第1条
【この法律の目的】
この法律は、漁業生産に関する基本的制度を定め、漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用によつて水面を総合的に利用し、もつて漁業生産力を発展させ、あわせて漁業の民主化を図ることを目的とする。
第2条
【定義】
1
この法律において「漁業」とは、水産動植物の採捕又は養殖の事業をいう。
2
この法律において「漁業者」とは、漁業を営む者をいい、「漁業従事者」とは、漁業者のために水産動植物の採捕又は養殖に従事する者をいう。
3
この法律において「動力漁船」とは、推進機関を備える船舶であつて次の各号のいずれかに該当するものをいう。
②
漁業に従事する船舶であつて漁獲物の保蔵又は製造の設備を有するもの
④
専ら漁業に関する試験、調査、指導若しくは練習に従事する船舶又は漁業の取締りに従事する船舶であつて漁ろう設備を有するもの
第3条
【適用範囲】
公共の用に供しない水面には、別段の規定がある場合を除き、この法律の規定を適用しない。
第4条
公共の用に供しない水面であつて公共の用に供する水面と連接して一体を成すものには、この法律を適用する。
第5条
【共同申請】
1
この法律又はこの法律に基く命令に規定する事項について二人以上共同して申請しようとするときは、そのうち一人を選定して代表者とし、これを行政庁に届け出なければならない。代表者を変更したときもまた同じである。
2
前項の届出がないときは、行政庁は、代表者を指定する。
4
前三項の規定は、二人以上共同して漁業権又はこれを目的とする抵当権若しくは入漁権を取得した場合に準用する。
第6条
【漁業権の定義】
1
この法律において「漁業権」とは、定置漁業権、区画漁業権及び共同漁業権をいう。
2
「定置漁業権」とは、定置漁業を営む権利をいい、「区画漁業権」とは、区画漁業を営む権利をいい、「共同漁業権」とは、共同漁業を営む権利をいう。
3
「定置漁業」とは、漁具を定置して営む漁業であつて次に掲げるものをいう。
①
身網の設置される場所の最深部が最高潮時において水深二十七メートル(沖縄県にあつては、十五メートル)以上であるもの(瀬戸内海(
第110条第2項に規定する瀬戸内海をいう。)におけるます網漁業並びに陸奥湾(青森県焼山崎から同県明神崎燈台に至る直線及び陸岸によつて囲まれた海面をいう。)における落とし網漁業及びます網漁業を除く。)
4
「区画漁業」とは、次に掲げる漁業をいう。
①
第一種区画漁業 一定の区域内において石、かわら、竹、木等を敷設して営む養殖業
②
第二種区画漁業 土、石、竹、木等によつて囲まれた一定の区域内において営む養殖業
③
第三種区画漁業 一定の区域内において営む養殖業であつて前二号に掲げるもの以外のもの
5
「共同漁業」とは、次に掲げる漁業であつて一定の水面を共同に利用して営むものをいう。
①
第一種共同漁業 藻類、貝類又は農林水産大臣の指定する定着性の水産動物を目的とする漁業
②
第二種共同漁業 網漁具(えりやな類を含む。)を移動しないように敷設して営む漁業であつて定置漁業及び
第5号に掲げるもの以外のもの
③
第三種共同漁業 地びき網漁業、地こぎ網漁業、船びき網漁業(動力漁船を使用するものを除く。)、飼付漁業又はつきいそ漁業(
第1号に掲げるものを除く。)であつて、
第5号に掲げるもの以外のもの
④
第四種共同漁業 寄魚漁業又は鳥付こぎ釣漁業であつて、
次号に掲げるもの以外のもの
⑤
第五種共同漁業 内水面(農林水産大臣の指定する湖沼を除く。)又は農林水産大臣の指定する湖沼に準ずる海面において営む漁業であつて
第1号に掲げるもの以外のもの
第7条
【入漁権の定義】
この法律において「入漁権」とは、設定行為に基づき、他人の共同漁業権又はひび建養殖業、藻類養殖業、垂下式養殖業(縄、鉄線その他これらに類するものを用いて垂下して行う水産動物の養殖業をいい、真珠養殖業を除く。)、小割り式養殖業(網いけすその他のいけすを使用して行う水産動物の養殖業をいう。)若しくは第三種区画漁業たる貝類養殖業を内容とする区画漁業権(以下「特定区画漁業権」という。)に属する漁場においてその漁業権の内容たる漁業の全部又は一部を営む権利をいう。
第8条
【組合員の漁業を営む権利】
1
漁業協同組合の組合員(漁業者又は漁業従事者であるものに限る。)であつて、当該漁業協同組合又は当該漁業協同組合を会員とする漁業協同組合連合会がその有する各特定区画漁業権若しくは共同漁業権又は入漁権ごとに制定する漁業権行使規則又は入漁権行使規則で規定する資格に該当する者は、当該漁業協同組合又は漁業協同組合連合会の有する当該特定区画漁業権若しくは共同漁業権又は入漁権の範囲内において漁業を営む権利を有する。
2
前項の漁業権行使規則又は入漁権行使規則(以下単に「漁業権行使規則」又は「入漁権行使規則」という。)には、
同項の規定による漁業を営む権利を有する者の資格に関する事項のほか、当該漁業権又は入漁権の内容たる漁業につき、漁業を営むべき区域及び期間、漁業の方法その他当該漁業を営む権利を有する者が当該漁業を営む場合において遵守すべき事項を規定するものとする。
3
漁業協同組合又は漁業協同組合連合会は、その有する特定区画漁業権又は第一種共同漁業を内容とする共同漁業権について漁業権行使規則を定めようとするときは、
水産業協同組合法の規定による総会(総会の部会及び総代会を含む。)の議決前に、その組合員(漁業協同組合連合会の場合には、その会員たる漁業協同組合の組合員。以下同じ。)のうち、当該漁業権に係る漁業の免許の際において当該漁業権の内容たる漁業を営む者(
第14条第6項の規定により適格性を有するものとして設定を受けた特定区画漁業権及び第一種共同漁業を内容とする共同漁業権については、当該漁業権に係る漁場の区域が内水面(
第84条第1項の規定により農林水産大臣が指定する湖沼を除く。
第21条第1項を除き、以下同じ。)以外の水面である場合にあつては沿岸漁業(総トン数二十トン以上の動力漁船を使用して行う漁業及び内水面における漁業を除いた漁業をいう。以下同じ。)を営む者、河川以外の内水面である場合にあつては当該内水面において漁業を営む者、河川である場合にあつては当該河川において水産動植物の採捕又は養殖をする者)であつて、当該漁業権に係る
第11条に規定する地元地区(共同漁業権については、
同条に規定する関係地区)の区域内に住所を有するものの三分の二以上の書面による同意を得なければならない。
4
前項の場合において、
水産業協同組合法第21条第3項(
同法第89条第3項において準用する場合を含む。)の規定により電磁的方法(
同法第11条の2第4項に規定する電磁的方法をいう。)により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面による同意に代えて、当該漁業権行使規則についての同意を当該電磁的方法により得ることができる。この場合において、当該漁業協同組合又は漁業協同組合連合会は、当該書面による同意を得たものとみなす。
5
前項前段の電磁的方法(
水産業協同組合法第11条の2第5項の農林水産省令で定める方法を除く。)により得られた当該漁業権行使規則についての同意は、漁業協同組合又は漁業協同組合連合会の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該漁業協同組合又は漁業協同組合連合会に到達したものとみなす。
6
漁業権行使規則又は入漁権行使規則は、都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。
7
第3項から
第5項までの規定は特定区画漁業権又は第一種共同漁業を内容とする共同漁業権に係る漁業権行使規則の変更又は廃止について、
前項の規定は漁業権行使規則又は入漁権行使規則の変更又は廃止について準用する。この場合において、
第3項中「当該漁業権に係る漁業の免許の際において当該漁業権の内容たる漁業を営む者」とあるのは、「当該漁業権の内容たる漁業を営む者」と読み替えるものとする。
第9条
【漁業権に基かない定置漁業等の禁止】
定置漁業及び区画漁業は、漁業権又は入漁権に基くのでなければ、営んではならない。
第10条
【漁業の免許】
漁業権の設定を受けようとする者は、都道府県知事に申請してその免許を受けなければならない。
第11条
【免許の内容等の事前決定】
1
都道府県知事は、その管轄に属する水面につき、漁業上の総合利用を図り、漁業生産力を維持発展させるためには漁業権の内容たる漁業の免許をする必要があり、かつ、当該漁業の免許をしても漁業調整その他公益に支障を及ぼさないと認めるときは、当該漁業の免許について、海区漁業調整委員会の意見をきき、漁業種類、漁場の位置及び区域、漁業時期その他免許の内容たるべき事項、免許予定日、申請期間並びに定置漁業及び区画漁業についてはその地元地区(自然的及び社会経済的条件により当該漁業の漁場が属すると認められる地区をいう。)、共同漁業についてはその関係地区を定めなければならない。
2
都道府県知事は、海区漁業調整委員会の意見をきいて、
前項の規定により定めた免許の内容たるべき事項、免許予定日、申請期間又は地元地区若しくは関係地区を変更することができる。
3
海区漁業調整委員会は、都道府県知事に対し、
第1項の規定により免許の内容たるべき事項、免許予定日、申請期間及び地元地区又は関係地区を定めるべき旨の意見を述べることができる。
4
海区漁業調整委員会は、前三項の意見を述べようとするときは、あらかじめ、期日及び場所を公示して公聴会を開き、利害関係人の意見をきかなければならない。
5
第1項又は
第2項の規定により免許の内容たるべき事項、免許予定日、申請期間及び地元地区若しくは関係地区を定め、又はこれを変更したときは、都道府県知事は、これを公示しなければならない。
6
農林水産大臣は、都道府県の区域を超えた広域的な見地から、水産動植物の繁殖保護を図り、漁業権又は入漁権の行使を適切にし、漁場の使用に関する紛争の防止又は解決を図り、その他漁業調整のために特に必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、
第1項又は
第2項の規定により免許の内容たるべき事項、免許予定日、申請期間及び地元地区若しくは関係地区を定め、又はこれを変更すべきことを指示することができる。
第11条の2
都道府県知事は、現に漁業権の存する水面についての当該漁業権の存続期間の満了に伴う場合にあつては当該存続期間の満了日の三箇月前までに、その他の場合にあつては免許予定日の三箇月前までに、
前条第1項の規定による定めをしなければならない。
第12条
【海区漁業調整委員会への諮問】
第10条の免許の申請があつたときは、都道府県知事は、海区漁業調整委員会の意見をきかなければならない。
第13条
【免許をしない場合】
1
左の各号の一に該当する場合は、都道府県知事は、漁業の免許をしてはならない。
①
申請者が
第14条に規定する適格性を有する者でない場合
②
第11条第5項の規定により公示した漁業の免許の内容と異なる申請があつた場合
③
その申請に係る漁業と同種の漁業を内容とする漁業権の不当な集中に至る虞がある場合
④
免許を受けようとする漁場の敷地が他人の所有に属する場合又は水面が他人の占有に係る場合において、その所有者又は占有者の同意がないとき
2
前項第4号の場合においてその者の住所又は居所が明らかでないため同意が得られないときは、最高裁判所の定める手続により、裁判所の許可をもつてその者の同意に代えることができる。
3
前項の許可に対する裁判に関しては、最高裁判所の定める手続により、上訴することができる。
4
第1項第4号の所有者又は占有者は、正当な事由がなければ、同意を拒むことができない。
5
海区漁業調整委員会は、都道府県知事に対し、
第1項の規定により漁業の免許をすべきでない旨の意見を述べようとするときは、あらかじめ、当該申請者に
同項各号の一に該当する理由を文書をもつて通知し、公開による意見の聴取を行わなければならない。
6
前項の意見の聴取に際しては、当該申請者又はその代理人は、当該事案について弁明し、かつ、証拠を提出することができる。
第14条
【免許についての適格性】
1
定置漁業又は区画漁業の免許について適格性を有する者は、次の各号のいずれにも該当しない者とする。
①
海区漁業調整委員会における投票の結果、総委員の三分の二以上によつて漁業若しくは労働に関する法令を遵守する精神を著しく欠き、又は漁村の民主化を阻害すると認められた者であること。
②
海区漁業調整委員会における投票の結果、総委員の三分の二以上によつて、どんな名目によるのであつても、
前号の規定により適格性を有しない者によつて、実質上その申請に係る漁業の経営が支配されるおそれがあると認められた者であること。
2
特定区画漁業権の内容たる区画漁業の免許については、
第11条に規定する地元地区(以下単に「地元地区」という。)の全部又は一部をその地区内に含む漁業協同組合又はその漁業協同組合を会員とする漁業協同組合連合会であつて当該特定区画漁業権の内容たる漁業を営まないものは、
前項の規定にかかわらず、次に掲げるものに限り、適格性を有する。ただし、
水産業協同組合法第18条第4項の規定により組合員たる資格を有する者を特定の種類の漁業を営む者に限る漁業協同組合及びその漁業協同組合を会員とする漁業協同組合連合会は、適格性を有しない。
①
その組合員のうち地元地区内に住所を有し当該漁業を営む者の属する世帯の数が、地元地区内に住所を有し当該漁業を営む者の属する世帯の数の三分の二以上であるもの
②
二以上共同して申請した場合において、これらの組合員のうち地元地区内に住所を有し当該漁業を営む者の属する世帯の総数が、地元地区内に住所を有し当該漁業を営む者の属する世帯の数の三分の二以上であるもの
3
前項の地元地区内に住所を有し当該漁業を営む者を組合員とする漁業協同組合又は漁業協同組合連合会が
同項の規定により適格性を有する漁業協同組合又は漁業協同組合連合会に対して
同項に規定する漁業の免許を共同して申請することを申し出た場合には、その漁業協同組合又は漁業協同組合連合会は、正当な事由がなければ、これを拒むことができない。
4
第2項の規定により適格性を有する漁業協同組合又は漁業協同組合連合会が
同項に規定する漁業の免許を受けた場合には、その免許の際に
同項の地元地区内に住所を有し当該漁業を営む者であつた者を組合員とする漁業協同組合又は漁業協同組合連合会は、都道府県知事の認可を受けて、その漁業協同組合又は漁業協同組合連合会に対し当該漁業権を共有すべきことを請求することができる。この場合には、
第26条第1項の規定は、適用しない。
5
前項の認可の申請があつたときは、都道府県知事は、海区漁業調整委員会の意見を聴かなければならない。
6
第11条第5項の規定により公示された特定区画漁業権の内容たる区画漁業に係る漁場の区域の全部が当該公示の日(当該区画漁業に係る漁場の区域について
同項の規定による変更の公示がされた場合には、当該公示の日)以前一年間に当該区画漁業を内容とする特定区画漁業権の存しなかつた水面である場合における当該特定区画漁業権の内容たる区画漁業の免許については、地元地区の全部又は一部をその地区内に含む漁業協同組合又はその漁業協同組合を会員とする漁業協同組合連合会であつて当該特定区画漁業権の内容たる漁業を営まないものは、
第1項及び
第2項の規定にかかわらず、次に掲げるものに限り、適格性を有する。
①
その組合員のうち地元地区内に住所を有し一年に九十日以上沿岸漁業を営む者(河川以外の内水面における当該漁業の免許については当該内水面において一年に三十日以上漁業を営む者、河川における当該漁業の免許については当該河川において一年に三十日以上水産動植物の採捕又は養殖をする者。以下同じ。)の属する世帯の数が、地元地区内に住所を有し一年に九十日以上沿岸漁業を営む者の属する世帯の数の三分の二以上であるもの
②
二以上共同して申請した場合において、これらの組合員のうち地元地区内に住所を有し一年に九十日以上沿岸漁業を営む者の属する世帯の総数が、地元地区内に住所を有し一年に九十日以上沿岸漁業を営む者の属する世帯の数の三分の二以上であるもの
7
第2項ただし書及び
第3項から
第5項までの規定は、
前項の区画漁業の免許について準用する。この場合において、
第3項及び
第4項中「当該漁業を営む者」とあるのは、「一年に九十日以上沿岸漁業を営む者」と読み替えるものとする。
8
共同漁業の免許について適格性を有する者は、
第11条に規定する関係地区(以下単に「関係地区」という。)の全部又は一部をその地区内に含む漁業協同組合又はその漁業協同組合を会員とする漁業協同組合連合会(
第2項ただし書に規定する漁業協同組合又は漁業協同組合連合会を除く。)であつて次に掲げるものとする。
①
その組合員のうち関係地区内に住所を有し一年に九十日以上沿岸漁業を営む者の属する世帯の数が、関係地区内に住所を有し一年に九十日以上沿岸漁業を営む者の属する世帯の数の三分の二以上であるもの
②
二以上共同して申請した場合において、これらの組合員のうち関係地区内に住所を有し一年に九十日以上沿岸漁業を営む者の属する世帯の総数が、関係地区内に住所を有し一年に九十日以上沿岸漁業を営む者の属する世帯の数の三分の二以上であるもの
9
第2項各号、
第6項各号又は
前項各号の規定により世帯の数を計算する場合において、当該漁業を営む者が法人であるときは、当該法人(株式会社にあつては、公開会社(
会社法第2条第5号に規定する公開会社をいう。以下同じ。)でないものに限る。以下この項において同じ。)の組合員、社員若しくは株主又は当該法人の組合員、社員若しくは株主である法人の組合員、社員若しくは株主のうち当該漁業の漁業従事者である者の属する世帯の数により計算するものとする。
10
第3項から
第5項までの規定は、共同漁業に準用する。この場合において、
第3項及び
第4項中「地元地区」とあるのは「関係地区」と、「当該漁業を営む者」とあるのは「一年に九十日以上沿岸漁業を営む者」と読み替えるものとする。
11
漁業協同組合又は漁業協同組合連合会が第一種共同漁業又は第五種共同漁業を内容とする共同漁業権を取得した場合においては、海区漁業調整委員会は、その漁業協同組合又は漁業協同組合連合会と関係地区内に住所を有する漁民(漁業者又は漁業従事者たる個人をいう。以下同じ。)であつてその組合員でないものとの関係において当該共同漁業権の行使を適切にするため、
第67条第1項の規定に従い、必要な指示をするものとする。
第16条
【定置漁業の免許の優先順位】
2
前項の規定により同順位である者相互間の優先順位は、次の順序による。
②
沿岸漁業であつて
前号に掲げる漁業以外のものに経験がある者
3
前項の規定において「経験」とは、その申請の日以前十箇年の間において、漁業を営み又はこれに従事したことをいう。以下
第19条までにおいて同じである。
4
前三項の規定により同順位である者相互間の優先順位は、次の順序による。
①
その申請に係る漁業の漁場の存する
第84条第1項の海区(以下「当該海区」という。)において経験がある者
5
前各項の規定により同順位の者がある場合においては、都道府県知事は、免許をするには、その申請に係る漁業について次に掲げる事項を勘案しなければならない。
②
地元地区内に住所を有する漁民(以下「地元漁民」という。)特に当該漁業の操業により従前の生業を奪われる漁民を使用する程度
④
当該漁業についての経験の程度、資本その他の経営能力
⑥
当該漁業の漁場の属する水面において操業する他の漁業との協調その他当該水面の総合的利用に関する配慮の程度
6
地元漁民七人以上が組合員、社員又は株主となつている法人(株式会社にあつては、公開会社でないものに限る。)であつて次の各号のいずれにも該当するものは、前各項の規定にかかわらず、第一順位とする。
②
組合員、社員又は株主の過半数が、当該海区においてその申請に係る漁業と同種の漁業に経験がある者であるか又は当該漁業の免許が他の者にされたときは従前の生業を失うに至る者であること。
③
組合員、社員又は株主の三分の二以上がその営む事業に常時従事する者であること。
④
組合員若しくは社員のうちその営む事業に常時従事する者の出資額又は株主のうちその営む事業に常時従事する者の有する株式の数の合計が、総出資額又は発行済株式の総数の過半を占めていること。
7
前項の規定により同順位の者がある場合においては、都道府県知事は、免許をするには、その申請に係る漁業について
第5項第3号から
第6号までに掲げる事項を勘案しなければならない。
8
次の各号のいずれかに該当する者は、前各項の規定にかかわらず、第一順位とする。
①
地元地区の全部又は一部をその地区内に含む漁業協同組合であつて、次のいずれにも該当するもの
イ
組合員(二以上共同して申請した場合には、これらの総組合員)のうち地元漁民である者の属する世帯の数が、地元漁民の属する世帯の数の七割以上であること。
ロ
組合員である地元漁民が議決権及び出資額において過半を占めていること。
②
地元漁民が組合員、社員又は株主となつている法人(株式会社にあつては公開会社でないものに限り、漁業協同組合を除く。)であつて、次のいずれにも該当するもの
イ
組合員、社員又は株主(二以上共同して申請した場合には、その総組合員、総社員又は総株主)のうち地元漁民である者の属する世帯の数が、地元漁民の属する世帯の数の七割以上であること。
ロ
当該漁業に常時従事する者の三分の一以上が、その組合員、社員若しくは株主であるか又はこれらと世帯を同じくする者であること。
ハ
組合員、社員又は株主である地元漁民の有する議決権の合計が総組合員、総社員又は総株主の議決権の過半を占めており、かつ、組合員若しくは社員である地元漁民の出資額又は株主である地元漁民の有する株式の数の合計が総出資額又は発行済株式の総数の過半を占めていること。
③
第1号の漁業協同組合又は
前号の法人が組合員、社員又は株主となつている法人(株式会社にあつては、公開会社でないものに限る。)であつて、次のいずれにも該当するもの
イ
当該漁業に常時従事する者の三分の一以上が、その組合員、社員若しくは株主である
第1号の漁業協同組合若しくは
前号の法人の組合員、社員若しくは株主であるか又はこれらと世帯を同じくする者であること。
ロ
組合員、社員又は株主である
第1号の漁業協同組合又は
前号の法人の有する議決権の合計が総組合員、総社員又は総株主の議決権の過半を占めており、かつ、組合員若しくは社員である
第1号の漁業協同組合若しくは
前号の法人の出資額又は株主である
第1号の漁業協同組合若しくは
前号の法人の有する株式の数の合計が総出資額又は発行済株式の総数の過半を占めていること。
9
前項第1号イ又は
第2号イの規定により世帯の数を計算する場合において、その組合員、社員又は株主が法人であるときは、当該法人(株式会社にあつては、公開会社でないものに限る。以下この項において同じ。)の組合員、社員若しくは株主又は当該法人の組合員、社員若しくは株主である法人の組合員、社員若しくは株主のうち地元漁民である者の属する世帯の数により計算するものとする。
10
地元漁民又は地元漁民が組合員、社員若しくは株主となつている法人(株式会社にあつては、公開会社でないものに限る。)が
第8項第1号の漁業協同組合又は
同項第2号若しくは
第3号の法人に加入を申し出た場合には、その申出を受けた者は、正当な事由がなければ、これを拒むことができない。地元地区の全部若しくは一部をその地区内に含む漁業協同組合又は地元漁民が組合員、社員若しくは株主となつている法人(株式会社にあつては、公開会社でないものに限る。)が
第8項第1号の漁業協同組合又は
同項第2号の法人に対し当該漁業の免許を共同して申請することを申し出た場合も、同様とする。
11
二人以上共同して申請した場合において、その申請者が
第1項、
第2項又は
第4項の各号のいずれに該当するかは、各申請者のうちいずれに該当する者が議決権及び出資額において過半を占めているかによつて定める。この場合において、いずれに該当する者も議決権及び出資額において過半を占めていない場合は、その申請者は、
第1項第2号、
第2項第3号又は
第4項第2号に該当するものとみなす。
12
二人以上共同して申請した場合において、その申請者が
第6項又は
第8項に規定する者に該当するかどうかは、各申請者のうち
第6項又は
第8項に規定する者に該当する者が議決権及び出資額において過半を占めているかどうかによつて定める。
13
法人(株式会社にあつては、公開会社でないものに限る。)が
第1項第1号、
第2項第1号若しくは
第2号又は
第4項第1号に該当しない場合であつても、その組合員、社員又は株主のうちこれに該当する者の有する議決権の合計が総組合員、総社員又は総株主の議決権の過半を占めており、かつ、その組合員若しくは社員のうちこれに該当する者の出資額又はその株主のうちこれに該当する者の有する株式の数の合計が総出資額又は発行済株式の総数の過半を占めている場合は、その法人は、これに該当するものとみなす。
第17条
【区画漁業の免許の優先順位】
1
区画漁業(真珠養殖業及び特定区画漁業権の内容たる区画漁業を除く。)の免許の優先順位は、次の順序による。
2
前項の規定により同順位である者相互間の優先順位は、次の順序による。
3
前二項の規定により同順位である者相互間の優先順位は、次の順序による。
4
前三項の規定により同順位である者相互間の優先順位は、次の順序による。
②
沿岸漁業であつて
前号に掲げる漁業以外のものに経験がある者
5
前各項の規定により同順位である者相互間の優先順位は、次の順序による。
6
前各項の規定により同順位の者がある場合においては、都道府県知事は、免許をするには、その申請に係る漁業について次の事項を勘案しなければならない。
⑤
当該漁業についての経験の程度、資本その他経営能力
⑥
当該漁業の漁場の属する水面において操業する他の漁業との協調その他当該水面の総合的利用に関する配慮の程度
8
法人が地元地区内に住所を有する場合であつても、その組合員、社員若しくは株主のうち地元地区内に住所を有する者の有する議決権の合計が総組合員、総社員若しくは総株主の議決権の過半を占めていない場合又はその組合員若しくは社員のうち地元地区内に住所を有する者の出資額若しくはその株主のうち地元地区内に住所を有する者の有する株式の数の合計が総出資額若しくは発行済株式の総数の過半を占めていない場合は、
第3項の規定の適用に関しては、その法人は、地元地区内に住所を有しないものとみなす。
第18条
1
特定区画漁業権の内容たる区画漁業の免許の優先順位は、
第14条第2項又は
第6項の規定により適格性を有する者を第一順位とする。
第19条
1
真珠養殖業を内容とする区画漁業の免許の優先順位は、次の順序による。
2
前項の規定により同順位である者相互間の優先順位は、次の順序による。
3
第1項及び
前項第2号の規定により同順位である者相互間の優先順位は、次の順序による。
4
第11条第5項の規定により公示された真珠養殖業を内容とする区画漁業に係る漁場の区域の全部が当該公示の日(当該区画漁業に係る漁場の区域について
同項の規定による変更の公示がされた場合には、当該公示の日)以前一年間に真珠養殖業を内容とする区画漁業権の存しなかつた水面である場合における真珠養殖業を内容とする区画漁業の免許については、
第16条第8項第1号の漁業協同組合又は
同項第2号若しくは
第3号の法人は、
第1項第1号、
第2項第1号又は
前項第1号に該当しない場合であつても、その組合員、社員又は株主のうちに真珠養殖業を内容とする区画漁業に経験がある者がいる場合は、これに該当するものとみなす。この場合については、
第16条第9項、
第10項及び
第12項の規定を準用する。
5
前各項の規定により同順位の者がある場合においては、都道府県知事は、免許をするには、その申請に係る漁業について次に掲げる事項を勘案しなければならない。
②
地元漁民を使用する程度。大規模の経営の場合にあつては、特に、当該漁業の操業により従前の生業を奪われる漁民を使用する程度
③
当該漁業についての経験の程度、資本その他経営能力。特に当該漁業に関する進歩的企画の程度
⑤
当該漁業の漁場の属する水面において操業する他の漁業との協調その他当該水面の総合的利用に関する配慮の程度
第21条
【漁業権の存続期間】
1
漁業権の存続期間は、免許の日から起算して、真珠養殖業を内容とする区画漁業権、
第6条第5項第5号に規定する内水面以外の水面における水産動物の養殖業を内容とする区画漁業権(特定区画漁業権及び真珠養殖業を内容とする区画漁業権を除く。)又は共同漁業権にあつては十年、その他の漁業権にあつては五年とする。
2
都道府県知事は、漁業調整のため必要な限度において
前項の期間より短い期間を定めることができる。
第22条
【漁業権の分割又は変更】
1
漁業権を分割し、又は変更しようとするときは、都道府県知事に申請してその免許を受けなければならない。
2
都道府県知事は、漁業調整その他公益に支障を及ぼすと認める場合は、
前項の免許をしてはならない。
3
第1項の場合においては、
第12条(海区漁業調整委員会への諮問)及び
第13条(免許をしない場合)の規定を準用する。
第23条
【漁業権の性質】
1
漁業権は、物権とみなし、土地に関する規定を準用する。
2
民法第2編第9章(質権)の規定は定置漁業権及び区画漁業権(特定区画漁業権であつて漁業協同組合又は漁業協同組合連合会の有するものを除く。
次条、
第26条及び
第27条において同じ。)に、
第8章から
第10章まで(先取特権、質権及び抵当権)の規定は特定区画漁業権であつて漁業協同組合又は漁業協同組合連合会の有するもの及び共同漁業権に、いずれも適用しない。
第24条
【抵当権の設定】
1
定置漁業権又は区画漁業権について抵当権を設定した場合において、その漁場に定着した工作物は、
民法第370条(抵当権の効力の及ぶ範囲)の規定の準用に関しては、漁業権に付加してこれと一体を成す物とみなす。定置漁業権又は区画漁業権が先取特権の目的である場合も、同様とする。
2
定置漁業権又は区画漁業権を目的とする抵当権の設定は、都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3
都道府県知事は、定置漁業権又は区画漁業権を目的とする抵当権の設定が、当該漁業の経営に必要な資金の融通のためやむを得ないと認められる場合でなければ、
前項の認可をしてはならない。
4
第2項の認可をしようとするときは、都道府県知事は、海区漁業調整委員会の意見をきかなければならない。
第25条
【特定区画漁業権の譲渡により先取特権又は抵当権が消滅する場合】
1
特定区画漁業権が先取特権又は抵当権の目的である場合において、
第27条第2項の通知を受けた漁業権者がこれを漁業協同組合又は漁業協同組合連合会に譲渡するには、漁業権者は、先取特権者又は抵当権者(登録した者に限る。以下同じ。)の同意を得なければならない。
2
先取特権者又は抵当権者は、正当な事由がなければ、
前項の同意を拒むことができない。
3
第1項の譲渡があつたときは、先取特権又は抵当権は、消滅する。
第26条
【漁業権の移転の制限】
1
漁業権は、相続又は法人の合併若しくは分割による場合を除き、移転の目的となることができない。ただし、定置漁業権及び区画漁業権については、滞納処分による場合、先取特権者若しくは抵当権者がその権利を実行する場合又は
第27条第2項の通知を受けた者が譲渡する場合において、都道府県知事の認可を受けたときは、この限りでない。
3
前項の規定により認可をしようとするときは、都道府県知事は、海区漁業調整委員会の意見を聴かなければならない。
第27条
【相続又は法人の合併若しくは分割によつて取得した定置漁業権又は区画漁業権】
1
相続又は法人の合併若しくは分割によつて定置漁業権又は区画漁業権を取得した者は、取得の日から二箇月以内にその旨を都道府県知事に届け出なければならない。
2
都道府県知事は、海区漁業調整委員会の意見を聴き、
前項の者が
第14条第1項に規定する適格性を有する者でないと認めるときは、一定期間内に譲渡しなければその漁業権を取り消すべき旨をその者に通知しなければならない。
第28条
【水面使用の権利義務】
漁業権者の有する水面使用に関する権利義務(当該漁業権者が当該漁業に関し行政庁の許可、認可その他の処分に基づいて有する権利義務を含む。)は、漁業権の処分に従う。
第30条
【登録した権利者の同意】
1
漁業権は、
第50条の規定により登録した権利者の同意を得なければ、分割し、変更し、又は放棄することができない。
第31条
【組合員の同意】
第8条第3項から
第5項までの規定は、漁業協同組合又は漁業協同組合連合会がその有する特定区画漁業権又は第一種共同漁業を内容とする共同漁業権を分割し、変更し、又は放棄しようとするときに準用する。この場合において、
同条第3項中「当該漁業権に係る漁業の免許の際において当該漁業権の内容たる漁業を営む者」とあるのは、「当該漁業権の内容たる漁業を営む者」と読み替えるものとする。
第32条
【漁業権の共有】
1
漁業権の各共有者は、他の共有者の三分の二以上の同意を得なければ、その持分を処分することができない。
第33条
漁業権の各共有者がその共有に属する漁業権を変更するために他の共有者の同意を得ようとする場合においては、
第13条第2項から
第4項まで(同意が得られない場合等)の規定を準用する。
第34条
【漁業権の制限又は条件】
1
都道府県知事は、漁業調整その他公益上必要があると認めるときは、免許をするにあたり、漁業権に制限又は条件を付けることができる。
2
前項の制限又は条件を付けようとするときは、都道府県知事は、海区漁業調整委員会の意見をきかなければならない。
4
都道府県知事は、免許後、海区漁業調整委員会が漁業調整その他公益上必要があると認めて申請したときは、漁業権に制限又は条件を付けることができる。
5
海区漁業調整委員会は、
前項の申請をしようとするときは、あらかじめ、当該漁業権者に制限又は条件を付ける理由を文書をもつて通知し、公開による意見の聴取を行わなければならない。
6
前項の意見の聴取に際しては、当該漁業権者又はその代理人は、当該事案について弁明し、かつ、証拠を提出することができる。
7
当該漁業権者又はその代理人は、
第5項の規定による通知があつた時から意見の聴取が終結する時までの間、海区漁業調整委員会に対し、当該事案についてした調査の結果に係る調書その他の当該申請の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。この場合において、海区漁業調整委員会は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。
8
前三項に定めるもののほか、海区漁業調整委員会が行う
第5項の意見の聴取に関し必要な事項は、政令で定める。
第35条
【休業の届出】
漁業権者が一漁業時期以上にわたつて休業しようとするときは、休業期間を定め、あらかじめ都道府県知事に届け出なければならない。
第36条
【休業中の漁業許可】
1
前条の休業期間中は、
第14条第1項に規定する適格性を有する者は、
第9条の規定にかかわらず、都道府県知事の許可を受けて当該漁業権の内容たる漁業を営むことができる。
2
前項の許可の申請があつたときは、都道府県知事は、海区漁業調整委員会の意見をきかなければならない。
4
前三項の規定は、
第39条第2項の規定に基く処分により漁業権の行使を停止された期間中他の者が当該漁業を営もうとする場合に準用する。
第37条
【休業による漁業権の取消し】
1
免許を受けた日から一年間、又は引き続き二年間休業したときは、都道府県知事は、その漁業権を取り消すことができる。
3
第1項の規定により漁業権を取り消そうとするときは、都道府県知事は、海区漁業調整委員会の意見を聴かなければならない。
4
前項の場合には、
第34条第5項から
第8項まで(意見の聴取)の規定を準用する。この場合において、
同条第7項中「海区漁業調整委員会」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。
第38条
【適格性の喪失等による漁業権の取消し】
1
漁業の免許を受けた後に漁業権者が
第14条に規定する適格性を有する者でなくなつたときは、都道府県知事は、漁業権を取り消さなければならない。
2
前項の規定により漁業権を取り消そうとするときは、都道府県知事は、海区漁業調整委員会の意見をきかなければならない。
3
漁業権者以外の者が実質上当該漁業権の内容たる漁業の経営を支配しており、且つ、その者には
第15条から
第19条まで(優先順位)の規定によれば当該漁業の免許をしないことが明らかであると認めて、海区漁業調整委員会が漁業権を取り消すべきことを申請したときは、都道府県知事は、漁業権を取り消すことができる。
4
前項の規定の適用については、漁業権者たる漁業協同組合が他の者の出資を受けて当該漁業権の内容たる漁業を営む場合において、当該出資額が出資総額の過半を占めていることをもつてその他の者が実質上当該漁業の経営を支配していると解釈してはならない。
第39条
【公益上の必要による漁業権の変更、取消し又は行使の停止】
1
漁業調整、船舶の航行、てい泊、けい留、水底電線の敷設その他公益上必要があると認めるときは、都道府県知事は、漁業権を変更し、取り消し、又はその行使の停止を命ずることができる。
2
漁業権者が漁業に関する法令の規定に違反したときもまた
前項に同じである。
3
前二項の規定による処分をしようとするときは、都道府県知事は、海区漁業調整委員会の意見をきかなければならない。
6
都道府県は、
第1項の規定による漁業権の変更若しくは取消し又はその行使の停止によつて生じた損失を当該漁業権者に対し補償しなければならない。
7
前項の規定により補償すべき損失は、
同項の処分によつて通常生ずべき損失とする。
8
第6項の補償金額は、都道府県知事が海区漁業調整委員会の意見を聴いて決定する。
9
前項の補償金額に不服がある者は、その決定の通知を受けた日から六月以内に、訴えをもつてその増額を請求することができる。
11
第1項の規定により取り消された漁業権の上に先取特権又は抵当権があるときは、当該先取特権者又は抵当権者から供託をしなくてもよい旨の申出がある場合を除き、都道府県は、その補償金を供託しなければならない。
12
前項の先取特権者又は抵当権者は、
同項の規定により供託した補償金に対してその権利を行うことができる。
13
第1項の規定による漁業権の変更若しくは取消し又はその行使の停止によつて利益を受ける者があるときは、都道府県は、その者に対し、
第6項の補償金額の全部又は一部を負担させることができる。
15
第13項の規定による負担金は、地方税の滞納処分の例によつて徴収することができる。ただし、先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
第40条
【錯誤によつてした免許の取消】
錯誤により免許をした場合においてこれを取り消そうとするときは、都道府県知事は、海区漁業調整委員会の意見をきかなければならない。
第41条
【抵当権者の保護】
1
漁業権を取り消したときは、都道府県知事は、直ちに、先取特権者又は抵当権者にその旨を通知しなければならない。
2
前項の権利者は、通知を受けた日から三十日以内に漁業権の競売を請求することができる。但し、
第39条第1項の規定による取消又は錯誤によつてした免許の取消の場合は、この限りでない。
3
漁業権は、
前項の期間内又は競売の手続完結の日まで、競売の目的の範囲内においては、なお存続するものとみなす。
4
競売による売却代金は、競売の費用及び
第1項の権利者に対する債務の弁済に充て、その残金は国庫に帰属する。
5
買受人が代金を納付したときは、漁業権の取消しはその効力を生じなかつたものとみなす。
第42条
【漁場に定着した工作物の買取】
漁場に定着する工作物を設置して漁業権の価値を増大せしめた漁業権者は、その漁業権が消滅したときは、当該工作物の利用によつて利益を受ける漁業の免許を受けた者に対し、時価をもつて当該工作物を買い取るべきことを請求することができる。
第42条の2
【入漁権取得の適格性】
漁業協同組合及び漁業協同組合連合会以外の者は、入漁権を取得することができない。
第43条
【入漁権の性質】
2
入漁権は、譲渡又は法人の合併による取得の目的となる外、権利の目的となることができない。
3
入漁権は、漁業権者の同意を得なければ、譲渡することができない。
第44条
【入漁権の内容の書面化】
入漁権については、書面により左に掲げる事項を明らかにしなければならない。
⑥
漁船、漁具又は漁業者の数について定があるときはその事項
第45条
【裁定による入漁権の設定、変更及び消滅】
1
入漁権の設定を求めた場合において漁業権者が不当にその設定を拒み、又は入漁権の内容が適正でないと認めてその変更若しくは消滅を求めた場合において相手方が不当にその変更若しくは消滅を拒んだときは、入漁権の設定、変更又は消滅を拒まれた者は、海区漁業調整委員会に対して、入漁権の設定、変更又は消滅に関する裁定を申請することができる。
2
前項の規定による裁定の申請があつたときは、海区漁業調整委員会は、相手方にその旨を通知し、かつ、農林水産省令の定めるところにより、これを公示しなければならない。
3
第1項の規定による裁定の申請の相手方は、
前項の公示の日から二週間以内に海区漁業調整委員会に意見書を差し出すことができる。
4
海区漁業調整委員会は、
前項の期間を経過した後に審議を開始しなければならない。
5
裁定は、その申請の範囲をこえることができない。
6
裁定においては、左の事項を定めなければならない。
①
入漁権の設定に関する裁定の申請の場合にあつては、設定するかどうか、設定する場合はその内容及び設定の時期
②
入漁権の変更に関する裁定の申請の場合にあつては、変更するかどうか、変更する場合はその内容及び変更の時期
③
入漁権の消滅に関する裁定の申請の場合にあつては、消滅させるかどうか、消滅させる場合は消滅の時期
7
海区漁業調整委員会は、裁定をしたときは、遅滞なくその旨を裁定の申請の相手方に通知し、かつ、農林水産省令の定めるところにより、これを公示しなければならない。
8
前項の公示があつたときは、その時に、裁定の定めるところにより当事者間に協議がととのつたものとみなす。
第46条
【入漁権の存続期間】
存続期間について別段の定がない入漁権は、その目的たる漁業権の存続期間中存続するものとみなす。但し、入漁権者は、何時でもその権利を放棄することができる。
第48条
【入漁料の不払等】
1
入漁権者が入漁料の支払を怠つたときは、漁業権者は、その入漁を拒むことができる。
2
入漁権者が引き続き二年以上入漁料の支払を怠り、又は破産手続開始の決定を受けたときは、漁業権者は、入漁権の消滅を請求することができる。
第50条
【登録】
1
漁業権、これを目的とする先取特権、抵当権及び入漁権の設定、保存、移転、変更、消滅及び処分の制限並びに
第39条第1項又は
第2項の規定による漁業権の行使の停止及びその解除は、免許漁業原簿に登録する。
5
前各項に規定するもののほか、登録に関して必要な規定は、政令で定める。
第51条
【裁判所の管轄】
裁判所の土地の管轄が不動産所在地によつて定まる場合には、漁場に最も近い沿岸の属する市町村を不動産所在地とみなす。
第52条
【指定漁業の許可】
1
船舶により行なう漁業であつて政令で定めるもの(以下「指定漁業」という。)を営もうとする者は、船舶ごとに(母船式漁業(製造設備、冷蔵設備その他の処理設備を有する母船及びこれと一体となつて当該漁業に従事する独航船その他の農林水産省令で定める船舶(以下「独航船等」という。)により行なう指定漁業をいう。以下同じ。)にあつては、母船及び独航船等ごとにそれぞれ)、農林水産大臣の許可を受けなければならない。
2
前項の政令は、水産動植物の繁殖保護又は漁業調整のため漁業者及びその使用する船舶について制限措置を講ずる必要があり、かつ、政府間の取決め、漁場の位置その他の関係上当該措置を統一して講ずることが適当であると認められる漁業について定めるものとする。
3
第1項の政令を制定し又は改廃する場合には、政令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を定めることができる。
4
農林水産大臣は、
第1項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、水産政策審議会の意見を聴かなければならない。
5
母船式漁業に係る
第1項の許可は、母船にあつてはこれと一体となつて当該漁業に従事する独航船等(以下「同一の船団に属する独航船等」という。)を、独航船等にあつてはこれと一体となつて当該漁業に従事する母船(以下「同一の船団に属する母船」という。)をそれぞれ指定して行なうものとする。
6
農林水産大臣は、
第1項の許可をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、その者に対し許可証を交付する。
第54条
【起業の認可】
1
指定漁業(母船式漁業を除く。)の許可を受けようとする者であつて現に船舶を使用する権利を有しないものは、船舶の建造に着手する前又は船舶を譲り受け、借り受け、その返還を受け、その他船舶を使用する権利を取得する前に、船舶ごとに、あらかじめ起業につき農林水産大臣の認可を受けることができる。
2
母船式漁業の許可を受けようとする者であつて現に母船又は独航船等を使用する権利を有しないものは、母船若しくは独航船等の建造に着手する前又は母船若しくは独航船等を譲り受け、借り受け、その返還を受け、その他母船若しくは独航船等を使用する権利を取得する前に、母船及び独航船等ごとにそれぞれ、あらかじめ起業につき農林水産大臣の認可を受けることができる。
3
母船式漁業の許可を受けようとする者であつて現に母船又は独航船等を使用する権利を有するものは、当該母船と同一の船団に属する独航船等の全部について母船式漁業の起業の認可が申請され、又は当該独航船等と同一の船団に属する母船について母船式漁業の起業の認可が申請されている場合には、当該母船又は独航船等について、あらかじめ起業につき農林水産大臣の認可を受けることができる。
第55条
1
起業の認可を受けた者がその起業の認可に基いて指定漁業の許可を申請した場合において、申請の内容が認可を受けた内容と同一であり、かつ、当該認可に係る指定漁業の許可の有効期間中であるときは、
次条第1項各号の一に該当する場合を除き、許可をしなければならない。
2
起業の認可を受けた者が、認可を受けた日から農林水産大臣の指定した期間内に許可を申請しないときは、起業の認可は、その期間の満了の日に、その効力を失う。
第56条
【許可又は起業の認可をしない場合】
1
左の各号の一に該当する場合は、農林水産大臣は、指定漁業の許可又は起業の認可をしてはならない。
②
その申請に係る漁業と同種の漁業の許可の不当な集中に至る虞がある場合
③
申請者が当該申請に係る母船と同一の船団に属する独航船等又は当該申請に係る独航船等と同一の船団に属する母船について、現に許可若しくは起業の認可を受けており又は受けようとする者と異なる場合において、その申請につきその者の同意がないとき。
2
農林水産大臣は、
前項の規定により許可又は認可をしないときは、あらかじめ、当該申請者にその理由を文書をもつて通知し、公開による意見の聴取を行わなければならない。
3
前項の意見の聴取に際しては、当該申請者又はその代理人は、当該事案について弁明し、かつ、証拠を提出することができる。
第57条
【許可又は起業の認可についての適格性】
1
指定漁業の許可又は起業の認可について適格性を有する者は、次の各号のいずれにも該当しない者とする。
①
漁業に関する法令を遵守する精神を著しく欠く者であること。
②
労働に関する法令を遵守する精神を著しく欠く者であること。
③
許可を受けようとする船舶(母船式漁業にあつては、母船又は独航船等)が農林水産大臣の定める条件を満たさないこと。
④
その申請に係る漁業を営むに足りる資本その他の経理的基礎を有しないこと。
⑤
第1号又は
第2号の規定により適格性を有しない者が、どんな名目によるのであつても、実質上当該漁業の経営を支配するに至るおそれがあること。
2
農林水産大臣は、
前項第3号の条件を定めようとするときは、水産政策審議会の意見を聴かなければならない。
第58条
【公示】
1
農林水産大臣は、指定漁業の許可又は起業の認可をする場合には、
第55条第1項及び
第59条の規定による場合を除き、当該指定漁業につき、あらかじめ、水産動植物の繁殖保護又は漁業調整その他公益に支障を及ぼさない範囲内において、かつ、当該指定漁業を営む者の数、経営その他の事情を勘案して、その許可又は起業の認可をすべき船舶の総トン数別の隻数又は総トン数別及び操業区域別若しくは操業期間別の隻数(母船式漁業にあつては、母船の総トン数別の隻数又は総トン数別及び操業区域別若しくは操業期間別の隻数並びに各母船と同一の船団に属する独航船等の種類別及び総トン数別の隻数)並びに許可又は起業の認可を申請すべき期間を定め、これを公示しなければならない。
2
前項の許可又は起業の認可を申請すべき期間は、三箇月を下ることができない。ただし、農林水産省令で定める緊急を要する特別の事情があるときは、この限りでない。
3
農林水産大臣は、
第1項の規定により公示すべき事項を定めようとするときは、水産政策審議会の意見を聴かなければならない。ただし、
前項の農林水産省令で定める緊急を要する特別の事情があるときは、この限りでない。
4
農林水産大臣は、一の指定漁業につきその許可をし又は起業の認可をしても水産動植物の繁殖保護又は漁業調整その他公益に支障を及ぼさないと認めるときは、当該指定漁業につき
第1項の規定による公示をしなければならない。
5
水産政策審議会は、
前項の公示に関し農林水産大臣に意見を述べることができる。
第58条の2
【公示に基づく許可等】
1
前条第1項の規定により公示した許可又は起業の認可を申請すべき期間内に許可又は起業の認可を申請した者の申請に対しては、
同項の規定により公示した事項の内容と異なる申請である場合及び
第56条第1項各号のいずれかに該当する場合を除き、許可又は起業の認可をしなければならない。ただし、当該申請が母船式漁業に係る場合において、当該申請が
前条第1項の規定により公示した事項の内容に適合する場合及び
第56条第1項各号のいずれかに該当しない場合であつても、当該申請に係る母船と同一の船団に属する独航船等についての申請の全部又は当該申請に係る独航船等と同一の船団に属する母船についての申請が
前条第1項の規定により公示した事項の内容と異なる申請である場合及び
第56条第1項各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
2
前項の規定により許可又は起業の認可をしなければならない申請に係る船舶の隻数(母船式漁業にあつては、母船の数。以下この項から
第5項までにおいて同じ。)が
前条第1項の規定により公示した船舶の隻数を超えるときは、
前項の規定にかかわらず、農林水産大臣は、公正な方法でくじを行い、許可又は起業の認可をする者を定める。
3
農林水産大臣は、
第1項の規定により許可又は起業の認可をしなければならない申請に係る船舶の隻数が
前条第1項の規定により公示した船舶の隻数を超える場合において、その申請のうちに次に掲げる申請があるときは、
前項の規定にかかわらず、その申請に対して、次の順序に従つて、他の申請に優先して許可又は起業の認可をしなければならない。
①
現に当該指定漁業の許可又は起業の認可を受けている者(
次号の申請に基づく許可又は起業の認可を受けている者にあつては、新技術の企業化により現にこの号の申請に基づく許可を受けている者と同程度の漁業生産を確保することが可能となつたものとして農林水産省令で定める基準に適合するものに限り、当該指定漁業の許可の有効期間の満了日が
前条第1項の規定により公示した許可又は起業の認可を申請すべき期間の末日以前である場合にあつては、当該許可の有効期間の満了日において当該指定漁業の許可又は起業の認可を受けていた者を含む。)が当該指定漁業の許可の有効期間(起業の認可を受けており又は受けていた者にあつては、当該起業の認可に係る指定漁業の許可の有効期間)の満了日の到来のため当該許可又は起業の認可に係る船舶と同一の船舶についてした申請(母船式漁業にあつては、同一の船団に属する母船及び独航船等の全部について、当該許可又は起業の認可に係る母船又は独航船等と同一の母船又は独航船等についてした申請)
②
漁業生産力の発展に特に寄与すると農林水産大臣が認める試験研究又は新技術の企業化のために使用する船舶についてされた申請
4
農林水産大臣は、
前項の規定により許可又は起業の認可をしなければならない申請のうち
同項第1号に係るものに係る船舶の隻数が
前条第1項の規定により公示した船舶の隻数を超える場合には、
前項の規定にかかわらず、少なくとも次に掲げる事項を勘案して(母船式漁業にあつては、同一の船団に属する母船及び独航船等について次に掲げる事項を勘案して)許可又は起業の認可の基準を定め、これに従つて許可又は起業の認可をしなければならない。
①
前項の規定により許可又は起業の認可をしなければならない申請に係る船舶(母船式漁業にあつては、母船又は独航船等。
第6項において同じ。)の申請者別隻数
5
農林水産大臣は、
第3項の規定により許可又は起業の認可をしなければならない申請のうち
同項第2号に係るものに係る船舶の隻数が
前条第1項の規定により公示した船舶の隻数から
第3項第1号の申請に基づく許可又は起業の認可を受けた船舶の隻数を差し引いた隻数を超える場合には、
同項の規定にかかわらず、
同項第2号の申請に係る試験研究又は新技術の企業化の内容が漁業生産力の発展に寄与する程度を勘案して許可又は起業の認可の基準を定め、これに従つて許可又は起業の認可をしなければならない。
6
次の各号のいずれかに該当する場合における措置その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
①
当該指定漁業の許可又は起業の認可の申請をした後において、当該申請に係る船舶が滅失し又は沈没した場合
②
当該指定漁業について従前の許可又は起業の認可を受けている船舶が、
前条第1項の許可又は起業の認可を申請すべき期間の満了日の前六箇月以内に滅失し又は沈没した場合
③
当該指定漁業の許可又は起業の認可の申請に係る船舶について、
次条各号の規定により許可又は起業の認可の申請をし、これに対する許可若しくは起業の認可又は申請の却下を受けていない場合
④
当該指定漁業の許可又は起業の認可の申請をした者が、その申請をした後において死亡し又は解散した場合
7
農林水産大臣は、
第3項第1号の農林水産省令並びに
第4項及び
第5項の基準を定めようとするときは、水産政策審議会の意見を聴かなければならない。
第59条
【許可等の特例】
次の各号のいずれかに該当する場合は、その申請の内容が従前の許可又は起業の認可を受けた内容と同一であるときは、
第56条第1項各号のいずれかに該当する場合を除き、指定漁業の許可又は起業の認可をしなければならない。
①
指定漁業の許可を受けた者が、その許可の有効期間中に、その許可を受けた船舶(母船式漁業にあつては、母船又は独航船等。以下この号から
第3号までにおいて同じ。)を当該指定漁業に使用することを廃止し、他の船舶について許可又は起業の認可を申請した場合
②
指定漁業の許可を受けた者が、その許可を受けた船舶が滅失し、又は沈没したため、滅失又は沈没の日から六箇月以内(その許可の有効期間中に限る。)に他の船舶について許可又は起業の認可を申請した場合
③
指定漁業の許可を受けた者から、その許可の有効期間中に、許可を受けた船舶を譲り受け、借り受け、その返還を受け、その他相続又は法人の合併若しくは分割以外の事由により当該船舶を使用する権利を取得して当該指定漁業を営もうとする者が、当該船舶について指定漁業の許可又は起業の認可を申請した場合
④
母船式漁業について
第1号又は
第2号の規定により許可又は起業の認可が申請された場合において、従前の母船若しくは独航船等を当該母船式漁業に使用することを廃止し、又は従前の母船若しくは独航船等が滅失し若しくは沈没したため従前の母船と同一の船団に属する独航船等又は従前の独航船等と同一の船団に属する母船に係る母船式漁業の許可又は起業の認可がその効力を失つたことにより、その許可又は起業の認可を受けていた者が、当該許可若しくは起業の認可に係る独航船等若しくは母船又はこれらに代えて他の独航船等若しくは母船を当該申請に係る母船と同一の船団に属する独航船等又は当該申請に係る独航船等と同一の船団に属する母船として許可又は起業の認可を申請したとき。
第60条
【許可の有効期間】
1
指定漁業の許可の有効期間は、五年とする。ただし、
前条の規定によつて許可をした場合は、従前の許可の残存期間とする。
2
前項の有効期間は、同一の指定漁業については同一の期日に満了するようにしなければならない。
3
農林水産大臣は、水産動植物の繁殖保護又は漁業調整のため必要な限度において、水産政策審議会の意見を聴いて、
第1項の期間より短い期間を定めることができる。
第61条
【変更の許可】
指定漁業の許可又は起業の認可を受けた者が、その許可又は起業の認可を受けた船舶(母船式漁業にあつては、母船又は独航船等。以下この条及び
次条において同じ。)について、その船舶の総トン数を増加し、又は操業区域その他の農林水産省令で定める事項を変更しようとするときは、農林水産大臣の許可を受けなければならない。
第62条
【相続又は法人の合併若しくは分割】
1
指定漁業の許可又は起業の認可を受けた者が死亡し、解散し、又は分割(当該指定漁業の許可又は起業の認可を受けた船舶を承継させるものに限る。)をしたときは、その相続人(相続人が二人以上ある場合においてその協議により指定漁業を営むべき者を定めたときは、その者)、合併後存続する法人若しくは合併によつて成立した法人又は分割によつて当該船舶を承継した法人は、当該指定漁業の許可又は起業の認可を受けた者の地位を承継する。
2
前項の規定により指定漁業の許可又は起業の認可を受けた者の地位を承継した者は、承継の日から二箇月以内にその旨を農林水産大臣に届け出なければならない。
第62条の2
【許可等の失効】
1
次の各号のいずれかに該当する場合は、当該指定漁業の許可又は起業の認可は、その効力を失う。
①
指定漁業の許可を受けた船舶(母船式漁業にあつては、母船又は独航船等。
次号及び
第3号において同じ。)を当該指定漁業に使用することを廃止したとき。
②
指定漁業の許可又は起業の認可を受けた船舶が滅失し又は沈没したとき。
③
指定漁業の許可を受けた船舶を譲渡し、貸し付け、返還し、その他その船舶を使用する権利を失つたとき。
2
次の各号のいずれかに該当する場合は、当該母船と同一の船団に属する独航船等の全部又は当該独航船等と同一の船団に属する母船に係る母船式漁業の許可又は起業の認可は、その効力を失う。
①
母船式漁業の許可を受けた母船又は同一の船団に属する独航船等の全部を当該母船式漁業に使用することを廃止したとき。
②
母船式漁業の許可又は起業の認可を受けた母船又は同一の船団に属する独航船等の全部が滅失し又は沈没したとき。
③
母船式漁業の許可を受けた母船又は同一の船団に属する独航船等の全部を譲渡し、貸し付け、返還し、その他その母船又は独航船等の全部を使用する権利を失つたとき。
第62条の3
【適格性の喪失等による許可等の取消し】
1
農林水産大臣は、指定漁業の許可又は起業の認可を受けた者が
第56条第1項第2号又は
第57条第1項各号(
第4号を除く。)のいずれかに該当することとなつたときは、当該指定漁業の許可又は起業の認可を取り消さなければならない。
2
農林水産大臣は、指定漁業の許可又は起業の認可を受けた者が
第57条第1項第4号に該当することとなつたときは、当該指定漁業の許可又は起業の認可を取り消すことができる。
3
前二項の規定による許可又は起業の認可の取消しに係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
第62条の4
【許可証の書換え交付等】
許可証の書換え交付、再交付及び返納に関し必要な事項は、農林水産省令で定める。
第64条
【水産政策審議会に対する報告】
農林水産大臣は、毎年少なくとも一回、水産政策審議会に対し、指定漁業の許可及び起業の認可の状況を報告するものとする。
第65条
【漁業調整に関する命令】
1
農林水産大臣又は都道府県知事は、漁業取締りその他漁業調整のため、特定の種類の水産動植物であつて農林水産省令若しくは規則で定めるものの採捕を目的として営む漁業若しくは特定の漁業の方法であつて農林水産省令若しくは規則で定めるものにより営む漁業(水産動植物の採捕に係るものに限る。)を禁止し、又はこれらの漁業について、農林水産省令若しくは規則で定めるところにより、農林水産大臣若しくは都道府県知事の許可を受けなければならないこととすることができる。
2
農林水産大臣又は都道府県知事は、漁業取締りその他漁業調整のため、次に掲げる事項に関して必要な農林水産省令又は規則を定めることができる。
①
水産動植物の採捕又は処理に関する制限又は禁止(
前項の規定により漁業を営むことを禁止すること及び農林水産大臣又は都道府県知事の許可を受けなければならないこととすることを除く。)
②
水産動植物若しくはその製品の販売又は所持に関する制限又は禁止
3
前項の規定による農林水産省令又は規則には、必要な罰則を設けることができる。
4
前項の罰則に規定することができる罰は、農林水産省令にあつては二年以下の懲役、五十万円以下の罰金、拘留若しくは科料又はこれらの併科、規則にあつては六月以下の懲役、十万円以下の罰金、拘留若しくは科料又はこれらの併科とする。
5
第2項の規定による農林水産省令又は規則には、犯人が所有し、又は所持する漁獲物、その製品、漁船及び漁具その他水産動植物の採捕の用に供される物の没収並びに犯人が所有していたこれらの物件の全部又は一部を没収することができない場合におけるその価額の追徴に関する規定を設けることができる。
6
農林水産大臣は、
第1項及び
第2項の農林水産省令を定めようとするときは、水産政策審議会の意見を聴かなければならない。
7
都道府県知事は、
第1項及び
第2項の規則を定めようとするときは、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
8
都道府県知事は、
第1項及び
第2項の規則を定めようとするときは、
第84条第1項に規定する海面に係るものにあつては関係海区漁業調整委員会の意見を、内水面に係るものにあつては内水面漁場管理委員会の意見を聴かなければならない。
第66条
【許可を受けない中型まき網漁業等の禁止】
1
中型まき網漁業、小型機船底びき網漁業、瀬戸内海機船船びき網漁業又は小型さけ・ます流し網漁業を営もうとする者は、船舶ごとに都道府県知事の許可を受けなければならない。
2
「中型まき網漁業」とは、総トン数五トン以上四十トン未満の船舶によりまき網を使用して行う漁業(指定漁業を除く。)をいい、「小型機船底びき網漁業」とは、総トン数十五トン未満の動力漁船により底びき網を使用して行う漁業をいい、「瀬戸内海機船船びき網漁業」とは、瀬戸内海(
第110条第2項に規定する瀬戸内海をいう。)において総トン数五トン以上の動力漁船により船びき網を使用して行う漁業をいい、「小型さけ、ます流し網漁業」とは、総トン数三十トン未満の動力漁船により流し網を使用してさけ又はますをとる漁業(母船式漁業を除く。)をいう。
3
農林水産大臣は、漁業調整のため必要があると認めるときは、都道府県別に
第1項の許可をすることができる船舶の隻数、合計総トン数若しくは合計馬力数の最高限度を定め、又は海域を指定し、その海域につき
同項の許可をすることができる船舶の総トン数若しくは馬力数の最高限度を定めることができる。
4
農林水産大臣は、
前項の規定により最高限度を定めようとするときは、関係都道府県知事の意見を聴かなければならない。
5
都道府県知事は、
第3項の規定により定められた最高限度を超える船舶については、
第1項の許可をしてはならない。
第67条
【海区漁業調整委員会又は連合海区漁業調整委員会の指示】
1
海区漁業調整委員会又は連合海区漁業調整委員会は、水産動植物の繁殖保護を図り、漁業権又は入漁権の行使を適切にし、漁場の使用に関する紛争の防止又は解決を図り、その他漁業調整のために必要があると認めるときは、関係者に対し、水産動植物の採捕に関する制限又は禁止、漁業者の数に関する制限、漁場の使用に関する制限その他必要な指示をすることができる。
2
前項の規定による海区漁業調整委員会の指示が
同項の規定による連合海区漁業調整委員会の指示に抵触するときは、当該海区漁業調整委員会の指示は、抵触する範囲においてその効力を有しない。
3
都道府県知事は、海区漁業調整委員会又は連合海区漁業調整委員会に対し、
第1項の指示について必要な指示をすることができる。この場合には、都道府県知事は、あらかじめ、農林水産大臣に当該指示の内容を通知するものとする。
4
第1項の場合において、都道府県知事は、その指示が妥当でないと認めるときは、その全部又は一部を取り消すことができる。
5
第1項の規定による指示については、
第11条第6項の規定を準用する。この場合において、
同項中「都道府県知事」とあるのは「海区漁業調整委員会又は連合海区漁業調整委員会」と読み替えるものとする。
8
第1項の指示を受けた者がこれに従わないときは、海区漁業調整委員会又は連合海区漁業調整委員会は、都道府県知事に対して、その者に当該指示に従うべきことを命ずべき旨を申請することができる。
9
都道府県知事は、
前項の申請を受けたときは、その申請に係る者に対して、異議があれば一定の期間内に申し出るべき旨を催告しなければならない。
11
第9項の場合において、
同項の期間内に異議の申出がないとき又は異議の申出に理由がないときは、都道府県知事は、
第8項の申請に係る者に対し、
第1項の指示に従うべきことを命ずることができる。
第68条
【広域漁業調整委員会の指示】
1
広域漁業調整委員会は、都道府県の区域を超えた広域的な見地から、水産動植物の繁殖保護を図り、漁業権又は入漁権(
第136条の規定により農林水産大臣が自ら都道府県知事の権限を行う漁場に係る漁業権又は入漁権に限る。)の行使を適切にし、漁場(
同条の規定により農林水産大臣が自ら都道府県知事の権限を行うものに限る。)の使用に関する紛争の防止又は解決を図り、その他漁業調整のために必要があると認めるときは、関係者に対し、水産動植物の採捕に関する制限又は禁止、漁業者の数に関する制限、漁場の使用に関する制限その他必要な指示をすることができる。
2
前条第1項の規定による海区漁業調整委員会又は連合海区漁業調整委員会の指示が
前項の規定による広域漁業調整委員会の指示に抵触するときは、当該海区漁業調整委員会又は連合海区漁業調整委員会の指示は、抵触する範囲においてその効力を有しない。
3
農林水産大臣は、広域漁業調整委員会に対し、
第1項の指示について必要な指示をすることができる。
第72条
【漁場又は漁具の標識】
都道府県知事は、漁業者、漁業協同組合又は漁業協同組合連合会に対して、漁場の標識の建設又は漁具の標識の設置を命ずることができる。
第73条
【公共の用に供しない水面】
公共の用に供しない水面であつて公共の用に供する水面又は
第4条の水面に通ずるものには、命令をもつて
第65条(漁業調整に関する命令)の規定及びこれに係る罰則を適用することができる。
第74条
【漁業監督公務員】
1
農林水産大臣又は都道府県知事は、所部の職員の中から漁業監督官又は漁業監督吏員を命じ、漁業に関する法令の励行に関する事務をつかさどらせる。
2
漁業監督官の資格について必要な事項は、政令で定める。
3
漁業監督官又は漁業監督吏員は、必要があると認めるときは、漁場、船舶、事業場、事務所、倉庫等に臨んでその状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査し、又は関係者に対し質問をすることができる。
4
漁業監督官又は漁業監督吏員がその職務を行う場合には、その身分を証明する証票を携帯し、要求があるときはこれを呈示しなければならない。
5
漁業監督官及び漁業監督吏員であつてその所属する官公署の長がその者の主たる勤務地を管轄する地方裁判所に対応する検察庁の検事正と協議をして指名したものは、漁業に関する罪に関し、
刑事訴訟法の規定による司法警察員として職務を行う。
第74条の2
【漁業監督官と漁業監督吏員の協力】
1
農林水産大臣は、捜査上特に必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、特定の事件につき、当該都道府県の漁業監督吏員を漁業監督官に協力させるべきことを求めることができる。この場合においては、当該漁業監督吏員は、捜査に必要な範囲において、農林水産大臣の指揮監督を受けるものとする。
2
都道府県知事は、捜査上特に必要があると認めるときは、農林水産大臣に対し、特定の事件につき、漁業監督官の協力を申請することができる。この場合においては、農林水産大臣は、適当と認めるときは、当該漁業監督官を協力させるものとする。
第74条の3
【漁業監督吏員と都道府県の区域】
漁業監督吏員は、
前条に規定する場合のほか、捜査のため必要がある場合において、農林水産大臣の許可を受けたときは、当該都道府県の区域外においても、その職務を行うことができる。
第74条の4
【都道府県が処理する事務】
この章に規定する農林水産大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。
第82条
【漁業調整委員会】
1
漁業調整委員会は、海区漁業調整委員会、連合海区漁業調整委員会及び広域漁業調整委員会とする。
2
海区漁業調整委員会は都道府県知事の監督に、連合海区漁業調整委員会はその設置された海区を管轄する都道府県知事の監督に、広域漁業調整委員会は農林水産大臣の監督に属する。
第83条
【所掌事項】
漁業調整委員会は、その設置された海区又は海域の区域内における漁業に関する事項を処理する。
第84条
【設置】
1
海区漁業調整委員会は、海面(農林水産大臣が指定する湖沼を含む。
第118条第2項において同じ。)につき農林水産大臣が定める海区に置く。
2
農林水産大臣は、
前項の規定により湖沼を指定し、又は海区を定めたときは、これを公示する。
第85条
【構成】
2
海区漁業調整委員会に会長を置く。会長は、委員が互選する。但し、委員が会長を互選することができないときは、都道府県知事が
第3項第2号の委員の中からこれを選任する。
3
委員は、次に掲げる者をもつて充てる。
①
次条の規定により選挙権を有する者が
同条の規定により被選挙権を有する者につき選挙した者九人(農林水産大臣が指定する海区に設置される海区漁業調整委員会にあつては、六人)
②
学識経験がある者及び海区内の公益を代表すると認められる者の中から都道府県知事が選任した者六人(
前号に規定する海区漁業調整委員会にあつては、四人)
4
都道府県知事は、専門の事項を調査審議させるために必要があると認めるときは、委員会に専門委員を置くことができる。
5
専門委員は、学識経験がある者の中から、都道府県知事が選任する。
6
委員会には、書記又は補助員を置くことができる。
第86条
【選挙権及び被選挙権】
1
海区漁業調整委員会が設置される海区に沿う市町村(海に沿わない市町村であつて、当該海区において漁業を営み又はこれに従事する者が相当数その区域内に住所又は事業場を有している等特別の事由によつて農林水産大臣が指定したものを含む。)の区域内に住所又は事業場を有する者であつて、一年に九十日以上、漁船を使用する漁業を営み又は漁業者のために漁船を使用して行う水産動植物の採捕若しくは養殖に従事するものは、海区漁業調整委員会の委員の選挙権及び被選挙権を有する。
2
都道府県知事は、当該海区の特殊な事情により、当該海区漁業調整委員会の意見をきいて、特定の漁業につき、
前項の漁業者又は漁業従事者の範囲を拡張し、又は限定することができる。
3
海区漁業調整委員会の委員又は漁業協同組合若しくは漁業協同組合連合会の役員であつてその委員又は役員に就任する際
第1項又は
前項の規定による海区漁業調整委員会の委員の選挙権及び被選挙権を有していたものは、在任中行われる選挙又は退任後最初に行われる選挙については、前二項の規定により選挙権及び被選挙権を有しない場合であつても、選挙権及び被選挙権を有するものとみなす。
第87条
【欠格者】
1
左の各号の一に該当する者は、選挙権及び被選挙権を有しない。
2
公職選挙法第3条(公職の定義)に規定する公職にある間に犯した
同法第11条第1項第4号に規定する罪により刑に処せられ、その執行を終わり又はその執行の免除を受けた者でその執行を終わり又はその執行の免除を受けた日から五年を経過したものは、当該五年を経過した日から五年間、被選挙権を有しない。
3
選挙管理委員会の委員及び職員、投票管理者、開票管理者、選挙長並びに選挙事務に関係のある地方公共団体の職員は、在職中、その関係区域内において、海区漁業調整委員会の委員の候補者となることができない。
4
裁判官、検察官、会計検査官、収税官吏、警察官及び公安委員会の委員は、在職中、海区漁業調整委員会の委員の候補者となることができない。
第88条
【選挙事務管理者】
海区漁業調整委員会の委員の選挙に関する事務は、
地方自治法第181条に規定する都道府県の選挙管理委員会が管理する。
第89条
【選挙人名簿】
1
第86条第1項の市町村の選挙管理委員会は、政令の定めるところにより、申請に基づいて、毎年九月一日現在で選挙人の選挙資格を調査し、海区漁業調整委員会選挙人名簿を調製しなければならない。
2
前項の場合において申請がないとき、又は申請に錯誤若しくは遺漏があるときは、選挙管理委員会は、職権で選挙人名簿に登載し、又は申請を補正することができる。
3
選挙人の年齢は、選挙人名簿確定の期日で算定する。
4
選挙人名簿には、選挙人の氏名及び生年月日(法人にあつては名称)並びに住所(当該地区内に住所がない場合には事業場)等を記載しなければならない。
6
選挙人名簿は、次年の十二月四日まで据えおかなければならない。ただし、市町村の選挙管理委員会は、選挙人名簿に登載されている者が死亡したときは直ちに修正するものとし、選挙人名簿に登載されている者が確定判決により修正すべきものとなつたときは直ちに修正するとともにその旨を告示しなければならない。
7
市町村の選挙管理委員会は、選挙人名簿に登載されている者が当該市町村の選挙人名簿に登載される資格を有せず、又は有しなくなつたことを知つた場合には、
前項ただし書の規定に該当する場合を除くほか、直ちに選挙人名簿にその旨の表示をしなければならない。
8
市町村の選挙管理委員会は、当該市町村と同一の海区に沿う他の市町村の選挙人名簿に登載されている者を当該市町村の選挙人名簿に登載したときは、直ちにその旨を関係のある市町村の選挙管理委員会に通知しなければならない。
第90条
【投票】
3
投票は、選挙人が自ら投票所に行き、投票用紙に候補者一人の氏名(法人にあつては名称。以下同じ。)を自書して行わなければならない。但し、法人にあつては、その指定する者が行うものとし、この場合において必要な事項は、政令で定める。
4
投票用紙には、選挙人の氏名を記載してはならない。
第91条
【投票の無効】
次に掲げる投票は、無効とする。
⑤
候補者の氏名以外の事を記載したもの。ただし、職業、身分、住所又は敬称の類を記入したものは、この限りでない。
第92条
【当選人に不足を生じた場合】
1
次に掲げる事由の一が生じた場合において、
第94条において準用する
公職選挙法第95条第1項ただし書の得票者であつて当選人とならなかつたものがあるときは、直ちに選挙会を開き、その者の中から当選人を定めなければならない。ただし、その者が選挙の期日以後において被選挙権を有しなくなつたとき、又は
第94条において準用する
同法第251条の2第1項及び
第4項の規定により当該選挙に係る
同条第1項第1号、
第3号及び
第4号に掲げる者の選挙に関する犯罪によつて当該選挙に係る選挙の行われる区域において行われる海区漁業調整委員会の委員の選挙において海区漁業調整委員会の委員の候補者となり若しくは海区漁業調整委員会の委員の候補者であることができない者となつたときは、これを当選人と定めることができない。
①
当選人が当選を辞したとき、又は死亡者であるとき。
⑤
当選人が選挙に関する犯罪により刑に処せられ当選が無効となつたとき。
2
前項各号に掲げる事由の一が生じた場合において、
前項の規定により当選人を定めることができないとき、又は
前項の規定により当選人を定めてもなおその数が不足するとき(
第85条第3項第1号の委員の任期満了前二箇月以内に当選人に不足を生じ、その不足数が委員の欠員の数とあわせて二人以下である場合を除く。)は、都道府県の選挙管理委員会は、選挙の期日を定めてこれを告示し、更に選挙を行わせなければならない。但し、同一人に関して
前項各号に掲げるその他の事由により、又は
次条第2項の規定により選挙の期日を告示したときは、この限りでない。
4
当選人がないとき、又は当選人がその選挙における委員の定数に達しないときもまた前二項に同じである。
第93条
【委員に欠員を生じた場合】
2
前項の委員に欠員を生じた場合において、
前項の規定により当選人を定めることができないとき、又は
前項の規定により当選人を定めてもなおその数が不足するとき(委員の任期満了前二箇月以内に委員に欠員を生じ、その数が当選人の不足数とあわせて二人以下である場合を除く。)は、都道府県の選挙管理委員会は、選挙の期日を定めてこれを告示し、選挙を行わせなければならない。但し、同一人に関して
前条第2項又は
第4項の規定により選挙の期日を告示したときは、この限りでない。
第95条
【兼職の禁止】
委員は、都道府県の議会の議員と兼ねることができない。
第96条
【委員の辞職の制限】
委員は、正当な事由がなければ、その職を辞することができない。
第97条
【被選挙権の喪失による委員の失職】
1
委員が被選挙権を有しない者であるときは、その職を失う。その被選挙権の有無は、委員が
第87条第1項第2号若しくは
第2項又は
第94条において準用する
公職選挙法第252条の規定に該当するため被選挙権を有しない場合を除くほか、委員会が決定する。この場合において、被選挙権を有しない旨の決定は、出席委員の三分の二以上の多数によらなければならない。
2
前項の場合においては、委員は、
第102条の規定にかかわらず、その会議に出席して自己の資格に関して弁明することはできるが、決定に加わることはできない。
3
第1項の規定による決定は、文書をもつてし、その理由をつけて本人に交付しなければならない。
4
第1項の規定による決定に不服がある者は、
前項の交付を受けた日から三十日以内に、委員会を被告として裁判所に出訴することができる。この期間は、不変期間とする。
5
委員は、
第94条において準用する
公職選挙法第15章の規定による異議の申出若しくは訴訟の提起に対する決定若しくは判決又は本条
第1項若しくは
前項の規定による決定若しくは判決が確定するまでは、その職を失わない。
第98条
【委員の任期】
2
第85条第3項第1号の委員の任期は、一般選挙の日から起算する。但し、委員の任期満了の日前に一般選挙を行つた場合においては、前任者の任期満了の日の翌日から起算する。
4
委員は、その任期が満了しても、後任の委員が就任するまでの間は、なおその職務を行う。
第99条
【委員の解職の請求】
1
選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の三分の一以上の者の連署をもつて、その代表者から、都道府県の選挙管理委員会に対し、委員の解職を請求することができる。
2
前項の選挙権を有する者とは、選挙人名簿確定の日においてこれに登載された者とし、その総数の三分の一の数は、都道府県の選挙管理委員会において、選挙人名簿確定後直ちに告示しなければならない。
3
第1項の請求があつたときは、委員会は、直ちに請求の要旨を公表し、これを選挙権を有する者の投票に付さなければならない。
4
委員は、
前項の規定による解職の投票において過半数の同意があつたときは、その職を失う。
5
政令で特別の定をするものを除く外、委員の選挙に関する規定は、
第3項の規定による解職の投票に準用する。
第101条
【委員会の会議】
1
海区漁業調整委員会は、定員の過半数にあたる委員が出席しなければ、会議を開くことができない。
2
議事は、出席委員の過半数で決する。可否同数のときは、会長の決するところによる。
4
会長は、議事録を作成し、これを縦覧に供しなければならない。
第102条
委員は、自己又は同居の親族若しくはその配偶者に関する事件については、議事にあずかることができない。但し、海区漁業調整委員会の承認があつたときは、会議に出席し、発言することができる。
第105条
【設置】
1
都道府県知事は、必要があると認めるときは、特定の目的のために、二以上の海区の区域を合した海区に連合海区漁業調整委員会を置くことができる。
2
農林水産大臣は、必要があると認めるときは、都道府県知事に対して、連合海区漁業調整委員会を設置すべきことを勧告することができる。この場合には、都道府県知事は、当該勧告を尊重しなければならない。
3
都道府県知事が
第1項の規定により連合海区漁業調整委員会を置こうとする場合において、その海区の一部が他の都道府県知事の管轄に属するときは、当該都道府県知事と協議しなければならない。
4
海区漁業調整委員会は、必要があると認めるときは、特定の目的のために、他の海区漁業調整委員会と協議して、その区域と当該他海区漁業調整委員会の区域とを合した海区に連合海区漁業調整委員会を置くことができる。
5
前項の協議がととのわないときは、海区漁業調整委員会は、これを監督する都道府県知事に対して、これに代るべき定をすべきことを申請することができる。この場合において、各海区漁業調整委員会を監督する都道府県知事が異なるときは、その協議によつて定める。
6
第3項又は
前項の協議がととのわないときは、都道府県知事は、農林水産大臣に対して、これに代るべき定をすべきことを申請することができる。
7
前二項の規定により都道府県知事又は農林水産大臣が定をしたときは、その定めるところにより協議がととのつたものとみなす。
第106条
【構成】
1
連合海区漁業調整委員会は、委員をもつて組織する。
2
委員は、その海区の区域内に設置された各海区漁業調整委員会の委員の中からその定めるところにより選出された各同数の委員をもつて充てる。但し、海区漁業調整委員会の数が
第3項の規定による委員の定数をこえる場合にあつては、各海区漁業調整委員会の委員の中から一人を選出し、その者が互選した者をもつて充てる。
3
委員の定数は、
前条第1項に規定する場合にあつては、
同条第3項に規定する場合を除き、都道府県知事が、
同条第3項に規定する場合にあつては各都道府県知事が協議して、
同条第4項に規定する場合にあつては各海区漁業調整委員会が協議して定める。
4
前条第1項の規定により連合海区漁業調整委員会を設置した都道府県知事又は
同条第4項の規定により連合海区漁業調整委員会を設置した海区漁業調整委員会を監督する都道府県知事は、必要があると認めるときは、
第2項の規定により選出される委員の外、学識経験がある者の中から、その三分の二以下の人数を限り、委員を選任することができる。
5
前項の委員の選任については、
前条第3項に規定する場合及び
同条第5項後段に規定する場合にあつては、当該都道府県知事と協議しなければならない。
6
第3項の海区漁業調整委員会の協議がととのわないときは、
前条第5項の規定を準用する。
第107条
【委員の任期及び解任】
前条第2項の規定により選出された委員の任期及び解任に関して必要な事項は、各委員の属する海区漁業調整委員会の定めるところによる。
第108条
【委員の失職】
第106条第2項の規定により選出された委員は、海区漁業調整委員会の委員でなくなつたときは、その職を失う。
第110条
【設置】
1
太平洋に太平洋広域漁業調整委員会を、日本海・九州西海域に日本海・九州西広域漁業調整委員会を、瀬戸内海に瀬戸内海広域漁業調整委員会を置く。
2
前項の規定において「太平洋」、「日本海・九州西海域」又は「瀬戸内海」とは、我が国の排他的経済水域、領海及び内水(内水面を除く。)のうち、それぞれ、太平洋の海域、日本海及び九州の西側の海域又は瀬戸内海の海域(これらに隣接する海域を含む。)で政令で定めるものをいう。
第111条
【構成】
2
太平洋広域漁業調整委員会の委員は、次に掲げる者をもつて充てる。
①
太平洋の区域内に設置された海区漁業調整委員会の委員が都道県ごとに互選した者各一人
②
太平洋の区域内において漁業を営む者の中から農林水産大臣が選任した者七人
③
学識経験がある者の中から農林水産大臣が選任した者三人
3
日本海・九州西広域漁業調整委員会の委員は、次に掲げる者をもつて充てる。
①
日本海・九州西海域の区域内に設置された海区漁業調整委員会の委員が道府県ごとに互選した者各一人
②
日本海・九州西海域の区域内において漁業を営む者の中から農林水産大臣が選任した者七人
③
学識経験がある者の中から農林水産大臣が選任した者三人
4
瀬戸内海広域漁業調整委員会の委員は、次に掲げる者をもつて充てる。
①
瀬戸内海の区域内に設置された海区漁業調整委員会の委員が府県ごとに互選した者各一人
②
学識経験がある者の中から農林水産大臣が選任した者三人
第112条
【議決の再議】
農林水産大臣は、広域漁業調整委員会の議決が法令に違反し、又は著しく不当であると認めるときは、理由を示してこれを再議に付することができる。ただし、議決があつた日から一月を経過したときは、この限りでない。
第113条
【解散命令】
1
農林水産大臣は、広域漁業調整委員会が議決を怠り、又はその議決が法令に違反し、若しくは著しく不当であると認めて水産政策審議会が請求したときは、その解散を命ずることができる。
2
前項の規定による農林水産大臣の解散命令を違法であるとしてその取消しを求める訴えは、当事者がその処分のあつたことを知つた日から一月以内に提起しなければならない。この期間は、不変期間とする。
第116条
【報告徴収等】
1
漁業調整委員会又は水産政策審議会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理するために必要があると認めるときは、漁業者、漁業従事者その他関係者に対しその出頭を求め、若しくは必要な報告を徴し、又は委員若しくは委員会若しくは審議会の事務に従事する者をして漁場、船舶、事業場若しくは事務所について所要の調査をさせることができる。
2
漁業調整委員会又は水産政策審議会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理するために必要があると認めるときは、その委員又は委員会若しくは審議会の事務に従事する者をして他人の土地に立ち入つて、測量し、検査し、又は測量若しくは検査の障害になる物を移転し、若しくは除去させることができる。
3
前項の場合には、
第39条第6項から
第12項まで(損失補償)の規定を準用する。この場合において、
同条第6項、
第10項及び
第11項中「都道府県」とあるのは「広域漁業調整委員会又は水産政策審議会にあつては国、その他の場合にあつては都道府県」と、
同条第8項中「都道府県知事が海区漁業調整委員会」とあるのは「広域漁業調整委員会又は水産政策審議会にあつては農林水産大臣がその委員会又は審議会の意見を聴き、その他の場合にあつては都道府県知事が海区漁業調整委員会」と読み替えるものとする。
第117条
【広域漁業調整委員会等に対する農林水産大臣の監督】
農林水産大臣は、広域漁業調整委員会及び水産政策審議会に対し、監督上必要な命令又は処分をすることができる。
第118条
【漁業調整委員会の費用】
1
国は、漁業調整委員会(広域漁業調整委員会を除く。
次項において同じ。)に関する費用の財源に充てるため、都道府県に対し、交付金を交付する。
2
農林水産大臣は、
前項の規定による都道府県への交付金の交付については、各都道府県の海区の数、海面において漁業を営む者の数及び海岸線の長さを基礎とし、海面の利用の状況その他の各都道府県における漁業調整委員会の運営に関する特別の事情を考慮して政令で定める基準に従つて決定しなければならない。
第119条
【委任規定】
この章に規定するもののほか、漁業調整委員会に関して必要な事項は、政令で定める。
第120条
【土地の使用及び立入等】
漁業者、漁業協同組合又は漁業協同組合連合会は、左に掲げる目的のために必要があるときは、都道府県知事の許可を受けて、他人の土地を使用し、又は立木竹若しくは土石の除去を制限することができる。この場合において、都道府県知事は、当該土地、立木竹又は土石につき所有権その他の権利を有する者にその旨を通知し、且つ、公告するものとする。
②
魚見若しくは漁業に関する信号又はこれに必要な設備の建設
第121条
漁業者は、必要があるときは、都道府県知事の許可を受けて、特別の用途のない他人の土地に立ち入つて漁業を営むことができる。
第122条
漁業に関する測量、実地調査又は前二条の目的のために必要があるときは、都道府県知事の許可を受けて、他人の土地に立ち入り、又は支障となる木竹を伐採し、その他障害物を除去することができる。
第123条
1
前三条の行為をする者は、あらかじめその旨を土地の所有者又は占有者に通知し、且つ、これによつて生じた損失を補償しなければならない。
第124条
【土地及び土地の定着物の使用】
1
漁業者、漁業協同組合又は漁業協同組合連合会は、土地又は土地の定着物が海草乾場、船揚場、漁舎その他漁業上の施設として利用することが必要且つ適当であつて他のものをもつて代えることが著しく困難であるときは、都道府県知事の認可を受けて、当該土地又は当該定着物の所有者その他これに関して権利を有する者に対し、これを使用する権利(以下「使用権」という。)の設定に関する協議を求めることができる。
2
前項の認可の申請があつたときは、都道府県知事は、
同項の土地又は土地の定着物の所有者その他これに関して権利を有する者、
同項の認可を受けようとする者及び海区漁業調整委員会の意見をきかなければならない。
3
都道府県知事は、
第1項の認可をしたときは、その旨を土地又は土地の定着物の所有者その他これに関して権利を有する者に通知しなければならない。
4
前項の通知を受けた後は、土地又は土地の定着物の所有者その他これに関して権利を有する者は、
第1項の協議がととのうまでは、使用の目的たる漁業に支障を及ぼす虞がない場合を除き、都道府県知事の許可を受けなければ、当該土地の形質を変更し、又は当該定着物を損壊し、若しくは収去することができない。但し、その協議がととのわない場合において、
第125条第1項但書の期間内に
同項の裁決の申請がないときは、この限りでない。
5
前項の許可の申請があつたときは、都道府県知事は、海区漁業調整委員会の意見をきかなければならない。
第125条
【使用権設定の裁定】
1
前条第1項の場合において、協議がととのわず、又は協議をすることができないときは、
同項の認可を受けた者は、使用権の設定に関する海区漁業調整委員会の裁定を申請することができる。但し、
同項の認可を受けた日から二箇月を経過したときは、この限りでない。
2
前項の規定による裁定の申請があつたときは、海区漁業調整委員会は、当該申請に係る土地又は土地の定着物の所有者その他これに関して権利を有する者にその旨を通知し、且つ、これを公示しなければならない。
3
第1項の規定による裁定の申請に係る土地又は土地の定着物の所有者その他これに関して権利を有する者は、
前項の公示の日から二週間以内に海区漁業調整委員会に意見書を差し出すことができる。
4
裁定の申請に係る土地又は土地の定着物の所有者は、
前項の意見書において、海区漁業調整委員会に対し、当該土地若しくは当該定着物の使用が三箇年以上にわたり、又は当該土地若しくは当該定着物の形質の変更を来すような使用権の設定をすべき旨の裁定をしようとする場合には、これに代えて、当該土地又は当該定着物を買い取るべき旨の裁定をすべきことを申請することができる。
5
裁定の申請に係る土地の上に定着物を有する者は、
第3項の意見書において、海区漁業調整委員会に対し、使用権を設定すべき旨の裁定をしようとする場合には当該工作物の移転料に関する裁定をすべきことを申請することができる。但し、当該工作物が
前条第3項の通知があつた後に設置されたものであるときは、この限りでない。
6
海区漁業調整委員会は、
第3項の期間を経過した後に審議を開始しなければならない。
7
裁定は、その申請の範囲をこえることができない。
8
海区漁業調整委員会は、土地若しくは土地の定着物の使用が三箇年以上にわたり、又は土地若しくは土地の定着物の形質の変更を来すような使用権の設定をすべき旨の裁定をしようとする場合において
第4項の申請があつたときは、これに代えて、当該土地又は当該定着物を買い取るべき旨の裁定をしなければならない。
9
海区漁業調整委員会は、使用権を設定すべき旨の裁定をしようとする場合において
第5項の申請があつたときは、当該工作物の移転料に関する裁定をしなければならない。
10
使用権を設定すべき旨の裁定又は買い取るべき旨の裁定においては、左の事項を定めなければならない。
①
使用権を設定すべき土地若しくは土地の定着物並びに設定すべき使用権の内容及び存続期間又は買い取るべき土地若しくは土地の定着物
⑤
第5項の申請があつた場合においては移転料並びにその支払方法及び時期
11
海区漁業調整委員会は、裁定をしたときは、遅滞なくその旨を当該土地又は当該定着物の所有者その他これに関して権利を有する者に通知し、且つ、これを公示しなければならない。
12
前項の公示があつたときは、裁定の定めるところにより当事者間に協議がととのつたものとみなす。
14
第1項若しくは
第4項又は
第5項の裁定において定める使用権の設定若しくは買取の対価又は移転料の額に不服がある者は、
第11項の公示の日から六月以内に訴えをもつてその増減を請求することができる。
15
前項の訴においては、申請者又は当該土地若しくは当該定着物の所有者その他これに関して権利を有する者を被告とする。
第126条
【土地及び土地の定着物の貸付契約に関する裁定】
1
漁業者、漁業協同組合又は漁業協同組合連合会が
第124条第1項に規定する土地又は土地の定着物を漁業に使用するため貸付を受けている場合において経済事情の変動その他事情の変更によりその契約の内容が適正でなくなつたと認めるときは、当事者は、海区漁業調整委員会に対して、当該貸付契約の内容の変更又は解除に関する裁定を申請することができる。
3
第1項の裁定においては、左の事項を定めなければならない。
①
変更に関する裁定の申請の場合にあつては、変更するかどうか、変更する場合はその内容及び変更の時期
②
解除に関する裁定の申請の場合にあつては、解除するかどうか、解除する場合は解除の時期
第127条
【内水面における第五種共同漁業の免許】
内水面における第五種共同漁業は、当該内水面が水産動植物の増殖に適しており、且つ、当該漁業の免許を受けた者が当該内水面において水産動植物の増殖をする場合でなければ、免許してはならない。
第128条
1
都道府県知事は、内水面における第五種共同漁業の免許を受けた者が当該内水面における水産動植物の増殖を怠つていると認めるときは、内水面漁場管理委員会の意見をきいて増殖計画を定め、その者に対し当該計画に従つて水産動植物を増殖すべきことを命ずることができる。
2
前項の規定による命令を受けた者がその命令に従わないときは、都道府県知事は、当該漁業権を取り消さなければならない。
4
農林水産大臣は、内水面における水産動植物の保護増殖のため特に必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、
第1項の規定による命令をすべきことを指示し、又は当該命令にかかる増殖計画を変更すべきことを指示することができる。
第129条
【遊漁規則】
1
内水面における第五種共同漁業の免許を受けた者は、当該漁場の区域においてその組合員以外の者のする水産動植物の採捕(以下「遊漁」という。)について制限をしようとするときは、遊漁規則を定め、都道府県知事の認可を受けなければならない。
2
前項の遊漁規則(以下単に「遊漁規則」という。)には、左に掲げる事項を規定するものとする。
3
遊漁規則を変更しようとするときは、都道府県知事の認可を受けなければならない。
4
第1項又は
第3項の認可の申請があつたときは、都道府県知事は、内水面漁場管理委員会の意見をきかなければならない。
5
都道府県知事は、遊漁規則の内容が左の各号に該当するときは、認可をしなければならない。
②
遊漁料の額が当該漁業権に係る水産動植物の増殖及び漁場の管理に要する費用の額に比して妥当なものであること。
6
都道府県知事は、遊漁規則が
前項各号の一に該当しなくなつたと認めるときは、内水面漁場管理委員会の意見をきいて、その変更を命ずることができる。
7
都道府県知事は、
第1項又は
第3項の認可をしたときは、漁業権者の名称その他の農林水産省令で定める事項を公示しなければならない。
8
遊漁規則は、都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。その変更についても、同様とする。
第130条
【内水面漁場管理委員会】
2
内水面漁場管理委員会は、都道府県知事の監督に属する。
3
内水面漁場管理委員会は、当該都道府県の区域内に存する内水面における水産動植物の採捕及び増殖に関する事項を処理する。
4
この法律の規定による海区漁業調整委員会の権限は、内水面における漁業に関しては、内水面漁場管理委員会が行う。
第131条
【構成】
1
内水面漁場管理委員会は、委員をもつて組織する。
2
委員は、当該都道府県の区域内に存する内水面において漁業を営む者を代表すると認められる者、当該内水面において水産動植物の採捕をする者を代表すると認められる者及び学識経験がある者の中から都道府県知事が選任した者をもつて充てる。
3
前項の規定により選任される委員の定数は、十人とする。但し、農林水産大臣は、必要があると認めるときは、特定の内水面漁場管理委員会について別段の定数を定めることができる。
第133条
【漁業手数料】
1
この法律又はこの法律に基づく命令の規定により、 農林水産大臣に対して漁業に関して申請をする者は、農林水産省令の定めるところにより、手数料を納めなければならない。
2
前項の手数料の額は、実費を勘案して農林水産省令で定める。
第134条
【報告徴収等】
1
農林水産大臣又は都道府県知事は、漁業の免許又は許可をし、漁業調整をし、その他この法律又はこの法律に基く命令に規定する事項を処理するために必要があると認めるときは、漁業に関して必要な報告を徴し、又は当該職員をして漁場、船舶、事業場若しくは事務所に臨んでその状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2
農林水産大臣又は都道府県知事は、漁業の免許又は許可をし、漁業調整をし、その他この法律又はこの法律に基く命令に規定する事項を処理するために必要があると認めるときは、当該職員をして他人の土地に立ち入つて、測量し、検査し、又は測量若しくは検査の障害となる物を移転し、若しくは除去させることができる。
3
前二項の規定により当該職員がその職務を行う場合には、その身分を証明する証票を携帯し、要求があるときはこれを呈示しなければならない。
第135条
【不服申立ての制限】
漁業調整委員会又は内水面漁場管理委員会がした処分については、
行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
第135条の2
【不服申立てと訴訟との関係】
1
農林水産大臣又は都道府県知事が
第2章から
第4章まで(
第65条第1項又は
第2項の規定に基づく農林水産省令及び規則を含む。)の規定によつてした処分の取消しの訴えは、その処分についての異議申立て又は審査請求に対する決定又は裁決を経た後でなければ、提起することができない。
第136条
【管轄の特例】
漁場が二以上の都道府県知事の管轄に属し、又は漁場の管轄が明確でないときは、農林水産大臣は、これを管轄する都道府県知事を指定し、又は自ら都道府県知事の権限を行うことができる。
第137条の2
【提出書類の経由機関】
この法律又はこの法律に基づく命令の規定により農林水産大臣に提出する申請書その他の書類は、農林水産省令で定める手続に従い、都道府県知事を経由して提出しなければならない。
第137条の3
【事務の区分】
2
この法律の規定により市町村が処理することとされている事務のうち、次に掲げるものは、
地方自治法第2条第9項第2号に規定する
第2号法定受託事務とする。
①
海区漁業調整委員会の委員の選挙又は解職の投票に関し、市町村が処理することとされている事務
②
海区漁業調整委員会選挙人名簿に関し、市町村が処理することとされている事務
第138条
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
②
漁業権、
第36条の規定による漁業の許可又は指定漁業の許可に付けた制限又は条件に違反して漁業を営んだ者
③
定置漁業権若しくは区画漁業権の行使の停止中その漁業を営み、共同漁業権の行使の停止中その漁場において行使を停止した漁業を営み、又は指定漁業若しくは
第36条の規定により許可を受けた漁業の停止中その漁業を営んだ者
⑤
指定漁業の許可を受けた者であつて
第61条の規定に違反した者
⑥
第65条第1項の規定による禁止に違反して漁業を営み、又は
同項の規定による許可を受けないで漁業を営んだ者
第139条
第67条第11項(
第68条第4項において準用する場合を含む。)の規定に基づく命令に違反した者は、一年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
第140条
第138条又は
前条の場合においては、犯人が所有し、又は所持する漁獲物、その製品、漁船又は漁具その他水産動植物の採捕の用に供される物は、没収することができる。ただし、犯人が所有していたこれらの物件の全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴することができる。
第141条
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
①
第29条の規定に違反して漁業権を貸付けの目的とした者
②
第74条第3項の規定による漁業監督官又は漁業監督吏員の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又はその質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
④
第134条第1項の規定による報告を怠り、若しくは虚偽の報告をし、又は当該職員の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
⑤
第134条第2項の規定による当該職員の測量、検査、移転又は除去を拒み、妨げ、又は忌避した者
第143条
1
漁業権又は漁業協同組合の組合員の漁業を営む権利を侵害した者は、二十万円以下の罰金に処する。
2
前項の罪は告訴がなければ公訴を提起することができない。
第144条
次の各号の一に該当する者は、十万円以下の罰金に処する。
③
漁場若しくは漁具の標識を移転し、汚損し、又はこわした者
附則
1
この法律施行の期日は、その公布の日から起算して三箇月をこえない期間内において、政令で定める。
附則
昭和26年12月15日
この法律の施行期日は、公布の日から起算して三箇月をこえない期間内において、各規定のうち中型まき網漁業に係る部分、小型機船底びき網漁業に係る部分及び瀬戸内海機船船びき網漁業に係る部分ごとに、政令で定める。
附則
昭和26年12月17日
この法律施行の期日は、公布の日から起算して六箇月をこえない期間内において、政令で定める。
附則
昭和27年8月16日
2
公職選挙法の一部を改正する法律附則第二項から第四項までの規定は、公職選挙法の規定を準用する選挙又は投票について、準用する。
附則
昭和28年8月8日
この法律は、公布の日から施行し、昭和二十八年度分の漁業の免許料及び許可料から適用する。
附則
昭和28年8月15日
2
この法律施行前従前の法令の規定によりなされた許可、認可その他の処分又は申請、届出その他の手続は、それぞれ改正後の相当規定に基いてなされた処分又は手続とみなす。
附則
昭和29年6月8日
(施行期日)
この法律中、第五十三条の規定は、交通事件即決裁判手続法の施行の日から、その他の部分は、警察法(同法附則第一項但書に係る部分を除く。)の施行の日から施行する。
附則
昭和29年6月10日
この法律は、公布の日から起算して三月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
昭和30年1月28日
この法律は、昭和三十年三月一日から施行する。但し、衆議院議員の選挙に関しては、同日前に総選挙の公示がなされたときは、第二条の規定は当該総選挙の公示の日から、第四条及び附則第五項の規定は当該総選挙から施行する。
3
改正前の公職選挙法又は従前の地方自治法、漁業法、農業委員会等に関する法律若しくは町村合併促進法の規定により行われた選挙又は投票に関してした行為及び附則第一項本文又は同法但書に規定するこの法律の施行の前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
4
改正前の公職選挙法又は従前の地方自治法、漁業法、農業委員会等に関する法律若しくは町村合併促進法の規定により行われた選挙又は投票に関する異議の申立、訴願及び訴訟については、なお従前の例による。
附則
昭和31年3月15日
この法律は、昭和三十一年三月十五日から施行し、第六十八条の改正規定及び第八十七条の二の規定を加える改正規定は、この法律施行後に都道府県知事又は市長の職の退職を申し出た者につき適用する。
4
この法律施行前にした行為及び第二項の規定により従前の例により行われる選挙に関してした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和31年6月12日
この法律は、地方自治法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。
附則
昭和33年4月22日
(施行期日)
4
この法律施行前にした行為及び前項の規定により従前の例により行われる選挙に関してした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和36年6月13日
この法律は、公布の日から起算して十日を経過した日から施行する。
附則
昭和37年5月16日
2
この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。
3
この法律の施行の際現に係属している訴訟については、当該訴訟を提起することができない旨を定めるこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。
4
この法律の施行の際現に係属している訴訟の管轄については、当該管轄を専属管轄とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。
5
この法律の施行の際現にこの法律による改正前の規定による出訴期間が進行している処分又は裁決に関する訴訟の出訴期間については、なお従前の例による。ただし、この法律による改正後の規定による出訴期間がこの法律による改正前の規定による出訴期間より短い場合に限る。
6
この法律の施行前にされた処分又は裁決に関する当事者訴訟で、この法律による改正により出訴期間が定められることとなつたものについての出訴期間は、この法律の施行の日から起算する。
7
この法律の施行の際現に係属している処分又は裁決の取消しの訴えについては、当該法律関係の当事者の一方を被告とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。ただし、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもつて、当該訴訟を当事者訴訟に変更することを許すことができる。
8
前項ただし書の場合には、行政事件訴訟法第十八条後段及び第二十一条第二項から第五項までの規定を準用する。
附則
昭和37年9月11日
この法律は、公布の日から起算して九十日を経過した日から施行する。
附則
昭和37年9月11日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して九月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第六十七条第三項、第八十二条第二項、第八十五条第三項、第八十八条、第九十二条第二項、第九十八条第一項、第百六条第四項、第百九条、第百十条、第百十一条、第百十三条、第百十六条第三項及び第百十七条の改正規定並びに附則第七条第一項から第六項まで及び附則第十二条の規定は昭和三十七年十月一日から、附則第七条第七項の規定は、公布の日から施行する。
第2条
(経過的措置)
この法律の施行の際現に存する漁業権及びこれについて現に存し又は新たに設定される入漁権については、当該漁業権又は入漁権の存続期間中は、なお従前の例による。
第4条
1
改正前の漁業法(以下「旧法」という。)第五十二条第一項の規定により若しくは旧法第六十五条第一項の規定に基づく省令の規定により又は旧法第六十六条の二第一項の規定により主務大臣又は都道府県知事の許可を要する漁業のうち改正後の漁業法(以下「新法」という。)第五十二条第一項の指定漁業となつたもの(以下「切替指定漁業」という。)についてした許可又は起業の認可であつてこの法律の施行の際現に効力を有するものは、それぞれ新法第五十二条第一項又は第五十四条第一項の規定によりしたものとみなす。この場合において、母船式漁業の許可にあつては、この法律の施行の際現にその漁業に使用することについて主務大臣の承認を受けている母船及び独航船等は、母船についてはこれと同一の船団に属する独航船等を、独航船等についてはこれと同一の船団に属する母船をそれぞれ指定してその許可を受けたものとみなす。
2
前項の規定により新法第五十二条第一項の規定によりしたものとみなされる許可の有効期間は、新法第六十条の規定にかかわらず、切替指定漁業ごとに、この法律の施行の日から五年をこえない範囲内において、かつ、その残存期間の最も長い許可の有効期間の満了日以後において政令で定める日に満了するものとする。
3
旧法第六十五条第一項の規定に基づく都道府県規制により都道府県知事がした小型さけ・ます流し網漁業の許可であつてこの法律の施行の際現に効力を有するものは、その有効期間の満了日までは、新法第六十六条第一項の規定によりしたものとみなす。
第6条
附則第四条に規定するもののほか、旧法又はこれに基づく省令の規定により主務大臣又は都道府県知事のした処分で新法又はこれに基づく省令に相当する規定があるものは、それぞれその相当する規定によつてしたものとみなす。
第9条
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和37年9月15日
2
この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。
3
この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。
4
前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。
5
第三項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
6
この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかつたものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。
8
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
9
前八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附則
昭和41年6月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して八月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
第17条
(争訟に関する経過措置)
この法律の施行の際、選挙人名簿に関し、現に選挙管理委員会に係属している異議の申出若しくは審査の申立て又は裁判所に係属している訴訟については、なお従前の例による。
附則
昭和46年12月31日
(施行期日)
この法律は、琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の効力発生の日から施行する。
附則
昭和50年7月15日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第2条
(適用区分)
この法律による改正後の公職選挙法(以下「新法」という。)第三十四条第四項、第九十二条、第百七条、第百九条、第百三十九条、第百四十一条第三項及び第四項、第百四十二条(第九項を除く。)、第百四十三条第十三項、第百四十八条第二項、第百四十九条第二項、第百七十七条、第百九十七条の二第一項及び第二項、第二百一条の十四第一項及び第三項、第二百一条の十五、第二百十条、第二百十一条、第二百十七条、第二百十九条、第二百二十条第二項、第二百五十一条の四、第二百五十四条の二並びに第二百六十三条第五号の四、第六号、第六号の二及び第十三号並びにこの法律のよる改正後の漁業法第九十四条第一項、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律第三条及び第十一条並びに農業委員会等に関する法律第十一条の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後その選挙の期日を公示され又は告示された選挙について適用し、施行日の前日までにその選挙の期日を公示され又は告示された選挙については、なお従前の例による。
附則
昭和53年4月24日
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、第一条中不動産の鑑定評価に関する法律第十一条第一項の改正規定、第二条、第三条、第五条及び第六条の規定、第十九条中特許法第百七条第一項の改正規定、第二十条中実用新案法第三十一条第一項の改正規定、第二十一条中意匠法第四十二条第一項及び第二項の改正規定、第二十二条中商標法第四十条第一項及び第二項の改正規定、第二十八条中通訳案内業法第五条第二項の改正規定並びに第二十九条及び第三十条の規定は、昭和五十三年五月一日から施行する。
附則
昭和53年7月5日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
昭和54年3月30日
1
この法律は、民事執行法の施行の日(昭和五十五年十月一日)から施行する。
2
この法律の施行前に申し立てられた民事執行、企業担保権の実行及び破産の事件については、なお従前の例による。
3
前項の事件に関し執行官が受ける手数料及び支払又は償還を受ける費用の額については、同項の規定にかかわらず、最高裁判所規則の定めるところによる。
附則
昭和56年4月7日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第2条
(適用区分)
この法律による改正後の公職選挙法(以下「新法」という。)第二十二条第二項、第百三十一条第四項、第百六十四条の六第三項、第二百一条の五第一項、第二百一条の六第一項、第二百一条の八第一項、第二百一条の九第一項、第二百一条の十二第四項及び第二百五十一条の二並びにこの法律による改正後の漁業法第九十四条第一項及び農業委員会等に関する法律第十一条の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後その選挙の期日を公示され又は告示された選挙について適用し、施行日の前日までにその選挙の期日を公示され又は告示された選挙については、なお従前の例による。
附則
昭和57年8月24日
第12条
(適用区分等)
この法律による改正後の最高裁判所裁判官国民審査法第四十九条並びに漁業法第九十四条第一項及び農業委員会等に関する法律第十一条の規定は、この法律の施行の日後に行われる投票又は同日後その期日を告示される選挙について適用し、同日までに行われた投票又は同日までにその期日を告示された選挙については、なお従前の例による。
第14条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為及び附則第十二条においてなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
昭和58年6月11日
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
附則
昭和59年5月1日
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
附則
昭和63年12月13日
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成5年11月12日
第2条
(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第9条
(漁業法の一部改正に伴う経過措置)
第百五十七条の規定の施行前に、同条の規定による改正前の漁業法第三十四条第四項(同法第三十六条第三項及び第三十八条第五項(同法第三十六条第三項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定による通知がされた場合においては、当該通知に係る漁業権及び休業中の漁業許可の制限又は条件の付加及び取消しの手続に関しては、第百五十七条の規定による改正後の同法の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第13条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第14条
(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。
第15条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成6年2月4日
第1条
(施行期日)
この法律は、この法律による改正後の公職選挙法第十三条第一項に規定する法律の施行の日から施行する。
附則
平成6年2月4日
第1条
(施行期日)
この法律は、公職選挙法の一部を改正する法律の施行の日の属する年の翌年の一月一日から施行する。
附則
平成6年11月25日
第1条
(施行期日)
この法律は、公職選挙法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。
附則
平成7年5月12日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
附則
平成10年5月6日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成11年5月14日
第1条
(施行期日)
この法律は、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報公開法」という。)の施行の日から施行する。
附則
平成11年7月16日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第80条
(漁業法の一部改正に伴う経過措置)
施行日前に第二百四十九条の規定による改正前の漁業法第三十九条第一項の規定によりした処分又は同法第百十六条第二項(同法第百三十二条において準用する場合を含む。)若しくは第百三十四条第二項の規定によりした行為に係る損失の補償に関しては、なお従前の例による。この場合において、同法第百十六条第三項中「中央漁業調整審議会」とあるのは、「水産政策審議会」とする。
第159条
(国等の事務)
この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
第160条
(処分、申請等に関する経過措置)
1
この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
2
この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
第161条
(不服申立てに関する経過措置)
1
施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
2
前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
第162条
(手数料に関する経過措置)
施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。
第163条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第164条
(その他の経過措置の政令への委任)
1
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
2
附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。
第250条
(検討)
新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第251条
政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第252条
政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成11年7月16日
第1条
(施行期日)
この法律は、内閣法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第3条
(職員の身分引継ぎ)
この法律の施行の際現に従前の総理府、法務省、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省又は自治省(以下この条において「従前の府省」という。)の職員(国家行政組織法第八条の審議会等の会長又は委員長及び委員、中央防災会議の委員、日本工業標準調査会の会長及び委員並びに これらに類する者として政令で定めるものを除く。)である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもって、この法律の施行後の内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省若しくは環境省(以下この条において「新府省」という。)又はこれに置かれる部局若しくは機関のうち、この法律の施行の際現に当該職員が属する従前の府省又はこれに置かれる部局若しくは機関の相当の新府省又はこれに置かれる部局若しくは機関として政令で定めるものの相当の職員となるものとする。
第30条
(別に定める経過措置)
第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。
附則
平成11年8月13日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。ただし、第四十九条に一項を加える改正規定、第二百五十五条に一項を加える改正規定並びに第二百六十三条第四号、第二百六十九条の二、第二百七十条第二項及び第二百七十条の二の改正規定並びに次条第二項、附則第四条中漁業法第九十四条第一項の表以外部分の改正規定、附則第六条及び附則第七条中農業委員会等に関する法律第十一条の表以外の部分の改正規定(「第四十六条の二」の下に「、第四十九条第三項」を、「第二百五十二条の三」の下に「、第二百五十五条第三項」を加える部分に限る。)は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第5条
(漁業法の一部改正に伴う経過措置)
前条の規定による改正後の漁業法の規定は、施行日以後にした行為により刑に処せられた者について適用し、施行日前にした行為により刑に処せられた者については、なお従前の例による。
附則
平成11年12月22日
第1条
(施行期日)
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。
附則
平成12年5月31日
1
この法律は、商法等の一部を改正する法律の施行の日から施行する。
2
この法律の施行の日が独立行政法人農林水産消費技術センター法附則第八条の規定の施行の日前である場合には、第三十一条のうち農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律第十九条の五の二、第十九条の六第一項第四号及び第二十七条の改正規定中「第二十七条」とあるのは、「第二十六条」とする。
附則
平成12年11月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
附則
平成12年11月27日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して五月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第2条
(罰則に関する経過措置)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則
平成13年6月29日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第2条
(漁業権及び入漁権に関する経過措置)
この法律の施行の際現に存する漁業権及びこれについて現に存し又は新たに設定される入漁権については、当該漁業権又は入漁権の存続期間中は、なお従前の例による。ただし、次に掲げる規定の適用については、この限りでない。
第3条
(罰則に関する経過措置)
附則第一条第二号に掲げる改正規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第4条
(政令への委任)
前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成14年12月13日
第1条
(施行期日)
この法律は、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行の日から施行する。
附則
平成15年5月30日
第1条
(施行期日)
この法律は、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の施行の日から施行する。
第4条
(その他の経過措置の政令への委任)
前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成15年6月11日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成15年7月25日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成16年5月26日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第六条第二項の改正規定、同条の次に一条を加える改正規定、第七条、第七条の二第三項、第八条第三項、第九条第七項及び第九条の三第六項の改正規定、第九十条に五項を加える改正規定、第九十一条第七項、第二百五十二条の二十六の二、第二百五十二条の二十六の七、第二百五十五条、第二百五十九条第四項及び第二百八十一条の五の改正規定並びに次条から附則第八条までの規定は、平成十七年四月一日から施行する。
附則
平成16年6月2日
第1条
(施行期日)
この法律は、破産法(次条第八項並びに附則第三条第八項、第五条第八項、第十六項及び第二十一項、第八条第三項並びに第十三条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。
第14条
(政令への委任)
附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成16年6月9日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第50条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成16年12月1日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成18年6月7日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成十九年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成18年6月14日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成18年6月23日
第1条
(施行期日)
この法律は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める日から施行する。
附則
平成19年6月6日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条中漁業法第五十七条及び第六十二条の二の改正規定、同法第六十二条の三を同法第六十二条の四とし、同法第六十二条の二の次に一条を加える改正規定並びに同法第六十三条の改正規定は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第2条
(指定漁業の許可又は起業の認可に関する経過措置)
前条ただし書に規定する規定の施行の際現に第一条の規定による改正前の漁業法(以下この条及び次条において「旧漁業法」という。)第五十二条第一項の規定による許可又は旧漁業法第五十四条第一項から第三項までの規定による起業の認可を受けている者及び前条ただし書に規定する規定の施行後に次条の規定に基づきなお従前の例により許可又は起業の認可を受けた者が前条ただし書に規定する規定の施行の日以後に第一条の規定による改正後の漁業法(以下この条及び附則第五条において「新漁業法」という。)第五十七条第一項第四号に該当することとなった場合における当該許可又は起業の認可の取消しについては、当該許可又は起業の認可の有効期間中は、新漁業法第六十二条の三第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第3条
(施行前にされた指定漁業の許可又は起業の認可の申請に関する経過措置)
附則第一条ただし書に規定する規定の施行前にされた旧漁業法第五十二条第一項の規定による許可又は旧漁業法第五十四条第一項から第三項までの規定による起業の認可の申請であって、附則第一条ただし書に規定する規定の施行の際、許可又は起業の認可をするかどうかの処分がされていないものについての農林水産大臣が行う許可又は起業の認可については、なお従前の例による。
第4条
(政令への委任)
前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
第5条
(検討)
政府は、附則第一条ただし書に規定する規定の施行後五年を経過した場合において、新漁業法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新漁業法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則
平成23年5月2日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成25年6月14日
第10条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第11条
(政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。