第1条
【目的】
この法律は、少子高齢化の進展、高齢期の生活の多様化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定拠出年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。
第2条
【定義】
1
この法律において「確定拠出年金」とは、企業型年金及び個人型年金をいう。
2
この法律において「企業型年金」とは、厚生年金適用事業所の事業主が、単独で又は共同して、
次章の規定に基づいて実施する年金制度をいう。
3
この法律において「個人型年金」とは、連合会が、
第3章の規定に基づいて実施する年金制度をいう。
5
この法律において「連合会」とは、国民年金基金連合会であって、個人型年金を実施する者として厚生労働大臣が全国を通じて一個に限り指定したものをいう。
6
この法律において「被用者年金被保険者等」とは、次に掲げる者であって、六十歳未満のものをいう。
7
この法律において「確定拠出年金運営管理業」とは、次に掲げる業務(以下「運営管理業務」という。)の全部又は一部を行う事業をいう。
①
確定拠出年金における次のイからハまでに掲げる業務(連合会が行う個人型年金加入者の資格の確認に係る業務その他の厚生労働省令で定める業務を除く。以下「記録関連業務」という。)
イ
企業型年金加入者及び企業型年金運用指図者並びに個人型年金加入者及び個人型年金運用指図者(以下「加入者等」と総称する。)の氏名、住所、個人別管理資産額その他の加入者等に関する事項の記録、保存及び通知
ロ
加入者等が行った運用の指図の取りまとめ及びその内容の資産管理機関(企業型年金を実施する事業主が
第8条第1項の規定により締結した契約の相手方をいう。以下同じ。)又は連合会への通知
②
確定拠出年金における運用の方法の選定及び加入者等に対する提示並びに当該運用の方法に係る情報の提供(以下「運用関連業務」という。)
8
この法律において「企業型年金加入者」とは、企業型年金において、その者について企業型年金を実施する厚生年金適用事業所の事業主により掛金が拠出され、かつ、その個人別管理資産について運用の指図を行う者をいう。
9
この法律において「企業型年金運用指図者」とは、企業型年金において、その個人別管理資産について運用の指図を行う者(企業型年金加入者を除く。)をいう。
10
この法律において「個人型年金加入者」とは、個人型年金において、掛金を拠出し、かつ、その個人別管理資産について運用の指図を行う者をいう。
11
この法律において「個人型年金運用指図者」とは、個人型年金において、その個人別管理資産について運用の指図を行う者(個人型年金加入者を除く。)をいう。
12
この法律において「個人別管理資産」とは、企業型年金加入者若しくは企業型年金加入者であった者又は個人型年金加入者若しくは個人型年金加入者であった者に支給する給付に充てるべきものとして、一の企業型年金又は個人型年金において積み立てられている資産をいう。
13
この法律において「個人別管理資産額」とは、個人別管理資産の額として政令で定めるところにより計算した額をいう。
第3条
【規約の承認】
1
厚生年金適用事業所の事業主は、企業型年金を実施しようとするときは、企業型年金を実施しようとする厚生年金適用事業所に使用される被用者年金被保険者等の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該被用者年金被保険者等の過半数で組織する労働組合がないときは当該被用者年金被保険者等の過半数を代表する者の同意を得て、企業型年金に係る規約を作成し、当該規約について厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
2
二以上の厚生年金適用事業所について企業型年金を実施しようとする場合においては、
前項の同意は、各厚生年金適用事業所について得なければならない。
3
企業型年金に係る規約においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
②
企業型年金が実施される厚生年金適用事業所(以下「実施事業所」という。)の名称及び所在地(
厚生年金保険法第6条第1項第3号に規定する船舶(以下「船舶」という。)の場合にあっては、
同号に規定する船舶所有者の名称及び所在地)
③
事業主が運営管理業務の全部又は一部を行う場合にあっては、その行う業務
④
事業主が
第7条第1項の規定により運営管理業務の全部又は一部を委託した場合にあっては、当該委託を受けた確定拠出年金運営管理機関(
第88条第1項の登録を受けて確定拠出年金運営管理業を営む者をいう。以下同じ。)(
第7条第2項の規定により再委託を受けた確定拠出年金運営管理機関を含む。)の名称及び住所並びにその行う業務
⑥
実施事業所に使用される被用者年金被保険者等が企業型年金加入者となることについて一定の資格を定める場合にあっては、当該資格に関する事項
⑦
事業主が拠出する掛金(以下「事業主掛金」という。)の額の算定方法に関する事項
⑦の2
企業型年金加入者が掛金を拠出する場合にあっては、当該掛金(以下「企業型年金加入者掛金」という。)の額の決定又は変更の方法その他その拠出に関する事項
⑨
企業型年金の給付の額及びその支給の方法に関する事項
⑩
企業型年金加入者が資格を喪失した日において実施事業所に使用された期間が三年未満である場合において、その者の個人別管理資産のうち当該企業型年金に係る事業主掛金に相当する部分として政令で定めるものの全部又は一部を当該事業主掛金に係る事業主に返還することを定めるときは、当該事業主に返還する資産の額(以下「返還資産額」という。)の算定方法に関する事項
⑪
企業型年金の実施に要する事務費の負担に関する事項
第4条
【承認の基準等】
1
厚生労働大臣は、
前条第1項の承認の申請があった場合において、当該申請に係る規約が次に掲げる要件に適合すると認めるときは、
同項の承認をするものとする。
②
実施事業所に使用される被用者年金被保険者等が企業型年金加入者となることについて一定の資格を定めた場合にあっては、当該資格は、当該実施事業所において実施されている厚生年金基金その他政令で定める年金制度(
第54条第1項において「企業年金制度」という。)及び退職手当制度が適用される者の範囲に照らし、特定の者について不当に差別的なものでないこと。
③
事業主掛金について、定額又は給与に一定の率を乗ずる方法その他これに類する方法により算定した額によることが定められていること。
③の2
前条第3項第7号の2に掲げる事項を定めた場合にあっては、各企業型年金加入者に係る企業型年金加入者掛金の額が当該企業型年金加入者に係る事業主掛金の額を超えないように企業型年金加入者掛金の額の決定又は変更の方法が定められていること。
④
提示される運用の方法の数又は種類について、
第23条第1項の規定に反しないこと。
⑤
企業型年金加入者及び企業型年金運用指図者(以下「企業型年金加入者等」という。)による運用の指図は、少なくとも三月に一回、行い得るものであること。
⑥
企業型年金の給付の額の算定方法が政令で定める基準に合致していること。
⑦
企業型年金加入者が資格を喪失した日において実施事業所に使用された期間が三年以上である場合又は企業型年金加入者が当該企業型年金の障害給付金の受給権を有する場合について、その者の個人別管理資産が移換されるときは、そのすべてを移換するものとされていること。
2
厚生労働大臣は、
前条第1項の承認をしたときは、速やかに、その旨をその申請をした事業主に通知しなければならない。
3
事業主は、
前条第1項の承認を受けたときは、遅滞なく、
同項の承認を受けた規約(以下「企業型年金規約」という。)を実施事業所に使用される被用者年金被保険者等に周知させなければならない。
第5条
【規約の変更】
1
事業主は、企業型年金規約の変更(厚生労働省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、その変更について厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
2
前項の変更の承認の申請は、実施事業所に使用される被用者年金被保険者等の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該被用者年金被保険者等の過半数で組織する労働組合がないときは当該被用者年金被保険者等の過半数を代表する者の同意を得て行わなければならない。
3
前項の場合において、実施事業所が二以上であるときは、
同項の同意は、各実施事業所について得なければならない。ただし、
第1項の変更がすべての実施事業所に係るものでない場合であって、規約において、あらかじめ、当該変更に係る事項を定めているときは、当該変更に係る実施事業所について
前項の同意があったときは、当該変更に係る実施事業所以外の実施事業所についても
同項の同意があったものとみなすことができる。
4
前条の規定は、
第1項の変更の承認の申請があった場合について準用する。この場合において、
同条第3項中「被用者年金被保険者等」とあるのは、「被用者年金被保険者等(企業型年金運用指図者に係る事項に重要な変更を加えたときは、企業型年金運用指図者を含む。)」と読み替えるものとする。
第6条
1
事業主は、企業型年金規約の変更(
前条第1項の厚生労働省令で定める変更に限る。)をしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。
第7条
【運営管理業務の委託】
1
事業主は、政令で定めるところにより、運営管理業務の全部又は一部を確定拠出年金運営管理機関に委託することができる。
2
確定拠出年金運営管理機関は、政令で定めるところにより、
前項の規定により委託を受けた運営管理業務の一部を他の確定拠出年金運営管理機関に再委託することができる。
3
運営管理業務の全部又は一部を行う確定拠出年金運営管理機関が欠けることとなるときは、事業主は、当該全部若しくは一部の運営管理業務を自ら行い、又は当該運営管理業務を承継すべき確定拠出年金運営管理機関を定めて当該運営管理業務を委託しなければならない。
4
前三項に定めるもののほか、運営管理業務の委託に関し必要な事項は、政令で定める。
第8条
【資産管理契約の締結】
1
事業主は、政令で定めるところにより、給付に充てるべき積立金(以下「積立金」という。)について、次の各号のいずれかに掲げる契約を締結しなければならない。
①
信託会社(
信託業法第3条又は
第53条第1項の免許を受けたものに限る。以下同じ。)、信託業務を営む金融機関、厚生年金基金又は企業年金基金を相手方とする運用の方法を特定する信託の契約
2
前項各号に規定する者は、正当な理由がある場合を除き、
同項各号に掲げる契約(以下「資産管理契約」という。)の締結を拒絶してはならない。
3
資産管理機関が欠けることとなるときは、事業主は、別に資産管理契約の相手方となるべき者を定めて、資産管理契約を締結しなければならない。
4
資産管理契約が解除されたときは、当該解除された資産管理契約に係る資産管理機関は、速やかに、当該資産管理契約に係る積立金を事業主が定めた資産管理機関に移換しなければならない。
5
前各項に定めるもののほか、資産管理契約の締結に関し必要な事項は、政令で定める。
第9条
【企業型年金加入者】
1
実施事業所に使用される被用者年金被保険者等は、企業型年金加入者とする。
2
実施事業所に使用される被用者年金被保険者等が企業型年金加入者となることについて企業型年金規約で一定の資格を定めたときは、当該資格を有しない者は、
前項の規定にかかわらず、企業型年金加入者としない。
第10条
【資格取得の時期】
企業型年金加入者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日に、企業型年金加入者の資格を取得する。
②
その使用される事業所若しくは事務所(以下「事業所」という。)又は船舶が、実施事業所となったとき。
③
実施事業所に使用される者が、被用者年金被保険者等となったとき。
④
実施事業所に使用される者が、企業型年金規約により定められている資格を取得したとき。
第11条
【資格喪失の時期】
企業型年金加入者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(その事実があった日にさらに
前条各号のいずれかに該当するに至ったとき、又は
第6号に該当するに至ったときは、当該至った日)に、企業型年金加入者の資格を喪失する。
③
その使用される事業所又は船舶が、実施事業所でなくなったとき。
⑤
企業型年金規約により定められている資格を喪失したとき。
第12条
【企業型年金加入者の資格の得喪に関する特例】
企業型年金加入者の資格を取得した月にその資格を喪失した者は、その資格を取得した日にさかのぼって、企業型年金加入者でなかったものとみなす。
第13条
【同時に二以上の企業型年金の企業型年金加入者となる資格を有する者の取扱い】
1
同時に二以上の企業型年金の企業型年金加入者となる資格を有する者は、
第9条の規定にかかわらず、その者の選択する一の企業型年金以外の企業型年金の企業型年金加入者としないものとする。
2
前項の選択は、その者が二以上の企業型年金の企業型年金加入者となる資格を有するに至った日から起算して十日以内にしなければならない。
3
第1項に規定する者は、
同項の選択をしたときは、その者が二以上の企業型年金の企業型年金加入者となる資格を有するに至った日にさかのぼって、その選択した一の企業型年金以外の企業型年金の企業型年金加入者でなかったものとする。
4
第1項に規定する者が
同項の選択をしなかったときは、その者は、政令で定めるところにより、当該二以上の企業型年金のうちその一の企業型年金を選択したものとみなす。
5
甲企業型年金の企業型年金加入者が同時に乙企業型年金の企業型年金加入者となる資格を有するに至った場合において、
第1項の規定により乙企業型年金を選択したときは、その者は、乙企業型年金の企業型年金加入者となった日に、甲企業型年金の企業型年金加入者の資格を喪失する。
6
第1項に規定する者が、
同項の規定により選択した企業型年金の企業型年金加入者でなくなったときは、その者は、その日に、当該企業型年金以外の企業型年金の企業型年金加入者の資格を取得する。
第14条
【企業型年金加入者期間】
1
企業型年金加入者である期間(以下「企業型年金加入者期間」という。)を計算する場合には、月によるものとし、企業型年金加入者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。
2
企業型年金加入者の資格を喪失した後、再びもとの企業型年金の企業型年金加入者の資格を取得した者については、当該企業型年金における前後の企業型年金加入者期間を合算する。
第15条
【企業型年金運用指図者】
1
次に掲げる者は、企業型年金運用指図者とする。
①
第11条第6号に該当するに至ったことにより企業型年金加入者の資格を喪失した者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)
②
企業型年金の企業型年金加入者であった者であって当該企業型年金の年金たる障害給付金の受給権を有するもの
2
企業型年金運用指図者は、
前項各号に掲げる者のいずれかに該当するに至った日に、企業型年金運用指図者の資格を取得する。
3
企業型年金運用指図者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(
第3号に該当するに至ったときは、当該至った日)に、企業型年金運用指図者の資格を喪失する。
②
当該企業型年金に個人別管理資産がなくなったとき。
4
第12条の規定は企業型年金運用指図者の資格について、
前条の規定は企業型年金運用指図者である期間(以下「企業型年金運用指図者期間」という。)を計算する場合について準用する。
第16条
【通知等】
1
事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、その実施する企業型年金の企業型年金加入者の氏名及び住所その他の事項を当該企業型年金の企業型年金加入者等に係る記録関連業務を行う確定拠出年金運営管理機関(以下「企業型記録関連運営管理機関」という。)に通知しなければならない。ただし、当該事業主が記録関連業務の全部を行う場合にあっては、この限りでない。
2
企業型年金加入者は、厚生労働省令で定めるところにより、
第13条第1項の規定により選択した企業型年金その他の事項を事業主又は企業型記録関連運営管理機関に申し出なければならない。
第17条
企業型年金運用指図者は、厚生労働省令で定めるところにより、氏名及び住所その他の事項を企業型記録関連運営管理機関(記録関連業務を行う事業主を含む。以下「企業型記録関連運営管理機関等」という。)に申し出なければならない。
第18条
【企業型年金加入者等原簿】
1
企業型記録関連運営管理機関等は、厚生労働省令で定めるところにより、企業型年金加入者等に関する原簿を備え、これに企業型年金加入者等の氏名及び住所、資格の取得及び喪失の年月日、個人別管理資産額その他厚生労働省令で定める事項を記録し、これを保存しなければならない。
2
企業型年金加入者及び企業型年金加入者であった者(死亡一時金を受けることができる者を含む。)は、企業型記録関連運営管理機関等に対し、
前項の原簿の閲覧を請求し、又は当該原簿に記録された事項について照会することができる。この場合においては、企業型記録関連運営管理機関等は、正当な理由がある場合を除き、閲覧の請求又は照会の回答を拒んではならない。
第19条
【事業主掛金及び企業型年金加入者掛金】
1
事業主は、企業型年金加入者期間の計算の基礎となる各月につき、掛金を拠出する。
2
事業主掛金の額は、企業型年金規約で定めるところにより算定した額とする。
3
企業型年金加入者は、企業型年金加入者期間の計算の基礎となる各月につき、企業型年金規約で定めるところにより、自ら掛金を拠出することができる。
4
企業型年金加入者掛金の額は、企業型年金規約で定めるところにより、企業型年金加入者が決定し、又は変更する。
第20条
【拠出限度額】
各企業型年金加入者に係る事業主掛金の額(企業型年金加入者が企業型年金加入者掛金を拠出する場合にあっては、事業主掛金の額と企業型年金加入者掛金の額との合計額。以下この条において同じ。)は、拠出限度額(一月につき拠出することができる事業主掛金の額の上限として、企業型年金加入者の厚生年金基金の加入員の資格の有無、
厚生年金保険法第132条第3項に規定する相当する水準等を勘案して政令で定める額をいう。)を超えてはならない。
第21条
【事業主掛金の納付】
1
事業主は、毎月の事業主掛金を翌月末日までに資産管理機関に納付するものとする。
2
事業主は、事業主掛金を納付する場合においては、厚生労働省令で定めるところにより、各企業型年金加入者に係る事業主掛金の額を企業型記録関連運営管理機関に通知しなければならない。ただし、当該事業主が記録関連業務の全部を行う場合にあっては、この限りでない。
第21条の2
【企業型年金加入者掛金の納付】
1
企業型年金加入者掛金を拠出する企業型年金加入者は、毎月の企業型年金加入者掛金を翌月末日までに事業主を介して資産管理機関に納付するものとする。
2
前条第2項の規定は、事業主が企業型年金加入者掛金の納付を行う場合について準用する。
第21条の3
【企業型年金加入者掛金の源泉控除】
1
前条第1項の規定により企業型年金加入者掛金の納付を行う事業主は、当該企業型年金加入者に対して通貨をもって給与を支払う場合においては、前月分の企業型年金加入者掛金(当該企業型年金加入者がその実施事業所に使用されなくなった場合においては、前月分及びその月分の企業型年金加入者掛金)を給与から控除することができる。
2
事業主は、
前項の規定によって企業型年金加入者掛金を控除したときは、企業型年金加入者掛金の控除に関する計算書を作成し、その控除額を当該企業型年金加入者に通知しなければならない。
第22条
【事業主の責務】
1
事業主は、その実施する企業型年金の企業型年金加入者等に対し、これらの者が行う
第25条第1項の運用の指図に資するため、資産の運用に関する基礎的な資料の提供その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
2
事業主は、
前項の措置を講ずるに当たっては、継続的に実施するとともに、企業型年金加入者等の資産の運用に関する知識を向上させ、かつ、これを
第25条第1項の運用の指図に有効に活用することができるよう配慮するものとする。
第23条
【運用の方法の選定及び提示】
1
企業型年金加入者等に係る運用関連業務を行う確定拠出年金運営管理機関(運用関連業務を行う事業主を含む。以下「企業型運用関連運営管理機関等」という。)は、政令で定めるところにより、次に掲げる運用の方法のうち政令で定めるものを企業型年金規約で定めるところに従って少なくとも三以上選定し、企業型年金加入者等に提示しなければならない。この場合において、その提示する運用の方法(
第25条第2項及び
第26条において「提示運用方法」という。)のうちいずれか一以上のものは、元本が確保される運用の方法として政令で定めるものでなければならない。
①
銀行その他の金融機関を相手方とする預金又は貯金の預入
④
生命保険会社又は農業協同組合(
農業協同組合法第10条第1項第10号の事業のうち生命共済の事業を行うものに限る。)その他政令で定める生命共済の事業を行う者への生命保険の保険料又は生命共済の共済掛金の払込み
⑥
前各号に掲げるもののほか、投資者の保護が図られていることその他の政令で定める要件に適合する契約の締結
2
企業型運用関連運営管理機関等は、
前項の運用の方法の選定を行うに際しては、資産の運用に関する専門的な知見に基づいて、これを行わなければならない。
第24条
【運用の方法に係る情報の提供】
企業型運用関連運営管理機関等は、厚生労働省令で定めるところにより、
前条第1項の規定により提示した運用の方法について、これに関する利益の見込み及び損失の可能性その他の企業型年金加入者等が
次条第1項の運用の指図を行うために必要な情報を、当該企業型年金加入者等に提供しなければならない。
第25条
【運用の指図】
1
企業型年金加入者等は、企業型年金規約で定めるところにより、積立金のうち当該企業型年金加入者等の個人別管理資産について運用の指図を行う。
2
前項の運用の指図は、提示運用方法の中から一又は二以上の方法を選択し、かつ、それぞれの運用の方法に充てる額を決定して、これらの事項を企業型記録関連運営管理機関等に示すことによって行うものとする。
3
企業型記録関連運営管理機関等は、
第1項の運用の指図を受けたときは、政令で定めるところにより、同時に行われた
同項の運用の指図を
第23条第1項の規定により提示された運用の方法ごとに取りまとめ、その内容を資産管理機関に通知するものとする。
4
資産管理機関は、
前項の通知があったときは、速やかに、
同項の通知に従って、それぞれの運用の方法について、契約の締結、変更又は解除その他の必要な措置を行わなければならない。
第26条
【運用の方法の除外に係る同意】
企業型運用関連運営管理機関等は、提示運用方法から運用の方法を除外しようとするときは、当該除外しようとする運用の方法を選択して
前条第1項の運用の指図を行っている企業型年金加入者等の同意を得なければならない。ただし、当該運用の方法に係る契約の相手方が欠けたことその他厚生労働省令で定める事由により当該運用の方法を除外しようとするときは、この限りでない。
第27条
【個人別管理資産額の通知】
企業型記録関連運営管理機関等は、毎年少なくとも一回、企業型年金加入者等の個人別管理資産額その他厚生労働省令で定める事項を当該企業型年金加入者等に通知しなければならない。
第28条
【給付の種類】
企業型年金の給付(以下この款及び
第48条の2において「給付」という。)は、次のとおりとする。
第29条
【裁定】
1
給付を受ける権利は、その権利を有する者(以下この節において「受給権者」という。)の請求に基づいて、企業型記録関連運営管理機関等が裁定する。
2
企業型記録関連運営管理機関等は、
前項の規定により裁定をしたときは、遅滞なく、その内容を資産管理機関に通知しなければならない。
第30条
【給付の額】
給付の額は、企業型年金規約で定めるところにより算定した額とする。
第31条
【年金給付の支給期間等】
1
給付のうち年金として支給されるもの(
次項において「年金給付」という。)の支給は、これを支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、権利が消滅した月で終わるものとする。
2
年金給付の支払期月については、企業型年金規約で定めるところによる。
第32条
【受給権の譲渡等の禁止等】
1
給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、老齢給付金及び死亡一時金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。
2
租税その他の公課は、障害給付金として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。
第33条
【支給要件】
1
企業型年金加入者であった者であって次の各号に掲げるもの(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限り、当該企業型年金の障害給付金の受給権者を除く。)が、それぞれ当該各号に定める年数又は月数以上の通算加入者等期間を有するときは、その者は、企業型記録関連運営管理機関等に老齢給付金の支給を請求することができる。
2
前項の通算加入者等期間とは、政令で定めるところにより
同項に規定する者の次に掲げる期間(その者が六十歳に達した日の前日が属する月以前の期間に限る。)を合算した期間をいう。
③
個人型年金加入者である期間(以下「個人型年金加入者期間」という。)
④
個人型年金運用指図者である期間(以下「個人型年金運用指図者期間」という。)
3
第1項の請求があったときは、資産管理機関は、企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づき、その請求をした者に老齢給付金を支給する。
第34条
【七十歳到達時の支給】
企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)が
前条の規定により老齢給付金の支給を請求することなく七十歳に達したときは、資産管理機関は、その者に、企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づいて、老齢給付金を支給する。
第35条
【支給の方法】
2
老齢給付金は、企業型年金規約でその全部又は一部を一時金として支給することができることを定めた場合には、
前項の規定にかかわらず、企業型年金規約で定めるところにより、一時金として支給することができる。
第36条
【失権】
老齢給付金の受給権は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、消滅する。
②
当該企業型年金の障害給付金の受給権者となったとき。
③
当該企業型年金に個人別管理資産がなくなったとき。
第37条
【支給要件】
1
企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)が、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)から起算して一年六月を経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)とし、以下「障害認定日」という。)から七十歳に達する日の前日までの間において、その傷病により政令で定める程度の障害の状態に該当するに至ったときは、その者は、その期間内に企業型記録関連運営管理機関等に障害給付金の支給を請求することができる。
2
企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)が、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(以下この項において「基準傷病」という。)に係る初診日において基準傷病以外の傷病により障害の状態にある場合であって、基準傷病に係る障害認定日から七十歳に達する日の前日までの間において、初めて、基準傷病による障害と他の障害とを併合して
前項の政令で定める程度の障害の状態に該当するに至ったとき(基準傷病の初診日が、基準傷病以外の傷病(基準傷病以外の傷病が二以上ある場合は、基準傷病以外のすべての傷病)の初診日以降であるときに限る。)は、その者は、その期間内に企業型記録関連運営管理機関等に障害給付金の支給を請求することができる。
3
前二項の請求があったときは、資産管理機関は、企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づき、その請求をした者に障害給付金を支給する。
第38条
【支給の方法】
2
障害給付金は、企業型年金規約でその全部又は一部を一時金として支給することができることを定めた場合には、
前項の規定にかかわらず、企業型年金規約で定めるところにより、一時金として支給することができる。
第39条
【失権】
障害給付金の受給権は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、消滅する。
②
当該企業型年金に個人別管理資産がなくなったとき。
第40条
【支給要件】
死亡一時金は、企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)が死亡したときに、その者の遺族に、資産管理機関が企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づいて、支給する。
第41条
【遺族の範囲及び順位】
1
死亡一時金を受けることができる遺族は、次に掲げる者とする。ただし、死亡した者が、死亡する前に、配偶者(届出をしていないが、死亡した者の死亡の当時事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。以下この条において同じ。)、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹のうちから死亡一時金を受ける者を指定してその旨を企業型記録関連運営管理機関等に対して表示したときは、その表示したところによるものとする。
②
子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって死亡した者の死亡の当時主としてその収入によって生計を維持していたもの
③
前号に掲げる者のほか、死亡した者の死亡の当時主としてその収入によって生計を維持していた親族
④
子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって
第2号に該当しないもの
2
前項本文の場合において、死亡一時金を受けることができる遺族の順位は、
同項各号の順位により、
同項第2号及び
第4号に掲げる者のうちにあっては
同号に掲げる順位による。この場合において、父母については養父母、実父母の順とし、祖父母については養父母の養父母、養父母の実父母、実父母の養父母、実父母の実父母の順とする。
3
前項の規定により死亡一時金を受けることができる遺族に同順位者が二人以上あるときは、死亡一時金は、その人数によって等分して支給する。
4
死亡一時金を受けることができる遺族がないときは、死亡した者の個人別管理資産額に相当する金銭は、死亡した者の相続財産とみなす。
5
死亡一時金を受けることができる者によるその権利の裁定の請求が死亡した者の死亡の後五年間ないときは、死亡一時金を受けることができる遺族はないものとみなして、
前項の規定を適用する。
第42条
【欠格】
故意の犯罪行為により企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者を死亡させた者は、
前条の規定にかかわらず、死亡一時金を受けることができない。企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者の死亡前に、その者の死亡によって死亡一時金を受けるべき者を故意の犯罪行為により死亡させた者についても、同様とする。
第43条
【事業主の行為準則】
1
事業主は、法令、法令に基づいてする厚生労働大臣の処分及び企業型年金規約を遵守し、企業型年金加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならない。
2
事業主は、企業型年金の実施に係る業務に関し、企業型年金加入者等の氏名、住所、生年月日、個人別管理資産額その他の企業型年金加入者等の個人に関する情報を保管し、又は使用するに当たっては、その業務の遂行に必要な範囲内で当該個人に関する情報を保管し、及び使用しなければならない。ただし、本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない。
3
事業主は、次に掲げる行為をしてはならない。
①
自己又は企業型年金加入者等以外の第三者の利益を図る目的をもって、
第7条第1項の規定による運営管理業務の委託に係る契約又は資産管理契約を締結すること。
②
前号に掲げるもののほか、企業型年金加入者等の保護に欠けるものとして厚生労働省令で定める行為
4
事業主(運用関連業務を行う者である場合に限る。)は、次に掲げる行為をしてはならない。
①
自己又は企業型年金加入者等以外の第三者の利益を図る目的をもって、特定の運用の方法を選定すること。
②
前号に掲げるもののほか、企業型年金加入者等の保護に欠けるものとして厚生労働省令で定める行為
第44条
【資産管理機関の行為準則】
資産管理機関は、法令及び資産管理契約を遵守し、企業型年金加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならない。
第45条
【企業型年金の終了】
企業型年金は、次の各号のいずれかに該当するに至った場合に終了する。
②
第47条の規定により企業型年金規約の承認の効力が失われたとき。
第46条
1
事業主は、企業型年金を終了しようとするときは、実施事業所に使用される被用者年金被保険者等の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該被用者年金被保険者等の過半数で組織する労働組合がないときは当該被用者年金被保険者等の過半数を代表する者の同意を得て、厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
2
前項の場合において、実施事業所が二以上であるときは、
同項の同意は、各実施事業所について得なければならない。
第47条
事業主(企業型年金を共同して実施している場合にあっては、当該企業型年金を実施している事業主の全部)が次の各号のいずれかに該当するに至った場合は、その実施する企業型年金の企業型年金規約の承認は、その効力を失う。この場合において、それぞれ当該各号に定める者は、当該各号に該当するに至った日(
第1号の場合にあっては、その事実を知った日)から三十日以内に、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
②
法人が合併により消滅したとき その法人を代表する役員であった者
③
法人が破産手続開始の決定により解散したとき その破産管財人
④
法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散したとき その清算人
⑤
厚生年金適用事業所の事業主でなくなったとき(前各号に掲げる場合を除く。) 厚生年金適用事業所の事業主であった個人又は厚生年金適用事業所の事業主であった法人を代表する役員
第48条
【政令への委任】
この節に定めるもののほか、企業型年金の終了に関し必要な事項は、政令で定める。
第48条の2
【情報収集等業務の委託】
事業主は、給付の支給を行うために必要となる企業型年金加入者等に関する情報の収集、整理又は分析の業務(運営管理業務を除く。以下「情報収集等業務」という。)の全部又は一部を、企業年金連合会(
厚生年金保険法第149条第1項に規定する企業年金連合会をいう。以下同じ。)に委託することができる。
第48条の3
【企業年金連合会の業務の特例】
企業年金連合会は、
厚生年金保険法の規定による業務のほか、
前条の規定による委託を受けて、情報収集等業務を行うことができる。
第48条の4
【区分経理】
企業年金連合会は、情報収集等業務に係る経理については、その他の経理と区分して整理しなければならない。
第49条
【運営管理業務に関する帳簿書類】
事業主(運営管理業務を行う者である場合に限る。)は、厚生労働省令で定めるところにより、運営管理業務に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
第50条
【報告書の提出】
事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、企業型年金に係る業務についての報告書を厚生労働大臣に提出しなければならない。
第51条
【報告の徴収等】
1
厚生労働大臣は、この法律の施行に必要な限度において、事業主に対し、企業型年金の実施状況に関する報告を徴し、又は当該職員をして事業所に立ち入って関係者に質問させ、若しくは実地にその状況を検査させることができる。
2
前項の規定によって質問及び検査を行う当該職員は、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3
第1項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第52条
【事業主に対する監督】
1
厚生労働大臣は、
前条の規定により報告を徴し、又は質問し、若しくは検査した場合において、事業主がその実施する企業型年金に関し法令、企業型年金規約若しくは厚生労働大臣の処分に違反していると認めるとき、又は事業主の企業型年金の運営が著しく適正を欠くと認めるときは、期間を定めて、事業主に対し、その違反の是正又は改善のため必要な措置を採るべき旨を命ずることができる。
2
事業主が
前項の命令に違反したとき、又は企業型年金の実施状況によりその継続が困難であると認めるときは、厚生労働大臣は、当該事業主の企業型年金規約の承認を取り消すことができる。
第53条
【厚生年金基金及び企業年金基金の業務の特例】
1
厚生年金基金及び企業年金基金は、その規約で定めるところにより、資産管理契約に係る業務を行うことができる。
2
厚生年金基金及び企業年金基金は、資産管理契約に係る業務に係る経理については、その他の経理と区分して整理しなければならない。
第54条
【他の制度の資産の移換】
1
企業型年金の資産管理機関は、政令で定めるところにより、当該企業型年金の実施事業所において実施される企業年金制度又は退職手当制度に係る資産の全部又は一部の移換を受けることができる。
2
前項の規定により資産管理機関が資産の移換を受けたときは、各企業型年金加入者が当該実施事業所の事業主に使用された期間その他これに準ずる期間のうち政令で定めるものは、当該企業型年金加入者に係る
第33条第1項の通算加入者等期間に算入するものとする。
第54条の2
【脱退一時金相当額等の移換】
2
前項の規定により資産管理機関が脱退一時金相当額等の移換を受けたときは、各企業型年金加入者等が当該厚生年金基金の設立事業所又は当該確定給付企業年金の実施事業所の事業主に使用された期間その他これに準ずる期間のうち政令で定めるものは、当該企業型年金加入者等に係る
第33条第1項の通算加入者等期間に算入するものとする。
第54条の3
【政令への委任】
前二条に定めるもののほか、企業型年金の資産管理機関への資産及び脱退一時金相当額等の移換に関し必要な事項は、政令で定める。
第55条
【規約の承認】
1
連合会は、個人型年金に係る規約を作成し、当該規約について厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
2
個人型年金に係る規約においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
②
第60条第1項の規定により委託を受けた確定拠出年金運営管理機関(
同条第3項の規定により再委託を受けた確定拠出年金運営管理機関を含む。)の名称及び住所並びにその行う業務
③
個人型年金加入者及び個人型年金運用指図者(以下「個人型年金加入者等」という。)による確定拠出年金運営管理機関の指定に関する事項
④
個人型年金加入者が拠出する掛金(以下「個人型年金加入者掛金」という。)の額の決定又は変更の方法に関する事項
⑥
個人型年金の給付の額及びその支給の方法に関する事項
⑦
個人型年金の実施に要する事務費の負担に関する事項
第56条
【承認の基準等】
1
厚生労働大臣は、
前条第1項の承認の申請があった場合において、当該申請に係る規約が次に掲げる要件に適合すると認めるときは、
同項の承認をするものとする。
③
個人型年金加入者等による運用の指図は、少なくとも三月に一回、行い得るものであること。
④
個人型年金の給付の額の算定方法が政令で定める基準に合致していること。
2
厚生労働大臣は、
前条第1項の承認をしたときは、速やかに、その旨を連合会に通知しなければならない。
3
連合会は、
前条第1項の承認を受けたときは、政令で定めるところにより、
同項の承認を受けた規約(以下「個人型年金規約」という。)を公告しなければならない。
第57条
【規約の変更】
1
連合会は、個人型年金規約の変更(厚生労働省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、その変更について厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
2
前条の規定は、
前項の変更の承認の申請があった場合について準用する。
第58条
1
連合会は、個人型年金規約の変更(
前条第1項の厚生労働省令で定める変更に限る。)をしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。
第59条
【個人型年金規約の見直し】
連合会は、少なくとも五年ごとに、個人型年金加入者数の動向、企業型年金の実施の状況、国民生活の動向等を勘案し、個人型年金規約の内容について再検討を加え、必要があると認めるときは、個人型年金規約を変更しなければならない。
第60条
【運営管理業務の委託】
1
連合会は、政令で定めるところにより、運営管理業務を確定拠出年金運営管理機関に委託しなければならない。
2
確定拠出年金運営管理機関は、正当な理由がある場合を除き、
前項の規定による委託に係る契約の締結を拒絶してはならない。
3
確定拠出年金運営管理機関は、政令で定めるところにより、
第1項の規定により委託を受けた運営管理業務の一部を他の確定拠出年金運営管理機関に再委託することができる。
4
前三項に定めるもののほか、運営管理業務の委託に関し必要な事項は、政令で定める。
第61条
【事務の委託】
1
連合会は、政令で定めるところにより、次に掲げる事務を他の者に委託することができる。
④
積立金の運用に関する契約に係る預金通帳、有価証券その他これに類するものの保管に関する事務
⑤
その他厚生労働省令で定める事務(個人型年金加入者の資格の確認及び個人型年金加入者掛金の額が
第69条に規定する拠出限度額の範囲内であることの確認に関する事務を除く。)
2
銀行その他の政令で定める金融機関は、他の法律の規定にかかわらず、
前項第1号、
第2号及び
第5号(厚生労働省令で定める事務に限る。)に掲げる事務を受託することができる。
第62条
【個人型年金加入者】
1
次に掲げる者は、厚生労働省令で定めるところにより、連合会に申し出て、個人型年金加入者となることができる。
②
六十歳未満の厚生年金保険の被保険者(企業型年金加入者、厚生年金基金の加入員その他政令で定める者(
第3項第9号において「企業年金等対象者」という。)を除く。)
2
個人型年金加入者は、
前項の申出をした日に個人型年金加入者の資格を取得する。
3
個人型年金加入者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日(
第1号に該当するに至ったときは、その翌日とし、
第6号に該当するに至ったときは、当該保険料を納付することを要しないものとされた月の初日とする。)に、個人型年金加入者の資格を喪失する。
③
国民年金の被保険者の資格を喪失したとき(前二号に掲げる場合を除く。)。
⑧
法律によって組織された共済組合の組合員又は
私立学校教職員共済法の規定による私立学校教職員共済制度の加入者となったとき。
4
個人型年金加入者の資格を取得した月にその資格を喪失した者は、その資格を取得した日にさかのぼって、個人型年金加入者でなかったものとみなす。
第63条
【個人型年金加入者期間】
1
個人型年金加入者期間を計算する場合には、月によるものとし、個人型年金加入者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。
2
個人型年金加入者の資格を喪失した後、さらにその資格を取得した者については、前後の個人型年金加入者期間を合算する。
第64条
【個人型年金運用指図者】
1
第62条第3項各号(
第1号及び
第5号を除く。)のいずれかに該当するに至ったことにより個人型年金加入者の資格を喪失した者(個人型年金に個人別管理資産がある者に限る。)は、個人型年金運用指図者とする。
2
前項の規定によるほか、企業型年金加入者であった者(企業型年金又は個人型年金に個人別管理資産がある者に限る。)又は個人型年金加入者(個人型年金に個人別管理資産がある者に限る。)は、連合会に申し出て、個人型年金運用指図者となることができる。
3
個人型年金運用指図者は、
第1項に規定する者については個人型年金加入者の資格を喪失した日に、
前項の申出をした者についてはその申出をした日に、それぞれ個人型年金運用指図者の資格を取得する。
4
個人型年金運用指図者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(
第3号に該当するに至ったときは、当該至った日)に、個人型年金運用指図者の資格を喪失する。
5
第62条第4項の規定は個人型年金運用指図者の資格について、
前条の規定は個人型年金運用指図者期間を計算する場合について準用する。
第65条
【確定拠出年金運営管理機関の指定】
個人型年金加入者等は、厚生労働省令で定めるところにより、自己に係る運営管理業務を行う確定拠出年金運営管理機関を指定し、又はその指定を変更するものとする。
第66条
【届出】
1
個人型年金加入者は、厚生労働省令で定めるところにより、氏名及び住所その他の事項を連合会に届け出なければならない。
2
前項の規定は、個人型年金運用指図者について準用する。
3
連合会は、
第1項(
前項において準用する場合を含む。)の届出があったときは、速やかに、その届出があった事項を個人型年金加入者等が指定した記録関連業務を行う確定拠出年金運営管理機関(以下「個人型記録関連運営管理機関」という。)に通知しなければならない。
第67条
【個人型年金加入者等原簿等】
1
連合会は、厚生労働省令で定めるところにより、個人型年金加入者等に関する原簿を備え、これに個人型年金加入者等の氏名及び住所、資格の取得及び喪失の年月日その他厚生労働省令で定める事項を記録し、これを保存しなければならない。
2
個人型記録関連運営管理機関は、厚生労働省令で定めるところにより、個人型年金加入者等に関する帳簿を備え、これに個人型年金加入者等の氏名及び住所、資格の取得及び喪失の年月日、個人別管理資産額その他厚生労働省令で定める事項を記録し、これを保存しなければならない。
3
個人型年金加入者及び個人型年金加入者であった者(死亡一時金を受けることができる者を含む。)は、連合会又は個人型記録関連運営管理機関に対し、
第1項の原簿若しくは
前項の帳簿の閲覧を請求し、又は当該原簿若しくは帳簿に記録された事項について照会することができる。この場合においては、連合会及び個人型記録関連運営管理機関は、正当な理由がある場合を除き、閲覧の請求又は照会の回答を拒んではならない。
第68条
【個人型年金加入者掛金】
1
個人型年金加入者は、個人型年金加入者期間の計算の基礎となる各月につき、掛金を拠出する。
3
個人型年金加入者掛金の額は、個人型年金規約で定めるところにより、個人型年金加入者が決定し、又は変更する。
第69条
【拠出限度額】
個人型年金加入者掛金の額は、拠出限度額(一月につき拠出することができる個人型年金加入者掛金の額の上限として、個人型年金加入者の種別(
第1号加入者(個人型年金加入者であって、
第62条第1項第1号に掲げるものをいう。)又は
第2号加入者(個人型年金加入者であって、
同項第2号に掲げるものをいう。以下同じ。)の区別をいう。)及び国民年金基金の掛金の額を勘案して政令で定める額をいう。)を超えてはならない。
第70条
【個人型年金加入者掛金の納付】
1
個人型年金加入者は、個人型年金規約で定めるところにより、毎月の個人型年金加入者掛金を連合会に納付するものとする。
2
第2号加入者は、厚生労働省令で定めるところにより、
前項の納付をその使用される厚生年金適用事業所の事業主を介して行うことができる。
3
前項の場合において、厚生年金適用事業所の事業主は、正当な理由なく、これを拒否してはならない。
4
連合会は、
第1項及び
第2項の納付を受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、各個人型年金加入者に係る個人型年金加入者掛金の額を個人型記録関連運営管理機関に通知しなければならない。
第71条
【個人型年金加入者掛金の源泉控除】
1
前条第2項の規定により個人型年金加入者掛金の納付を行う厚生年金適用事業所の事業主は、
第2号加入者に対して通貨をもって給与を支払う場合においては、前月分の個人型年金加入者掛金(
第2号加入者がその事業所又は船舶に使用されなくなった場合においては、前月分及びその月分の個人型年金加入者掛金)を給与から控除することができる。
2
厚生年金適用事業所の事業主は、
前項の規定によって個人型年金加入者掛金を控除したときは、個人型年金加入者掛金の控除に関する計算書を作成し、その控除額を
第2号加入者に通知しなければならない。
第72条
1
個人型年金は、連合会が解散するに至った日に終了する。
2
前項に定めるもののほか、個人型年金の終了に関し必要な事項は、政令で定める。
第74条
【連合会の業務の特例】
連合会は、
国民年金法の規定による業務のほか、
第1条に規定する目的を達成するため、この法律の規定による業務を行う。
第74条の2
【脱退一時金相当額等の移換】
1
連合会は、政令で定めるところにより、脱退一時金相当額等の移換を受けることができる。
2
前項の規定により連合会が脱退一時金相当額等の移換を受けたときは、各個人型年金加入者等が当該厚生年金基金の設立事業所又は当該確定給付企業年金の実施事業所の事業主に使用された期間その他これに準ずる期間のうち政令で定めるものは、当該個人型年金加入者等に係る
第73条の規定により準用する
第33条第1項の通算加入者等期間に算入するものとする。
3
前二項に定めるもののほか、連合会への脱退一時金相当額等の移換に関し必要な事項は、政令で定める。
第75条
【個人型年金規約策定委員会】
1
連合会に、個人型年金規約策定委員会(以下「策定委員会」という。)を置く。
2
連合会は、個人型年金に係る規約を作成し、又は個人型年金規約を変更しようとするときは、策定委員会の議決を経なければならない。
4
前三項に定めるもののほか、策定委員会の組織その他策定委員会に関し必要な事項は、政令で定める。
第76条
【区分経理】
連合会は、この法律の規定により行う業務に係る経理については、その他の経理と区分して整理しなければならない。
第77条
【国民年金基金の業務の特例】
1
国民年金基金は、連合会の委託を受けて、
第61条第1項各号に掲げる事務を行うことができる。
2
国民年金基金は、
前項の規定により行う業務に係る経理については、その他の経理と区分して整理しなければならない。
第78条
【個人型年金についての事業主の協力等】
1
厚生年金適用事業所の事業主は、当該厚生年金適用事業所に使用される者が個人型年金加入者である場合には、当該個人型年金加入者に対し、必要な協力をするとともに、法令及び個人型年金規約が遵守されるよう指導等に努めなければならない。
2
前項の場合において、国は、厚生年金適用事業所の事業主に対し、必要な指導及び助言を行うことができる。
第80条
【企業型年金加入者となった者の個人別管理資産の移換】
1
次の各号に掲げる者(当該企業型年金又は個人型年金に個人別管理資産がある者に限る。)が甲企業型年金の企業型年金加入者の資格を取得したときは、それぞれ当該各号に定める者は、当該資格を取得した者の個人別管理資産を甲企業型年金の資産管理機関に移換するものとする。
①
乙企業型年金の企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者(乙企業型年金の障害給付金の受給権を有する者並びに
第3号及び
第4号に掲げる者を除く。) 乙企業型年金の資産管理機関
②
個人型年金加入者(個人型年金の障害給付金の受給権を有する者及び
第4号に掲げる者を除く。) 連合会
③
個人型年金運用指図者(個人型年金の障害給付金の受給権を有する者及び
次号に掲げる者を除く。) 連合会
④
第83条第1項の規定により個人別管理資産が連合会に移換された者 連合会
2
次の各号に掲げる者(当該企業型年金又は個人型年金に個人別管理資産がある者に限る。)が甲企業型年金の企業型年金加入者の資格を取得した場合において、その者が個人別管理資産の移換を申し出たときは、それぞれ当該各号に定める者は、当該申出をした者の個人別管理資産を甲企業型年金の資産管理機関に移換するものとする。
①
乙企業型年金の企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者(乙企業型年金の障害給付金の受給権を有する者に限り、
第3号に掲げる者を除く。) 乙企業型年金の資産管理機関
②
個人型年金加入者(個人型年金の障害給付金の受給権を有する者に限る。) 連合会
③
個人型年金運用指図者(個人型年金の障害給付金の受給権を有する者に限る。) 連合会
3
甲企業型年金の企業型記録関連運営管理機関等は、前二項の規定により当該企業型記録関連運営管理機関等に係る者の個人別管理資産が甲企業型年金の資産管理機関に移換されたときは、その旨を当該個人別管理資産が移換された者に通知しなければならない。
第81条
【個人型年金加入者となった者の個人別管理資産の移換】
1
企業型年金の企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限り、当該企業型年金の障害給付金の受給権を有する者を除く。)が
第62条第1項の申出をしたときは、当該企業型年金の資産管理機関は、当該申出をした者の個人別管理資産を連合会に移換するものとする。
2
企業型年金の企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者であって、当該企業型年金の障害給付金の受給権を有する者に限る。)が
第62条第1項の申出と同時にその者の個人別管理資産の移換の申出をしたときは、当該企業型年金の資産管理機関は、当該申出をした者の個人別管理資産を連合会に移換するものとする。
3
連合会は、前二項の規定により個人別管理資産が連合会に移換されたときは、その旨を当該個人別管理資産が移換された者に通知しなければならない。
第82条
【個人型年金運用指図者となった者の個人別管理資産の移換】
1
企業型年金の企業型年金加入者であった者が
第64条第2項の申出をしたときは、当該企業型年金の資産管理機関は、当該申出をした者の個人別管理資産を連合会に移換するものとする。
2
連合会は、
前項の規定により個人別管理資産が連合会に移換されたときは、その旨を当該個人別管理資産が移換された者に通知しなければならない。
第83条
【その他の者の個人別管理資産の移換】
1
企業型年金の資産管理機関は、次に掲げる者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)の個人別管理資産を連合会に移換するものとする。
①
当該企業型年金の企業型年金加入者であった者であって、その個人別管理資産が当該企業型年金加入者の資格を喪失した日が属する月の翌月から起算して六月以内に前三条の規定により移換されなかったもの(当該企業型年金の企業型年金運用指図者を除く。)
②
当該企業型年金が終了した日において当該企業型年金の企業型年金加入者等であった者であって、その個人別管理資産が前三条の規定により移換されなかったもの
2
当該企業型年金の企業型記録関連運営管理機関等は、
前項の規定により当該企業型記録関連運営管理機関等に係る者の個人別管理資産が連合会に移換されたときは、その旨を当該個人別管理資産が移換された者に通知しなければならない。
3
当該企業型年金の企業型記録関連運営管理機関等は、
第1項の規定により個人別管理資産が移換された者の所在が明らかでないため
前項の通知をすることができないときは、
同項の通知に代えて、当該個人別管理資産が連合会に移換された旨を公告しなければならない。
第84条
【事業主への資産の返還】
1
企業型年金の企業型年金加入者の資格を喪失した者について返還資産額があるときは、その者に係る
第80条から
前条までの規定により当該企業型年金の資産管理機関が移換すべき個人別管理資産は、当該返還資産額を控除した額に相当する資産とする。
2
企業型年金の資産管理機関は、
前項に規定する場合においては、返還資産額に相当する金銭を当該返還資産額に係る事業主に返還するものとする。
第85条
【政令への委任】
この章に定めるもののほか、個人別管理資産の移換に関し必要な事項は、政令で定める。
第86条
【税制上の措置】
確定拠出年金に係る掛金、積立金及び給付については、
所得税法、
法人税法、
相続税法及び
地方税法並びにこれらの法律に基づく命令で定めるところにより、所得税、法人税、相続税並びに道府県民税(都民税を含む。)及び市町村民税(特別区民税を含む。)の課税について必要な措置を講ずる。
第87条
【指導及び助言】
国は、事業主及び連合会に対し、確定拠出年金の実施に関し必要な指導及び助言を行うことができる。
第88条
【登録】
1
確定拠出年金運営管理業は、主務大臣の登録を受けた法人でなければ、営んではならない。
2
銀行その他の政令で定める金融機関は、他の法律の規定にかかわらず、
前項の登録を受けて確定拠出年金運営管理業を営むことができる。
第89条
【登録の申請】
1
前条第1項の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した登録申請書を主務大臣に提出しなければならない。
2
前項の登録申請書には、
第91条第1項各号のいずれにも該当しないことを誓約する書面その他主務省令で定める書類を添付しなければならない。
第90条
【登録の実施】
1
主務大臣は、
第88条第1項の登録の申請があった場合においては、
次条第1項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を確定拠出年金運営管理機関登録簿に登録しなければならない。
2
主務大臣は、
前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
3
主務大臣は、確定拠出年金運営管理機関登録簿を一般の閲覧に供しなければならない。
第91条
【登録の拒否】
1
主務大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
②
第104条第2項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない法人
③
この法律、
厚生年金保険法その他政令で定める法律の規定に違反し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない法人
④
他に営んでいる事業が公益に反すると認められる法人又は当該事業に係る損失の危険の管理が困難であるために確定拠出年金運営管理業の遂行に支障を生ずると認められる法人
⑤
その役員のうちに、
第104条第2項の規定による登録の取消しの日前三十日以内に当該取消しに係る確定拠出年金運営管理機関の役員であった者で当該取消しの日から五年を経過しないもの、禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者その他政令で定める者のある法人
2
主務大臣は、
前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
第92条
【変更の届出】
1
確定拠出年金運営管理機関は、
第89条第1項各号に掲げる事項に変更があったときは、その日から二週間以内に、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
2
主務大臣は、
前項の規定による届出を受理したときは、届出があった事項を確定拠出年金運営管理機関登録簿に登録しなければならない。
第93条
【廃業等の届出等】
確定拠出年金運営管理機関が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該確定拠出年金運営管理機関の登録は、その効力を失う。この場合において、それぞれ当該各号に定める者は、当該各号に該当するに至った日から三十日以内に、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
①
合併により消滅したとき 確定拠出年金運営管理機関であった法人を代表する役員
②
破産手続開始の決定により解散したとき 確定拠出年金運営管理機関であった法人の破産管財人
③
合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散したとき 確定拠出年金運営管理機関であった法人の清算人
④
確定拠出年金運営管理業を廃止したとき 確定拠出年金運営管理機関であった法人を代表する役員
第94条
【標識の掲示】
1
確定拠出年金運営管理機関は、営業所ごとに、公衆の見やすい場所に、主務省令で定める様式の標識を掲示しなければならない。
2
確定拠出年金運営管理機関以外の者は、
前項の標識又はこれに類似する標識を掲示してはならない。
第95条
【名義貸しの禁止】
確定拠出年金運営管理機関は、自己の名義をもって、他人に確定拠出年金運営管理業を営ませてはならない。
第96条
【書類の閲覧】
確定拠出年金運営管理機関は、主務省令で定めるところにより、その業務の状況を記載した書類を営業所ごとに備え置き、加入者等の求めに応じ、これを閲覧させなければならない。
第97条
【加入者等の運用の指図に資する措置】
確定拠出年金運営管理機関は、事業主又は連合会の委託を受けて、
第22条(
第73条において準用する場合を含む。)の規定による資産の運用に関する基礎的な資料の提供その他の必要な措置を行うことができる。
第98条
【業務の引継ぎ】
確定拠出年金運営管理機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、政令で定めるところにより、委託又は再委託を受けた運営管理業務の全部又は一部を当該運営管理業務を承継する他の確定拠出年金運営管理機関に引き継がなければならない。
第99条
【確定拠出年金運営管理機関の行為準則】
1
確定拠出年金運営管理機関は、法令、法令に基づいてする主務大臣の処分及び運営管理契約を遵守し、加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならない。
2
確定拠出年金運営管理機関は、企業型年金又は個人型年金の実施に係る業務に関し、加入者等の氏名、住所、生年月日、個人別管理資産額その他の加入者等の個人に関する情報を保管し、又は使用するに当たっては、その業務の遂行に必要な範囲内で当該個人に関する情報を保管し、及び使用しなければならない。ただし、本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない。
第100条
確定拠出年金運営管理機関は、次に掲げる行為をしてはならない。
①
運営管理契約を締結するに際し、その相手方に対して、加入者等の損失の全部又は一部を負担することを約すること。
②
運営管理契約を締結するに際し、その相手方に対して、加入者等又は当該相手方に特別の利益を提供することを約すること。
③
運用関連業務に関し生じた加入者等の損失の全部若しくは一部を補てんし、又は当該業務に関し生じた加入者等の利益に追加するため、当該加入者等又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者をして提供させること(自己の責めに帰すべき事故による損失の全部又は一部を補てんする場合を除く。)。
④
運営管理契約の締結について勧誘をするに際し、又はその解除を妨げるため、運営管理業務に関する事項であって、運営管理契約の相手方の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものとして政令で定めるものにつき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げること。
⑤
自己又は加入者等以外の第三者の利益を図る目的をもって、特定の運用の方法を加入者等に対し提示すること。
⑥
加入者等に対して、提示した運用の方法のうち特定のものについて指図を行うこと、又は指図を行わないことを勧めること(当該確定拠出年金運営管理機関が
金融商品取引法第2条第9項に規定する金融商品取引業者その他確定拠出年金運営管理業以外の事業を営む者として行うことを明示して行う場合を除く。)。
⑦
前各号に掲げるもののほか、加入者等の保護に欠け、若しくは確定拠出年金運営管理業の公正を害し、又は確定拠出年金運営管理業の信用を失墜させるおそれのあるものとして主務省令で定める行為
第101条
【業務に関する帳簿書類】
確定拠出年金運営管理機関は、主務省令で定めるところにより、その業務に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
第102条
【報告書の提出】
確定拠出年金運営管理機関は、主務省令で定めるところにより、その業務についての報告書を主務大臣に提出しなければならない。
第103条
【報告の徴収等】
1
主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、確定拠出年金運営管理機関に対し、その業務の状況に関する報告を徴し、又は当該職員をして確定拠出年金運営管理機関の営業所に立ち入って関係者に質問させ、若しくは実地にその状況を検査させることができる。
第104条
【確定拠出年金運営管理機関に対する監督】
1
主務大臣は、確定拠出年金運営管理機関の業務の運営に関し、加入者等の利益を害する事実があると認めるときは、加入者等の保護のため必要な限度において、当該確定拠出年金運営管理機関に対し、業務の種類及び方法の変更その他業務の運営の改善に必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
2
主務大臣は、確定拠出年金運営管理機関が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以内の期間を定めて確定拠出年金運営管理業の全部若しくは一部の停止を命じ、又は
第88条第1項の登録を取り消すことができる。
③
その行う確定拠出年金運営管理業に関して、この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
④
確定拠出年金運営管理業の継続が困難であると認めるとき。
第105条
【登録の抹消】
主務大臣は、
第93条の規定により登録がその効力を失ったとき、又は
前条第2項の規定により登録を取り消したときは、当該登録を抹消しなければならない。
第106条
【監督処分の公告】
主務大臣は、
第104条第2項の規定による処分をしたときは、主務省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
第107条
【政令への委任】
この節に定めるもののほか、確定拠出年金運営管理機関の監督に関し必要な事項は、政令で定める。
第108条
【厚生年金基金、企業年金基金及び国民年金基金の業務の特例】
1
厚生年金基金、企業年金基金及び国民年金基金は、
第88条第1項の登録を受けて、確定拠出年金運営管理機関となることができる。
2
厚生年金基金、企業年金基金及び国民年金基金は、
前項の規定により行う業務に係る経理については、その他の経理と区分して整理しなければならない。
第110条
【期間の計算】
この法律又はこの法律に基づく命令に規定する期間の計算については、この法律に別段の規定がある場合を除くほか、
民法の期間に関する規定を準用する。
第111条
【資料の提供】
厚生労働大臣は、連合会に対して、この法律の規定による業務を行うために必要な加入者等に係る国民年金の被保険者の資格に関する資料その他の厚生労働省令で定める資料を、提供することができるものとする。
第112条
【書類等の提出】
確定拠出年金運営管理機関(記録関連業務を行う事業主を含む。)は、必要があると認めるときは、給付の受給権を有する者(以下「受給権者」という。)に対して、障害の状態に関する書類その他の物件の提出を求めることができる。
第113条
【届出】
1
個人型年金加入者又は受給権者が死亡したときは、
戸籍法の規定による死亡の届出義務者は、十日以内に、その旨を連合会(受給権者が死亡した場合にあっては、当該受給権を裁定した者)に届け出なければならない。
第114条
【主務大臣等】
1
前章における主務大臣は、政令で定めるところにより、厚生労働大臣及び内閣総理大臣とする。
2
この法律における主務省令は、政令で定めるところにより、厚生労働大臣又は内閣総理大臣の発する命令とする。
3
この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。
4
前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。
5
内閣総理大臣は、
前章の規定による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
6
前項の規定により金融庁長官に委任された権限については、政令で定めるところにより、その一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
第115条
【財務大臣への資料提出等】
財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度及び金融危機管理に関し、確定拠出年金運営管理業に係る制度の企画又は立案をするため必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
第116条
【実施規定】
この法律に特別の規定があるものを除くほか、
前章の実施のための手続その他その執行について必要な細則は主務省令で、その他この法律の実施のための手続その他その執行について必要な細則は厚生労働省令で定める。
第117条
【経過措置】
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第118条
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
③
第95条の規定に違反して、他人に確定拠出年金運営管理業を営ませた者
第119条
次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
②
第104条第2項の規定による業務の停止の命令に違反して、確定拠出年金運営管理業を営んだ者
第120条
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
①
第51条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は
同項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくは
同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
③
第101条の規定による帳簿書類の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の帳簿書類を作成した者
④
第102条の規定による報告書を提出せず、又は虚偽の記載をした報告書を提出した者
⑤
第103条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は
同項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくは
同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第121条
次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
④
第96条の規定に違反して、書類を備え置かず、若しくは加入者等の求めに応じて閲覧させず、又は虚偽の記載のある書類を備え置き、若しくは加入者等に閲覧させた者
第122条
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、
第118条から
前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
第123条
次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。
①
第6条第1項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者
②
第49条の規定による帳簿書類の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の帳簿書類を作成した者
③
第50条の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第124条
次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十三年十月一日から施行する。ただし、附則第十五条中地方税法第三十四条第一項第四号及び第三百十四条の二第一項第四号の改正規定並びに附則第十六条の規定は、平成十四年四月一日から施行する。
第2条
(経過措置)
1
この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から国民年金法等の一部を改正する法律附則第一条第三号に定める日前までの間における第六十二条第一項及び第三項の規定の適用については、同条第一項第一号中「第九十条の三第一項」とあるのは「第九十条の二第一項」と、「されている者及び第九十条の二第一項の規定によりその半額につき同法の保険料を納付することを要しないものとされている者」とあるのは「されている者」と、同条第三項第六号中「若しくは第九十条の三第一項」とあるのは「又は第九十条の二第一項」と、「されたとき、又は第九十条の二第一項の規定によりその半額につき同法の保険料を納付することを要しないものとされたとき」とあるのは「されたとき」とする。
2
施行日から平成十四年三月三十一日までの間における第七十九条第一項の規定の適用については、同項中「第百五条(第二項(第十二条第二項を準用する部分を除く。)及び第五項を除く。)」とあるのは、「第百五条」とする。
第2条の2
(脱退一時金)
1
当分の間、次の各号のいずれにも該当する企業型年金加入者であった者は、当該企業型年金の企業型記録関連運営管理機関等に、脱退一時金の支給を請求することができる。
2
前項の請求があったときは、当該企業型年金の資産管理機関は、当該企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づき、その請求をした者に脱退一時金を支給する。
3
脱退一時金の額は、第一項の請求をした者の個人別管理資産額として政令で定める額とする。
4
脱退一時金の支給を受けたときは、その支給を受けた者の支給を受けた月の前月までの企業型年金加入者期間及び企業型年金運用指図者期間並びに個人型年金加入者期間及び個人型年金運用指図者期間は、第三十三条第二項の規定にかかわらず、同条第一項の通算加入者等期間に算入しない。
5
企業型年金加入者であった者が第一項の請求をした場合における第八十三条第一項第一号の規定の適用については、同号中「六月以内」とあるのは、「六月以内(当該企業型年金加入者であった者が附則第二条の二第一項の請求をした日の属する月の初日から同条第二項の裁定を受けた日の属する月の末日までの期間を除く。)」とする。
第3条
1
当分の間、次の各号のいずれにも該当する者は、個人型年金運用指図者にあっては個人型記録関連運営管理機関に、個人型年金運用指図者以外の者にあっては連合会に、それぞれ脱退一時金の支給を請求することができる。
2
前項の請求があったときは、連合会は、個人型年金運用指図者にあっては個人型記録関連運営管理機関の裁定に基づき、個人型年金運用指図者以外の者にあっては自己の裁定に基づき、その請求をした者に脱退一時金を支給する。
3
企業型年金加入者であった者(個人型年金運用指図者を除く。)は、第一項の請求は、第六十四条第二項の申出と同時に行うものとする。
4
脱退一時金の額は、第一項の請求をした者の個人別管理資産額として政令で定める額とする。
5
脱退一時金の支給を受けたときは、その支給を受けた者の支給を受けた月の前月までの企業型年金加入者期間及び企業型年金運用指図者期間並びに個人型年金加入者期間及び個人型年金運用指図者期間は、第三十三条第二項の規定にかかわらず、同条第一項の通算加入者等期間に算入しない。
第4条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
平成13年6月29日
第36条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後の規定の実施状況等を勘案し、組合員である農業者の利益の増進を図る観点から、組合の役員に関する制度の在り方、組合の事業運営の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
平成14年7月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、公社法の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第37条
(確定拠出年金法の一部改正に伴う経過措置)
1
公社は、施行日において確定拠出年金法第八十八条第一項の登録を受けたものとみなす。
2
公社は、施行日から一月以内に、前項の規定により登録を受けたものとみなされる確定拠出年金法第二条第七項に規定する確定拠出年金運営管理業について、同法第八十九条第一項各号に掲げる事項を記載した書類その他厚生労働省令・内閣府令で定める書類を厚生労働大臣及び内閣総理大臣に提出するものとする。
3
内閣総理大臣は、前項の規定による権限を金融庁長官に委任する。
4
前項の規定により金融庁長官に委任された権限については、政令で定めるところにより、その一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
第38条
(罰則に関する経過措置)
施行日前にした行為並びにこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第39条
(その他の経過措置の政令への委任)
この法律に規定するもののほか、公社法及びこの法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則
平成16年6月2日
第1条
(施行期日)
この法律は、破産法(次条第八項並びに附則第三条第八項、第五条第八項、第十六項及び第二十一項、第八条第三項並びに第十三条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。
第14条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成16年6月11日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十六年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
第73条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第74条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成16年12月3日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
第121条
(処分等の効力)
この法律の施行前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。
第122条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第123条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
第124条
(検討)
政府は、この法律の施行後三年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成17年10月21日
第111条
(確定拠出年金法の一部改正に伴う経過措置)
1
この法律の施行前にされた第百十八条の規定による改正前の確定拠出年金法(以下この条において「旧法」という。)第二十五条第一項(旧法第七十三条において準用する場合を含む。)の規定による旧法第二十三条第一項第一号又は第四号(旧法第七十三条において準用する場合を含む。)に掲げる運用の方法を運用の方法とする運用の指図は、第百十八条の規定による改正後の確定拠出年金法(以下この条において「新法」という。)第二十五条第一項(新法第七十三条において準用する場合を含む。)の規定による新法第二十三条第一項第一号又は第四号(新法第七十三条において準用する場合を含む。)に掲げる運用の方法を運用の方法とする運用の指図とみなす。
2
この法律の施行前に、旧法第六章の規定により、旧公社に対して行い、又は旧公社が行った処分、手続その他の行為は、整備法等に別段の定めがあるものを除き、新法の相当する規定により郵便貯金銀行に対して行い、又は郵便貯金銀行が行った処分、手続その他の行為とみなす。
第117条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為、この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為、この法律の施行後附則第九条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便為替法第三十八条の八(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第十三条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替法第七十条(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第二十七条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替預り金寄附委託法第八条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第三十九条第二項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第四十二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十一条及び第七十二条(第十五号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為並びに附則第二条第二項の規定の適用がある場合における郵政民営化法第百四条に規定する郵便貯金銀行に係る特定日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成18年6月14日
この法律は、平成十八年証券取引法改正法の施行の日から施行する。
附則
平成19年7月6日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十二年四月一日までの間において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第73条
(処分、申請等に関する経過措置)
1
この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下同じ。)の施行前に法令の規定により社会保険庁長官、地方社会保険事務局長又は社会保険事務所長(以下「社会保険庁長官等」という。)がした裁定、承認、指定、認可その他の処分又は通知その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律の施行後の法令の相当規定に基づいて、厚生労働大臣、地方厚生局長若しくは地方厚生支局長又は機構(以下「厚生労働大臣等」という。)がした裁定、承認、指定、認可その他の処分又は通知その他の行為とみなす。
2
この法律の施行の際現に法令の規定により社会保険庁長官等に対してされている申請、届出その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律の施行後の法令の相当規定に基づいて、厚生労働大臣等に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。
3
この法律の施行前に法令の規定により社会保険庁長官等に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならないとされている事項で、施行日前にその手続がされていないものについては、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、これを、この法律の施行後の法令の相当規定により厚生労働大臣等に対して、報告、届出、提出その他の手続をしなければならないとされた事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律の施行後の法令の規定を適用する。
4
なお従前の例によることとする法令の規定により、社会保険庁長官等がすべき裁定、承認、指定、認可その他の処分若しくは通知その他の行為又は社会保険庁長官等に対してすべき申請、届出その他の行為については、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律の施行後の法令の規定に基づく権限又は権限に係る事務の区分に応じ、それぞれ、厚生労働大臣等がすべきものとし、又は厚生労働大臣等に対してすべきものとする。
第74条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第75条
(政令への委任)
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成19年7月6日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
第27条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。次条において同じ。)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第28条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成23年8月10日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
第4条
(確定拠出年金の連合会移換者に関する経過措置)
第四条の規定による改正後の確定拠出年金法第五十五条第二項第六号に規定する連合会移換者が、附則第一条第五号に掲げる規定の施行前に既に七十歳に達している場合における第四条の規定による改正後の確定拠出年金法第七十三条の二の規定により読み替えて適用する同法第七十三条において読み替えて準用する同法第三十四条の規定の適用については、同条中「が前条の規定により老齢給付金の支給を請求することなく七十歳に達したときは」とあるのは、「について、国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律附則第一条第五号に掲げる規定が施行されたときは」とする。
第5条
(確定拠出年金法による脱退一時金に関する経過措置)
1
第四条の規定による改正後の確定拠出年金法附則第三条第一項の規定は、附則第一条第五号に掲げる規定の施行前に既に企業型年金加入者の資格を喪失している者(次項に規定する者を除く。)についても、適用する。
2
附則第一条第五号に掲げる規定の施行の際現に第四条の規定による改正後の確定拠出年金法附則第三条第一項に規定する継続個人型年金運用指図者である者であって、同項第四号、第五号及び第七号に該当するものは、附則第一条第五号に掲げる規定の施行の日から二年間は、同法第六十六条第三項に規定する個人型記録関連運営管理機関に、同法附則第三条第一項の脱退一時金の支給を請求することができる。
第6条
(政令への委任)
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成23年12月14日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成24年8月22日
第1条
(施行期日)
この法律は、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第71条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成24年8月22日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十七年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
第160条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成24年11月26日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十七年十月一日から施行する。ただし、第三条並びに次条及び附則第九条の規定は、公布の日から施行する。
附則
平成25年6月26日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第151条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第152条
(被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の効力)
被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律附則第八十七条の規定は、改正後国民年金法の規定を改正する法律としての効力を有しないものと解してはならない。
第153条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。