• 協同組織金融機関の優先出資に関する法律

協同組織金融機関の優先出資に関する法律

平成23年6月24日 改正
第1章
総則
第1条
【目的】
この法律は、協同組織金融機関について、自己資本の充実に資するため、普通出資を補完するものとして優先出資を発行できる制度を設けるとともに、優先出資者の権利の保護について定めることにより、協同組織金融機関の経営の健全性の確保を図ることを目的とする。
第2条
【定義】
この法律において「協同組織金融機関」とは、次に掲げる者をいう。
農林中央金庫
信用協同組合及び中小企業等協同組合法第9条の9第1項第1号(信用協同組合連合会)の事業を行う協同組合連合会
信用金庫及び信用金庫連合会
労働金庫及び労働金庫連合会
農業協同組合及び農業協同組合連合会(農業協同組合法第10条第1項第3号(信用事業)の事業を行うものに限る。以下同じ。)
漁業協同組合(水産業協同組合法第11条第1項第4号(信用事業)の事業を行うものに限る。以下同じ。)、漁業協同組合連合会(同法第87条第1項第4号(信用事業)の事業を行うものに限る。以下同じ。)、水産加工業協同組合(同法第93条第1項第2号(信用事業)の事業を行うものに限る。以下同じ。)及び水産加工業協同組合連合会(同法第97条第1項第2号(信用事業)の事業を行うものに限る。以下同じ。)
この法律において「連合会等」とは、前項第2号から第6号までに掲げる者をいう。
この法律において「普通出資者」とは、農林中央金庫の会員及び連合会等の会員又は組合員をいう。
この法律において「普通出資」とは、普通出資者が根拠法に基づいて払込みを行った出資をいう。
この法律において「普通出資者総会」とは、根拠法に基づいて招集される協同組織金融機関の総会又は総代会をいう。
この法律において「理事」とは、農林中央金庫の理事及び連合会等の理事をいう。
この法律において「法定準備金」とは、根拠法に基づき協同組織金融機関が積み立てた準備金をいう。
参照条文
確定拠出年金法施行令第15条 貸金業法施行規則第1条の5 企業内容等の開示に関する内閣府令第19条 第22条 協同組織金融機関の優先出資に関する法律施行令第1条 第7条 第12条 金融機関の信託業務の兼営等に関する法律施行規則第6条 金融商品取引業等に関する内閣府令第1条 金融商品取引所等に関する内閣府令第67条 金融商品取引法第2条 金融商品取引法施行令第10条 公認会計士法施行規則第73条 財務諸表等の監査証明に関する内閣府令第3条 社債、株式等の振替に関する法律第234条 証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第7条 消費税法施行規則第15条の2 商品投資契約に基づいて出資された財産の分別管理に関する命令 商品先物取引法施行規則第38条 信託業法施行規則第18条 信用協同組合及び信用協同組合連合会の優先出資に関する内閣府令第1条 信用金庫及び信用金庫連合会の優先出資に関する内閣府令第1条 電子記録債権法第58条 投資信託及び投資法人に関する法律施行規則第13条 第25条 投資信託財産の計算に関する規則第59条 農水産業協同組合の優先出資に関する命令第2条 保険業法施行規則第52条の8の2 有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第1条 労働基準法施行規則第7条の2 労働金庫及び労働金庫連合会の優先出資に関する命令第1条
第3条
【会社法の規定を準用する場合の読替え】
この法律において会社法の規定を準用する場合においては、特別の定めがある場合を除き、同法の規定中「会社」とあり、及び「株式会社」とあるのは「協同組織金融機関」と、「募集株式」とあるのは「募集優先出資」と、「電磁的方法」とあるのは「電磁的方法(協同組織金融機関の優先出資に関する法律(以下「優先出資法」という。)第9条第3項に規定する電磁的方法をいう。)」と、「電磁的記録」とあるのは「電磁的記録(優先出資法第22条第1項第3号に規定する電磁的記録をいう。)」と、「法務省令」とあるのは「優先出資法第50条第3項に規定する主務省令」と、「登録株式質権者」とあるのは「登録優先出資質権者」と、「株券発行会社」とあるのは「優先出資証券発行協同組織金融機関(優先出資に係る優先出資証券を発行する旨を定款で定めた協同組織金融機関をいう。)」と、「株主名簿」とあるのは「優先出資者名簿」と、「株主名簿記載事項」とあるのは「優先出資者名簿記載事項」と、「株券」とあるのは「優先出資証券」と、「種類株式発行会社」とあるのは「種類優先出資発行協同組織金融機関(内容の異なる二以上の種類の優先出資を発行する協同組織金融機関をいう。)」と、「取締役」とあるのは「理事」と、「本店」とあるのは「主たる事務所」と、「営業時間」とあるのは「業務取扱時間」と読み替えるものとする。
第2章
優先出資の発行
第4条
【優先出資の発行】
協同組織金融機関は、この法律の定めるところにより、優先出資を発行することができる。
優先出資の総口数が、普通出資の総口数の二分の一を超えるに至ったときは、協同組織金融機関は、直ちに、優先出資の総口数を普通出資の総口数の二分の一以下にするために必要な措置をとらなければならない。
優先出資の額面金額は、均一で、かつ、普通出資の一口の金額と同一でなければならない。
第5条
【定款記載事項】
協同組織金融機関は、優先出資を発行しようとするときは、その口数及び内容について次に掲げる事項を定款で定めなければならない。
優先出資の総口数の最高限度
優先的配当(普通出資者に対する剰余金の配当に先立って優先出資者に対して行うべき剰余金の配当をいう。以下同じ。)の額の額面金額に対する率
優先出資者が優先的配当のほかに剰余金の配当を受けることができるときは、その旨及び優先出資者が受けることができるこれらの剰余金の配当の額の額面金額に対する率の最高限度
優先出資者に対する剰余金の配当の額が優先的配当の額を下回った場合にその下回った額が翌事業年度の優先的配当の額に加算されないときは、その旨
優先出資者に対する残余財産の分配の内容
協同組織金融機関は、内容の異なる二以上の種類の優先出資を発行する場合には、その種類ごとに前項各号に掲げる事項を定めなければならない。
前項の規定にかかわらず、第1項第2号の率及び同項第3号の最高限度については、それぞれその上限を定めれば足りるものとする。この場合においては、同項第1号に掲げる事項については、その上限の異なるごとに定めなければならない。
第1項第2号の率及び同項第3号の最高限度(前項前段の規定により上限を定めたときは、その上限)については、主務大臣が定める率を超えてはならない。
第6条
【募集事項の決定】
協同組織金融機関は、その発行する優先出資を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集優先出資(当該募集に応じてこれらの優先出資の引受けの申込みをした者に対して割り当てる優先出資をいう。以下同じ。)について次に掲げる事項(以下「募集事項」という。)を定めて、行政庁の認可を受けなければならない。
募集優先出資の内容及び口数
募集優先出資の払込金額(募集優先出資一口と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下同じ。)
募集優先出資と引換えにする金銭の払込みの期日又はその期間
増加する資本金及び資本準備金に関する事項
募集優先出資の募集の方法
優先出資の払込金額は、額面金額を下回ってはならない。
第1項第2号の払込金額が優先出資者以外の者に対して特に有利な金額である場合には、第6章の定めるところにより、優先出資者総会を招集し、募集優先出資の内容、口数及び最低払込金額について、その承認を受けなければならない。この場合においては、理事は、優先出資者総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。
前項の場合における議案の要領は、優先出資者総会の招集通知に記載しなければならない。
第3項の承認の決議は、第1項第3号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の末日)が当該決議の日から六月以内の日である同項の募集についてのみその効力を有する。
募集事項は、第1項の募集ごとに、均等に定めなければならない。
第7条
【募集事項の通知等】
協同組織金融機関は、前条第1項の募集事項を定めたときは、同項第3号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、普通出資者及び優先出資者に対し、当該募集事項を通知しなければならない。
前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
第1項の規定は、協同組織金融機関が募集事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第4条第1項から第3項までの届出をしている場合その他の普通出資者及び優先出資者の保護に欠けるおそれがないものとして主務省令で定める場合には、適用しない。
第8条
【優先出資者に優先出資の割当てを受ける権利を与える場合】
協同組織金融機関は、優先出資の募集において、優先出資者に優先出資の割当てを受ける権利を与えることができる。この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めて、行政庁の認可を受けなければならない。
優先出資者に対し、次条第2項の申込みをすることにより当該協同組織金融機関の募集優先出資(内容の異なる二以上の種類の優先出資を発行する協同組織金融機関(以下「種類優先出資発行協同組織金融機関」という。)にあっては、当該優先出資者の有する種類の優先出資と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨
前号の募集優先出資の引受けの申込みの期日
前項の場合には、同項第1号の優先出資者は、その有する優先出資の口数に応じて募集優先出資の割当てを受ける権利を有する。ただし、当該優先出資者が割当てを受ける募集優先出資の口数に一口に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。
協同組織金融機関は、第1項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第2号の期日の二週間前までに、同項第1号の優先出資者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
募集事項
当該優先出資者が割当てを受ける募集優先出資の口数
第6条第3項から第5項まで及び前条の規定は、前三項の規定により優先出資者に優先出資の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。
第9条
【募集優先出資の申込み】
協同組織金融機関は、第6条第1項の募集に応じて募集優先出資の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
協同組織金融機関の名称
普通出資一口の金額及び総口数
第5条第1項第1号に規定する優先出資の総口数の最高限度
発行済優先出資の種類及び種類ごとの口数
募集事項
第15条の規定により、協同組織金融機関が消却のために自己の優先出資を取得することがある旨
銀行等(銀行法第2条第1項に規定する銀行、信託業法第2条第2項に規定する信託会社その他これに準ずるものとして主務省令で定めるものをいう。)の払込みの取扱いの場所
前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項
第6条第1項の募集に応じて募集優先出資の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を協同組織金融機関に交付しなければならない。
申込みをする者の氏名又は名称及び住所
引き受けようとする募集優先出資の口数
前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、協同組織金融機関の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって、主務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により提供することができる。この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。
第1項の規定は、協同組織金融機関が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第2条第10項に規定する目論見書を第1項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集優先出資の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして主務省令で定める場合には、適用しない。
協同組織金融機関は、第1項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第2項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。
協同組織金融機関が申込者に対してする通知又は催告は、第2項第1号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該協同組織金融機関に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
第10条
【募集優先出資の割当て等】
協同組織金融機関は、申込者の中から募集優先出資の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集優先出資の口数を定めなければならない。この場合において、協同組織金融機関は、当該申込者に割り当てる募集優先出資の口数を、前条第2項第2号の口数よりも減少することができる。
協同組織金融機関は、第6条第1項第3号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集優先出資の口数を通知しなければならない。
第8条の規定により優先出資者に優先出資の割当てを受ける権利を与えた場合において、優先出資者が同条第1項第2号の期日までに前条第2項の申込みをしないときは、当該優先出資者は、募集優先出資の割当てを受ける権利を失う。
前条及び前三項の規定は、募集優先出資を引き受けようとする者がその総口数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。
第11条
【募集優先出資の引受け】
次の各号に掲げる者は、当該各号に定める募集優先出資の口数について募集優先出資の引受人となる。
申込者 協同組織金融機関の割り当てた募集優先出資の口数
前条第4項の契約により募集優先出資の総口数を引き受けた者 その者が引き受けた募集優先出資の口数
第12条
【募集優先出資の払込み】
募集優先出資の引受人は、第6条第1項第3号の期日又は同号の期間内に、第9条第1項第7号の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集優先出資の払込金額の全額を払い込まなければならない。
募集優先出資の引受人は、前項の規定による払込みをする債務と協同組織金融機関に対する債権とを相殺することができない。
第1項の規定による払込みをすることにより募集優先出資の優先出資者となる権利の譲渡は、協同組織金融機関に対抗することができない。
募集優先出資の引受人は、第1項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより募集優先出資の優先出資者となる権利を失う。
第13条
【優先出資者となる時期】
募集優先出資の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、前条第1項の規定による払込みを行った募集優先出資の優先出資者となる。
第6条第1項第3号の期日を定めた場合 当該期日
第6条第1項第3号の期間を定めた場合 前条第1項の払込みを行った日
第14条
【優先出資の発行等についての会社法の準用】
会社法第210条(募集株式の発行等をやめることの請求)及び第211条(引受けの無効又は取消しの制限)の規定は、協同組織金融機関の優先出資の募集及び発行について準用する。この場合において、同法第210条中「株主」とあるのは「普通出資者又は優先出資者」と、「第199条第1項」とあるのは「優先出資法第6条第1項」と、「株式の発行又は自己株式の処分」とあるのは「優先出資の発行」と、同法第211条第1項中「第205条」とあるのは「優先出資法第10条第4項」と、同条第2項中「第209条」とあるのは「優先出資法第13条」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
会社法第212条第1項第2号を除く。以下この項において同じ。)(不公正な払込金額で株式を引き受けた者等の責任)の規定は募集優先出資の引受人が理事又は経営管理委員と通じて著しく不公正な払込金額で募集優先出資を引き受けた場合について、同法第7編第2章第2節第847条第2項第849条第2項第2号及び第5項並びに第851条を除く。)(株式会社における責任追及等の訴え)の規定はこの項において準用する同法第212条第1項の規定による支払を求める訴えについて、それぞれ準用する。この場合において、同法第847条第1項(責任追及等の訴え)中「株式を有する株主(第189条第2項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)」とあるのは「普通出資者又は優先出資者である者」と、同項ただし書及び同条第4項中「株主」とあるのは「普通出資者若しくは優先出資者」と、同条第3項第5項及び第7項中「株主」とあるのは「普通出資者又は優先出資者」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
会社法第828条第1項第2号に係る部分に限る。)及び第2項第2号に係る部分に限る。)(会社の組織に関する行為の無効の訴え)、第834条第2号に係る部分に限る。)(被告)、第835条第1項(訴えの管轄)、第836条第1項及び第3項(担保提供命令)、第837条から第840条まで(弁論等の必要的併合、認容判決の効力が及ぶ者の範囲、無効又は取消しの判決の効力、新株発行の無効判決の効力)並びに第846条(原告が敗訴した場合の損害賠償責任)の規定は優先出資の発行の無効の訴えについて、同法第868条第1項(非訟事件の管轄)、第871条本文(理由の付記)、第872条第2号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第873条本文(原裁判の執行停止)、第875条から第877条まで(非訟事件手続法の規定の適用除外、最高裁判所規則、審問等の必要的併合)及び第878条第1項(裁判の効力)の規定はこの項において準用する同法第840条第2項の申立てについて、それぞれ準用する。この場合において、同法第828条第1項第2号中「六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内)」とあるのは「六箇月以内」と、同条第2項第2号中「株主等」とあるのは「普通出資者、優先出資者、理事、経営管理委員、監事又は清算人」と、同法第840条第1項中「払込みを受けた金額又は給付を受けた財産の給付の時における価額」とあるのは「払込みを受けた金額」と、「旧株券(前条の規定により効力を失った株式に係る株券をいう。以下この節において同じ。)」とあるのは「旧優先出資証券(前条の規定により効力を失った優先出資に係る優先出資証券をいう。)」と、同条第2項中「株主」とあるのは「普通出資者又は優先出資者」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
会社法第829条第1号に係る部分に限る。)(新株発行等の不存在の確認の訴え)、第834条第13号に係る部分に限る。)(被告)、第835条第1項(訴えの管轄)、第836条第1項及び第3項(担保提供命令)、第837条(弁論等の必要的併合)、第838条(認容判決の効力が及ぶ者の範囲)並びに第846条(原告が敗訴した場合の損害賠償責任)の規定は、優先出資の発行の不存在の確認の訴えについて準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第15条
【自己優先出資の消却】
協同組織金融機関は、次に掲げる場合には、普通出資者総会の決議によって、資本金の額を変更することなく、優先出資の消却を行うことができる。
第19条第1項の規定による剰余金の配当の限度額からその事業年度の優先的配当の額を控除して得た額の全部又は一部をもって自己の優先出資を取得して消却を行う場合
普通出資の増加によって得た資金をもって自己の優先出資を取得して消却を行う場合
協同組織金融機関は、優先出資の消却を行おうとするときは、行政庁の認可を受けなければならない。
額面金額を超える額を取得の対価として第1項第2号の優先出資の消却を行う場合には、消却後の普通出資の総額と優先出資の額面金額に消却後の発行済優先出資の総口数を乗じて得た額の合計額は、資本金の額を超えてはならない。
第1項の決議は、協同組織金融機関の定款の変更の決議の例による。
会社法第219条第1項各号を除く。)(株券の提出に関する公告等)及び第220条(株券の提出をすることができない場合)の規定は、優先出資を発行している協同組織金融機関が消却のために自己の優先出資を取得する場合について準用する。この場合において、同法第219条第1項中「当該各号に定める」とあるのは「消却のために取得する」と、同条第2項中「前項各号に掲げる行為」とあるのは「消却のための自己の優先出資の取得」と、「金銭等」とあるのは「金銭」と、同条第3項中「第1項各号に定める」とあるのは「消却のために取得する」と、「当該各号に掲げる行為」とあるのは「消却のための取得」と、同法第220条第2項中「金銭等」とあるのは「金銭」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第16条
【優先出資の分割】
協同組織金融機関は、優先出資の分割をすることができる。
協同組織金融機関は、優先出資の分割をしようとするときは、その都度、普通出資者総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
優先出資の分割により増加する優先出資の総口数の優先出資の分割前の発行済優先出資(種類優先出資発行協同組織金融機関にあっては、第3号の種類の発行済優先出資)の総口数に対する割合及び当該優先出資の分割に係る一定の日
優先出資の分割がその効力を生ずる日
協同組織金融機関が種類優先出資発行協同組織金融機関である場合には、分割する優先出資の種類
協同組織金融機関は、優先出資の分割を行おうとするときは、行政庁の認可を受けなければならない。
普通出資の総額と優先出資の額面金額に分割後の発行済優先出資の総口数を乗じて得た額の合計額は、資本金の額を超えてはならない。
第2項の決議は、協同組織金融機関の定款の変更の決議の例による。
会社法第184条第1項(効力の発生等)及び第215条第3項(株券の発行)の規定は、協同組織金融機関の優先出資の分割について準用する。この場合において、同法第184条第1項中「基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主」とあるのは「優先出資法第16条第2項第1号の1定の日において優先出資者名簿に記載され、又は記録されている優先出資者」と、「あっては、基準日」とあるのは「あっては、同号の一定の日」と、「前条第2項第3号の種類の種類株主」とあるのは「同項第3号の種類の優先出資の優先出資者」と、「基準日に有する」とあるのは「同項第1号の1定の日に有する」と、「数」とあるのは「口数」と、同法第215条第3項中「第183条第2項第2号」とあるのは「優先出資法第16条第2項第2号」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
会社法第234条第1項(各号を除く。)から第5項まで(一に満たない端数の処理)、第868条第1項(非訟事件の管轄)、第869条(疎明)、第871条(理由の付記)、第874条第4号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第875条非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第876条(最高裁判所規則)の規定は、協同組織金融機関の発行する優先出資の分割により一口に満たない端数を生ずる場合について準用する。この場合において、同法第234条第1項中「合計数」とあるのは「合計口数」と、「相当する数」とあるのは「相当する口数」と、同条第4項第1号中「数」とあるのは「口数」と、同条第5項中「取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議」とあるのは「理事会を設置する協同組織金融機関においては、前項各号に掲げる事項の決定は、理事会の決議」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第3章
優先出資者の権利等
第17条
【普通出資者総会における議決権等】
優先出資者は、優先出資について、普通出資者総会における議決権その他の根拠法による普通出資者の権利を有しない。
第18条
【優先出資者の責任】
優先出資者の責任は、その有する優先出資の引受価額を限度とする。
第19条
【優先出資者に対する剰余金の配当】
優先出資者に対する剰余金の配当は、事業年度終了の日における純資産の額(貸借対照表上の資産の額から負債の額を控除して得た額をいう。)から次に掲げる金額を控除して得た額を限度として行うことができる。
資本金の額
資本準備金及び法定準備金の合計額
根拠法に基づいて当該事業年度において積み立てなければならない法定準備金の最低額(農業協同組合又は漁業協同組合若しくは水産加工業協同組合にあっては、その額に農業協同組合法第51条第7項(剰余金の繰越し)又は水産業協同組合法第55条第7項(剰余金の繰越し)(同法第96条第3項において準用する場合を含む。)の規定に基づいて当該事業年度において翌事業年度に繰り越さなければならない繰越金の最低額を加えた額)
その他主務省令で定める額
普通出資者に対する剰余金の配当は、根拠法の規定にかかわらず、優先出資者に対する優先的配当を行った後でなければ、行ってはならない。
優先出資者に対する剰余金の配当の額が優先的配当の額を下回ったときは、定款に別段の定めがある場合を除き、その下回った額は、翌事業年度の優先的配当の額に加算されるものとする。
前項の規定による加算がある場合には、第15条第1項及びこの条の規定の適用については、その加算して得た額の剰余金の配当を翌事業年度の優先的配当とする。この場合においては、第5条第1項第2号及び第3号の率の計算については、その加算した額は、剰余金の配当に含まれないものとする。
協同組織金融機関は、優先出資者に対する剰余金の配当の額を優先的配当の額を下回る額とする剰余金の処分を行おうとするときは、第6章に定めるところにより、優先出資者総会を招集し、その承認を受けなければならない。ただし、優先出資者に対する剰余金の配当の合計額が第1項の規定による剰余金の配当の限度額に等しいときは、この限りでない。
前項本文の場合においては、理事は、優先出資者総会において、同項本文の剰余金の処分を行う理由を開示しなければならない。
第5項本文の場合における議案の要領は、優先出資者総会の招集通知に記載しなければならない。
協同組織金融機関は、連続する二以上の事業年度の確定した決算において第1項の規定による剰余金の配当の限度額が優先的配当の合計額を下回ることとなった場合には、決算確定後遅滞なく、第6章に定めるところにより優先出資者総会を招集し、その業務及び財産の状況を報告しなければならない。
前項の報告があった場合において、優先出資者は、発行済優先出資の総口数の十分の一以上を有する優先出資者の同意を得て、協同組織金融機関の業務の運営又は財産の管理が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当である旨を行政庁に対して申し出ることができる。
10
行政庁は、前項の申出があった場合において、その申出に理由があると認めるときは、根拠法に基づき必要な措置を採るものとする。
11
協同組織金融機関は、定款で定めるところにより、優先出資者に優先的配当のほかに、剰余金の配当を行うことができる。
12
第5項又は前項の剰余金の配当は、優先出資者の有する優先出資の口数(剰余金の配当について優先出資の種類ごとに異なる取扱いを行うこととする旨の定めがある場合にあっては、各種類の優先出資の口数)に応じてしなければならない。
第20条
【優先出資者に対する残余財産の分配】
優先出資者に対する残余財産の分配は、優先出資の額面金額(解散の日の直前の事業年度において、前条第3項の規定により翌事業年度の優先的配当の額に加算されるべき額があるときは、額面金額とその加算されるべき額との合計額)について、普通出資者に対する残余財産の分配に先立って行うものとする。
協同組織金融機関は、定款で定めるところにより、優先出資者に前項の規定による残余財産の分配のほかに、優先出資者の有する優先出資の口数又は各種類の優先出資の口数に応じて、残余財産の分配を行うことができる。
参照条文
第21条
【共有者による権利の行使】
優先出資が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該優先出資についての権利を行使する者一人を定め、協同組織金融機関に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該優先出資についての権利を行使することができない。ただし、協同組織金融機関が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。
第22条
【優先出資者のその他の権利】
優先出資者は、協同組織金融機関の業務取扱時間内は、いつでも、定款その他の事務所に備え置かれた政令で定める書類(以下この項において「定款等」という。)について、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第2号又は第4号に掲げる請求をするには、当該協同組織金融機関の定めた費用を支払わなければならない。
定款等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
定款等が電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして主務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を主務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって主務省令で定めるものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
優先出資者は、協同組織金融機関の業務取扱時間内は、いつでも、普通出資者の名簿その他の事務所に備え置かれた政令で定める書類(以下この条において「名簿等」という。)について、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
名簿等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
名簿等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を主務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
優先出資者は、協同組織金融機関の業務取扱時間内は、いつでも、貸借対照表、損益計算書その他の事務所に備え置かれた政令で定める書類(以下この項において「計算書類等」という。)について、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第2号又は第4号に掲げる請求をするには、当該協同組織金融機関の定めた費用を支払わなければならない。
計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求
前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を主務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって協同組織金融機関の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
協同組織金融機関は、第2項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。
当該請求を行う優先出資者がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
優先出資者が当該協同組織金融機関の業務の遂行を妨げ、又は普通出資者及び優先出資者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
優先出資者が当該協同組織金融機関の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。
優先出資者が名簿等の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
優先出資者が、過去二年以内において、名簿等の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
次に掲げる訴えは、農林中央金庫又は連合会等の発行する優先出資の優先出資者も、提起することができる。
農林中央金庫又は連合会等における出資一口の金額の減少の無効の訴え
農林中央金庫又は連合会等の合併の無効の訴え
六月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き優先出資を有する農林中央金庫又は連合会等の優先出資者は、理事が協同組織金融機関の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該協同組織金融機関に回復することができない損害が生ずるおそれがあるときは、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
第4章
優先出資の譲渡等
第23条
【優先出資の譲渡】
優先出資者は、その有する優先出資を譲渡することができる。
協同組織金融機関は、優先出資の譲渡を制限してはならない。
優先出資に係る優先出資証券を発行する旨を定款で定めた協同組織金融機関(以下「優先出資証券発行協同組織金融機関」という。)の優先出資の譲渡は、当該優先出資に係る優先出資証券を交付しなければ、その効力を生じない。ただし、自己優先出資の処分による優先出資の譲渡については、この限りでない。
優先出資証券の発行前にした譲渡は、優先出資証券発行協同組織金融機関に対し、その効力を生じない。
優先出資証券の占有者は、当該優先出資証券に係る優先出資についての権利を適法に有するものと推定する。
優先出資証券の交付を受けた者は、当該優先出資に係る優先出資証券についての権利を取得する。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
第24条
【優先出資の譲渡の対抗要件】
優先出資の譲渡は、その優先出資を取得した者の氏名又は名称及び住所を優先出資者名簿に記載し、又は記録しなければ、協同組織金融機関その他の第三者に対抗することができない。
優先出資証券発行協同組織金融機関における前項の規定の適用については、同項中「協同組織金融機関その他の第三者」とあるのは、「協同組織金融機関」とする。
第25条
【優先出資者名簿等】
協同組織金融機関は、優先出資者名簿を作成し、これに次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
優先出資者の氏名又は名称及び住所
前号の優先出資者の有する優先出資の種類及び口数
第1号の優先出資者が優先出資を取得した日
優先出資証券発行協同組織金融機関である場合には、第2号の優先出資(優先出資証券が発行されているものに限る。)に係る優先出資証券の番号
協同組織金融機関は、優先出資者名簿管理人(協同組織金融機関に代わって優先出資者名簿の作成及び備置きその他の優先出資者名簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を置く旨を定款で定め、当該事務を行うことを委託することができる。
第26条
【優先出資者名簿についての会社法の準用】
会社法第122条(株主名簿記載事項を記載した書面の交付等)、第124条第5項を除く。)(基準日)、第125条第1項から第3項まで(株主名簿の備置き及び閲覧等)、第132条第1項及び第3項(株主の請求によらない株主名簿記載事項の記載又は記録)、第133条(株主の請求による株主名簿記載事項の記載又は記録)並びに第154条の2(信託財産に属する株式についての対抗要件等)の規定は協同組織金融機関の優先出資者名簿について、同法第126条(株主に対する通知等)及び第196条第3項を除く。)(株主に対する通知の省略)の規定は優先出資の優先出資者に対する通知等について準用する。この場合において、同法第122条第1項中「前条第1号」とあり、及び同法第154条の2第2項中「第121条第1号」とあるのは「優先出資法第25条第1項第1号」と、同法第122条第2項中「株式会社の代表取締役(委員会設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)」とあり、及び同条第3項中「株式会社の代表取締役」とあるのは「協同組織金融機関を代表する理事」と、同法第124条第1項第2項及び第4項中「基準日株主」とあるのは「基準日優先出資者」と、同項中「株主総会又は種類株主総会」とあるのは「優先出資者総会」と、同法第125条第1項中「株主名簿管理人」とあるのは「優先出資者名簿管理人(優先出資法第25条第2項に規定する優先出資者名簿管理人をいう。)」と、同条第2項中「株主及び」とあるのは「普通出資者、優先出資者及び」と、同条第3項第1号中「株主又は」とあるのは「普通出資者、優先出資者又は」と、同法第133条第1項中「株式取得者」とあるのは「優先出資取得者」と、同法第126条第5項中「第299条第1項第325条において準用する場合を含む。)」とあるのは「優先出資法第35条第4項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第27条
【優先出資に対する質権の設定】
優先出資者は、その有する優先出資に質権を設定することができる。
優先出資証券発行協同組織金融機関の優先出資の質入れは、当該優先出資に係る優先出資証券を交付しなければ、その効力を生じない。
会社法第147条から第150条まで(株式の質入れの対抗要件、株主名簿の記載等、株主名簿の記載事項を記載した書面の交付等、登録株式質権者に対する通知等)、第151条(各号を除く。)、第152条第3項第153条第3項及び第154条(株式の質入れの効果)の規定は優先出資を質権の目的とする場合について、同法第196条第3項を除く。)(株主に対する通知の省略)の規定は優先出資の登録優先出資質権者に対する通知について、それぞれ準用する。この場合において、同法第149条第2項中「株式会社の代表取締役(委員会設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)」とあり、及び同条第3項中「株式会社の代表取締役」とあるのは「協同組織金融機関を代表する理事」と、同法第151条中「次に掲げる行為」とあるのは「優先出資の分割、剰余金の配当、残余財産の分配、組織変更、合併(合併により当該協同組織金融機関が消滅する場合に限る。)又は優先出資の取得」と、「金銭等(金銭その他の財産をいう。以下同じ。)」とあるのは「金銭」と、同法第154条第1項中「金銭等(金銭に限る。)」とあるのは「金銭」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第28条
【自己の優先出資の取得等】
協同組織金融機関は、次に掲げる場合を除くほか、自己の優先出資を取得し、又は質権の目的として発行済優先出資の総口数の二十分の一を超える口数の自己の優先出資を受けることはできない。
優先出資の消却のためにするとき。
協同組織金融機関の権利の実行に当たりその目的を達成するために必要なときその他政令で定めるやむを得ない事情があるとき。
協同組織金融機関は、前項第1号の場合には遅滞なく優先出資を消却し、同項第2号の場合には相当の時期に優先出資又は質権の処分をしなければならない。
協同組織金融機関の子会社は、次に掲げる場合を除くほか、当該協同組織金融機関の優先出資を取得してはならない。
合併又は他の会社(外国会社その他の法人を含む。)の事業の全部の譲受けによるとき。
子会社の権利の実行に当たりその目的を達成するために必要なとき。
前項に規定する「子会社」とは、協同組織金融機関が総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法第879条第3項(特別清算事件の管轄)の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。以下この項及び第33条第3項において同じ。)の過半数を超える議決権を保有する株式会社をいう。この場合において、協同組織金融機関及びその一若しくは二以上の子会社又は当該協同組織金融機関の一若しくは二以上の子会社がその総株主の議決権の過半数を保有する他の株式会社は、当該協同組織金融機関の子会社とみなす。
子会社(前項に規定する子会社をいう。以下同じ。)は、第3項各号に掲げる場合には、相当の時期に、同項の協同組織金融機関の優先出資を処分しなければならない。株式会社が子会社となったことを知った際に、当該協同組織金融機関の優先出資を有するときも、同様とする。
第5章
優先出資証券
第29条
【優先出資証券の発行】
協同組織金融機関は、その優先出資(種類優先出資発行協同組織金融機関にあっては、全部の種類の優先出資)に係る優先出資証券を発行する旨を定款で定めることができる。
優先出資証券発行協同組織金融機関は、優先出資を発行した日以後遅滞なく、当該優先出資に係る優先出資証券を発行しなければならない。
第30条
【優先出資証券の記載事項】
優先出資証券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、協同組織金融機関を代表する理事がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。
協同組織金融機関の名称
当該優先出資証券に係る優先出資の口数
優先出資の額面金額
優先出資の内容
第31条
【優先出資証券等についての会社法の準用】
会社法第217条(株券不所持の申出)及び第218条(株券を発行する旨の定款の定めの廃止)の規定は、優先出資証券発行協同組織金融機関について準用する。この場合において、同法第217条第2項中「数」とあるのは「口数」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
会社法第2編第2章第9節第3款第230条第4項を除く。)(株券喪失登録)の規定は、優先出資証券喪失登録簿及び優先出資証券喪失登録について準用する。この場合において、これらの規定中「株券喪失登録簿記載事項」とあるのは「優先出資証券喪失登録簿記載事項」と、「株券喪失登録日」とあるのは「優先出資証券喪失登録日」と、「株券喪失登録者」とあるのは「優先出資証券喪失登録者」と、同法第221条第1号(株券喪失登録簿)中「第218条第2項又は第219条第3項」とあるのは「優先出資法第15条第5項において準用する第219条第3項又は優先出資法第31条第1項において準用する第218条第2項」と、「株式の発行又は自己株式の処分」とあるのは「優先出資の発行」と、同法第222条(株券喪失登録簿に関する事務の委託)中「第123条の規定の適用については、同条中」とあるのは「優先出資法第25条第2項の規定の適用については、同項中」と、同法第230条第3項(株券喪失登録の効力)中「株主総会又は種類株主総会」とあるのは「優先出資者総会」と、同法第231条第1項(株券喪失登録簿の備置き及び閲覧等)中「株主名簿管理人」とあるのは「優先出資者名簿管理人(優先出資法第25条第2項に規定する優先出資者名簿管理人をいう。)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第6章
優先出資者総会
第32条
【優先出資者総会の招集事由】
協同組織金融機関は、第6条第3項並びに第19条第5項及び第8項に定める場合のほか、次に掲げる行為で全部又は一部の種類の優先出資者に損害を及ぼすものを行おうとする場合には、当該優先出資者による優先出資者総会を招集し、その承認を受けなければならない。ただし、定款の定めるところに従って第2号に掲げる行為を行おうとするときは、この限りでない。
定款に定められた当該優先出資の内容の変更
優先出資の割当てを受ける権利の付与、優先出資の分割若しくは優先出資の消却又は農林中央金庫若しくは連合会等の合併による出資の割当てについて、優先出資の種類ごとに異なる取扱いを行うこと。
前号の取扱いについて定款で定めるときは、その取扱いについての定款の変更
第33条
【優先出資者総会における議決権】
優先出資者は、優先出資者総会において、その有する優先出資一口について一個の議決権を有する。
前項の規定にかかわらず、協同組織金融機関は、その有する自己の優先出資について、同項の議決権を有しない。
協同組織金融機関又はその子会社が、合算して、他の株式会社の総株主の議決権の四分の一を超える議決権を有する場合には、その株式会社は、当該協同組織金融機関の優先出資について、第1項の議決権を有しない。
第34条
【優先出資者総会の決議方法】
優先出資者総会の決議は、発行済優先出資の総口数の過半数の優先出資を有する者が出席し、その議決権の三分の二以上の多数により行う。
前条第2項又は第3項の規定により優先出資者総会における議決権を有しない者の有する優先出資の口数は、前項の発行済優先出資の総口数に算入しない。
第35条
【優先出資者総会の招集】
優先出資者総会は、第3項に定める場合を除くほか、定款で定めるところにより招集しなければならない。
優先出資者総会の招集事由があるにもかかわらず、優先出資者総会が招集されないときは、発行済優先出資の総口数の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する優先出資者は、理事(農林中央金庫又は経営管理委員を置く農業協同組合、農業協同組合連合会、漁業協同組合若しくは漁業協同組合連合会にあっては、経営管理委員)に対し、優先出資者総会の目的である事項(当該優先出資者が議決権を行使することができる事項に限る。)及び招集の理由を示して、優先出資者総会の招集を請求することができる。
次に掲げる場合には、前項の規定による請求をした優先出資者は、行政庁の認可を得て、優先出資者総会を招集することができる。
前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合
前項の規定による請求があった日から六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を優先出資者総会の日とする優先出資者総会の招集の通知が発せられない場合
優先出資者総会を招集するには、理事は、定款の定めるところにより、各優先出資者(当該優先出資者総会において議決権を行使することができるものに限る。)に対してその通知を発しなければならない。
第36条
【理事等の説明義務】
理事、経営管理委員及び監事は、優先出資者総会において、優先出資者から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。ただし、当該事項が優先出資者総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより優先出資者の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として主務省令で定める場合は、この限りでない。
第37条
【議長の権限】
優先出資者総会の議長は、当該優先出資者総会の秩序を維持し、議事を整理する。
優先出資者総会の議長は、その命令に従わない者その他当該優先出資者総会の秩序を乱す者を退場させることができる。
第38条
【延期又は続行の決議】
優先出資者総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第35条第4項の規定は、適用しない。
第39条
【議事録】
優先出資者総会の議事については、主務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。
協同組織金融機関は、優先出資者総会の日から十年間、前項の議事録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
協同組織金融機関は、優先出資者総会の日から五年間、第1項の議事録の写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における次項第2号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として主務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。
普通出資者又は優先出資者は、協同組織金融機関の業務取扱時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
第1項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求
第1項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を主務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
第40条
【優先出資者総会等についての会社法の準用】
会社法第300条から第302条まで(招集手続の省略、株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付等)の規定は、優先出資者総会の招集の通知について準用する。この場合において、同法第300条中「前条」とあるのは「優先出資法第35条第4項」と、「第298条第1項第3号又は第4号に掲げる事項」とあるのは「優先出資者総会に出席しない優先出資者が書面又は電磁的方法によって議決権を行使することができることとする旨」と、同法第301条第1項中「第298条第1項第3号に掲げる事項」とあるのは「優先出資者総会に出席しない優先出資者が書面によって議決権を行使することができることとする旨」と、同項及び同法第302条第1項中「第299条第1項の通知」とあるのは「優先出資法第35条第4項の通知」と、同法第301条第2項及び第302条第2項から第4項までの規定中「第299条第3項の承諾」とあるのは「書面による招集通知の発出に代えて、電磁的方法により通知を発することについての承諾」と、同法第301条並びに第302条第1項及び第2項中「株主総会参考書類」とあるのは「優先出資者総会参考書類」と、同条第1項中「第298条第1項第4号に掲げる事項」とあるのは「優先出資者総会に出席しない優先出資者が電磁的方法によって議決権を行使することができることとする旨」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
会社法第310条から第313条まで(議決権の代理行使、書面による議決権の行使、電磁的方法による議決権の行使、議決権の不統一行使)の規定は、優先出資者による議決権の行使について準用する。この場合において、同法第310条第4項及び第312条第2項中「第299条第3項の承諾」とあるのは「書面による招集通知の発出に代えて、電磁的方法によって通知を発することについての承諾」と、同法第313条第2項中「取締役会設置会社においては、前項の株主は」とあるのは「優先出資者は」と、「取締役会設置会社に対して」とあるのは「協同組織金融機関に対して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
会社法第319条第1項から第3項まで(株主総会の決議の省略)及び第320条(株主総会への報告の省略)の規定は、優先出資者総会について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
会社法第830条(株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え)、第831条(株主総会等の決議の取消しの訴え)、第834条第16号及び第17号に係る部分に限る。)(被告)、第835条第1項(訴えの管轄)、第836条第1項及び第3項(担保提供命令)、第837条(弁論等の必要的併合)、第838条(認容判決の効力が及ぶ者の範囲)並びに第846条(原告が敗訴した場合の損害賠償責任)の規定は、優先出資者総会の決議の不存在若しくは無効の確認又は取消しの訴えについて準用する。この場合において、同法第831条第1項中「株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)」とあるのは「普通出資者、優先出資者、理事、経営管理委員、監事又は清算人」と、「取締役、監査役又は清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第346条第1項第479条第4項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役又は設立時監査役を含む。)」とあるのは「理事、経営管理委員、監事又は清算人(農林中央金庫法第39条第1項同法第95条において準用する場合を含む。)、中小企業等協同組合法第36条の2同法第69条において準用する場合を含む。)、信用金庫法第35条の3同法第64条において準用する場合を含む。)、労働金庫法第37条同法第68条において準用する場合を含む。)、農業協同組合法第39条同法第72条の2の2において準用する場合を含む。)又は水産業協同組合法第42条の2同法第92条第3項第96条第3項及び第100条第3項において準用する場合を含む。)の規定により理事、経営管理委員、監事又は清算人としての権利義務を有する者を含む。)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第7章
雑則
第41条
【役員等の責任】
協同組織金融機関の役員等(理事、経営管理委員、監事及び会計監査人をいう。以下この条において同じ。)がこの法律若しくはこの法律に基づく命令又は優先出資に関する定款の規定に違反したときは、協同組織金融機関に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
前項の行為によって農林中央金庫又は連合会等に損害が生じたときは、次に掲げる農林中央金庫又は連合会等の役員等は、当該行為を行ったものと推定する。
農林中央金庫又は連合会等が当該行為をすることを決定した役員等
当該行為に関する理事会の承認の決議に賛成した役員等
第1項の役員等の責任は、総普通出資者及び総優先出資者の同意がなければ、免除することができない。
前項の規定にかかわらず、第1項の責任は、農林中央金庫又は連合会等の役員等が職務を行うことにつき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から、当該役員等がその在職中に農林中央金庫又は連合会等から職務の執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として主務省令で定める方法により算定される額に次の各号に掲げる区分に応じて当該各号に定める数を乗じて得た額を控除して得た額を限度として、根拠法による普通出資者総会の特別の決議及び優先出資者総会の決議によって免除することができる。
農林中央金庫又は連合会等を代表する理事 六
前号以外の理事又は経営管理委員(信用金庫法第39条第4項第2号に規定する会員外理事その他これに準ずるものとして政令に定めるもの(次号において「会員外理事等」という。)を除く。) 四
会員外理事等、監事又は会計監査人 二
前項に規定する「根拠法による普通出資者総会の特別の決議」とは、農林中央金庫にあっては農林中央金庫法第49条第1項、信用協同組合及び中小企業等協同組合法第9条の9第1項第1号の事業を行う協同組合連合会にあっては同法第53条、信用金庫及び信用金庫連合会にあっては信用金庫法第48条の3、労働金庫及び労働金庫連合会にあっては労働金庫法第53条、農業協同組合及び農業協同組合連合会にあっては農業協同組合法第46条、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合及び水産加工業協同組合連合会にあっては水産業協同組合法第50条同法第92条第3項第96条第3項及び第100条第3項において準用する場合を含む。)の決議をいう。
第4項の場合には、理事(農林中央金庫並びに経営管理委員を置く農業協同組合、農業協同組合連合会、漁業協同組合及び漁業協同組合連合会にあっては、経営管理委員。次項において同じ。)は、第4項の普通出資者総会及び優先出資者総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。
責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額
第4項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠
責任を免除すべき理由及び免除額
理事は、第4項の責任の免除に関する議案を同項の普通出資者総会及び優先出資者総会に提出するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては各監事とし、農林中央金庫にあっては監事会とする。)の同意を得なければならない。
第4項の普通出資者総会及び優先出資者総会の決議があった場合において、農林中央金庫又は連合会等が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の主務省令で定める財産上の利益を与えるときは、普通出資者総会及び優先出資者総会の承認を受けなければならない。
役員等が協同組織金融機関に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
第42条
【資本金及び資本準備金】
優先出資を発行する協同組織金融機関の資本金は、第15条第1項次項第4項ただし書及び第44条第2項に規定する場合を除くほか、その普通出資の総額及び優先出資について払い込まれた払込金額の総額の合計額とする。
優先出資の払込金額のうち額面金額を超える額は、払込金額の二分の一の範囲内において、資本金として計上しないことができる。
優先出資の払込金額のうち資本金として計上しない額は、資本準備金として計上しなければならない。
資本準備金は、損失のてん補に充てる場合を除くほか、その額を減少してはならない。ただし、行政庁の認可を受けて、その全部又は一部を資本金として計上する場合は、この限りでない。
法定準備金をもって損失のてん補に充ててもなお不足する場合でなければ、資本準備金をもってこれに充てることはできない。
第43条
【協同組織金融機関の資本金の額等】
優先出資は、根拠法にいう出資ではない。
前項の規定にかかわらず、優先出資を発行している協同組織金融機関の次の各号に掲げる法律の規定の適用については、この法律による資本金の額をもって、当該協同組織金融機関の当該各号に定めるものとする。
農林中央金庫法第4条(資本金)、第60条(農林債の発行)、第76条第2項(準備金の積立て)及び第77条第1項第1号(剰余金の配当) 資本金、払込資本金及び資本金の額
協同組合による金融事業に関する法律第2条(出資の金額)及び第5条の12第1号(剰余金の配当) 出資の総額、出資の額及び出資金
信用金庫法第5条(出資の総額の最低限度)、第54条の2の4第1項(全国連合会債の発行限度)、第56条第1項(法定準備金)及び第57条第1項第1号(剰余金の配当) 出資の総額
労働金庫法第7条(出資の総額の最低限度)、第60条第1項(法定準備金)及び第61条第1項第1号(剰余金の配当) 出資の総額
農業協同組合法第10条の2(出資の総額の最低限度)、第11条の8第1号(共済事業に係る経営の健全性の基準)、第51条第2項(準備金)及び第52条第1項第1号(剰余金の配当) 出資の総額及び出資総額
水産業協同組合法第11条の3第1項(出資の総額の最低限度)(同法第92条第1項第96条第1項及び第100条第1項において準用する場合を含む。)、第15条の3第1号(共済事業に係る経営の健全性の基準)(同法第96条第1項において準用する場合を含む。)、第55条第2項(準備金及び繰越金)(同法第92条第3項第96条第3項及び第100条第3項において準用する場合を含む。)及び第56条第1項第1号(剰余金の配当)(同法第92条第3項第96条第3項及び第100条第3項において準用する場合を含む。) 出資の総額及び出資総額
優先出資を発行している協同組織金融機関に対する次の各号に掲げる法律の規定の適用については、当該各号に定める規定に規定する準備金は、前条第3項に規定する資本準備金を含むものとする。
水産業協同組合法第56条第1項(剰余金の配当)(同法第92条第3項第96条第3項及び第100条第3項において準用する場合を含む。)同法第56条第1項第2号同法第92条第3項第96条第3項及び第100条第3項において準用する場合を含む。)
第44条
【優先出資に係る資本金の額の減少】
優先出資を発行している協同組織金融機関が、根拠法の規定に基づき普通出資一口の金額の減少の決議をしたときは、優先出資の額面金額も、同額に減少する。
前項の場合には、資本金の額は、従前の資本金の額から普通出資の総額の減少額と優先出資の額面金額の減少額に発行済優先出資の総口数を乗じて得た額の合計額を控除して得た額に減少する。
優先出資を発行している協同組織金融機関は、前二項に定める場合のほか、資本金の額の減少を行うことはできない。
第45条
【登記】
協同組織金融機関は、優先出資を発行するときは、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を登記しなければならない。これらの事項に変更を生じたときも、同様とする。
第5条第1項から第3項までの規定により定款で定めた優先出資の総口数の最高限度
発行済優先出資の総口数並びに種類及び種類ごとの口数
優先出資発行後の資本金の額から普通出資の総額を控除して得た額
優先出資証券発行協同組織金融機関であるときは、その旨
優先出資者名簿管理人を置いたときは、その氏名又は名称及び住所並びに営業所
前項の規定により登記を必要とする事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
この法律に基づく訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、協同組織金融機関の主たる事務所(当該判決に係る事項について従たる事務所に登記がされているときにあっては、主たる事務所及び当該登記に係る従たる事務所)の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。この場合においては、嘱託書に裁判書の謄本を添付しなければならない。
第46条
削除
第47条
【届出事項】
協同組織金融機関は、この法律の規定による行政庁の認可を受けた事項を実行したときは、その旨を行政庁に届け出なければならない。
第48条
【認可の条件】
行政庁は、この法律の規定による認可に条件を付し、及びこれを変更することができる。
第49条
【認可の失効】
協同組織金融機関がこの法律の規定による認可を受けた日から六月以内に当該認可を受けた事項を実行しなかったときは、当該認可は、効力を失う。
第50条
【主管行政庁等】
この法律中「行政庁」とあるのは、一の都道府県の区域を超えない区域を地区とする農業協同組合、漁業協同組合若しくは水産加工業協同組合又は一の都道府県の区域の一部をその地区の全部とする農業協同組合連合会、漁業協同組合連合会若しくは水産加工業協同組合連合会については都道府県知事、その他の協同組織金融機関については主務大臣とする。
この法律における主務大臣は、優先出資を発行する協同組織金融機関の根拠法に基づく主務大臣とする。
この法律における主務省令は、次の各号に掲げる協同組織金融機関の区分に従い、当該各号に定める者の発する命令とする。
農林中央金庫 農林水産大臣及び内閣総理大臣
信用協同組合及び中小企業等協同組合法第9条の9第1項第1号(信用協同組合連合会)の事業を行う協同組合連合会 内閣総理大臣
信用金庫及び信用金庫連合会 内閣総理大臣
労働金庫及び労働金庫連合会 内閣総理大臣及び厚生労働大臣
農業協同組合及び農業協同組合連合会 農林水産大臣及び内閣総理大臣
漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合及び水産加工業協同組合連合会 農林水産大臣及び内閣総理大臣
第51条
【権限の委任等】
この法律による主務大臣の権限であって、前条の規定により内閣総理大臣の権限とされるもの(政令で定めるものを除く。)は、金融庁長官に委任する。
前項の規定により金融庁長官に委任された権限及びこの法律による農林水産大臣の権限の一部は、政令で定めるところにより、これを地方支分部局の長(金融庁長官に委任された権限にあっては、財務局長又は財務支局長)に委任することができる。
この法律による農林水産大臣又は厚生労働大臣の権限及び第1項の規定により金融庁長官に委任された権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。
第52条
【書類の経由】
この法律又はこの法律に基づく命令の規定により内閣総理大臣又は金融庁長官及び厚生労働大臣に提出する認可に関する申請書その他の書類で政令で定めるものの提出は、政令で定めるところにより、都道府県知事を経由して行わなければならない。
第53条
【事務の区分】
この法律(第51条第3項を除く。)の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。
第54条
【政令への委任】
この法律に定めるもののほか、優先出資者に対する剰余金の配当の支払の場所、この法律の規定による認可の手続その他この法律を実施するために必要な事項は、政令で定める。
第55条
【経過措置】
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要とされる範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第8章
罰則
第56条
協同組織金融機関の理事、経営管理委員若しくは監事又は支配人、参事その他事業に関するある種類若しくは特定の事項の委任を受けた使用人(以下「役員等」という。)は、次の各号のいずれかに該当する場合には、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
何人の名義をもってするかを問わず、協同組織金融機関の計算において不正にその優先出資を取得し、又は質権の目的としてその優先出資を受けたとき。
第19条の規定又は第5条の規定に基づいて定められた定款の規定に違反して剰余金の配当を行ったとき。
優先出資を発行している協同組織金融機関の事業の範囲外において、投機取引のために当該協同組織金融機関の財産を処分したとき。
第57条
役員等又は優先出資の募集の委託を受けた者が、優先出資を引き受ける者の募集をするに当たり、協同組織金融機関の事業その他の事項に関する説明を記載した資料若しくは当該募集の広告その他の当該募集に関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又はこれらの書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその募集の事務の用に供したときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
優先出資の売出しを行う者が、その売出しに関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又は当該文書の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその売出しの事務の用に供したときも、前項と同様とする。
参照条文
第58条
役員等が、優先出資の発行に係る払込みを仮装するため預合いを行ったときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。預合いに応じた者も、同様とする。
参照条文
第59条
理事が、第5条第1項第1号の定款に定められた最高限度を超えて優先出資を発行したときは、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
第60条
法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、第57条及び第58条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して当該各条の罰金刑を科する。
前項の規定により法人でない団体を処罰する場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第61条
協同組織金融機関の理事、経営管理委員、監事、支配人、参事、優先出資者名簿管理人又は清算人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
この法律(この法律において準用する会社法を含む。次号において同じ。)の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。
この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類若しくは電磁的記録に記録された事項を主務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付、電磁的記録に記録された事項を電磁的方法により提供すること若しくはその事項を記載した書面の交付を拒んだとき。
第6条第1項第8条第1項第15条第2項第16条第3項又は第42条第4項ただし書の規定により、行政庁又は主務大臣の認可を受けるべき場合に、その認可を受けなかったとき。
第6条第3項後段の規定による説明又は第19条第6項若しくは第41条第6項の規定による開示をすることを怠ったとき。
第20条の規定に違反して、協同組織金融機関の残余財産を分配したとき。
優先出資者名簿、優先出資証券喪失登録簿、優先出資者総会の議事録又は第26条において準用する会社法第122条第1項若しくは第27条第3項において準用する同法第149条第1項の書面若しくは電磁的記録に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず,若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。
第39条第2項若しくは第3項の規定又は第26条において準用する会社法第125条第1項第31条第2項において準用する同法第231条第1項第40条第2項において準用する同法第310条第6項第311条第3項若しくは第312条第4項若しくは第40条第3項において準用する同法第319条第2項の規定に違反して、書類又は電磁的記録を備え置かなかったとき。
第28条第2項の規定に違反して、優先出資の消却の手続又は優先出資若しくは質権の処分を怠ったとき。
優先出資の発行の日前に優先出資証券を発行したとき。
第29条第2項の規定に違反して、遅滞なく優先出資証券を発行しなかったとき。
優先出資証券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。
第31条第2項において準用する会社法第225条第4項第226条第2項第227条又は第229条第2項の規定に違反して、優先出資証券喪失登録を抹消しなかったとき。
第31条第2項において準用する会社法第230条第1項の規定に違反して、優先出資者名簿に記載し、又は記録したとき。
第6条第3項第19条第5項若しくは第8項又は第32条の規定に違反して、優先出資者総会を招集しなかったとき。
優先出資者総会に対し虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたとき。
正当な理由がないのに、優先出資者総会において優先出資者の求めた事項について説明をしなかったとき。
第42条第3項の規定に違反して資本準備金を計上せず、又は同条第4項若しくは第5項の規定に違反して資本準備金の額を減少したとき。
第45条の登記をすることを怠ったとき。
子会社の取締役若しくは執行役が第28条第3項若しくは第5項の規定に違反して優先出資を取得し、又は優先出資の処分を怠ったときも、前項と同様とする。
附則
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成8年6月21日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成九年四月一日から施行する。
第12条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の各改正規定の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の各改正規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第13条
(その他の経過措置の政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成8年12月26日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。
附則
平成9年6月20日
第1条
(施行期日)
この法律は、金融監督庁設置法の施行の日から施行する。
第2条
(大蔵大臣等がした処分等に関する経過措置)
この法律による改正前の担保附社債信託法、信託業法、農林中央金庫法、無尽業法、銀行等の事務の簡素化に関する法律、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、農業協同組合法、証券取引法、損害保険料率算出団体に関する法律、水産業協同組合法、中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律、船主相互保険組合法、証券投資信託法、信用金庫法、長期信用銀行法、貸付信託法、中小漁業融資保証法、信用保証協会法、労働金庫法、外国為替銀行法、自動車損害賠償保障法、農業信用保証保険法、金融機関の合併及び転換に関する法律、外国証券業者に関する法律、預金保険法、農村地域工業等導入促進法、農水産業協同組合貯金保険法、銀行法、貸金業の規制等に関する法律、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律、金融先物取引法、前払式証票の規制等に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律、特定債権等に係る事業の規制に関する法律、金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律、協同組織金融機関の優先出資に関する法律、不動産特定共同事業法、保険業法、金融機関の更生手続の特例等に関する法律、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律、日本銀行法又は銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律(以下「旧担保附社債信託法等」という。)の規定により大蔵大臣その他の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為は、この法律による改正後の担保附社債信託法、信託業法、農林中央金庫法、無尽業法、銀行等の事務の簡素化に関する法律、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、農業協同組合法、証券取引法、損害保険料率算出団体に関する法律、水産業協同組合法、中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律、船主相互保険組合法、証券投資信託法、信用金庫法、長期信用銀行法、貸付信託法、中小漁業融資保証法、信用保証協会法、労働金庫法、外国為替銀行法、自動車損害賠償保障法、農業信用保証保険法、金融機関の合併及び転換に関する法律、外国証券業者に関する法律、預金保険法、農村地域工業等導入促進法、農水産業協同組合貯金保険法、銀行法、貸金業の規制等に関する法律、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律、金融先物取引法、前払式証票の規制等に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律、特定債権等に係る事業の規制に関する法律、金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律、協同組織金融機関の優先出資に関する法律、不動産特定共同事業法、保険業法、金融機関の更生手続の特例等に関する法律、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律、日本銀行法又は銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律(以下「新担保附社債信託法等」という。)の相当規定に基づいて、内閣総理大臣その他の相当の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為とみなす。
この法律の施行の際現に旧担保附社債信託法等の規定により大蔵大臣その他の国の機関に対してされている申請、届出その他の行為は、新担保附社債信託法等の相当規定に基づいて、内閣総理大臣その他の相当の国の機関に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。
旧担保附社債信託法等の規定により大蔵大臣その他の国の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、これを、新担保附社債信託法等の相当規定により内閣総理大臣その他の相当の国の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、新担保附社債信託法等の規定を適用する。
第5条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第6条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成9年6月24日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。
第2条
(経過措置)
第一条から第五条まで、第七条から第二十四条まで、第二十六条から第三十二条まで、第三十四条から第三十七条まで、第三十九条、第四十一条から第五十条まで、第五十二条から第六十四条まで及び第六十六条から第七十二条までの規定による改正後の法律の規定は、平成八年四月一日に始まる事業年度に係る当該法律の規定に規定する書類(第十八条の規定による改正後の日本輸出入銀行法第三十五条第二項及び第十九条の規定による改正後の日本開発銀行法第三十三条第二項に規定する書類のうち、平成八年四月から九月までの半期に係るものを除く。)から適用する。
第六条の規定による改正後の科学技術振興事業団法第三十七条第三項の規定は、同法附則第十一条に規定する事業年度に係る同項に規定する書類から適用する。
第三十八条の規定による改正後の農畜産業振興事業団法第三十四条第三項の規定は、同法附則第十一条に規定する事業年度に係る同項に規定する書類から適用する。
第四十条の規定による改正後の日本中央競馬会法第三十条第三項及び第四項の規定は、平成九年一月一日に始まる事業年度に係る同条第三項及び第四項に規定する書類から適用する。
附則
平成9年12月10日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
附則
平成9年12月12日
第1条
(施行期日)
この法律は、持株会社の設立等の禁止の解除に伴う金融関係法律の整備等に関する法律の施行の日から施行する。
附則
平成10年10月16日
第1条
(施行期日)
この法律は、金融再生委員会設置法の施行の日から施行する。
第2条
(経過措置)
この法律による改正前の担保附社債信託法、信託業法、農林中央金庫法、無尽業法、銀行等の事務の簡素化に関する法律、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、農業協同組合法、証券取引法、損害保険料率算出団体に関する法律、水産業協同組合法、中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律、船主相互保険組合法、地方税法、証券投資信託及び証券投資法人に関する法律、信用金庫法、長期信用銀行法、貸付信託法、中小漁業融資保証法、信用保証協会法、労働金庫法、自動車損害賠償保障法、農業信用保証保険法、地震保険に関する法律、登録免許税法、金融機関の合併及び転換に関する法律、外国証券業者に関する法律、農村地域工業等導入促進法、農水産業協同組合貯金保険法、銀行法、貸金業の規制等に関する法律、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律、金融先物取引法、前払式証票の規制等に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律、特定債権等に係る事業の規制に関する法律、金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律、協同組織金融機関の優先出資に関する法律、不動産特定共同事業法、保険業法、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律、日本銀行法、銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律又は金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律(以下「旧担保附社債信託法等」という。)の規定により内閣総理大臣その他の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為は、この法律による改正後の担保附社債信託法、信託業法、農林中央金庫法、無尽業法、銀行等の事務の簡素化に関する法律、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、農業協同組合法、証券取引法、損害保険料率算出団体に関する法律、水産業協同組合法、中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律、船主相互保険組合法、地方税法、証券投資信託及び証券投資法人に関する法律、信用金庫法、長期信用銀行法、貸付信託法、中小漁業融資保証法、信用保証協会法、労働金庫法、自動車損害賠償保障法、農業信用保証保険法、地震保険に関する法律、登録免許税法、金融機関の合併及び転換に関する法律、外国証券業者に関する法律、農村地域工業等導入促進法、農水産業協同組合貯金保険法、銀行法、貸金業の規制等に関する法律、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律、金融先物取引法、前払式証票の規制等に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律、特定債権等に係る事業の規制に関する法律、金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律、協同組織金融機関の優先出資に関する法律、不動産特定共同事業法、保険業法、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律、日本銀行法、銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律又は金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律(以下「新担保附社債信託法等」という。)の相当規定に基づいて、金融再生委員会その他の相当の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為とみなす。
この法律の施行の際現に旧担保附社債信託法等の規定により内閣総理大臣その他の国の機関に対してされている申請、届出その他の行為は、新担保附社債信託法等の相当規定に基づいて、金融再生委員会その他の相当の国の機関に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。
旧担保附社債信託法等の規定により内閣総理大臣その他の国の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、これを、新担保附社債信託法等の相当規定により金融再生委員会その他の相当の国の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、新担保附社債信託法等の規定を適用する。
第3条
この法律の施行の際現に効力を有する旧担保附社債信託法等の規定に基づく命令は、新担保附社債信託法等の相当規定に基づく命令としての効力を有するものとする。
第4条
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第5条
(政令への委任)
前三条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成11年8月13日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条中商法第二百八十五条ノ四、第二百八十五条ノ五第二項、第二百八十五条ノ六第二項及び第三項、第二百九十条第一項並びに第二百九十三条ノ五第三項の改正規定並びに附則第六条中農林中央金庫法第二十三条第三項及び第二十四条第一項の改正規定、附則第七条中商工組合中央金庫法第三十九条ノ三第三項及び第四十条ノ二第一項の改正規定、附則第九条中農業協同組合法第五十二条第一項の改正規定、附則第十条中証券取引法第五十三条第三項の改正規定及び同条第四項を削る改正規定、附則第十一条中水産業協同組合法第五十六条第一項の改正規定、附則第十二条中協同組合による金融事業に関する法律第五条の五の次に一条を加える改正規定及び同法第十二条第一項の改正規定、附則第十三条中船主相互保険組合法第四十二条第一項の改正規定、附則第十六条中信用金庫法第五十五条の三第三項及び第五十七条第一項の改正規定、附則第十八条中労働金庫法第六十一条第一項の改正規定、附則第二十三条中銀行法第十七条の二第三 項の改正規定及び同条第四項を削る改正規定、附則第二十六条の規定、附則第二十七条中保険業法第十五条に一項を加える改正規定、同法第五十五条第一項及び第二項、第百十二条第一項並びに第百十二条の二第三項の改正規定、同条第四項を削る改正規定、同法第百十五条第二項、第百十八条第一項、第百十九条及び第百九十九条の改正規定並びに同法附則第五十九条第二項及び附則第九十条第二項を削る改正規定、附則第二十九条中株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律第七条第二項の改正規定並びに附則第三十一条中特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律第百一条第一項及び第百二条第三項の改正規定は、平成十二年四月一日から施行する。
第2条
(監査報告書に関する経過措置)
この法律の施行前に終了した営業年度について作成すべき監査報告書の記載事項に関しては、なお従前の例による。農林中央金庫、農業協同組合及び農業協同組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合及び水産加工業協同組合連合会、信用協同組合及び信用協同組合連合会(中小企業等協同組合法第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会をいう。次条において同じ。)、信用金庫及び信用金庫連合会、労働金庫及び労働金庫連合会並びに相互会社(保険業法第二条第五項に規定する相互会社をいう。次条において同じ。)についての、この法律の施行前に終了した事業年度について作成すべき監査報告書の記載事項に関しても、同様とする。
第3条
(金銭債権等の評価に関する経過措置)
附則第一条ただし書に掲げる改正規定の施行前に開始した営業年度の決算期における金銭債権、社債その他の債券及び株式その他の出資による持分の評価(以下この条において「金銭債権等の評価」という。)に関しては、なお従前の例による。次の各号に掲げる金銭債権等の評価に関しても、同様とする。
附則
平成11年12月22日
第1条
(施行期日)
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成12年5月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十三年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第23条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の各改正規定の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係る各改正規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、それぞれなお従前の例による。
第24条
(その他の経過措置の政令への委任)
附則第二条から第十二条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に際し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成13年6月29日
この法律は、商法等改正法の施行の日から施行する。
附則
平成13年6月29日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十四年一月一日から施行する。
附則
平成13年6月29日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十四年一月一日から施行する。
第36条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後の規定の実施状況等を勘案し、組合員である農業者の利益の増進を図る観点から、組合の役員に関する制度の在り方、組合の事業運営の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
平成13年11月28日
この法律は、平成十四年四月一日から施行する。
この法律の施行前にした行為及びこの法律の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成13年12月12日
この法律は、商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の施行の日から施行する。ただし、第二十一条第五項の規定は同法附則第一条ただし書に掲げる改正規定の施行の日から、第二十四条の規定は公布の日から施行する。
附則
平成14年5月29日
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
この法律の施行の日が農業協同組合法等の一部を改正する法律第二条の規定の施行の日前である場合には、第九条のうち農業協同組合法第三十条第十二項の改正規定中「第三十条第十二項」とあるのは、「第三十条第十一項」とする。
附則
平成14年6月19日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十五年一月一日から施行する。
附則
平成16年6月9日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、第一条中社債等の振替に関する法律第四十八条の表第三十三条の項を削る改正規定、同表第八十九条第二項の項の次に第九十条第一項の項を加える改正規定、同法第百十五条、第百十八条、第百二十一条及び第百二十三条の改正規定、第百二十八条の改正規定(同条を第二百九十九条とする部分を除く。)、同法第六章の次に七章を加える改正規定(第百五十八条第二項(第二号から第四号までを除く。)、第三項及び第四項、第二百五十二条第一項(同項において準用する第百五十八条第二項(第二号から第四号までを除く。)、第三項及び第四項に係る部分に限る。)、第二百五十三条、第二百六十一条第一項(同項において準用する第百五十八条第二項(第二号から第四号までを除く。)、第三項及び第四項に係る部分に限る。)、第二百六十二条、第二百六十八条第一項(同項において準用する第百五十八条第二項(第二号から第四号までを除く。)、第三項及び第四項に係る部分に限る。)並びに第二百六十九条に係る部分に限る。)並びに同法附則第十九条の表の改正規定(「第百十一条第一項」を「第百十一条」に改める部分に限る。)、同法附則第三十三条の改正規定(「同法第二条第二項」を「投資信託及び投資法人に関する法律第二条第二項」に改める部分に限る。)、第二条の規定、第三条の規定(投資信託及び投資法人に関する法律第九条第三項の改正規定を除く。)、第四条から第七条までの規定、附則第三条から第二十九条まで、第三十四条(第一項を除く。)、第三十六条から第四十三条まで、第四十七条、第五十条及び第五十一条の規定、附則第五十九条中協同組合による金融事業に関する法律第四条の四第一項第三号の改正規定、附則第七十条、第八十五条、第八十六条、第九十五条及び第百九条の規定、附則第百十二条中金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百二十六条の改正規定、附則第百二十条から第百二十二条までの規定、附則第百二十三条中産業活力再生特別措置法第十二条の八第三項及び第十二条の十一第七項の改正規定、附則第百二十五条の規定並びに附則第百二十九条中会社更生法第二百五条第四項及び第二百十四条の改正規定は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「一部施行日」という。)から施行する。
第38条
(協同組織金融機関の優先出資に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
優先出資(第四条の規定による改正前の協同組織金融機関の優先出資に関する法律(以下この条において「旧優先出資法」という。)第三条第一項に規定する優先出資をいう。以下この条において同じ。)の消却をしようとする協同組織金融機関(旧優先出資法第二条第一項に規定する協同組織金融機関をいう。以下この条において同じ。)が一部施行日前に旧優先出資法第十五条第五項において準用する旧商法第二百十五条第一項の規定による公告又は通知をした場合においては、新優先出資法第十五条第五項において準用する新商法第二百十五条ノ二の規定にかかわらず、なお従前の例による。
協同組織金融機関の優先出資の発行を無効とする判決が確定した場合において、当該協同組織金融機関が一部施行日前に旧優先出資法第十四条において準用する旧商法第二百八十条ノ十七第二項の規定による公告又は通知をしたときは、新優先出資法第十四条において準用する新商法第二百八十条ノ十七第三項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
旧優先出資法第二十五条において準用する旧商法第二百二十四条ノ三第一項に規定する一定期間(以下この条において「閉鎖期間」という。)が一部施行日前に進行を開始し、一部施行日以後に満了する場合には、一部施行日以後も、当該閉鎖期間の満了の時までは、同項の協同組織金融機関は、優先出資者名簿(新優先出資法第二十四条に規定する優先出資者名簿をいう。)の記載の変更を行わないことができる。
前項に規定する場合において、閉鎖期間を定めた協同組織金融機関が新優先出資法第十六条第五項において準用する新商法第二百十九条第一項及び新優先出資法第六条第五項において準用する新商法第二百八十条ノ四第三項に規定する一定の日を定めようとするときは、その日は、閉鎖期間満了の日後の日でなければならない。
一部施行日において閉鎖期間を指定する旨の定款の定めがある協同組織金融機関であって旧優先出資法第二十五条において準用する旧商法第二百二十四条ノ三第一項の一定の日を指定する旨の定款の定めがないものについては、一部施行日において、優先出資者(新優先出資法第十二条第一項に規定する優先出資者をいう。第七項において同じ。)又は質権者として権利を行使すべき者を定めるため、当該閉鎖期間の初日の前日を旧優先出資法第二十五条において準用する旧商法第二百二十四条ノ三第一項の一定の日に指定する旨の定款の変更の決議があったものとみなす。この場合においては、理事(新優先出資法第二条第七項に規定する理事をいう。)の決定をもって、当該権利の内容を定めなければならない。
一部施行日前に旧優先出資法第三十条において準用する旧商法第二百二十六条ノ二第二項の規定により寄託された優先出資証券(旧優先出資法第二十八条第一項に規定する優先出資証券をいう。)については、なお従前の例による。
一部施行日の前日を払込期日として優先出資の発行をした場合においては、当該優先出資の引受人は、一部施行日から優先出資者となる。
第134条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第135条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第136条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、この法律による改正後の株式等の取引に係る決済制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成16年6月18日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十七年四月一日から施行する。
附則
平成16年12月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成16年12月3日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第39条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第40条
(政令への委任)
附則第三条から第十条まで、第二十九条及び前二条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成17年7月26日
この法律は、会社法の施行の日から施行する。
附則
平成18年6月2日
この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。
附則
平成18年6月14日
この法律は、平成十八年証券取引法改正法の施行の日から施行する。
附則
平成18年12月15日
この法律は、新信託法の施行の日から施行する。
附則
平成19年6月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第100条
(処分等に関する経過措置)
この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。
第101条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第102条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成19年6月8日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十年四月一日から施行する。
附則
平成20年6月13日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第40条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第41条
(政令への委任)
附則第二条から第十九条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第42条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年以内に、この法律による改正後の規定の実施状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成23年6月24日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

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