信託法
平成25年5月31日 改正
第2条
【定義】
7
この法律において「受益権」とは、信託行為に基づいて受託者が受益者に対し負う債務であって信託財産に属する財産の引渡しその他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権(以下「受益債権」という。)及びこれを確保するためにこの法律の規定に基づいて受託者その他の者に対し一定の行為を求めることができる権利をいう。
11
この法律において「吸収信託分割」とは、ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする他の信託の信託財産として移転することをいい、「新規信託分割」とは、ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする新たな信託の信託財産として移転することをいい、「信託の分割」とは、吸収信託分割又は新規信託分割をいう。
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参照条文
会社法施行規則第2条 金融機関の信託業務の兼営等に関する法律施行規則第15条 第31条の22 金融商品取引業等に関する内閣府令第84条 金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令第10条の2 限定責任信託登記規則第1条 国債規則第40条の2 国税徴収法第34条 国税通則法第7条の2 相続税法施行令第1条の10 総務大臣の所管に属する公益信託に係る許可及び監督に関する省令第2条 第9条 第10条 第11条 第12条 地価税法施行令第13条の2 地方税法第9条の4 登記事務委任規則第46条 特許法施行規則第26条 破産法第2条 犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令第8条 保険業法施行規則第52条の13の23 第52条の16
第3条
【信託の方法】
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参照条文
第2条 第4条 第5条 第6条 第23条 第147条 第258条 第260条 第266条 回路配置利用権等の登録に関する政令第54条 株式会社国際協力銀行法第2条 株式会社商工組合中央金庫法第21条 株式会社日本政策金融公庫法第54条 企業再建整備法施行令第1条 金融機関再建整備法第25条の4 第25条の5 金融商品取引業等に関する内閣府令第84条 第295条 金融庁組織令第11条 漁業登録令第50条 銀行法第11条 公共施設等運営権登録令第49条 公共施設等運営権登録令施行規則第36条 鉱業登録令第67条 航空機登録令第50条 国債規則第40条の5 信託業法第2条 第30条 第50条の2 第91条 信託業法施行規則第43条 第51条の2 第51条の3 第51条の4 第51条の5 第51条の6 第51条の7 第51条の9 第51条の10 信託業法施行令第12条 第15条の2 第15条の3 信託計算規則第2条 信託法施行規則第2条 第3条 第25条 信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第3条 信用金庫法第53条 第54条 信用金庫法施行規則第17条 森林組合法第14条 自動車登録令第62条 水産業協同組合法第11条 第87条 第93条 第97条 相続税法施行令第1条の11 租税特別措置法施行令第4条の7の2 第25条の8 中小企業等協同組合法第9条の8 第9条の9 長期信用銀行法第6条 著作権法施行令第35条 投資信託及び投資法人に関する法律第7条 特許登録令第57条 特許法施行規則第26条 独立行政法人住宅金融支援機構法第13条 第23条 独立行政法人都市再生機構法第36条 第38条 農業協同組合法第10条 第11条の28 農業経営基盤強化促進法第31条 農業用動産抵当登記規則第40条 農林中央金庫法第54条 犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令第6条 品種登録規則第45条 不動産登記規則第47条 不動産登記法第98条 不動産登記令第8条 保険業法施行規則第52条の14 労働金庫法第58条 第58条の2 労働金庫法施行規則第13条
第5条
【遺言信託における信託の引受けの催告】
1
第3条第2号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に信託の引受けをするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。
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参照条文
第6条
【遺言信託における裁判所による受託者の選任】
1
第3条第2号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者の指定に関する定めがないとき、又は受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、受託者を選任することができる。
第11条
【詐害信託の取消し等】
1
委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合には、受託者が債権者を害すべき事実を知っていたか否かにかかわらず、債権者は、受託者を被告として、民法第424条第1項の規定による取消しを裁判所に請求することができる。ただし、受益者が現に存する場合において、その受益者の全部又は一部が、受益者としての指定(信託行為の定めにより又は第89条第1項に規定する受益者指定権等の行使により受益者又は変更後の受益者として指定されることをいう。以下同じ。)を受けたことを知った時又は受益権を譲り受けた時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。
4
委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合において、受益者が受託者から信託財産に属する財産の給付を受けたときは、債権者は、受益者を被告として、民法第424条第1項の規定による取消しを裁判所に請求することができる。ただし、当該受益者が、受益者としての指定を受けたことを知った時又は受益権を譲り受けた時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。
5
委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合には、債権者は、受益者を被告として、その受益権を委託者に譲り渡すことを訴えをもって請求することができる。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
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参照条文
第12条
【詐害信託の否認等】
2
破産者が破産債権者を害することを知って委託者として信託をした場合には、破産管財人は、受益者を被告として、その受益権を破産財団に返還することを訴えをもって請求することができる。この場合においては、前条第4項ただし書の規定を準用する。
3
再生債務者が委託者としてした信託における民事再生法第127条第1項の規定の適用については、同項各号中「これによって利益を受けた者」とあるのは、「これによって利益を受けた受益者の全部又は一部」とする。
4
再生債務者が再生債権者を害することを知って委託者として信託をした場合には、否認権限を有する監督委員又は管財人は、受益者を被告として、その受益権を再生債務者財産(民事再生法第12条第1項第1号に規定する再生債務者財産をいう。第25条第4項において同じ。)に返還することを訴えをもって請求することができる。この場合においては、前条第4項ただし書の規定を準用する。
5
前二項の規定は、更生会社(会社更生法第2条第7項に規定する更生会社又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第169条第7項に規定する更生会社をいう。)又は更生協同組織金融機関(同法第4条第7項に規定する更生協同組織金融機関をいう。)について準用する。この場合において、第3項中「民事再生法第127条第1項」とあるのは「会社更生法第86条第1項並びに金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第57条第1項及び第223条第1項」と、「同項各号」とあるのは「これらの規定」と、前項中「再生債権者」とあるのは「更生債権者又は更生担保権者」と、「否認権限を有する監督委員又は管財人」とあるのは「管財人」と、「再生債務者財産(民事再生法第12条第1項第1号に規定する再生債務者財産をいう。第25条第4項において同じ。)」とあるのは「更生会社財産(会社更生法第2条第14項に規定する更生会社財産又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第169条第14項に規定する更生会社財産をいう。)又は更生協同組織金融機関財産(同法第4条第14項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と読み替えるものとする。
第18条
1
信託財産に属する財産と固有財産に属する財産とを識別することができなくなった場合(前条に規定する場合を除く。)には、各財産の共有持分が信託財産と固有財産とに属するものとみなす。この場合において、その共有持分の割合は、その識別することができなくなった当時における各財産の価格の割合に応ずる。
⊟
参照条文
第21条
【信託財産責任負担債務の範囲】
第22条
【信託財産に属する債権等についての相殺の制限】
1
3
信託財産責任負担債務(信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負うものに限る。)に係る債権を有する者は、当該債権をもって固有財産に属する債権に係る債務と相殺をすることができない。ただし、当該信託財産責任負担債務に係る債権を有する者が、当該債権を取得した時又は当該固有財産に属する債権に係る債務を負担した時のいずれか遅い時において、当該固有財産に属する債権が信託財産に属するものでないことを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかった場合は、この限りでない。
⊟
参照条文
第23条
【信託財産に属する財産に対する強制執行等の制限等】
1
信託財産責任負担債務に係る債権(信託財産に属する財産について生じた権利を含む。次項において同じ。)に基づく場合を除き、信託財産に属する財産に対しては、強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売(担保権の実行としてのものを除く。以下同じ。)又は国税滞納処分(その例による処分を含む。以下同じ。)をすることができない。
第25条
【信託財産と受託者の破産手続等との関係等】
6
第4項の場合には、再生計画、再生計画認可の決定又は民事再生法第235条第1項の免責の決定による信託債権(前項に規定する信託債権を除く。)に係る債務の免責又は変更は、信託財産との関係においては、その効力を主張することができない。
7
前三項の規定は、受託者が更生手続開始の決定を受けた場合について準用する。この場合において、第4項中「再生債務者財産」とあるのは「更生会社財産(会社更生法第2条第14項に規定する更生会社財産又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第169条第14項に規定する更生会社財産をいう。)又は更生協同組織金融機関財産(同法第4条第14項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と、第5項中「再生債権」とあるのは「更生債権又は更生担保権」と、前項中「再生計画、再生計画認可の決定又は民事再生法第235条第1項の免責の決定」とあるのは「更生計画又は更生計画認可の決定」と読み替えるものとする。
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参照条文
第29条
【受託者の注意義務】
2
受託者は、信託事務を処理するに当たっては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる注意をもって、これをするものとする。
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参照条文
第31条
【利益相反行為の制限】
2
第32条
1
受託者は、受託者として有する権限に基づいて信託事務の処理としてすることができる行為であってこれをしないことが受益者の利益に反するものについては、これを固有財産又は受託者の利害関係人の計算でしてはならない。
3
受託者は、第1項に規定する行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算でした場合には、受益者に対し、当該行為についての重要な事実を通知しなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
⊟
参照条文
第34条
【分別管理義務】
第37条
【帳簿等の作成等、報告及び保存の義務】
1
受託者は、信託事務に関する計算並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を明らかにするため、法務省令で定めるところにより、信託財産に係る帳簿その他の書類又は電磁的記録を作成しなければならない。
3
受託者は、前項の書類又は電磁的記録を作成したときは、その内容について受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)に報告しなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
4
受託者は、第1項の書類又は電磁的記録を作成した場合には、その作成の日から十年間(当該期間内に信託の清算の結了があったときは、その日までの間。次項において同じ。)、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。ただし、受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人。第6項ただし書において同じ。)に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。
5
受託者は、信託財産に属する財産の処分に係る契約書その他の信託事務の処理に関する書類又は電磁的記録を作成し、又は取得した場合には、その作成又は取得の日から十年間、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
6
受託者は、第2項の書類又は電磁的記録を作成した場合には、信託の清算の結了の日までの間、当該書類(当該書類に代えて電磁的記録を法務省令で定める方法により作成した場合にあっては、当該電磁的記録)又は電磁的記録(当該電磁的記録に代えて書面を作成した場合にあっては、当該書面)を保存しなければならない。ただし、その作成の日から十年間を経過した後において、受益者に対し、当該書類若しくはその写しを交付し、又は当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供したときは、この限りでない。
第40条
【受託者の損失てん補責任等】
1
受託者がその任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。ただし、第2号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく困難であるとき、原状の回復をするのに過分の費用を要するとき、その他受託者に原状の回復をさせることを不適当とする特別の事情があるときは、この限りでない。
第41条
【法人である受託者の役員の連帯責任】
法人である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違反する行為につき悪意又は重大な過失があるときは、受益者に対し、当該法人と連帯して、損失のてん補又は原状の回復をする責任を負う。
第44条
【受益者による受託者の行為の差止め】
1
受託者が法令若しくは信託行為の定めに違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって信託財産に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、受益者は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
2
受託者が第33条の規定に違反する行為をし、又はこれをするおそれがある場合において、当該行為によって一部の受益者に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該受益者は、当該受託者に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
第46条
【検査役の選任】
1
受託者の信託事務の処理に関し、不正の行為又は法令若しくは信託行為の定めに違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、受益者は、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。
⊟
参照条文
第47条 第145条 第213条 加入者保護信託に関する命令第20条 環境大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第14条 外務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第12条 経済産業大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第2条 厚生労働大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第13条 国土交通大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第14条 財務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第12条 総務大臣の所管に属する公益信託に係る許可及び監督に関する省令第13条 内閣総理大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する内閣府令第12条 農林水産大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第14条 法務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第13条 防衛大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第13条 文部科学大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第14条
第47条
1
前条第2項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、受託者に対し、信託事務の処理の状況並びに信託財産に属する財産及び信託財産責任負担債務の状況について報告を求め、又は当該信託に係る帳簿、書類その他の物件を調査することができる。
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参照条文
第48条
【信託財産からの費用等の償還等】
1
受託者は、信託事務を処理するのに必要と認められる費用を固有財産から支出した場合には、信託財産から当該費用及び支出の日以後におけるその利息(以下「費用等」という。)の償還を受けることができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
3
受託者は、前項本文の規定により信託財産から費用の前払を受けるには、受益者に対し、前払を受ける額及びその算定根拠を通知しなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
第49条
【費用等の償還等の方法】
2
前項に規定する場合において、必要があるときは、受託者は、信託財産に属する財産(当該財産を処分することにより信託の目的を達成することができないこととなるものを除く。)を処分することができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
6
各債権者(信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者に限る。以下この項及び次項において同じ。)の共同の利益のためにされた信託財産に属する財産の保存、清算又は配当に関する費用等について第1項の規定により受託者が有する権利は、第4項の強制執行又は担保権の実行の手続において、他の債権者(当該費用等がすべての債権者に有益でなかった場合にあっては、当該費用等によって利益を受けていないものを除く。)の権利に優先する。この場合においては、その順位は、民法第307条第1項に規定する先取特権と同順位とする。
第51条
【費用等の償還等と同時履行】
受託者は、第49条第1項の規定により受託者が有する権利が消滅するまでは、受益者又は第182条第1項第2号に規定する帰属権利者に対する信託財産に係る給付をすべき債務の履行を拒むことができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
第53条
【信託財産からの損害の賠償】
第54条
【受託者の信託報酬】
1
受託者は、信託の引受けについて商法第512条の規定の適用がある場合のほか、信託行為に受託者が信託財産から信託報酬(信託事務の処理の対価として受託者の受ける財産上の利益をいう。以下同じ。)を受ける旨の定めがある場合に限り、信託財産から信託報酬を受けることができる。
第55条
【受託者による担保権の実行】
第56条
【受託者の任務の終了事由】
2
受託者である法人が合併をした場合における合併後存続する法人又は合併により設立する法人は、受託者の任務を引き継ぐものとする。受託者である法人が分割をした場合における分割により受託者としての権利義務を承継する法人も、同様とする。
7
前二項の規定は、受託者が更生手続開始の決定を受けた場合について準用する。この場合において、前項中「管財人があるとき」とあるのは、「管財人があるとき(会社更生法第74条第2項(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第47条及び第213条において準用する場合を含む。)の期間を除く。)」と読み替えるものとする。
第57条
【受託者の辞任】
⊟
参照条文
第56条 第59条 第70条 第75条 第128条 第134条 第141条 第251条 第261条 加入者保護信託に関する命令第25条 第27条 第30条 第36条 環境大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第19条 第23条 外務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第17条 第21条 経済産業大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第2条 厚生労働大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第18条 第22条 国土交通大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第19条 第23条 財務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第18条 第22条 資産の流動化に関する法律第257条 総務大臣の所管に属する公益信託に係る許可及び監督に関する省令第18条 第22条 担保付社債信託法第50条 担保付社債信託法施行規則第19条 内閣総理大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する内閣府令第17条 第21条 農水産業協同組合貯金保険法第115条 農林水産大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第19条 第23条 法務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第18条 第22条 防衛大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第18条 第22条 文部科学大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第19条 第23条 預金保険法第132条
第58条
【受託者の解任】
⊟
参照条文
第56条 第70条 第128条 第134条 第141条 第215条 第246条 第251条 第261条 加入者保護信託に関する命令第21条 第26条 第28条 第31条 環境大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第15条 第20条 第24条 外務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第13条 第18条 第22条 経済産業大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第2条 公益信託ニ関スル法律第8条 厚生労働大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第14条 第19条 第23条 国土交通大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第15条 第20条 第24条 財務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第13条 第19条 第23条 信託業法第49条 信託業法施行令第20条 総務大臣の所管に属する公益信託に係る許可及び監督に関する省令第14条 第19条 第23条 担保付社債信託法第51条 第52条 担保付社債信託法施行規則第19条 内閣総理大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する内閣府令第13条 第18条 第22条 農林水産大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第15条 第20条 第24条 法務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第14条 第19条 第23条 防衛大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第14条 第19条 第23条 文部科学大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第15条 第20条 第24条
第59条
【前受託者の通知及び保管の義務等】
1
第56条第1項第3号から第7号までに掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、受託者であった者(以下「前受託者」という。)は、受益者に対し、その旨を通知しなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
2
第56条第1項第3号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、破産管財人に対し、信託財産に属する財産の内容及び所在、信託財産責任負担債務の内容その他の法務省令で定める事項を通知しなければならない。
3
第56条第1項第4号から第7号までに掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、新たな受託者(第64条第1項の規定により信託財産管理者が選任された場合にあっては、信託財産管理者。以下この節において「新受託者等」という。)が信託事務の処理をすることができるに至るまで、引き続き信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その義務を加重することができる。
4
前項の規定にかかわらず、第56条第1項第5号に掲げる事由(第57条第1項の規定によるものに限る。)により受託者の任務が終了した場合には、前受託者は、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至るまで、引き続き受託者としての権利義務を有する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。
第60条
【前受託者の相続人等の通知及び保管の義務等】
1
第56条第1項第1号又は第2号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、前受託者の相続人(法定代理人が現に存する場合にあっては、その法定代理人)又は成年後見人若しくは保佐人(以下この節において「前受託者の相続人等」と総称する。)がその事実を知っているときは、前受託者の相続人等は、知れている受益者に対し、これを通知しなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
2
第56条第1項第1号又は第2号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、前受託者の相続人等は、新受託者等又は信託財産法人管理人が信託事務の処理をすることができるに至るまで、信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。
3
前項の場合において、前受託者の相続人等が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、これらの者に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。ただし、新受託者等又は信託財産法人管理人が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。
4
第56条第1項第3号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、破産管財人は、新受託者等が信託事務を処理することができるに至るまで、信託財産に属する財産の保管をし、かつ、信託事務の引継ぎに必要な行為をしなければならない。
5
前項の場合において、破産管財人が信託財産に属する財産の処分をしようとするときは、受益者は、破産管財人に対し、当該財産の処分をやめることを請求することができる。ただし、新受託者等が信託事務の処理をすることができるに至った後は、この限りでない。
第62条
1
第56条第1項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、信託行為に新たな受託者(以下「新受託者」という。)に関する定めがないとき、又は信託行為の定めにより新受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、委託者及び受益者は、その合意により、新受託者を選任することができる。
2
第56条第1項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、信託行為に新受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、新受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。
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参照条文
第92条 第129条 第135条 第142条 第215条 第236条 第243条 第261条 加入者保護信託に関する命令第22条 第29条 第32条 環境大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第16条 第25条 外務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第14条 第23条 経済産業大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第2条 厚生労働大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第15条 第24条 国土交通大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第16条 第25条 財務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第15条 第24条 社債、株式等の振替に関する法律施行令第8条 信託業法第49条 信託業法施行令第20条 総務大臣の所管に属する公益信託に係る許可及び監督に関する省令第15条 第24条 担保付社債信託法第52条 地球温暖化対策の推進に関する法律施行令第9条 内閣総理大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する内閣府令第14条 第23条 農林水産大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第16条 第25条 法務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第15条 第24条 防衛大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第15条 第24条 文部科学大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第16条 第25条
第63条
【信託財産管理命令】
1
第56条第1項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、新受託者が選任されておらず、かつ、必要があると認めるときは、新受託者が選任されるまでの間、裁判所は、利害関係人の申立てにより、信託財産管理者による管理を命ずる処分(以下この款において「信託財産管理命令」という。)をすることができる。
⊟
参照条文
第74条 第215条 加入者保護信託に関する命令第23条 環境大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第17条 外務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第15条 経済産業大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第2条 厚生労働大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第16条 国土交通大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第17条 財務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第16条 信託業法第49条 信託業法施行令第20条 信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第5条 第6条 総務大臣の所管に属する公益信託に係る許可及び監督に関する省令第16条 担保付社債信託法第52条 内閣総理大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する内閣府令第15条 農林水産大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第17条 法務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第16条 防衛大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第16条 文部科学大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第17条
第64条
【信託財産管理者の選任等】
5
信託財産管理命令があった場合において、信託財産に属する権利で登記又は登録がされたものがあることを知ったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、信託財産管理命令の登記又は登録を嘱託しなければならない。
第66条
【信託財産管理者の権限】
⊟
参照条文
第73条 第74条 加入者保護信託に関する命令第24条 第36条 環境大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第18条 外務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第16条 経済産業大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第2条 厚生労働大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第17条 国土交通大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第18条 財務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第17条 信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第6条 総務大臣の所管に属する公益信託に係る許可及び監督に関する省令第17条 内閣総理大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する内閣府令第16条 農林水産大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第18条 法務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第17条 防衛大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第17条 文部科学大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第18条
第70条
【信託財産管理者の辞任及び解任】
⊟
参照条文
第246条 加入者保護信託に関する命令第25条 第26条 第36条 環境大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第19条 第20条 外務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第17条 第18条 経済産業大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第2条 公益信託ニ関スル法律第8条 厚生労働大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第18条 第19条 国土交通大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第19条 第20条 財務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第18条 第19条 信託業法第49条 信託業法施行令第20条 総務大臣の所管に属する公益信託に係る許可及び監督に関する省令第18条 第19条 内閣総理大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する内閣府令第17条 第18条 農林水産大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第19条 第20条 法務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第18条 第19条 防衛大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第18条 第19条 文部科学大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第19条 第20条
第74条
【受託者の死亡により任務が終了した場合の信託財産の帰属等】
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参照条文
第86条 第215条 第232条 第246条 環境大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第18条 第19条 第20条 第21条 外務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第16条 第17条 第18条 第19条 経済産業大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第2条 公益信託ニ関スル法律第8条 厚生労働大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第17条 第18条 第19条 第20条 国税通則法第7条の2 国土交通大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第18条 第19条 第20条 第21条 財務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第17条 第18条 第19条 第20条 総務大臣の所管に属する公益信託に係る許可及び監督に関する省令第17条 第18条 第19条 第20条 地方税法第9条の4 内閣総理大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する内閣府令第16条 第17条 第18条 第19条 農林水産大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第18条 第19条 第20条 第21条 法務大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第17条 第18条 第19条 第20条 防衛大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する省令第17条 第18条 第19条 第20条 文部科学大臣の所管に属する公益信託の引受けの許可及び監督に関する規則第18条 第19条 第20条 第21条 会社非訟事件等手続規則第42条
第75条
【信託に関する権利義務の承継等】
1
第56条第1項各号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、新受託者が就任したときは、新受託者は、前受託者の任務が終了した時に、その時に存する信託に関する権利義務を前受託者から承継したものとみなす。
2
前項の規定にかかわらず、第56条第1項第5号に掲げる事由(第57条第1項の規定によるものに限る。)により受託者の任務が終了した場合(第59条第4項ただし書の場合を除く。)には、新受託者は、新受託者等が就任した時に、その時に存する信託に関する権利義務を前受託者から承継したものとみなす。
第77条
【前受託者による新受託者等への信託事務の引継ぎ等】
1
新受託者等が就任した場合には、前受託者は、遅滞なく、信託事務に関する計算を行い、受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはそのすべての受益者、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)に対しその承認を求めるとともに、新受託者等が信託事務の処理を行うのに必要な信託事務の引継ぎをしなければならない。
第78条
【前受託者の相続人等又は破産管財人による新受託者等への信託事務の引継ぎ等】
前条の規定は、第56条第1項第1号又は第2号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合における前受託者の相続人等及び同項第3号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合における破産管財人について準用する。
第83条
【信託事務の処理に係る債務の負担関係】
2
前項の規定にかかわらず、信託行為に受託者の職務の分掌に関する定めがある場合において、ある受託者がその定めに従い信託事務を処理するに当たって第三者に対し債務を負担したときは、他の受託者は、信託財産に属する財産のみをもってこれを履行する責任を負う。ただし、当該第三者が、その債務の負担の原因である行為の当時、当該行為が信託事務の処理としてされたこと及び受託者が二人以上ある信託であることを知っていた場合であって、信託行為に受託者の職務の分掌に関する定めがあることを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかったときは、当該他の受託者は、これをもって当該第三者に対抗することができない。
第84条
【信託財産と固有財産等とに属する共有物の分割の特例】
受託者が二人以上ある信託における第19条の規定の適用については、同条第1項中「場合には」とあるのは「場合において、当該信託財産に係る信託に受託者が二人以上あるときは」と、同項第2号中「受託者」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者」と、同項第3号中「受託者の」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者の」と、同条第2項中「受託者」とあるのは「固有財産に共有持分が属する受託者」と、同条第3項中「場合には」とあるのは「場合において、当該信託財産に係る信託又は他の信託財産に係る信託に受託者が二人以上あるときは」と、同項第3号中「受託者の」とあるのは「各信託財産の共有持分が属する受託者の」と、「受託者が決する」とあるのは「受託者の協議による」と、同条第4項中「第2号」とあるのは「第2号又は第3号」とする。
⊟
参照条文
附則