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  • 会社法

会社法

平成25年6月19日 改正
第1編
総則
第1章
通則
第1条
【趣旨】
会社の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。
第2条
【定義】
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
会社 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。
外国会社 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう。
子会社 会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。
親会社 株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。
公開会社 その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいう。
大会社 次に掲げる要件のいずれかに該当する株式会社をいう。
最終事業年度に係る貸借対照表(第439条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時株主総会に報告された貸借対照表をいい、株式会社の成立後最初の定時株主総会までの間においては、第435条第1項の貸借対照表をいう。ロにおいて同じ。)に資本金として計上した額が五億円以上であること。
最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であること。
取締役会設置会社 取締役会を置く株式会社又はこの法律の規定により取締役会を置かなければならない株式会社をいう。
会計参与設置会社 会計参与を置く株式会社をいう。
監査役設置会社 監査役を置く株式会社(その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるものを除く。)又はこの法律の規定により監査役を置かなければならない株式会社をいう。
監査役会設置会社 監査役会を置く株式会社又はこの法律の規定により監査役会を置かなければならない株式会社をいう。
会計監査人設置会社 会計監査人を置く株式会社又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない株式会社をいう。
委員会設置会社 指名委員会、監査委員会及び報酬委員会(以下「委員会」という。)を置く株式会社をいう。
種類株式発行会社 剰余金の配当その他の第108条第1項各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する株式会社をいう。
種類株主総会 種類株主(種類株式発行会社におけるある種類の株式の株主をいう。以下同じ。)の総会をいう。
社外取締役 株式会社の取締役であって、当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第363条第1項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人でなく、かつ、過去に当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったことがないものをいう。
社外監査役 株式会社の監査役であって、過去に当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったことがないものをいう。
譲渡制限株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。
取得請求権付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として株主が当該株式会社に対して当該株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。
取得条項付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件として当該株式を取得することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。
単元株式数 株式会社がその発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨の定款の定めを設けている場合における当該一定の数をいう。
21号
新株予約権 株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいう。
22号
新株予約権付社債 新株予約権を付した社債をいう。
23号
社債 この法律の規定により会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債権であって、第676条各号に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいう。
24号
最終事業年度 各事業年度に係る第435条第2項に規定する計算書類につき第438条第2項の承認(第439条前段に規定する場合にあっては、第436条第3項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。
25号
配当財産 株式会社が剰余金の配当をする場合における配当する財産をいう。
26号
組織変更 次のイ又はロに掲げる会社がその組織を変更することにより当該イ又はロに定める会社となることをいう。
株式会社 合名会社、合資会社又は合同会社
合名会社、合資会社又は合同会社 株式会社
27号
吸収合併 会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう。
28号
新設合併 二以上の会社がする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継させるものをいう。
29号
吸収分割 株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後他の会社に承継させることをいう。
30号
新設分割 一又は二以上の株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割により設立する会社に承継させることをいう。
31号
株式交換 株式会社がその発行済株式(株式会社が発行している株式をいう。以下同じ。)の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させることをいう。
32号
株式移転 一又は二以上の株式会社がその発行済株式の全部を新たに設立する株式会社に取得させることをいう。
33号
公告方法 会社(外国会社を含む。)が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。
34号
電子公告 公告方法のうち、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。
参照条文
一般振替機関の監督に関する命令第28条 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則第33条 エネルギーの使用の合理化に関する法律の規定に基づく登録建築物調査機関等に関する省令第11条 沖縄振興開発金融公庫の貸付金を借り入れた一般電気事業会社の公告手続に関する省令 会社計算規則第2条 会社更生法第77条 第173条 会社更生法施行令第4条 会社法施行規則第2条 第3条 第222条 第223条 会社法施行令第1条 会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第103条 海上運送法第39条の5 科学技術研究調査規則第4条 貸金業法施行規則第2条 第4条 第30条 割賦販売法施行規則第63条 株式会社海外需要開拓支援機構法第7条 株式会社産業再生機構法第11条 第17条の2 株式会社商工組合中央金庫法第17条 第52条 第63条 株式会社地域経済活性化支援機構法第7条 株式会社日本政策投資銀行の貸付金を借り入れた電気事業会社の公告手続に関する省令 株式会社日本政策投資銀行法第19条 第26条 株式会社農林漁業成長産業化支援機構法第6条 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法第7条 火薬類取締法施行規則第81条の11の7 外国為替に関する省令第8条 外国倒産処理手続の承認援助に関する法律第41条 額面株式の株券の無効手続に伴い作成する株券に係る印紙税の非課税に関する省令 企業内容等の開示に関する内閣府令第19条 協同組合による金融事業に関する法律施行規則第80条 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第24条 第28条 第49条 第73条 第102条 第189条 第193条 第215条 第239条 第342条 第356条の2 第358条 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律施行令第11条 金融機関の合併及び転換に関する法律第22条 金融機関の合併及び転換の手続等に関する内閣府令第1条 金融機関の信託業務の兼営等に関する法律施行規則第40条 金融機能の強化のための特別措置に関する内閣府令第3条 金融商品取引所等に関する内閣府令第47条 金融商品取引清算機関等に関する内閣府令第22条 金融商品取引法第27条の11 第27条の22の2 第29条の4 第50条の2 第139条の9 第139条の12 金融商品取引法施行令第14条 第17条 金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令第11条 技術研究組合法第16条 業務補助等に関する規則第2条 漁業協同組合等の信用事業等に関する命令第50条の4 漁業経営の改善及び再建整備に関する特別措置法第4条 漁業法第14条 銀行法第4条の2 第20条 第49条の2 銀行法施行規則第36条の2 組合等登記令第17条 経済産業省・財務省・内閣府関係株式会社商工組合中央金庫法施行規則第91条 経済産業省・財務省関係株式会社商工組合中央金庫法施行規則第15条 計量法施行規則第82条 第83条の2 人事院規則一四—一九(研究職員の株式会社の監査役との兼業)第4条 人事院規則一四—一七(研究職員の技術移転事業者の役員等との兼業)第4条 人事院規則一四—一八(研究職員の研究成果活用企業の役員等との兼業)第4条 建設業法施行規則第19条の4 建築基準法に基づく指定資格検定機関等に関する省令第18条 高圧ガス保安法に基づく指定試験機関等に関する省令第18条 高速道路株式会社法施行規則第3条 公認会計士試験規則第7条 公認会計士法施行令第1条の2 人事院規則二一—一(交流基準)第6条 小型船舶操縦士試験機関に関する省令第2条の2 産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法第21条の2 第30条の8 産業技術力強化法施行令第11条 資金決済に関する法律第61条 第66条 資金決済に関する法律施行令第20条 資産の流動化に関する法律第194条 指定定期検査機関、指定検定機関、指定計量証明検査機関及び特定計量証明認定機関の指定等に関する省令第2条の2 第10条の2 第18条の5 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第九条から第十六条までの規定による認可の申請、報告及び届出等に関する規則第1条の2 第2条の7 社債、株式等の振替に関する法律第3条 出入国管理及び難民認定法施行規則第64条 出入国管理及び難民認定法第二十条の二第二項の基準を定める省令第1条 出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の技能実習の項の下欄に規定する団体の要件を定める省令第1条 消費生活協同組合法第26条 消費生活協同組合法施行規則第119条 商品先物取引法第11条 第144条の7 商品先物取引法施行規則第58条 信託業法第5条 第50条の2 第57条 信託業法施行規則第50条 第51条の9 第53条 信託法第152条 信用金庫法第65条 信用金庫法施行規則第140条 森林組合法第8条の2 上場株式の議決権の代理行使の勧誘に関する内閣府令第1条 第2条 水産業協同組合法第101条 船主相互保険組合法第55条 総合特別区域法施行規則第1条 租税特別措置法第70条の7 第70条の7の2 第70条の7の4 第70条の8の2 租税特別措置法施行令第40条の8 第40条の8の2 第40条の8の3 対内直接投資等に関する政令第3条 対内直接投資等に関する命令第3条 担保付社債信託法第59条 中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する内閣府令第3条 中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律施行令第4条 中小企業団体の組織に関する法律第48条 中小企業等協同組合法第33条 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則第1条 中小漁業融資保証法第55条 長期信用銀行法施行規則第26条の2 電子記録債権法第51条 電子公告規則第2条 第3条 電子公告に関する登記事項を定める省令 投資信託及び投資法人に関する法律第25条 第57条 第186条の2 投資信託及び投資法人に関する法律施行規則第19条 投資法人の計算に関する規則第67条 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行規則第5条 特定目的会社の計算に関する規則第2条 特定目的信託財産の計算に関する規則第9条 特定融資枠契約に関する法律第2条 特別振替機関の監督に関する命令第29条 都市再開発法第2条の2 土地区画整理法第3条 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法第9条 土壌汚染対策法に基づく指定調査機関及び指定支援法人に関する省令第2条 日本道路公団等民営化関係法施行法第2条 日本郵政株式会社法施行規則第2条 第9条 第10条 日本郵便株式会社法施行規則第7条 第14条 農業協同組合及び農業協同組合連合会の信用事業に関する命令第57条の4 農業協同組合法第74条 農業信用保証保険法第48条の3 農水産業協同組合貯金保険法第114条 農水産業協同組合に係る中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する命令第3条 農地法第2条 農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律第12条 農林中央金庫法第96条の2 農林中央金庫法施行規則第120条 破産法第83条 発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令第2条の5 第13条 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律第41条の3 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律施行規則第17条の3 第17条の4 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律施行令第32条の3 弁護士会登記令第7条 弁護士法第34条 保険業法第2条 第9条 第61条の9 第165条 第165条の3 第192条 第325条 第331条 保険業法施行規則第17条の15 第19条の4 第29条の5 防衛省と民間企業との間の交流基準を定める政令第4条 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第9条 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律施行規則第28条 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第119条 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律第37条 民事再生法第59条 民事訴訟法第3条の3 無尽業法第17条 第35条の2の5 有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第1条 郵政民営化法第36条 第45条 第49条 輸出入取引法第15条 預金保険法施行令第36条 労働金庫及び労働金庫連合会に係る中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する命令第3条 労働金庫及び労働金庫連合会の金融機能の強化のための特別措置に関する命令第25条 労働金庫法第69条 労働金庫法施行規則第122条
第3条
【法人格】
会社は、法人とする。
第4条
【住所】
会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする。
第5条
【商行為】
会社(外国会社を含む。次条第1項第8条及び第9条において同じ。)がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為は、商行為とする。
第2章
会社の商号
第6条
【商号】
会社は、その名称を商号とする。
会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。
会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
第7条
【会社と誤認させる名称等の使用の禁止】
会社でない者は、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
参照条文
第8条
何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。
前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある会社は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
第9条
【自己の商号の使用を他人に許諾した会社の責任】
自己の商号を使用して事業又は営業を行うことを他人に許諾した会社は、当該会社が当該事業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。
第3章
会社の使用人等
第1節
会社の使用人
第10条
【支配人】
会社(外国会社を含む。以下この編において同じ。)は、支配人を選任し、その本店又は支店において、その事業を行わせることができる。
第11条
【支配人の代理権】
支配人は、会社に代わってその事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
支配人は、他の使用人を選任し、又は解任することができる。
支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
第12条
【支配人の競業の禁止】
支配人は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。
自ら営業を行うこと。
自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。
他の会社又は商人(会社を除く。第24条において同じ。)の使用人となること。
他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。
支配人が前項の規定に違反して同項第2号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって支配人又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。
第14条
【ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人】
事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する。
前項に規定する使用人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
第15条
【物品の販売等を目的とする店舗の使用人】
物品の販売等(販売、賃貸その他これらに類する行為をいう。以下この条において同じ。)を目的とする店舗の使用人は、その店舗に在る物品の販売等をする権限を有するものとみなす。ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。
第2節
会社の代理商
第16条
【通知義務】
代理商(会社のためにその平常の事業の部類に属する取引の代理又は媒介をする者で、その会社の使用人でないものをいう。以下この節において同じ。)は、取引の代理又は媒介をしたときは、遅滞なく、会社に対して、その旨の通知を発しなければならない。
第17条
【代理商の競業の禁止】
代理商は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。
自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。
会社の事業と同種の事業を行う他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。
代理商が前項の規定に違反して同項第1号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって代理商又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。
第18条
【通知を受ける権限】
物品の販売又はその媒介の委託を受けた代理商は、商法第526条第2項の通知その他の売買に関する通知を受ける権限を有する。
第19条
【契約の解除】
会社及び代理商は、契約の期間を定めなかったときは、二箇月前までに予告し、その契約を解除することができる。
前項の規定にかかわらず、やむを得ない事由があるときは、会社及び代理商は、いつでもその契約を解除することができる。
第20条
【代理商の留置権】
代理商は、取引の代理又は媒介をしたことによって生じた債権の弁済期が到来しているときは、その弁済を受けるまでは、会社のために当該代理商が占有する物又は有価証券を留置することができる。ただし、当事者が別段の意思表示をしたときは、この限りでない。
第4章
事業の譲渡をした場合の競業の禁止等
第21条
【譲渡会社の競業の禁止】
事業を譲渡した会社(以下この章において「譲渡会社」という。)は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村(東京都の特別区の存する区域及び地方自治法第252条の19第1項の指定都市にあっては、区。以下この項において同じ。)の区域内及びこれに隣接する市町村の区域内においては、その事業を譲渡した日から二十年間は、同一の事業を行ってはならない。
譲渡会社が同一の事業を行わない旨の特約をした場合には、その特約は、その事業を譲渡した日から三十年の期間内に限り、その効力を有する。
前二項の規定にかかわらず、譲渡会社は、不正の競争の目的をもって同一の事業を行ってはならない。
第22条
【譲渡会社の商号を使用した譲受会社の責任等】
事業を譲り受けた会社(以下この章において「譲受会社」という。)が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合には、その譲受会社も、譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負う。
前項の規定は、事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社がその本店の所在地において譲渡会社の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、適用しない。事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社及び譲渡会社から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者についても、同様とする。
譲受会社が第1項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、事業を譲渡した日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。
第1項に規定する場合において、譲渡会社の事業によって生じた債権について、譲受会社にした弁済は、弁済者が善意でかつ重大な過失がないときは、その効力を有する。
第23条
【譲受会社による債務の引受け】
譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用しない場合においても、譲渡会社の事業によって生じた債務を引き受ける旨の広告をしたときは、譲渡会社の債権者は、その譲受会社に対して弁済の請求をすることができる。
譲受会社が前項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、同項の広告があった日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。
第24条
【商人との間での事業の譲渡又は譲受け】
会社が商人に対してその事業を譲渡した場合には、当該会社を商法第16条第1項に規定する譲渡人とみなして、同法第17条及び第18条の規定を適用する。
会社が商人の営業を譲り受けた場合には、当該商人を譲渡会社とみなして、前二条の規定を適用する。
第2編
株式会社
第1章
設立
第1節
総則
第25条
株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。
次節から第8節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法
次節第3節第39条及び第6節から第9節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法
各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。
第2節
定款の作成
第26条
【定款の作成】
株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。
前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
第28条
株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第26条第1項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。
金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類及び種類ごとの数。第32条第1項第1号において同じ。)
株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称
株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称
株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。)
第29条
第27条各号及び前条各号に掲げる事項のほか、株式会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。
第30条
【定款の認証】
第26条第1項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。
前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第33条第7項若しくは第9項又は第37条第1項若しくは第2項の規定による場合を除き、これを変更することができない。
参照条文
第33条 第96条 会社更生法第225条 会社法施行規則第6条 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行規則第13条 株式会社海外需要開拓支援機構法第11条 第12条 株式会社地域経済活性化支援機構法第11条 第12条 株式会社農林漁業成長産業化支援機構法第10条 第11条 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法第11条 第12条 貨物自動車運送事業法施行規則第3条 気象業務法施行規則第10条 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第143条 第316条 金融商品取引法第88条の3 第102条の4 技術研究組合法第189条 行政書士法第13条の8 公証人手数料令第35条 公証人法第1条 第62条の2 公認会計士法第34条の7 公認会計士法施行規則第57条 港湾運送事業法施行規則第4条 産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法第30条の12 第30条の13 資産の流動化に関する法律第16条 第18条 司法書士法第32条 社会保険労務士法第25条の11 信用金庫法第23条 自動車ターミナル法施行規則第1条 自動車道事業規則第4条 税理士法第48条の8 鉄道事業法施行規則第2条 都市鉄道等利便増進法施行規則第11条 土地家屋調査士法第31条 道路運送法施行規則第6条 弁護士法第30条の8 弁理士法第43条 保険業法第23条 第30条の12 保険業法施行規則第20条の2 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律第41条 第42条 郵政民営化法第36条 第79条
第31条
【定款の備置き及び閲覧等】
発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)は、定款を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店及び支店)に備え置かなければならない。
発起人(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第2号又は第4号に掲げる請求をするには、発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めた費用を支払わなければならない。
定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員(親会社の株主その他の社員をいう。以下同じ。)がその権利を行使するため必要があるときは、当該親会社社員は、裁判所の許可を得て、当該株式会社の定款について前項各号に掲げる請求をすることができる。ただし、同項第2号又は第4号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。
定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における第2項第3号及び第4号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている株式会社についての第1項の規定の適用については、同項中「本店及び支店」とあるのは、「本店」とする。
第3節
出資
第32条
【設立時発行株式に関する事項の決定】
発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数
前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額
成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項
設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、前項第1号の設立時発行株式が第108条第3項前段の規定による定款の定めがあるものであるときは、発起人は、その全員の同意を得て、当該設立時発行株式の内容を定めなければならない。
第33条
【定款の記載又は記録事項に関する検査役の選任】
発起人は、定款に第28条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、第30条第1項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。
前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。
裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、成立後の株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。
第2項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。
裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第2項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。
第2項の検査役は、第4項の報告をしたときは、発起人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。
裁判所は、第4項の報告を受けた場合において、第28条各号に掲げる事項(第2項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。
発起人は、前項の決定により第28条各号に掲げる事項の全部又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。
前項に規定する場合には、発起人は、その全員の同意によって、第7項の決定の確定後一週間以内に限り、当該決定により変更された事項についての定めを廃止する定款の変更をすることができる。
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前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。
第28条第1号及び第2号の財産(以下この章において「現物出資財産等」という。)について定款に記載され、又は記録された価額の総額が五百万円を超えない場合 同条第1号及び第2号に掲げる事項
現物出資財産等のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法第2条第1項に規定する有価証券をいい、同条第2項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合 当該有価証券についての第28条第1号又は第2号に掲げる事項
現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法第16条の2第5項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合 第28条第1号又は第2号に掲げる事項(当該証明を受けた現物出資財産等に係るものに限る。)
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次に掲げる者は、前項第3号に規定する証明をすることができない。
発起人
第28条第2号の財産の譲渡人
設立時取締役(第38条第1項に規定する設立時取締役をいう。)又は設立時監査役(同条第2項第2号に規定する設立時監査役をいう。)
業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者
弁護士法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第1号から第3号までに掲げる者のいずれかに該当するもの
第34条
【出資の履行】
発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。ただし、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることを妨げない。
前項の規定による払込みは、発起人が定めた銀行等(銀行(銀行法第2条第1項に規定する銀行をいう。第703条第1号において同じ。)、信託会社(信託業法第2条第2項に規定する信託会社をいう。以下同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。
第35条
【設立時発行株式の株主となる権利の譲渡】
前条第1項の規定による払込み又は給付(以下この章において「出資の履行」という。)をすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。
第36条
【設立時発行株式の株主となる権利の喪失】
発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、当該出資の履行をしていない発起人に対して、期日を定め、その期日までに当該出資の履行をしなければならない旨を通知しなければならない。
前項の規定による通知は、同項に規定する期日の二週間前までにしなければならない。
第1項の規定による通知を受けた発起人は、同項に規定する期日までに出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより設立時発行株式の株主となる権利を失う。
第37条
【発行可能株式総数の定め等】
発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。
発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。
設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の四分の一を下ることができない。ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。
第4節
設立時役員等の選任及び解任
第38条
【設立時役員等の選任】
発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)を選任しなければならない。
次の各号に掲げる場合には、発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、当該各号に定める者を選任しなければならない。
設立しようとする株式会社が会計参与設置会社である場合 設立時会計参与(株式会社の設立に際して会計参与となる者をいう。以下同じ。)
設立しようとする株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 設立時監査役(株式会社の設立に際して監査役となる者をいう。以下同じ。)
設立しようとする株式会社が会計監査人設置会社である場合 設立時会計監査人(株式会社の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下同じ。)
定款で設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人として定められた者は、出資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人に選任されたものとみなす。
第39条
設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合には、設立時取締役は、三人以上でなければならない。
設立しようとする株式会社が監査役会設置会社である場合には、設立時監査役は、三人以上でなければならない。
第331条第1項第335条第1項において準用する場合を含む。)、第333条第1項若しくは第3項又は第337条第1項若しくは第3項の規定により成立後の株式会社の取締役、会計参与、監査役又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人(以下この節において「設立時役員等」という。)となることができない。
第40条
【設立時役員等の選任の方法】
設立時役員等の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。
前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。
前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の選任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の選任についての議決権を行使することができない。
前項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の選任について準用する。
第41条
【設立時役員等の選任の方法の特則】
前条第1項の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第108条第1項第9号に掲げる事項(取締役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役の選任は、同条第2項第9号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもって決定する。
前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。
前二項の規定は、株式会社の設立に際して第108条第1項第9号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。
第42条
【設立時役員等の解任】
発起人は、株式会社の成立の時までの間、その選任した設立時役員等(第38条第3項の規定により設立時役員等に選任されたものとみなされたものを含む。)を解任することができる。
第43条
【設立時役員等の解任の方法】
設立時役員等の解任は、発起人の議決権の過半数(設立時監査役を解任する場合にあっては、三分の二以上に当たる多数)をもって決定する。
前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。
前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。
前項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び設立時会計監査人の解任について準用する。
第44条
【設立時取締役等の解任の方法の特則】
前条第1項の規定にかかわらず、第41条第1項の規定により選任された設立時取締役の解任は、その選任に係る発起人の議決権の過半数をもって決定する。
前項の規定にかかわらず、第41条第1項の規定により又は種類創立総会(第84条に規定する種類創立総会をいう。)若しくは種類株主総会において選任された取締役を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、同項の規定により選任された設立時取締役の解任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。
前二項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。
前項の規定にかかわらず、第2項の規定により設立時取締役を解任する場合において、取締役の全部又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。
前各項の規定は、第41条第3項において準用する同条第1項の規定により選任された設立時監査役の解任について準用する。この場合において、第1項及び第2項中「過半数」とあるのは、「三分の二以上に当たる多数」と読み替えるものとする。
第45条
【設立時役員等の選任又は解任の効力についての特則】
株式会社の設立に際して第108条第1項第8号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行する場合において、当該種類の株式の内容として次の各号に掲げる事項について種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定款の定めがあるときは、当該各号に定める事項は、定款の定めに従い、第40条第1項又は第43条第1項の規定による決定のほか、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもってする決定がなければ、その効力を生じない。
取締役の全部又は一部の選任又は解任 当該取締役となる設立時取締役の選任又は解任
会計参与の全部又は一部の選任又は解任 当該会計参与となる設立時会計参与の選任又は解任
監査役の全部又は一部の選任又は解任 当該監査役となる設立時監査役の選任又は解任
会計監査人の全部又は一部の選任又は解任 当該会計監査人となる設立時会計監査人の選任又は解任
前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。
第5節
設立時取締役等による調査
第46条
設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。
第33条第10項第1号又は第2号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。
第33条第10項第3号に規定する証明が相当であること。
出資の履行が完了していること。
前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。
設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。
設立しようとする株式会社が委員会設置会社である場合には、設立時取締役は、第1項の規定による調査を終了したときはその旨を、前項の規定による通知をしたときはその旨及びその内容を、設立時代表執行役(第48条第1項第3号に規定する設立時代表執行役をいう。)に通知しなければならない。
第6節
設立時代表取締役等の選定等
第47条
【設立時代表取締役の選定等】
設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社(委員会設置会社を除く。)である場合には、設立時取締役の中から株式会社の設立に際して代表取締役(株式会社を代表する取締役をいう。以下同じ。)となる者(以下「設立時代表取締役」という。)を選定しなければならない。
設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時代表取締役を解職することができる。
前二項の規定による設立時代表取締役の選定及び解職は、設立時取締役の過半数をもって決定する。
第48条
【設立時委員の選定等】
設立しようとする株式会社が委員会設置会社である場合には、設立時取締役は、次に掲げる措置をとらなければならない。
設立時取締役の中から次に掲げる者(次項において「設立時委員」という。)を選定すること。
株式会社の設立に際して指名委員会の委員となる者
株式会社の設立に際して監査委員会の委員となる者
株式会社の設立に際して報酬委員会の委員となる者
株式会社の設立に際して執行役となる者(以下「設立時執行役」という。)を選任すること。
設立時執行役の中から株式会社の設立に際して代表執行役となる者(以下「設立時代表執行役」という。)を選定すること。ただし、設立時執行役が一人であるときは、その者が設立時代表執行役に選定されたものとする。
設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時委員若しくは設立時代表執行役を解職し、又は設立時執行役を解任することができる。
前二項の規定による措置は、設立時取締役の過半数をもって決定する。
第7節
株式会社の成立
第49条
【株式会社の成立】
株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
第50条
【株式の引受人の権利】
発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。
前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。
第51条
【引受けの無効又は取消しの制限】
民法第93条ただし書及び第94条第1項の規定は、設立時発行株式の引受けに係る意思表示については、適用しない。
発起人は、株式会社の成立後は、錯誤を理由として設立時発行株式の引受けの無効を主張し、又は詐欺若しくは強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。
第8節
発起人等の責任
第52条
【出資された財産等の価額が不足する場合の責任】
株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。
前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、発起人(第28条第1号の財産を給付した者又は同条第2号の財産の譲渡人を除く。第2号において同じ。)及び設立時取締役は、現物出資財産等について同項の義務を負わない。
第28条第1号又は第2号に掲げる事項について第33条第2項の検査役の調査を経た場合
当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合
第1項に規定する場合には、第33条第10項第3号に規定する証明をした者(以下この項において「証明者」という。)は、第1項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。
第53条
【発起人等の損害賠償責任】
発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
第54条
【発起人等の連帯責任】
発起人、設立時取締役又は設立時監査役が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の発起人、設立時取締役又は設立時監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
第55条
【責任の免除】
第52条第1項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務及び第53条第1項の規定により発起人、設立時取締役又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
第56条
【株式会社不成立の場合の責任】
株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。
第9節
募集による設立
第1款
設立時発行株式を引き受ける者の募集
第57条
【設立時発行株式を引き受ける者の募集】
発起人は、この款の定めるところにより、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定めることができる。
発起人は、前項の募集をする旨を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
第58条
【設立時募集株式に関する事項の決定】
発起人は、前条第1項の募集をしようとするときは、その都度、設立時募集株式(同項の募集に応じて設立時発行株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる設立時発行株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。
設立時募集株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、その種類及び種類ごとの数。以下この款において同じ。)
設立時募集株式の払込金額(設立時募集株式一株と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この款において同じ。)
設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日又はその期間
一定の日までに設立の登記がされない場合において、設立時募集株式の引受けの取消しをすることができることとするときは、その旨及びその一定の日
発起人は、前項各号に掲げる事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
設立時募集株式の払込金額その他の前条第1項の募集の条件は、当該募集(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、種類及び当該募集)ごとに、均等に定めなければならない。
第59条
【設立時募集株式の申込み】
発起人は、第57条第1項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名
第27条各号、第28条各号、第32条第1項各号及び前条第1項各号に掲げる事項
発起人が出資した財産の価額
第63条第1項の規定による払込みの取扱いの場所
前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、第36条第1項に規定する期日後でなければ、前項の規定による通知をすることができない。
第57条第1項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を発起人に交付しなければならない。
申込みをする者の氏名又は名称及び住所
引き受けようとする設立時募集株式の数
前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。
発起人は、第1項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第3項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。
発起人が申込者に対してする通知又は催告は、第3項第1号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
第60条
【設立時募集株式の割当て】
発起人は、申込者の中から設立時募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる設立時募集株式の数を定めなければならない。この場合において、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、前条第3項第2号の数よりも減少することができる。
発起人は、第58条第1項第3号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を通知しなければならない。
第61条
【設立時募集株式の申込み及び割当てに関する特則】
前二条の規定は、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。
第62条
【設立時募集株式の引受け】
次の各号に掲げる者は、当該各号に定める設立時募集株式の数について設立時募集株式の引受人となる。
申込者 発起人の割り当てた設立時募集株式の数
前条の契約により設立時募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた設立時募集株式の数
第63条
【設立時募集株式の払込金額の払込み】
設立時募集株式の引受人は、第58条第1項第3号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。
前項の規定による払込みをすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。
設立時募集株式の引受人は、第1項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。
第64条
【払込金の保管証明】
第57条第1項の募集をした場合には、発起人は、第34条第1項及び前条第1項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。
前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は第34条第1項若しくは前条第1項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。
第2款
創立総会等
第65条
【創立総会の招集】
第57条第1項の募集をする場合には、発起人は、第58条第1項第3号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第50条第1項又は第102条第2項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。
発起人は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。
第66条
【創立総会の権限】
創立総会は、この節に規定する事項及び株式会社の設立の廃止、創立総会の終結その他株式会社の設立に関する事項に限り、決議をすることができる。
第67条
【創立総会の招集の決定】
発起人は、創立総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。
創立総会の日時及び場所
創立総会の目的である事項
創立総会に出席しない設立時株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
創立総会に出席しない設立時株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
発起人は、設立時株主(創立総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない設立時株主を除く。次条から第71条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第3号に掲げる事項を定めなければならない。
第68条
【創立総会の招集の通知】
創立総会を招集するには、発起人は、創立総会の日の二週間(前条第1項第3号又は第4号に掲げる事項を定めたときを除き、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合にあっては、一週間(当該設立しようとする株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、設立時株主に対してその通知を発しなければならない。
次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。
前条第1項第3号又は第4号に掲げる事項を定めた場合
設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合
発起人は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、設立時株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該発起人は、同項の書面による通知を発したものとみなす。
前二項の通知には、前条第1項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
発起人が設立時株主に対してする通知又は催告は、第27条第5号又は第59条第3項第1号の住所(当該設立時株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
前二項の規定は、第1項の通知に際して設立時株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。
第69条
【招集手続の省略】
前条の規定にかかわらず、創立総会は、設立時株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。ただし、第67条第1項第3号又は第4号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。
第70条
【創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付等】
発起人は、第67条第1項第3号に掲げる事項を定めた場合には、第68条第1項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「創立総会参考書類」という。)及び設立時株主が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。
発起人は、第68条第3項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、設立時株主の請求があったときは、これらの書類を当該設立時株主に交付しなければならない。
第71条
発起人は、第67条第1項第4号に掲げる事項を定めた場合には、第68条第1項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、創立総会参考書類を交付しなければならない。
発起人は、第68条第3項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類の交付に代えて、当該創立総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、設立時株主の請求があったときは、創立総会参考書類を当該設立時株主に交付しなければならない。
発起人は、第1項に規定する場合には、第68条第3項の承諾をした設立時株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。
発起人は、第1項に規定する場合において、第68条第3項の承諾をしていない設立時株主から創立総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該設立時株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。
第72条
【議決権の数】
設立時株主(成立後の株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて成立後の株式会社がその経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして法務省令で定める設立時株主を除く。)は、創立総会において、その引き受けた設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。
設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限がある種類の設立時発行株式を発行するときは、創立総会において、設立時株主は、株主総会において議決権を行使することができる事項に相当する事項に限り、当該設立時発行株式について議決権を行使することができる。
前項の規定にかかわらず、株式会社の設立の廃止については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式について議決権を行使することができる。
第73条
【創立総会の決議】
創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。
前項の規定にかかわらず、その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、当該定款の変更についての創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の半数以上であって、当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。
定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第107条第1項第3号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、設立時株主全員の同意を得なければならない。
創立総会は、第67条第1項第2号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。ただし、定款の変更又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。
第74条
【議決権の代理行使】
設立時株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。この場合においては、当該設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面を発起人に提出しなければならない。
前項の代理権の授与は、創立総会ごとにしなければならない。
第1項の設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該設立時株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。
設立時株主が第68条第3項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。
発起人は、創立総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。
発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第3項及び第76条第4項において同じ。)は、創立総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第3項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。次条第3項及び第76条第4項において同じ。)に備え置かなければならない。
設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主。次条第4項及び第76条第5項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。次条第4項及び第76条第5項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求
前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
第75条
【書面による議決権の行使】
書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該議決権行使書面を発起人に提出して行う。
前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。
発起人は、創立総会の日から三箇月間、第1項の規定により提出された議決権行使書面を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。
設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第1項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。
第76条
【電磁的方法による議決権の行使】
電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該発起人に提供して行う。
設立時株主が第68条第3項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。
第1項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。
発起人は、創立総会の日から三箇月間、第1項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。
設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。
第77条
【議決権の不統一行使】
設立時株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。この場合においては、創立総会の日の三日前までに、発起人に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。
発起人は、前項の設立時株主が他人のために設立時発行株式を引き受けた者でないときは、当該設立時株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。
第78条
【発起人の説明義務】
発起人は、創立総会において、設立時株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。ただし、当該事項が創立総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより設立時株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。
第79条
【議長の権限】
創立総会の議長は、当該創立総会の秩序を維持し、議事を整理する。
創立総会の議長は、その命令に従わない者その他当該創立総会の秩序を乱す者を退場させることができる。
第80条
【延期又は続行の決議】
創立総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第67条及び第68条の規定は、適用しない。
附則
この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
この法律の規定(罰則を除く。)は、他の法律に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。
第六条第三項の規定は、この法律の施行の際現にその商号中に合同会社であると誤認されるおそれのある文字を用いている場合における会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第三条第二項に規定する特例有限会社、同法第六十六条第一項前段の規定により存続する株式会社又は同条第三項前段の規定により存続する合名会社若しくは合資会社については、この法律の施行の日から起算して六月間(これらの会社が当該期間内に商号の変更をした場合にあっては、当該商号の変更をするまでの期間)は、適用しない。
この法律の施行の日から一年を経過する日までの間において合併契約が締結される合併、吸収分割契約が締結される吸収分割若しくは新設分割計画が作成される新設分割、株式交換契約が締結される株式交換又は株式移転計画が作成される株式移転の手続に関する第七百四十九条第一項第二号、第七百五十一条第一項、第七百五十三条第一項、第七百五十五条第一項、第七百五十八条第四号、第七百六十条、第七百六十三条、第七百六十五条第一項、第七百六十八条第一項第二号、第七百七十条第一項及び第七百七十三条第一項の規定の適用については、第七百四十九条第一項第二号中「次に掲げる事項」とあるのは「次に掲げる事項(ロからホまでに掲げる事項を除く。)」と、第七百五十一条第一項各号列記以外の部分中「次に掲げる事項」とあるのは「次に掲げる事項(第三号及び第四号に掲げる事項を除く。)」と、第七百五十三条第一項各号列記以外の部分中「次に掲げる事項」とあるのは「次に掲げる事項(第八号及び第九号に掲げる事項を除く。)」と、第七百五十五条第一項各号列記以外の部分中「次に掲げる事項」とあるのは「次に掲げる事項(第六号及び第七号に掲げる事項を除く。)」と、第七百五十八条第四号中「次に掲げる事項」とあるのは「次に掲げる事項(ロからホまでに掲げる事項を除く。)」と、第七百六十条各号列記以外の部分中「次に掲げる事項」とあるのは「次に掲げる事項(第五号に掲げる事項を除く。)」と、第七百六十三条各号列記以外の部分中「次に掲げる事項」とあるのは「次に掲げる事項(第八号及び第九号に掲げる事項を除く。)」と、第七百六十五条第一項各号列記以外の部分中「次に掲げる事項」とあるのは「次に掲げる事項(第六号及び第七号に掲げる事項を除く。)」と、第七百六十八条第一項第二号中「次に掲げる事項」とあるのは「次に掲げる事項(ロからホまでに掲げる事項を除く。)」と、第七百七十条第一項各号列記以外の部分中「次に掲げる事項」とあるのは「次に掲げる事項(第三号及び第四号に掲げる事項を除く。)」と、第七百七十三条第一項各号列記以外の部分中「次に掲げる事項」とあるのは「次に掲げる事項(第七号及び第八号に掲げる事項を除く。)」とする。
附則
平成18年6月2日
この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。
附則
平成18年6月14日
この法律は、平成十八年証券取引法改正法の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第百二十七条中公認会計士法第四条第二号の改正規定(「若しくは第百九十八条」を「から第百九十八条まで」に改める部分に限る。)、第百二十八条第一項の規定、第二百五条中会社法第三百三十一条第一項第三号の改正規定(「第百九十七条第一項第一号から第四号まで若しくは第七号若しくは第二項、第百九十八条第一号から第十号まで、第十八号若しくは第十九号」を「第百九十七条、第百九十七条の二第一号から第十号まで若しくは第十三号、第百九十八条第八号」に改める部分に限る。)、第二百六条第一項の規定及び第二百十三条中金融庁設置法第二十条第一項の改正規定(「、検査」の下に「、報告若しくは資料の提出の命令、質問若しくは意見の徴取」を加える部分に限る。) 平成十八年証券取引法改正法附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日
第百七十八条中組織的犯罪処罰法別表第二第二号の改正規定(「第百九十八条第十八号(内部者取引)又は」を削る部分に限る。) 平成十八年証券取引法改正法附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日
第百七十八条(組織的犯罪処罰法別表第二第二号の改正規定中「第百九十八条第十八号(内部者取引)又は」を削る部分を除く。)の規定 犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の施行の日又は施行日のいずれか遅い日
第二百十四条の規定 平成十八年証券取引法改正法附則第一条第五号に掲げる規定の施行の日
附則
平成18年12月15日
この法律は、新信託法の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第九条(商法第七条の改正規定に限る。)、第二十五条(投資信託及び投資法人に関する法律第二百五十一条第二十四号の改正規定に限る。)、第三十七条(金融機関の合併及び転換に関する法律第七十六条第七号の改正規定に限る。)、第四十九条(保険業法第十七条の六第一項第七号、第五十三条の十二第八項、第五十三条の十五、第五十三条の二十五第二項、第五十三条の二十七第三項、第五十三条の三十二、第百八十条の五第三項及び第四項並びに第百八十条の九第五項の改正規定に限る。)、第五十五条(資産の流動化に関する法律第七十六条第六項、第八十五条、第百六十八条第五項、第百七十一条第六項及び第三百十六条第一項第二十三号の改正規定に限る。)、第五十九条、第七十五条及び第七十七条(会社法目次の改正規定、同法第百三十二条に二項を加える改正規定、同法第二編第二章第三節中第百五十四条の次に一款を加える改正規定、同法第二編第三章第四節中第二百七十二条の次に一款を加える改正規定、同法第六百九十五条の次に一条を加える改正規定及び同法第九百四十三条第一号の改正規定を除く。)の規定 公布の日
附則
平成19年5月16日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十年四月一日から施行する。
附則
平成19年6月27日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
第28条
(罰則に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第29条
(政令への委任)
附則第二条から第十九条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第30条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、公認会計士制度及び監査法人制度等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成20年6月13日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第40条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第41条
(政令への委任)
附則第二条から第十九条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第42条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年以内に、この法律による改正後の規定の実施状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成21年4月30日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則
平成21年6月24日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
第19条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第20条
(政令への委任)
附則第二条から第五条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第21条
(検討)
政府は、この法律の施行後三年以内に、この法律による改正後のそれぞれの法律(以下「改正後の各法律」という。)に規定する指定紛争解決機関(以下単に「指定紛争解決機関」という。)の指定状況及び改正後の各法律に規定する紛争解決等業務の遂行状況その他経済社会情勢等を勘案し、消費者庁及び消費者委員会設置法附則第三項に係る検討状況も踏まえ、消費者庁の関与の在り方及び業態横断的かつ包括的な紛争解決体制の在り方も含めた指定紛争解決機関による裁判外紛争解決手続に係る制度の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
政府は、前項に定める事項のほか、この法律の施行後五年以内に、この法律による改正後の規定の実施状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則
平成21年7月10日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
附則
平成23年5月25日
この法律は、新非訟事件手続法の施行の日から施行する。
附則
平成23年6月24日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
附則
平成24年3月31日
第1条
(施行期日)
この法律は、平成二十四年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第79条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第80条
(政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則
平成25年6月19日
第1条
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第36条
(罰則の適用に関する経過措置)
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第37条
(政令への委任)
附則第二条から第十五条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
第38条
(検討)
政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律(以下この条において「改正後の各法律」という。)の施行の状況等を勘案し、必要があると認めるときは、改正後の各法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

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