一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
平成23年5月25日 改正
第1条
【趣旨】
一般社団法人及び一般財団法人の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。
第2条
【定義】
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
①
一般社団法人等 一般社団法人又は一般財団法人をいう。
②
大規模一般社団法人 最終事業年度(各事業年度に係る
第123条第2項に規定する計算書類につき
第126条第2項の承認(
第127条前段に規定する場合にあっては、
第124条第3項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。)に係る貸借対照表(
第127条前段に規定する場合にあっては、
同条の規定により定時社員総会に報告された貸借対照表をいい、一般社団法人の成立後最初の定時社員総会までの間においては、
第123条第1項の貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上である一般社団法人をいう。
④
子法人 一般社団法人又は一般財団法人がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。
⑤
吸収合併 一般社団法人又は一般財団法人が他の一般社団法人又は一般財団法人とする合併であって、合併により消滅する法人の権利義務の全部を合併後存続する法人に承継させるものをいう。
⑥
新設合併 二以上の一般社団法人又は一般財団法人がする合併であって、合併により消滅する法人の権利義務の全部を合併により設立する法人に承継させるものをいう。
⑦
公告方法 一般社団法人又は一般財団法人が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。
第4条
【住所】
一般社団法人及び一般財団法人の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。
第5条
【名称】
1
一般社団法人又は一般財団法人は、その種類に従い、その名称中に一般社団法人又は一般財団法人という文字を用いなければならない。
2
一般社団法人は、その名称中に、一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
3
一般財団法人は、その名称中に、一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
第6条
【一般社団法人又は一般財団法人と誤認させる名称等の使用の禁止】
一般社団法人又は一般財団法人でない者は、その名称又は商号中に、一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
第7条
1
何人も、不正の目的をもって、他の一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。
2
前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって事業に係る利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある一般社団法人又は一般財団法人は、その利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
第8条
【自己の名称の使用を他人に許諾した一般社団法人又は一般財団法人の責任】
自己の名称を使用して事業又は営業を行うことを他人に許諾した一般社団法人又は一般財団法人は、当該一般社団法人又は一般財団法人が当該事業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。
第10条
【定款の作成】
1
一般社団法人を設立するには、その社員になろうとする者(以下「設立時社員」という。)が、共同して定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。
2
前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
第11条
【定款の記載又は記録事項】
1
一般社団法人の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
2
社員に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めは、その効力を有しない。
第12条
前条第1項各号に掲げる事項のほか、一般社団法人の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。
第13条
【定款の認証】
第10条第1項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。
第14条
【定款の備置き及び閲覧等】
1
設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)は、定款を設立時社員が定めた場所(一般社団法人の成立後にあっては、その主たる事務所及び従たる事務所)に備え置かなければならない。
2
設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、その社員及び債権者)は、設立時社員が定めた時間(一般社団法人の成立後にあっては、その業務時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、
第2号又は
第4号に掲げる請求をするには、設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)の定めた費用を支払わなければならない。
①
定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
③
定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
④
前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)であって設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
3
定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における
前項第3号及び
第4号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている一般社団法人についての
第1項の規定の適用については、
同項中「主たる事務所及び従たる事務所」とあるのは、「主たる事務所」とする。
第15条
【設立時役員等の選任】
1
定款で設立時理事(一般社団法人の設立に際して理事となる者をいう。以下この章、
第278条及び
第318条第2項において同じ。)を定めなかったときは、設立時社員は、
第13条の公証人の認証の後遅滞なく、設立時理事を選任しなければならない。
2
設立しようとする一般社団法人が次の各号に掲げるものである場合において、定款で当該各号に定める者を定めなかったときは、設立時社員は、
第13条の公証人の認証の後遅滞なく、これらの者を選任しなければならない。
①
監事設置一般社団法人(監事を置く一般社団法人又はこの法律の規定により監事を置かなければならない一般社団法人をいう。以下同じ。) 設立時監事(一般社団法人の設立に際して監事となる者をいう。以下この章、
第254条第6号及び
第318条第2項第3号において同じ。)
②
会計監査人設置一般社団法人(会計監査人を置く一般社団法人又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない一般社団法人をいう。以下同じ。) 設立時会計監査人(一般社団法人の設立に際して会計監査人となる者をいう。
次条第2項及び
第318条第2項第4号において同じ。)
第16条
1
設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人(理事会を置く一般社団法人をいう。以下同じ。)である場合には、設立時理事は、三人以上でなければならない。
2
第65条第1項又は
第68条第1項若しくは
第3項の規定により成立後の一般社団法人の理事、監事又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時理事、設立時監事又は設立時会計監査人(以下この款において「設立時役員等」という。)となることができない。
第17条
【設立時役員等の選任の方法】
1
設立時役員等の選任は、設立時社員の議決権の過半数をもって決定する。
2
前項の場合には、設立時社員は、各一個の議決権を有する。ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。
第18条
【設立時役員等の解任】
設立時社員は、一般社団法人の成立の時までの間、設立時役員等を解任することができる。
第19条
【設立時役員等の解任の方法】
1
設立時役員等の解任は、設立時社員の議決権の過半数(設立時監事を解任する場合にあっては、三分の二以上に当たる多数)をもって決定する。
第20条
1
設立時理事(設立しようとする一般社団法人が監事設置一般社団法人である場合にあっては、設立時理事及び設立時監事。
次項において同じ。)は、その選任後遅滞なく、一般社団法人の設立の手続が法令又は定款に違反していないことを調査しなければならない。
2
設立時理事は、
前項の規定による調査により、一般社団法人の設立の手続が法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、設立時社員にその旨を通知しなければならない。
第21条
1
設立時理事は、設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合には、設立時理事の中から一般社団法人の設立に際して代表理事(一般社団法人を代表する理事をいう。以下この章及び
第301条第2項第6号において同じ。)となる者(以下この条及び
第318条第2項において「設立時代表理事」という。)を選定しなければならない。
2
設立時理事は、一般社団法人の成立の時までの間、設立時代表理事を解職することができる。
3
前二項の規定による設立時代表理事の選定及び解職は、設立時理事の過半数をもって決定する。
第22条
一般社団法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
第23条
【設立時社員等の損害賠償責任】
1
設立時社員、設立時理事又は設立時監事は、一般社団法人の設立についてその任務を怠ったときは、当該一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
2
設立時社員、設立時理事又は設立時監事がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該設立時社員、設立時理事又は設立時監事は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
第24条
【設立時社員等の連帯責任】
設立時社員、設立時理事又は設立時監事が一般社団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の設立時社員、設立時理事又は設立時監事も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
第25条
【責任の免除】
第23条第1項の規定により設立時社員、設立時理事又は設立時監事の負う責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。
第26条
【一般社団法人不成立の場合の責任】
一般社団法人が成立しなかったときは、設立時社員は、連帯して、一般社団法人の設立に関してした行為についてその責任を負い、一般社団法人の設立に関して支出した費用を負担する。
第27条
【経費の負担】
社員は、定款で定めるところにより、一般社団法人に対し、経費を支払う義務を負う。
第28条
【任意退社】
1
社員は、いつでも退社することができる。ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。
2
前項ただし書の規定による定款の定めがある場合であっても、やむを得ない事由があるときは、社員は、いつでも退社することができる。
第29条
【法定退社】
前条の場合のほか、社員は、次に掲げる事由によって退社する。
第30条
【除名】
1
社員の除名は、正当な事由があるときに限り、社員総会の決議によってすることができる。この場合において、一般社団法人は、当該社員に対し、当該社員総会の日から一週間前までにその旨を通知し、かつ、社員総会において弁明する機会を与えなければならない。
2
除名は、除名した社員にその旨を通知しなければ、これをもって当該社員に対抗することができない。
第31条
【社員名簿】
一般社団法人は、社員の氏名又は名称及び住所を記載し、又は記録した名簿(以下「社員名簿」という。)を作成しなければならない。
第32条
【社員名簿の備置き及び閲覧等】
1
一般社団法人は、社員名簿をその主たる事務所に備え置かなければならない。
2
社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
①
社員名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
②
社員名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
3
一般社団法人は、
前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。
①
当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
②
請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
③
請求者が当該一般社団法人の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。
④
請求者が社員名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
⑤
請求者が、過去二年以内において、社員名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
第33条
【社員に対する通知等】
1
一般社団法人が社員に対してする通知又は催告は、社員名簿に記載し、又は記録した当該社員の住所(当該社員が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該一般社団法人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
2
前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
3
前二項の規定は、
第39条第1項の通知に際して社員に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。この場合において、
前項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。
第34条
【社員に対する通知の省略】
1
一般社団法人が社員に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、一般社団法人は、当該社員に対する通知又は催告をすることを要しない。
2
前項の場合には、
同項の社員に対する一般社団法人の義務の履行を行う場所は、一般社団法人の住所地とする。
第35条
【社員総会の権限】
1
社員総会は、この法律に規定する事項及び一般社団法人の組織、運営、管理その他一般社団法人に関する一切の事項について決議をすることができる。
2
前項の規定にかかわらず、理事会設置一般社団法人においては、社員総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。
3
前二項の規定にかかわらず、社員総会は、社員に剰余金を分配する旨の決議をすることができない。
4
この法律の規定により社員総会の決議を必要とする事項について、理事、理事会その他の社員総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。
第36条
【社員総会の招集】
1
定時社員総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。
2
社員総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。
3
社員総会は、
次条第2項の規定により招集する場合を除き、理事が招集する。
第37条
【社員による招集の請求】
1
総社員の議決権の十分の一(五分の一以下の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、理事に対し、社員総会の目的である事項及び招集の理由を示して、社員総会の招集を請求することができる。
2
次に掲げる場合には、
前項の規定による請求をした社員は、裁判所の許可を得て、社員総会を招集することができる。
①
前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合
②
前項の規定による請求があった日から六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を社員総会の日とする社員総会の招集の通知が発せられない場合
第38条
【社員総会の招集の決定】
1
理事(
前条第2項の規定により社員が社員総会を招集する場合にあっては、当該社員。
次条から
第42条までにおいて同じ。)は、社員総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。
③
社員総会に出席しない社員が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
④
社員総会に出席しない社員が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
2
理事会設置一般社団法人においては、
前条第2項の規定により社員が社員総会を招集するときを除き、
前項各号に掲げる事項の決定は、理事会の決議によらなければならない。
第39条
【社員総会の招集の通知】
1
社員総会を招集するには、理事は、社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員に対してその通知を発しなければならない。ただし、
前条第1項第3号又は
第4号に掲げる事項を定めた場合には、社員総会の日の二週間前までにその通知を発しなければならない。
2
次に掲げる場合には、
前項の通知は、書面でしなければならない。
3
理事は、
前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、社員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該理事は、
同項の書面による通知を発したものとみなす。
4
前二項の通知には、
前条第1項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
第40条
【招集手続の省略】
前条の規定にかかわらず、社員総会は、社員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。ただし、
第38条第1項第3号又は
第4号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。
第41条
【社員総会参考書類及び議決権行使書面の交付等】
1
理事は、
第38条第1項第3号に掲げる事項を定めた場合には、
第39条第1項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「社員総会参考書類」という。)及び社員が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。
2
理事は、
第39条第3項の承諾をした社員に対し
同項の電磁的方法による通知を発するときは、
前項の規定による社員総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、社員の請求があったときは、これらの書類を当該社員に交付しなければならない。
第42条
1
理事は、
第38条第1項第4号に掲げる事項を定めた場合には、
第39条第1項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、社員総会参考書類を交付しなければならない。
2
理事は、
第39条第3項の承諾をした社員に対し
同項の電磁的方法による通知を発するときは、
前項の規定による社員総会参考書類の交付に代えて、当該社員総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、社員の請求があったときは、社員総会参考書類を当該社員に交付しなければならない。
3
理事は、
第1項に規定する場合には、
第39条第3項の承諾をした社員に対する
同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。
4
理事は、
第1項に規定する場合において、
第39条第3項の承諾をしていない社員から社員総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該社員に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。
第43条
【社員提案権】
1
社員は、理事に対し、一定の事項を社員総会の目的とすることを請求することができる。
2
前項の規定にかかわらず、理事会設置一般社団法人においては、総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員に限り、理事に対し、一定の事項を社員総会の目的とすることを請求することができる。この場合において、その請求は、社員総会の日の六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。
第44条
社員は、社員総会において、社員総会の目的である事項につき議案を提出することができる。ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき社員総会において総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。
第45条
1
社員は、理事に対し、社員総会の日の六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員総会の目的である事項につき当該社員が提出しようとする議案の要領を社員に通知すること(
第39条第2項又は
第3項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。ただし、理事会設置一般社団法人においては、総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員に限り、当該請求をすることができる。
2
前項の規定は、
同項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき社員総会において総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。
第46条
【社員総会の招集手続等に関する検査役の選任】
1
一般社団法人又は総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、社員総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該社員総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。
2
前項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。
3
裁判所は、
前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。
4
第2項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。
5
裁判所は、
前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、
第2項の検査役に対し、更に
前項の報告を求めることができる。
6
第2項の検査役は、
第4項の報告をしたときは、一般社団法人(検査役の選任の申立てをした者が当該一般社団法人でない場合にあっては、当該一般社団法人及びその者)に対し、
同項の書面の写しを交付し、又は
同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。
第47条
【裁判所による社員総会招集等の決定】
1
裁判所は、
前条第4項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。
2
裁判所が
前項第1号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、
前条第4項の報告の内容を
同号の社員総会において開示しなければならない。
3
前項に規定する場合には、理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)は、
前条第4項の報告の内容を調査し、その結果を
第1項第1号の社員総会に報告しなければならない。
第48条
【議決権の数】
1
社員は、各一個の議決権を有する。ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。
2
前項ただし書の規定にかかわらず、社員総会において決議をする事項の全部につき社員が議決権を行使することができない旨の定款の定めは、その効力を有しない。
第49条
【社員総会の決議】
1
社員総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の議決権の過半数を有する社員が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数をもって行う。
2
前項の規定にかかわらず、次に掲げる社員総会の決議は、総社員の半数以上であって、総社員の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。
第50条
【議決権の代理行使】
1
社員は、代理人によってその議決権を行使することができる。この場合においては、当該社員又は代理人は、代理権を証明する書面を一般社団法人に提出しなければならない。
2
前項の代理権の授与は、社員総会ごとにしなければならない。
3
第1項の社員又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該社員又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。
4
社員が
第39条第3項の承諾をした者である場合には、一般社団法人は、正当な理由がなければ、
前項の承諾をすることを拒んではならない。
5
一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び
第3項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
6
社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
②
前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
第51条
【書面による議決権の行使】
1
書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を一般社団法人に提出して行う。
2
前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した社員の議決権の数に算入する。
3
一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、
第1項の規定により提出された議決権行使書面をその主たる事務所に備え置かなければならない。
4
社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、
第1項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。
第52条
【電磁的方法による議決権の行使】
1
電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該一般社団法人に提供して行う。
2
社員が
第39条第3項の承諾をした者である場合には、一般社団法人は、正当な理由がなければ、
前項の承諾をすることを拒んではならない。
3
第1項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した社員の議決権の数に算入する。
4
一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、
第1項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
5
社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、
前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。
第53条
【理事等の説明義務】
理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)は、社員総会において、社員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。ただし、当該事項が社員総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより社員の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。
第54条
【議長の権限】
1
社員総会の議長は、当該社員総会の秩序を維持し、議事を整理する。
2
社員総会の議長は、その命令に従わない者その他当該社員総会の秩序を乱す者を退場させることができる。
第55条
【社員総会に提出された資料等の調査】
1
社員総会においては、その決議によって、理事、監事及び会計監査人が当該社員総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。
2
第37条の規定により招集された社員総会においては、その決議によって、一般社団法人の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。
第56条
【延期又は続行の決議】
社員総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、
第38条及び
第39条の規定は、適用しない。
第57条
【議事録】
1
社員総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。
2
一般社団法人は、社員総会の日から十年間、
前項の議事録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
3
一般社団法人は、社員総会の日から五年間、
第1項の議事録の写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における
次項第2号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。
4
社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
①
第1項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求
②
第1項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
第58条
【社員総会の決議の省略】
1
理事又は社員が社員総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなす。
2
一般社団法人は、
前項の規定により社員総会の決議があったものとみなされた日から十年間、
同項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
3
社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
②
前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
4
第1項の規定により定時社員総会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時社員総会が終結したものとみなす。
第59条
【社員総会への報告の省略】
理事が社員の全員に対して社員総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を社員総会に報告することを要しないことにつき社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の社員総会への報告があったものとみなす。
第60条
【社員総会以外の機関の設置】
1
一般社団法人には、一人又は二人以上の理事を置かなければならない。
2
一般社団法人は、定款の定めによって、理事会、監事又は会計監査人を置くことができる。
第61条
【監事の設置義務】
理事会設置一般社団法人及び会計監査人設置一般社団法人は、監事を置かなければならない。
第62条
【会計監査人の設置義務】
大規模一般社団法人は、会計監査人を置かなければならない。
第63条
【選任】
1
役員(理事及び監事をいう。以下この款において同じ。)及び会計監査人は、社員総会の決議によって選任する。
2
前項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。
第64条
【一般社団法人と役員等との関係】
一般社団法人と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。
第65条
【役員の資格等】
1
次に掲げる者は、役員となることができない。
②
成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
④
前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)
2
監事は、一般社団法人又はその子法人の理事又は使用人を兼ねることができない。
3
理事会設置一般社団法人においては、理事は、三人以上でなければならない。
第66条
【理事の任期】
理事の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。ただし、定款又は社員総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。
第67条
【監事の任期】
1
監事の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。ただし、定款によって、その任期を選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとすることを限度として短縮することを妨げない。
2
前項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監事の補欠として選任された監事の任期を退任した監事の任期の満了する時までとすることを妨げない。
3
前二項の規定にかかわらず、監事を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、監事の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。
第68条
【会計監査人の資格等】
1
会計監査人は、公認会計士(外国公認会計士(
公認会計士法第16条の2第5項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)又は監査法人でなければならない。
2
会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを一般社団法人に通知しなければならない。この場合においては、
次項第2号に掲げる者を選定することはできない。
3
次に掲げる者は、会計監査人となることができない。
②
一般社団法人の子法人若しくはその理事若しくは監事から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者
③
監査法人でその社員の半数以上が
前号に掲げる者であるもの
第69条
【会計監査人の任期】
1
会計監査人の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。
2
会計監査人は、
前項の定時社員総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時社員総会において再任されたものとみなす。
3
前二項の規定にかかわらず、会計監査人設置一般社団法人が会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計監査人の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。
第70条
【解任】
1
役員及び会計監査人は、いつでも、社員総会の決議によって解任することができる。
2
前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、一般社団法人に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。
第71条
【監事による会計監査人の解任】
1
監事は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。
②
会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。
③
心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。
2
前項の規定による解任は、監事が二人以上ある場合には、監事の全員の同意によって行わなければならない。
3
第1項の規定により会計監査人を解任したときは、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、監事の互選によって定めた監事)は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される社員総会に報告しなければならない。
第72条
【監事の選任に関する監事の同意等】
1
理事は、監事がある場合において、監事の選任に関する議案を社員総会に提出するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。
2
監事は、理事に対し、監事の選任を社員総会の目的とすること又は監事の選任に関する議案を社員総会に提出することを請求することができる。
第73条
【会計監査人の選任に関する監事の同意等】
1
監事設置一般社団法人においては、理事は、次に掲げる行為をするには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。
①
会計監査人の選任に関する議案を社員総会に提出すること。
③
会計監査人を再任しないことを社員総会の目的とすること。
2
監事は、理事に対し、次に掲げる行為をすることを請求することができる。
①
会計監査人の選任に関する議案を社員総会に提出すること。
②
会計監査人の選任又は解任を社員総会の目的とすること。
③
会計監査人を再任しないことを社員総会の目的とすること。
第74条
【監事等の選任等についての意見の陳述】
1
監事は、社員総会において、監事の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。
2
監事を辞任した者は、辞任後最初に招集される社員総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。
4
第1項の規定は会計監査人について、前二項の規定は会計監査人を辞任した者及び
第71条第1項の規定により会計監査人を解任された者について、それぞれ準用する。この場合において、
第1項中「社員総会において、監事の選任若しくは解任又は辞任について」とあるのは「会計監査人の選任、解任若しくは不再任又は辞任について、社員総会に出席して」と、
第2項中「辞任後」とあるのは「解任後又は辞任後」と、「辞任した旨及びその理由」とあるのは「辞任した旨及びその理由又は解任についての意見」と読み替えるものとする。
第75条
【役員等に欠員を生じた場合の措置】
1
役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(
次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。
2
前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。
3
裁判所は、
前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、一般社団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。
4
会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監事は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。
第76条
【業務の執行】
1
理事は、定款に別段の定めがある場合を除き、一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。
2
理事が二人以上ある場合には、一般社団法人の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、理事の過半数をもって決定する。
3
前項の場合には、理事は、次に掲げる事項についての決定を各理事に委任することができない。
③
理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他一般社団法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
4
大規模一般社団法人においては、理事は、
前項第3号に掲げる事項を決定しなければならない。
第77条
【一般社団法人の代表】
1
理事は、一般社団法人を代表する。ただし、他に代表理事その他一般社団法人を代表する者を定めた場合は、この限りでない。
2
前項本文の理事が二人以上ある場合には、理事は、各自、一般社団法人を代表する。
3
一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。)は、定款、定款の定めに基づく理事の互選又は社員総会の決議によって、理事の中から代表理事を定めることができる。
4
代表理事は、一般社団法人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
5
前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
第78条
【代表者の行為についての損害賠償責任】
一般社団法人は、代表理事その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
第79条
【代表理事に欠員を生じた場合の措置】
1
代表理事が欠けた場合又は定款で定めた代表理事の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した代表理事は、新たに選定された代表理事(
次項の一時代表理事の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお代表理事としての権利義務を有する。
2
前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時代表理事の職務を行うべき者を選任することができる。
3
裁判所は、
前項の一時代表理事の職務を行うべき者を選任した場合には、一般社団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。
第80条
【理事の職務を代行する者の権限】
1
民事保全法(平成元年法律
第91号)
第56条に規定する仮処分命令により選任された理事又は代表理事の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、一般社団法人の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。
2
前項の規定に違反して行った理事又は代表理事の職務を代行する者の行為は、無効とする。ただし、一般社団法人は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
第81条
【一般社団法人と理事との間の訴えにおける法人の代表】
第77条第4項の規定にかかわらず、一般社団法人が理事(理事であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は理事が一般社団法人に対して訴えを提起する場合には、社員総会は、当該訴えについて一般社団法人を代表する者を定めることができる。
第82条
【表見代表理事】
一般社団法人は、代表理事以外の理事に理事長その他一般社団法人を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該理事がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。
第83条
【忠実義務】
理事は、法令及び定款並びに社員総会の決議を遵守し、一般社団法人のため忠実にその職務を行わなければならない。
第84条
【競業及び利益相反取引の制限】
1
理事は、次に掲げる場合には、社員総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
①
理事が自己又は第三者のために一般社団法人の事業の部類に属する取引をしようとするとき。
②
理事が自己又は第三者のために一般社団法人と取引をしようとするとき。
③
一般社団法人が理事の債務を保証することその他理事以外の者との間において一般社団法人と当該理事との利益が相反する取引をしようとするとき。
第85条
【理事の報告義務】
理事は、一般社団法人に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を社員(監事設置一般社団法人にあっては、監事)に報告しなければならない。
第86条
【業務の執行に関する検査役の選任】
1
一般社団法人の業務の執行に関し、不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、当該一般社団法人の業務及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。
2
前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。
3
裁判所は、
前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。
4
第2項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、一般社団法人の子法人の業務及び財産の状況を調査することができる。
5
第2項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。
6
裁判所は、
前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、
第2項の検査役に対し、更に
前項の報告を求めることができる。
7
第2項の検査役は、
第5項の報告をしたときは、一般社団法人及び検査役の選任の申立てをした社員に対し、
同項の書面の写しを交付し、又は
同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。
第87条
【裁判所による社員総会招集等の決定】
1
裁判所は、
前条第5項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。
2
裁判所が
前項第1号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、
前条第5項の報告の内容を
同号の社員総会において開示しなければならない。
3
前項に規定する場合には、理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事及び監事)は、
前条第5項の報告の内容を調査し、その結果を
第1項第1号の社員総会に報告しなければならない。
第88条
【社員による理事の行為の差止め】
1
社員は、理事が一般社団法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該一般社団法人に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
2
監事設置一般社団法人における
前項の規定の適用については、
同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。
第89条
【理事の報酬等】
理事の報酬等(報酬、賞与その他の職務執行の対価として一般社団法人等から受ける財産上の利益をいう。以下同じ。)は、定款にその額を定めていないときは、社員総会の決議によって定める。
第90条
【理事会の権限等】
3
理事会は、理事の中から代表理事を選定しなければならない。
4
理事会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を理事に委任することができない。
④
従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
⑤
理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他一般社団法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
5
大規模一般社団法人である理事会設置一般社団法人においては、理事会は、
前項第5号に掲げる事項を決定しなければならない。
第91条
【理事会設置一般社団法人の理事の権限】
1
次に掲げる理事は、理事会設置一般社団法人の業務を執行する。
②
代表理事以外の理事であって、理事会の決議によって理事会設置一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの
2
前項各号に掲げる理事は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。ただし、定款で毎事業年度に四箇月を超える間隔で二回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りでない。
第92条
【競業及び理事会設置一般社団法人との取引等の制限】
1
理事会設置一般社団法人における
第84条の規定の適用については、
同条第1項中「社員総会」とあるのは、「理事会」とする。
2
理事会設置一般社団法人においては、
第84条第1項各号の取引をした理事は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を理事会に報告しなければならない。
第93条
【招集権者】
1
理事会は、各理事が招集する。ただし、理事会を招集する理事を定款又は理事会で定めたときは、その理事が招集する。
2
前項ただし書に規定する場合には、
同項ただし書の規定により定められた理事(以下この項及び
第101条第2項において「招集権者」という。)以外の理事は、招集権者に対し、理事会の目的である事項を示して、理事会の招集を請求することができる。
3
前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした理事は、理事会を招集することができる。
第94条
【招集手続】
1
理事会を招集する者は、理事会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各理事及び各監事に対してその通知を発しなければならない。
2
前項の規定にかかわらず、理事会は、理事及び監事の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。
第95条
【理事会の決議】
1
理事会の決議は、議決に加わることができる理事の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。
2
前項の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。
3
理事会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した理事(定款で議事録に署名し、又は記名押印しなければならない者を当該理事会に出席した代表理事とする旨の定めがある場合にあっては、当該代表理事)及び監事は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
4
前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
5
理事会の決議に参加した理事であって
第3項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。
第96条
【理事会の決議の省略】
理事会設置一般社団法人は、理事が理事会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき理事(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監事が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。
第97条
【議事録等】
1
理事会設置一般社団法人は、理事会の日(
前条の規定により理事会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、
第95条第3項の議事録又は
前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその主たる事務所に備え置かなければならない。
2
社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。
①
前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
②
前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
3
債権者は、理事又は監事の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、
第1項の議事録等について
前項各号に掲げる請求をすることができる。
4
裁判所は、前二項の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該理事会設置一般社団法人に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、前二項の許可をすることができない。
第98条
【理事会への報告の省略】
1
理事、監事又は会計監査人が理事及び監事の全員に対して理事会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を理事会へ報告することを要しない。
第99条
【監事の権限】
1
監事は、理事の職務の執行を監査する。この場合において、監事は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。
2
監事は、いつでも、理事及び使用人に対して事業の報告を求め、又は監事設置一般社団法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
3
監事は、その職務を行うため必要があるときは、監事設置一般社団法人の子法人に対して事業の報告を求め、又はその子法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
4
前項の子法人は、正当な理由があるときは、
同項の報告又は調査を拒むことができる。
第100条
【理事への報告義務】
監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)に報告しなければならない。
第101条
【理事会への出席義務等】
1
監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。
2
監事は、
前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、理事(
第93条第1項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、理事会の招集を請求することができる。
3
前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる。
第102条
【社員総会に対する報告義務】
監事は、理事が社員総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を社員総会に報告しなければならない。
第103条
【監事による理事の行為の差止め】
1
監事は、理事が監事設置一般社団法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監事設置一般社団法人に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
2
前項の場合において、裁判所が仮処分をもって
同項の理事に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。
第104条
【監事設置一般社団法人と理事との間の訴えにおける法人の代表】
1
第77条第4項及び
第81条の規定にかかわらず、監事設置一般社団法人が理事(理事であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は理事が監事設置一般社団法人に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監事が監事設置一般社団法人を代表する。
2
第77条第4項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監事が監事設置一般社団法人を代表する。
①
監事設置一般社団法人が
第278条第1項の訴えの提起の請求(理事の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合
②
監事設置一般社団法人が
第280条第3項の訴訟告知(理事の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに
第281条第2項の規定による通知及び催告(理事の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合
第105条
【監事の報酬等】
1
監事の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、社員総会の決議によって定める。
2
監事が二人以上ある場合において、各監事の報酬等について定款の定め又は社員総会の決議がないときは、当該報酬等は、
前項の報酬等の範囲内において、監事の協議によって定める。
3
監事は、社員総会において、監事の報酬等について意見を述べることができる。
第106条
【費用等の請求】
監事がその職務の執行について監事設置一般社団法人に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監事設置一般社団法人は、当該請求に係る費用又は債務が当該監事の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。
②
支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求
③
負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求
第107条
【会計監査人の権限等】
1
会計監査人は、
次節の定めるところにより、一般社団法人の計算書類(
第123条第2項に規定する計算書類をいう。
第117条第2項第1号イにおいて同じ。)及びその附属明細書を監査する。この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。
2
会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は理事及び使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。
①
会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面
②
会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの
3
会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置一般社団法人の子法人に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置一般社団法人若しくはその子法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
4
前項の子法人は、正当な理由があるときは、
同項の報告又は調査を拒むことができる。
5
会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。
②
会計監査人設置一般社団法人又はその子法人の理事、監事又は使用人である者
③
会計監査人設置一般社団法人又はその子法人から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者
第108条
【監事に対する報告】
1
会計監査人は、その職務を行うに際して理事の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監事に報告しなければならない。
2
監事は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。
第109条
【定時社員総会における会計監査人の意見の陳述】
1
第107条第1項に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監事と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。
次項において同じ。)は、定時社員総会に出席して意見を述べることができる。
2
定時社員総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時社員総会に出席して意見を述べなければならない。
第110条
【会計監査人の報酬等の決定に関する監事の関与】
理事は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。
第111条
【役員等の一般社団法人に対する損害賠償責任】
1
理事、監事又は会計監査人(以下この款及び
第301条第2項第11号において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
2
理事が
第84条第1項の規定に違反して
同項第1号の取引をしたときは、当該取引によって理事又は第三者が得た利益の額は、
前項の損害の額と推定する。
3
第84条第1項第2号又は
第3号の取引によって一般社団法人に損害が生じたときは、次に掲げる理事は、その任務を怠ったものと推定する。
③
当該取引に関する理事会の承認の決議に賛成した理事
第112条
【一般社団法人に対する損害賠償責任の免除】
前条第1項の責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。
第113条
【責任の一部免除】
1
前条の規定にかかわらず、役員等の
第111条第1項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、
第1号に掲げる額から
第2号に掲げる額(
第115条第1項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、社員総会の決議によって免除することができる。
②
当該役員等がその在職中に一般社団法人から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額
ロ
代表理事以外の理事であって外部理事(一般社団法人の理事であって、当該一般社団法人又はその子法人の業務執行理事(代表理事、代表理事以外の理事であって理事会の決議によって一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの及び当該一般社団法人の業務を執行したその他の理事をいう。以下この章において同じ。)又は使用人でなく、かつ、過去に当該一般社団法人又はその子法人の業務執行理事又は使用人となったことがないものをいう。以下この款及び
第301条第2項第13号において同じ。)でないもの 四
2
前項の場合には、理事は、
同項の社員総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。
②
前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠
3
監事設置一般社団法人においては、理事は、
第111条第1項の責任の免除(理事の責任の免除に限る。)に関する議案を社員総会に提出するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。
4
第1項の決議があった場合において、一般社団法人が当該決議後に
同項の役員等に対し退職慰労金その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、社員総会の承認を受けなければならない。
第114条
【理事等による免除に関する定款の定め】
1
第112条の規定にかかわらず、監事設置一般社団法人(理事が二人以上ある場合に限る。)は、
第111条第1項の責任について、役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、
前条第1項の規定により免除することができる額を限度として理事(当該責任を負う理事を除く。)の過半数の同意(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。
2
前条第3項の規定は、定款を変更して
前項の規定による定款の定め(理事の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を社員総会に提出する場合、
同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(理事の責任の免除に限る。)についての理事の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案を理事会に提出する場合について準用する。
3
第1項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会の決議)を行ったときは、理事は、遅滞なく、
前条第2項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を社員に通知しなければならない。ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。
4
総社員(
前項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員が
同項の期間内に
同項の異議を述べたときは、一般社団法人は、
第1項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。
5
前条第4項の規定は、
第1項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。
第115条
【責任限定契約】
1
第112条の規定にかかわらず、一般社団法人は、外部役員等(外部理事、外部監事(一般社団法人の監事であって、過去に当該一般社団法人又はその子法人の理事又は使用人となったことがないものをいう。
第301条第2項第14号において同じ。)又は会計監査人をいう。以下この条及び
同項第12号において同じ。)の
第111条第1項の責任について、当該外部役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ一般社団法人が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を外部役員等と締結することができる旨を定款で定めることができる。
2
前項の契約を締結した外部役員等が当該一般社団法人又はその子法人の業務執行理事又は使用人に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。
3
第113条第3項の規定は、定款を変更して
第1項の規定による定款の定め(外部理事と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を社員総会に提出する場合について準用する。
4
第1項の契約を締結した一般社団法人が、当該契約の相手方である外部役員等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される社員総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。
5
第113条第4項の規定は、外部役員等が
第1項の契約によって
同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。
第116条
【理事が自己のためにした取引に関する特則】
1
第84条第1項第2号の取引(自己のためにした取引に限る。)をした理事の
第111条第1項の責任は、任務を怠ったことが当該理事の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。
2
前三条の規定は、
前項の責任については、適用しない。
第117条
【役員等の第三者に対する損害賠償責任】
1
役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
2
次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、
前項と同様とする。ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。
①
理事 次に掲げる行為
イ
計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
ロ
基金(
第131条に規定する基金をいう。)を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該一般社団法人の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録
②
監事 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
③
会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
第118条
【役員等の連帯責任】
役員等が一般社団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
第119条
一般社団法人の会計は、その行う事業に応じて、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。
第120条
【会計帳簿の作成及び保存】
1
一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。
2
一般社団法人は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。
第121条
【会計帳簿の閲覧等の請求】
1
総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
①
会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
②
会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
第122条
【会計帳簿の提出命令】
裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。
第123条
【計算書類等の作成及び保存】
1
一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。
2
一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表及び損益計算書をいう。以下この款において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。
3
計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。
4
一般社団法人は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければならない。
第124条
【計算書類等の監査等】
1
監事設置一般社団法人においては、
前条第2項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監事の監査を受けなければならない。
2
前項の規定にかかわらず、会計監査人設置一般社団法人においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。
①
前条第2項の計算書類及びその附属明細書 監事及び会計監査人
3
理事会設置一般社団法人においては、
第1項又は
前項の監査を受けた計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、理事会の承認を受けなければならない。
第125条
【計算書類等の社員への提供】
理事会設置一般社団法人においては、理事は、定時社員総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、
前条第3項の承認を受けた計算書類及び事業報告並びに監査報告(
同条第2項の規定の適用がある場合にあっては、会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。
第126条
【計算書類等の定時社員総会への提出等】
1
次の各号に掲げる一般社団法人においては、理事は、当該各号に定める計算書類及び事業報告を定時社員総会に提出し、又は提供しなければならない。
①
監事設置一般社団法人(理事会設置一般社団法人及び会計監査人設置一般社団法人を除く。)
第124条第1項の監査を受けた計算書類及び事業報告
②
会計監査人設置一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。)
第124条第2項の監査を受けた計算書類及び事業報告
2
前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時社員総会の承認を受けなければならない。
3
理事は、
第1項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時社員総会に報告しなければならない。
第127条
【会計監査人設置一般社団法人の特則】
会計監査人設置一般社団法人については、
第124条第3項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い一般社団法人の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、
前条第2項の規定は、適用しない。この場合においては、理事は、当該計算書類の内容を定時社員総会に報告しなければならない。
第128条
【貸借対照表等の公告】
1
一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大規模一般社団法人にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。
3
前項の一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、定時社員総会の終結後遅滞なく、
第1項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時社員総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。この場合においては、前二項の規定は、適用しない。
第129条
【計算書類等の備置き及び閲覧等】
1
一般社団法人は、計算書類等(各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(
第124条第1項又は
第2項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)をいう。以下この条において同じ。)を、定時社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人にあっては、二週間)前の日(
第58条第1項の場合にあっては、
同項の提案があった日)から五年間、その主たる事務所に備え置かなければならない。
2
一般社団法人は、計算書類等の写しを、定時社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人にあっては、二週間)前の日(
第58条第1項の場合にあっては、
同項の提案があった日)から三年間、その従たる事務所に備え置かなければならない。ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、従たる事務所における
次項第3号及び
第4号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。
3
社員及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、
第2号又は
第4号に掲げる請求をするには、当該一般社団法人の定めた費用を支払わなければならない。
①
計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求
③
計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
④
前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって一般社団法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
第130条
【計算書類等の提出命令】
裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。
第131条
【基金を引き受ける者の募集等に関する定款の定め】
一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員。
次条から
第134条まで(
第133条第1項第1号を除く。)及び
第136条第1号において同じ。)は、基金(この款の規定により一般社団法人に拠出された金銭その他の財産であって、当該一般社団法人が拠出者に対してこの法律及び当該一般社団法人と当該拠出者との間の合意の定めるところに従い返還義務(金銭以外の財産については、拠出時の当該財産の価額に相当する金銭の返還義務)を負うものをいう。以下同じ。)を引き受ける者の募集をすることができる旨を定款で定めることができる。この場合においては、次に掲げる事項を定款で定めなければならない。
第132条
【募集事項の決定】
1
一般社団法人は、
前条の募集をしようとするときは、その都度、次に掲げる事項(以下この款において「募集事項」という。)を定めなければならない。
②
金銭以外の財産を拠出の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及びその価額
③
基金の拠出に係る金銭の払込み又は
前号の財産の給付の期日又はその期間
2
設立時社員は、募集事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
第133条
【基金の申込み】
1
一般社団法人は、
第131条の募集に応じて基金の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
③
金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所
2
第131条の募集に応じて基金の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を一般社団法人に交付しなければならない。
3
前項の申込みをする者は、
同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、
同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該申込みをした者は、
同項の書面を交付したものとみなす。
4
一般社団法人は、
第1項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を
第2項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。
5
一般社団法人が申込者に対してする通知又は催告は、
第2項第1号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該一般社団法人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
6
前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
第134条
【基金の割当て】
1
一般社団法人は、申込者の中から基金の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる基金の額を定めなければならない。この場合において、一般社団法人は、当該申込者に割り当てる基金の額を、
前条第2項第2号の額よりも減額することができる。
2
一般社団法人は、
第132条第1項第3号の期日(
同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる基金の額を通知しなければならない。
第135条
【基金の申込み及び割当てに関する特則】
前二条の規定は、基金を引き受けようとする者がその総額の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。
第136条
【基金の引受け】
次の各号に掲げる者は、当該各号に定める基金の額について基金の引受人となる。
②
前条の契約により基金の総額を引き受けた者 その者が引き受けた基金の額
第137条
【金銭以外の財産の拠出】
1
一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員。
第6項において同じ。)は、
第132条第1項第2号に掲げる事項を定めたときは、募集事項の決定の後遅滞なく、
同号の財産(以下「現物拠出財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。
2
前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。
3
裁判所は、
前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。
4
第2項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。
5
裁判所は、
前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、
第2項の検査役に対し、更に
前項の報告を求めることができる。
6
第2項の検査役は、
第4項の報告をしたときは、一般社団法人に対し、
同項の書面の写しを交付し、又は
同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。
7
裁判所は、
第4項の報告を受けた場合において、現物拠出財産について定められた
第132条第1項第2号の価額(
第2項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。
8
基金の引受人(現物拠出財産を給付する者に限る。
第10項第2号において同じ。)は、
前項の決定により現物拠出財産の価額の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その基金の引受けの申込み又は
第135条の契約に係る意思表示を取り消すことができる。
9
前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。
①
現物拠出財産について定められた
第132条第1項第2号の価額の総額が五百万円を超えない場合 当該現物拠出財産の価額
②
現物拠出財産のうち、市場価格のある有価証券(
金融商品取引法第2条第1項に規定する有価証券をいい、
同条第2項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定められた
第132条第1項第2号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての現物拠出財産の価額
③
現物拠出財産について定められた
第132条第1項第2号の価額が相当であることについて弁護士、
弁護士法人、公認会計士、監査法人、税理士又は
税理士法人の証明(現物拠出財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 当該証明を受けた現物拠出財産の価額
④
現物拠出財産が一般社団法人に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた
第132条第1項第2号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合 当該金銭債権についての現物拠出財産の価額
10
次に掲げる者は、
前項第3号に規定する証明をすることができない。
①
理事、監事又は使用人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員、設立時理事又は設立時監事)
③
業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者
第138条
【基金の拠出の履行】
1
基金の引受人(現物拠出財産を給付する者を除く。)は、
第132条第1項第3号の期日又は
同号の期間内に、一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員)が定めた銀行等(銀行(
銀行法第2条第1項に規定する銀行をいう。)、信託会社(
信託業法第2条第2項に規定する信託会社をいう。
第248条第5項において同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。
第157条第2項において同じ。)の払込みの取扱いの場所において、それぞれの基金の払込金額の全額を払い込まなければならない。
2
基金の引受人(現物拠出財産を給付する者に限る。)は、
第132条第1項第3号の期日又は
同号の期間内に、それぞれの基金の払込金額に相当する現物拠出財産を給付しなければならない。ただし、一般社団法人の成立前に給付すべき場合において、設立時社員全員の同意があるときは、登記、登録その他の権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、一般社団法人の成立後にすることを妨げない。
3
基金の引受人は、
第1項の規定による払込み又は
前項の規定による給付(以下この款において「拠出の履行」という。)をする債務と一般社団法人に対する債権とを相殺することができない。
4
基金の引受人が拠出の履行をしないときは、基金の引受けは、その効力を失う。
第139条
【基金の拠出者となる時期】
1
基金の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、拠出の履行をした基金の拠出者となる。
2
前項の規定にかかわらず、一般社団法人の成立前に基金を引き受ける者の募集をした場合には、一般社団法人の成立の時に、拠出の履行をした基金の拠出者となる。
第140条
【引受けの無効又は取消しの制限】
2
基金の引受人は、
前条の規定により基金の拠出者となった日から一年を経過した後は、錯誤を理由として基金の引受けの無効を主張し、又は詐欺若しくは強迫を理由として基金の引受けの取消しをすることができない。
第141条
【基金の返還】
1
基金の返還は、定時社員総会の決議によって行わなければならない。
2
一般社団法人は、ある事業年度に係る貸借対照表上の純資産額が次に掲げる金額の合計額を超える場合においては、当該事業年度の次の事業年度に関する定時社員総会の日の前日までの間に限り、当該超過額を返還の総額の限度として基金の返還をすることができる。
②
法務省令で定めるところにより資産につき時価を基準として評価を行っている場合において、その時価の総額がその取得価額の総額を超えるときは、時価を基準として評価を行ったことにより増加した貸借対照表上の純資産額
3
前項の規定に違反して一般社団法人が基金の返還をした場合には、当該返還を受けた者及び当該返還に関する職務を行った業務執行者(業務執行理事その他当該業務執行理事の行う業務の執行に職務上関与した者をいう。
次項及び
第5項において同じ。)は、当該一般社団法人に対し、連帯して、違法に返還された額を弁済する責任を負う。
4
前項の規定にかかわらず、業務執行者は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、
同項の責任を負わない。
5
第3項の業務執行者の責任は、免除することができない。ただし、
第2項の超過額を限度として当該責任を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。
6
第2項の規定に違反して基金の返還がされた場合においては、一般社団法人の債権者は、当該返還を受けた者に対し、当該返還の額を当該一般社団法人に対して返還することを請求することができる。
第142条
【基金の返還に係る債権の取得の禁止】
1
一般社団法人は、次に掲げる場合に限り、自己を債務者とする基金の返還に係る債権を取得することができる。
②
一般社団法人の権利の実行に当たり、その目的を達成するために必要な場合
2
一般社団法人が
前項第1号又は
第2号に掲げる場合に
同項の債権を取得したときは、
民法第520条本文の規定にかかわらず、当該債権は消滅しない。この場合においては、一般社団法人は、当該債権を相当の時期に他に譲渡しなければならない。
第143条
【基金利息の禁止】
基金の返還に係る債権には、利息を付することができない。
第144条
【代替基金】
1
基金の返還をする場合には、返還をする基金に相当する金額を代替基金として計上しなければならない。
3
合併により消滅する一般社団法人が代替基金を計上している場合において、合併後存続する一般社団法人又は合併により設立する一般社団法人が当該合併に際して代替基金として計上すべき額については、法務省令で定める。
第145条
【破産法の適用の特例】
一般社団法人が破産手続開始の決定を受けた場合においては、基金の返還に係る債権は、
破産法第99条第1項に規定する劣後的破産債権及び
同条第2項に規定する約定劣後破産債権に後れる。
第146条
一般社団法人は、その成立後、社員総会の決議によって、定款を変更することができる。
第147条
一般社団法人が事業の全部の譲渡をするには、社員総会の決議によらなければならない。
第148条
【解散の事由】
一般社団法人は、次に掲げる事由によって解散する。
⑤
合併(合併により当該一般社団法人が消滅する場合に限る。)
第149条
【休眠一般社団法人のみなし解散】
1
休眠一般社団法人(一般社団法人であって、当該一般社団法人に関する登記が最後にあった日から五年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠一般社団法人に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその主たる事務所の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。ただし、当該期間内に当該休眠一般社団法人に関する登記がされたときは、この限りでない。
2
登記所は、
前項の規定による公告があったときは、休眠一般社団法人に対し、その旨の通知を発しなければならない。
第150条
【一般社団法人の継続】
一般社団法人は、
第148条第1号から
第3号までに掲げる事由によって解散した場合(
前条第1項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、
第4章の規定による清算が結了するまで(
同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、社員総会の決議によって、一般社団法人を継続することができる。
第151条
【解散した一般社団法人の合併の制限】
一般社団法人が解散した場合には、当該一般社団法人は、当該一般社団法人が合併後存続する一般社団法人となる合併をすることができない。
第152条
【定款の作成】
1
一般財団法人を設立するには、設立者(設立者が二人以上あるときは、その全員)が定款を作成し、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
2
設立者は、遺言で、
次条第1項各号に掲げる事項及び
第154条に規定する事項を定めて一般財団法人を設立する意思を表示することができる。この場合においては、遺言執行者は、当該遺言の効力が生じた後、遅滞なく、当該遺言で定めた事項を記載した定款を作成し、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
第153条
【定款の記載又は記録事項】
1
一般財団法人の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
⑤
設立に際して設立者(設立者が二人以上あるときは、各設立者)が拠出をする財産及びその価額
⑥
設立時評議員(一般財団法人の設立に際して評議員となる者をいう。以下同じ。)、設立時理事(一般財団法人の設立に際して理事となる者をいう。以下この節及び
第319条第2項において同じ。)及び設立時監事(一般財団法人の設立に際して監事となる者をいう。以下この節、
第254条第7号及び
同項において同じ。)の選任に関する事項
⑦
設立しようとする一般財団法人が会計監査人設置一般財団法人(会計監査人を置く一般財団法人又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない一般財団法人をいう。以下同じ。)であるときは、設立時会計監査人(一般財団法人の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下この節及び
第319条第2項第6号において同じ。)の選任に関する事項
2
前項第5号の財産の価額の合計額は、三百万円を下回ってはならない。
3
次に掲げる定款の定めは、その効力を有しない。
①
第1項第8号の方法として、理事又は理事会が評議員を選任し、又は解任する旨の定款の定め
②
設立者に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定め
第154条
前条第1項各号に掲げる事項のほか、一般財団法人の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。
第156条
【定款の備置き及び閲覧等】
1
設立者(一般財団法人の成立後にあっては、当該一般財団法人)は、定款を設立者が定めた場所(一般財団法人の成立後にあっては、その主たる事務所及び従たる事務所)に備え置かなければならない。
2
設立者(一般財団法人の成立後にあっては、その評議員及び債権者)は、設立者が定めた時間(一般財団法人の成立後にあっては、その業務時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、債権者が
第2号又は
第4号に掲げる請求をするには、設立者(一般財団法人の成立後にあっては、当該一般財団法人)の定めた費用を支払わなければならない。
①
定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
③
定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
④
前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって設立者(一般財団法人の成立後にあっては、当該一般財団法人)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
3
定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における
前項第3号及び
第4号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている一般財団法人についての
第1項の規定の適用については、
同項中「主たる事務所及び従たる事務所」とあるのは、「主たる事務所」とする。
第157条
【財産の拠出の履行】
2
前項の規定による払込みは、設立者が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。
第158条
【贈与又は遺贈に関する規定の準用】
1
生前の処分で財産の拠出をするときは、その性質に反しない限り、
民法の贈与に関する規定を準用する。
2
遺言で財産の拠出をするときは、その性質に反しない限り、
民法の遺贈に関する規定を準用する。
第159条
1
定款で設立時評議員、設立時理事又は設立時監事を定めなかったときは、
第157条第1項の規定による払込み又は給付(以下「財産の拠出の履行」という。)が完了した後、遅滞なく、定款で定めるところにより、これらの者を選任しなければならない。
2
設立しようとする一般財団法人が会計監査人設置一般財団法人である場合において、定款で設立時会計監査人を定めなかったときは、財産の拠出の履行が完了した後、遅滞なく、定款で定めるところにより、設立時会計監査人を選任しなければならない。
第160条
1
設立時評議員及び設立時理事は、それぞれ三人以上でなければならない。
第161条
1
設立時理事及び設立時監事は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。
②
前号に掲げる事項のほか、一般財団法人の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。
2
設立時理事及び設立時監事は、
前項の規定による調査により、
同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、設立者にその旨を通知しなければならない。
第162条
1
設立時理事は、設立時理事の中から一般財団法人の設立に際して代表理事(一般財団法人を代表する理事をいう。
第302条第2項第6号において同じ。)となる者(以下この条及び
第319条第2項において「設立時代表理事」という。)を選定しなければならない。
2
設立時理事は、一般財団法人の成立の時までの間、設立時代表理事を解職することができる。
3
前二項の規定による設立時代表理事の選定及び解職は、設立時理事の過半数をもって決定する。
第163条
【一般財団法人の成立】
一般財団法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
第164条
【財産の帰属時期】
1
生前の処分で財産の拠出をしたときは、当該財産は、一般財団法人の成立の時から当該一般財団法人に帰属する。
2
遺言で財産の拠出をしたときは、当該財産は、遺言が効力を生じた時から一般財団法人に帰属したものとみなす。
第165条
【財産の拠出の無効又は取消しの制限】
設立者(
第152条第2項の場合にあっては、その相続人)は、一般財団法人の成立後は、錯誤を理由として財産の拠出の無効を主張し、又は詐欺若しくは強迫を理由として財産の拠出の取消しをすることができない。
第166条
【設立者等の損害賠償責任】
1
設立者、設立時理事又は設立時監事は、一般財団法人の設立についてその任務を怠ったときは、当該一般財団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
2
設立者、設立時理事又は設立時監事がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該設立者、設立時理事又は設立時監事は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
第167条
【設立者等の連帯責任】
設立者、設立時理事又は設立時監事が一般財団法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の設立者、設立時理事又は設立時監事も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
第168条
【責任の免除】
第166条第1項の規定により設立者、設立時理事又は設立時監事の負う責任は、総評議員の同意がなければ、免除することができない。
第169条
【一般財団法人不成立の場合の責任】
一般財団法人が成立しなかったときは、
第152条第1項の設立者は、連帯して、一般財団法人の設立に関してした行為についてその責任を負い、一般財団法人の設立に関して支出した費用を負担する。
第170条
【機関の設置】
1
一般財団法人は、評議員、評議員会、理事、理事会及び監事を置かなければならない。
2
一般財団法人は、定款の定めによって、会計監査人を置くことができる。
第171条
【会計監査人の設置義務】
大規模一般財団法人は、会計監査人を置かなければならない。
第172条
【一般財団法人と評議員等との関係】
1
一般財団法人と評議員、理事、監事及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。
2
理事は、一般財団法人の財産のうち一般財団法人の目的である事業を行うために不可欠なものとして定款で定めた基本財産があるときは、定款で定めるところにより、これを維持しなければならず、かつ、これについて一般財団法人の目的である事業を行うことを妨げることとなる処分をしてはならない。
第173条
【評議員の資格等】
2
評議員は、一般財団法人又はその子法人の理事、監事又は使用人を兼ねることができない。
第174条
【評議員の任期】
1
評議員の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。ただし、定款によって、その任期を選任後六年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで伸長することを妨げない。
2
前項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した評議員の補欠として選任された評議員の任期を退任した評議員の任期の満了する時までとすることを妨げない。
第175条
【評議員に欠員を生じた場合の措置】
1
この法律又は定款で定めた評議員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した評議員は、新たに選任された評議員(
次項の一時評議員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお評議員としての権利義務を有する。
2
前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時評議員の職務を行うべき者を選任することができる。
3
裁判所は、
前項の一時評議員の職務を行うべき者を選任した場合には、一般財団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。
第176条
【理事、監事又は会計監査人の解任】
1
理事又は監事が次のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その理事又は監事を解任することができる。
②
心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。
2
会計監査人が
第71条第1項各号のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その会計監査人を解任することができる。
第178条
【評議員会の権限等】
2
評議員会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。
3
この法律の規定により評議員会の決議を必要とする事項について、理事、理事会その他の評議員会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。
第179条
【評議員会の招集】
1
定時評議員会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない。
2
評議員会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。
3
評議員会は、
次条第2項の規定により招集する場合を除き、理事が招集する。
第180条
【評議員による招集の請求】
1
評議員は、理事に対し、評議員会の目的である事項及び招集の理由を示して、評議員会の招集を請求することができる。
2
次に掲げる場合には、
前項の規定による請求をした評議員は、裁判所の許可を得て、評議員会を招集することができる。
①
前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合
②
前項の規定による請求があった日から六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を評議員会の日とする評議員会の招集の通知が発せられない場合
第181条
【評議員会の招集の決定】
1
評議員会を招集する場合には、理事会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
2
前項の規定にかかわらず、
前条第2項の規定により評議員が評議員会を招集する場合には、当該評議員は、
前項各号に掲げる事項を定めなければならない。
第182条
【評議員会の招集の通知】
1
評議員会を招集するには、理事(
第180条第2項の規定により評議員が評議員会を招集する場合にあっては、当該評議員。
次項において同じ。)は、評議員会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、評議員に対して、書面でその通知を発しなければならない。
2
理事は、
前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、評議員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該理事は、
同項の書面による通知を発したものとみなす。
3
前二項の通知には、
前条第1項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
第183条
【招集手続の省略】
前条の規定にかかわらず、評議員会は、評議員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。
第184条
【評議員提案権】
評議員は、理事に対し、一定の事項を評議員会の目的とすることを請求することができる。この場合において、その請求は、評議員会の日の四週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。
第185条
評議員は、評議員会において、評議員会の目的である事項につき議案を提出することができる。ただし、当該議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき評議員会において議決に加わることができる評議員の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。
第186条
1
評議員は、理事に対し、評議員会の日の四週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、評議員会の目的である事項につき当該評議員が提出しようとする議案の要領を
第182条第1項又は
第2項の通知に記載し、又は記録して評議員に通知することを請求することができる。
2
前項の規定は、
同項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき評議員会において議決に加わることができる評議員の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。
第187条
【評議員会の招集手続等に関する検査役の選任】
1
一般財団法人又は評議員は、評議員会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該評議員会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。
2
前項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。
3
裁判所は、
前項の検査役を選任した場合には、一般財団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。
4
第2項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。
5
裁判所は、
前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、
第2項の検査役に対し、更に
前項の報告を求めることができる。
6
第2項の検査役は、
第4項の報告をしたときは、一般財団法人(検査役の選任の申立てをした者が当該一般財団法人でない場合にあっては、当該一般財団法人及びその者)に対し、
同項の書面の写しを交付し、又は
同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。
第188条
【裁判所による評議員会招集等の決定】
1
裁判所は、
前条第4項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。
2
裁判所が
前項第1号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、
前条第4項の報告の内容を
同号の評議員会において開示しなければならない。
3
前項に規定する場合には、理事及び監事は、
前条第4項の報告の内容を調査し、その結果を
第1項第1号の評議員会に報告しなければならない。
第189条
【評議員会の決議】
1
評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。
2
前項の規定にかかわらず、次に掲げる評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。
3
前二項の決議について特別の利害関係を有する評議員は、議決に加わることができない。
第190条
【理事等の説明義務】
理事及び監事は、評議員会において、評議員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。ただし、当該事項が評議員会の目的である事項に関しないものである場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。
第191条
【評議員会に提出された資料等の調査】
1
評議員会においては、その決議によって、理事、監事及び会計監査人が当該評議員会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。
2
第180条の規定により招集された評議員会においては、その決議によって、一般財団法人の業務及び財産の状況を調査する者を選任することができる。
第192条
【延期又は続行の決議】
評議員会においてその延期又は続行について決議があった場合には、
第181条及び
第182条の規定は、適用しない。
第193条
【議事録】
1
評議員会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。
2
一般財団法人は、評議員会の日から十年間、
前項の議事録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
3
一般財団法人は、評議員会の日から五年間、
第1項の議事録の写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における
次項第2号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。
4
評議員及び債権者は、一般財団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
①
第1項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求
②
第1項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
第194条
【評議員会の決議の省略】
1
理事が評議員会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき評議員(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなす。
2
一般財団法人は、
前項の規定により評議員会の決議があったものとみなされた日から十年間、
同項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
3
評議員及び債権者は、一般財団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
②
前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
4
第1項の規定により定時評議員会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時評議員会が終結したものとみなす。
第195条
【評議員会への報告の省略】
理事が評議員の全員に対して評議員会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を評議員会に報告することを要しないことにつき評議員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の評議員会への報告があったものとみなす。
第196条
【評議員の報酬等】
評議員の報酬等の額は、定款で定めなければならない。
第200条
1
一般財団法人は、その成立後、評議員会の決議によって、定款を変更することができる。ただし、
第153条第1項第1号及び
第8号に掲げる事項に係る定款の定めについては、この限りでない。
2
前項ただし書の規定にかかわらず、設立者が
同項ただし書に規定する定款の定めを評議員会の決議によって変更することができる旨を
第152条第1項又は
第2項の定款で定めたときは、評議員会の決議によって、
前項ただし書に規定する定款の定めを変更することができる。
3
一般財団法人は、その設立の当時予見することのできなかった特別の事情により、
第1項ただし書に規定する定款の定めを変更しなければその運営の継続が不可能又は著しく困難となるに至ったときは、裁判所の許可を得て、評議員会の決議によって、
同項ただし書に規定する定款の定めを変更することができる。
第201条
一般財団法人が事業の全部の譲渡をするには、評議員会の決議によらなければならない。
第202条
【解散の事由】
1
一般財団法人は、次に掲げる事由によって解散する。
③
基本財産の滅失その他の事由による一般財団法人の目的である事業の成功の不能
④
合併(合併により当該一般財団法人が消滅する場合に限る。)
2
一般財団法人は、
前項各号に掲げる事由のほか、ある事業年度及びその翌事業年度に係る貸借対照表上の純資産額がいずれも三百万円未満となった場合においても、当該翌事業年度に関する定時評議員会の終結の時に解散する。
3
新設合併により設立する一般財団法人は、
前項に規定する場合のほか、
第199条において準用する
第123条第1項の貸借対照表及びその成立の日の属する事業年度に係る貸借対照表上の純資産額がいずれも三百万円未満となった場合においても、当該事業年度に関する定時評議員会の終結の時に解散する。
第203条
【休眠一般財団法人のみなし解散】
1
休眠一般財団法人(一般財団法人であって、当該一般財団法人に関する登記が最後にあった日から五年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠一般財団法人に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその主たる事務所の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。ただし、当該期間内に当該休眠一般財団法人に関する登記がされたときは、この限りでない。
2
登記所は、
前項の規定による公告があったときは、休眠一般財団法人に対し、その旨の通知を発しなければならない。
第204条
【一般財団法人の継続】
一般財団法人は、次に掲げる場合には、
次章の規定による清算が結了するまで(
第2号に掲げる場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、評議員会の決議によって、一般財団法人を継続することができる。
②
前条第1項の規定により解散したものとみなされた場合
第205条
【解散した一般財団法人の合併の制限】
一般財団法人が解散した場合には、当該一般財団法人は、当該一般財団法人が合併後存続する一般財団法人となる合併をすることができない。
第206条
【清算の開始原因】
一般社団法人又は一般財団法人は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。
②
設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合
③
設立の取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合
第207条
【清算法人の能力】
前条の規定により清算をする一般社団法人又は一般財団法人(以下「清算法人」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。
第208条
1
清算法人には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。
2
清算法人は、定款の定めによって、清算人会又は監事を置くことができる。
3
第206条各号に掲げる場合に該当することとなった時において大規模一般社団法人又は大規模一般財団法人であった清算法人は、監事を置かなければならない。
第209条
【清算人の就任】
1
次に掲げる者は、清算法人の清算人となる。
①
理事(
次号又は
第3号に掲げる者がある場合を除く。)
2
前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。
3
前二項の規定にかかわらず、
第148条第7号又は
第202条第1項第6号に掲げる事由によって解散した清算法人については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任する。
4
第1項及び
第2項の規定にかかわらず、
第206条第2号又は
第3号に掲げる場合に該当することとなった清算法人については、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。
5
第64条及び
第65条第1項の規定は清算人について、
同条第3項の規定は清算人会設置法人(清算人会を置く清算法人をいう。以下同じ。)について、それぞれ準用する。この場合において、
同項中「理事は」とあるのは、「清算人は」と読み替えるものとする。
第210条
【清算人の解任】
1
清算一般社団法人(一般社団法人である清算法人をいう。以下同じ。)の清算人(
前条第2項から
第4項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)は、いつでも、社員総会の決議によって解任することができる。
2
清算一般財団法人(一般財団法人である清算法人をいう。以下同じ。)の清算人(
前条第2項から
第4項までの規定により裁判所が選任したものを除く。)が次のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その清算人を解任することができる。
②
心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。
3
重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を解任することができる。
第211条
【監事の退任等】
1
清算法人の監事は、当該清算法人が監事を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、当該定款の変更の効力が生じた時に退任する。
2
次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める清算法人については、適用しない。
第213条
【業務の執行】
1
清算人は、清算法人(清算人会設置法人を除く。
次項において同じ。)の業務を執行する。
2
清算人が二人以上ある場合には、清算法人の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、清算人の過半数をもって決定する。
3
前項の場合には、清算人は、次に掲げる事項についての決定を各清算人に委任することができない。
④
清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
第214条
【清算法人の代表】
1
清算人は、清算法人を代表する。ただし、他に代表清算人(清算法人を代表する清算人をいう。以下同じ。)その他清算法人を代表する者を定めた場合は、この限りでない。
2
前項本文の清算人が二人以上ある場合には、清算人は、各自、清算法人を代表する。
3
清算法人(清算人会設置法人を除く。)は、定款、定款の定めに基づく清算人(
第209条第2項から
第4項までの規定により裁判所が選任したものを除く。以下この項において同じ。)の互選又は社員総会若しくは評議員会の決議によって、清算人の中から代表清算人を定めることができる。
5
裁判所は、
第209条第2項から
第4項までの規定により清算人を選任する場合には、その清算人の中から代表清算人を定めることができる。
6
前条第4項において準用する
第81条の規定、
次項において準用する
第77条第4項の規定及び
第220条第8項の規定にかかわらず、監事設置清算法人(監事を置く清算法人又はこの法律の規定により監事を置かなければならない清算法人をいう。以下同じ。)が清算人(清算人であった者を含む。以下この項において同じ。)に対し、又は清算人が監事設置清算法人に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監事が監事設置清算法人を代表する。
第215条
【清算法人についての破産手続の開始】
1
清算法人の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。
2
清算人は、清算法人が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。
3
前項に規定する場合において、清算法人が既に債権者に支払い、又は残余財産の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。
第216条
【裁判所の選任する清算人の報酬】
裁判所は、
第209条第2項から
第4項までの規定により清算人を選任した場合には、清算法人が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。
第217条
【清算人の清算法人に対する損害賠償責任】
1
清算人は、その任務を怠ったときは、清算法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
3
第213条第4項において準用する
第84条第1項第2号又は
第3号の取引によって清算法人に損害が生じたときは、次に掲げる清算人は、その任務を怠ったものと推定する。
③
当該取引に関する清算人会の承認の決議に賛成した清算人
第218条
【清算人の第三者に対する損害賠償責任】
1
清算人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該清算人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
2
清算人が、次に掲げる行為をしたときも、
前項と同様とする。ただし、当該清算人が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。
①
第225条第1項に規定する財産目録等並びに
第227条第1項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
④
基金を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該清算一般社団法人の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録
第219条
【清算人等の連帯責任】
1
清算人、監事又は評議員が清算法人又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の清算人、監事又は評議員も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
第220条
【清算人会の権限等】
3
清算人会は、清算人の中から代表清算人を選定しなければならない。ただし、他に代表清算人があるときは、この限りでない。
4
清算人会は、その選定した代表清算人及び
第214条第4項の規定により代表清算人となった者を解職することができる。
5
第214条第5項の規定により裁判所が代表清算人を定めたときは、清算人会は、代表清算人を選定し、又は解職することができない。
6
清算人会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を清算人に委任することができない。
④
従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
⑤
清算人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他清算法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
7
次に掲げる清算人は、清算人会設置法人の業務を執行する。
②
代表清算人以外の清算人であって、清算人会の決議によって清算人会設置法人の業務を執行する清算人として選定されたもの
8
第213条第4項において読み替えて準用する
第81条に規定する場合には、清算人会は、
同条の規定による社員総会又は評議員会の定めがある場合を除き、
同条の訴えについて清算人会設置法人を代表する者を定めることができる。
9
第7項各号に掲げる清算人は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を清算人会に報告しなければならない。ただし、定款で毎事業年度に四箇月を超える間隔で二回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りでない。
第221条
【清算人会の運営】
1
清算人会は、各清算人が招集する。ただし、清算人会を招集する清算人を定款又は清算人会で定めたときは、その清算人が招集する。
2
前項ただし書に規定する場合には、
同項ただし書の規定により定められた清算人(以下この項及び
次条第2項において「招集権者」という。)以外の清算人は、招集権者に対し、清算人会の目的である事項を示して、清算人会の招集を請求することができる。
3
前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を清算人会の日とする清算人会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした清算人は、清算人会を招集することができる。
4
第94条の規定は、清算人会設置法人における清算人会の招集について準用する。この場合において、
同条第1項中「各理事及び各監事」とあるのは「各清算人(監事設置清算法人(
第214条第6項に規定する監事設置清算法人をいう。
次項において同じ。)にあっては、各清算人及び各監事)」と、
同条第2項中「理事及び監事」とあるのは「清算人(監事設置清算法人にあっては、清算人及び監事)」と読み替えるものとする。
5
第95条及び
第96条の規定は、清算人会設置法人における清算人会の決議について準用する。この場合において、
第95条第1項中「理事の」とあるのは「清算人の」と、
同条第2項中「理事」とあるのは「清算人」と、
同条第3項中「理事(」とあるのは「清算人(」と、「代表理事」とあるのは「代表清算人」と、
同条第5項中「理事であって」とあるのは「清算人であって」と、
第96条中「理事が」とあるのは「清算人が」と、「理事(」とあるのは「清算人(」と読み替えるものとする。
6
第98条の規定は、清算人会設置法人における清算人会への報告について準用する。この場合において、
同条第1項中「理事、監事又は会計監査人」とあるのは「清算人又は監事」と、「理事及び監事」とあるのは「清算人(監事設置清算法人(
第214条第6項に規定する監事設置清算法人をいう。)にあっては、清算人及び監事)」と、
同条第2項中「
第91条第2項」とあるのは「
第220条第9項」と読み替えるものとする。
第222条
【社員又は評議員による招集の請求】
1
清算人会設置法人(監事設置清算法人を除く。)の社員又は評議員は、清算人が清算人会設置法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、清算人会の招集を請求することができる。
2
前項の規定による請求は、清算人(
前条第1項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、清算人会の目的である事項を示して行わなければならない。
4
第1項の規定による請求を行った社員又は評議員は、当該請求に基づき招集され、又は
前項において準用する
前条第3項の規定により招集した清算人会に出席し、意見を述べることができる。
第223条
【議事録等】
1
清算人会設置法人は、清算人会の日(
第221条第5項において準用する
第96条の規定により清算人会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、
同項において準用する
第95条第3項の議事録又は
第221条第5項において準用する
第96条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその主たる事務所に備え置かなければならない。
2
社員又は評議員は、清算法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、社員については、その権利を行使するため必要があるときに限る。
①
前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
②
前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
3
監事設置清算法人である清算一般社団法人における
前項の規定の適用については、
同項中「清算法人の業務時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。
4
債権者は、清算人又は監事の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、
第1項の議事録等について
第2項各号に掲げる請求をすることができる。
5
裁判所は、
第3項の規定により読み替えて適用する
第2項各号に掲げる請求又は
前項の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該清算人会設置法人に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、
第3項の規定により読み替えて適用する
第2項の許可又は
前項の許可をすることができない。
第224条
2
清算一般社団法人については、
第2章第3節第1款及び
第137条第10項の規定中理事、理事会又は理事会設置一般社団法人に関する規定は、それぞれ清算人、清算人会又は清算人会を置く清算一般社団法人に関する規定として清算人、清算人会又は清算人会を置く清算一般社団法人に適用があるものとする。
3
清算一般財団法人については、
第153条第3項第1号、
第173条第2項及び
前章第2節第3款の規定中理事又は理事会に関する規定は、それぞれ清算人又は清算人会に関する規定として清算人又は清算人会に適用があるものとする。この場合において、
第181条第1項中「理事会の決議によって」とあるのは「清算人は」と、「定めなければならない」とあるのは「定めなければならない。ただし、清算人会を置く清算一般財団法人(
第210条第2項に規定する清算一般財団法人をいう。)においては、当該事項の決定は、清算人会の決議によらなければならない」とする。
第225条
【財産目録等の作成等】
1
清算人(清算人会設置法人にあっては、
第220条第7項各号に掲げる清算人)は、その就任後遅滞なく、清算法人の財産の現況を調査し、法務省令で定めるところにより、
第206条各号に掲げる場合に該当することとなった日における財産目録及び貸借対照表(以下この条及び
次条において「財産目録等」という。)を作成しなければならない。
2
清算人会設置法人においては、財産目録等は、清算人会の承認を受けなければならない。
3
清算人は、財産目録等(
前項の規定の適用がある場合にあっては、
同項の承認を受けたもの)を社員総会又は評議員会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。
4
清算法人は、財産目録等を作成した時からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該財産目録等を保存しなければならない。
第226条
【財産目録等の提出命令】
裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、財産目録等の全部又は一部の提出を命ずることができる。
第227条
【貸借対照表等の作成及び保存】
1
清算法人は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(
第206条各号に掲げる場合に該当することとなった日の翌日又はその後毎年その日に応当する日(応当する日がない場合にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。
2
前項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。
3
清算法人は、
第1項の貸借対照表を作成した時からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、当該貸借対照表及びその附属明細書を保存しなければならない。
第228条
【貸借対照表等の監査等】
1
監事設置清算法人においては、
前条第1項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監事の監査を受けなければならない。
2
清算人会設置法人においては、
前条第1項の貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(
前項の規定の適用がある場合にあっては、
同項の監査を受けたもの)は、清算人会の承認を受けなければならない。
第229条
【貸借対照表等の備置き及び閲覧等】
1
次の各号に掲げる清算法人は、
第227条第1項に規定する各清算事務年度に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書(
前条第1項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告を含む。以下この条において「貸借対照表等」という。)を、当該各号に定める日からその主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時までの間、その主たる事務所に備え置かなければならない。
①
清算一般社団法人 定時社員総会の日の一週間前の日(
第58条第1項の場合にあっては、
同項の提案があった日)
②
清算一般財団法人 定時評議員会の日の一週間前の日(
第194条第1項の場合にあっては、
同項の提案があった日)
2
社員、評議員及び債権者は、清算法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、社員及び債権者が
第2号又は
第4号に掲げる請求をするには、当該清算法人の定めた費用を支払わなければならない。
①
貸借対照表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
③
貸借対照表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
④
前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって清算法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
第230条
【貸借対照表等の提出等】
1
次の各号に掲げる清算法人においては、清算人は、当該各号に定める貸借対照表及び事務報告を定時社員総会又は定時評議員会に提出し、又は提供しなければならない。
①
監事設置清算法人(清算人会設置法人を除く。)
第228条第1項の監査を受けた貸借対照表及び事務報告
2
前項の規定により提出され、又は提供された貸借対照表は、定時社員総会又は定時評議員会の承認を受けなければならない。
3
清算人は、
第1項の規定により提出され、又は提供された事務報告の内容を定時社員総会又は定時評議員会に報告しなければならない。
第231条
【貸借対照表等の提出命令】
裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、
第227条第1項の貸借対照表及びその附属明細書の全部又は一部の提出を命ずることができる。
第233条
【債権者に対する公告等】
1
清算法人は、
第206条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算法人の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。
2
前項の規定による公告には、当該債権者が当該期間内に申出をしないときは清算から除斥される旨を付記しなければならない。
第234条
【債務の弁済の制限】
1
清算法人は、
前条第1項の期間内は、債務の弁済をすることができない。この場合において、清算法人は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。
2
前項の規定にかかわらず、清算法人は、
前条第1項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算法人の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。
第235条
【条件付債権等に係る債務の弁済】
1
清算法人は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。
2
前項の場合には、清算法人は、
同項の鑑定人の評価に従い
同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。
3
第1項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算法人の負担とする。当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。
第236条
【基金の返還の制限】
基金の返還に係る債務の弁済は、その余の清算一般社団法人の債務の弁済がされた後でなければ、することができない。
第237条
【債務の弁済前における残余財産の引渡しの制限】
清算法人は、当該清算法人の債務を弁済した後でなければ、その財産の引渡しをすることができない。ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務についてその弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。
第238条
【清算からの除斥】
1
清算法人の債権者(知れている債権者を除く。)であって
第233条第1項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。
2
前項の規定により清算から除斥された債権者は、引渡しがされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。
第239条
2
前項の規定により残余財産の帰属が定まらないときは、その帰属は、清算法人の社員総会又は評議員会の決議によって定める。
3
前二項の規定により帰属が定まらない残余財産は、国庫に帰属する。
第240条
【清算事務の終了等】
1
清算法人は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、決算報告を作成しなければならない。
2
清算人会設置法人においては、決算報告は、清算人会の承認を受けなければならない。
3
清算人は、決算報告(
前項の規定の適用がある場合にあっては、
同項の承認を受けたもの)を社員総会又は評議員会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。
4
前項の承認があったときは、任務を怠ったことによる清算人の損害賠償の責任は、免除されたものとみなす。ただし、清算人の職務の執行に関し不正の行為があったときは、この限りでない。
第241条
【帳簿資料の保存】
1
清算人(清算人会設置法人にあっては、
第220条第7項各号に掲げる清算人)は、清算法人の主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時から十年間、清算法人の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(以下この条において「帳簿資料」という。)を保存しなければならない。
2
裁判所は、利害関係人の申立てにより、
前項の清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができる。この場合においては、
同項の規定は、適用しない。
3
前項の規定により選任された者は、清算法人の主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時から十年間、帳簿資料を保存しなければならない。
4
第2項の規定による選任の手続に関する費用は、清算法人の負担とする。
第242条
【合併契約の締結】
一般社団法人又は一般財団法人は、他の一般社団法人又は一般財団法人と合併をすることができる。この場合においては、合併をする法人は、合併契約を締結しなければならない。
第243条
【合併の制限】
1
次の各号に掲げる場合には、合併後存続する一般社団法人若しくは一般財団法人又は合併により設立する一般社団法人若しくは一般財団法人は、それぞれ当該各号に定める種類の法人でなければならない。
①
合併をする法人が一般社団法人のみである場合 一般社団法人
②
合併をする法人が一般財団法人のみである場合 一般財団法人
2
前項各号に掲げる場合以外の場合において、合併をする一般社団法人が合併契約の締結の日までに基金の全額を返還していないときは、合併後存続する法人又は合併により設立する法人は、一般社団法人でなければならない。
第244条
【吸収合併契約】
一般社団法人又は一般財団法人が吸収合併をする場合には、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
①
吸収合併後存続する一般社団法人又は一般財団法人(以下「吸収合併存続法人」という。)及び吸収合併により消滅する一般社団法人又は一般財団法人(以下「吸収合併消滅法人」という。)の名称及び住所
②
吸収合併がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)
第245条
【吸収合併の効力の発生等】
1
吸収合併存続法人は、効力発生日に、吸収合併消滅法人の権利義務を承継する。
2
吸収合併消滅法人の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
3
前二項の規定は、
第248条若しくは
第252条の規定による手続が終了していない場合又は吸収合併を中止した場合には、適用しない。
第246条
【吸収合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等】
1
吸収合併消滅法人は、吸収合併契約備置開始日から効力発生日までの間、吸収合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
2
前項に規定する「吸収合併契約備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。
①
一般社団法人である吸収合併消滅法人にあっては、
次条の社員総会の日の二週間前の日(
第58条第1項の場合にあっては、
同項の提案があった日)
②
一般財団法人である吸収合併消滅法人にあっては、
次条の評議員会の日の二週間前の日(
第194条第1項の場合にあっては、
同項の提案があった日)
3
吸収合併消滅法人の社員、評議員及び債権者は、吸収合併消滅法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、社員及び債権者が
第2号又は
第4号に掲げる請求をするには、当該吸収合併消滅法人の定めた費用を支払わなければならない。
③
第1項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
④
第1項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併消滅法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
第247条
【吸収合併契約の承認】
吸収合併消滅法人は、効力発生日の前日までに、社員総会又は評議員会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。
第248条
【債権者の異議】
1
吸収合併消滅法人の債権者は、吸収合併消滅法人に対し、吸収合併について異議を述べることができる。
2
吸収合併消滅法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、
第4号の期間は、一箇月を下ることができない。
③
吸収合併消滅法人及び吸収合併存続法人の計算書類(
第123条第2項(
第199条において準用する場合を含む。)に規定する計算書類をいう。以下同じ。)に関する事項として法務省令で定めるもの
④
債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
4
債権者が
第2項第4号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併について承認をしたものとみなす。
5
債権者が
第2項第4号の期間内に異議を述べたときは、吸収合併消滅法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(
金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第1条第1項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
6
前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。
第249条
【吸収合併の効力発生日の変更】
1
吸収合併消滅法人は、吸収合併存続法人との合意により、効力発生日を変更することができる。
2
前項の場合には、吸収合併消滅法人は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。
3
第1項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、
第245条及びこの款の規定を適用する。
第250条
【吸収合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等】
1
吸収合併存続法人は、吸収合併契約備置開始日から効力発生日後六箇月を経過する日までの間、吸収合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
2
前項に規定する「吸収合併契約備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。
①
一般社団法人である吸収合併存続法人にあっては、
次条第1項の社員総会の日の二週間前の日(
第58条第1項の場合にあっては、
同項の提案があった日)
3
吸収合併存続法人の社員、評議員及び債権者は、吸収合併存続法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、社員及び債権者が
第2号又は
第4号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続法人の定めた費用を支払わなければならない。
③
第1項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
④
第1項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
第251条
【吸収合併契約の承認】
1
吸収合併存続法人は、効力発生日の前日までに、社員総会又は評議員会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。
2
吸収合併存続法人が承継する吸収合併消滅法人の債務の額として法務省令で定める額が吸収合併存続法人が承継する吸収合併消滅法人の資産の額として法務省令で定める額を超える場合には、理事は、
前項の社員総会又は評議員会において、その旨を説明しなければならない。
第252条
【債権者の異議】
1
吸収合併存続法人の債権者は、吸収合併存続法人に対し、吸収合併について異議を述べることができる。
2
吸収合併存続法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、
第4号の期間は、一箇月を下ることができない。
③
吸収合併存続法人及び吸収合併消滅法人の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの
④
債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
4
債権者が
第2項第4号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併について承認をしたものとみなす。
5
債権者が
第2項第4号の期間内に異議を述べたときは、吸収合併存続法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
6
前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。
第253条
【吸収合併に関する書面等の備置き及び閲覧等】
1
吸収合併存続法人は、効力発生日後遅滞なく、吸収合併により吸収合併存続法人が承継した吸収合併消滅法人の権利義務その他の吸収合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。
2
吸収合併存続法人は、効力発生日から六箇月間、
前項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
3
吸収合併存続法人の社員、評議員及び債権者は、吸収合併存続法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、社員及び債権者が
第2号又は
第4号に掲げる請求をするには、当該吸収合併存続法人の定めた費用を支払わなければならない。
③
第1項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
④
第1項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって吸収合併存続法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
第254条
【新設合併契約】
二以上の一般社団法人又は一般財団法人が新設合併をする場合には、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
①
新設合併により消滅する一般社団法人又は一般財団法人(以下「新設合併消滅法人」という。)の名称及び住所
②
新設合併により設立する一般社団法人又は一般財団法人(以下「新設合併設立法人」という。)の目的、名称及び主たる事務所の所在地
③
前号に掲げるもののほか、新設合併設立法人の定款で定める事項
④
新設合併設立法人の設立に際して理事となる者の氏名
⑤
新設合併設立法人が会計監査人設置一般社団法人又は会計監査人設置一般財団法人であるときは、その設立に際して会計監査人となる者の氏名又は名称
⑥
新設合併設立法人が監事設置一般社団法人であるときは、設立時監事の氏名
⑦
新設合併設立法人が一般財団法人であるときは、設立時評議員及び設立時監事の氏名
第255条
【新設合併の効力の発生】
新設合併設立法人は、その成立の日に、新設合併消滅法人の権利義務を承継する。
第256条
【新設合併契約に関する書面等の備置き及び閲覧等】
1
新設合併消滅法人は、新設合併契約備置開始日から新設合併設立法人の成立の日までの間、新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
2
前項に規定する「新設合併契約備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。
①
一般社団法人である新設合併消滅法人にあっては、
次条の社員総会の日の二週間前の日(
第58条第1項の場合にあっては、
同項の提案があった日)
②
一般財団法人である新設合併消滅法人にあっては、
次条の評議員会の日の二週間前の日(
第194条第1項の場合にあっては、
同項の提案があった日)
3
新設合併消滅法人の社員、評議員及び債権者は、新設合併消滅法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、社員及び債権者が
第2号又は
第4号に掲げる請求をするには、当該新設合併消滅法人の定めた費用を支払わなければならない。
③
第1項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
④
第1項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併消滅法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
第257条
【新設合併契約の承認】
新設合併消滅法人は、社員総会又は評議員会の決議によって、新設合併契約の承認を受けなければならない。
第258条
【債権者の異議】
1
新設合併消滅法人の債権者は、新設合併消滅法人に対し、新設合併について異議を述べることができる。
2
新設合併消滅法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、
第4号の期間は、一箇月を下ることができない。
②
他の新設合併消滅法人及び新設合併設立法人の名称及び住所
③
新設合併消滅法人の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの
④
債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
4
債権者が
第2項第4号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新設合併について承認をしたものとみなす。
5
債権者が
第2項第4号の期間内に異議を述べたときは、新設合併消滅法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該新設合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
6
前各項の規定は、基金の返還に係る債権の債権者については、適用しない。
第259条
【設立の特則】
3
新設合併設立法人の定款は、新設合併消滅法人が作成する。
第260条
【新設合併に関する書面等の備置き及び閲覧等】
1
新設合併設立法人は、その成立の日後遅滞なく、新設合併により新設合併設立法人が承継した新設合併消滅法人の権利義務その他の新設合併に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。
2
新設合併設立法人は、その成立の日から六箇月間、
前項の書面又は電磁的記録及び新設合併契約の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
3
新設合併設立法人の社員、評議員及び債権者は、新設合併設立法人に対して、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、社員及び債権者が
第2号又は
第4号に掲げる請求をするには、当該新設合併設立法人の定めた費用を支払わなければならない。
③
前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
④
前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって新設合併設立法人の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
第261条
【解散命令】
1
裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため一般社団法人等の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は社員、評議員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、一般社団法人等の解散を命ずることができる。
①
一般社団法人等の設立が不法な目的に基づいてされたとき。
②
一般社団法人等が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。
③
業務執行理事(代表理事、代表理事以外の理事であって理事会の決議によって一般社団法人等の業務を執行する理事として選定されたもの及び当該一般社団法人等の業務を執行したその他の理事をいう。)が、法令若しくは定款で定める一般社団法人等の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反復して当該行為をしたとき。
2
社員、評議員、債権者その他の利害関係人が
前項の申立てをしたときは、裁判所は、一般社団法人等の申立てにより、
同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。
3
一般社団法人等は、
前項の規定による申立てをするには、
第1項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。
第262条
【一般社団法人等の財産に関する保全処分】
1
裁判所は、
前条第1項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは社員、評議員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、
同項の申立てにつき決定があるまでの間、一般社団法人等の財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(
次項において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。
2
裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。
3
裁判所は、法務大臣若しくは社員、評議員、債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、
前項の管理人を解任することができる。
4
裁判所は、
第2項の管理人を選任した場合には、一般社団法人等が当該管理人に対して支払う報酬の額を定めることができる。
6
裁判所は、
第2項の管理人に対し、一般社団法人等の財産の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。
第263条
【官庁等の法務大臣に対する通知義務】
裁判所その他の官庁、検察官又は吏員は、その職務上
第261条第1項の申立て又は
同項第3号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。
第264条
【一般社団法人等の組織に関する行為の無効の訴え】
1
次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。
①
一般社団法人等の設立 一般社団法人等の成立の日から二年以内
②
一般社団法人等の吸収合併 吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内
③
一般社団法人等の新設合併 新設合併の効力が生じた日から六箇月以内
2
次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。
①
前項第1号に掲げる行為 設立する一般社団法人等の社員等(社員、評議員、理事、監事又は清算人をいう。以下この款において同じ。)
②
前項第2号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする一般社団法人等の社員等であった者又は吸収合併存続法人の社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者
③
前項第3号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設合併をする一般社団法人等の社員等であった者又は新設合併設立法人の社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者
第265条
【社員総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え】
1
社員総会又は評議員会(以下この款及び
第315条第1項第1号ロにおいて「社員総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。
2
社員総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。
第266条
【社員総会等の決議の取消しの訴え】
1
次に掲げる場合には、社員等は、社員総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。当該決議の取消しにより理事、監事、清算人又は評議員(
第75条第1項(
第177条及び
第210条第4項において準用する場合を含む。)又は
第175条第1項の規定により理事、監事、清算人又は評議員としての権利義務を有する者を含む。)となる者も、同様とする。
①
社員総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。
③
社員総会の決議について特別の利害関係を有する社員が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。
2
前項の訴えの提起があった場合において、社員総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、
同項の規定による請求を棄却することができる。
第267条
【一般社団法人等の設立の取消しの訴え】
次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、一般社団法人等の成立の日から二年以内に、訴えをもって一般社団法人等の設立の取消しを請求することができる。
①
社員又は設立者が
民法その他の法律の規定により設立に係る意思表示を取り消すことができるとき 当該社員又は設立者
②
設立者がその債権者を害することを知って一般財団法人を設立したとき 当該債権者
第268条
【一般社団法人等の解散の訴え】
次に掲げる場合において、やむを得ない事由があるときは、総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員又は評議員は、訴えをもって一般社団法人等の解散を請求することができる。
①
一般社団法人等が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該一般社団法人等に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。
②
一般社団法人等の財産の管理又は処分が著しく失当で、当該一般社団法人等の存立を危うくするとき。
第269条
【被告】
次の各号に掲げる訴え(以下この節において「一般社団法人等の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。
①
一般社団法人等の設立の無効の訴え 設立する一般社団法人等
②
一般社団法人等の吸収合併の無効の訴え 吸収合併存続法人
③
一般社団法人等の新設合併の無効の訴え 新設合併設立法人
④
社員総会等の決議が存在しないこと又は社員総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え 当該一般社団法人等
⑤
社員総会等の決議の取消しの訴え 当該一般社団法人等
⑥
第267条第1号の規定による一般社団法人等の設立の取消しの訴え 当該一般社団法人等
第270条
【訴えの管轄】
一般社団法人等の組織に関する訴えは、被告となる一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
第271条
【担保提供命令】
1
一般社団法人等の組織に関する訴えであって、社員が提起することができるものについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該一般社団法人等の組織に関する訴えを提起した社員に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。ただし、当該社員が理事、監事又は清算人であるときは、この限りでない。
2
前項の規定は、一般社団法人等の組織に関する訴えであって、債権者が提起することができるものについて準用する。
3
被告は、
第1項(
前項において準用する場合を含む。)の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。
第272条
【弁論等の必要的併合】
同一の請求を目的とする一般社団法人等の組織に関する訴えに係る二以上の訴訟が同時に係属するときは、その弁論及び裁判は、併合してしなければならない。
第273条
【認容判決の効力が及ぶ者の範囲】
一般社団法人等の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。
第274条
【無効又は取消しの判決の効力】
一般社団法人等の組織に関する訴え(
第269条第1号から
第3号まで、
第6号及び
第7号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為(当該行為によって一般社団法人等が設立された場合にあっては、当該設立を含む。)は、将来に向かってその効力を失う。
第275条
【合併の無効判決の効力】
1
次の各号に掲げる行為の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該行為をした一般社団法人等は、当該行為の効力が生じた日後に当該各号に定める一般社団法人等が負担した債務について、連帯して弁済する責任を負う。
2
前項に規定する場合には、
同項各号に掲げる行為の効力が生じた日後に当該各号に定める一般社団法人等が取得した財産は、当該行為をした一般社団法人等の共有に属する。
3
前二項に規定する場合には、各一般社団法人等の
第1項の債務の負担部分及び
前項の財産の共有持分は、各一般社団法人等の協議によって定める。
4
各一般社団法人等の
第1項の債務の負担部分又は
第2項の財産の共有持分について、
前項の協議が調わないときは、裁判所は、各一般社団法人等の申立てにより、
第1項各号に掲げる行為の効力が生じた時における各一般社団法人等の財産の額その他一切の事情を考慮して、これを定める。
第276条
【設立の無効又は取消しの判決の効力】
1
一般社団法人の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、その無効又は取消しの原因が一部の社員のみにあるときは、他の社員の全員の同意によって、当該一般社団法人を継続することができる。この場合においては、当該原因がある社員は、退社したものとみなす。
2
前項前段の規定は、一般財団法人の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合について準用する。この場合において、
同項中「社員」とあるのは、「設立者」と読み替えるものとする。
第277条
【原告が敗訴した場合の損害賠償責任】
一般社団法人等の組織に関する訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。
第278条
【責任追及の訴え】
1
社員は、一般社団法人に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、設立時社員、設立時理事、役員等(
第111条第1項に規定する役員等をいう。
第3項において同じ。)又は清算人の責任を追及する訴え(以下この款において「責任追及の訴え」という。)の提起を請求することができる。ただし、責任追及の訴えが当該社員若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該一般社団法人に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。
2
一般社団法人が
前項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及の訴えを提起しないときは、当該請求をした社員は、一般社団法人のために、責任追及の訴えを提起することができる。
3
一般社団法人は、
第1項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及の訴えを提起しない場合において、当該請求をした社員又は
同項の設立時社員、設立時理事、役員等若しくは清算人から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。
4
第1項及び
第2項の規定にかかわらず、
同項の期間の経過により一般社団法人に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、
第1項の社員は、一般社団法人のために、直ちに責任追及の訴えを提起することができる。ただし、
同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。
5
第2項又は
前項の責任追及の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。
6
社員が責任追及の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該社員に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。
7
被告が
前項の申立てをするには、責任追及の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。
第279条
【訴えの管轄】
責任追及の訴えは、一般社団法人の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
第280条
【訴訟参加】
1
社員又は一般社団法人は、共同訴訟人として、又は当事者の一方を補助するため、責任追及の訴えに係る訴訟に参加することができる。ただし、不当に訴訟手続を遅延させることとなるとき、又は裁判所に対し過大な事務負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。
2
監事設置一般社団法人が、理事及び清算人並びにこれらの者であった者を補助するため、責任追及の訴えに係る訴訟に参加するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。
3
社員は、責任追及の訴えを提起したときは、遅滞なく、一般社団法人に対し、訴訟告知をしなければならない。
4
一般社団法人は、責任追及の訴えを提起したとき、又は
前項の訴訟告知を受けたときは、遅滞なく、その旨を社員に通知しなければならない。
第281条
【和解】
1
民事訴訟法第267条の規定は、一般社団法人が責任追及の訴えに係る訴訟における和解の当事者でない場合には、当該訴訟における訴訟の目的については、適用しない。ただし、当該一般社団法人の承認がある場合は、この限りでない。
2
前項に規定する場合において、裁判所は、一般社団法人に対し、和解の内容を通知し、かつ、当該和解に異議があるときは二週間以内に異議を述べるべき旨を催告しなければならない。
3
一般社団法人が
前項の期間内に書面により異議を述べなかったときは、
同項の規定による通知の内容で社員が和解をすることを承認したものとみなす。
第282条
【費用等の請求】
1
責任追及の訴えを提起した社員が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該責任追及の訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき又は弁護士若しくは
弁護士法人に報酬を支払うべきときは、当該一般社団法人に対し、その費用の額の範囲内又はその報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。
2
責任追及の訴えを提起した社員が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該社員は、当該一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。
第283条
【再審の訴え】
1
責任追及の訴えが提起された場合において、原告及び被告が共謀して責任追及の訴えに係る訴訟の目的である一般社団法人の権利を害する目的をもって判決をさせたときは、一般社団法人又は社員は、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。
第284条
【一般社団法人等の役員等の解任の訴え】
理事、監事又は評議員(以下この款において「役員等」という。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員等を解任する旨の議案が社員総会又は評議員会において否決されたときは、次に掲げる者は、当該社員総会又は評議員会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員等の解任を請求することができる。
①
総社員(当該請求に係る理事又は監事である社員を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員(当該請求に係る理事又は監事である社員を除く。)
第286条
【訴えの管轄】
一般社団法人等の役員等の解任の訴えは、当該一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
第287条
【非訟事件の管轄】
1
この法律の規定による非訟事件(
次項に規定する事件を除く。)は、一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
第288条
【疎明】
この法律の規定による許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。
第289条
【陳述の聴取】
裁判所は、この法律の規定による非訟事件についての裁判のうち、次の各号に掲げる裁判をする場合には、当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。ただし、不適法又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。
①
この法律の規定により一般社団法人等が作成し、又は備え置いた書面又は電磁的記録についての閲覧又は謄写の許可の申立てについての裁判 当該一般社団法人等
③
第137条第7項の規定による裁判 当該一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員)及び現物拠出財産を給付する者
第290条
【理由の付記】
この法律の規定による非訟事件についての裁判には、理由を付さなければならない。ただし、次に掲げる裁判については、この限りでない。
第291条
【即時抗告】
次の各号に掲げる裁判に対しては、当該各号に定める者に限り、即時抗告をすることができる。
第292条
【原裁判の執行停止】
前条の即時抗告は、執行停止の効力を有する。ただし、
第289条第2号から
第4号までに掲げる裁判に対するものについては、この限りでない。
第293条
【不服申立ての制限】
次に掲げる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
①
第289条第2号に規定する一時理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務を行うべき者、清算人、代表清算人、
同号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役、
第235条第1項の鑑定人又は
第241条第2項の帳簿資料の保存をする者の選任又は選定の裁判
④
この法律の規定による許可の申立てを認容する裁判(
第289条第1号に掲げる裁判を除く。)
第295条
【最高裁判所規則】
この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第296条
【法務大臣の関与】
1
裁判所は、
第261条第1項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。
2
法務大臣は、裁判所が
前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。
3
裁判所は、法務大臣に対し、
第1項の申立てに係る事件が係属したこと及び
前項の審問の期日を通知しなければならない。
4
第1項の申立てを却下する裁判に対しては、
第291条第2号に定める者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。
第297条
【一般社団法人等の財産に関する保全処分についての特則】
1
裁判所が
第262条第1項の保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、一般社団法人等の負担とする。当該保全処分について必要な費用も、同様とする。
2
前項の保全処分又は
第262条第1項の規定による申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、一般社団法人等の負担とする。
第298条
1
利害関係人は、裁判所書記官に対し、
第262条第6項の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。
2
利害関係人は、裁判所書記官に対し、
前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。
3
前項の規定は、
第1項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。
4
法務大臣は、裁判所書記官に対し、
第1項の資料の閲覧を請求することができる。
第299条
【登記の効力】
1
この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。
2
故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。
第300条
【登記の期間】
この法律の規定により登記すべき事項のうち官庁の許可を要するものの登記の期間については、その許可書の到達した日から起算する。
第301条
【一般社団法人の設立の登記】
1
一般社団法人の設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。
2
前項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。
④
一般社団法人の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め
⑧
監事設置一般社団法人であるときは、その旨及び監事の氏名
⑨
会計監査人設置一般社団法人であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称
⑩
第75条第4項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称
⑪
第114条第1項の規定による役員等の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め
⑫
第115条第1項の規定による外部役員等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め
⑬
前号の定款の定めが外部理事に関するものであるときは、理事のうち外部理事であるものについて、外部理事である旨
⑭
第12号の定款の定めが外部監事に関するものであるときは、監事のうち外部監事であるものについて、外部監事である旨
⑮
第128条第3項の規定による措置をとることとするときは、
同条第1項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
⑰
前号の公告方法が電子公告(
第331条第1項第3号に規定する電子公告をいう。以下この号及び
次条第2項第15号において同じ。)であるときは、次に掲げる事項
イ
電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
第302条
【一般財団法人の設立の登記】
1
一般財団法人の設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。
2
前項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。
④
一般財団法人の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め
⑦
会計監査人設置一般財団法人であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称
⑧
第177条において準用する
第75条第4項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称
⑩
第198条において準用する
第115条第1項の規定による外部役員等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め
⑪
前号の定款の定めが外部理事に関するものであるときは、理事のうち外部理事であるものについて、外部理事である旨
⑫
第10号の定款の定めが外部監事に関するものであるときは、監事のうち外部監事であるものについて、外部監事である旨
⑬
第199条において準用する
第128条第3項の規定による措置をとることとするときは、
同条第1項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
⑮
前号の公告方法が電子公告であるときは、次に掲げる事項
イ
電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
第303条
【変更の登記】
一般社団法人等において
第301条第2項各号又は
前条第2項各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、変更の登記をしなければならない。
第304条
【他の登記所の管轄区域内への主たる事務所の移転の登記】
1
一般社団法人等がその主たる事務所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、二週間以内に、旧所在地においては移転の登記をし、新所在地においては次の各号に掲げる法人の区分に応じ当該各号に定める事項を登記しなければならない。
2
新所在地における登記においては、一般社団法人等の成立の年月日並びに主たる事務所を移転した旨及びその年月日をも登記しなければならない。
第305条
【職務執行停止の仮処分等の登記】
一般社団法人等の理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その主たる事務所の所在地において、その登記をしなければならない。
第306条
【吸収合併の登記】
1
一般社団法人等が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、吸収合併消滅法人については解散の登記をし、吸収合併存続法人については変更の登記をしなければならない。
2
吸収合併による変更の登記においては、吸収合併をした旨並びに吸収合併消滅法人の名称及び主たる事務所をも登記しなければならない。
第307条
【新設合併の登記】
1
二以上の一般社団法人等が新設合併をするときは、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、新設合併消滅法人については解散の登記をし、新設合併設立法人については設立の登記をしなければならない。
2
新設合併による設立の登記においては、新設合併をした旨並びに新設合併消滅法人の名称及び主たる事務所をも登記しなければならない。
第308条
【解散の登記】
2
解散の登記においては、解散の旨並びにその事由及び年月日を登記しなければならない。
第309条
【継続の登記】
第150条、
第204条又は
第276条の規定により一般社団法人等が継続したときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、継続の登記をしなければならない。
第310条
【清算人等の登記】
1
第209条第1項第1号に掲げる者が清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。
2
清算人が選任されたときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、
前項各号に掲げる事項を登記しなければならない。
3
第303条の規定は前二項の規定による登記について、
第305条の規定は清算人又は代表清算人について、それぞれ準用する。
第311条
【清算結了の登記】
清算が結了したときは、清算法人は、
第240条第3項の承認の日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、清算結了の登記をしなければならない。
第312条
【従たる事務所の所在地における登記】
1
次の各号に掲げる場合(当該各号に規定する従たる事務所が主たる事務所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、当該各号に定める期間内に、当該従たる事務所の所在地において、従たる事務所の所在地における登記をしなければならない。
①
一般社団法人等の設立に際して従たる事務所を設けた場合(
次号に掲げる場合を除く。) 主たる事務所の所在地における設立の登記をした日から二週間以内
②
新設合併設立法人が新設合併に際して従たる事務所を設けた場合
第307条第1項各号に掲げる日のいずれか遅い日から三週間以内
③
一般社団法人等の成立後に従たる事務所を設けた場合 従たる事務所を設けた日から三週間以内
2
従たる事務所の所在地における登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。ただし、従たる事務所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に新たに従たる事務所を設けたときは、
第3号に掲げる事項を登記すれば足りる。
③
従たる事務所(その所在地を管轄する登記所の管轄区域内にあるものに限る。)の所在場所
3
従たる事務所の所在地において前二項の規定により
前項各号に掲げる事項を登記する場合には、一般社団法人等の成立の年月日並びに従たる事務所を設置した旨及びその年月日をも登記しなければならない。
4
第2項各号に掲げる事項に変更が生じたときは、三週間以内に、当該従たる事務所の所在地において、変更の登記をしなければならない。
第313条
【他の登記所の管轄区域内への従たる事務所の移転の登記】
1
一般社団法人等がその従たる事務所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧所在地(主たる事務所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)においては三週間以内に移転の登記をし、新所在地(主たる事務所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。以下この項において同じ。)においては四週間以内に
前条第2項各号に掲げる事項を登記しなければならない。ただし、従たる事務所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に新たに従たる事務所を移転したときは、新所在地においては、
同項第3号に掲げる事項を登記すれば足りる。
2
従たる事務所の所在地において
前項の規定により
前条第2項各号に掲げる事項を登記する場合には、一般社団法人等の成立の年月日並びに従たる事務所を移転した旨及びその年月日をも登記しなければならない。
第315条
1
次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、一般社団法人等の主たる事務所(
第1号ロに規定する場合であって当該決議によって
第312条第2項各号に掲げる事項についての登記がされているときにあっては、主たる事務所及び当該登記に係る従たる事務所)の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。
①
次に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定したとき。
ロ
社員総会等の決議した事項についての登記があった場合における次に掲げる訴え
(1)
社員総会等の決議が存在しないこと又は社員総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え
②
次に掲げる裁判があったとき。
ニ
清算人又は代表清算人の選任又は選定の裁判を取り消す裁判
2
次の各号に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、各一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。
①
一般社団法人等の吸収合併の無効の訴え 吸収合併存続法人についての変更の登記及び吸収合併消滅法人についての回復の登記
②
一般社団法人等の新設合併の無効の訴え 新設合併設立法人についての解散の登記及び新設合併消滅法人についての回復の登記
3
前項に規定する場合において、
同項各号に掲げる訴えに係る請求の目的に係る合併により
第312条第2項各号に掲げる事項についての登記がされているときは、各一般社団法人等の従たる事務所の所在地を管轄する登記所にも
前項各号に定める登記を嘱託しなければならない。
第316条
【登記簿】
登記所に、一般社団法人登記簿及び一般財団法人登記簿を備える。
第317条
【添付書面の通則】
1
登記すべき事項につき社員全員の同意又はある理事若しくは清算人の一致を要するときは、申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付しなければならない。
2
登記すべき事項につき社員総会、評議員会、理事会又は清算人会の決議を要するときは、申請書にその議事録を添付しなければならない。
第318条
【一般社団法人の設立の登記の申請】
1
一般社団法人の設立の登記は、当該一般社団法人を代表すべき者の申請によってする。
2
一般社団法人の設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次に掲げる書面を添付しなければならない。
②
設立時理事が設立時代表理事を選定したときは、これに関する書面
③
設立時理事、設立時監事及び設立時代表理事が就任を承諾したことを証する書面
④
設立時会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面
ロ
設立時会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。
ハ
設立時会計監査人が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面
3
登記すべき事項につき設立時社員全員の同意又はある設立時社員の一致を要するときは、
前項の登記の申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付しなければならない。
第319条
【一般財団法人の設立の登記の申請】
1
一般財団法人の設立の登記は、当該一般財団法人を代表すべき者の申請によってする。
2
一般財団法人の設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次に掲げる書面を添付しなければならない。
③
設立時評議員、設立時理事及び設立時監事の選任に関する書面
⑤
設立時評議員、設立時理事、設立時監事及び設立時代表理事が就任を承諾したことを証する書面
⑥
設立時会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面
ハ
設立時会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。
ニ
設立時会計監査人が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面
3
登記すべき事項につき設立者全員の同意又はある設立者の一致を要するときは、
前項の登記の申請書にその同意又は一致があったことを証する書面を添付しなければならない。
第320条
【理事等の変更の登記の申請】
1
理事、監事又は代表理事の就任による変更の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。
2
評議員の就任による変更の登記の申請書には、その選任に関する書面及び就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。
3
会計監査人の就任による変更の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。
②
会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。
③
会計監査人が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面
4
会計監査人が法人であるときは、その名称の変更の登記の申請書には、
前項第2号に掲げる書面を添付しなければならない。ただし、
同号ただし書に規定する場合は、この限りでない。
5
第1項から
第3項までに規定する者の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。
第321条
【一時会計監査人の職務を行うべき者の変更の登記の申請】
1
第75条第4項(
第177条において準用する場合を含む。)の一時会計監査人の職務を行うべき者の就任による変更の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。
③
その者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。ただし、
前条第3項第2号ただし書に規定する場合を除く。
④
その者が法人でないときは、その者が公認会計士であることを証する書面
2
前条第4項及び
第5項の規定は、一時会計監査人の職務を行うべき者の登記について準用する。
第322条
【吸収合併による変更の登記の申請】
吸収合併による変更の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。
②
第252条第2項の規定による公告及び催告(
同条第3項の規定により公告を官報のほか
第331条第1項の規定による定めに従い
同項第2号又は
第3号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面
③
吸収合併消滅法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に吸収合併消滅法人の主たる事務所がある場合を除く。
④
第247条の規定による吸収合併契約の承認があったことを証する書面
⑤
吸収合併消滅法人において
第248条第2項の規定による公告及び催告(
同条第3項の規定により公告を官報のほか
第331条第1項の規定による定めに従い
同項第2号又は
第3号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該吸収合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面
第323条
【新設合併による設立の登記の申請】
新設合併による設立の登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。
④
新設合併消滅法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に新設合併消滅法人の主たる事務所がある場合を除く。
⑤
第257条の規定による新設合併契約の承認があったことを証する書面
⑥
新設合併消滅法人において
第258条第2項の規定による公告及び催告(
同条第3項の規定により公告を官報のほか
第331条第1項の規定による定めに従い
同項第2号又は
第3号に掲げる方法によってした場合にあっては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該新設合併をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面
第324条
【解散の登記の申請】
1
定款で定めた解散の事由又は
第202条第1項第3号、
第2項若しくは
第3項に規定する事由の発生による解散の登記の申請書には、その事由の発生を証する書面を添付しなければならない。
2
代表清算人の申請に係る解散の登記の申請書には、その資格を証する書面を添付しなければならない。ただし、当該代表清算人が
第209条第1項第1号の規定により清算人となったもの(
第214条第4項に規定する場合にあっては、
同項の規定により代表清算人となったもの)であるときは、この限りでない。
第325条
【継続の登記の申請】
一般社団法人等の設立の無効又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、
第276条第1項(
同条第2項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定により一般社団法人等を継続したときは、継続の登記の申請書には、その判決の謄本及び
第276条第1項の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。
第326条
【清算人の登記の申請】
1
清算人の登記の申請書には、定款を添付しなければならない。
2
第209条第1項第2号又は
第3号に掲げる者が清算人となった場合の清算人の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。
3
裁判所が選任した者が清算人となった場合の清算人の登記の申請書には、その選任及び
第310条第1項第2号に掲げる事項を証する書面を添付しなければならない。
第327条
【清算人に関する変更の登記の申請】
1
裁判所が選任した清算人に関する
第310条第1項第2号に掲げる事項の変更の登記の申請書には、変更の事由を証する書面を添付しなければならない。
2
清算人の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。
第328条
【清算結了の登記の申請】
清算結了の登記の申請書には、
第240条第3項の規定による決算報告の承認があったことを証する書面を添付しなければならない。
第329条
【従たる事務所の所在地における登記の申請】
主たる事務所及び従たる事務所の所在地において登記すべき事項について従たる事務所の所在地においてする登記の申請書には、主たる事務所の所在地においてした登記を証する書面を添付しなければならない。この場合においては、他の書面の添付を要しない。
第331条
【公告方法】
1
一般社団法人等は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めることができる。
②
時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
③
電子公告(公告方法のうち、電磁的方法により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。以下同じ。)
④
前三号に掲げるもののほか、不特定多数の者が公告すべき内容である情報を認識することができる状態に置く措置として法務省令で定める方法
2
一般社団法人等が
前項第3号に掲げる方法を公告方法とする旨を定款で定める場合には、その定款には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。この場合においては、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、
同項第1号又は
第2号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。
第332条
【電子公告の公告期間】
一般社団法人等が電子公告により公告をする場合には、次の各号に掲げる公告の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。
③
公告に定める期間内に異議を述べることができる旨の公告 当該期間を経過する日
④
第249条第2項の規定による公告
同項の変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)
第333条
【電子公告の中断及び電子公告調査機関に関する会社法の規定の準用】
第334条
【理事等の特別背任罪】
1
次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は一般社団法人等に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該一般社団法人等に財産上の損害を加えたときは、七年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
③
設立時理事(一般社団法人等の設立に際して理事となる者をいう。
第342条において同じ。)又は設立時監事(一般社団法人等の設立に際して監事となる者をいう。
同条において同じ。)
⑤
民事保全法第56条に規定する仮処分命令により選任された理事、監事又は評議員の職務を代行する者
⑦
事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人
2
次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算法人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算法人に財産上の損害を加えたときも、
前項と同様とする。
第335条
【法人財産の処分に関する罪】
前条第1項第4号から
第7号までに掲げる者が、次のいずれかに該当する場合には、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
①
法令又は定款の規定に違反して、基金の返還をしたとき。
②
一般社団法人等の目的の範囲外において、投機取引のために一般社団法人等の財産を処分したとき。
第336条
【虚偽文書行使等の罪】
次に掲げる者が、基金を引き受ける者の募集をするに当たり、一般社団法人の事業その他の事項に関する説明を記載した資料若しくは当該募集の広告その他の当該募集に関する文書であって重要な事項について虚偽の記載のあるものを行使し、又はこれらの書類の作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録であって重要な事項について虚偽の記録のあるものをその募集の事務の用に供したときは、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第337条
【理事等の贈収賄罪】
1
次に掲げる者が、その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
②
会計監査人又は
第75条第4項(
第177条において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者
2
前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
3
第1項の場合において、犯人の収受した利益は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第340条
【虚偽記載等の罪】
第333条において準用する
会社法第955条第1項の規定に違反して、
同項に規定する調査記録簿等に
同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は調査記録簿等を保存しなかった者は、三十万円以下の罰金に処する。
第341条
【両罰規定】
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、
前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、
同条の罰金刑を科する。
第342条
【過料に処すべき行為】
設立時社員、設立者、設立時理事、設立時監事、設立時評議員、理事、監事、評議員、会計監査人若しくはその職務を行うべき社員、清算人、
民事保全法第56条に規定する仮処分命令により選任された理事、監事、評議員若しくは清算人の職務を代行する者、
第334条第1項第6号に規定する一時理事、監事、代表理事若しくは評議員の職務を行うべき者、
同条第2項第3号に規定する一時清算人若しくは代表清算人の職務を行うべき者、
第337条第1項第2号に規定する一時会計監査人の職務を行うべき者又は検査役は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
①
この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。
②
この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。
③
この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。
④
この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写又は書類の謄本若しくは抄本の交付、電磁的記録に記録された事項を電磁的方法により提供すること若しくはその事項を記載した書面の交付を拒んだとき。
⑥
官庁又は社員総会若しくは評議員会に対し、虚偽の申述を行い、又は事実を隠ぺいしたとき。
⑩
第43条又は
第184条の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を社員総会又は評議員会の目的としなかったとき。
⑪
正当な理由がないのに、社員総会又は評議員会において、社員又は評議員の求めた事項について説明をしなかったとき。
⑫
第72条第2項又は
第73条第2項(これらの規定を
第177条において準用する場合を含む。)の規定による請求があった場合において、その請求に係る事項を社員総会若しくは評議員会の目的とせず、又はその請求に係る議案を社員総会若しくは評議員会に提出しなかったとき。
⑬
理事、監事、評議員又は会計監査人がこの法律又は定款で定めたその員数を欠くこととなった場合において、その選任(一時会計監査人の職務を行うべき者の選任を含む。)の手続をすることを怠ったとき。
⑮
第142条第1項の規定に違反して自己を債務者とする基金の返還に係る債権を取得したとき、又は
同条第2項の規定に違反して当該債権を相当の時期に他に譲渡することを怠ったとき。
⑳
第237条の規定に違反して、清算法人の財産を引き渡したとき。
第343条
次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。
第344条
次のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。
①
第5条第2項の規定に違反して、一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者
②
第5条第3項の規定に違反して、一般社団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称中に用いた者
③
第6条の規定に違反して、一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に用いた者
④
第7条第1項の規定に違反して、他の一般社団法人又は一般財団法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者
附則
1
この法律は、公布の日から起算して二年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
2
この法律の規定(罰則を除く。)は、他の法律に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。
3
政府は、この法律の施行後適当な時期において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
平成23年5月25日
この法律は、新非訟事件手続法の施行の日から施行する。