)が発行する前払式支払手段
④
法律により直接に設立された法人、特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人又は特別の法律により地方公共団体が設立者となって設立された法人であって、その資本金又は出資の額の全部が国等からの出資によるものその他の国等に準ずるものとして政令で定める法人が発行する前払式支払手段
⑤
専ら発行する者(密接関係者を含む。)の従業員に対して発行される自家型前払式支払手段(専ら当該従業員が使用することとされているものに限る。)その他これに類するものとして政令で定める前払式支払手段
⑥
割賦販売法その他の法律の規定に基づき前受金の保全のための措置が講じられている取引に係る前払式支払手段として政令で定めるもの
⑦
その利用者のために商行為となる取引においてのみ使用することとされている前払式支払手段
第5条
【自家型発行者の届出】
1
前払式支払手段を発行する法人(人格のない社団又は財団であって代表者又は管理人の定めのあるものを含む。)又は個人のうち、自家型前払式支払手段のみを発行する者は、基準日においてその自家型前払式支払手段の基準日未使用残高がその発行を開始してから最初に基準額(
第14条第1項に規定する基準額をいう。)を超えることとなったときは、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した届出書を内閣総理大臣に提出しなければならない。自家型前払式支払手段の発行の業務の全部を廃止した後再びその発行を開始したときも、同様とする。
③
前払式支払手段の発行の業務に係る営業所又は事務所の名称及び所在地
④
法人(人格のない社団又は財団であって代表者又は管理人の定めのあるものを含む。)にあっては、その代表者又は管理人の氏名
⑦
物品の購入若しくは借受けを行い、若しくは役務の提供を受ける場合にこれらの代価の弁済のために使用し、又は物品の給付若しくは役務の提供を請求することができる期間又は期限が設けられているときは、当該期間又は期限
⑨
前払式支払手段の発行及び利用に関する利用者からの苦情又は相談に応ずる営業所又は事務所の所在地及び連絡先
2
前項の届出書には、財務に関する書類その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
3
自家型発行者は、
第1項各号(
第5号を除く。)に掲げる事項のいずれかに変更があったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
第6条
【自家型発行者名簿】
内閣総理大臣は、自家型発行者について、自家型発行者名簿を作成し、これを公衆の縦覧に供しなければならない。
第7条
【第三者型発行者の登録】
第三者型前払式支払手段の発行の業務は、内閣総理大臣の登録を受けた法人でなければ、行ってはならない。
第8条
【登録の申請】
1
前条の登録を受けようとする者は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した登録申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
③
前払式支払手段の発行の業務に係る営業所又は事務所の名称及び所在地
⑥
物品の購入若しくは借受けを行い、若しくは役務の提供を受ける場合にこれらの代価の弁済のために使用し、又は物品の給付若しくは役務の提供を請求することができる期間又は期限が設けられているときは、当該期間又は期限
⑧
前払式支払手段の発行及び利用に関する利用者からの苦情又は相談に応ずる営業所又は事務所の所在地及び連絡先
2
前項の登録申請書には、
第10条第1項各号に該当しないことを誓約する書面、財務に関する書類その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
第9条
【第三者型発行者登録簿】
1
内閣総理大臣は、
第7条の登録の申請があったときは、
次条第1項の規定によりその登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を第三者型発行者登録簿に登録しなければならない。
2
内閣総理大臣は、
前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
3
内閣総理大臣は、第三者型発行者登録簿を公衆の縦覧に供しなければならない。
第10条
【登録の拒否】
1
内閣総理大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
①
法人でないもの(外国の法令に準拠して設立された法人で国内に営業所又は事務所を有しないものを含む。)
②
次のいずれにも該当しない法人
イ
純資産額が、発行する前払式支払手段の利用が可能な地域の範囲その他の事情に照らして政令で定める金額以上である法人
③
前払式支払手段により購入若しくは借受けを行い、若しくは給付を受けることができる物品又は提供を受けることができる役務が、公の秩序又は善良の風俗を害し、又は害するおそれがあるものでないことを確保するために必要な措置を講じていない法人
④
加盟店(前払式支払手段により購入若しくは借受けを行い、若しくは給付を受けることができる物品の販売者若しくは貸出人又は提供を受けることができる役務の提供者をいう。
第32条において同じ。)に対する支払を適切に行うために必要な体制の整備が行われていない法人
⑤
この章の規定を遵守するために必要な体制の整備が行われていない法人
⑥
他の第三者型発行者が現に用いている商号若しくは名称と同一の商号若しくは名称又は他の第三者型発行者と誤認されるおそれのある商号若しくは名称を用いようとする法人
⑦
第27条第1項若しくは
第2項の規定により
第7条の登録を取り消され、又はこの法律(この章の規定及び当該規定に係る
第8章の規定に限る。以下この項において同じ。)に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。
第9号ホにおいて同じ。)を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない法人
⑧
この法律又はこの法律に相当する外国の法令の規定により罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。
次号ニにおいて同じ。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない法人
⑨
役員のうちに次のいずれかに該当する者のある法人
イ
成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらに相当する者
ロ
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これに相当する者
ハ
禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者
ニ
この法律又はこの法律に相当する外国の法令の規定により罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者
ホ
第三者型発行者が
第27条第1項若しくは
第2項の規定により
第7条の登録を取り消された場合又は法人がこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にこれらの法人の役員であった者で、当該取消しの日から三年を経過しない者その他これに準ずるものとして政令で定める者
2
内閣総理大臣は、
前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
第11条
【変更の届出】
1
第三者型発行者は、
第8条第1項各号に掲げる事項のいずれかに変更があったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
2
内閣総理大臣は、
前項の規定による届出を受理したときは、届出があった事項を第三者型発行者登録簿に登録しなければならない。
第12条
【名義貸しの禁止】
第三者型発行者は、自己の名義をもって、他人に第三者型前払式支払手段の発行の業務を行わせてはならない。
第13条
【表示又は情報の提供】
1
前払式支払手段発行者は、前払式支払手段を発行する場合(当該前払式支払手段に係る証票等又は当該前払式支払手段と一体となっている書面その他の物を利用者に対し交付することがない場合を除く。)には、その発行する前払式支払手段(当該前払式支払手段と一体となっている書面その他の物を含む。)に、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を表示しなければならない。
③
物品の購入若しくは借受けを行い、若しくは役務の提供を受ける場合にこれらの代価の弁済のために使用し、又は物品の給付若しくは役務の提供を請求することができる期間又は期限が設けられているときは、当該期間又は期限
④
前払式支払手段の発行及び利用に関する利用者からの苦情又は相談に応ずる営業所又は事務所の所在地及び連絡先
2
前払式支払手段発行者は、前払式支払手段を発行する場合(当該前払式支払手段に係る証票等又は当該前払式支払手段と一体となっている書面その他の物を利用者に対し交付することがない場合に限る。)には、内閣府令で定める方法により、
前項各号に掲げる事項に関する情報を利用者に提供しなければならない。
3
第1項の場合において、前払式支払手段発行者が加入する認定資金決済事業者協会が当該前払式支払手段発行者に係る
同項第4号及び
第5号に掲げる事項を前払式支払手段の利用者に周知する場合その他の内閣府令で定める場合には、当該前払式支払手段発行者は、当該事項を表示しないことができる。
第14条
【発行保証金の供託】
1
前払式支払手段発行者は、基準日未使用残高が政令で定める額(以下この章において「基準額」という。)を超えるときは、当該基準日未使用残高の二分の一の額(以下この章において「要供託額」という。)以上の額に相当する額の発行保証金を、内閣府令で定めるところにより、主たる営業所又は事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。
2
前払式支払手段発行者は、
第31条第1項の権利の実行の手続の終了その他の事実の発生により、発行保証金の額(
次条に規定する保全金額及び
第16条第1項に規定する信託財産の額の合計額を含む。
第18条第2号及び
第23条第1項第3号において同じ。)がその事実が発生した日の直前の基準日における要供託額(
第20条第1項の規定による払戻しの手続又は
第31条第1項の権利の実行の手続が終了した日の直前の基準日にあっては、これらの手続に係る前払式支払手段がないものとみなして内閣府令で定める方法により計算された額)に不足することとなったときは、内閣府令で定めるところにより、その不足額について供託を行い、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
第15条
【発行保証金保全契約】
前払式支払手段発行者は、政令で定めるところにより、発行保証金保全契約(政令で定める要件を満たす銀行等その他政令で定める者が前払式支払手段発行者のために内閣総理大臣の命令に応じて発行保証金を供託する旨の契約をいう。以下この章において同じ。)を締結し、その旨を内閣総理大臣に届け出たときは、当該発行保証金保全契約の効力の存する間、保全金額(当該発行保証金保全契約において供託されることとなっている金額をいう。
第17条において同じ。)につき、発行保証金の全部又は一部の供託をしないことができる。
第16条
【発行保証金信託契約】
1
前払式支払手段発行者は、信託会社等との間で、発行保証金信託契約(当該信託会社等が内閣総理大臣の命令に応じて信託財産を発行保証金の供託に充てることを信託の目的として当該信託財産の管理その他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の信託契約をいう。以下この章において同じ。)を締結し、内閣総理大臣の承認を受けたときは、当該発行保証金信託契約に基づき信託財産が信託されている間、当該信託財産の額につき、発行保証金の全部又は一部の供託をしないことができる。
2
発行保証金信託契約は、次に掲げる事項をその内容とするものでなければならない。
①
発行保証金信託契約を締結する前払式支払手段発行者が発行する前払式支払手段の保有者を受益者とすること。
③
内閣総理大臣の命令に応じて、信託会社等が信託財産を換価し、供託をすること。
3
発行保証金信託契約に基づき信託される信託財産の種類は、金銭若しくは預貯金(内閣府令で定めるものに限る。)又は国債証券、地方債証券その他の内閣府令で定める債券に限るものとする。この場合において、当該債券の評価額は、内閣府令で定めるところによる。
第17条
【供託命令】
内閣総理大臣は、前払式支払手段の利用者の利益の保護のために必要があると認めるときは、発行保証金保全契約若しくは発行保証金信託契約を締結した前払式支払手段発行者又はこれらの契約の相手方に対し、保全金額又は信託財産を換価した額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。
第18条
【発行保証金の取戻し等】
発行保証金は、次の各号のいずれかに該当する場合には、政令で定めるところにより、その全部又は一部を取り戻すことができる。
④
前三号に掲げるもののほか、前払式支払手段の利用者の利益の保護に支障がない場合として政令で定める場合
第19条
【発行保証金の保管替えその他の手続】
この節に規定するもののほか、前払式支払手段発行者の主たる営業所又は事務所の所在地の変更に伴う発行保証金の保管替えその他発行保証金の供託に関し必要な事項は、内閣府令・法務省令で定める。
第20条
【保有者に対する前払式支払手段の払戻し】
1
前払式支払手段発行者は、次の各号のいずれかに該当するときは、前払式支払手段の保有者に、当該前払式支払手段の残高として内閣府令で定める額を払い戻さなければならない。
①
前払式支払手段の発行の業務の全部又は一部を廃止した場合(相続又は事業譲渡、合併若しくは会社分割その他の事由により当該業務の承継が行われた場合を除く。)
2
前払式支払手段発行者は、
前項各号に掲げる場合を除き、その発行する前払式支払手段について、保有者に払戻しをしてはならない。ただし、払戻金額が少額である場合その他の前払式支払手段の発行の業務の健全な運営に支障が生ずるおそれがない場合として内閣府令で定める場合は、この限りでない。
第21条
【情報の安全管理】
前払式支払手段発行者は、内閣府令で定めるところにより、その発行の業務に係る情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他の当該情報の安全管理のために必要な措置を講じなければならない。
第22条
【帳簿書類】
前払式支払手段発行者は、内閣府令で定めるところにより、その前払式支払手段の発行の業務に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
第23条
【報告書】
1
前払式支払手段発行者は、基準日ごとに、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した前払式支払手段の発行の業務に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
①
当該基準日を含む基準期間において発行した前払式支払手段の発行額
②
当該基準日における前払式支払手段の基準日未使用残高
2
前項の報告書には、財務に関する書類その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
3
自家型発行者については、基準日未使用残高が基準額以下となった基準日の翌日から当該基準日以後の基準日であって再び基準日未使用残高が基準額を超えることとなった基準日の前日までの間の基準日については、
第1項の規定は、適用しない。
第24条
【立入検査等】
1
内閣総理大臣は、前払式支払手段発行者の発行の業務の健全かつ適切な運営を確保するために必要があると認めるときは、当該前払式支払手段発行者に対し当該前払式支払手段発行者の業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該前払式支払手段発行者の営業所、事務所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2
内閣総理大臣は、前払式支払手段発行者の発行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該前払式支払手段発行者から業務の委託を受けた者に対し当該前払式支払手段発行者の業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該前払式支払手段発行者から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、当該前払式支払手段発行者の業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3
前項の前払式支払手段発行者から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、
同項の規定による報告若しくは資料の提出又は質問若しくは検査を拒むことができる。
第25条
【業務改善命令】
内閣総理大臣は、前払式支払手段発行者の前払式支払手段の発行の業務の運営に関し、前払式支払手段の利用者の利益を害する事実があると認めるときは、その利用者の利益の保護のために必要な限度において、当該前払式支払手段発行者に対し、当該業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
第26条
【自家型発行者に対する業務停止命令】
内閣総理大臣は、自家型発行者が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以内の期間を定めてその発行の業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
①
この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
②
その発行する前払式支払手段に係る
第31条第1項の権利の実行が行われるおそれがある場合において、当該前払式支払手段の利用者の被害の拡大を防止することが必要であると認められるとき。
第27条
【第三者型発行者に対する登録の取消し等】
1
内閣総理大臣は、第三者型発行者が次の各号のいずれかに該当するときは、
第7条の登録を取り消し、又は六月以内の期間を定めてその第三者型前払式支払手段の発行の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
③
この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
④
その発行する前払式支払手段に係る
第31条第1項の権利の実行が行われるおそれがある場合において、当該前払式支払手段の利用者の被害の拡大を防止することが必要であると認められるとき。
2
内閣総理大臣は、第三者型発行者の営業所若しくは事務所の所在地を確知できないとき、又は第三者型発行者を代表する役員の所在を確知できないときは、内閣府令で定めるところにより、その事実を公告し、その公告の日から三十日を経過しても当該第三者型発行者から申出がないときは、当該第三者型発行者の
第7条の登録を取り消すことができる。
第29条
【監督処分の公告】
内閣総理大臣は、
第26条又は
第27条第1項若しくは
第2項の規定による処分をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
第30条
【自家型前払式支払手段の発行の業務の承継に係る特例】
1
前払式支払手段発行者以外の者が相続又は事業譲渡、合併若しくは会社分割その他の事由により前払式支払手段発行者から自家型前払式支払手段の発行の業務を承継した場合(第三者型前払式支払手段の発行の業務を承継した場合を除く。)において、当該業務の承継に係る自家型前払式支払手段の承継が行われた日の直前の基準日未使用残高が基準額を超えるときは、当該前払式支払手段発行者以外の者を当該自家型前払式支払手段を発行する自家型発行者とみなして、この法律(
第5条を除く。)の規定を適用する。
2
前項の規定により自家型発行者とみなされた者は、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した届出書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
③
自家型前払式支払手段の承継が行われた日の直前の基準日未使用残高
3
前項の届出書には、財務に関する書類その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
4
第1項の規定により自家型発行者とみなされた者は、
第2項第2号又は
第4号に掲げる事項のいずれかに変更があったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
第31条
【発行保証金の還付】
1
前払式支払手段の保有者は、前払式支払手段に係る債権に関し、当該前払式支払手段に係る発行保証金について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
2
内閣総理大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合において、前払式支払手段の保有者の利益の保護を図るために必要があると認めるときは、
前項の権利を有する者に対し、六十日を下らない一定の期間内に内閣総理大臣に債権の申出をすべきこと及びその期間内に債権の申出をしないときは当該公示に係る発行保証金についての権利の実行の手続から除斥されるべきことを公示しなければならない。
②
前払式支払手段発行者について破産手続開始の申立て等が行われたとき。
3
内閣総理大臣は、内閣府令で定めるところにより、
第1項の権利の実行に関する事務を銀行等その他の政令で定める者(
次項及び
第5項において「権利実行事務代行者」という。)に委託することができる。
4
権利実行事務代行者は、他の法律の規定にかかわらず、
前項の規定により委託を受けた業務を行うことができる。
5
第3項の規定により業務の委託を受けた権利実行事務代行者又はその役員若しくは職員であって当該委託を受けた業務に従事する者は、
刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
6
第2項から
前項までに規定するもののほか、
第1項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。
第32条
【発行保証金の還付への協力】
前払式支払手段発行者から発行の業務の委託を受けた者、密接関係者、加盟店その他の当該前払式支払手段発行者の関係者は、当該前払式支払手段発行者が発行した前払式支払手段に係る
前条第1項の権利の実行に関し内閣総理大臣から必要な協力を求められた場合には、これに応ずるよう努めるものとする。
第33条
【廃止の届出等】
1
前払式支払手段発行者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、遅滞なく、内閣総理大臣に届け出なければならない。
①
前払式支払手段の発行の業務の全部又は一部を廃止したとき。
2
第三者型発行者が第三者型前払式支払手段の発行の業務の全部を廃止したときは、当該第三者型発行者の
第7条の登録は、その効力を失う。
第34条
【登録の取消し等に伴う債務の履行の完了等】
第三者型発行者について、
第27条第1項若しくは
第2項の規定により
第7条の登録が取り消されたとき、又は
前条第2項の規定により
第7条の登録が効力を失ったときは、当該第三者型発行者であった者は、その発行した第三者型前払式支払手段に係る債務の履行を完了する目的の範囲内においては、なお第三者型発行者とみなす。
第35条
【銀行等に関する特例】
政令で定める要件を満たす銀行等その他政令で定める者に該当する前払式支払手段発行者については、
第14条第1項の規定は、適用しない。
第36条
【外国において発行される前払式支払手段の勧誘の禁止】
外国において前払式支払手段の発行の業務を行う者は、国内にある者に対して、その外国において発行する前払式支払手段の勧誘をしてはならない。
第38条
【登録の申請】
1
前条の登録を受けようとする者は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した登録申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
④
取締役及び監査役(委員会設置会社にあっては取締役及び執行役とし、外国資金移動業者にあってはこれらに準ずる者とする。
第40条第1項第10号において同じ。)の氏名
⑤
会計参与設置会社にあっては、会計参与の氏名又は名称
⑥
外国資金移動業者にあっては、国内における代表者の氏名
⑧
資金移動業を第三者に委託する場合にあっては、当該委託に係る業務の内容並びにその委託先の氏名又は商号若しくは名称及び住所
2
前項の登録申請書には、
第40条第1項各号に該当しないことを誓約する書面、財務に関する書類、資金移動業を適正かつ確実に遂行する体制の整備に関する事項を記載した書類その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
第39条
【資金移動業者登録簿】
1
内閣総理大臣は、
第37条の登録の申請があったときは、
次条第1項の規定によりその登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を資金移動業者登録簿に登録しなければならない。
2
内閣総理大臣は、
前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
3
内閣総理大臣は、資金移動業者登録簿を公衆の縦覧に供しなければならない。
第40条
【登録の拒否】
1
内閣総理大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
①
株式会社又は外国資金移動業者(国内に営業所を有する外国会社に限る。)でないもの
②
外国資金移動業者にあっては、国内における代表者(国内に住所を有するものに限る。)のない法人
③
資金移動業を適正かつ確実に遂行するために必要と認められる財産的基礎を有しない法人
④
資金移動業を適正かつ確実に遂行する体制の整備が行われていない法人
⑤
この章の規定を遵守するために必要な体制の整備が行われていない法人
⑥
他の資金移動業者が現に用いている商号若しくは名称と同一の商号若しくは名称又は他の資金移動業者と誤認されるおそれのある商号若しくは名称を用いようとする法人
⑦
第56条第1項若しくは
第2項の規定により
第37条の登録を取り消され、
第82条第1項若しくは
第2項の規定により
第64条第1項の免許を取り消され、又はこの法律若しくは
銀行法等に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録若しくは免許(当該登録又は免許に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない法人
⑩
取締役若しくは監査役又は会計参与(外国資金移動業者にあっては、国内における代表者を含む。以下この章において「取締役等」という。)のうちに次のいずれかに該当する者のある法人
イ
成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらに相当する者
ロ
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これに相当する者
ハ
禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
ホ
資金移動業者が
第56条第1項若しくは
第2項の規定により
第37条の登録を取り消された場合又は法人がこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にこの法人の取締役等であった者で、当該取消しの日から五年を経過しない者その他これに準ずるものとして政令で定める者
2
内閣総理大臣は、
前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
第41条
【変更の届出】
1
資金移動業者は、
第38条第1項各号に掲げる事項のいずれかに変更があったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
2
内閣総理大臣は、
前項の規定による届出を受理したときは、届出があった事項を資金移動業者登録簿に登録しなければならない。
第42条
【名義貸しの禁止】
資金移動業者は、自己の名義をもって、他人に資金移動業を営ませてはならない。
第43条
【履行保証金の供託】
1
資金移動業者は、一月を超えない範囲内で内閣府令で定める期間ごとに、当該期間における要履行保証額の最高額(
第47条第1号において「要供託額」という。)以上の額に相当する額の履行保証金を、当該期間の末日(
同号において「基準日」という。)から一週間以内に、その本店(外国資金移動業者である資金移動業者にあっては、国内における主たる営業所。
第48条において同じ。)の最寄りの供託所に供託しなければならない。
2
前項の「要履行保証額」とは、各営業日における未達債務の額(資金移動業者がその行う為替取引に関し負担する債務の額であって内閣府令で定めるところにより算出した額をいう。以下この章において同じ。)と
第59条第1項の権利の実行の手続に関する費用の額として内閣府令で定めるところにより算出した額の合計額(その合計額が小規模な資金移動業者がその行う為替取引に関し負担する債務の履行を確保するために必要な額として政令で定める額以下である場合には、当該政令で定める額)をいう。
第44条
【履行保証金保全契約】
資金移動業者は、政令で定めるところにより、履行保証金保全契約(政令で定める要件を満たす銀行等その他政令で定める者が資金移動業者のために内閣総理大臣の命令に応じて履行保証金を供託する旨の契約をいう。以下この章において同じ。)を締結し、その旨を内閣総理大臣に届け出たときは、当該履行保証金保全契約の効力の存する間、保全金額(当該履行保証金保全契約において供託されることとなっている金額をいう。以下この章において同じ。)につき、履行保証金の全部又は一部の供託をしないことができる。
第45条
【履行保証金信託契約】
1
資金移動業者が、信託会社等との間で、履行保証金信託契約(当該信託会社等が内閣総理大臣の命令に応じて信託財産を履行保証金の供託に充てることを信託の目的として当該信託財産の管理その他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の信託契約をいう。以下この章において同じ。)を締結し、内閣総理大臣の承認を受けた場合において、当該資金移動業者の各営業日において当該履行保証金信託契約に基づき信託されている信託財産の額が、その直前の営業日における要履行保証額(
第43条第2項に規定する要履行保証額をいう。以下この章において同じ。)以上の額であるときは、
同条第1項の規定は、適用しない。
2
履行保証金信託契約は、次に掲げる事項をその内容とするものでなければならない。
①
履行保証金信託契約を締結する資金移動業者(以下この条において「信託契約資金移動業者」という。)が行う為替取引の利用者を受益者とすること。
③
信託契約資金移動業者は、各営業日における要履行保証額を、その翌営業日までに信託会社等に通知すること。
④
信託契約資金移動業者は、各営業日において信託されている信託財産の額が、その直前の営業日における要履行保証額以上の額となるよう、必要に応じてその財産を信託財産として拠出する義務を負うこと。
⑤
信託会社等は、各営業日において信託されている信託財産の額が、その直前の営業日における要履行保証額以下となった場合には、当該信託財産に属する財産を信託契約資金移動業者に移転することができないこと。
⑥
内閣総理大臣の命令に応じて、信託会社等が信託財産を換価し、供託をすること。
3
履行保証金信託契約に基づき信託される信託財産の種類は、金銭若しくは預貯金(内閣府令で定めるものに限る。)又は国債証券、地方債証券その他の内閣府令で定める債券に限るものとする。この場合において、当該債券の評価額は、内閣府令で定めるところによる。
4
第1項の規定の適用を受けていた資金移動業者について、各営業日のいずれかの日(以下この項において「特定日」という。)において履行保証金信託契約に基づき信託されている信託財産の額がその直前の営業日における要履行保証額未満の額となった場合における当該特定日が属する期間(
第43条第1項に規定する内閣府令で定める期間をいう。以下この項において同じ。)の直前の期間についての
同条第1項の規定の適用については、
同項中「当該期間の末日(
同号において「基準日」という。)から一週間以内に」とあるのは、「
第45条第1項に規定する履行保証金信託契約に基づき信託されている信託財産の額がその直前の営業日における要履行保証額未満の額となった日(
同号において「基準日」という。)に」とする。
第46条
【供託命令】
内閣総理大臣は、資金移動業の利用者の利益の保護のために必要があると認めるときは、履行保証金保全契約若しくは履行保証金信託契約を締結した資金移動業者又はこれらの契約の相手方に対し、保全金額又は信託財産を換価した額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。
第47条
【履行保証金の取戻し等】
履行保証金は、次の各号のいずれかに該当する場合には、政令で定めるところにより、その全部又は一部を取り戻すことができる。
①
基準日における要供託額が、その直前の基準日における履行保証金の額と保全金額の合計額を下回るとき。
③
為替取引に関し負担する債務の履行を完了した場合として政令で定める場合
第48条
【履行保証金の保管替えその他の手続】
この節に規定するもののほか、資金移動業者の本店の所在地の変更に伴う履行保証金の保管替えその他履行保証金の供託に関し必要な事項は、内閣府令・法務省令で定める。
第49条
【情報の安全管理】
資金移動業者は、内閣府令で定めるところにより、資金移動業に係る情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他の当該情報の安全管理のために必要な措置を講じなければならない。
第50条
【委託先に対する指導】
資金移動業者は、資金移動業を第三者に委託した場合には、内閣府令で定めるところにより、当該委託に係る業務の委託先に対する指導その他の当該業務の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。
第51条
【利用者の保護等に関する措置】
資金移動業者は、内閣府令で定めるところにより、銀行等が行う為替取引との誤認を防止するための説明、手数料その他の資金移動業に係る契約の内容についての情報の提供その他の資金移動業の利用者の保護を図り、及び資金移動業の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。
第51条の2
【指定紛争解決機関との契約締結義務等】
1
資金移動業者は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める措置を講じなければならない。
①
指定紛争解決機関が存在する場合 一の指定紛争解決機関との間で資金移動業に係る手続実施基本契約(
第99条第1項第8号に規定する手続実施基本契約をいう。
次項において同じ。)を締結する措置
②
指定紛争解決機関が存在しない場合 資金移動業に関する苦情処理措置及び紛争解決措置
2
資金移動業者は、
前項の規定により手続実施基本契約を締結する措置を講じた場合には、当該手続実施基本契約の相手方である指定紛争解決機関の商号又は名称を公表しなければならない。
3
第1項の規定は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間においては、適用しない。
③
第1項第2号に掲げる場合に該当していた場合において、
同項第1号に掲げる場合に該当することとなったとき
第99条第1項の規定による指定の時に、
同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
4
第1項第2号の「苦情処理措置」とは、利用者からの苦情の処理の業務に従事する使用人その他の従業者に対する助言若しくは指導を消費生活に関する消費者と事業者との間に生じた苦情に係る相談その他の消費生活に関する事項について専門的な知識経験を有する者として内閣府令で定める者に行わせること又はこれに準ずるものとして内閣府令で定める措置をいう。
第52条
【帳簿書類】
資金移動業者は、内閣府令で定めるところにより、その資金移動業に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
第53条
【報告書】
1
資金移動業者は、事業年度ごとに、内閣府令で定めるところにより、資金移動業に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
2
資金移動業者は、
前項の報告書のほか、六月を超えない範囲内で内閣府令で定める期間ごとに、内閣府令で定めるところにより、未達債務の額及び履行保証金の供託、履行保証金保全契約又は履行保証金信託契約に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
3
前二項の報告書には、財務に関する書類その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
第54条
【立入検査等】
1
内閣総理大臣は、資金移動業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるときは、資金移動業者に対し当該資金移動業者の業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該資金移動業者の営業所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2
内閣総理大臣は、資金移動業の適正かつ確実な遂行のため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該資金移動業者から業務の委託を受けた者に対し当該資金移動業者の業務若しくは財産の状況に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該資金移動業者から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、当該資金移動業者の業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3
前項の資金移動業者から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、
同項の規定による報告若しくは資料の提出又は質問若しくは検査を拒むことができる。
第55条
【業務改善命令】
内閣総理大臣は、資金移動業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるときは、その必要の限度において、資金移動業者に対し、業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置その他監督上必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
第56条
【登録の取消し等】
1
内閣総理大臣は、資金移動業者が次の各号のいずれかに該当するときは、
第37条の登録を取り消し、又は六月以内の期間を定めて資金移動業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
③
この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
2
内閣総理大臣は、資金移動業者の営業所の所在地を確知できないとき、又は資金移動業者を代表する取締役若しくは執行役(外国資金移動業者である資金移動業者にあっては、国内における代表者)の所在を確知できないときは、内閣府令で定めるところにより、その事実を公告し、その公告の日から三十日を経過しても当該資金移動業者から申出がないときは、当該資金移動業者の
第37条の登録を取り消すことができる。
第58条
【監督処分の公告】
内閣総理大臣は、
第56条第1項又は
第2項の規定による処分をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
第59条
【履行保証金の還付】
1
資金移動業者がその行う為替取引に関し負担する債務に係る債権者は、履行保証金について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
2
内閣総理大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合において、資金移動業の利用者の利益の保護を図るために必要があると認めるときは、
前項の権利を有する者に対し、六十日を下らない一定の期間内に内閣総理大臣に債権の申出をすべきこと及びその期間内に債権の申出をしないときは当該公示に係る履行保証金についての権利の実行の手続から除斥されるべきことを公示する措置その他の
同項の権利の実行のために必要な措置をとらなければならない。
②
資金移動業者について破産手続開始の申立て等が行われたとき。
3
内閣総理大臣は、内閣府令で定めるところにより、
第1項の権利の実行に関する事務を銀行等その他の政令で定める者(
次項及び
第5項において「権利実行事務代行者」という。)に委託することができる。
4
権利実行事務代行者は、他の法律の規定にかかわらず、
前項の規定により委託を受けた業務を行うことができる。
5
第3項の規定により業務の委託を受けた権利実行事務代行者又はその役員若しくは職員であって当該委託を受けた業務に従事する者は、
刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
6
第2項から
前項までに規定するもののほか、
第1項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。
第60条
【履行保証金の還付への協力】
資金移動業者から資金移動業の委託を受けた者その他の当該資金移動業者の関係者は、当該資金移動業者の為替取引に係る
前条第1項の権利の実行に関し内閣総理大臣から必要な協力を求められた場合には、これに応ずるよう努めるものとする。
第61条
【廃止の届出等】
1
資金移動業者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、遅滞なく、内閣総理大臣に届け出なければならない。
2
資金移動業者が資金移動業を廃止したときは、当該資金移動業者の
第37条の登録は、その効力を失う。
3
資金移動業者は、資金移動業を廃止しようとするときは、その日の三十日前までに、内閣府令で定めるところにより、その旨を公告するとともに、すべての営業所の公衆の目につきやすい場所に掲示しなければならない。
4
資金移動業者は、
前項の規定による公告をしたときは、直ちに、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
5
資金移動業者は、
第3項の規定による公告をした場合(事業譲渡、合併又は会社分割その他の事由により当該業務の承継に係る公告をした場合を除く。)には、その行う為替取引に関し負担する債務の履行を速やかに完了しなければならない。
第62条
【登録の取消し等に伴う債務の履行の完了等】
資金移動業者について、
第56条第1項若しくは
第2項の規定により
第37条の登録が取り消されたとき、又は
前条第2項の規定により
第37条の登録が効力を失ったときは、当該資金移動業者であった者は、その行う為替取引に関し負担する債務の履行を完了する目的の範囲内においては、なお資金移動業者とみなす。
第63条
【外国資金移動業者の勧誘の禁止】
第37条の登録を受けていない外国資金移動業者は、法令に別段の定めがある場合を除き、国内にある者に対して、為替取引の勧誘をしてはならない。
第64条
【資金清算機関の免許等】
1
資金清算業は、内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ、行ってはならない。
2
前項の規定は、銀行等及び日本銀行については、適用しない。
第65条
【免許の申請】
1
前条第1項の免許を受けようとする者は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した免許申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
④
取締役及び監査役(委員会設置会社にあっては、取締役及び執行役。
次条第2項第4号において同じ。)又は理事及び監事の氏名
⑤
会計参与設置会社にあっては、会計参与の氏名又は名称
2
前項の免許申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
①
次条第2項各号に掲げる要件に該当しない旨を誓約する書面
第66条
【免許の基準】
1
内閣総理大臣は、
前条第1項の免許の申請があったときは、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
①
定款及び業務方法書の規定が法令に適合し、かつ、資金清算業を適正かつ確実に遂行するために十分であること。
②
資金清算業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、資金清算業に係る収支の見込みが良好であること。
③
その人的構成に照らして、資金清算業を適正かつ確実に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有すること。
2
内閣総理大臣は、免許申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は免許申請書若しくはその添付書類のうちに虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、免許を与えてはならない。
①
株式会社又は一般社団法人(これらの者が次に掲げる機関を置く場合に限る。)でないもの
②
第56条第1項若しくは
第2項の規定により
第37条の登録を取り消され、若しくは
第82条第1項若しくは
第2項の規定により
第64条第1項の免許を取り消され、又はこの法律若しくは
銀行法等に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録若しくは免許(当該登録又は免許に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない法人
③
この法律若しくは
銀行法等又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない法人
④
取締役等(取締役若しくは監査役若しくは会計参与又は理事若しくは監事をいう。以下この章において同じ。)のうちに次のいずれかに該当する者のある法人
イ
成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらに相当する者
ロ
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これに相当する者
ハ
禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
ホ
資金清算機関が
第82条第1項若しくは
第2項の規定により
第64条第1項の免許を取り消された場合又は法人がこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の免許若しくは登録(当該免許又は登録に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にこの法人の取締役等であった者で、当該取消しの日から五年を経過しない者その他これに準ずるものとして政令で定める者
第67条
【取締役等の欠格事由等】
1
前条第2項第4号イからホまでのいずれかに該当する者は、資金清算機関の取締役等となることができない。
2
資金清算機関の取締役等が
前項に規定する者に該当することとなったときは、その職を失う。
3
内閣総理大臣は、資金清算機関の取締役等が法令又は法令に基づく行政官庁の処分に違反したときは、当該資金清算機関に対し、当該取締役等の解任を命ずることができる。
第68条
【会社法の適用関係】
2
資金清算機関が株式会社である場合における
会社法第458条の規定の適用については、
同条中「三百万円」とあるのは、「三百万円を下回らない範囲内において政令で定める金額」とする。
第69条
【業務の制限】
1
資金清算機関は、資金清算業及びこれに関連する業務のほか、他の業務を行うことができない。ただし、当該資金清算機関が資金清算業を適正かつ確実に行うにつき支障を生ずるおそれがないと認められる業務について、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
2
資金清算機関は、
前項ただし書の承認を受けた業務を廃止したときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
第70条
【資金清算業の一部の委託】
1
資金清算機関は、内閣府令で定めるところにより、資金清算業の一部を、内閣総理大臣の承認を受けて、第三者に委託することができる。
2
資金清算機関は、
前項の規定による資金清算業の一部の委託に関する契約には、業務を委託する相手方が当該業務を適正かつ確実に遂行するための措置を講ずる旨の条件を付さなければならない。
第71条
【業務方法書】
1
資金清算機関は、業務方法書の定めるところにより、資金清算業を行わなければならない。
2
業務方法書には、次に掲げる事項を定めなければならない。
①
資金清算業の対象とする債務の起因となる取引の種類
②
資金清算業の相手方とする者(以下この章において「清算参加者」という。)の要件に関する事項
③
資金清算業として行う債務の引受け、更改その他の方法に関する事項
⑥
資金清算業及びこれに関連する業務以外の業務を行う場合にあっては、当該業務が資金清算業の適正かつ確実な遂行を妨げないことを確保するための措置に関する事項
⑦
資金清算業の一部を第三者に委託する場合にあっては、当該委託に係る業務を適正かつ確実に遂行させることを確保するための体制の整備に関する事項
⑧
資金清算業に関する契約であって内閣府令で定める重要な事項を内容とするものを、外国人又は外国の法令に準拠して設立された法人を相手方として締結する場合にあっては、その旨
第72条
【資金清算業の適切な遂行を確保するための措置】
資金清算機関は、資金清算業により損失が生じた場合に清算参加者が当該損失の全部を負担する旨を業務方法書において定めることその他の資金清算業の適切な遂行を確保するための措置を講じなければならない。
第73条
【未決済債務等の決済】
1
資金清算機関が業務方法書で未決済債務等について差引計算の方法、担保の充当の方法その他の決済の方法を定めている場合において、清算参加者に破産手続、再生手続、更生手続、特別清算手続又は承認援助手続が開始されたときは、これらの手続の関係において、未決済債務等に関する資金清算機関又は当該清算参加者が有する請求権の額の算定その他の決済の方法は、当該業務方法書の定めに従うものとする。
2
前項の「未決済債務等」とは、資金清算業として清算参加者から引受け、更改その他の方法により負担した債務、当該債務を負担した対価として当該清算参加者に対して取得した債権(当該債務と同一の内容を有するものに限る。)及び担保をいう。
3
破産手続、再生手続又は更生手続において、資金清算機関が有する
第1項に規定する請求権は破産債権、再生債権又は更生債権とし、清算参加者が有する
同項に規定する請求権は破産財団、再生債務者財産又は更生会社財産若しくは更生協同組織金融機関財産に属する財産とする。
第74条
【秘密保持義務等】
1
資金清算機関の取締役等(取締役等が法人であるときは、その職務を行うべき者。
次項において同じ。)若しくは職員又はこれらの職にあった者は、資金清算業又はこれに関連する業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
2
資金清算機関の取締役等若しくは職員又はこれらの職にあった者は、資金清算業及びこれに関連する業務の実施に際して知り得た情報を、資金清算業及びこれに関連する業務の用に供する目的以外に利用してはならない。
3
前二項の規定は、
第70条第1項の規定により委託を受けた者(その者が法人である場合にあっては、その役員)若しくはその職員その他の当該委託を受けた業務に従事する者又はこれらの者であった者について準用する。
第75条
【差別的取扱いの禁止】
資金清算機関は、資金清算業に関し特定の者に対し不当な差別的取扱いをしてはならない。
第76条
【定款又は業務方法書の変更の認可】
資金清算機関は、定款又は業務方法書を変更しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
第77条
【資本金の額等の変更の届出】
資金清算機関は、
第65条第1項第2号に掲げる事項(純資産額を除く。)又は
同項第3号から
第5号までに掲げる事項のいずれかに変更があったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
第78条
【帳簿書類】
資金清算機関は、内閣府令で定めるところにより、その資金清算業に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
第79条
【報告書】
資金清算機関は、事業年度ごとに、内閣府令で定めるところにより、資金清算業に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
第80条
【立入検査等】
1
内閣総理大臣は、資金清算業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるときは、資金清算機関に対し当該資金清算機関の業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該資金清算機関の営業所若しくは事務所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2
内閣総理大臣は、資金清算業の適正かつ確実な遂行のため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該資金清算機関から業務の委託を受けた者に対し当該資金清算機関の業務若しくは財産の状況に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該資金清算機関から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、当該資金清算機関の業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3
前項の資金清算機関から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、
同項の規定による報告若しくは資料の提出又は質問若しくは検査を拒むことができる。
第81条
【業務改善命令】
内閣総理大臣は、資金清算業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるときは、その必要の限度において、資金清算機関に対し、業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置その他監督上必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
第82条
【免許の取消し等】
1
内閣総理大臣は、資金清算機関がその免許を受けた時点において
第66条第2項各号のいずれかに該当していたことが判明したときは、その免許を取り消すことができる。
2
内閣総理大臣は、資金清算機関がこの法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、
第64条第1項の免許若しくは
第69条第1項ただし書の承認を取り消し、六月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又はその取締役等の解任を命ずることができる。
第83条
【解散等の認可】
資金清算機関の資金清算業の廃止又は解散の決議は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第84条
【財務大臣への協議】
内閣総理大臣は、資金清算機関に対し次に掲げる処分をすることが信用秩序の維持に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、あらかじめ、信用秩序の維持を図るために必要な措置に関し、財務大臣に協議しなければならない。
第85条
【財務大臣への通知】
内閣総理大臣は、次に掲げる処分をしたときは、速やかに、その旨を財務大臣に通知するものとする。
第86条
【日本銀行からの意見聴取】
内閣総理大臣は、この章の規定に基づく処分を行うために必要があると認めるときは、日本銀行に対し、意見を求めることができる。
第87条
【認定資金決済事業者協会の認定】
内閣総理大臣は、政令で定めるところにより、前払式支払手段発行者又は資金移動業者が設立した一般社団法人であって、次に掲げる要件に該当すると認められるものを、その申請により、
次条に規定する業務(以下この章において「認定業務」という。)を行う者として認定することができる。
①
前払式支払手段(
第3条第1項に規定する前払式支払手段をいう。以下この章において同じ。)の発行の業務又は資金移動業の適切な実施を確保し、並びにこれらの健全な発展及び利用者(
第10条第1項第4号に規定する加盟店を含む。以下この章において同じ。)の利益の保護に資することを目的とすること。
②
前払式支払手段発行者又は資金移動業者を社員(以下この章において「会員」という。)とする旨の定款の定めがあること。
③
認定業務を適正かつ確実に行うに必要な業務の実施の方法を定めているものであること。
④
認定業務を適正かつ確実に行うに足りる知識及び能力並びに財産的基礎を有するものであること。
第88条
【認定資金決済事業者協会の業務】
認定資金決済事業者協会は、次に掲げる業務を行うものとする。
①
会員が前払式支払手段の発行の業務又は資金移動業を行うに当たり、この法律その他の法令の規定及び
第3号の規則を遵守させるための会員に対する指導、勧告その他の業務
②
会員の行う前払式支払手段の発行の業務又は資金移動業に関し、契約の内容の適正化その他前払式支払手段又は資金移動業の利用者の利益の保護を図るために必要な指導、勧告その他の業務
③
会員の行う前払式支払手段の発行の業務又は資金移動業の適正化及びその取り扱う情報の適切な管理を図るために必要な規則の制定
④
会員のこの法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分又は
前号の規則の遵守の状況の調査
⑤
前払式支払手段又は資金移動業の利用者の利益を保護するために必要な情報の収集、整理及び提供
⑥
会員の行う前払式支払手段の発行の業務又は資金移動業に関する利用者からの苦情の処理
⑦
前払式支払手段又は資金移動業の利用者に対する広報その他認定資金決済事業者協会の目的を達成するために必要な業務
⑧
前各号に掲げるもののほか、前払式支払手段の発行の業務又は資金移動業の健全な発展及びこれらの利用者の保護に資する業務
第89条
【会員名簿の縦覧等】
1
認定資金決済事業者協会は、会員名簿を公衆の縦覧に供しなければならない。
2
認定資金決済事業者協会でない者は、その名称中に、認定資金決済事業者協会と誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
3
認定資金決済事業者協会の会員でない者は、その名称中に、認定資金決済事業者協会の会員と誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
第90条
【会員に関する情報の利用者への周知等】
1
前払式支払手段発行者をその会員とする認定資金決済事業者協会は、前払式支払手段発行者である会員から
第13条第1項第4号及び
第5号に掲げる事項について当該前払式支払手段の利用者への周知を求められた場合には、当該事項を当該前払式支払手段の利用者に周知しなければならない。
2
認定資金決済事業者協会は、
第97条の規定により内閣総理大臣から提供を受けた情報のうち利用者の保護に資する情報について、前払式支払手段又は資金移動業の利用者に提供できるようにしなければならない。
第91条
【利用者からの苦情に関する対応】
1
認定資金決済事業者協会は、前払式支払手段又は資金移動業の利用者から会員の行う前払式支払手段の発行の業務又は資金移動業に関する苦情について解決の申出があったときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査するとともに、当該会員に対しその苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
2
認定資金決済事業者協会は、
前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該会員に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
3
会員は、認定資金決済事業者協会から
前項の規定による求めがあったときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
4
認定資金決済事業者協会は、
第1項の申出、苦情に係る事情及びその解決の結果について会員に周知させなければならない。
5
第1項の規定は、認定資金決済事業者協会が
第99条第1項の規定による指定を受けている場合において、
第1項の申出が資金移動業に関する苦情に係るものであるときは、適用しない。
第92条
【認定資金決済事業者協会への報告等】
1
会員は、前払式支払手段発行者及び資金移動業者が行った利用者の保護に欠ける行為に関する情報その他利用者の利益を保護するために必要な情報として内閣府令で定めるものを取得したときは、これを認定資金決済事業者協会に報告しなければならない。
2
認定資金決済事業者協会は、その保有する
前項に規定する情報について会員から提供の請求があったときは、正当な理由がある場合を除き、当該情報を提供しなければならない。
第93条
【秘密保持義務等】
1
認定資金決済事業者協会の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
2
認定資金決済事業者協会の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、その職務に関して知り得た情報を、認定業務の用に供する目的以外に利用してはならない。
第95条
【立入検査等】
内閣総理大臣は、この法律の施行に必要な限度において、認定資金決済事業者協会に対し、その業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該認定資金決済事業者協会の事務所に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
第96条
【認定資金決済事業者協会に対する監督命令等】
1
内閣総理大臣は、認定業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、この法律の施行に必要な限度において、認定資金決済事業者協会に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
2
内閣総理大臣は、認定資金決済事業者協会の業務の運営がこの法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、その認定を取り消し、又は六月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
第97条
【認定資金決済事業者協会への情報提供】
内閣総理大臣は、認定資金決済事業者協会の求めに応じ、認定資金決済事業者協会が認定業務を適正に行うために必要な限度において、前払式支払手段発行者又は資金移動業者に関する情報であって認定業務に資するものとして内閣府令で定める情報を提供することができる。
第98条
【公告】
内閣総理大臣は、
第87条の規定による認定をしたとき、又は
第96条第2項の規定により当該認定を取り消したとき、若しくはその業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
第99条
【紛争解決等業務を行う者の指定】
1
内閣総理大臣は、次に掲げる要件を備える者を、その申請により、紛争解決等業務(苦情処理手続(資金移動業に関する苦情を処理する手続をいう。)及び紛争解決手続(資金移動業に関する紛争で当事者が和解をすることができるものについて訴訟手続によらずに解決を図る手続をいう。
次条第3項を除き、以下この章において同じ。)の業務並びにこれに付随する業務をいう。以下この項において同じ。)を行う者として、指定することができる。
①
法人(人格のない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含み、外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体を除く。
第4号ニにおいて同じ。)であること。
②
次条第1項の規定によりこの項の指定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者又は他の法律の規定による指定であって紛争解決等業務に相当する業務に係るものとして政令で定めるものを取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者でないこと。
③
この法律、
銀行法等若しくは
弁護士法又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者でないこと。
④
役員のうちに、次のいずれかに該当する者がないこと。
イ
成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらに相当する者
ロ
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これに相当する者
ハ
禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
ニ
次条第1項の規定によりこの項の指定を取り消された場合若しくはこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている当該指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前一月以内にその法人の役員(外国の法令上これと同様に取り扱われている者を含む。ニにおいて同じ。)であった者でその取消しの日から五年を経過しない者又は他の法律の規定による指定であって紛争解決等業務に相当する業務に係るものとして政令で定めるもの若しくは当該他の法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている当該政令で定める指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前一月以内にその法人の役員であった者でその取消しの日から五年を経過しない者
ホ
この法律、
銀行法等若しくは
弁護士法又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
⑤
紛争解決等業務を的確に実施するに足りる経理的及び技術的な基礎を有すること。
⑥
役員又は職員の構成が紛争解決等業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
⑦
紛争解決等業務の実施に関する規程(以下この章において「業務規程」という。)が法令に適合し、かつ、この法律の定めるところにより紛争解決等業務を公正かつ的確に実施するために十分であると認められること。
⑧
次項の規定により意見を聴取した結果、手続実施基本契約(紛争解決等業務の実施を内容とする契約をいう。以下この章において同じ。)の解除に関する事項その他の手続実施基本契約の内容(
第101条第1項において読み替えて準用する
銀行法第52条の67第2項各号に掲げる事項を除く。)その他の業務規程の内容(
第101条第1項において読み替えて準用する
同法第52条の67第3項の規定によりその内容とするものでなければならないこととされる事項並びに
第101条第1項において読み替えて準用する
同法第52条の67第4項各号及び
第5項第1号に掲げる基準に適合するために必要な事項を除く。)について異議(合理的な理由が付されたものに限る。)を述べた資金移動業者の数の資金移動業者の総数に占める割合が政令で定める割合以下の割合となったこと。
2
前項の申請をしようとする者は、あらかじめ、内閣府令で定めるところにより、資金移動業者に対し、業務規程の内容を説明し、これについて異議がないかどうかの意見(異議がある場合には、その理由を含む。)を聴取し、及びその結果を記載した書類を作成しなければならない。
4
内閣総理大臣は、
第1項の規定による指定をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
第100条
【指定の取消し等】
1
内閣総理大臣は、指定紛争解決機関が次の各号のいずれかに該当するときは、
前条第1項の規定による指定を取り消し、又は六月以内の期間を定めて、その業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
①
前条第1項第2号から
第7号までに掲げる要件に該当しないこととなったとき、又は指定を受けた時点において
同項各号のいずれかに該当していなかったことが判明したとき。
②
不正の手段により
前条第1項の規定による指定を受けたとき。
2
内閣総理大臣は、指定紛争解決機関が次の各号のいずれかに該当する場合において、
前項の規定による処分又は命令をしようとするときは、あらかじめ、法務大臣に協議しなければならない。
3
第1項の規定により
前条第1項の規定による指定の取消しの処分を受け、又はその業務の全部若しくは一部の停止の命令を受けた者は、当該処分又は命令の日から二週間以内に、当該処分又は命令の日に
次条第1項において読み替えて準用する
銀行法第52条の83第3項に規定する苦情処理手続又は紛争解決手続が実施されていた当事者、当該当事者以外の手続実施基本契約を締結した相手方である資金移動業者及び他の指定紛争解決機関に当該処分又は命令を受けた旨を通知しなければならない。
4
内閣総理大臣は、
第1項の規定により
前条第1項の規定による指定を取り消したとき、又はその業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
第101条
【指定紛争解決機関に関する銀行法の規定の準用】
1
銀行法第2条第19項から
第22項まで及び
第52条の63から
第52条の83までの規定(これらの規定に係る罰則を含む。
次項において「
銀行法規定」という。)は、指定紛争解決機関について準用する。この場合において、
次項に定める場合を除き、これらの規定中次の表の上欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句と読み替えるものとする。
銀行業務関連苦情 | 資金移動業関連苦情 |
銀行業務関連紛争 | 資金移動業関連紛争 |
加入銀行 | 加入資金移動業者 |
顧客 | 利用者 |
2
銀行法規定を指定紛争解決機関について準用する場合において、次の表の上欄に掲げる
銀行法規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第102条
【検査職員の証明書の携帯】
2
前項に規定する各規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第103条
【財務大臣への資料提出等】
1
財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度及び金融危機管理に関し、前払式支払手段発行者、資金移動業者又は資金清算機関に係る制度の企画又は立案をするために必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
2
財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度及び金融危機管理に関し、前払式支払手段発行者、資金移動業者又は資金清算機関に係る制度の企画又は立案をするため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、前払式支払手段発行者、資金移動業者、資金清算機関又は認定資金決済事業者協会その他の関係者に対し、資料の提出、説明その他の協力を求めることができる。
第104条
【権限の委任】
1
内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
2
金融庁長官は、政令で定めるところにより、
前項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
第105条
【内閣府令への委任】
この法律に定めるもののほか、この法律を実施するために必要な事項は、内閣府令で定める。
第106条
【経過措置】
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要とされる範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第107条
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
①
第7条の登録を受けないで第三者型前払式支払手段(
第3条第5項に規定する第三者型前払式支払手段をいう。
第3号において同じ。)の発行の業務を行った者
③
第12条の規定に違反して、他人に第三者型前払式支払手段の発行の業務を行わせた者
④
第42条の規定に違反して、他人に資金移動業を営ませた者
⑤
第64条第1項の規定に違反して、内閣総理大臣の免許を受けないで資金清算業を行った者
第108条
次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
①
第56条第1項の規定による資金移動業の全部又は一部の停止の命令に違反した者
第109条
次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
②
第46条の規定による命令に違反して、供託を行わなかった者
③
第52条若しくは
第78条の規定による帳簿書類の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の帳簿書類の作成をした者
第110条
第26条又は
第27条第1項の規定による業務の全部又は一部の停止の命令に違反した者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第112条
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
①
第5条第1項の規定による届出書若しくは
同条第2項の規定による添付書類を提出せず、又は虚偽の記載をした届出書若しくは添付書類を提出した者
④
第17条の規定による命令に違反して、供託を行わなかった者
⑤
第22条の規定による帳簿書類の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の帳簿書類の作成をした者
⑥
第23条第1項の規定による報告書若しくは
同条第2項の規定による添付書類を提出せず、又は虚偽の記載をした報告書若しくは添付書類を提出した者
⑦
第24条第1項若しくは
第2項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
⑧
第24条第1項若しくは
第2項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
⑨
第95条の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
⑩
第95条の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は
同条の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第114条
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
②
第13条第1項若しくは
第2項の規定による表示若しくは情報の提供をせず、又は虚偽の表示若しくは情報の提供をした者
④
第30条第2項の規定による届出書若しくは
同条第3項の規定による添付書類を提出せず、又は虚偽の記載をした届出書若しくは添付書類を提出した者
⑥
第61条第7項において準用する
会社法第955条第1項の規定に違反して、調査記録簿等(
同項に規定する調査記録簿等をいう。以下この号において同じ。)に
同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は
同項の規定に違反して調査記録簿等を保存しなかった者
⑨
第89条第3項の規定に違反して、その名称中に認定資金決済事業者協会の会員(
第87条第2号に規定する会員をいう。以下同じ。)と誤認されるおそれのある文字を用いた者
第115条
1
法人(人格のない社団又は財団であって代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
2
人格のない社団又は財団について
前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその人格のない社団又は財団を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第116条
次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。
第117条
次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の過料に処する。
第118条
次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。
②
第89条第2項の規定に違反して、その名称中に認定資金決済事業者協会と誤認されるおそれのある文字を用いた者
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第3条
(前払式支払手段発行者に係る経過措置)
この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に前条の規定による廃止前の前払式証票の規制等に関する法律(以下「旧法」という。)第二条第一項に規定する前払式証票(以下単に「前払式証票」という。)以外の前払式支払手段(第三条第一項に規定する前払式支払手段をいう。以下同じ。)の発行の業務の全部を廃止した者(以下この条において「発行廃止者」という。)については、当該発行の業務の全部を廃止した前払式支払手段に関しては、この法律は、適用しない。ただし、発行廃止者が施行日以後再び当該前払式支払手段の発行の業務を開始したときは、その発行の業務を開始した日以後においては、この限りでない。
第4条
1
この法律の施行の際現に旧法第四条第一項の届出をしている者(旧法第五条第三項の規定による届出をした者で、施行日の直前の基準日(第三条第二項に規定する基準日をいう。以下同じ。)におけるその発行した自家発行型前払式証票(旧法第二条第四項に規定する自家発行型前払式証票をいう。)の基準日未使用残高(旧法第二条第二項に規定する基準日未使用残高をいう。)が基準額(第十四条第一項に規定する基準額をいう。以下同じ。)を超えるものを含む。)は、施行日において自家型発行者(第三条第六項に規定する自家型発行者をいう。以下同じ。)となったものとみなす。
2
前項の規定により自家型発行者となったものとみなされる者は、施行日以後最初に到来する基準日から起算して内閣府令で定める期間を経過する日までに第五条第一項各号に掲げる事項を記載した書類及び同条第二項に規定する書類を内閣総理大臣に提出しなければならない。
第5条
1
この法律の施行の際現に旧法第六条の登録を受けている法人は、施行日において第三者型発行者(第三条第七項に規定する第三者型発行者をいう。以下同じ。)となったものとみなす。
2
前項の規定により第三者型発行者となったものとみなされる法人は、施行日以後最初に到来する基準日から起算して内閣府令で定める期間を経過する日までに第八条第一項各号に掲げる事項を記載した書類及び同条第二項に規定する書類を内閣総理大臣に提出しなければならない。
3
内閣総理大臣は、前項の規定による書類の提出があったときは、当該書類に記載された第八条第一項各号に掲げる事項及び第九条第一項第二号に掲げる事項を第三者型発行者登録簿に登録するものとする。
4
第一項の規定により第三者型発行者となったものとみなされる法人に係る第二十七条第一項第一号の規定の適用については、同号中「第十条第一項各号」とあるのは、「第十条第一項第六号又は第九号」とする。
第6条
旧法第二十七条の規定により旧法第二条第七項に規定する第三者型発行者とみなされていた者は、その発行した前払式証票の債務の履行を完了する目的の範囲内においては、第三者型発行者とみなして、この法律の規定を適用する。
第7条
この法律の施行の際現に自家型前払式支払手段(第三条第四項に規定する自家型前払式支払手段をいう。)のみの発行の業務を行っている者(附則第四条第一項の規定により自家型発行者となったものとみなされる者を除く。)に対する第五条第一項の規定の適用については、同項中「その発行を開始してから」とあるのは、「この法律の施行の日以後において」とする。
第8条
1
この法律の施行の際現に第三者型前払式支払手段(第三条第五項に規定する第三者型前払式支払手段をいう。以下同じ。)の発行の業務を行っている者(附則第五条第一項の規定により第三者型発行者となったものとみなされる者を除く。)は、施行日から六月間(当該期間内に第十条第一項の規定による登録の拒否の処分があったとき、又は次項の規定により読み替えて適用される第二十七条第一項の規定により当該業務の廃止を命じられたときは、当該処分のあった日又は当該廃止を命じられた日までの間)は、第七条の規定にかかわらず、当該業務を行うことができる。
2
前項の規定により第三者型前払式支払手段の発行の業務を行うことができる場合においては、その者を第三者型発行者とみなして、この法律の規定を適用する。この場合において、第二十七条第一項中「第七条の登録を取り消し」とあるのは、「第三者型前払式支払手段の発行の業務の廃止を命じ」とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3
前項の規定により読み替えて適用される第二十七条第一項の規定により第三者型前払式支払手段の発行の業務の廃止を命じられた場合におけるこの法律の規定の適用については、当該廃止を命じられた者を同項の規定により第七条の登録を取り消された者と、当該廃止を命じられた日を同項の規定による同条の登録の取消しの日とみなす。
第9条
1
施行日から六月を経過する日において前条第一項の規定の適用を受けて第三者型前払式支払手段の発行の業務を行っている者で、施行日以後最初に到来する基準日における基準日未使用残高(第三条第二項に規定する基準日未使用残高をいう。以下同じ。)が基準額を下回らない範囲内で政令で定める額以下のものは、次に掲げる要件のすべてに該当する場合には、施行日から六月を経過した日以後施行日から三年を経過する日までの間(当該期間内に第十条第一項の規定による登録の拒否の処分があったとき、又は第三項の規定により読み替えて適用される第二十七条第一項の規定により当該業務の廃止を命じられたときは、当該処分のあった日又は当該廃止を命じられた日までの間とし、施行日以後最初に到来する基準日の翌日以後の各基準期間(第三条第八項に規定する基準期間をいう。以下同じ。)における第二十三条第一項第一号に掲げる額が基準額を下回らない範囲内で政令で定める額を超えることとなったときは、当該超えることとなった基準期間の末日までの間とする。)は、第七条の規定にかかわらず、当該業務を行うことができる。
2
前項の規定の適用を受けて第三者型前払式支払手段の発行の業務を行う者は、施行日から六月を経過した日から内閣府令で定める期間を経過する日までに、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を内閣総理大臣に届け出なければならない。
3
第一項の規定により第三者型前払式支払手段の発行の業務を行う場合においては、その者を第三者型発行者とみなして、この法律の規定を適用する。この場合において、第二十七条第一項中「第七条の登録を取り消し」とあるのは、「第三者型前払式支払手段の発行の業務の廃止を命じ」とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
4
前条第三項の規定は、前項の規定により読み替えて適用される第二十七条第一項の規定により第三者型前払式支払手段の発行の業務の廃止を命じられた場合について準用する。
第10条
第十三条の規定は、施行日以後発行する前払式支払手段について適用する。
第11条
1
第十四条から第十九条まで、第三十一条及び第三十二条の規定は、施行日以後最初に到来する基準日から適用し、当該基準日前における前払式証票に係る供託及び当該前払式証票の所有者の権利の実行については、なお従前の例による。
2
旧法第十三条第一項(前項の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)の規定により供託した発行保証金は、第十四条第一項の規定により供託した発行保証金とみなす。
3
この法律の施行の際現に前払式証票(旧法附則第七条第三項に規定する前払式証票を除く。)以外の前払式支払手段の発行の業務を行っている者(次項において「供託対象外発行者」という。)が発行した当該前払式支払手段に係る第十四条第一項の規定の適用については、同項中「二分の一」とあるのは、次の表の上欄に掲げる基準日について、それぞれ同表の下欄のように読み替えるものとする。施行日以後最初に到来する基準日六分の一施行日後二回目に到来する基準日六分の二
4
供託対象外発行者が施行日前に発行した前払式支払手段と施行日以後に発行する前払式支払手段を区分している場合には、当該供託対象外発行者が発行した前払式支払手段に係る第十四条第一項の規定の適用については、前項の規定にかかわらず、同条第一項中「基準日未使用残高」とあるのは、「施行日以後に発行した前払式支払手段に係る基準日未使用残高」とする。
第12条
第二十三条の規定は、施行日以後到来する基準日に係る同条第一項に規定する報告書について適用し、当該基準日前の基準日に係る旧法第十七条第一項に規定する報告書については、なお従前の例による。
第13条
1
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
2
法人(人格のない社団又は財団であって代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の罰金刑を科する。
3
人格のない社団又は財団について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその人格のない社団又は財団を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第14条
この法律の施行前にした旧法又はこれに基づく命令の規定によってした処分、手続その他の行為であって、この法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、この法律の相当の規定によってしたものとみなす。
第15条
(資金清算業に係る経過措置)
1
この法律の施行の際現に資金清算業を行っている者(銀行等及び日本銀行を除く。)は、施行日から六月間(当該期間内に第六十四条第一項の免許の拒否の処分があったとき、又は次項の規定により読み替えて適用される第八十二条第二項の規定により資金清算業の廃止を命じられたときは、当該処分のあった日又は当該廃止を命じられた日までの間)は、第六十四条第一項の規定にかかわらず、資金清算業を行うことができる。
2
前項の規定により資金清算業を行うことができる場合においては、その者を資金清算機関とみなして、第六十七条第三項、第七十四条、第七十八条、第八十条、第八十一条及び第八十二条第二項の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。この場合において、同項中「第六十四条第一項の免許若しくは第六十九条第一項ただし書の承認を取り消し」とあるのは、「資金清算業の廃止を命じ」とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3
前項の規定により読み替えて適用される第八十二条第二項の規定により資金清算業の廃止を命じられた場合におけるこの法律の規定の適用については、当該廃止を命じられた者を同項の規定により第六十四条第一項の免許を取り消された者と、当該廃止を命じられた日を第八十二条第二項の規定により第六十四条第一項の免許の取消しの日とみなす。
第16条
(認定資金決済事業者協会に係る経過措置)
この法律の施行の際現にその名称又は商号中に、認定資金決済事業者協会又は認定資金決済事業者協会の会員であると誤認されるおそれのある文字を用いている者については、第八十九条第二項及び第三項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
第34条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及びこの法律の附則においてなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第35条
(政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
第36条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、資金決済に関する制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成21年6月24日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第7条
(中小企業等協同組合法の一部改正に伴う調整規定)
1
附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日が保険法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律の施行の日前である場合には、第六条のうち中小企業等協同組合法第九条の七の五第二項の改正規定中「第九条の七の五第二項」とあるのは、「第九条の七の五第三項」とする。
2
施行日が保険法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律の施行の日前である場合には、同日の前日までの間における附則第三条第四項の規定の適用については、同項中「第九条の七の五第二項」とあるのは、「第九条の七の五第三項」とする。
第19条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第20条
(政令への委任)
附則第二条から第五条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第21条
(検討)
1
政府は、この法律の施行後三年以内に、この法律による改正後のそれぞれの法律(以下「改正後の各法律」という。)に規定する指定紛争解決機関(以下単に「指定紛争解決機関」という。)の指定状況及び改正後の各法律に規定する紛争解決等業務の遂行状況その他経済社会情勢等を勘案し、消費者庁及び消費者委員会設置法附則第三項に係る検討状況も踏まえ、消費者庁の関与の在り方及び業態横断的かつ包括的な紛争解決体制の在り方も含めた指定紛争解決機関による裁判外紛争解決手続に係る制度の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
2
政府は、前項に定める事項のほか、この法律の施行後五年以内に、この法律による改正後の規定の実施状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。