第1条
【趣旨】
民事訴訟に関する手続については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。
第2条
【裁判所及び当事者の責務】
裁判所は、民事訴訟が公正かつ迅速に行われるように努め、当事者は、信義に従い誠実に民事訴訟を追行しなければならない。
第3条
【最高裁判所規則】
この法律に定めるもののほか、民事訴訟に関する手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第3条の2
【被告の住所等による管轄権】
1
裁判所は、人に対する訴えについて、その住所が日本国内にあるとき、住所がない場合又は住所が知れない場合にはその居所が日本国内にあるとき、居所がない場合又は居所が知れない場合には訴えの提起前に日本国内に住所を有していたとき(日本国内に最後に住所を有していた後に外国に住所を有していたときを除く。)は、管轄権を有する。
2
裁判所は、大使、公使その他外国に在ってその国の裁判権からの免除を享有する日本人に対する訴えについて、
前項の規定にかかわらず、管轄権を有する。
3
裁判所は、法人その他の社団又は財団に対する訴えについて、その主たる事務所又は営業所が日本国内にあるとき、事務所若しくは営業所がない場合又はその所在地が知れない場合には代表者その他の主たる業務担当者の住所が日本国内にあるときは、管轄権を有する。
第3条の3
【契約上の債務に関する訴え等の管轄権】
次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定めるときは、日本の裁判所に提起することができる。
①
契約上の債務の履行の請求を目的とする訴え又は契約上の債務に関して行われた事務管理若しくは生じた不当利得に係る請求、契約上の債務の不履行による損害賠償の請求その他契約上の債務に関する請求を目的とする訴え 契約において定められた当該債務の履行地が日本国内にあるとき、又は契約において選択された地の法によれば当該債務の履行地が日本国内にあるとき。
②
手形又は小切手による金銭の支払の請求を目的とする訴え 手形又は小切手の支払地が日本国内にあるとき。
③
財産権上の訴え 請求の目的が日本国内にあるとき、又は当該訴えが金銭の支払を請求するものである場合には差し押さえることができる被告の財産が日本国内にあるとき(その財産の価額が著しく低いときを除く。)。
④
事務所又は営業所を有する者に対する訴えでその事務所又は営業所における業務に関するもの 当該事務所又は営業所が日本国内にあるとき。
⑤
日本において事業を行う者(日本において取引を継続してする外国会社(
会社法第2条第2号に規定する外国会社をいう。)を含む。)に対する訴え 当該訴えがその者の日本における業務に関するものであるとき。
⑥
船舶債権その他船舶を担保とする債権に基づく訴え 船舶が日本国内にあるとき。
⑦
会社その他の社団又は財団に関する訴えで次に掲げるもの 社団又は財団が法人である場合にはそれが日本の法令により設立されたものであるとき、法人でない場合にはその主たる事務所又は営業所が日本国内にあるとき。
イ
会社その他の社団からの社員若しくは社員であった者に対する訴え、社員からの社員若しくは社員であった者に対する訴え又は社員であった者からの社員に対する訴えで、社員としての資格に基づくもの
ロ
社団又は財団からの役員又は役員であった者に対する訴えで役員としての資格に基づくもの
ハ
会社からの発起人若しくは発起人であった者又は検査役若しくは検査役であった者に対する訴えで発起人又は検査役としての資格に基づくもの
ニ
会社その他の社団の債権者からの社員又は社員であった者に対する訴えで社員としての資格に基づくもの
⑧
不法行為に関する訴え 不法行為があった地が日本国内にあるとき(外国で行われた加害行為の結果が日本国内で発生した場合において、日本国内におけるその結果の発生が通常予見することのできないものであったときを除く。)。
⑨
船舶の衝突その他海上の事故に基づく損害賠償の訴え 損害を受けた船舶が最初に到達した地が日本国内にあるとき。
⑩
海難救助に関する訴え 海難救助があった地又は救助された船舶が最初に到達した地が日本国内にあるとき。
⑪
不動産に関する訴え 不動産が日本国内にあるとき。
⑫
相続権若しくは遺留分に関する訴え又は遺贈その他死亡によって効力を生ずべき行為に関する訴え 相続開始の時における被相続人の住所が日本国内にあるとき、住所がない場合又は住所が知れない場合には相続開始の時における被相続人の居所が日本国内にあるとき、居所がない場合又は居所が知れない場合には被相続人が相続開始の前に日本国内に住所を有していたとき(日本国内に最後に住所を有していた後に外国に住所を有していたときを除く。)。
⑬
相続債権その他相続財産の負担に関する訴えで
前号に掲げる訴えに該当しないもの
同号に定めるとき。
第3条の4
【消費者契約及び労働関係に関する訴えの管轄権】
1
消費者(個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう。以下同じ。)と事業者(法人その他の社団又は財団及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいう。以下同じ。)との間で締結される契約(労働契約を除く。以下「消費者契約」という。)に関する消費者からの事業者に対する訴えは、訴えの提起の時又は消費者契約の締結の時における消費者の住所が日本国内にあるときは、日本の裁判所に提起することができる。
2
労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(以下「個別労働関係民事紛争」という。)に関する労働者からの事業主に対する訴えは、個別労働関係民事紛争に係る労働契約における労務の提供の地(その地が定まっていない場合にあっては、労働者を雇い入れた事業所の所在地)が日本国内にあるときは、日本の裁判所に提起することができる。
3
消費者契約に関する事業者からの消費者に対する訴え及び個別労働関係民事紛争に関する事業主からの労働者に対する訴えについては、
前条の規定は、適用しない。
第3条の5
【管轄権の専属】
2
登記又は登録に関する訴えの管轄権は、登記又は登録をすべき地が日本国内にあるときは、日本の裁判所に専属する。
3
知的財産権(
知的財産基本法第2条第2項に規定する知的財産権をいう。)のうち設定の登録により発生するものの存否又は効力に関する訴えの管轄権は、その登録が日本においてされたものであるときは、日本の裁判所に専属する。
第3条の6
【併合請求における管轄権】
一の訴えで数個の請求をする場合において、日本の裁判所が一の請求について管轄権を有し、他の請求について管轄権を有しないときは、当該一の請求と他の請求との間に密接な関連があるときに限り、日本の裁判所にその訴えを提起することができる。ただし、数人からの又は数人に対する訴えについては、
第38条前段に定める場合に限る。
第3条の7
【管轄権に関する合意】
1
当事者は、合意により、いずれの国の裁判所に訴えを提起することができるかについて定めることができる。
2
前項の合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。
3
第1項の合意がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)によってされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、
前項の規定を適用する。
4
外国の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意は、その裁判所が法律上又は事実上裁判権を行うことができないときは、これを援用することができない。
5
将来において生ずる消費者契約に関する紛争を対象とする
第1項の合意は、次に掲げる場合に限り、その効力を有する。
①
消費者契約の締結の時において消費者が住所を有していた国の裁判所に訴えを提起することができる旨の合意(その国の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意については、
次号に掲げる場合を除き、その国以外の国の裁判所にも訴えを提起することを妨げない旨の合意とみなす。)であるとき。
②
消費者が当該合意に基づき合意された国の裁判所に訴えを提起したとき、又は事業者が日本若しくは外国の裁判所に訴えを提起した場合において、消費者が当該合意を援用したとき。
6
将来において生ずる個別労働関係民事紛争を対象とする
第1項の合意は、次に掲げる場合に限り、その効力を有する。
①
労働契約の終了の時にされた合意であって、その時における労務の提供の地がある国の裁判所に訴えを提起することができる旨を定めたもの(その国の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意については、
次号に掲げる場合を除き、その国以外の国の裁判所にも訴えを提起することを妨げない旨の合意とみなす。)であるとき。
②
労働者が当該合意に基づき合意された国の裁判所に訴えを提起したとき、又は事業主が日本若しくは外国の裁判所に訴えを提起した場合において、労働者が当該合意を援用したとき。
第3条の8
【応訴による管轄権】
被告が日本の裁判所が管轄権を有しない旨の抗弁を提出しないで本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、裁判所は、管轄権を有する。
第3条の9
【特別の事情による訴えの却下】
裁判所は、訴えについて日本の裁判所が管轄権を有することとなる場合(日本の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意に基づき訴えが提起された場合を除く。)においても、事案の性質、応訴による被告の負担の程度、証拠の所在地その他の事情を考慮して、日本の裁判所が審理及び裁判をすることが当事者間の衡平を害し、又は適正かつ迅速な審理の実現を妨げることとなる特別の事情があると認めるときは、その訴えの全部又は一部を却下することができる。
第3条の11
【職権証拠調べ】
裁判所は、日本の裁判所の管轄権に関する事項について、職権で証拠調べをすることができる。
第3条の12
【管轄権の標準時】
日本の裁判所の管轄権は、訴えの提起の時を標準として定める。
第4条
【普通裁判籍による管轄】
1
訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。
2
人の普通裁判籍は、住所により、日本国内に住所がないとき又は住所が知れないときは居所により、日本国内に居所がないとき又は居所が知れないときは最後の住所により定まる。
3
大使、公使その他外国に在ってその国の裁判権からの免除を享有する日本人が
前項の規定により普通裁判籍を有しないときは、その者の普通裁判籍は、最高裁判所規則で定める地にあるものとする。
4
法人その他の社団又は財団の普通裁判籍は、その主たる事務所又は営業所により、事務所又は営業所がないときは代表者その他の主たる業務担当者の住所により定まる。
5
外国の社団又は財団の普通裁判籍は、
前項の規定にかかわらず、日本における主たる事務所又は営業所により、日本国内に事務所又は営業所がないときは日本における代表者その他の主たる業務担当者の住所により定まる。
6
国の普通裁判籍は、訴訟について国を代表する官庁の所在地により定まる。
第5条
【財産権上の訴え等についての管轄】
次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定める地を管轄する裁判所に提起することができる。
②
手形又は小切手による金銭の支払の請求を目的とする訴え手形又は小切手の支払地
④
日本国内に住所(法人にあっては、事務所又は営業所。以下この号において同じ。)がない者又は住所が知れない者に対する財産権上の訴え請求若しくはその担保の目的又は差し押さえることができる被告の財産の所在地
⑤
事務所又は営業所を有する者に対する訴えでその事務所又は営業所における業務に関するもの当該事務所又は営業所の所在地
⑥
船舶所有者その他船舶を利用する者に対する船舶又は航海に関する訴え船舶の船籍の所在地
⑦
船舶債権その他船舶を担保とする債権に基づく訴え船舶の所在地
⑧
会社その他の社団又は財団に関する訴えで次に掲げるもの社団又は財団の普通裁判籍の所在地
イ
会社その他の社団からの社員若しくは社員であった者に対する訴え、社員からの社員若しくは社員であった者に対する訴え又は社員であった者からの社員に対する訴えで、社員としての資格に基づくもの
ロ
社団又は財団からの役員又は役員であった者に対する訴えで役員としての資格に基づくもの
ハ
会社からの発起人若しくは発起人であった者又は検査役若しくは検査役であった者に対する訴えで発起人又は検査役としての資格に基づくもの
ニ
会社その他の社団の債権者からの社員又は社員であった者に対する訴えで社員としての資格に基づくもの
⑩
船舶の衝突その他海上の事故に基づく損害賠償の訴え損害を受けた船舶が最初に到達した地
⑪
海難救助に関する訴え海難救助があった地又は救助された船舶が最初に到達した地
⑭
相続権若しくは遺留分に関する訴え又は遺贈その他死亡によって効力を生ずべき行為に関する訴え相続開始の時における被相続人の普通裁判籍の所在地
⑮
相続債権その他相続財産の負担に関する訴えで
前号に掲げる訴えに該当しないもの
同号に定める地
第6条
【特許権等に関する訴え等の管轄】
1
特許権、実用新案権、回路配置利用権又はプログラムの著作物についての著作者の権利に関する訴え(以下「特許権等に関する訴え」という。)について、前二条の規定によれば次の各号に掲げる裁判所が管轄権を有すべき場合には、その訴えは、それぞれ当該各号に定める裁判所の管轄に専属する。
①
東京高等裁判所、名古屋高等裁判所、仙台高等裁判所又は札幌高等裁判所の管轄区域内に所在する地方裁判所東京地方裁判所
②
大阪高等裁判所、広島高等裁判所、福岡高等裁判所又は高松高等裁判所の管轄区域内に所在する地方裁判所大阪地方裁判所
2
特許権等に関する訴えについて、前二条の規定により
前項各号に掲げる裁判所の管轄区域内に所在する簡易裁判所が管轄権を有する場合には、それぞれ当該各号に定める裁判所にも、その訴えを提起することができる。
3
第1項第2号に定める裁判所が第一審としてした特許権等に関する訴えについての終局判決に対する控訴は、東京高等裁判所の管轄に専属する。ただし、
第20条の2第1項の規定により移送された訴訟に係る訴えについての終局判決に対する控訴については、この限りでない。
第6条の2
【意匠権等に関する訴えの管轄】
意匠権、商標権、著作者の権利(プログラムの著作物についての著作者の権利を除く。)、出版権、著作隣接権若しくは育成者権に関する訴え又は不正競争(
不正競争防止法第2条第1項に規定する不正競争をいう。)による営業上の利益の侵害に係る訴えについて、
第4条又は
第5条の規定により次の各号に掲げる裁判所が管轄権を有する場合には、それぞれ当該各号に定める裁判所にも、その訴えを提起することができる。
第7条
【併合請求における管轄】
一の訴えで数個の請求をする場合には、
第4条から
前条まで(
第6条第3項を除く。)の規定により一の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。ただし、数人からの又は数人に対する訴えについては、
第38条前段に定める場合に限る。
第8条
【訴訟の目的の価額の算定】
1
裁判所法の規定により管轄が訴訟の目的の価額により定まるときは、その価額は、訴えで主張する利益によって算定する。
2
前項の価額を算定することができないとき、又は極めて困難であるときは、その価額は百四十万円を超えるものとみなす。
第9条
【併合請求の場合の価額の算定】
1
一の訴えで数個の請求をする場合には、その価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする。ただし、その訴えで主張する利益が各請求について共通である場合におけるその各請求については、この限りでない。
2
果実、損害賠償、違約金又は費用の請求が訴訟の附帯の目的であるときは、その価額は、訴訟の目的の価額に算入しない。
第10条
【管轄裁判所の指定】
1
管轄裁判所が法律上又は事実上裁判権を行うことができないときは、その裁判所の直近上級の裁判所は、申立てにより、決定で、管轄裁判所を定める。
2
裁判所の管轄区域が明確でないため管轄裁判所が定まらないときは、関係のある裁判所に共通する直近上級の裁判所は、申立てにより、決定で、管轄裁判所を定める。
3
前二項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
第10条の2
【管轄裁判所の特例】
前節の規定により日本の裁判所が管轄権を有する訴えについて、この法律の他の規定又は他の法令の規定により管轄裁判所が定まらないときは、その訴えは、最高裁判所規則で定める地を管轄する裁判所の管轄に属する。
第11条
【管轄の合意】
1
当事者は、第一審に限り、合意により管轄裁判所を定めることができる。
2
前項の合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。
3
第1項の合意がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、
前項の規定を適用する。
第12条
【応訴管轄】
被告が第一審裁判所において管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判所は、管轄権を有する。
第13条
【専属管轄の場合の適用除外等】
2
特許権等に関する訴えについて、
第7条又は前二条の規定によれば
第6条第1項各号に定める裁判所が管轄権を有すべき場合には、
前項の規定にかかわらず、
第7条又は前二条の規定により、その裁判所は、管轄権を有する。
第14条
【職権証拠調べ】
裁判所は、管轄に関する事項について、職権で証拠調べをすることができる。
第15条
【管轄の標準時】
裁判所の管轄は、訴えの提起の時を標準として定める。
第16条
【管轄違いの場合の取扱い】
1
裁判所は、訴訟の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送する。
2
地方裁判所は、訴訟がその管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、
前項の規定にかかわらず、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部について自ら審理及び裁判をすることができる。ただし、訴訟がその簡易裁判所の専属管轄(当事者が
第11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属する場合は、この限りでない。
第17条
【遅滞を避ける等のための移送】
第一審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者及び尋問を受けるべき証人の住所、使用すべき検証物の所在地その他の事情を考慮して、訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。
第18条
【簡易裁判所の裁量移送】
簡易裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送することができる。
第19条
【必要的移送】
1
第一審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者の申立て及び相手方の同意があるときは、訴訟の全部又は一部を申立てに係る地方裁判所又は簡易裁判所に移送しなければならない。ただし、移送により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき、又はその申立てが、簡易裁判所からその所在地を管轄する地方裁判所への移送の申立て以外のものであって、被告が本案について弁論をし、若しくは弁論準備手続において申述をした後にされたものであるときは、この限りでない。
2
簡易裁判所は、その管轄に属する不動産に関する訴訟につき被告の申立てがあるときは、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。ただし、その申立ての前に被告が本案について弁論をした場合は、この限りでない。
第20条
【専属管轄の場合の移送の制限】
1
前三条の規定は、訴訟がその係属する裁判所の専属管轄(当事者が
第11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属する場合には、適用しない。
第20条の2
【特許権等に関する訴え等に係る訴訟の移送】
1
第6条第1項各号に定める裁判所は、特許権等に関する訴えに係る訴訟が
同項の規定によりその管轄に専属する場合においても、当該訴訟において審理すべき専門技術的事項を欠くことその他の事情により著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を
第4条、
第5条若しくは
第11条の規定によれば管轄権を有すべき地方裁判所又は
第19条第1項の規定によれば移送を受けるべき地方裁判所に移送することができる。
2
東京高等裁判所は、
第6条第3項の控訴が提起された場合において、その控訴審において審理すべき専門技術的事項を欠くことその他の事情により著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を大阪高等裁判所に移送することができる。
第21条
【即時抗告】
移送の決定及び移送の申立てを却下した決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第22条
【移送の裁判の拘束力等】
1
確定した移送の裁判は、移送を受けた裁判所を拘束する。
2
移送を受けた裁判所は、更に事件を他の裁判所に移送することができない。
3
移送の裁判が確定したときは、訴訟は、初めから移送を受けた裁判所に係属していたものとみなす。
第23条
【裁判官の除斥】
1
裁判官は、次に掲げる場合には、その職務の執行から除斥される。ただし、
第6号に掲げる場合にあっては、他の裁判所の嘱託により受託裁判官としてその職務を行うことを妨げない。
①
裁判官又はその配偶者若しくは配偶者であった者が、事件の当事者であるとき、又は事件について当事者と共同権利者、共同義務者若しくは償還義務者の関係にあるとき。
②
裁判官が当事者の四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族であるとき、又はあったとき。
③
裁判官が当事者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。
④
裁判官が事件について証人又は鑑定人となったとき。
⑤
裁判官が事件について当事者の代理人又は補佐人であるとき、又はあったとき。
⑥
裁判官が事件について仲裁判断に関与し、又は不服を申し立てられた前審の裁判に関与したとき。
2
前項に規定する除斥の原因があるときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、除斥の裁判をする。
第24条
【裁判官の忌避】
1
裁判官について裁判の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。
2
当事者は、裁判官の面前において弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判官を忌避することができない。ただし、忌避の原因があることを知らなかったとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。
第25条
【除斥又は忌避の裁判】
1
合議体の構成員である裁判官及び地方裁判所の一人の裁判官の除斥又は忌避についてはその裁判官の所属する裁判所が、簡易裁判所の裁判官の除斥又は忌避についてはその裁判所の所在地を管轄する地方裁判所が、決定で、裁判をする。
3
裁判官は、その除斥又は忌避についての裁判に関与することができない。
4
除斥又は忌避を理由があるとする決定に対しては、不服を申し立てることができない。
5
除斥又は忌避を理由がないとする決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第26条
【訴訟手続の停止】
除斥又は忌避の申立てがあったときは、その申立てについての決定が確定するまで訴訟手続を停止しなければならない。ただし、急速を要する行為については、この限りでない。
第27条
【裁判所書記官への準用】
この節の規定は、裁判所書記官について準用する。この場合においては、裁判は、裁判所書記官の所属する裁判所がする。
第28条
【原則】
当事者能力、訴訟能力及び訴訟無能力者の法定代理は、この法律に特別の定めがある場合を除き、
民法その他の法令に従う。訴訟行為をするのに必要な授権についても、同様とする。
第29条
【法人でない社団等の当事者能力】
法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができる。
第30条
【選定当事者】
1
共同の利益を有する多数の者で
前条の規定に該当しないものは、その中から、全員のために原告又は被告となるべき一人又は数人を選定することができる。
2
訴訟の係属の後、
前項の規定により原告又は被告となるべき者を選定したときは、他の当事者は、当然に訴訟から脱退する。
3
係属中の訴訟の原告又は被告と共同の利益を有する者で当事者でないものは、その原告又は被告を自己のためにも原告又は被告となるべき者として選定することができる。
4
第1項又は
前項の規定により原告又は被告となるべき者を選定した者(以下「選定者」という。)は、その選定を取り消し、又は選定された当事者(以下「選定当事者」という。)を変更することができる。
5
選定当事者のうち死亡その他の事由によりその資格を喪失した者があるときは、他の選定当事者において全員のために訴訟行為をすることができる。
第31条
【未成年者及び成年被後見人の訴訟能力】
未成年者及び成年被後見人は、法定代理人によらなければ、訴訟行為をすることができない。ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができる場合は、この限りでない。
第32条
【被保佐人、被補助人及び法定代理人の訴訟行為の特則】
1
被保佐人、被補助人(訴訟行為をすることにつきその補助人の同意を得ることを要するものに限る。
次項及び
第40条第4項において同じ。)又は後見人その他の法定代理人が相手方の提起した訴え又は上訴について訴訟行為をするには、保佐人若しくは保佐監督人、補助人若しくは補助監督人又は後見監督人の同意その他の授権を要しない。
2
被保佐人、被補助人又は後見人その他の法定代理人が次に掲げる訴訟行為をするには、特別の授権がなければならない。
第33条
【外国人の訴訟能力の特則】
外国人は、その本国法によれば訴訟能力を有しない場合であっても、日本法によれば訴訟能力を有すべきときは、訴訟能力者とみなす。
第34条
【訴訟能力等を欠く場合の措置等】
1
訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠くときは、裁判所は、期間を定めて、その補正を命じなければならない。この場合において、遅滞のため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、一時訴訟行為をさせることができる。
2
訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠く者がした訴訟行為は、これらを有するに至った当事者又は法定代理人の追認により、行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。
3
前二項の規定は、選定当事者が訴訟行為をする場合について準用する。
第35条
【特別代理人】
1
法定代理人がない場合又は法定代理人が代理権を行うことができない場合において、未成年者又は成年被後見人に対し訴訟行為をしようとする者は、遅滞のため損害を受けるおそれがあることを疎明して、受訴裁判所の裁判長に特別代理人の選任を申し立てることができる。
2
裁判所は、いつでも特別代理人を改任することができる。
3
特別代理人が訴訟行為をするには、後見人と同一の授権がなければならない。
第36条
【法定代理権の消滅の通知】
1
法定代理権の消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ、その効力を生じない。
2
前項の規定は、選定当事者の選定の取消し及び変更について準用する。
第37条
【法人の代表者等への準用】
この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者及び法人でない社団又は財団でその名において訴え、又は訴えられることができるものの代表者又は管理人について準用する。
第38条
【共同訴訟の要件】
訴訟の目的である権利又は義務が数人について共通であるとき、又は同一の事実上及び法律上の原因に基づくときは、その数人は、共同訴訟人として訴え、又は訴えられることができる。訴訟の目的である権利又は義務が同種であって事実上及び法律上同種の原因に基づくときも、同様とする。
第39条
【共同訴訟人の地位】
共同訴訟人の一人の訴訟行為、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為及び共同訴訟人の一人について生じた事項は、他の共同訴訟人に影響を及ぼさない。
第40条
【必要的共同訴訟】
1
訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合には、その一人の訴訟行為は、全員の利益においてのみその効力を生ずる。
2
前項に規定する場合には、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為は、全員に対してその効力を生ずる。
3
第1項に規定する場合において、共同訴訟人の一人について訴訟手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、全員についてその効力を生ずる。
4
第32条第1項の規定は、
第1項に規定する場合において、共同訴訟人の一人が提起した上訴について他の共同訴訟人である被保佐人若しくは被補助人又は他の共同訴訟人の後見人その他の法定代理人のすべき訴訟行為について準用する。
第41条
【同時審判の申出がある共同訴訟】
1
共同被告の一方に対する訴訟の目的である権利と共同被告の他方に対する訴訟の目的である権利とが法律上併存し得ない関係にある場合において、原告の申出があったときは、弁論及び裁判は、分離しないでしなければならない。
2
前項の申出は、控訴審の口頭弁論の終結の時までにしなければならない。
3
第1項の場合において、各共同被告に係る控訴事件が同一の控訴裁判所に各別に係属するときは、弁論及び裁判は、併合してしなければならない。
第42条
【補助参加】
訴訟の結果について利害関係を有する第三者は、当事者の一方を補助するため、その訴訟に参加することができる。
第43条
【補助参加の申出】
1
補助参加の申出は、参加の趣旨及び理由を明らかにして、補助参加により訴訟行為をすべき裁判所にしなければならない。
2
補助参加の申出は、補助参加人としてすることができる訴訟行為とともにすることができる。
第44条
【補助参加についての異議等】
1
当事者が補助参加について異議を述べたときは、裁判所は、補助参加の許否について、決定で、裁判をする。この場合においては、補助参加人は、参加の理由を疎明しなければならない。
2
前項の異議は、当事者がこれを述べないで弁論をし、又は弁論準備手続において申述をした後は、述べることができない。
3
第1項の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
第45条
【補助参加人の訴訟行為】
1
補助参加人は、訴訟について、攻撃又は防御の方法の提出、異議の申立て、上訴の提起、再審の訴えの提起その他一切の訴訟行為をすることができる。ただし、補助参加の時における訴訟の程度に従いすることができないものは、この限りでない。
2
補助参加人の訴訟行為は、被参加人の訴訟行為と抵触するときは、その効力を有しない。
3
補助参加人は、補助参加について異議があった場合においても、補助参加を許さない裁判が確定するまでの間は、訴訟行為をすることができる。
4
補助参加人の訴訟行為は、補助参加を許さない裁判が確定した場合においても、当事者が援用したときは、その効力を有する。
第46条
【補助参加人に対する裁判の効力】
補助参加に係る訴訟の裁判は、次に掲げる場合を除き、補助参加人に対してもその効力を有する。
①
前条第1項ただし書の規定により補助参加人が訴訟行為をすることができなかったとき。
②
前条第2項の規定により補助参加人の訴訟行為が効力を有しなかったとき。
④
被参加人が補助参加人のすることができない訴訟行為を故意又は過失によってしなかったとき。
第47条
【独立当事者参加】
1
訴訟の結果によって権利が害されることを主張する第三者又は訴訟の目的の全部若しくは一部が自己の権利であることを主張する第三者は、その訴訟の当事者の双方又は一方を相手方として、当事者としてその訴訟に参加することができる。
2
前項の規定による参加の申出は、書面でしなければならない。
3
前項の書面は、当事者双方に送達しなければならない。
第48条
【訴訟脱退】
前条第1項の規定により自己の権利を主張するため訴訟に参加した者がある場合には、参加前の原告又は被告は、相手方の承諾を得て訴訟から脱退することができる。この場合において、判決は、脱退した当事者に対してもその効力を有する。
第49条
【権利承継人の訴訟参加の場合における時効の中断等】
訴訟の係属中その訴訟の目的である権利の全部又は一部を譲り受けたことを主張して、
第47条第1項の規定により訴訟参加をしたときは、その参加は、訴訟の係属の初めにさかのぼって時効の中断又は法律上の期間の遵守の効力を生ずる。
第50条
【義務承継人の訴訟引受け】
1
訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したときは、裁判所は、当事者の申立てにより、決定で、その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。
2
裁判所は、
前項の決定をする場合には、当事者及び第三者を審尋しなければならない。
第51条
【義務承継人の訴訟参加及び権利承継人の訴訟引受け】
第47条から
第49条までの規定は訴訟の係属中その訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したことを主張する第三者の訴訟参加について、
前条の規定は訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である権利の全部又は一部を譲り受けた場合について準用する。
第52条
【共同訴訟参加】
1
訴訟の目的が当事者の一方及び第三者について合一にのみ確定すべき場合には、その第三者は、共同訴訟人としてその訴訟に参加することができる。
第53条
【訴訟告知】
1
当事者は、訴訟の係属中、参加することができる第三者にその訴訟の告知をすることができる。
2
訴訟告知を受けた者は、更に訴訟告知をすることができる。
3
訴訟告知は、その理由及び訴訟の程度を記載した書面を裁判所に提出してしなければならない。
4
訴訟告知を受けた者が参加しなかった場合においても、
第46条の規定の適用については、参加することができた時に参加したものとみなす。
第54条
【訴訟代理人の資格】
1
法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。
第55条
【訴訟代理権の範囲】
1
訴訟代理人は、委任を受けた事件について、反訴、参加、強制執行、仮差押え及び仮処分に関する訴訟行為をし、かつ、弁済を受領することができる。
2
訴訟代理人は、次に掲げる事項については、特別の委任を受けなければならない。
3
訴訟代理権は、制限することができない。ただし、弁護士でない訴訟代理人については、この限りでない。
4
前三項の規定は、法令により裁判上の行為をすることができる代理人の権限を妨げない。
第56条
【個別代理】
1
訴訟代理人が数人あるときは、各自当事者を代理する。
2
当事者が
前項の規定と異なる定めをしても、その効力を生じない。
第57条
【当事者による更正】
訴訟代理人の事実に関する陳述は、当事者が直ちに取り消し、又は更正したときは、その効力を生じない。
第58条
【訴訟代理権の不消滅】
1
訴訟代理権は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。
④
法定代理人の死亡、訴訟能力の喪失又は代理権の消滅若しくは変更
2
一定の資格を有する者で自己の名で他人のために訴訟の当事者となるものの訴訟代理人の代理権は、当事者の死亡その他の事由による資格の喪失によっては、消滅しない。
3
前項の規定は、選定当事者が死亡その他の事由により資格を喪失した場合について準用する。
第60条
【補佐人】
1
当事者又は訴訟代理人は、裁判所の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。
3
補佐人の陳述は、当事者又は訴訟代理人が直ちに取り消し、又は更正しないときは、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなす。
第62条
【不必要な行為があった場合等の負担】
裁判所は、事情により、勝訴の当事者に、その権利の伸張若しくは防御に必要でない行為によって生じた訴訟費用又は行為の時における訴訟の程度において相手方の権利の伸張若しくは防御に必要であった行為によって生じた訴訟費用の全部又は一部を負担させることができる。
第63条
【訴訟を遅滞させた場合の負担】
当事者が適切な時期に攻撃若しくは防御の方法を提出しないことにより、又は期日若しくは期間の不遵守その他当事者の責めに帰すべき事由により訴訟を遅滞させたときは、裁判所は、その当事者に、その勝訴の場合においても、遅滞によって生じた訴訟費用の全部又は一部を負担させることができる。
第64条
【一部敗訴の場合の負担】
一部敗訴の場合における各当事者の訴訟費用の負担は、裁判所が、その裁量で定める。ただし、事情により、当事者の一方に訴訟費用の全部を負担させることができる。
第65条
【共同訴訟の場合の負担】
1
共同訴訟人は、等しい割合で訴訟費用を負担する。ただし、裁判所は、事情により、共同訴訟人に連帯して訴訟費用を負担させ、又は他の方法により負担させることができる。
2
裁判所は、
前項の規定にかかわらず、権利の伸張又は防御に必要でない行為をした当事者に、その行為によって生じた訴訟費用を負担させることができる。
第66条
【補助参加の場合の負担】
第61条から
前条までの規定は、補助参加についての異議によって生じた訴訟費用の補助参加人とその異議を述べた当事者との間における負担の関係及び補助参加によって生じた訴訟費用の補助参加人と相手方との間における負担の関係について準用する。
第67条
【訴訟費用の負担の裁判】
1
裁判所は、事件を完結する裁判において、職権で、その審級における訴訟費用の全部について、その負担の裁判をしなければならない。ただし、事情により、事件の一部又は中間の争いに関する裁判において、その費用についての負担の裁判をすることができる。
2
上級の裁判所が本案の裁判を変更する場合には、訴訟の総費用について、その負担の裁判をしなければならない。事件の差戻し又は移送を受けた裁判所がその事件を完結する裁判をする場合も、同様とする。
第68条
【和解の場合の負担】
当事者が裁判所において和解をした場合において、和解の費用又は訴訟費用の負担について特別の定めをしなかったときは、その費用は、各自が負担する。
第69条
【法定代理人等の費用償還】
1
法定代理人、訴訟代理人、裁判所書記官又は執行官が故意又は重大な過失によって無益な訴訟費用を生じさせたときは、受訴裁判所は、申立てにより又は職権で、これらの者に対し、その費用額の償還を命ずることができる。
2
前項の規定は、法定代理人又は訴訟代理人として訴訟行為をした者が、その代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権があることを証明することができず、かつ、追認を得ることができなかった場合において、その訴訟行為によって生じた訴訟費用について準用する。
3
第1項(
前項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第70条
【無権代理人の費用負担】
前条第2項に規定する場合において、裁判所が訴えを却下したときは、訴訟費用は、代理人として訴訟行為をした者の負担とする。
第71条
【訴訟費用額の確定手続】
1
訴訟費用の負担の額は、その負担の裁判が執行力を生じた後に、申立てにより、第一審裁判所の裁判所書記官が定める。
2
前項の場合において、当事者双方が訴訟費用を負担するときは、最高裁判所規則で定める場合を除き、各当事者の負担すべき費用は、その対当額について相殺があったものとみなす。
3
第1項の申立てに関する処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。
4
前項の処分に対する異議の申立ては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内にしなければならない。
6
裁判所は、
第1項の規定による額を定める処分に対する異議の申立てを理由があると認める場合において、訴訟費用の負担の額を定めるべきときは、自らその額を定めなければならない。
7
第4項の異議の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第72条
【和解の場合の費用額の確定手続】
当事者が裁判所において和解をした場合において、和解の費用又は訴訟費用の負担を定め、その額を定めなかったときは、その額は、申立てにより、第一審裁判所(
第275条の和解にあっては、和解が成立した裁判所)の裁判所書記官が定める。この場合においては、
前条第2項から
第7項までの規定を準用する。
第73条
【訴訟が裁判及び和解によらないで完結した場合等の取扱い】
1
訴訟が裁判及び和解によらないで完結したときは、申立てにより、第一審裁判所は決定で訴訟費用の負担を命じ、その裁判所の裁判所書記官はその決定が執行力を生じた後にその負担の額を定めなければならない。補助参加の申出の取下げ又は補助参加についての異議の取下げがあった場合も、同様とする。
附則
第1条
(施行期日)
この法律(以下「新法」という。)は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第二十七条の規定は、公布の日から施行する。
第3条
(経過措置の原則)
新法の規定(罰則を除く。)は、この附則に特別の定めがある場合を除き、新法の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、前条の規定による改正前の民事訴訟法(以下「旧法」という。)の規定により生じた効力を妨げない。
第4条
(管轄等に関する経過措置)
1
新法の施行の際現に係属している訴訟の管轄及び移送に関しては、管轄裁判所を定める合意及び送達に関する事項並びに附則第二十一条に定める事項を除き、なお従前の例による。
2
新法の施行前にした管轄裁判所を定める合意に関しては、新法第十六条第二項ただし書、第二十条、第百四十五条第一項ただし書(新法において準用する場合を含む。)、第百四十六条第一項ただし書(新法において準用する場合を含む。)及び第二百九十九条ただし書の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第5条
(訴訟費用に関する経過措置)
1
新法の施行前にした申立てに係る訴訟費用又は和解の費用の負担の額を定める手続に関しては、新法第七十一条から第七十三条までの規定にかかわらず、なお従前の例による。
2
新法の施行前に当事者が供託した金銭又は有価証券についての相手方の権利については、新法第七十七条(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第6条
(期日の呼出しに関する経過措置)
新法第九十四条第二項ただし書の規定は、新法の施行前に旧法第百五十四条第一項に定める方法以外の相当と認める方法による期日の呼出しをした場合には、適用しない。
第7条
(送達に関する経過措置)
1
新法の施行前に裁判所書記官が書類の送達のために郵便を差し出し、又は執行官にその送達の事務を取り扱わせることとした場合には、当該送達については、なお従前の例による。
2
新法第百四条第三項の規定は、新法の施行後最初にする送達については、適用しない。
3
新法の施行前にした申立てに係る公示送達については、新法第百十条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
4
新法第百十三条の規定は、新法の施行前に掲示を始めた公示送達については、適用しない。
第8条
(定期金による賠償を命じた確定判決の変更を求める訴えに関する経過措置)
新法第百十七条の規定は、新法の施行前に第一審裁判所における口頭弁論が終結した事件については、適用しない。
第9条
(訴えに関する経過措置)
1
新法第百四十一条の規定は、新法の施行前に期日の呼出しに必要な費用の予納を命じた場合には、適用しない。
2
新法第百四十六条第一項ただし書(新法において準用する場合を含む。)の規定は、管轄裁判所を定める合意に関する事項を除き、新法の施行前に提起された本訴に係る反訴の提起については、適用しない。
第10条
(当事者を異にする事件の併合に関する経過措置)
新法第百五十二条第二項(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前に口頭弁論の併合が命じられた事件については、適用しない。
第11条
(攻撃防御方法の提出時期に関する経過措置)
新法の施行の際現に係属している訴訟における攻撃又は防御の方法の提出時期については、新法第百五十六条(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第12条
(準備書面に関する経過措置)
新法の施行前に提出された準備書面に記載した事実についての相手方が在廷していない口頭弁論における主張については、新法第百六十一条第三項(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第13条
(準備手続に関する経過措置)
新法の施行前に付された準備手続に関しては、期日の呼出し及び送達に関する事項を除き、なお従前の例による。
第14条
(疎明に代わる保証金の供託等に関する経過措置)
新法の施行前に当事者又は法定代理人に保証金を供託させ、又はその主張の真実であることを宣誓させた場合における疎明の代用については、附則第二十一条に定める事項を除き、なお従前の例による。
第15条
(当事者が文書提出命令に従わない場合等の効果に関する経過措置)
新法第二百二十四条第三項(新法において準用する場合を含む。)の規定は、当事者が、新法の施行前にした文書(新法第二百三十一条に規定する物件を含む。以下この条において同じ。)の提出の命令又は検証の目的の提示の命令に従わない場合及び提出又は提示の義務がある文書又は検証の目的を新法の施行前に使用することができないようにした場合には、適用しない。
第16条
(損害額の認定に関する経過措置)
新法第二百四十八条(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前に、第二審又は第一審である高等裁判所における口頭弁論が終結した事件、第二審である地方裁判所における口頭弁論が終結した事件及び簡易裁判所の判決又は地方裁判所が第一審としてした判決に対して上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をした事件については、適用しない。
第17条
(訴えの取下げ等につき相手方の同意を擬制するための期間に関する経過措置)
次に掲げる場合には、訴えの取下げ又は手形訴訟若しくは小切手訴訟の終局判決に対する異議の取下げ(以下この条において「訴えの取下げ等」という。)に相手方が同意したものとみなすための期間については、新法第二百六十一条第五項(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第18条
(訴えの取下げ等の擬制に関する経過措置)
1
新法の施行前の口頭弁論の期日に当事者双方が出頭せず、又は弁論をしないで退廷した場合には、訴え、控訴若しくは上告の取下げ又は手形訴訟若しくは小切手訴訟の終局判決に対する異議の取下げがあったものとみなすための期間については、新法第二百六十三条前段(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
2
新法第二百六十三条後段(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前の口頭弁論の期日における当事者の不出頭又は弁論をしないでした退廷については、適用しない。
第19条
(控訴に関する経過措置)
1
新法の施行前に言渡しがあった第一審の判決に対する控訴の提起の方式については、新法第二百八十六条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
2
新法第二百八十七条の規定は、新法の施行前に言渡しがあった第一審の判決に対する控訴については、適用しない。
3
新法第二百九十一条(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前に期日の呼出しに必要な費用の予納を命じた場合には、適用しない。
4
新法第三百十条(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前に控訴審の口頭弁論を終結した事件については、適用しない。
第20条
(最高裁判所にする上告に関する経過措置)
新法の施行前に、第二審又は第一審である高等裁判所における口頭弁論が終結した事件及び地方裁判所が第一審としてした判決に対して上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をした事件についての最高裁判所にする上告及びその上告審の訴訟手続については、新法第三百十二条及び第三百二十五条の規定にかかわらず、なお従前の例によるものとし、新法第三百十七条第二項及び第三百十八条の規定は、適用しない。
第21条
(抗告に関する経過措置)
1
新法の施行前に告知があった決定又は命令に対する抗告の提起の方式については、新法第三百三十一条本文において準用する新法第二百八十六条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
2
新法第三百三十一条本文において準用する新法第二百八十七条の規定は、新法の施行前に告知があった決定及び命令に対する抗告については、適用しない。
3
新法の施行の日前五日以内に告知があった決定及び命令については、新法第三百三十七条第六項において準用する新法第三百三十六条第二項の規定にかかわらず、新法の施行の日から五日の不変期間内は、新法第三百三十七条第二項の規定による抗告の許可の申立てをすることができる。
第22条
(再審に関する経過措置)
新法の施行前に再審の訴えの提起又は再審の申立てがあった事件については、新法第三百四十五条から第三百四十八条までの規定(これらの規定を新法において準用する場合を含む。)にかかわらず、なお従前の例による。
第23条
(督促手続に関する経過措置)
新法の施行前にした支払命令の申立てに係る督促手続に関しては、送達に関する事項及び附則第二十一条に定める事項を除き、なお従前の例による。
第24条
(執行停止に関する経過措置)
新法の施行前にした執行停止の申立て(仮執行の宣言を付した支払命令に関する執行停止の申立てを除く。)に係る裁判については、新法第三百九十八条及び第三百九十九条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第25条
(罰則の適用に関する経過措置)
新法の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第26条
(最高裁判所規則への委任)
附則第三条から前条までに規定するもののほか、新法の施行の際現に裁判所に係属している事件の処理に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第27条
(検討)
1
新法第二百二十条第四号に規定する公務員又は公務員であった者がその職務に関し保管し、又は所持する文書を対象とする文書提出命令の制度については、行政機関の保有する情報を公開するための制度に関して行われている検討と並行して、総合的な検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
2
前項の措置は、新法の公布後二年を目途として、講ずるものとする。
附則
平成11年12月8日
第4条
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成13年7月4日
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
3
政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律による改正後の規定の実施状況並びに刑事事件に係る訴訟に関する書類及び少年の保護事件の記録並びにこれらの事件において押収されている文書(以下「刑事事件関係書類等」という。)の民事訴訟における利用状況等を勘案し、刑事事件関係書類等その他の公務員又は公務員であった者がその職務に関し保管し、又は所持する文書を対象とする文書提出命令の制度について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
平成13年12月5日
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
附則
平成13年12月12日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第42条
(処分、手続等に関する経過措置)
この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。
第43条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第44条
(経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成14年6月12日
第84条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第85条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第86条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において新社債等振替法、金融商品取引法の施行状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、新社債等振替法第二条第十一項に規定する加入者保護信託、金融商品取引法第二条第二十九項に規定する金融商品取引清算機関に係る制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成14年7月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、民間事業者による信書の送達に関する法律の施行の日から施行する。
第2条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第3条
(その他の経過措置の政令への委任)
前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成15年5月30日
第38条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第39条
(その他の経過措置の政令への委任)
この法律に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
第40条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、この法律による改正後の金融諸制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成15年7月16日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第2条
(民事訴訟法の一部改正に伴う経過措置)
この法律による改正後の民事訴訟法の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前の民事訴訟法の規定により生じた効力を妨げない。
第3条
(特許権等に関する訴え及び意匠権等に関する訴えに係る訴訟の管轄等に関する経過措置)
1
この法律の施行の際現に係属している特許権、実用新案権、回路配置利用権又はプログラムの著作物についての著作者の権利に関する訴え(第四項において「特許権等に関する訴え」という。)及び意匠権、商標権、著作者の権利(プログラムの著作物についての著作者の権利を除く。)、出版権、著作隣接権若しくは育成者権に関する訴え又は不正競争(不正競争防止法第二条第一項に規定する不正競争をいう。)による営業上の利益の侵害に係る訴えに係る訴訟の管轄及び移送については、なお従前の例による。
2
この法律の施行の際現に係属している事件については、第一条の規定による改正後の民事訴訟法第二百六十九条の二及び第三百十条の二並びに第二条の規定による改正後の特許法第百八十二条の二(第三条の規定による改正後の実用新案法第四十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
3
特許法等の一部を改正する法律附則第二条第九項の規定によりなお従前の例によることとされる同法第一条の規定による改正前の特許法第百七十八条第一項の訴えであって特許異議の申立てについての取消決定又は特許異議申立書の却下の決定に対するものに係る事件については、前項に定める場合を除き、第二条の規定による改正後の特許法第百八十二条の二の規定を適用する。
4
この法律の施行前にした申立てに係る保全命令事件であって本案の訴えが特許権等に関する訴えであるものの管轄については、なお従前の例による。
第4条
(少額訴訟に関する経過措置)
この法律の施行前に少額訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述があった事件については、第一条の規定による改正後の民事訴訟法第三百六十八条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則
平成16年6月2日
第1条
(施行期日)
この法律は、破産法(次条第八項並びに附則第三条第八項、第五条第八項、第十六項及び第二十一項、第八条第三項並びに第十三条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。
第11条
(民事訴訟法の一部改正に伴う経過措置)
施行日前にされた破産の申立て又は施行日前に職権でされた破産の宣告に係る破産事件については、第百十三条の規定による改正後の民事訴訟法第百二十五条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第14条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成16年6月9日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
第135条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第136条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第137条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、この法律による改正後の株式等の取引に係る決済制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成16年6月18日
第2条
(経過措置の原則)
この法律による改正後の裁判所法、民事訴訟法、民事訴訟費用等に関する法律、特許法、実用新案法、意匠法、商標法、不正競争防止法及び著作権法の規定(罰則を除く。)は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前のこれらの法律の規定により生じた効力を妨げない。
附則
平成16年12月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成16年12月3日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第3条
(経過措置の原則)
この法律による改正後の民事訴訟法、非訟事件手続法及び民事執行法の規定(罰則を除く。)は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前のこれらの法律の規定により生じた効力を妨げない。
第4条
(電磁的記録による管轄の合意等に関する経過措置)
第一条の規定による改正後の民事訴訟法(以下「新民事訴訟法」という。)第十一条第三項(新民事訴訟法第二百八十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行前にされた管轄裁判所を定める合意及び上告をする権利を留保した控訴をしない旨の合意については、適用しない。
第5条
(電子情報処理組織を用いて取り扱う督促手続の特則に関する経過措置)
第一条の規定による改正前の民事訴訟法(以下「旧民事訴訟法」という。)第三百九十七条第一項及び第二項の規定によりされた支払督促の申立てについては、なお従前の例による。
第39条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第40条
(政令への委任)
附則第三条から第十条まで、第二十九条及び前二条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成17年5月25日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第41条
(検討)
政府は、施行日から五年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成17年6月29日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成17年7月26日
この法律は、会社法の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成17年10月21日
第104条
(民事訴訟法の一部改正に伴う経過措置)
1
この法律の施行前に第百五条の規定による改正前の民事訴訟法(次項において「旧法」という。)第百五条後段の規定による送達のうち郵便の業務に従事する者が郵便局においてしたものは、第百五条の規定による改正後の民事訴訟法(同項において「新法」という。)第百四条第三項第二号の規定の適用については、郵便事業株式会社の営業所(郵便事業株式会社から当該送達の業務の委託を受けた者の営業所を含む。次項において同じ。)においてした送達とみなす。
2
この法律の施行前に郵便の業務に従事する者が郵便局においてした旧法第百六条第一項後段の規定による送達は、新法第百四条第三項第二号の規定の適用については、郵便の業務に従事する者が郵便事業株式会社の営業所においてした新法第百六条第一項後段の規定による送達とみなす。
第117条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為、この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為、この法律の施行後附則第九条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便為替法第三十八条の八(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第十三条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替法第七十条(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第二十七条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替預り金寄附委託法第八条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第三十九条第二項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第四十二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十一条及び第七十二条(第十五号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為並びに附則第二条第二項の規定の適用がある場合における郵政民営化法第百四条に規定する郵便貯金銀行に係る特定日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成18年6月21日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成19年6月27日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
第9条
(検討等)
政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
第10条
政府は、被害者参加人(第一条の規定による改正後の刑事訴訟法第三百十六条の三十三第三項に規定する被害者参加人をいう。以下同じ。)の委託を受けた弁護士の役割の重要性にかんがみ、資力の乏しい被害者参加人も弁護士の法的援助を受けられるようにするため、必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
附則
平成23年5月2日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第2条
(経過措置)
1
第一条の規定による改正後の民事訴訟法の規定(第三条の七を除く。)は、この法律の施行の際現に係属している訴訟の日本の裁判所の管轄権及び管轄に関しては、適用しない。
2
第一条の規定による改正後の民事訴訟法第三条の七の規定は、この法律の施行前にした特定の国の裁判所に訴えを提起することができる旨の合意については、適用しない。
3
第二条の規定による改正後の民事保全法第十一条の規定は、この法律の施行前にした申立てに係る保全命令事件については、適用しない。
附則
平成24年5月8日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条の規定(郵政民営化法目次中「第六章 郵便事業株式会社 第一節 設立等(第七十条—第七十二条) 第二節 設立に関する郵便事業株式会社法等の特例 第三節 移行期間中の業務に関する特例等(第七十五条—第七十八条) 第七章 郵便局株式会社」を「第六章 削除 第七章 日本郵便株式会社」に改める改正規定、同法第十九条第一項第一号及び第二号、第二十六条、第六十一条第一号並びに第六章の改正規定、同法中「第七章 郵便局株式会社」を「第七章 日本郵便株式会社」に改める改正規定、同法第七十九条第三項第二号及び第八十三条第一項の改正規定、同法第九十条から第九十三条までの改正規定、同法第百五条第一項、同項第二号及び第百十条第一項第二号ホの改正規定、同法第百十条の次に一条を加える改正規定、同法第百三十五条第一項、同項第二号及び第百三十八条第二項第四号の改正規定、同法第百三十八条の次に一条を加える改正規定、同法第十一章に一節を加える改正規定(第百七十六条の五に係る部分に限る。)、同法第百八十条第一項第一号及び第二号並びに第百九十六条の改正規定(第十二号を削る部分を除く。)並びに同法附則第二条第二号の改正規定を除く。)、第二条のうち日本郵政株式会社法附則第二条及び第三条の改正規定、第五条(第二号に係る部分に限る。)の規定、次条の規定、附則第四条、第六条、第十条、第十四条及び第十八条の規定、附則第三十八条の規定(郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律附則第二条第一項、第四十九条、第五十五条及び第七十九条第二項の改正規定、附則第九十条の前の見出しを削り、同条に見出しを付する改正規定並びに附則第九十一条及び第九十五条の改正規定を除く。)、附則第四十条から第四十四条までの規定、附則第四十五条中総務省設置法第三条及び第四条第七十九号の改正規定並びに附則第四十六条及び第四十七条の規定は、公布の日から施行する。
第35条
(民事訴訟法の一部改正に伴う経過措置)
この法律の施行前にされた前条の規定による改正前の民事訴訟法第百四条第三項第二号に掲げる送達(郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律附則第百四条の規定により当該送達とみなされた送達を含む。)は、前条の規定による改正後の民事訴訟法第百四条第三項の規定の適用については、同項第二号に掲げる送達とみなす。
第46条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条ただし書に規定する規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第47条
(その他の経過措置の政令への委任)
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。