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抵当証券法

平成23年5月25日 改正
第1条
土地、建物又は地上権を目的とする抵当権を有する者は其の登記を管轄する登記所に抵当証券の交付を申請することを得
抵当権の目的物が数個の登記所の管轄地に散在するときは抵当証券の交付は其の一の登記所に之を申請することを要す
第2条
左の各号の一に該当する場合に於ては抵当証券を発行することを得ず
抵当権が根抵当なるとき
抵当権に付本登記なきとき
債権の差押若は仮差押の登記又は抵当権の処分禁止若は抵当権を他の債権の担保と為したる旨の登記あるとき
債権又は抵当権に附したる解除条件の登記あるとき
抵当証券発行の特約なきとき
第3条
抵当証券の交付を申請するには左の書面を提出することを要す
申請書
抵当権者の登記識別情報の内容を記載したる書面
手形其の他の債権に関する証書
抵当証券発行の特約の登記なきときは抵当権設定者又は第三取得者及債務者の同意書
代理人に依りて申請するときは其の権限を証する書面
前項第3号の証書なきときは申請書に其の旨を記載することを要す
第1条第2項の申請を為すには申請書に其の旨を記載し且他の登記所の管轄に属する目的物の登記事項証明書並に其の登記所の数に応じ申請書の副本及附属書面の写本を提出することを要す
抵当証券の交付を申請するには命令の定むる所に依り手数料を納付することを要す
前項の手数料の納付は収入印紙を以て之を為すことを要す
第4条
申請書には左の事項を記載し申請人之に記名捺印することを要す
申請人の氏名及住所
代理人に依りて申請するときは其の氏名及住所
抵当権の目的たる土地、建物又は地上権の表示
抵当権設定者及第三取得者の氏名及住所
抵当権の順位及登記の年月日
抵当証券発行の定ある旨、債権額及元本又は利息の弁済期並に利息に関する定あるとき、債務の不履行に因りて生じたる損害の賠償に関する定あるとき、債権に条件を付したるとき、民法第370条但書の別段の定あるとき又は元本若は利息の支払場所の定あるときは其の旨
債務者の氏名及住所
抵当権、質権又は先取特権の登記あるときは債権額、債権者の氏名及住所並に登記の年月日
地上権、永小作権、地役権又は賃借権の登記あるときは其の権利者の氏名及住所並に登記の年月日
登記所の表示
申請の年月日
第5条
登記官は抵当証券交付の申請が左の各号の一に該当するときは理由を付したる決定を以て之を却下することを要す但し申請の欠缺が補正することを得べきものなる場合に於て登記官が定めたる相当の期間内に申請人が之を補正したるときは此の限に在らず
其の登記所の管轄に属せざるとき
第2条に規定する事由あるとき
申請書に記載したる事項が登記簿と符合せざるとき
申請の権限を有せざる者の申請に因るとき
申請書が方式に適合せざるとき
必要なる書面を提出せざるとき
手数料を納付せざるとき
第1条第2項の申請ありたる場合に於ては登記官は申請書の副本及附属書面の写本を各管轄登記所に送付し其の管轄に属する目的物に付抵当証券を作成すべき旨を嘱託することを要す
第6条
抵当証券交付の申請を受理したるときは登記官(前条第2項の規定に依る嘱託ありたるときは其の部分に付ては嘱託を受けたる登記所の登記官)は遅滞なく抵当証券の交付に付異議あらば一定の期間内に之を申立つべき旨を抵当権設定者、第三取得者、債務者、抵当権又は其の順位の譲渡人及先順位を抛棄したる者に催告することを要す但し抵当証券の発行を妨ぐる事由あることを発見したる場合は此の限に在らず
嘱託を受けたる登記所の登記官が抵当証券の発行を妨ぐる事由あることを発見したるときは其の旨を嘱託を為したる登記所に通知することを要す
第1項の催告には第4条第1号第3号乃至第7号に掲ぐる事項を記載することを要す
債務者に対する催告には前項の事項の外第3条第1項第3号の証書が手形なるときは其の表示及同条第2項の規定に依る記載をも記載することを要す
第7条
抵当証券の交付に関する異議は左の理由に基くときに限り之を申立つることを得
申請に付第2条に規定する事由あること
債権の質入、差押又は仮差押ありたること
催告に記載したる事項が登記簿の記録又は事実と符合せざること
債務者が抵当権者に対し相殺を以て対抗し得べき債権にして其の弁済期が抵当権者の債権の弁済期以前に到来するものを有すること
異議は他の利害関係人の権利に関する理由に基き之を申立つることを得ず
異議申立の権利は予め之を抛棄することを得ず
第8条
異議に関する裁判は抵当証券交付の申請を受理したる登記所の所在地を管轄する地方裁判所に於て非訟事件手続法に依り之を為す
前項の裁判に対する即時抗告は執行停止の効力を有す
異議の申立を受理したるときは登記官は事件を管轄裁判所に送付することを要す
第9条
異議に関する裁判確定したるときは裁判所は遅滞なく其の旨を関係登記所に通知することを要す
第10条
第6条の催告を受けたる者は異議の申立を為すことを得る事由に付ては其の申立を為したるものに非ざれば之を以て抵当証券の善意の取得者に対抗することを得ず
異議の申立を理由なしとする裁判確定したる場合に於ては其の申立を為したる者は二月内に訴を提起するに非ざれば申立を為したる事由を以て抵当証券の善意の取得者に対抗することを得ず
前項の訴の提起ありたるときは裁判所は之を公告することを要す
第11条
第6条の催告に指定したる期間内に異議の申立なきときは登記官は抵当権の目的物が其の登記所の管轄地のみに在る場合には直に、抵当権の目的物が数個の登記所の管轄地に散在する場合には嘱託を受けたる登記所より抵当証券の送付を受けたる後直に抵当証券を交付することを要す異議を理由なしとする裁判確定したるとき亦同じ
第12条
抵当証券には左に掲ぐる事項を記載し登記官記名捺印し且登記所の印を押捺することを要す
証券の番号
第4条第1号第3号乃至第9号に掲ぐる事項
登記所の表示
証券作成の年月日
嘱託を受けたる登記所より抵当証券の送付を受けたるときは登記官は其の作成に係るものと一括し之に各証券は同一の債権の為に作成したるものなる旨を記載し且記名捺印することを要す
第13条
第3条第1項第3号の書面の提出ありたる場合に於て抵当証券を交付したるときは登記官は抵当証券を交付したる旨を其の書面に記載し登記所の印を押捺して之を申請人に還付することを要す其の書面中に手形あるときは其の手形は爾後効力を有せず
第14条
抵当証券の発行ありたるときは抵当権及債権の処分は抵当証券を以てするに非ざれば之を為すことを得ず
抵当権と債権とは分離して之を処分することを得ず
第15条
抵当証券の譲渡は裏書に依りて之を為す
手形法第13条第1項の規定は前項の裏書に之を準用す尚其の裏書には被裏書人の氏名又は商号、裏書人の住所及裏書の年月日を記載することを要す
第16条
抵当証券の発行ありたる場合に於ては抵当権の変更は不動産登記法の定むる所に従ひ其の登記を為し且抵当証券の記載の変更を為すに非ざれば之を以て第三者に対抗することを得ず数個の不動産に付抵当権ある場合に於て其の一を消滅せしめたるとき亦同じ
第17条
抵当証券の記載の錯誤又は遺漏が登記の錯誤又は遺漏に基かざる場合に於ては所持人は抵当証券の記載の変更を申請することを得債務者の表示の変更其の他の事由に因り登記を変更又は更正したる為抵当証券の記載が登記と符合せざるに至りたる場合亦同じ
第18条
前条の場合を除くの外抵当証券の記載の変更は不動産登記法第66条の規定に依る登記を為したる後に非ざれば之を為すことを得ず
第19条
抵当証券の発行ありたる場合に於て登記官が抵当権の変更、消滅又は更正の登記を完了したるときは抵当証券の記載を変更し之を其の所持人に還付することを要す
第20条
削除
第21条
抵当証券の所持人は左の場合に於て抵当証券を交付したる登記所に証券の再交付を申請することを得
証券を汚損したるとき
証券を喪失したる場合に於て非訟事件手続法第106条第1項に規定する除権決定ありたるとき
第22条
抵当証券の再交付に関しては命令に別段の定ある場合を除くの外第3条乃至第13条の規定を準用す
第23条
不動産登記法第72条の場合に於て登記官が回復登記の手続を完了したるときは更に抵当証券を作成し旧証券の所持人に交付することを要す
第24条
民法第379条第382条乃至第386条の規定は抵当証券の発行ありたる抵当権には之を適用せず
第25条
抵当証券の所持人は元本の一部又は利息の支払ありたるときは証券に其の金額及受領の年月日を記載し且之に記名捺印することを要す
第26条
債務者が利息の支払を怠りたる場合に於て其の延滞が二年に達したるときは元本の弁済期到来したるものと看做す但し抵当証券に特約の記載あるときは其の定に従ふ定期に元本を弁済すべき場合に於て其の延滞が二年に達したるとき全元本に付亦同じ
第27条
抵当証券の所持人は元本の弁済期後一月内に債務者に対して支払の請求を為すことを要す
前項の場合に於て債務者が支払を為さざるときは抵当証券の所持人は公証人又は執行官に其の支払なき旨の証明を求むることを要す
第28条
抵当証券に元本及利息の支払の場所の記載なき場合に於て債務者の現時の住所が知れざるときは登記簿に記録したる住所に於て支払の請求を為すを以て足る
第29条
第27条第1項の場合に於て債務者が支払を為さざるときは抵当証券の所持人は五日内に各裏書人に対して其の旨の通知を発することを要す
前項の場合に於ては各裏書人は抵当証券と引換に其の支払を為すことを得
参照条文
第30条
抵当証券の所持人は債務者が元本の支払を為さざるときは弁済期より三月内に抵当権の目的たる土地、建物又は地上権に付競売の申立を為すことを要す
已むことを得ざる事由に因り前項の期間内に競売の申立を為すこと能はざるときは抵当証券の所持人は期間の伸長を裁判所に請求することを得裏書人全員の同意ありたるとき亦同じ
第31条
抵当証券の所持人は競売代金を以て支払を受けざる債権の部分に付てのみ其の前者に対し償還の請求を為すことを得但し第27条又は前条に定めたる手続を為さざりしときは其の権利を失ふ
参照条文
第32条
抵当権が存在せず若は其の目的たる物及権利の全部が滅失したるに因り競売の申立を為すこと能はざるとき又は競売代金を以て競売費用を償ふ見込なきときは抵当証券の所持人は前二条の規定に拘らず裁判所の許可を得て其の前者に対し償還の請求を為すことを得但し弁済期より三月内に許可の申請を為すことを要す
第30条第2項の規定は前項但書の許可の申請に付之を準用す
第33条
第30条第2項前条の裁判は抵当権の目的物の所在地を管轄する地方裁判所に於て非訟事件手続法に依り之を為す
許可を与へたる裁判に対しては不服を申立つることを得ず
第34条
本法に依る裁判の費用に付ては民事訴訟費用等に関する法律の規定に依る
第35条
抵当証券の所持人が第31条又は第32条の規定に依り其の前者に対し償還の請求を為さんとするときは競売代金を受取りたる日又は第32条の許可を得たる日より五日内に各裏書人に対し償還請求の通知を発することを要す
参照条文
第36条
抵当証券の所持人の裏書人に対する通知は証券に記載したる住所に宛つるを以て足る
第37条
抵当証券の所持人が第29条第1項又は第35条に規定する通知を発せざりしときは之に因りて生じたる損害を賠償する責に任ず
第38条
抵当証券の所持人又は償還を為したる裏書人は左の金額中支払あらざりしものに付其の前者又は債務者に対し償還又は支払の請求を為すことを得
元本及支払の請求を為したる日迄の利息
支払の請求を為したる日後の元本に対する法定利率に依る利息但し約定利率が法定利率に超ゆるときは約定利率に依る利息
第27条第2項の規定に依る証明書作成の費用其の他の費用
第39条
抵当証券の所持人の其の前者に対する償還請求権は競売代金を受取りたる日又は第32条第1項の許可を得たる日より一年、裏書人の其の前者に対する償還請求権は償還を為したる日より六月を経過したるときは時効に因りて消滅す
第41条
不動産登記法第8条第10条第23条第1項第3項第4項第24条第119条第1項第3項第4項第121条第2項第3項第153条第155条第156条第157条第1項乃至第3項並に第158条の規定は抵当証券に付之を準用す此の場合に於ては同法第23条第1項中「前条」とあるは「抵当証券法第3条第1項」と、「同条ただし書の規定」とあるは「正当な理由」と、同法第119条第1項中「登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)」とあり並に同条第3項第4項中「登記事項証明書」とあるは「抵当証券の控えの謄本又は抄本」と、同法第121条第2項第3項中「登記簿の附属書類」とあり並に同法第153条第155条中「登記簿等」とあるは「抵当証券の控え及びその附属書類」と読替ふるものとす
第42条
行政手続法第2章の規定は本法の規定に依る登記官の処分に付ては之を適用せず
附則
本法施行の期日は勅令を以て之を定む
第四項乃至第九項の規定を除くの外本法施行の地域は勅令を以て之を定む
本法施行に関し必要なる規定は司法大臣之を定む
附則
昭和14年4月5日
本法施行の期日は勅令を以て之を定む
附則
昭和24年5月31日
この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。
附則
昭和35年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和三十五年四月一日から施行する。
附則
昭和38年7月9日
この法律は、商業登記法の施行の日(昭和三十九年四月一日)から施行する。
附則
昭和41年7月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
昭和46年4月6日
この法律(第一条を除く。)は、昭和四十六年七月一日から施行する。
附則
昭和60年6月7日
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和六十年七月一日から施行する。
附則
平成5年11月12日
第1条
(施行期日)
この法律は、行政手続法の施行の日から施行する。
第2条
(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第13条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第14条
(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。
第15条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成11年5月14日
第1条
(施行期日)
この法律は、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報公開法」という。)の施行の日から施行する。
附則
平成15年8月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成16年6月18日
第1条
(施行期日)
この法律は、新不動産登記法の施行の日から施行する。ただし、第三条のうち非訟事件手続法第百二十五条第一項の改正規定及び第十三条のうち抵当証券法第四十一条の改正規定中新不動産登記法第百二十七条の準用に係る部分は、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の施行の日(平成十七年四月一日)又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日から施行する。
第2条
(経過措置)
この法律の施行の日が行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の施行の日後である場合には、第五十二条のうち商業登記法第百十四条の三及び第百十七条から第百十九条までの改正規定中「第百十四条の三」とあるのは、「第百十四条の四」とする。
附則
平成16年12月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成16年12月3日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第39条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第40条
(政令への委任)
附則第三条から第十条まで、第二十九条及び前二条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成17年4月13日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第9条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第10条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況等を勘案し、新土地家屋調査士法第三条第二項に規定する民間紛争解決手続代理関係業務に係る制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成19年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十九年四月一日から施行し、平成十九年度の予算から適用する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行し、第二条第一項第四号、第十六号及び第十七号、第二章第四節、第十六節及び第十七節並びに附則第四十九条から第六十五条までの規定は、平成二十年度の予算から適用する。
第391条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第392条
(その他の経過措置の政令への委任)
附則第二条から第六十五条まで、第六十七条から第二百五十九条まで及び第三百八十二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要となる経過措置は、政令で定める。
附則
平成23年5月25日
この法律は、新非訟事件手続法の施行の日から施行する。

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