著作権法
平成24年6月27日 改正
第2条
【定義】
1
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
⑦の2
公衆送信 公衆によつて直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信(電気通信設備で、その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(その構内が二以上の者の占有に属している場合には、同一の者の占有に属する区域内)にあるものによる送信(プログラムの著作物の送信を除く。)を除く。)を行うことをいう。
⑨の5
送信可能化 次のいずれかに掲げる行為により自動公衆送信し得るようにすることをいう。
イ
公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置(公衆の用に供する電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち自動公衆送信の用に供する部分(以下この号及び第47条の5第1項第1号において「公衆送信用記録媒体」という。)に記録され、又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を有する装置をいう。以下同じ。)の公衆送信用記録媒体に情報を記録し、情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体として加え、若しくは情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体に変換し、又は当該自動公衆送信装置に情報を入力すること。
⑲
頒布 有償であるか又は無償であるかを問わず、複製物を公衆に譲渡し、又は貸与することをいい、映画の著作物又は映画の著作物において複製されている著作物にあつては、これらの著作物を公衆に提示することを目的として当該映画の著作物の複製物を譲渡し、又は貸与することを含むものとする。
⑳
技術的保護手段 電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法(次号において「電磁的方法」という。)により、第17条第1項に規定する著作者人格権若しくは著作権又は第89条第1項に規定する実演家人格権若しくは同条第6項に規定する著作隣接権(以下この号、第30条第1項第2号及び第120条の2第1号において「著作権等」という。)を侵害する行為の防止又は抑止(著作権等を侵害する行為の結果に著しい障害を生じさせることによる当該行為の抑止をいう。第30条第1項第2号において同じ。)をする手段(著作権等を有する者の意思に基づくことなく用いられているものを除く。)であつて、著作物、実演、レコード、放送又は有線放送(次号において「著作物等」という。)の利用(著作者又は実演家の同意を得ないで行つたとしたならば著作者人格権又は実演家人格権の侵害となるべき行為を含む。)に際し、これに用いられる機器が特定の反応をする信号を著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像とともに記録媒体に記録し、若しくは送信する方式又は当該機器が特定の変換を必要とするよう著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像を変換して記録媒体に記録し、若しくは送信する方式によるものをいう。
7
この法律において、「上演」、「演奏」又は「口述」には、著作物の上演、演奏又は口述で録音され、又は録画されたものを再生すること(公衆送信又は上映に該当するものを除く。)及び著作物の上演、演奏又は口述を電気通信設備を用いて伝達すること(公衆送信に該当するものを除く。)を含むものとする。
⊟
参照条文
第18条 第30条 映画の盗撮の防止に関する法律第2条 貸金業法施行規則第3条の2 金融商品取引業等に関する内閣府令第125条の5 国の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令第2条 建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則第1条の3 国債の振替に関する命令第4条 国税通則法施行規則第4条 国民年金法施行規則第71条の3 社債、株式等の振替に関する命令第60条 職業安定法施行規則第30条の3 地方公共団体の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令第2条 著作権法施行規則第2条の2 著作権法施行令第2条 第7条の2 第7条の4 毒物及び劇物取締法施行規則第1条 第2条 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第31条の7 不動産登記規則第154条 弁理士法第4条 有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第56条 民事執行規則第31条
第13条
【権利の目的とならない著作物】
次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。
②
国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人(独立行政法人通則法第2条第1項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)又は地方独立行政法人(地方独立行政法人法第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
⊟
参照条文
第14条
【著作者の推定】
第15条
【職務上作成する著作物の著作者】
第16条
【映画の著作物の著作者】
映画の著作物の著作者は、その映画の著作物において翻案され、又は複製された小説、脚本、音楽その他の著作物の著作者を除き、制作、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者とする。ただし、前条の規定の適用がある場合は、この限りでない。
第18条
【公表権】
1
著作者は、その著作物でまだ公表されていないもの(その同意を得ないで公表された著作物を含む。以下この条において同じ。)を公衆に提供し、又は提示する権利を有する。当該著作物を原著作物とする二次的著作物についても、同様とする。
3
著作者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる行為について同意したものとみなす。
①
その著作物でまだ公表されていないものを行政機関(行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「行政機関情報公開法」という。)第2条第1項に規定する行政機関をいう。以下同じ。)に提供した場合(行政機関情報公開法第9条第1項の規定による開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。)行政機関情報公開法の規定により行政機関の長が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること(当該著作物に係る歴史公文書等(公文書等の管理に関する法律(以下「公文書管理法」という。)第2条第6項に規定する歴史公文書等をいう。以下同じ。)が行政機関の長から公文書管理法第8条第1項の規定により国立公文書館等(公文書管理法第2条第3項に規定する国立公文書館等をいう。以下同じ。)に移管された場合(公文書管理法第16条第1項の規定による利用をさせる旨の決定の時までに当該著作物の著作者が別段の意思表示をした場合を除く。)にあつては、公文書管理法第16条第1項の規定により国立公文書館等の長(公文書管理法第15条第1項に規定する国立公文書館等の長をいう。以下同じ。)が当該著作物を公衆に提供し、又は提示することを含む。)。
②
その著作物でまだ公表されていないものを独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(以下「独立行政法人等情報公開法」という。)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)に提供した場合(独立行政法人等情報公開法第9条第1項の規定による開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。)独立行政法人等情報公開法の規定により当該独立行政法人等が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること(当該著作物に係る歴史公文書等が当該独立行政法人等から公文書管理法第11条第4項の規定により国立公文書館等に移管された場合(公文書管理法第16条第1項の規定による利用をさせる旨の決定の時までに当該著作物の著作者が別段の意思表示をした場合を除く。)にあつては、公文書管理法第16条第1項の規定により国立公文書館等の長が当該著作物を公衆に提供し、又は提示することを含む。)。
③
その著作物でまだ公表されていないものを地方公共団体又は地方独立行政法人に提供した場合(開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。) 情報公開条例(地方公共団体又は地方独立行政法人の保有する情報の公開を請求する住民等の権利について定める当該地方公共団体の条例をいう。以下同じ。)の規定により当該地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること(当該著作物に係る歴史公文書等が当該地方公共団体又は地方独立行政法人から公文書管理条例(地方公共団体又は地方独立行政法人の保有する歴史公文書等の適切な保存及び利用について定める当該地方公共団体の条例をいう。以下同じ。)に基づき地方公文書館等(歴史公文書等の適切な保存及び利用を図る施設として公文書管理条例が定める施設をいう。以下同じ。)に移管された場合(公文書管理条例の規定(公文書管理法第16条第1項の規定に相当する規定に限る。以下この条において同じ。)による利用をさせる旨の決定の時までに当該著作物の著作者が別段の意思表示をした場合を除く。)にあつては、公文書管理条例の規定により地方公文書館等の長(地方公文書館等が地方公共団体の施設である場合にあつてはその属する地方公共団体の長をいい、地方公文書館等が地方独立行政法人の施設である場合にあつてはその施設を設置した地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が当該著作物を公衆に提供し、又は提示することを含む。)。
4
第1項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
①
行政機関情報公開法第5条の規定により行政機関の長が同条第1号ロ若しくはハ若しくは同条第2号ただし書に規定する情報が記録されている著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき、又は行政機関情報公開法第7条の規定により行政機関の長が著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき。
②
独立行政法人等情報公開法第5条の規定により独立行政法人等が同条第1号ロ若しくはハ若しくは同条第2号ただし書に規定する情報が記録されている著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき、又は独立行政法人等情報公開法第7条の規定により独立行政法人等が著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき。
③
情報公開条例(行政機関情報公開法第13条第2項及び第3項の規定に相当する規定を設けているものに限る。第5号において同じ。)の規定により地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が著作物でまだ公表されていないもの(行政機関情報公開法第5条第1号ロ又は同条第2号ただし書に規定する情報に相当する情報が記録されているものに限る。)を公衆に提供し、又は提示するとき。
④
情報公開条例の規定により地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が著作物でまだ公表されていないもの(行政機関情報公開法第5条第1号ハに規定する情報に相当する情報が記録されているものに限る。)を公衆に提供し、又は提示するとき。
⑥
公文書管理法第16条第1項の規定により国立公文書館等の長が行政機関情報公開法第5条第1号ロ若しくはハ若しくは同条第2号ただし書に規定する情報又は独立行政法人等情報公開法第5条第1号ロ若しくはハ若しくは同条第2号ただし書に規定する情報が記録されている著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、又は提示するとき。
⑦
公文書管理条例(公文書管理法第18条第2項及び第4項の規定に相当する規定を設けているものに限る。)の規定により地方公文書館等の長が著作物でまだ公表されていないもの(行政機関情報公開法第5条第1号ロ又は同条第2号ただし書に規定する情報に相当する情報が記録されているものに限る。)を公衆に提供し、又は提示するとき。
⑧
公文書管理条例の規定により地方公文書館等の長が著作物でまだ公表されていないもの(行政機関情報公開法第5条第1号ハに規定する情報に相当する情報が記録されているものに限る。)を公衆に提供し、又は提示するとき。
第19条
【氏名表示権】
1
著作者は、その著作物の原作品に、又はその著作物の公衆への提供若しくは提示に際し、その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。その著作物を原著作物とする二次的著作物の公衆への提供又は提示に際しての原著作物の著作者名の表示についても、同様とする。
4
第1項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
①
行政機関情報公開法、独立行政法人等情報公開法又は情報公開条例の規定により行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人が著作物を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該著作物につき既にその著作者が表示しているところに従つて著作者名を表示するとき。
②
行政機関情報公開法第6条第2項の規定、独立行政法人等情報公開法第6条第2項の規定又は情報公開条例の規定で行政機関情報公開法第6条第2項の規定に相当するものにより行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人が著作物を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該著作物の著作者名の表示を省略することとなるとき。
第26条の2
【譲渡権】
1
著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。以下この条において同じ。)をその原作品又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。以下この条において同じ。)の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。
⊟
参照条文
第29条
2
専ら放送事業者が放送のための技術的手段として製作する映画の著作物(第15条第1項の規定の適用を受けるものを除く。)の著作権のうち次に掲げる権利は、映画製作者としての当該放送事業者に帰属する。
3
専ら有線放送事業者が有線放送のための技術的手段として製作する映画の著作物(第15条第1項の規定の適用を受けるものを除く。)の著作権のうち次に掲げる権利は、映画製作者としての当該有線放送事業者に帰属する。
⊟
参照条文
第30条
【私的使用のための複製】
1
著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
②
技術的保護手段の回避(第2条第1項第20号に規定する信号の除去若しくは改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うこと又は同号に規定する特定の変換を必要とするよう変換された著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像の復元(著作権等を有する者の意思に基づいて行われるものを除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第120条の2第1号及び第2号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合
第30条の2
【付随対象著作物の利用】
1
写真の撮影、録音又は録画(以下この項において「写真の撮影等」という。)の方法によつて著作物を創作するに当たつて、当該著作物(以下この条において「写真等著作物」という。)に係る写真の撮影等の対象とする事物又は音から分離することが困難であるため付随して対象となる事物又は音に係る他の著作物(当該写真等著作物における軽微な構成部分となるものに限る。以下この条において「付随対象著作物」という。)は、当該創作に伴つて複製又は翻案することができる。ただし、当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該複製又は翻案の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
第31条
【図書館等における複製等】
1
3
国立国会図書館は、絶版等資料に係る著作物について、図書館等において公衆に提示することを目的とする場合には、前項の規定により記録媒体に記録された当該著作物の複製物を用いて自動公衆送信を行うことができる。この場合において、当該図書館等においては、その営利を目的としない事業として、当該図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、自動公衆送信される当該著作物の一部分の複製物を作成し、当該複製物を一人につき一部提供することができる。
⊟
参照条文
第32条
【引用】
1
公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
第33条
【教科用図書等への掲載】
1
公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、教科用図書(小学校、中学校、高等学校又は中等教育学校その他これらに準ずる学校における教育の用に供される児童用又は生徒用の図書であつて、文部科学大臣の検定を経たもの又は文部科学省が著作の名義を有するものをいう。以下同じ。)に掲載することができる。
第33条の2
【教科用拡大図書等の作成のための複製等】
1
教科用図書に掲載された著作物は、視覚障害、発達障害その他の障害により教科用図書に掲載された著作物を使用することが困難な児童又は生徒の学習の用に供するため、当該教科用図書に用いられている文字、図形等の拡大その他の当該児童又は生徒が当該著作物を使用するために必要な方式により複製することができる。
4
障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律第5条第1項又は第2項の規定により教科用図書に掲載された著作物に係る電磁的記録の提供を行う者は、その提供のために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができる。
第34条
【学校教育番組の放送等】
1
公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、学校教育に関する法令の定める教育課程の基準に準拠した学校向けの放送番組又は有線放送番組において放送し、若しくは有線放送し、又は当該放送を受信して同時に専ら当該放送に係る放送対象地域(放送法第91条第2項第2号に規定する放送対象地域をいい、これが定められていない放送にあつては、電波法第14条第3項第2号に規定する放送区域をいう。以下同じ。)において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行い、及び当該放送番組用又は有線放送番組用の教材に掲載することができる。
第35条
【学校その他の教育機関における複製等】
1
学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
第36条
【試験問題としての複製等】
1
公表された著作物については、入学試験その他人の学識技能に関する試験又は検定の目的上必要と認められる限度において、当該試験又は検定の問題として複製し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。次項において同じ。)を行うことができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
第37条
【視覚障害者等のための複製等】
2
公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。)を行うことができる。
3
視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者(以下この項及び第102条第4項において「視覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された著作物であつて、視覚によりその表現が認識される方式(視覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この項及び同条第4項において「視覚著作物」という。)について、専ら視覚障害者等で当該方式によつては当該視覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、当該視覚著作物に係る文字を音声にすることその他当該視覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該視覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第79条の出版権の設定を受けた者により、当該方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。
第37条の2
【聴覚障害者等のための複製等】
聴覚障害者その他聴覚による表現の認識に障害のある者(以下この条及び次条第5項において「聴覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で次の各号に掲げる利用の区分に応じて政令で定めるものは、公表された著作物であつて、聴覚によりその表現が認識される方式(聴覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この条において「聴覚著作物」という。)について、専ら聴覚障害者等で当該方式によつては当該聴覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、それぞれ当該各号に掲げる利用を行うことができる。ただし、当該聴覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第79条の出版権の設定を受けた者により、当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。
⊟
参照条文
第38条
【営利を目的としない上演等】
1
公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。
2
放送される著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、有線放送し、又は専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。
3
放送され、又は有線放送される著作物(放送される著作物が自動公衆送信される場合の当該著作物を含む。)は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、受信装置を用いて公に伝達することができる。通常の家庭用受信装置を用いてする場合も、同様とする。
4
公表された著作物(映画の著作物を除く。)は、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供することができる。
5
映画フィルムその他の視聴覚資料を公衆の利用に供することを目的とする視聴覚教育施設その他の施設(営利を目的として設置されているものを除く。)で政令で定めるもの及び聴覚障害者等の福祉に関する事業を行う者で前条の政令で定めるもの(同条第2号に係るものに限り、営利を目的として当該事業を行うものを除く。)は、公表された映画の著作物を、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物の貸与により頒布することができる。この場合において、当該頒布を行う者は、当該映画の著作物又は当該映画の著作物において複製されている著作物につき第26条に規定する権利を有する者(第28条の規定により第26条に規定する権利と同一の権利を有する者を含む。)に相当な額の補償金を支払わなければならない。
第39条
【時事問題に関する論説の転載等】
第40条
【政治上の演説等の利用】
1
公開して行われた政治上の演説又は陳述及び裁判手続(行政庁の行う審判その他裁判に準ずる手続を含む。第42条第1項において同じ。)における公開の陳述は、同一の著作者のものを編集して利用する場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。
2
国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人において行われた公開の演説又は陳述は、前項の規定によるものを除き、報道の目的上正当と認められる場合には、新聞紙若しくは雑誌に掲載し、又は放送し、若しくは有線放送し、若しくは当該放送を受信して同時に専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。
第41条
【時事の事件の報道のための利用】
第42条
【裁判手続等における複製】
1
著作物は、裁判手続のために必要と認められる場合及び立法又は行政の目的のために内部資料として必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2
次に掲げる手続のために必要と認められる場合についても、前項と同様とする。
①
行政庁の行う特許、意匠若しくは商標に関する審査、実用新案に関する技術的な評価又は国際出願(特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律第2条に規定する国際出願をいう。)に関する国際調査若しくは国際予備審査に関する手続
②
行政庁若しくは独立行政法人の行う薬事(医療機器(薬事法第2条第4項に規定する医療機器をいう。)に関する事項を含む。以下この号において同じ。)に関する審査若しくは調査又は行政庁若しくは独立行政法人に対する薬事に関する報告に関する手続
第42条の2
【行政機関情報公開法等による開示のための利用】
行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人は、行政機関情報公開法、独立行政法人等情報公開法又は情報公開条例の規定により著作物を公衆に提供し、又は提示することを目的とする場合には、それぞれ行政機関情報公開法第14条第1項(同項の規定に基づく政令の規定を含む。)に規定する方法、独立行政法人等情報公開法第15条第1項に規定する方法(同項の規定に基づき当該独立行政法人等が定める方法(行政機関情報公開法第14条第1項の規定に基づく政令で定める方法以外のものを除く。)を含む。)又は情報公開条例で定める方法(行政機関情報公開法第14条第1項(同項の規定に基づく政令の規定を含む。)に規定する方法以外のものを除く。)により開示するために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができる。
第42条の4
【国立国会図書館法によるインターネット資料及びオンライン資料の収集のための複製】
1
国立国会図書館の館長は、国立国会図書館法第25条の3第1項の規定により同項に規定するインターネット資料(以下この条において「インターネット資料」という。)又は同法第25条の4第3項の規定により同項に規定するオンライン資料を収集するために必要と認められる限度において、当該インターネット資料又は当該オンライン資料に係る著作物を国立国会図書館の使用に係る記録媒体に記録することができる。
第44条
【放送事業者等による一時的固定】
1
放送事業者は、第23条第1項に規定する権利を害することなく放送することができる著作物を、自己の放送のために、自己の手段又は当該著作物を同じく放送することができる他の放送事業者の手段により、一時的に録音し、又は録画することができる。
2
有線放送事業者は、第23条第1項に規定する権利を害することなく有線放送することができる著作物を、自己の有線放送(放送を受信して行うものを除く。)のために、自己の手段により、一時的に録音し、又は録画することができる。
3
前二項の規定により作成された録音物又は録画物は、録音又は録画の後六月(その期間内に当該録音物又は録画物を用いてする放送又は有線放送があつたときは、その放送又は有線放送の後六月)を超えて保存することができない。ただし、政令で定めるところにより公的な記録保存所において保存する場合は、この限りでない。
⊟
参照条文
第47条
【美術の著作物等の展示に伴う複製】
美術の著作物又は写真の著作物の原作品により、第25条に規定する権利を害することなく、これらの著作物を公に展示する者は、観覧者のためにこれらの著作物の解説又は紹介をすることを目的とする小冊子にこれらの著作物を掲載することができる。
⊟
参照条文
第47条の2
【美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製等】
美術の著作物又は写真の著作物の原作品又は複製物の所有者その他のこれらの譲渡又は貸与の権原を有する者が、第26条の2第1項又は第26条の3に規定する権利を害することなく、その原作品又は複製物を譲渡し、又は貸与しようとする場合には、当該権原を有する者又はその委託を受けた者は、その申出の用に供するため、これらの著作物について、複製又は公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)(当該複製により作成される複製物を用いて行うこれらの著作物の複製又は当該公衆送信を受信して行うこれらの著作物の複製を防止し、又は抑止するための措置その他の著作権者の利益を不当に害しないための措置として政令で定める措置を講じて行うものに限る。)を行うことができる。
⊟
参照条文
第47条の3
【プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等】
1
プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機において利用するために必要と認められる限度において、当該著作物の複製又は翻案(これにより創作した二次的著作物の複製を含む。)をすることができる。ただし、当該利用に係る複製物の使用につき、第113条第2項の規定が適用される場合は、この限りでない。
第47条の4
【保守、修理等のための一時的複製】
1
記録媒体内蔵複製機器(複製の機能を有する機器であつて、その複製を機器に内蔵する記録媒体(以下この条において「内蔵記録媒体」という。)に記録して行うものをいう。次項において同じ。)の保守又は修理を行う場合には、その内蔵記録媒体に記録されている著作物は、必要と認められる限度において、当該内蔵記録媒体以外の記録媒体に一時的に記録し、及び当該保守又は修理の後に、当該内蔵記録媒体に記録することができる。
第47条の5
【送信の障害の防止等のための複製】
1
自動公衆送信装置等(自動公衆送信装置及び特定送信装置(電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち特定送信(自動公衆送信以外の無線通信又は有線電気通信の送信で政令で定めるものをいう。以下この項において同じ。)の用に供する部分(第1号において「特定送信用記録媒体」という。)に記録され、又は当該装置に入力される情報の特定送信をする機能を有する装置をいう。)をいう。以下この条において同じ。)を他人の自動公衆送信等(自動公衆送信及び特定送信をいう。以下この条において同じ。)の用に供することを業として行う者は、次の各号に掲げる目的上必要と認められる限度において、当該自動公衆送信装置等により送信可能化等(送信可能化及び特定送信をし得るようにするための行為で政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)がされた著作物を、当該各号に定める記録媒体に記録することができる。
①
自動公衆送信等の求めが当該自動公衆送信装置等に集中することによる送信の遅滞又は当該自動公衆送信装置等の故障による送信の障害を防止すること 当該送信可能化等に係る公衆送信用記録媒体等(公衆送信用記録媒体及び特定送信用記録媒体をいう。次号において同じ。)以外の記録媒体であつて、当該送信可能化等に係る自動公衆送信等の用に供するためのもの
2
自動公衆送信装置等を他人の自動公衆送信等の用に供することを業として行う者は、送信可能化等がされた著作物(当該自動公衆送信装置等により送信可能化等がされたものを除く。)の自動公衆送信等を中継するための送信を行う場合には、当該送信後に行われる当該著作物の自動公衆送信等を中継するための送信を効率的に行うために必要と認められる限度において、当該著作物を当該自動公衆送信装置等の記録媒体のうち当該送信の用に供する部分に記録することができる。
⊟
参照条文
第47条の6
【送信可能化された情報の送信元識別符号の検索等のための複製等】
公衆からの求めに応じ、送信可能化された情報に係る送信元識別符号(自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号その他の符号をいう。以下この条において同じ。)を検索し、及びその結果を提供することを業として行う者(当該事業の一部を行う者を含み、送信可能化された情報の収集、整理及び提供を政令で定める基準に従つて行う者に限る。)は、当該検索及びその結果の提供を行うために必要と認められる限度において、送信可能化された著作物(当該著作物に係る自動公衆送信について受信者を識別するための情報の入力を求めることその他の受信を制限するための手段が講じられている場合にあつては、当該自動公衆送信の受信について当該手段を講じた者の承諾を得たものに限る。)について、記録媒体への記録又は翻案(これにより創作した二次的著作物の記録を含む。)を行い、及び公衆からの求めに応じ、当該求めに関する送信可能化された情報に係る送信元識別符号の提供と併せて、当該記録媒体に記録された当該著作物の複製物(当該著作物に係る当該二次的著作物の複製物を含む。以下この条において「検索結果提供用記録」という。)のうち当該送信元識別符号に係るものを用いて自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該検索結果提供用記録に係る著作物に係る送信可能化が著作権を侵害するものであること(国外で行われた送信可能化にあつては、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものであること)を知つたときは、その後は、当該検索結果提供用記録を用いた自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行つてはならない。
⊟
参照条文
第47条の7
【情報解析のための複製等】
第47条の8
【電子計算機における著作物の利用に伴う複製】
電子計算機において、著作物を当該著作物の複製物を用いて利用する場合又は無線通信若しくは有線電気通信の送信がされる著作物を当該送信を受信して利用する場合(これらの利用又は当該複製物の使用が著作権を侵害しない場合に限る。)には、当該著作物は、これらの利用のための当該電子計算機による情報処理の過程において、当該情報処理を円滑かつ効率的に行うために必要と認められる限度で、当該電子計算機の記録媒体に記録することができる。
⊟
参照条文
第47条の9
【情報通信技術を利用した情報提供の準備に必要な情報処理のための利用】
第47条の10
【複製権の制限により作成された複製物の譲渡】
第31条第1項(第1号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)若しくは第3項後段、第32条、第33条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第33条の2第1項若しくは第4項、第34条第1項、第35条第1項、第36条第1項、第37条、第37条の2(第2号を除く。以下この条において同じ。)、第39条第1項、第40条第1項若しくは第2項、第41条から第42条の2まで、第42条の3第2項又は第46条から第47条の2までの規定により複製することができる著作物は、これらの規定の適用を受けて作成された複製物(第31条第1項若しくは第3項後段、第35条第1項、第36条第1項又は第42条の規定に係る場合にあつては、映画の著作物の複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を含む。以下この条において同じ。)を除く。)の譲渡により公衆に提供することができる。ただし、第31条第1項若しくは第3項後段、第33条の2第1項若しくは第4項、第35条第1項、第37条第3項、第37条の2、第41条から第42条の2まで、第42条の3第2項又は第47条の2の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(第31条第1項若しくは第3項後段、第35条第1項又は第42条の規定に係る場合にあつては、映画の著作物の複製物を除く。)を、第31条第1項若しくは第3項後段、第33条の2第1項若しくは第4項、第35条第1項、第37条第3項、第37条の2、第41条から第42条の2まで、第42条の3第2項又は第47条の2に定める目的以外の目的のために公衆に譲渡する場合は、この限りでない。
⊟
参照条文
第49条
【複製物の目的外使用等】
⊟
参照条文
第52条
【無名又は変名の著作物の保護期間】
1
無名又は変名の著作物の著作権は、その著作物の公表後五十年を経過するまでの間、存続する。ただし、その存続期間の満了前にその著作者の死後五十年を経過していると認められる無名又は変名の著作物の著作権は、その著作者の死後五十年を経過したと認められる時において、消滅したものとする。
⊟
参照条文
第60条
【著作者が存しなくなつた後における人格的利益の保護】
第62条
【相続人の不存在の場合等における著作権の消滅】
1
著作権は、次に掲げる場合には、消滅する。
②
著作権者である法人が解散した場合において、その著作権が一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第239条第3項(残余財産の国庫への帰属)その他これに準ずる法律の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。
⊟
参照条文
第66条
【質権の目的となつた著作権】
2
著作権を目的とする質権は、当該著作権の譲渡又は当該著作権に係る著作物の利用につき著作権者が受けるべき金銭その他の物(出版権の設定の対価を含む。)に対しても、行なうことができる。ただし、これらの支払又は引渡し前に、これらを受ける権利を差し押えることを必要とする。
⊟
参照条文
第67条
【著作権者不明等の場合における著作物の利用】
1
公表された著作物又は相当期間にわたり公衆に提供され、若しくは提示されている事実が明らかである著作物は、著作権者の不明その他の理由により相当な努力を払つてもその著作権者と連絡することができない場合として政令で定める場合は、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託して、その裁定に係る利用方法により利用することができる。
2
前項の裁定を受けようとする者は、著作物の利用方法その他政令で定める事項を記載した申請書に、著作権者と連絡することができないことを疎明する資料その他政令で定める資料を添えて、これを文化庁長官に提出しなければならない。
第67条の2
【裁定申請中の著作物の利用】
1
前条第1項の裁定(以下この条において単に「裁定」という。)の申請をした者は、当該申請に係る著作物の利用方法を勘案して文化庁長官が定める額の担保金を供託した場合には、裁定又は裁定をしない処分を受けるまでの間(裁定又は裁定をしない処分を受けるまでの間に著作権者と連絡をすることができるに至つたときは、当該連絡をすることができるに至つた時までの間)、当該申請に係る利用方法と同一の方法により、当該申請に係る著作物を利用することができる。ただし、当該著作物の著作者が当該著作物の出版その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかであるときは、この限りでない。
5
申請中利用者は、裁定又は裁定をしない処分を受けるまでの間に著作権者と連絡をすることができるに至つたときは、当該連絡をすることができるに至つた時までの間における第1項の規定による著作物の利用に係る使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
第68条
【著作物の放送】
1
公表された著作物を放送しようとする放送事業者は、その著作権者に対し放送の許諾につき協議を求めたがその協議が成立せず、又はその協議をすることができないときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払つて、その著作物を放送することができる。
第69条
【商業用レコードへの録音等】
第78条
【登録手続等】
2
著作権登録原簿は、政令で定めるところにより、その全部又は一部を磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。第4項において同じ。)をもつて調製することができる。
第80条
【出版権の内容】
2
出版権の存続期間中に当該著作物の著作者が死亡したとき、又は、設定行為に別段の定めがある場合を除き、出版権の設定後最初の出版があつた日から三年を経過したときは、複製権者は、前項の規定にかかわらず、当該著作物を全集その他の編集物(その著作者の著作物のみを編集したものに限る。)に収録して複製することができる。
第84条
【出版権の消滅の請求】
2
出版権者が第81条第2号の義務に違反した場合において、複製権者が三月以上の期間を定めてその履行を催告したにもかかわらず、その期間内にその履行がされないときは、複製権者は、出版権者に通知してその出版権を消滅させることができる。
第86条
【出版権の制限】
1
第30条第1項(第3号を除く。次項において同じ。)、第30条の2第2項、第30条の3、第31条第1項及び第3項後段、第32条、第33条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第33条の2第1項、第34条第1項、第35条第1項、第36条第1項、第37条第1項及び第3項、第37条の2、第39条第1項、第40条第1項及び第2項、第41条から第42条の2まで、第42条の3第2項並びに第46条から第47条の2までの規定は、出版権の目的となつている著作物の複製について準用する。この場合において、第30条の2第2項、第30条の3、第35条第1項、第42条第1項及び第47条の2中「著作権者」とあるのは、「出版権者」と読み替えるものとする。
第90条の2
【氏名表示権】
3
実演家名の表示は、実演の利用の目的及び態様に照らし実演家がその実演の実演家であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるとき又は公正な慣行に反しないと認められるときは、省略することができる。
4
第1項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
①
行政機関情報公開法、独立行政法人等情報公開法又は情報公開条例の規定により行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人が実演を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該実演につき既にその実演家が表示しているところに従つて実演家名を表示するとき。
②
行政機関情報公開法第6条第2項の規定、独立行政法人等情報公開法第6条第2項の規定又は情報公開条例の規定で行政機関情報公開法第6条第2項の規定に相当するものにより行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人が実演を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該実演の実演家名の表示を省略することとなるとき。
⊟
参照条文
第93条
【放送のための固定】
1
実演の放送について第92条第1項に規定する権利を有する者の許諾を得た放送事業者は、その実演を放送のために録音し、又は録画することができる。ただし、契約に別段の定めがある場合及び当該許諾に係る放送番組と異なる内容の放送番組に使用する目的で録音し、又は録画する場合は、この限りでない。
⊟
参照条文
第94条の2
【放送される実演の有線放送】
有線放送事業者は、放送される実演を有線放送した場合(営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、実演の提示につき受ける対価をいう。次条第1項において同じ。)を受けない場合を除く。)には、当該実演(著作隣接権の存続期間内のものに限り、第92条第2項第2号に掲げるものを除く。)に係る実演家に相当な額の報酬を支払わなければならない。
第95条
【商業用レコードの二次使用】
5
第1項の2次使用料を受ける権利は、国内において実演を業とする者の相当数を構成員とする団体(その連合体を含む。)でその同意を得て文化庁長官が指定するものがあるときは、当該団体によつてのみ行使することができる。
13
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定は、第10項の協議による定め及びこれに基づいてする行為については、適用しない。ただし、不公正な取引方法を用いる場合及び関連事業者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
第95条の2
【譲渡権】
⊟
参照条文
第95条の3
【貸与権等】
2
前項の規定は、最初に販売された日から起算して一月以上十二月を超えない範囲内において政令で定める期間を経過した商業用レコード(複製されているレコードのすべてが当該商業用レコードと同一であるものを含む。以下「期間経過商業用レコード」という。)の貸与による場合には、適用しない。
3
商業用レコードの公衆への貸与を営業として行う者(以下「貸レコード業者」という。)は、期間経過商業用レコードの貸与により実演を公衆に提供した場合には、当該実演(著作隣接権の存続期間内のものに限る。)に係る実演家に相当な額の報酬を支払わなければならない。
第97条
【商業用レコードの二次使用】
3
第1項の2次使用料を受ける権利は、国内において商業用レコードの製作を業とする者の相当数を構成員とする団体(その連合体を含む。)でその同意を得て文化庁長官が指定するものがあるときは、当該団体によつてのみ行使することができる。
第97条の3
【貸与権等】
第101条の3
【実演家の死後における人格的利益の保護】
第102条
【著作隣接権の制限】
1
第30条第1項、第30条の2から第32条まで、第35条、第36条、第37条第3項、第37条の2(第1号を除く。次項において同じ。)、第38条第2項及び第4項、第41条から第42条の4まで、第44条(第2項を除く。)並びに第47条の4から第47条の9までの規定は、著作隣接権の目的となつている実演、レコード、放送又は有線放送の利用について準用し、第30条第2項及び第47条の10の規定は、著作隣接権の目的となつている実演又はレコードの利用について準用し、第44条第2項の規定は、著作隣接権の目的となつている実演、レコード又は有線放送の利用について準用する。この場合において、同条第1項中「第23条第1項」とあるのは「第92条第1項、第99条第1項又は第100条の3」と、同条第2項中「第23条第1項」とあるのは「第92条第1項又は第100条の3」と読み替えるものとする。
5
著作隣接権の目的となつている実演であつて放送されるものは、専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として送信可能化(公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものに限る。)を行うことができる。ただし、当該放送に係る第99条の2第1項に規定する権利を有する者の権利を害することとなる場合は、この限りでない。
第103条
【著作隣接権の譲渡、行使等】
第61条第1項の規定は著作隣接権の譲渡について、第62条第1項の規定は著作隣接権の消滅について、第63条の規定は実演、レコード、放送又は有線放送の利用の許諾について、第65条の規定は著作隣接権が共有に係る場合について、第66条の規定は著作隣接権を目的として質権が設定されている場合について、第67条、第67条の2(第1項ただし書を除く。)、第70条(第3項及び第4項を除く。)、第71条から第73条まで並びに第74条第3項及び第4項の規定は著作隣接権者と連絡することができない場合における実演、レコード、放送又は有線放送の利用について、それぞれ準用する。この場合において、第63条第5項中「第23条第1項」とあるのは「第92条の2第1項、第96条の2、第99条の2第1項又は第100条の4」と、第70条第5項中「前項」とあるのは「第103条において準用する第67条第1項」と読み替えるものとする。
第104条の2
【私的録音録画補償金を受ける権利の行使】
第104条の3
【指定の基準】
⊟
参照条文
第104条の4
【私的録音録画補償金の支払の特例】
1
第30条第2項の政令で定める機器(以下この章において「特定機器」という。)又は記録媒体(以下この章において「特定記録媒体」という。)を購入する者(当該特定機器又は特定記録媒体が小売に供された後最初に購入するものに限る。)は、その購入に当たり、指定管理団体から、当該特定機器又は特定記録媒体を用いて行う私的録音又は私的録画に係る私的録音録画補償金の一括の支払として、第104条の6第1項の規定により当該特定機器又は特定記録媒体について定められた額の私的録音録画補償金の支払の請求があつた場合には、当該私的録音録画補償金を支払わなければならない。
2
前項の規定により私的録音録画補償金を支払つた者は、指定管理団体に対し、その支払に係る特定機器又は特定記録媒体を専ら私的録音及び私的録画以外の用に供することを証明して、当該私的録音録画補償金の返還を請求することができる。
第104条の6
【私的録音録画補償金の額】
1
第104条の2第1項の規定により指定管理団体が私的録音録画補償金を受ける権利を行使する場合には、指定管理団体は、私的録音録画補償金の額を定め、文化庁長官の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
3
指定管理団体は、第104条の4第1項の規定により支払の請求をする私的録音録画補償金に係る第1項の認可の申請に際し、あらかじめ、製造業者等の団体で製造業者等の意見を代表すると認められるものの意見を聴かなければならない。
4
文化庁長官は、第1項の認可の申請に係る私的録音録画補償金の額が、第30条第1項(第102条第1項において準用する場合を含む。)及び第104条の4第1項の規定の趣旨、録音又は録画に係る通常の使用料の額その他の事情を考慮した適正な額であると認めるときでなければ、その認可をしてはならない。
⊟
参照条文
第104条の7
【補償金関係業務の執行に関する規程】
2
前項の規程には、私的録音録画補償金(第104条の4第1項の規定に基づき支払を受けるものに限る。)の分配に関する事項を含むものとし、指定管理団体は、第30条第2項の規定の趣旨を考慮して当該分配に関する事項を定めなければならない。
⊟
参照条文
第104条の8
【著作権等の保護に関する事業等のための支出】
1
指定管理団体は、私的録音録画補償金(第104条の4第1項の規定に基づき支払を受けるものに限る。)の額の二割以内で政令で定める割合に相当する額を、著作権及び著作隣接権の保護に関する事業並びに著作物の創作の振興及び普及に資する事業のために支出しなければならない。
⊟
参照条文
第104条の9
【報告の徴収等】
文化庁長官は、指定管理団体の補償金関係業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、指定管理団体に対し、補償金関係業務に関して報告をさせ、若しくは帳簿、書類その他の資料の提出を求め、又は補償金関係業務の執行方法の改善のため必要な勧告をすることができる。
⊟
参照条文
第108条
【あつせんへの付託】
1
文化庁長官は、第106条の規定に基づき当事者の双方からあつせんの申請があつたとき、又は当事者の一方からあつせんの申請があつた場合において他の当事者がこれに同意したときは、委員によるあつせんに付するものとする。
2
文化庁長官は、前項の申請があつた場合において、事件がその性質上あつせんをするのに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的でみだりにあつせんの申請をしたと認めるときは、あつせんに付さないことができる。
⊟
参照条文
第112条
【差止請求権】
1
著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、その著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
2
著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物、侵害の行為によつて作成された物又は専ら侵害の行為に供された機械若しくは器具の廃棄その他の侵害の停止又は予防に必要な措置を請求することができる。
第113条
【侵害とみなす行為】
1
次に掲げる行為は、当該著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。
②
著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為によつて作成された物(前号の輸入に係る物を含む。)を、情を知つて、頒布し、頒布の目的をもつて所持し、若しくは頒布する旨の申出をし、又は業として輸出し、若しくは業としての輸出の目的をもつて所持する行為
5
国内において頒布することを目的とする商業用レコード(以下この項において「国内頒布目的商業用レコード」という。)を自ら発行し、又は他の者に発行させている著作権者又は著作隣接権者が、当該国内頒布目的商業用レコードと同一の商業用レコードであつて、専ら国外において頒布することを目的とするもの(以下この項において「国外頒布目的商業用レコード」という。)を国外において自ら発行し、又は他の者に発行させている場合において、情を知つて、当該国外頒布目的商業用レコードを国内において頒布する目的をもつて輸入する行為又は当該国外頒布目的商業用レコードを国内において頒布し、若しくは国内において頒布する目的をもつて所持する行為は、当該国外頒布目的商業用レコードが国内で頒布されることにより当該国内頒布目的商業用レコードの発行により当該著作権者又は著作隣接権者の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限り、それらの著作権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。ただし、国内において最初に発行された日から起算して七年を超えない範囲内において政令で定める期間を経過した国内頒布目的商業用レコードと同一の国外頒布目的商業用レコードを輸入する行為又は当該国外頒布目的商業用レコードを国内において頒布し、若しくは国内において頒布する目的をもつて所持する行為については、この限りでない。
第113条の2
【善意者に係る譲渡権の特例】
著作物の原作品若しくは複製物(映画の著作物の複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を含む。)を除く。以下この条において同じ。)、実演の録音物若しくは録画物又はレコードの複製物の譲渡を受けた時において、当該著作物の原作品若しくは複製物、実演の録音物若しくは録画物又はレコードの複製物がそれぞれ第26条の2第2項各号、第95条の2第3項各号又は第97条の2第2項各号のいずれにも該当しないものであることを知らず、かつ、知らないことにつき過失がない者が当該著作物の原作品若しくは複製物、実演の録音物若しくは録画物又はレコードの複製物を公衆に譲渡する行為は、第26条の2第1項、第95条の2第1項又は第97条の2第1項に規定する権利を侵害する行為でないものとみなす。
⊟
参照条文
第114条
【損害の額の推定等】
1
著作権者、出版権者又は著作隣接権者(以下この項において「著作権者等」という。)が故意又は過失により自己の著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為によつて作成された物を譲渡し、又はその侵害の行為を組成する公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行つたときは、その譲渡した物の数量又はその公衆送信が公衆によつて受信されることにより作成された著作物若しくは実演等の複製物(以下この項において「受信複製物」という。)の数量(以下この項において「譲渡等数量」という。)に、著作権者等がその侵害の行為がなければ販売することができた物(受信複製物を含む。)の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を、著作権者等の当該物に係る販売その他の行為を行う能力に応じた額を超えない限度において、著作権者等が受けた損害の額とすることができる。ただし、譲渡等数量の全部又は一部に相当する数量を著作権者等が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量に応じた額を控除するものとする。
2
著作権者、出版権者又は著作隣接権者が故意又は過失によりその著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、当該著作権者、出版権者又は著作隣接権者が受けた損害の額と推定する。
第114条の3
【書類の提出等】
1
裁判所は、著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権の侵害に係る訴訟においては、当事者の申立てにより、当事者に対し、当該侵害の行為について立証するため、又は当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な書類の提出を命ずることができる。ただし、その書類の所持者においてその提出を拒むことについて正当な理由があるときは、この限りでない。
2
裁判所は、前項ただし書に規定する正当な理由があるかどうかの判断をするため必要があると認めるときは、書類の所持者にその提示をさせることができる。この場合においては、何人も、その提示された書類の開示を求めることができない。
3
裁判所は、前項の場合において、第1項ただし書に規定する正当な理由があるかどうかについて前項後段の書類を開示してその意見を聴くことが必要であると認めるときは、当事者等(当事者(法人である場合にあつては、その代表者)又は当事者の代理人(訴訟代理人及び補佐人を除く。)、使用人その他の従業者をいう。第114条の6第1項において同じ。)、訴訟代理人又は補佐人に対し、当該書類を開示することができる。
⊟
参照条文
第114条の6
【秘密保持命令】
1
裁判所は、著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権の侵害に係る訴訟において、その当事者が保有する営業秘密(不正競争防止法第2条第6項に規定する営業秘密をいう。以下同じ。)について、次に掲げる事由のいずれにも該当することにつき疎明があつた場合には、当事者の申立てにより、決定で、当事者等、訴訟代理人又は補佐人に対し、当該営業秘密を当該訴訟の追行の目的以外の目的で使用し、又は当該営業秘密に係るこの項の規定による命令を受けた者以外の者に開示してはならない旨を命ずることができる。ただし、その申立ての時までに当事者等、訴訟代理人又は補佐人が第1号に規定する準備書面の閲読又は同号に規定する証拠の取調べ若しくは開示以外の方法により当該営業秘密を取得し、又は保有していた場合は、この限りでない。
①
既に提出され若しくは提出されるべき準備書面に当事者の保有する営業秘密が記載され、又は既に取り調べられ若しくは取り調べられるべき証拠(第114条の3第3項の規定により開示された書類を含む。)の内容に当事者の保有する営業秘密が含まれること。
②
前号の営業秘密が当該訴訟の追行の目的以外の目的で使用され、又は当該営業秘密が開示されることにより、当該営業秘密に基づく当事者の事業活動に支障を生ずるおそれがあり、これを防止するため当該営業秘密の使用又は開示を制限する必要があること。
第114条の7
【秘密保持命令の取消し】
1
秘密保持命令の申立てをした者又は秘密保持命令を受けた者は、訴訟記録の存する裁判所(訴訟記録の存する裁判所がない場合にあつては、秘密保持命令を発した裁判所)に対し、前条第1項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至つたことを理由として、秘密保持命令の取消しの申立てをすることができる。
第114条の8
【訴訟記録の閲覧等の請求の通知等】
1
秘密保持命令が発せられた訴訟(すべての秘密保持命令が取り消された訴訟を除く。)に係る訴訟記録につき、民事訴訟法第92条第1項の決定があつた場合において、当事者から同項に規定する秘密記載部分の閲覧等の請求があり、かつ、その請求の手続を行つた者が当該訴訟において秘密保持命令を受けていない者であるときは、裁判所書記官は、同項の申立てをした当事者(その請求をした者を除く。第3項において同じ。)に対し、その請求後直ちに、その請求があつた旨を通知しなければならない。
第115条
【名誉回復等の措置】
第116条
【著作者又は実演家の死後における人格的利益の保護のための措置】
3
著作者又は実演家は、遺言により、遺族に代えて第1項の請求をすることができる者を指定することができる。この場合において、その指定を受けた者は、当該著作者又は実演家の死亡の日の属する年の翌年から起算して五十年を経過した後(その経過する時に遺族が存する場合にあつては、その存しなくなつた後)においては、その請求をすることができない。
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参照条文
第117条
【共同著作物等の権利侵害】
1
共同著作物の各著作者又は各著作権者は、他の著作者又は他の著作権者の同意を得ないで、第112条の規定による請求又はその著作権の侵害に係る自己の持分に対する損害の賠償の請求若しくは自己の持分に応じた不当利得の返還の請求をすることができる。
第119条
3
第30条第1項に定める私的使用の目的をもつて、有償著作物等(録音され、又は録画された著作物又は実演等(著作権又は著作隣接権の目的となつているものに限る。)であつて、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権又は著作隣接権を侵害しないものに限る。)をいう。)の著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権又は著作隣接権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行つて著作権又は著作隣接権を侵害した者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第120条の2
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第121条の2
次の各号に掲げる商業用レコード(当該商業用レコードの複製物(二以上の段階にわたる複製に係る複製物を含む。)を含む。)を商業用レコードとして複製し、その複製物を頒布し、その複製物を頒布の目的をもつて所持し、又はその複製物を頒布する旨の申出をした者(当該各号の原盤に音を最初に固定した日の属する年の翌年から起算して五十年を経過した後において当該複製、頒布、所持又は申出を行つた者を除く。)は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
②
国外において商業用レコードの製作を業とする者が、実演家等保護条約の締約国の国民、世界貿易機関の加盟国の国民又はレコード保護条約の締約国の国民(当該締約国の法令に基づいて設立された法人及び当該締約国に主たる事務所を有する法人を含む。)であるレコード製作者からそのレコード(第8条各号のいずれかに該当するものを除く。)の原盤の提供を受けて製作した商業用レコード
第124条
1
法人の代表者(法人格を有しない社団又は財団の管理人を含む。)又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
2
法人格を有しない社団又は財団について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその社団又は財団を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
3
第1項の場合において、当該行為者に対してした告訴又は告訴の取消しは、その法人又は人に対しても効力を生じ、その法人又は人に対してした告訴又は告訴の取消しは、当該行為者に対しても効力を生ずるものとする。
附則
第2条
(適用範囲についての経過措置)
第3条
(国等が作成した翻訳物等についての経過措置)
第5条
(映画の著作物等の著作権の帰属についての経過措置)
第5条の2
(自動複製機器についての経過措置)
第6条
(公開の美術の著作物についての経過措置)
第7条
(著作物の保護期間についての経過措置)
第10条
(合著作物についての経過措置)
第11条
(裁定による著作物の利用についての経過措置)
第12条
(登録についての経過措置)
第13条
(出版権についての経過措置)
第15条
(著作隣接権についての経過措置)
1
この法律の施行前にした旧法の著作権の譲渡その他の処分で、この法律の施行前に行われた実演又はこの法律の施行前にその音が最初に固定されたレコードでこの法律の施行の日から新法中著作隣接権に関する規定が適用されることとなるものに係るものは、新法のこれに相当する著作隣接権の譲渡その他の処分とみなす。
第16条
(複製物の頒布等についての経過措置)
第17条
(権利侵害についての経過措置)
附則
昭和59年5月25日
附則
昭和60年6月14日
1
この法律は、昭和六十一年一月一日から施行する。ただし、第七十六条の次に一条を加える改正規定及び第七十八条第一項の改正規定並びに附則第六項の規定は、改正後の著作権法第七十八条の二に規定する法律の施行の日から施行する。
3
改正後の著作権法第七十八条の二に規定する法律の施行の日前六月以内に創作されたプログラムの著作物に係る著作権法第七十六条の二第一項の登録については、その施行の日から三月を経過する日までの間は、同項ただし書の規定は、適用しない。
附則
附則
平成3年5月2日
附則
平成4年12月16日
1
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、目次の改正規定、第七章を第八章とし、第六章を第七章とし、第五章を第六章とし、第四章の次に一章を加える改正規定(第百四条の四、第百四条の五並びに第百四条の八第一項及び第三項に係る部分を除く。)及び附則第十七条の改正規定は、公布の日から施行する。
附則
平成6年12月14日
2
第一条の規定による改正後の著作権法(以下「新法」という。)第七条第四号に掲げる実演)同条第一号から第三号までに掲げる実演に該当するものを除く。)で次に掲げるもの又は同条第五号に掲げる実演で次に掲げるものに対する著作権法中著作隣接権に関する規定(第九十五条の三第三項及び第四項の規定を含む。)の適用については、著作権法の一部を改正する法律附則第三項、著作権法の一部を改正する法律(平成元年法律第四十三号。以下「平成元年改正法」という。)附則第二項及び著作権法の一部を改正する法律(附則第四項において「平成三年改正法」という。)附則第二項の規定は、適用しない。
3
前項各号に掲げる実演に係る実演家で当該実演が行われた際国内に常居所を有しない外国人であったものに対する著作権法中著作隣接権に関する規定(第九十五条の三第三項及び第四項の規定を含む。)の適用については、平成元年改正法附則第四項の規定は、適用しない。
4
次に掲げるレコードに対する著作権法中著作隣接権に関する規定(第九十七条の三第三項から第五項までの規定を含む。)の適用については、平成元年改正法附則第二項及び第三項並びに平成三年改正法附則第三項の規定は、適用しない。
6
新法第百二十一条の二の規定は、著作権法の施行地外において商業用レコードの製作を業とする者が世界貿易機関の加盟国の国民(実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約又はレコード保護条約の締約国の国民(これらの条約の締約国の法令に基づいて設立された法人及び当該締約国に主たる事務所を有する法人を含む。)である場合を除く。)であるレコード製作者からそのレコード(新法第八条各号のいずれかに該当するものを除く。)の原盤の提供を受けて製作した商業用レコードで、当該原盤に音を最初に固定した日の属する年の翌年から起算して二十年を経過する日が著作権法の一部を改正する法律の施行前であるもの(当該商業用レコードの複製物(二以上の段階にわたる複製に係る複製物を含む。)を含む。)を商業用レコードとして複製し、その複製物を頒布の目的をもって所持する行為であって、この法律の施行後に行われるものについては、適用しない。
附則
平成8年12月26日
附則
平成9年6月18日
2
改正後の著作権法(以下「新法」という。)第二十三条第一項、第九十二条の二第一項又は第九十六条の二の規定は、この法律の施行の際現に自動公衆送信される状態に置かれている著作物、実演(改正前の著作権法(以下「旧法」という。)第九十二条第二項第二号に掲げるものに限る。以下この項において同じ。)又はレコードを、当該自動公衆送信に係る送信可能化を行った者(当該送信可能化を行った者とこの法律の施行の際現に当該著作物、実演又はレコードを当該送信可能化に係る新法第二条第一項第九号の五の自動公衆送信装置を用いて自動公衆送信される状態に置いている者が異なる場合には、当該自動公衆送信される状態に置いている者)が当該自動公衆送信装置を用いて送信可能化する場合には、適用しない。
附則
平成11年6月23日
1
この法律は、平成十二年一月一日から施行する。ただし、第二条第一項第十九号の次に二号を加える改正規定、第三十条第一項の改正規定、第百十三条の改正規定、第百十九条の改正規定、第百二十条の次に一条を加える改正規定、第百二十三条第一項の改正規定及び附則第五条の二の改正規定並びに附則第五項の規定は、平成十一年十月一日から施行する。
2
改正後の著作権法第二十六条の二第一項、第九十五条の二第一項及び第九十七条の二第一項の規定は、この法律の施行の際現に存する著作物の原作品若しくは複製物、実演の録音物若しくは録画物又はレコードの複製物(著作権法第二十一条、第九十一条第一項又は第九十六条に規定する権利を有する者の権利を害さずに作成されたものに限り、出版権者が作成した著作物の複製物を除く。)の譲渡による場合には、適用しない。
3
改正後の著作権法第二十六条の二第一項の規定は、この法律の施行前に設定された出版権でこの法律の施行の際現に存するものを有する者が当該出版権の存続期間中に行う当該出版権の目的となっている著作物の複製物の頒布については、適用しない。
5
平成十一年十月一日からこの法律の施行の日の前日までの間は、改正後の著作権法第百十三条第四項中「第九十五条の三第三項」とあるのは「第九十五条の二第三項」と、「第九十七条の三第三項」とあるのは「第九十七条の二第三項」とする。
附則
平成14年6月19日
2
改正後の著作権法(以下「新法」という。)第七条第四号に掲げる実演(同条第一号から第三号までに掲げる実演に該当するものを除く。)で次に掲げるもの又は同条第五号に掲げる実演で次に掲げるものに対する新法中著作隣接権に関する規定(第九十五条並びに第九十五条の三第三項及び第四項の規定を含む。)の適用については、著作権法の一部を改正する法律附則第三項、著作権法の一部を改正する法律(平成元年法律第四十三号。以下「平成元年改正法」という。)附則第二項及び著作権法の一部を改正する法律(以下「平成三年改正法」という。)附則第二項の規定は、適用しない。
3
前項各号に掲げる実演に係る実演家で当該実演が行われた際国内に常居所を有しない外国人であったものに対する新法中著作隣接権に関する規定(第九十五条並びに第九十五条の三第三項及び第四項の規定を含む。)の適用については、平成元年改正法附則第四項の規定は、適用しない。
4
次に掲げるレコードに対する新法中著作隣接権に関する規定(第九十七条及び第九十七条の三第三項から第五項までの規定を含む。)の適用については、平成元年改正法附則第二項及び第三項並びに平成三年改正法附則第三項の規定は、適用しない。
5
この法律の施行前にその実演家の許諾を得て作成された録音物又は録画物に固定されている実演については、新法第九十条の二第一項の規定及び第九十条の三第一項の規定は、適用しない。ただし、この法律の施行後、当該実演に表示されていた当該実演に係る実演家名の表示を削除し、若しくは改変した場合若しくは当該実演に新たに実演家名を表示した場合又は当該実演を改変した場合には、この限りでない。
6
実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約(以下この項及び次項において「実演家等保護条約」という。)の締約国であり、かつ実演・レコード条約の締約国である国の国民をレコード製作者とするレコードに固定されている実演であって、実演家等保護条約が日本国について効力を生じた日より前に当該固定がされた実演に係る実演家についての新法第九十五条第一項の規定の適用については、同条第二項の規定にかかわらず、同条第四項の規定の例による。
附則
平成21年6月19日
第1条
(施行期日)
第2条
(視覚障害者のための録音物の使用についての経過措置)
第3条
(裁定による著作物の利用等についての経過措置)
第4条
(商業用レコードの複製物の頒布の申出についての経過措置)
附則
平成24年6月27日
第2条
(経過措置)
1
この法律による改正後の著作権法(以下「新法」という。)第十八条第三項第一号から第三号までの規定は、前条第二号に掲げる規定の施行前に著作者が行政機関(行政機関の保有する情報の公開に関する法律第二条第一項に規定する行政機関をいう。)、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第二条第一項に規定する独立行政法人等をいう。)又は地方公共団体若しくは地方独立行政法人(地方独立行政法人法第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。以下この項において同じ。)に提供した著作物でまだ公表されていないもの(その著作者の同意を得ないで公表された著作物を含む。)であって、公文書等の管理に関する法律(以下この項において「公文書管理法」という。)第八条第一項若しくは第十一条第四項の規定により国立公文書館等(公文書管理法第二条第三項に規定する国立公文書館等をいう。次項において同じ。)に移管されたもの又は公文書管理条例(地方公共団体又は地方独立行政法人の保有する歴史公文書等(公文書管理法第二条第六項に規定する歴史公文書等をいう。以下この項において同じ。)の適切な保存及び利用について定める当該地方公共団体の条例をいう。以下この項において同じ。)に基づき地方公文書館等(歴史公文書等の適切な保存及び利用を図る施設として公文書管理条例が定める施設をいう。次項において同じ。)に移管されたものについては、適用しない。
第3条
第7条
(国民に対する啓発等)
1
国及び地方公共団体は、国民が、新法第三十条第一項(新法第百二条第一項において準用する場合を含む。)に定める私的使用の目的をもって、有償著作物等(新法第百十九条第三項に規定する有償著作物等をいう。以下同じ。)の著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であって、国内で行われたとしたならば著作権又は著作隣接権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行って著作権又は著作隣接権を侵害する行為(以下「特定侵害行為」という。)の防止の重要性に対する理解を深めることができるよう、特定侵害行為の防止に関する啓発その他の必要な措置を講じなければならない。