読み込み中です。しばらくお待ち下さい。
JavaScriptを有効にして下さい。
  • 民事執行法

民事執行法

平成23年6月24日 改正
第1章
総則
第1条
【趣旨】
強制執行、担保権の実行としての競売及び民法商法その他の法律の規定による換価のための競売並びに債務者の財産の開示(以下「民事執行」と総称する。)については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。
第2条
【執行機関】
民事執行は、申立てにより、裁判所又は執行官が行う。
参照条文
第3条
【執行裁判所】
裁判所が行う民事執行に関してはこの法律の規定により執行処分を行うべき裁判所をもつて、執行官が行う執行処分に関してはその執行官の所属する地方裁判所をもつて執行裁判所とする。
第4条
【任意的口頭弁論】
執行裁判所のする裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。
第5条
【審尋】
執行裁判所は、執行処分をするに際し、必要があると認めるときは、利害関係を有する者その他参考人を審尋することができる。
参照条文
第6条
【執行官等の職務の執行の確保】
執行官は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、威力を用い、又は警察上の援助を求めることができる。ただし、第64条の2第5項第188条において準用する場合を含む。)の規定に基づく職務の執行については、この限りでない。
執行官以外の者で執行裁判所の命令により民事執行に関する職務を行うものは、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、執行官に対し、援助を求めることができる。
第7条
【立会人】
執行官又は執行裁判所の命令により民事執行に関する職務を行う者(以下「執行官等」という。)は、人の住居に立ち入つて職務を執行するに際し、住居主、その代理人又は同居の親族若しくは使用人その他の従業者で相当のわきまえのあるものに出会わないときは、市町村の職員、警察官その他証人として相当と認められる者を立ち会わせなければならない。執行官が前条第1項の規定により威力を用い、又は警察上の援助を受けるときも、同様とする。
参照条文
第8条
【休日又は夜間の執行】
執行官等は、日曜日その他の一般の休日又は午後七時から翌日の午前七時までの間に人の住居に立ち入つて職務を執行するには、執行裁判所の許可を受けなければならない。
執行官等は、職務の執行に当たり、前項の規定により許可を受けたことを証する文書を提示しなければならない。
第9条
【身分証明書等の携帯】
執行官等は、職務を執行する場合には、その身分又は資格を証する文書を携帯し、利害関係を有する者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
第10条
【執行抗告】
民事執行の手続に関する裁判に対しては、特別の定めがある場合に限り、執行抗告をすることができる。
執行抗告は、裁判の告知を受けた日から一週間の不変期間内に、抗告状を原裁判所に提出してしなければならない。
抗告状に執行抗告の理由の記載がないときは、抗告人は、抗告状を提出した日から一週間以内に、執行抗告の理由書を原裁判所に提出しなければならない。
執行抗告の理由は、最高裁判所規則で定めるところにより記載しなければならない。
次の各号に該当するときは、原裁判所は、執行抗告を却下しなければならない。
抗告人が第3項の規定による執行抗告の理由書の提出をしなかつたとき。
執行抗告の理由の記載が明らかに前項の規定に違反しているとき。
執行抗告が不適法であつてその不備を補正することができないことが明らかであるとき。
執行抗告が民事執行の手続を不当に遅延させることを目的としてされたものであるとき。
抗告裁判所は、執行抗告についての裁判が効力を生ずるまでの間、担保を立てさせ、若しくは立てさせないで原裁判の執行の停止若しくは民事執行の手続の全部若しくは一部の停止を命じ、又は担保を立てさせてこれらの続行を命ずることができる。事件の記録が原裁判所に存する間は、原裁判所も、これらの処分を命ずることができる。
抗告裁判所は、抗告状又は執行抗告の理由書に記載された理由に限り、調査する。ただし、原裁判に影響を及ぼすべき法令の違反又は事実の誤認の有無については、職権で調査することができる。
第5項の規定による決定に対しては、執行抗告をすることができる。
第6項の規定による決定に対しては、不服を申し立てることができない。
10
民事訴訟法第349条の規定は、執行抗告をすることができる裁判が確定した場合について準用する。
第11条
【執行異議】
執行裁判所の執行処分で執行抗告をすることができないものに対しては、執行裁判所に執行異議を申し立てることができる。執行官の執行処分及びその遅怠に対しても、同様とする。
前条第6項前段及び第9項の規定は、前項の規定による申立てがあつた場合について準用する。
第12条
【取消決定等に対する執行抗告】
民事執行の手続を取り消す旨の決定に対しては、執行抗告をすることができる。民事執行の手続を取り消す執行官の処分に対する執行異議の申立てを却下する裁判又は執行官に民事執行の手続の取消しを命ずる決定に対しても、同様とする。
前項の規定により執行抗告をすることができる裁判は、確定しなければその効力を生じない。
第13条
【代理人】
民事訴訟法第54条第1項の規定により訴訟代理人となることができる者以外の者は、執行裁判所でする手続については、訴え又は執行抗告に係る手続を除き、執行裁判所の許可を受けて代理人となることができる。
執行裁判所は、いつでも前項の許可を取り消すことができる。
第14条
【費用の予納等】
執行裁判所に対し民事執行の申立てをするときは、申立人は、民事執行の手続に必要な費用として裁判所書記官の定める金額を予納しなければならない。予納した費用が不足する場合において、裁判所書記官が相当の期間を定めてその不足する費用の予納を命じたときも、同様とする。
前項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
第1項の規定による裁判所書記官の処分は、確定しなければその効力を生じない。
申立人が費用を予納しないときは、執行裁判所は、民事執行の申立てを却下し、又は民事執行の手続を取り消すことができる。
前項の規定により申立てを却下する決定に対しては、執行抗告をすることができる。
第15条
【担保の提供】
この法律の規定により担保を立てるには、担保を立てるべきことを命じた裁判所(以下この項において「発令裁判所」という。)又は執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭又は発令裁判所が相当と認める有価証券(社債、株式等の振替に関する法律第278条第1項に規定する振替債を含む。)を供託する方法その他最高裁判所規則で定める方法によらなければならない。ただし、当事者が特別の契約をしたときは、その契約による。
民事訴訟法第77条第79条及び第80条の規定は、前項の担保について準用する。
第16条
【送達の特例】
民事執行の手続について、執行裁判所に対し申立て、申出若しくは届出をし、又は執行裁判所から文書の送達を受けた者は、送達を受けるべき場所(日本国内に限る。)を執行裁判所に届け出なければならない。この場合においては、送達受取人をも届け出ることができる。
民事訴訟法第104条第2項及び第3項並びに第107条の規定は、前項前段の場合について準用する。
第1項前段の規定による届出をしない者(前項において準用する民事訴訟法第104条第3項に規定する者を除く。)に対する送達は、事件の記録に表れたその者の住所、居所、営業所又は事務所においてする。
前項の規定による送達をすべき場合において、第20条において準用する民事訴訟法第106条の規定により送達をすることができないときは、裁判所書記官は、同項の住所、居所、営業所又は事務所にあてて、書類を書留郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律第2条第6項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第2項に規定する信書便の役務のうち書留郵便に準ずるものとして最高裁判所規則で定めるものに付して発送することができる。この場合においては、民事訴訟法第107条第2項及び第3項の規定を準用する。
第17条
【民事執行の事件の記録の閲覧等】
執行裁判所の行う民事執行について、利害関係を有する者は、裁判所書記官に対し、事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。
参照条文
第18条
【官庁等に対する援助請求等】
民事執行のため必要がある場合には、執行裁判所又は執行官は、官庁又は公署に対し、援助を求めることができる。
前項に規定する場合には、執行裁判所又は執行官は、民事執行の目的である財産(財産が土地である場合にはその上にある建物を、財産が建物である場合にはその敷地を含む。)に対して課される租税その他の公課について、所管の官庁又は公署に対し、必要な証明書の交付を請求することができる。
前項の規定は、民事執行の申立てをしようとする者がその申立てのため同項の証明書を必要とする場合について準用する。
第19条
【専属管轄】
この法律に規定する裁判所の管轄は、専属とする。
第20条
【民事訴訟法の準用】
特別の定めがある場合を除き、民事執行の手続に関しては、民事訴訟法の規定を準用する。
第21条
【最高裁判所規則】
この法律に定めるもののほか、民事執行の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第2章
強制執行
第1節
総則
第22条
【債務名義】
強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という。)により行う。
確定判決
仮執行の宣言を付した判決
抗告によらなければ不服を申し立てることができない裁判(確定しなければその効力を生じない裁判にあつては、確定したものに限る。)
③の2
仮執行の宣言を付した損害賠償命令
仮執行の宣言を付した支払督促
④の2
訴訟費用、和解の費用若しくは非訟事件(他の法令の規定により非訟事件手続法の規定を準用することとされる事件を含む。)若しくは家事事件の手続の費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分又は第42条第4項に規定する執行費用及び返還すべき金銭の額を定める裁判所書記官の処分(後者の処分にあつては、確定したものに限る。)
金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの(以下「執行証書」という。)
確定した執行判決のある外国裁判所の判決
⑥の2
確定した執行決定のある仲裁判断
確定判決と同一の効力を有するもの(第3号に掲げる裁判を除く。)
第23条
【強制執行をすることができる者の範囲】
執行証書以外の債務名義による強制執行は、次に掲げる者に対し、又はその者のためにすることができる。
債務名義に表示された当事者
債務名義に表示された当事者が他人のために当事者となつた場合のその他人
前二号に掲げる者の債務名義成立後の承継人(前条第1号第2号又は第6号に掲げる債務名義にあつては口頭弁論終結後の承継人、同条第3号の2に掲げる債務名義又は同条第7号に掲げる債務名義のうち損害賠償命令に係るものにあつては審理終結後の承継人)
執行証書による強制執行は、執行証書に表示された当事者又は執行証書作成後のその承継人に対し、若しくはこれらの者のためにすることができる。
第1項に規定する債務名義による強制執行は、同項各号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者に対しても、することができる。
参照条文
第24条
【外国裁判所の判決の執行判決】
外国裁判所の判決についての執行判決を求める訴えは、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が管轄し、この普通裁判籍がないときは、請求の目的又は差し押さえることができる債務者の財産の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。
執行判決は、裁判の当否を調査しないでしなければならない。
第1項の訴えは、外国裁判所の判決が、確定したことが証明されないとき、又は民事訴訟法第118条各号に掲げる要件を具備しないときは、却下しなければならない。
執行判決においては、外国裁判所の判決による強制執行を許す旨を宣言しなければならない。
第25条
【強制執行の実施】
強制執行は、執行文の付された債務名義の正本に基づいて実施する。ただし、少額訴訟における確定判決又は仮執行の宣言を付した少額訴訟の判決若しくは支払督促により、これに表示された当事者に対し、又はその者のためにする強制執行は、その正本に基づいて実施する。
参照条文
第26条
【執行文の付与】
執行文は、申立てにより、執行証書以外の債務名義については事件の記録の存する裁判所の裁判所書記官が、執行証書についてはその原本を保存する公証人が付与する。
執行文の付与は、債権者が債務者に対しその債務名義により強制執行をすることができる場合に、その旨を債務名義の正本の末尾に付記する方法により行う。
第27条
請求が債権者の証明すべき事実の到来に係る場合においては、執行文は、債権者がその事実の到来したことを証する文書を提出したときに限り、付与することができる。
債務名義に表示された当事者以外の者を債権者又は債務者とする執行文は、その者に対し、又はその者のために強制執行をすることができることが裁判所書記官若しくは公証人に明白であるとき、又は債権者がそのことを証する文書を提出したときに限り、付与することができる。
執行文は、債務名義について次に掲げる事由のいずれかがあり、かつ、当該債務名義に基づく不動産の引渡し又は明渡しの強制執行をする前に当該不動産を占有する者を特定することを困難とする特別の事情がある場合において、債権者がこれらを証する文書を提出したときに限り、債務者を特定しないで、付与することができる。
債務名義が不動産の引渡し又は明渡しの請求権を表示したものであり、これを本案とする占有移転禁止の仮処分命令(民事保全法(平成元年法律第91号第25条の2第1項に規定する占有移転禁止の仮処分命令をいう。)が執行され、かつ、同法第62条第1項の規定により当該不動産を占有する者に対して当該債務名義に基づく引渡し又は明渡しの強制執行をすることができるものであること。
債務名義が強制競売の手続(担保権の実行としての競売の手続を含む。以下この号において同じ。)における第83条第1項本文(第188条において準用する場合を含む。)の規定による命令(以下「引渡命令」という。)であり、当該強制競売の手続において当該引渡命令の引渡義務者に対し次のイからハまでのいずれかの保全処分及び公示保全処分(第55条第1項に規定する公示保全処分をいう。以下この項において同じ。)が執行され、かつ、第83条の2第1項第187条第5項又は第188条において準用する場合を含む。)の規定により当該不動産を占有する者に対して当該引渡命令に基づく引渡しの強制執行をすることができるものであること。
第55条第1項第3号第188条において準用する場合を含む。)に掲げる保全処分及び公示保全処分
第77条第1項第3号第188条において準用する場合を含む。)に掲げる保全処分及び公示保全処分
第187条第1項に規定する保全処分又は公示保全処分(第55条第1項第3号に掲げるものに限る。)
前項の執行文の付された債務名義の正本に基づく強制執行は、当該執行文の付与の日から四週間を経過する前であつて、当該強制執行において不動産の占有を解く際にその占有者を特定することができる場合に限り、することができる。
第3項の規定により付与された執行文については、前項の規定により当該執行文の付された債務名義の正本に基づく強制執行がされたときは、当該強制執行によつて当該不動産の占有を解かれた者が、債務者となる。
第28条
【執行文の再度付与等】
執行文は、債権の完全な弁済を得るため執行文の付された債務名義の正本が数通必要であるとき、又はこれが滅失したときに限り、更に付与することができる。
前項の規定は、少額訴訟における確定判決又は仮執行の宣言を付した少額訴訟の判決若しくは支払督促の正本を更に交付する場合について準用する。
第29条
【債務名義等の送達】
強制執行は、債務名義又は確定により債務名義となるべき裁判の正本又は謄本が、あらかじめ、又は同時に、債務者に送達されたときに限り、開始することができる。第27条の規定により執行文が付与された場合においては、執行文及び同条の規定により債権者が提出した文書の謄本も、あらかじめ、又は同時に、送達されなければならない。
第30条
【期限の到来又は担保の提供に係る場合の強制執行】
請求が確定期限の到来に係る場合においては、強制執行は、その期限の到来後に限り、開始することができる。
担保を立てることを強制執行の実施の条件とする債務名義による強制執行は、債権者が担保を立てたことを証する文書を提出したときに限り、開始することができる。
第31条
【反対給付又は他の給付の不履行に係る場合の強制執行】
債務者の給付が反対給付と引換えにすべきものである場合においては、強制執行は、債権者が反対給付又はその提供のあつたことを証明したときに限り、開始することができる。
債務者の給付が、他の給付について強制執行の目的を達することができない場合に、他の給付に代えてすべきものであるときは、強制執行は、債権者が他の給付について強制執行の目的を達することができなかつたことを証明したときに限り、開始することができる。
第32条
【執行文の付与等に関する異議の申立て】
執行文の付与の申立てに関する処分に対しては、裁判所書記官の処分にあつてはその裁判所書記官の所属する裁判所に、公証人の処分にあつてはその公証人の役場の所在地を管轄する地方裁判所に異議を申し立てることができる。
執行文の付与に対し、異議の申立てがあつたときは、裁判所は、異議についての裁判をするまでの間、担保を立てさせ、若しくは立てさせないで強制執行の停止を命じ、又は担保を立てさせてその続行を命ずることができる。急迫の事情があるときは、裁判長も、これらの処分を命ずることができる。
第1項の規定による申立てについての裁判及び前項の規定による裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。
前項に規定する裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
前各項の規定は、第28条第2項の規定による少額訴訟における確定判決又は仮執行の宣言を付した少額訴訟の判決若しくは支払督促の正本の交付について準用する。
第33条
【執行文付与の訴え】
第27条第1項又は第2項に規定する文書の提出をすることができないときは、債権者は、執行文(同条第3項の規定により付与されるものを除く。)の付与を求めるために、執行文付与の訴えを提起することができる。
前項の訴えは、次の各号に掲げる債務名義の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める裁判所が管轄する。
第22条第1号から第3号まで、第6号又は第6号の2に掲げる債務名義並びに同条第7号に掲げる債務名義のうち次号及び第6号に掲げるもの以外のもの第一審裁判所
①の2
第22条第3号の2に掲げる債務名義並びに同条第7号に掲げる債務名義のうち損害賠償命令並びに損害賠償命令事件に関する手続における和解及び請求の認諾に係るもの 損害賠償命令事件が係属していた地方裁判所
第22条第4号に掲げる債務名義のうち次号に掲げるもの以外のもの仮執行の宣言を付した支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所(仮執行の宣言を付した支払督促に係る請求が簡易裁判所の管轄に属しないものであるときは、その簡易裁判所の所在地を管轄する地方裁判所)
第22条第4号に掲げる債務名義のうち民事訴訟法第132条の10第1項本文の規定による支払督促の申立て又は同法第402条第1項に規定する方式により記載された書面をもつてされた支払督促の申立てによるもの当該支払督促の申立てについて同法第398条同法第402条第2項において準用する場合を含む。)の規定により訴えの提起があつたものとみなされる裁判所
第22条第4号の2に掲げる債務名義同号の処分をした裁判所書記官の所属する裁判所
第22条第5号に掲げる債務名義債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所(この普通裁判籍がないときは、請求の目的又は差し押さえることができる債務者の財産の所在地を管轄する裁判所)
第22条第7号に掲げる債務名義のうち和解若しくは調停(上級裁判所において成立した和解及び調停を除く。)又は労働審判に係るもの(第1号の2に掲げるものを除く。)和解若しくは調停が成立した簡易裁判所、地方裁判所若しくは家庭裁判所(簡易裁判所において成立した和解又は調停に係る請求が簡易裁判所の管轄に属しないものであるときは、その簡易裁判所の所在地を管轄する地方裁判所)又は労働審判が行われた際に労働審判事件が係属していた地方裁判所
第34条
【執行文付与に対する異議の訴え】
第27条の規定により執行文が付与された場合において、債権者の証明すべき事実の到来したこと又は債務名義に表示された当事者以外の者に対し、若しくはその者のために強制執行をすることができることについて異議のある債務者は、その執行文の付された債務名義の正本に基づく強制執行の不許を求めるために、執行文付与に対する異議の訴えを提起することができる。
異議の事由が数個あるときは、債務者は、同時に、これを主張しなければならない。
前条第2項の規定は、第1項の訴えについて準用する。
第35条
【請求異議の訴え】
債務名義(第22条第2号第3号の2又は第4号に掲げる債務名義で確定前のものを除く。以下この項において同じ。)に係る請求権の存在又は内容について異議のある債務者は、その債務名義による強制執行の不許を求めるために、請求異議の訴えを提起することができる。裁判以外の債務名義の成立について異議のある債務者も、同様とする。
確定判決についての異議の事由は、口頭弁論の終結後に生じたものに限る。
第33条第2項及び前条第2項の規定は、第1項の訴えについて準用する。
第36条
【執行文付与に対する異議の訴え等に係る執行停止の裁判】
執行文付与に対する異議の訴え又は請求異議の訴えの提起があつた場合において、異議のため主張した事情が法律上理由があるとみえ、かつ、事実上の点について疎明があつたときは、受訴裁判所は、申立てにより、終局判決において次条第1項の裁判をするまでの間、担保を立てさせ、若しくは立てさせないで強制執行の停止を命じ、又はこれとともに、担保を立てさせて強制執行の続行を命じ、若しくは担保を立てさせて既にした執行処分の取消しを命ずることができる。急迫の事情があるときは、裁判長も、これらの処分を命ずることができる。
前項の申立てについての裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。
第1項に規定する事由がある場合において、急迫の事情があるときは、執行裁判所は、申立てにより、同項の規定による裁判の正本を提出すべき期間を定めて、同項に規定する処分を命ずることができる。この裁判は、執行文付与に対する異議の訴え又は請求異議の訴えの提起前においても、することができる。
前項の規定により定められた期間を経過したとき、又はその期間内に第1項の規定による裁判が執行裁判所若しくは執行官に提出されたときは、前項の裁判は、その効力を失う。
第1項又は第3項の申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
第37条
【終局判決における執行停止の裁判等】
受訴裁判所は、執行文付与に対する異議の訴え又は請求異議の訴えについての終局判決において、前条第1項に規定する処分を命じ、又は既にした同項の規定による裁判を取り消し、変更し、若しくは認可することができる。この裁判については、仮執行の宣言をしなければならない。
前項の規定による裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
第38条
【第三者異議の訴え】
強制執行の目的物について所有権その他目的物の譲渡又は引渡しを妨げる権利を有する第三者は、債権者に対し、その強制執行の不許を求めるために、第三者異議の訴えを提起することができる。
前項に規定する第三者は、同項の訴えに併合して、債務者に対する強制執行の目的物についての訴えを提起することができる。
第1項の訴えは、執行裁判所が管轄する。
前二条の規定は、第1項の訴えに係る執行停止の裁判について準用する。
第39条
【強制執行の停止】
強制執行は、次に掲げる文書の提出があつたときは、停止しなければならない。
債務名義(執行証書を除く。)若しくは仮執行の宣言を取り消す旨又は強制執行を許さない旨を記載した執行力のある裁判の正本
債務名義に係る和解、認諾、調停又は労働審判の効力がないことを宣言する確定判決の正本
第22条第2号から第4号の2までに掲げる債務名義が訴えの取下げその他の事由により効力を失つたことを証する調書の正本その他の裁判所書記官の作成した文書
強制執行をしない旨又はその申立てを取り下げる旨を記載した裁判上の和解若しくは調停の調書の正本又は労働審判法第21条第4項の規定により裁判上の和解と同一の効力を有する労働審判の審判書若しくは同法第20条第7項の調書の正本
強制執行を免れるための担保を立てたことを証する文書
強制執行の停止及び執行処分の取消しを命ずる旨を記載した裁判の正本
強制執行の一時の停止を命ずる旨を記載した裁判の正本
債権者が、債務名義の成立後に、弁済を受け、又は弁済の猶予を承諾した旨を記載した文書
前項第8号に掲げる文書のうち弁済を受けた旨を記載した文書の提出による強制執行の停止は、四週間に限るものとする。
第1項第8号に掲げる文書のうち弁済の猶予を承諾した旨を記載した文書の提出による強制執行の停止は、二回に限り、かつ、通じて六月を超えることができない。
第40条
【執行処分の取消し】
前条第1項第1号から第6号までに掲げる文書が提出されたときは、執行裁判所又は執行官は、既にした執行処分をも取り消さなければならない。
第12条の規定は、前項の規定により執行処分を取り消す場合については適用しない。
第41条
【債務者が死亡した場合の強制執行の続行】
強制執行は、その開始後に債務者が死亡した場合においても、続行することができる。
前項の場合において、債務者の相続人の存在又はその所在が明らかでないときは、執行裁判所は、申立てにより、相続財産又は相続人のために、特別代理人を選任することができる。
民事訴訟法第35条第2項及び第3項の規定は、前項の特別代理人について準用する。
第42条
【執行費用の負担】
強制執行の費用で必要なもの(以下「執行費用」という。)は、債務者の負担とする。
金銭の支払を目的とする債権についての強制執行にあつては、執行費用は、その執行手続において、債務名義を要しないで、同時に、取り立てることができる。
強制執行の基本となる債務名義(執行証書を除く。)を取り消す旨の裁判又は債務名義に係る和解、認諾、調停若しくは労働審判の効力がないことを宣言する判決が確定したときは、債権者は、支払を受けた執行費用に相当する金銭を債務者に返還しなければならない。
第1項の規定により債務者が負担すべき執行費用で第2項の規定により取り立てられたもの以外のもの及び前項の規定により債権者が返還すべき金銭の額は、申立てにより、執行裁判所の裁判所書記官が定める。
前項の申立てについての裁判所書記官の処分に対しては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内に、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
執行裁判所は、第4項の規定による裁判所書記官の処分に対する異議の申立てを理由があると認める場合において、同項に規定する執行費用及び返還すべき金銭の額を定めるべきときは、自らその額を定めなければならない。
第5項の規定による異議の申立てについての決定に対しては、執行抗告をすることができる。
第4項の規定による裁判所書記官の処分は、確定しなければその効力を生じない。
民事訴訟法第74条第1項の規定は、第4項の規定による裁判所書記官の処分について準用する。この場合においては、第5項第7項及び前項並びに同条第3項の規定を準用する。
第2節
金銭の支払を目的とする債権についての強制執行
第1款
不動産に対する強制執行
第1目
通則
第43条
【不動産執行の方法】
不動産(登記することができない土地の定着物を除く。以下この節において同じ。)に対する強制執行(以下「不動産執行」という。)は、強制競売又は強制管理の方法により行う。これらの方法は、併用することができる。
金銭の支払を目的とする債権についての強制執行については、不動産の共有持分、登記された地上権及び永小作権並びにこれらの権利の共有持分は、不動産とみなす。
第44条
【執行裁判所】
不動産執行については、その所在地(前条第2項の規定により不動産とみなされるものにあつては、その登記をすべき地)を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。
建物が数個の地方裁判所の管轄区域にまたがつて存在する場合には、その建物に対する強制執行については建物の存する土地の所在地を管轄する各地方裁判所が、その土地に対する強制執行については土地の所在地を管轄する地方裁判所又は建物に対する強制執行の申立てを受けた地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。
前項の場合において、執行裁判所は、必要があると認めるときは、事件を他の管轄裁判所に移送することができる。
前項の規定による決定に対しては、不服を申し立てることができない。
第2目
強制競売
第45条
【開始決定等】
執行裁判所は、強制競売の手続を開始するには、強制競売の開始決定をし、その開始決定において、債権者のために不動産を差し押さえる旨を宣言しなければならない。
前項の開始決定は、債務者に送達しなければならない。
強制競売の申立てを却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
第46条
【差押えの効力】
差押えの効力は、強制競売の開始決定が債務者に送達された時に生ずる。ただし、差押えの登記がその開始決定の送達前にされたときは、登記がされた時に生ずる。
差押えは、債務者が通常の用法に従つて不動産を使用し、又は収益することを妨げない。
第47条
【二重開始決定】
強制競売又は担保権の実行としての競売(以下この節において「競売」という。)の開始決定がされた不動産について強制競売の申立てがあつたときは、執行裁判所は、更に強制競売の開始決定をするものとする。
先の開始決定に係る強制競売若しくは競売の申立てが取り下げられたとき、又は先の開始決定に係る強制競売若しくは競売の手続が取り消されたときは、執行裁判所は、後の強制競売の開始決定に基づいて手続を続行しなければならない。
前項の場合において、後の強制競売の開始決定が配当要求の終期後の申立てに係るものであるときは、裁判所書記官は、新たに配当要求の終期を定めなければならない。この場合において、既に第50条第1項第188条において準用する場合を含む。)の届出をした者に対しては、第49条第2項の規定による催告は、要しない。
前項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
第10条第6項前段及び第9項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
先の開始決定に係る強制競売又は競売の手続が停止されたときは、執行裁判所は、申立てにより、後の強制競売の開始決定(配当要求の終期までにされた申立てに係るものに限る。)に基づいて手続を続行する旨の裁判をすることができる。ただし、先の開始決定に係る強制競売又は競売の手続が取り消されたとすれば、第62条第1項第2号に掲げる事項について変更が生ずるときは、この限りでない。
前項の申立てを却下する決定に対しては、執行抗告をすることができる。
第48条
【差押えの登記の嘱託等】
強制競売の開始決定がされたときは、裁判所書記官は、直ちに、その開始決定に係る差押えの登記を嘱託しなければならない。
登記官は、前項の規定による嘱託に基づいて差押えの登記をしたときは、その登記事項証明書を執行裁判所に送付しなければならない。
第49条
【開始決定及び配当要求の終期の公告等】
強制競売の開始決定に係る差押えの効力が生じた場合(その開始決定前に強制競売又は競売の開始決定がある場合を除く。)においては、裁判所書記官は、物件明細書の作成までの手続に要する期間を考慮して、配当要求の終期を定めなければならない。
裁判所書記官は、配当要求の終期を定めたときは、開始決定がされた旨及び配当要求の終期を公告し、かつ、次に掲げるものに対し、債権(利息その他の附帯の債権を含む。)の存否並びにその原因及び額を配当要求の終期までに執行裁判所に届け出るべき旨を催告しなければならない。
第87条第1項第3号に掲げる債権者
第87条第1項第4号に掲げる債権者(抵当証券の所持人にあつては、知れている所持人に限る。)
租税その他の公課を所管する官庁又は公署
裁判所書記官は、特に必要があると認めるときは、配当要求の終期を延期することができる。
裁判所書記官は、前項の規定により配当要求の終期を延期したときは、延期後の終期を公告しなければならない。
第1項又は第3項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
第10条第6項前段及び第9項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
第50条
【催告を受けた者の債権の届出義務】
前条第2項の規定による催告を受けた同項第1号又は第2号に掲げる者は、配当要求の終期までに、その催告に係る事項について届出をしなければならない。
前項の届出をした者は、その届出に係る債権の元本の額に変更があつたときは、その旨の届出をしなければならない。
前二項の規定により届出をすべき者は、故意又は過失により、その届出をしなかつたとき、又は不実の届出をしたときは、これによつて生じた損害を賠償する責めに任ずる。
第51条
【配当要求】
第25条の規定により強制執行を実施することができる債務名義の正本(以下「執行力のある債務名義の正本」という。)を有する債権者、強制競売の開始決定に係る差押えの登記後に登記された仮差押債権者及び第181条第1項各号に掲げる文書により一般の先取特権を有することを証明した債権者は、配当要求をすることができる。
配当要求を却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
第52条
【配当要求の終期の変更】
配当要求の終期から、三月以内に売却許可決定がされないとき、又は三月以内にされた売却許可決定が取り消され、若しくは効力を失つたときは、配当要求の終期は、その終期から三月を経過した日に変更されたものとみなす。ただし、配当要求の終期から三月以内にされた売却許可決定が効力を失つた場合において、第67条の規定による次順位買受けの申出について売却許可決定がされたとき(その決定が取り消され、又は効力を失つたときを除く。)は、この限りでない。
第53条
【不動産の滅失等による強制競売の手続の取消し】
不動産の滅失その他売却による不動産の移転を妨げる事情が明らかとなつたときは、執行裁判所は、強制競売の手続を取り消さなければならない。
第54条
【差押えの登記の抹消の嘱託】
強制競売の申立てが取り下げられたとき、又は強制競売の手続を取り消す決定が効力を生じたときは、裁判所書記官は、その開始決定に係る差押えの登記の抹消を嘱託しなければならない。
前項の規定による嘱託に要する登録免許税その他の費用は、その取下げ又は取消決定に係る差押債権者の負担とする。
第55条
【売却のための保全処分等】
執行裁判所は、債務者又は不動産の占有者が価格減少行為(不動産の価格を減少させ、又は減少させるおそれがある行為をいう。以下この項において同じ。)をするときは、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)の申立てにより、買受人が代金を納付するまでの間、次に掲げる保全処分又は公示保全処分(執行官に、当該保全処分の内容を、不動産の所在する場所に公示書その他の標識を掲示する方法により公示させることを内容とする保全処分をいう。以下同じ。)を命ずることができる。ただし、当該価格減少行為による不動産の価格の減少又はそのおそれの程度が軽微であるときは、この限りでない。
当該価格減少行為をする者に対し、当該価格減少行為を禁止し、又は一定の行為をすることを命ずる保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)
次に掲げる事項を内容とする保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)
当該価格減少行為をする者に対し、不動産に対する占有を解いて執行官に引き渡すことを命ずること。
執行官に不動産の保管をさせること。
次に掲げる事項を内容とする保全処分及び公示保全処分
前号イ及びロに掲げる事項
前号イに規定する者に対し、不動産の占有の移転を禁止することを命じ、及び当該不動産の使用を許すこと。
前項第2号又は第3号に掲げる保全処分は、次に掲げる場合のいずれかに該当するときでなければ、命ずることができない。
前項の債務者が不動産を占有する場合
前項の不動産の占有者の占有の権原が差押債権者、仮差押債権者又は第59条第1項の規定により消滅する権利を有する者に対抗することができない場合
執行裁判所は、債務者以外の占有者に対し第1項の規定による決定をする場合において、必要があると認めるときは、その者を審尋しなければならない。
執行裁判所が第1項の規定による決定をするときは、申立人に担保を立てさせることができる。ただし、同項第2号に掲げる保全処分については、申立人に担保を立てさせなければ、同項の規定による決定をしてはならない。
事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、第1項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。
第1項又は前項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
第5項の規定による決定は、確定しなければその効力を生じない。
第1項第2号又は第3号に掲げる保全処分又は公示保全処分を命ずる決定は、申立人に告知された日から二週間を経過したときは、執行してはならない。
前項に規定する決定は、相手方に送達される前であつても、執行することができる。
10
第1項の申立て又は同項第1号を除く。)の規定による決定の執行に要した費用(不動産の保管のために要した費用を含む。)は、その不動産に対する強制競売の手続においては、共益費用とする。
第55条の2
【相手方を特定しないで発する売却のための保全処分等】
前条第1項第2号又は第3号に掲げる保全処分又は公示保全処分を命ずる決定については、当該決定の執行前に相手方を特定することを困難とする特別の事情があるときは、執行裁判所は、相手方を特定しないで、これを発することができる。
前項の規定による決定の執行は、不動産の占有を解く際にその占有者を特定することができない場合は、することができない。
第1項の規定による決定の執行がされたときは、当該執行によつて不動産の占有を解かれた者が、当該決定の相手方となる。
第1項の規定による決定は、前条第8項の期間内にその執行がされなかつたときは、相手方に対して送達することを要しない。この場合において、第15条第2項において準用する民事訴訟法第79条第1項の規定による担保の取消しの決定で前条第4項の規定により立てさせた担保に係るものは、執行裁判所が相当と認める方法で申立人に告知することによつて、その効力を生ずる。
第56条
【地代等の代払の許可】
建物に対し強制競売の開始決定がされた場合において、その建物の所有を目的とする地上権又は賃借権について債務者が地代又は借賃を支払わないときは、執行裁判所は、申立てにより、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)がその不払の地代又は借賃を債務者に代わつて弁済することを許可することができる。
第55条第10項の規定は、前項の申立てに要した費用及び同項の許可を得て支払つた地代又は借賃について準用する。
第57条
【現況調査】
執行裁判所は、執行官に対し、不動産の形状、占有関係その他の現況について調査を命じなければならない。
執行官は、前項の調査をするに際し、不動産に立ち入り、又は債務者若しくはその不動産を占有する第三者に対し、質問をし、若しくは文書の提示を求めることができる。
執行官は、前項の規定により不動産に立ち入る場合において、必要があるときは、閉鎖した戸を開くため必要な処分をすることができる。
執行官は、第1項の調査のため必要がある場合には、市町村(特別区の存する区域にあつては、都)に対し、不動産(不動産が土地である場合にはその上にある建物を、不動産が建物である場合にはその敷地を含む。)に対して課される固定資産税に関して保有する図面その他の資料の写しの交付を請求することができる。
執行官は、前項に規定する場合には、電気、ガス又は水道水の供給その他これらに類する継続的給付を行う公益事業を営む法人に対し、必要な事項の報告を求めることができる。
第58条
【評価】
執行裁判所は、評価人を選任し、不動産の評価を命じなければならない。
評価人は、近傍同種の不動産の取引価格、不動産から生ずべき収益、不動産の原価その他の不動産の価格形成上の事情を適切に勘案して、遅滞なく、評価をしなければならない。この場合において、評価人は、強制競売の手続において不動産の売却を実施するための評価であることを考慮しなければならない。
評価人は、第6条第2項の規定により執行官に対し援助を求めるには、執行裁判所の許可を受けなければならない。
第18条第2項並びに前条第2項第4項及び第5項の規定は、評価人が評価をする場合について準用する。
第59条
【売却に伴う権利の消滅等】
不動産の上に存する先取特権、使用及び収益をしない旨の定めのある質権並びに抵当権は、売却により消滅する。
前項の規定により消滅する権利を有する者、差押債権者又は仮差押債権者に対抗することができない不動産に係る権利の取得は、売却によりその効力を失う。
不動産に係る差押え、仮差押えの執行及び第1項の規定により消滅する権利を有する者、差押債権者又は仮差押債権者に対抗することができない仮処分の執行は、売却によりその効力を失う。
不動産の上に存する留置権並びに使用及び収益をしない旨の定めのない質権で第2項の規定の適用がないものについては、買受人は、これらによつて担保される債権を弁済する責めに任ずる。
利害関係を有する者が次条第1項に規定する売却基準価額が定められる時までに第1項第2項又は前項の規定と異なる合意をした旨の届出をしたときは、売却による不動産の上の権利の変動は、その合意に従う。
第60条
【売却基準価額の決定等】
執行裁判所は、評価人の評価に基づいて、不動産の売却の額の基準となるべき価額(以下「売却基準価額」という。)を定めなければならない。
執行裁判所は、必要があると認めるときは、売却基準価額を変更することができる。
買受けの申出の額は、売却基準価額からその十分の二に相当する額を控除した価額(以下「買受可能価額」という。)以上でなければならない。
第61条
【一括売却】
執行裁判所は、相互の利用上不動産を他の不動産(差押債権者又は債務者を異にするものを含む。)と一括して同一の買受人に買い受けさせることが相当であると認めるときは、これらの不動産を一括して売却することを定めることができる。ただし、一個の申立てにより強制競売の開始決定がされた数個の不動産のうち、あるものの買受可能価額で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる見込みがある場合には、債務者の同意があるときに限る。
第62条
【物件明細書】
裁判所書記官は、次に掲げる事項を記載した物件明細書を作成しなければならない。
不動産の表示
不動産に係る権利の取得及び仮処分の執行で売却によりその効力を失わないもの
売却により設定されたものとみなされる地上権の概要
裁判所書記官は、前項の物件明細書の写しを執行裁判所に備え置いて一般の閲覧に供し、又は不特定多数の者が当該物件明細書の内容の提供を受けることができるものとして最高裁判所規則で定める措置を講じなければならない。
前二項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
第10条第6項前段及び第9項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
第63条
【剰余を生ずる見込みのない場合等の措置】
執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その旨を差押債権者(最初の強制競売の開始決定に係る差押債権者をいう。ただし、第47条第6項の規定により手続を続行する旨の裁判があつたときは、その裁判を受けた差押債権者をいう。以下この条において同じ。)に通知しなければならない。
差押債権者の債権に優先する債権(以下この条において「優先債権」という。)がない場合において、不動産の買受可能価額が執行費用のうち共益費用であるもの(以下「手続費用」という。)の見込額を超えないとき。
優先債権がある場合において、不動産の買受可能価額が手続費用及び優先債権の見込額の合計額に満たないとき。
差押債権者が、前項の規定による通知を受けた日から一週間以内に、優先債権がない場合にあつては手続費用の見込額を超える額、優先債権がある場合にあつては手続費用及び優先債権の見込額の合計額以上の額(以下この項において「申出額」という。)を定めて、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める申出及び保証の提供をしないときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てに係る強制競売の手続を取り消さなければならない。ただし、差押債権者が、その期間内に、前項各号のいずれにも該当しないことを証明したとき、又は同項第2号に該当する場合であつて不動産の買受可能価額が手続費用の見込額を超える場合において、不動産の売却について優先債権を有する者(買受可能価額で自己の優先債権の全部の弁済を受けることができる見込みがある者を除く。)の同意を得たことを証明したときは、この限りでない。
差押債権者が不動産の買受人になることができる場合申出額に達する買受けの申出がないときは、自ら申出額で不動産を買い受ける旨の申出及び申出額に相当する保証の提供
差押債権者が不動産の買受人になることができない場合買受けの申出の額が申出額に達しないときは、申出額と買受けの申出の額との差額を負担する旨の申出及び申出額と買受可能価額との差額に相当する保証の提供
前項第2号の申出及び保証の提供があつた場合において、買受可能価額以上の額の買受けの申出がないときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てに係る強制競売の手続を取り消さなければならない。
第2項の保証の提供は、執行裁判所に対し、最高裁判所規則で定める方法により行わなければならない。
第64条
【売却の方法及び公告】
不動産の売却は、裁判所書記官の定める売却の方法により行う。
不動産の売却の方法は、入札又は競り売りのほか、最高裁判所規則で定める。
裁判所書記官は、入札又は競り売りの方法により売却をするときは、売却の日時及び場所を定め、執行官に売却を実施させなければならない。
前項の場合においては、第20条において準用する民事訴訟法第93条第1項の規定にかかわらず、売却決定期日は、裁判所書記官が、売却を実施させる旨の処分と同時に指定する。
第3項の場合においては、裁判所書記官は、売却すべき不動産の表示、売却基準価額並びに売却の日時及び場所を公告しなければならない。
第1項第3項又は第4項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
第10条第6項前段及び第9項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
第64条の2
【内覧】
執行裁判所は、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)の申立てがあるときは、執行官に対し、内覧(不動産の買受けを希望する者をこれに立ち入らせて見学させることをいう。以下この条において同じ。)の実施を命じなければならない。ただし、当該不動産の占有者の占有の権原が差押債権者、仮差押債権者及び第59条第1項の規定により消滅する権利を有する者に対抗することができる場合で当該占有者が同意しないときは、この限りでない。
前項の申立ては、最高裁判所規則で定めるところにより、売却を実施させる旨の裁判所書記官の処分の時までにしなければならない。
第1項の命令を受けた執行官は、売却の実施の時までに、最高裁判所規則で定めるところにより内覧への参加の申出をした者(不動産を買い受ける資格又は能力を有しない者その他最高裁判所規則で定める事由がある者を除く。第5項及び第6項において「内覧参加者」という。)のために、内覧を実施しなければならない。
執行裁判所は、内覧の円滑な実施が困難であることが明らかであるときは、第1項の命令を取り消すことができる。
執行官は、内覧の実施に際し、自ら不動産に立ち入り、かつ、内覧参加者を不動産に立ち入らせることができる。
執行官は、内覧参加者であつて内覧の円滑な実施を妨げる行為をするものに対し、不動産に立ち入ることを制限し、又は不動産から退去させることができる。
第65条
【売却の場所の秩序維持】
執行官は、次に掲げる者に対し、売却の場所に入ることを制限し、若しくはその場所から退場させ、又は買受けの申出をさせないことができる。
他の者の買受けの申出を妨げ、若しくは不当に価額を引き下げる目的をもつて連合する等売却の適正な実施を妨げる行為をし、又はその行為をさせた者
他の民事執行の手続の売却不許可決定において前号に該当する者と認定され、その売却不許可決定の確定の日から二年を経過しない者
民事執行の手続における売却に関し刑法第95条から第96条の5まで、第197条から第197条の4まで若しくは第198条組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第3条第1項第1号から第4号まで若しくは第2項同条第1項第1号から第4号までに係る部分に限る。)又は公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律第1条第1項第2条第1項若しくは第4条の規定により刑に処せられ、その裁判の確定の日から二年を経過しない者
第66条
【買受けの申出の保証】
不動産の買受けの申出をしようとする者は、最高裁判所規則で定めるところにより、執行裁判所が定める額及び方法による保証を提供しなければならない。
第67条
【次順位買受けの申出】
最高価買受申出人に次いで高額の買受けの申出をした者は、その買受けの申出の額が、買受可能価額以上で、かつ、最高価買受申出人の申出の額から買受けの申出の保証の額を控除した額以上である場合に限り、売却の実施の終了までに、執行官に対し、最高価買受申出人に係る売却許可決定が第80条第1項の規定により効力を失うときは、自己の買受けの申出について売却を許可すべき旨の申出(以下「次順位買受けの申出」という。)をすることができる。
第68条
【債務者の買受けの申出の禁止】
債務者は、買受けの申出をすることができない。
第68条の2
【買受けの申出をした差押債権者のための保全処分等】
執行裁判所は、裁判所書記官が入札又は競り売りの方法により売却を実施させても買受けの申出がなかつた場合において、債務者又は不動産の占有者が不動産の売却を困難にする行為をし、又はその行為をするおそれがあるときは、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。次項において同じ。)の申立てにより、買受人が代金を納付するまでの間、担保を立てさせて、次に掲げる事項を内容とする保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)を命ずることができる。
債務者又は不動産の占有者に対し、不動産に対する占有を解いて執行官又は申立人に引き渡すことを命ずること。
執行官又は申立人に不動産の保管をさせること。
差押債権者は、前項の申立てをするには、買受可能価額以上の額(以下この項において「申出額」という。)を定めて、次の入札又は競り売りの方法による売却の実施において申出額に達する買受けの申出がないときは自ら申出額で不動産を買い受ける旨の申出をし、かつ、申出額に相当する保証の提供をしなければならない。
事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより又は職権で、第1項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。
第55条第2項の規定は第1項に規定する保全処分について、同条第3項の規定は第1項の規定による決定について、同条第6項の規定は第1項の申立てについての裁判、前項の規定による裁判又は同項の申立てを却下する裁判について、同条第7項の規定は前項の規定による決定について、同条第8項及び第9項並びに第55条の2の規定は第1項に規定する保全処分を命ずる決定について、第55条第10項の規定は第1項の申立て又は同項の規定による決定の執行に要した費用について、第63条第4項の規定は第2項の保証の提供について準用する。
第68条の3
【売却の見込みのない場合の措置】
執行裁判所は、裁判所書記官が入札又は競り売りの方法による売却を三回実施させても買受けの申出がなかつた場合において、不動産の形状、用途、法令による利用の規制その他の事情を考慮して、更に売却を実施させても売却の見込みがないと認めるときは、強制競売の手続を停止することができる。この場合においては、差押債権者に対し、その旨を通知しなければならない。
差押債権者が、前項の規定による通知を受けた日から三月以内に、執行裁判所に対し、買受けの申出をしようとする者があることを理由として、売却を実施させるべき旨を申し出たときは、裁判所書記官は、第64条の定めるところにより売却を実施させなければならない。
差押債権者が前項の期間内に同項の規定による売却実施の申出をしないときは、執行裁判所は、強制競売の手続を取り消すことができる。同項の規定により裁判所書記官が売却を実施させた場合において買受けの申出がなかつたときも、同様とする。
第69条
【売却決定期日】
執行裁判所は、売却決定期日を開き、売却の許可又は不許可を言い渡さなければならない。
第70条
【売却の許可又は不許可に関する意見の陳述】
不動産の売却の許可又は不許可に関し利害関係を有する者は、次条各号に掲げる事由で自己の権利に影響のあるものについて、売却決定期日において意見を陳述することができる。
第71条
【売却不許可事由】
執行裁判所は、次に掲げる事由があると認めるときは、売却不許可決定をしなければならない。
強制競売の手続の開始又は続行をすべきでないこと。
最高価買受申出人が不動産を買い受ける資格若しくは能力を有しないこと又はその代理人がその権限を有しないこと。
最高価買受申出人が不動産を買い受ける資格を有しない者の計算において買受けの申出をした者であること。
最高価買受申出人、その代理人又は自己の計算において最高価買受申出人に買受けの申出をさせた者が次のいずれかに該当すること。
その強制競売の手続において第65条第1号に規定する行為をした者
その強制競売の手続において、代金の納付をしなかつた者又は自己の計算においてその者に買受けの申出をさせたことがある者
第65条第2号又は第3号に掲げる者
第75条第1項の規定による売却の不許可の申出があること。
売却基準価額若しくは一括売却の決定、物件明細書の作成又はこれらの手続に重大な誤りがあること。
売却の手続に重大な誤りがあること。
第72条
【売却の実施の終了後に執行停止の裁判等の提出があつた場合の措置】
売却の実施の終了から売却決定期日の終了までの間に第39条第1項第7号に掲げる文書の提出があつた場合には、執行裁判所は、他の事由により売却不許可決定をするときを除き、売却決定期日を開くことができない。この場合においては、最高価買受申出人又は次順位買受申出人は、執行裁判所に対し、買受けの申出を取り消すことができる。
売却決定期日の終了後に前項に規定する文書の提出があつた場合には、その期日にされた売却許可決定が取り消され、若しくは効力を失つたとき、又はその期日にされた売却不許可決定が確定したときに限り、第39条の規定を適用する。
売却の実施の終了後に第39条第1項第8号に掲げる文書の提出があつた場合には、その売却に係る売却許可決定が取り消され、若しくは効力を失つたとき、又はその売却に係る売却不許可決定が確定したときに限り、同条の規定を適用する。
第73条
【超過売却となる場合の措置】
数個の不動産を売却した場合において、あるものの買受けの申出の額で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる見込みがあるときは、執行裁判所は、他の不動産についての売却許可決定を留保しなければならない。
前項の場合において、その買受けの申出の額で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる見込みがある不動産が数個あるときは、執行裁判所は、売却の許可をすべき不動産について、あらかじめ、債務者の意見を聴かなければならない。
第1項の規定により売却許可決定が留保された不動産の最高価買受申出人又は次順位買受申出人は、執行裁判所に対し、買受けの申出を取り消すことができる。
売却許可決定のあつた不動産について代金が納付されたときは、執行裁判所は、前項の不動産に係る強制競売の手続を取り消さなければならない。
参照条文
第74条
【売却の許可又は不許可の決定に対する執行抗告】
売却の許可又は不許可の決定に対しては、その決定により自己の権利が害されることを主張するときに限り、執行抗告をすることができる。
売却許可決定に対する執行抗告は、第71条各号に掲げる事由があること又は売却許可決定の手続に重大な誤りがあることを理由としなければならない。
民事訴訟法第338条第1項各号に掲げる事由は、前二項の規定にかかわらず、売却の許可又は不許可の決定に対する執行抗告の理由とすることができる。
抗告裁判所は、必要があると認めるときは、抗告人の相手方を定めることができる。
売却の許可又は不許可の決定は、確定しなければその効力を生じない。
参照条文
第75条
【不動産が損傷した場合の売却の不許可の申出等】
最高価買受申出人又は買受人は、買受けの申出をした後天災その他自己の責めに帰することができない事由により不動産が損傷した場合には、執行裁判所に対し、売却許可決定前にあつては売却の不許可の申出をし、売却許可決定後にあつては代金を納付する時までにその決定の取消しの申立てをすることができる。ただし、不動産の損傷が軽微であるときは、この限りでない。
前項の規定による売却許可決定の取消しの申立てについての決定に対しては、執行抗告をすることができる。
前項に規定する申立てにより売却許可決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。
第76条
【買受けの申出後の強制競売の申立ての取下げ等】
買受けの申出があつた後に強制競売の申立てを取り下げるには、最高価買受申出人又は買受人及び次順位買受申出人の同意を得なければならない。ただし、他に差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)がある場合において、取下げにより第62条第1項第2号に掲げる事項について変更が生じないときは、この限りでない。
前項の規定は、買受けの申出があつた後に第39条第1項第4号又は第5号に掲げる文書を提出する場合について準用する。
参照条文
第77条
【最高価買受申出人又は買受人のための保全処分等】
執行裁判所は、債務者又は不動産の占有者が、価格減少行為等(不動産の価格を減少させ、又は不動産の引渡しを困難にする行為をいう。以下この項において同じ。)をし、又は価格減少行為等をするおそれがあるときは、最高価買受申出人又は買受人の申立てにより、引渡命令の執行までの間、その買受けの申出の額(金銭により第66条の保証を提供した場合にあつては、当該保証の額を控除した額)に相当する金銭を納付させ、又は代金を納付させて、次に掲げる保全処分又は公示保全処分を命ずることができる。
債務者又は不動産の占有者に対し、価格減少行為等を禁止し、又は一定の行為をすることを命ずる保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)
次に掲げる事項を内容とする保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)
当該価格減少行為等をし、又はそのおそれがある者に対し、不動産に対する占有を解いて執行官に引き渡すことを命ずること。
執行官に不動産の保管をさせること。
次に掲げる事項を内容とする保全処分及び公示保全処分
前号イ及びロに掲げる事項
前号イに規定する者に対し、不動産の占有の移転を禁止することを命じ、及び不動産の使用を許すこと。
第55条第2項第1号に係る部分に限る。)の規定は前項第2号又は第3号に掲げる保全処分について、同条第2項第2号に係る部分に限る。)の規定は前項に掲げる保全処分について、同条第3項第4項本文及び第5項の規定は前項の規定による決定について、同条第6項の規定は前項の申立て又はこの項において準用する同条第5項の申立てについての裁判について、同条第7項の規定はこの項において準用する同条第5項の規定による決定について、同条第8項及び第9項並びに第55条の2の規定は前項第2号又は第3号に掲げる保全処分を命ずる決定について準用する。
第78条
【代金の納付】
売却許可決定が確定したときは、買受人は、裁判所書記官の定める期限までに代金を執行裁判所に納付しなければならない。
買受人が買受けの申出の保証として提供した金銭及び前条第1項の規定により納付した金銭は、代金に充てる。
買受人が第63条第2項第1号又は第68条の2第2項の保証を金銭の納付以外の方法で提供しているときは、執行裁判所は、最高裁判所規則で定めるところによりこれを換価し、その換価代金から換価に要した費用を控除したものを代金に充てる。この場合において、換価に要した費用は、買受人の負担とする。
買受人は、売却代金から配当又は弁済を受けるべき債権者であるときは、売却許可決定が確定するまでに執行裁判所に申し出て、配当又は弁済を受けるべき額を差し引いて代金を配当期日又は弁済金の交付の日に納付することができる。ただし、配当期日において、買受人の受けるべき配当の額について異議の申出があつたときは、買受人は、当該配当期日から一週間以内に、異議に係る部分に相当する金銭を納付しなければならない。
裁判所書記官は、特に必要があると認めるときは、第1項の期限を変更することができる。
第1項又は前項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
第10条第6項前段及び第9項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
第79条
【不動産の取得の時期】
買受人は、代金を納付した時に不動産を取得する。
第80条
【代金不納付の効果】
買受人が代金を納付しないときは、売却許可決定は、その効力を失う。この場合においては、買受人は、第66条の規定により提供した保証の返還を請求することができない。
前項前段の場合において、次順位買受けの申出があるときは、執行裁判所は、その申出について売却の許可又は不許可の決定をしなければならない。
第81条
【法定地上権】
土地及びその上にある建物が債務者の所有に属する場合において、その土地又は建物の差押えがあり、その売却により所有者を異にするに至つたときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合においては、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。
第82条
【代金納付による登記の嘱託】
買受人が代金を納付したときは、裁判所書記官は、次に掲げる登記及び登記の抹消を嘱託しなければならない。
買受人の取得した権利の移転の登記
売却により消滅した権利又は売却により効力を失つた権利の取得若しくは仮処分に係る登記の抹消
差押え又は仮差押えの登記の抹消
買受人及び買受人から不動産の上に抵当権の設定を受けようとする者が、最高裁判所規則で定めるところにより、代金の納付の時までに申出をしたときは、前項の規定による嘱託は、登記の申請の代理を業とすることができる者で申出人の指定するものに嘱託情報を提供して登記所に提供させる方法によつてしなければならない。この場合において、申出人の指定する者は、遅滞なく、その嘱託情報を登記所に提供しなければならない。
第1項の規定による嘱託をするには、その嘱託情報と併せて売却許可決定があつたことを証する情報を提供しなければならない。
第1項の規定による嘱託に要する登録免許税その他の費用は、買受人の負担とする。
第83条
【引渡命令】
執行裁判所は、代金を納付した買受人の申立てにより、債務者又は不動産の占有者に対し、不動産を買受人に引き渡すべき旨を命ずることができる。ただし、事件の記録上買受人に対抗することができる権原により占有していると認められる者に対しては、この限りでない。
買受人は、代金を納付した日から六月(買受けの時に民法第395条第1項に規定する抵当建物使用者が占有していた建物の買受人にあつては、九月)を経過したときは、前項の申立てをすることができない。
執行裁判所は、債務者以外の占有者に対し第1項の規定による決定をする場合には、その者を審尋しなければならない。ただし、事件の記録上その者が買受人に対抗することができる権原により占有しているものでないことが明らかであるとき、又は既にその者を審尋しているときは、この限りでない。
第1項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
第1項の規定による決定は、確定しなければその効力を生じない。
第83条の2
【占有移転禁止の保全処分等の効力】
強制競売の手続において、第55条第1項第3号又は第77条第1項第3号に掲げる保全処分及び公示保全処分を命ずる決定の執行がされ、かつ、買受人の申立てにより当該決定の被申立人に対して引渡命令が発せられたときは、買受人は、当該引渡命令に基づき、次に掲げる者に対し、不動産の引渡しの強制執行をすることができる。
当該決定の執行がされたことを知つて当該不動産を占有した者
当該決定の執行後に当該執行がされたことを知らないで当該決定の被申立人の占有を承継した者
前項の決定の執行後に同項の不動産を占有した者は、その執行がされたことを知つて占有したものと推定する。
第1項の引渡命令について同項の決定の被申立人以外の者に対する執行文が付与されたときは、その者は、執行文の付与に対する異議の申立てにおいて、買受人に対抗することができる権原により不動産を占有していること、又は自己が同項各号のいずれにも該当しないことを理由とすることができる。
第84条
【売却代金の配当等の実施】
執行裁判所は、代金の納付があつた場合には、次項に規定する場合を除き、配当表に基づいて配当を実施しなければならない。
債権者が一人である場合又は債権者が二人以上であつて売却代金で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる場合には、執行裁判所は、売却代金の交付計算書を作成して、債権者に弁済金を交付し、剰余金を債務者に交付する。
代金の納付後に第39条第1項第1号から第6号までに掲げる文書の提出があつた場合において、他に売却代金の配当又は弁済金の交付(以下「配当等」という。)を受けるべき債権者があるときは、執行裁判所は、その債権者のために配当等を実施しなければならない。
代金の納付後に第39条第1項第7号又は第8号に掲げる文書の提出があつた場合においても、執行裁判所は、配当等を実施しなければならない。
第85条
【配当表の作成】
執行裁判所は、配当期日において、第87条第1項各号に掲げる各債権者について、その債権の元本及び利息その他の附帯の債権の額、執行費用の額並びに配当の順位及び額を定める。ただし、配当の順位及び額については、配当期日においてすべての債権者間に合意が成立した場合は、この限りでない。
執行裁判所は、前項本文の規定により配当の順位及び額を定める場合には、民法商法その他の法律の定めるところによらなければならない。
配当期日には、第1項に規定する債権者及び債務者を呼び出さなければならない。
執行裁判所は、配当期日において、第1項本文に規定する事項を定めるため必要があると認めるときは、出頭した債権者及び債務者を審尋し、かつ、即時に取り調べることができる書証の取調べをすることができる。
第1項の規定により同項本文に規定する事項(同項ただし書に規定する場合には、配当の順位及び額を除く。)が定められたときは、裁判所書記官は、配当期日において、配当表を作成しなければならない。
配当表には、売却代金の額及び第1項本文に規定する事項についての執行裁判所の定めの内容(同項ただし書に規定する場合にあつては、配当の順位及び額については、その合意の内容)を記載しなければならない。
第16条第3項及び第4項の規定は、第1項に規定する債権者(同条第1項前段に規定する者を除く。)に対する呼出状の送達について準用する。
第86条
【売却代金】
売却代金は、次に掲げるものとする。
不動産の代金
第63条第2項第2号の規定により提供した保証のうち申出額から代金の額を控除した残額に相当するもの
第80条第1項後段の規定により買受人が返還を請求することができない保証
第61条の規定により不動産が一括して売却された場合において、各不動産ごとに売却代金の額を定める必要があるときは、その額は、売却代金の総額を各不動産の売却基準価額に応じて案分して得た額とする。各不動産ごとの執行費用の負担についても、同様とする。
第78条第3項の規定は、第1項第2号又は第3号に規定する保証が金銭の納付以外の方法で提供されている場合の換価について準用する。
第87条
【配当等を受けるべき債権者の範囲】
売却代金の配当等を受けるべき債権者は、次に掲げる者とする。
差押債権者(配当要求の終期までに強制競売又は一般の先取特権の実行としての競売の申立てをした差押債権者に限る。)
配当要求の終期までに配当要求をした債権者
差押え(最初の強制競売の開始決定に係る差押えをいう。次号において同じ。)の登記前に登記された仮差押えの債権者
差押えの登記前に登記(民事保全法第53条第2項に規定する仮処分による仮登記を含む。)がされた先取特権(第1号又は第2号に掲げる債権者が有する一般の先取特権を除く。)、質権又は抵当権で売却により消滅するものを有する債権者(その抵当権に係る抵当証券の所持人を含む。)
前項第4号に掲げる債権者の権利が仮差押えの登記後に登記されたものである場合には、その債権者は、仮差押債権者が本案の訴訟において敗訴し、又は仮差押えがその効力を失つたときに限り、配当等を受けることができる。
差押えに係る強制競売の手続が停止され、第47条第6項の規定による手続を続行する旨の裁判がある場合において、執行を停止された差押債権者がその停止に係る訴訟等において敗訴したときは、差押えの登記後続行の裁判に係る差押えの登記前に登記された第1項第4号に規定する権利を有する債権者は、配当等を受けることができる。
第88条
【期限付債権の配当等】
確定期限の到来していない債権は、配当等については、弁済期が到来したものとみなす。
前項の債権が無利息であるときは、配当等の日から期限までの法定利率による利息との合算額がその債権の額となるべき元本額をその債権の額とみなして、配当等の額を計算しなければならない。
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、昭和五十五年十月一日から施行する。
第2条
(競売法の廃止)
競売法は、廃止する。
第3条
(民事訴訟法の一部改正)
民事訴訟法の一部を次のように改正する。民事訴訟法目録中をに改める。第六編中「第一章 総則」を削る。第四百九十七条ノ二を削る。第五百十三条第一項中「本編」を「本編及ビ次編」に改める。第五百十四条から第五百六十三条まで並びに第六編第二章及び第三章を次のように改める。第五百十四条乃至第七百三十六条 削除「第四章 仮差押及ビ仮処分」を削る。第七百四十八条から第七百五十四条までを次のように改める。第七百四十八条乃至第七百五十四条 削除第七百五十八条第三項を削る。第七百六十二条及び第七百六十三条中「本章」を「本編」に改める。第六編中第七百六十三条の次に次の一条を加える。第七百六十三条ノ二 本編に定メタル裁判所ノ管轄ハ専属トス「第六編 強制執行」を削る。第四百六十四条から第四百九十七条までを次のように改める。第四百六十四条乃至第四百九十七条 削除第四百九十八条の前に次の編名を付する。第五編ノ三 判決ノ確定及び執行停止第七百三十七条の前に次の編名を付する。第六編 仮差押及び仮処分
第4条
(経過措置)
この法律の施行前に申し立てられた民事執行の事件については、なお従前の例による。
この法律の施行前にした前条の規定による改正前の民事訴訟法又は附則第二条の規定による廃止前の競売法の規定による執行処分その他の行為は、この法律の適用については、この法律の相当規定によつてした執行処分その他の行為とみなす。
第二項に規定するもののほか、この法律の施行の際、現に裁判所に係属し、又は執行官が取り扱つている事件の処理に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第4条
(民事訴訟法及び民事執行法の一部改正に伴う経過措置)
この法律の施行前にした仮差押え又は仮処分の命令の申請に係る仮差押え又は仮処分の事件については、なお従前の例による。
附則
平成7年5月12日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
附則
平成8年6月26日
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
この法律の施行前に申し立てられた民事執行の事件については、なお従前の例による。
政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後の民事執行法第五十五条、第七十七条、第八十三条及び第百八十七条の二の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、これらの規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
平成8年6月26日
この法律は、新民訴法の施行の日から施行する。
附則
平成10年10月16日
この法律は、公布の日から起算して二月を経過した日から施行する。
この法律の施行前にされた強制執行続行の決定の申請については、なお従前の例による。
附則
平成12年11月29日
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。
附則
平成14年6月12日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十五年一月六日から施行する。
第84条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第85条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第86条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において新社債等振替法、金融商品取引法の施行状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、新社債等振替法第二条第十一項に規定する加入者保護信託、金融商品取引法第二条第二十九項に規定する金融商品取引清算機関に係る制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成14年7月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、民間事業者による信書の送達に関する法律の施行の日から施行する。
第2条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第3条
(その他の経過措置の政令への委任)
前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成15年5月30日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十六年四月一日から施行する。
第38条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第39条
(その他の経過措置の政令への委任)
この法律に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
第40条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、この法律による改正後の金融諸制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成15年8月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第8条
(保全処分に関する経過措置)
施行日前にされた第三条の規定による改正前の民事執行法(以下「旧民事執行法」という。)第五十五条第一項若しくは第二項、第六十八条の二第一項若しくは第七十七条第一項(これらの規定を旧民事執行法第百八十八条において準用する場合を含む。)又は旧民事執行法第百八十七条の二第一項若しくは第二項の申立てに係る事件については、第三条の規定による改正後の民事執行法の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第9条
(差引き納付に関する経過措置)
施行日前に旧民事執行法第七十八条第四項後段の異議の陳述又は申出があった場合における買受人が同項後段の金銭を納付すべき期限及び配当異議の申出をした債権者又は債務者が旧民事執行法第九十条第六項の規定による証明等をすべき期限については、なお従前の例による。
第10条
(強制管理の手続に関する経過措置)
施行日前に申し立てられた強制管理の事件について、施行日前にした旧民事執行法の規定による執行処分その他の行為は、第三条の規定による改正後の民事執行法の規定の適用については、同法の相当規定によってした執行処分その他の行為とみなす。
第11条
(差押禁止動産に関する経過措置)
施行日前に申し立てられた旧民事執行法第百二十二条第一項に規定する動産執行又は一般の先取特権の実行としての旧民事執行法第百九十条に規定する動産競売の申立てに係る事件における差し押さえてはならない動産については、第三条の規定による改正後の民事執行法第百三十一条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第12条
(扶養義務等に係る金銭債権を請求する場合における差押禁止債権に関する経過措置)
施行日前に第三条の規定による改正後の民事執行法第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務についての金銭債権を請求する場合における差し押さえてはならない債権については、第三条の規定による改正後の民事執行法第百五十二条第三項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第13条
(破産財団に属さない財産に関する経過措置)
施行日前に破産宣告があった場合における破産法第六条第三項の差し押さえることのできない財産として破産財団に属さない財産については、第三条の規定による改正後の民事執行法の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第14条
(罰則の適用に関する経過措置)
施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成15年8月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成16年5月12日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成16年6月9日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
第135条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第136条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第137条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、この法律による改正後の株式等の取引に係る決済制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成16年6月18日
第1条
(施行期日)
この法律は、新不動産登記法の施行の日から施行する。
第2条
(経過措置)
この法律の施行の日が行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の施行の日後である場合には、第五十二条のうち商業登記法第百十四条の三及び第百十七条から第百十九条までの改正規定中「第百十四条の三」とあるのは、「第百十四条の四」とする。
附則
平成16年12月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成16年12月3日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第3条
(経過措置の原則)
この法律による改正後の民事訴訟法、非訟事件手続法及び民事執行法の規定(罰則を除く。)は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前のこれらの法律の規定により生じた効力を妨げない。
第8条
(執行裁判所の執行処分その他の行為等に関する経過措置)
この法律の施行前に申し立てられた民事執行の事件について、その施行前にした第三条の規定による改正前の民事執行法(以下「旧民事執行法」という。)の規定による執行裁判所の執行処分その他の行為であって同条の規定による改正後の民事執行法(以下「新民事執行法」という。)の規定によれば裁判所書記官がすべきこととされるものに関する新民事執行法の規定の適用については、新民事執行法の相当規定によってした裁判所書記官の処分その他の行為とみなす。
前項の執行裁判所の執行処分その他の行為に対する不服申立てについては、当該執行処分その他の行為につき同項の規定を適用せず、なお従前の例による。
この法律の施行前に旧民事執行法第六十八条の三第二項(これを準用し、又はその例による場合を含む。)の規定による執行裁判所が売却を実施させるべき旨の申出があった場合において、この法律の施行の日までに執行裁判所が当該申出に係る売却を実施させる旨の命令を発しなかったときは、当該申出は、新民事執行法第六十八条の三第二項(これを準用し、又はその例による場合を含む。)の規定による裁判所書記官が売却を実施させるべき旨の申出とみなす。
第9条
(売却の手続等に関する経過措置)
この法律の施行前に旧民事執行法第六十三条第一項(これを準用し、又はその例による場合を含む。)の規定による通知がされた民事執行の事件については、同条第二項ただし書(これを準用し、又はその例による場合を含む。)の場合を除き、なお従前の例による。
この法律の施行前に執行裁判所が売却を実施させる旨の命令を発した場合における当該命令に係る売却の手続及び売却の許可又は不許可の決定に係る手続については、新民事執行法第六十条(これを準用し、又はその例による場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
前二項の規定によりなお従前の例によることとされる場合を除き、この法律の施行前に旧民事執行法第六十条(これを準用し、又はその例による場合を含む。)の規定により執行裁判所が定めた最低売却価額は、新民事執行法第六十条(これを準用し、又はその例による場合を含む。)の規定により執行裁判所が定めた売却基準価額とみなす。
第10条
(少額訴訟債権執行に関する経過措置)
新民事執行法第二章第二節第四款第二目の規定は、この法律の施行前に成立した新民事執行法第百六十七条の二第一項各号に掲げる少額訴訟に係る債務名義による金銭債権に対する強制執行については、適用しない。
この法律の施行の日が不動産登記法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行の日前である場合には、同法の施行の日の前日までの間における新民事執行法第百六十七条の十四の規定の適用については、同条中「第百六十四条第五項及び第六項」とあるのは「第百六十四条第四項及び第五項」と、「第百六十四条第五項中」とあるのは「第百六十四条第四項中」とする。
附則
平成16年12月3日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
第121条
(処分等の効力)
この法律の施行前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。
第122条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第123条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
第124条
(検討)
政府は、この法律の施行後三年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成17年7月26日
この法律は、会社法の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第二百四十二条の規定 この法律の公布の日
附則
平成19年6月27日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第9条
(検討等)
政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
第10条
政府は、被害者参加人(第一条の規定による改正後の刑事訴訟法第三百十六条の三十三第三項に規定する被害者参加人をいう。以下同じ。)の委託を受けた弁護士の役割の重要性にかんがみ、資力の乏しい被害者参加人も弁護士の法的援助を受けられるようにするため、必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
附則
平成23年5月25日
この法律は、新非訟事件手続法の施行の日から施行する。
附則
平成23年6月24日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

キーボードでも操作できます

  (テンキーを利用する場合は

    NumLockして下さい)

「1」+「4」+「Enter」 ⇒ 14条

「Esc」 or 「テンキーの/」 ⇒ クリア